• 検索結果がありません。

青年期における意思決定スタイル研究の課題と展望

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "青年期における意思決定スタイル研究の課題と展望"

Copied!
25
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

著者

岩渕 将士

雑誌名

東北大学大学院教育学研究科研究年報

68

2

ページ

129-152

発行年

2020-06-30

URL

http://hdl.handle.net/10097/00128385

(2)

 本稿では,意思決定スタイルの多面性を先行研究の概観を通して整理し,7側面(合理的,直観的, 不適応的,対人的,惰性的,自発的,その他)から意思決定スタイルを捉えることを提案した。また, 青年期における意思決定スタイルの特徴について明らかにするため,系統的レビューを行ったとこ ろ,52件の研究報告が抽出された。意思決定スタイルの各側面について知見を整理した結果,合理 的スタイルと不適応的 (衝動的,回避的,防衛的)スタイルは数多くの研究が行われ,詳細な特徴が 明らかになっていることが確認された。直観的スタイルは適応的なスタイルであるが,経験的処理 と即時的処理を弁別することの重要性が指摘された。対人的スタイル,惰性的スタイル,自発的ス タイルは心理測定学的に優れた尺度が作成されてこなかったため,今後はこの3スタイルについて 検討を進めることが求められると指摘した。 キーワード:意思決定スタイル,青年期,系統的レビュー

【問題と目的】

 人々は日々の生活の中で多様な意思決定場面に直面する。その際,長時間かけて情報を吟味し, 複数の可能性の中から最適な選択肢を追求する者もいれば,直観に基づいて短時間で意思決定を下 す者もいる(Hamilton, Shih, & Mohammed, 2016)。このように,様々な場面において複数の選択肢 を比較検討した上で,1つの選択肢に絞る認知的プロセスのことを意思決定と呼び(Davids, Roman, & Leach, 2016; Miller & Byrnes, 2001),意思決定のプロセス(Janis & Mann, 1977)や意思決定能力 (Bechara, Damasio, Damasio, & Anderson, 1994),消費活動やキャリア選択といった特定の場面に おける意思決定(Argyropoulou & Kaliris, 2018; Sprotles & Kendall, 1986)など,多様な検討がなさ れてきた。

 本研究では,意思決定の基盤となる要因であり,近年までその構成概念について多様な議論が行 われてきた意思決定スタイルに着目する。検討に先立ち,意思決定スタイルの概念的な位置づけを 認知スタイルとの関係から整理し,意思決定スタイルの操作的定義を行う。

 意思決定スタイル 意思決定スタイル(Decision making styles)は認知スタイル(Cognitive

青年期における意思決定スタイル研究の課題と展望

岩 渕 将 士

(3)

styles)と類似した概念であるが,認知スタイルはより広範な情報処理まで含む点で異なる(Galotti et al., 2006; Hamilton et al., 2016)。認知スタイルの代表的な測定尺度として,ユングのパーソナリ テ ィ 理 論 を 基 に し た Myers-Briggs Type Indicator (MBTI; Myers, 1962; Myers, McCaulley, Quenk, & Hammer, 1998)や,認知的経験的自己理論(Cognitive-Experiential Self-Theory: CEST) を基にした REI(Rational-Experiential Inventory; Epstein, Pacini, Denes-Raj, & Heier, 1996; Pacini

& Epstein, 1999)が挙げられる。MBTI は「外向―内向」「思考―感情」「感覚―直観」「判断―知覚」

の4側面から構成される尺度であり,ビジネス(Gardner & Martinko, 1996; Hough & Ogilvie, 2005) やキャリア・カウンセリング(Kennedy & Kennedy, 2004)といった幅広い分野で用いられてきた。 REI は,意識的,分析的で,比較的時間がかかり,言語的思考に基づく「合理性(Rationality)」と,自 律的,全体的で,比較的処理が速く,非言語的思考に基づく「直観性(Experimentality)」の2側面から 構成される(Epstein et al., 1996; Pacini & Epstein, 1999)。

 REI(Epstein et al., 1996; Pacini & Epstein, 1999)に限らず,認知心理学や社会心理学,神経心理 学や臨床心理学といった幅広い分野で二重過程モデル(Dual process model)が検討されており,直 観的プロセス(System1)と熟慮的プロセス(System2)が独立にかつ相互作用しながら認知的処理 が行われることが確認されてきた(Anchin & Singer, 2016; Kahneman, 2003; Stanovich & West, 2000)。MBTI における「感覚―直観」は直観的,「思考―感情」は熟慮的プロセスに類すると捉えら れることから,ユングのパーソナリティ理論も二重過程モデルと重なる領域を持つと言える。  以上を踏まえると,人間の認知的プロセスは少なくとも2つかそれ以上の側面を持つことが指摘 される。意思決定スタイルは意思決定場面に限定した認知的プロセスの個人差を説明する概念であ り,情報処理や問題解決といったより一般的な認知的プロセスを説明する認知スタイルに比べて限 局的な概念である(Galotti et al., 2006; Hamilton et al., 2016)。しかし,意思決定スタイルの基礎と して認知スタイルが位置付けられることから,意思決定スタイルにも直観的プロセスや熟慮的プロ セス(Stanovich & West, 2000)に相当する側面が含まれると考えられる。詳細は後述するが,実際 に意思決定スタイルは多面的に捉えられ,その多くの測定尺度に直観的プロセスと熟慮的プロセス に相当する下位尺度が含まれている(Coscarelli, 1983; French, West, Elander, & Wilding, 1993; Hamilton et al., 2016; Harren, 1984; Leykin & Derubeis, 2010; Mann, Burnett, Radford, & Ford, 1997; Scott & Bruce, 1995)。

 また,意思決定スタイルが文脈横断的か文脈依存的かについては,研究者によって立場が異なっ てきた(Table1)。従来から意思決定スタイルはパーソナリティのように特性的な概念と捉える研 究者が多かったが(Harren, 1979; Janis & Mann, 1977; Johnson, 1978; Leykin & Derubeis, 2010), 意思決定状況に応じて変化する文脈依存的なものと捉える研究者もいた(Arroba, 1977; Thunholm, 2004)。Arroba (1977)は意思決定スタイルを特性的なものとも,意思決定行動の分類に用いるもの とも捉えることができると指摘した。そして,意思決定の文脈による変動性を調査した結果,意思 決定スタイルは変動性を備えた行動面を表す概念と捉えた方が有益であると結論づけた。また, Arroba (1977)と同様に意思決定スタイルが習慣的に形成されたものなのか,それとも特性による

(4)

ものか検討した Thunholm(2004)においても,意思決定スタイルは習慣的に形成されるものであり, 変動可能性を備えた概念と位置付けられた。ただし,意思決定スタイルは自尊感情や情報処理といっ たパーソナリティの影響なしに成立し得ない点に留意し,「特性か状態か」という二項対立ではなく, 「特性も状態も」という全体的な概念であることに留意する必要がある(Thunholm, 2004)。  以上の議論を踏まえ,先行研究における操作的定義(Table1)を参考に,本研究では意思決定スタ イルを「意思決定プロセスに対して特定の方法で接近する習慣に基づく応答パターン」と定義する。 ただし,意思決定は意思決定スタイルだけでなく,意思決定が迫られる文脈や種々のパーソナリティ 要因の影響も受けるという立場を取る(Hamilton et al., 2016)。また,少なくとも直観プロセス と 熟慮的プロセスという2側面を含む,多面的な概念として捉える立場を取る。  青年期における意思決定スタイル 青年期は様々な役割実験を通してアイデンティティの確立を 目指す時期であり(Erikson, 1959),家族関係や友人関係,学業や課外活動等の中で多様な意思決定 経験を積みながら自己を形成している。また,現代社会は排除型の社会と位置づけられており(村 澤・山尾・村澤,2012),青年は周囲から排除されないよう,意識的か無意識的かに関わらず,それぞ れの社会的場面において柔軟な意思決定を行うことが求められる。時には周囲との協調のために迎 合的な意思決定を行うことで社会的な適応を目指す場合もあれば,自身の信念に従うことを優先し, 必ずしも周囲の理解が得られるとは限らない決定を下すこともある。こうした発達段階や現代性と いう背景を鑑みると,青年期における意思決定スタイルの理解を深めることは,他者との関係性の 中で自己を捉え直し,アイデンティティの確立に向けて成長する青年を支援する上で重要と言える。 Table1 意思決定スタイルの定義 著者 意思決定スタイルの定義 Arroba (1977) 意思決定状況に接近し,反応し,行動する方法。

Janis & Mann (1977) 意思決定の葛藤に対する対処行動のパターンであり,意思決定の質に寄与するもの。

Johnson (1978) 個人内において一貫した,意思決定に最も強く影響するパーソナリティ。

Harren (1979) 意思決定課題における知覚や応答に関する特性的なモードであり,また,意思決定へ

の接近の仕方。

Driver et al. (1990) 意思決定における学習された習慣。

French et al. (1993) 個人が意思決定プロセスに接近し,情報を用いる習慣的な方法。

Scott & Bruce (1995) 意思決定状況に直面したときに個人が示す学習された,また習慣に基づく応答パター

ン。 Thunholm (2004) 意思決定場面において個人が示す応答パターン。この応答パターンは意思決定場面, 意思決定課題,及び個々の意思決定者によって決定される。意思決定者間の個人差に は,習慣の違いだけでなく,情報処理や自己評価,自己制御等の基本的な認知能力の 違いも含まれ,これらの基本的な個人差は様々な意思決定課題や意思決定場面におい て応答パターンに一貫した影響を与える。

Leykin & Derubeis (2010) 意思決定場面への接近の仕方に関する特性に類するもの。

Hamilton et al. (2016) 意思決定に特定の方法で反応するための「習慣に基づく傾向」である。また,環境要因

や時間的なプレッシャー,課題への取り組みやすさ等によって変動する可能性を備え るものであり,特性と状態の両者に基づくもの。

Davids et al. (2016) 意思決定をする際に他の選択肢について考える個人差であり,意思決定におけるプロ

(5)

しかし,意思決定スタイルの概念的な位置づけは近年も議論が行われ続けており,青年期における 意思決定スタイルの多面性の理解は整備しきれていない状況にある。  本研究の目的 以上を踏まえ,本研究では,これまでに提案された意思決定スタイルの知見を整 理することで,意思決定スタイルの多面性と各側面の特徴を明らかにすることを目的とする。その 際,特に青年期はアイデンティティの確立や社会適応といった自己形成の基盤づくりの時期であり, 自己形成支援のためにも意思決定スタイルの理解を深めることは有意義と考えられるため,青年期 に限定して意思決定スタイルの知見を系統的にレビューする。なお,本研究では意思決定場面一般 に関する意思決定スタイルを検討対象とし,特定の文脈における意思決定スタイルは除外した。例 えば,キャリア意思決定スタイル(Career decision making style)については Argyropoulou & Kaliris (2018)が詳細なレビューを行っており,意思決定スタイルの1つでもある先延ばし(Procrastination)

や優柔不断(indecisiveness)は Steel (2007)や Newark (2014)が参考になる

【方法】

 調査時期・方法 2019年7月から9月に Google Scholar を用いて文献検索を行った。キーワード は「“decision making style” & “adolescence”」を用いた。検索対象は2018年までとし,開始年は指 定しなかった。

 採用基準 文献の採用に際して以下の基準を設けた。①英語もしくは日本語で書かれていること, ②学術雑誌に掲載された論文であること(学位論文や書籍,抄録,紀要等は除外),③心理学領域の 研究であること,④意思決定スタイルについて扱っていること(意思決定能力(Decision making skills, Decision making performance)や意思決定プロセス(Decision making process)について扱っ たものは除外),⑤一般の学校に所属する生徒や学生を対象としていること(プロスポーツ選手や難 病患者など,一般青年とは質的に異なる調査対象者の場合は除外),⑥実証的な研究であること,⑦ 一般的な意思決定スタイルについて多面的に扱ったもの(キャリア選択や消費選択といった特定の 領域における意思決定スタイルは除外。また,一般的な意思決定スタイルの尺度を用いているが, 単一の側面のみを測定したものは除外),⑧意思決定スタイルの測定尺度が英語で作成または英語 に翻訳されていること,の8つの基準であった。  分析方法 上記の採用基準を元に文献を検索し,発行年,研究デザイン,調査対象者,使用尺度に ついて集計した。研究デザインは,量的研究,実験・実践研究,質的研究によって分類した。調査対 象者は中等教育段階と高等教育段階の2分類とした。

【結果】

 キーワードを元に文献を検索したところ,総検索数は1901件であった。まず,重複したもの(43 件),学位論文や書籍といった学術雑誌に掲載された論文以外のもの(1010件),心理学以外の研究 分野の論文(24件)を除外した。次に,タイトルと要約から基準を満たさない論文(666件)を除外し, 全文を確認した上で基準を満たさないもの(107件)を除外したところ, 最終的に51件の論文が採用

(6)

された(Figure1)。ただし,採用された論文の内,1件において同一論文中で異なる意思決定スタイ ル尺度を用いた2研究が報告されていた。この2研究は独立した調査に基づくものであり,使用尺 度も異なるため,論文は1件だがコーディングの際には2件としてカウントした。したがって,総研 究数は52件であった(Table2)。  発行年 青年期における意思決定スタイル研究の時代的な動向を確認するため,検索された研究 の発行年を集計した。文献検索の際には年代の下限を設定しなかったが,最も古い研究は1990年で あった。その後,1990年代には10件,2000年代には5件と研究数が少ない時期が続いたが,2010年 代に入ってから大きく研究数が増加した。意思決定スタイルの基礎となる理論は1970年代から行 われていたが(例えば,Arroba, 1977; Harren, 1979; Janis & Mann, 1977; Johnson, 1978),実証的研 究は主に1990年以降に行われてきたことが確認された。  調査対象者 調査対象者の学校段階について検討したところ,中等教育段階を対象にした研究数 が22件,高等教育段階を対象にした研究数が30件であった。青年期後期に当たる高等教育段階の 比重が大きかったが,青年期全般に渡って研究が検索されたことが確認された。  研究デザイン 採用基準として実証的な研究であることを設定したため,レビューや仮説生成的 な質的研究は除外された。検索された研究で用いられた研究デザインは,実験・実践研究が4件,量 総検索数(n=1901) 重複文献(n=43) 学術雑誌に掲載された論文か(n=1858) 書籍・抄録・紀要等(n=1010) ※採用基準② 心理学領域の論文か(n=848) 心理学領域以外の論文(n=24) ※採用基準③ タイトル及び要約が基準を満たしているか(n=824) 採用基準①,③,④,⑤,⑥,⑦,⑧の少なくとも 1 つを満たさない(n=666) 本文が基準を満たしているか(n=158) 採用基準③,④,⑤,⑥,⑦,⑧の少なくとも 1 つを満たさない(n=107) 採用した論文(n=51) ※ただし,採用した総研究数は52件 Figure1 文献の選択過程

(7)

的研究が48件であり,実証的な質的研究は0件であった。また,量的研究のうち47件が横断調査で あり,縦断調査を行った研究は1件のみ(Galotti, Tandler, & Wiener, 2014)であった。

 意思決定スタイルの基礎的研究 意思決定スタイルの基礎として認知スタイルが位置付けられる ことから(Galotti et al., 2006; Hamilton et al., 2016),意思決定スタイルには直観的な情報処理によ る意思決定スタイルと,熟慮的な情報処理を基にした意思決定スタイルの2側面が含まれると想定 される。しかし,意思決定場面に遭遇した際には,自ら進んで意思決定を行うだけでなく,意思決 定することを回避もしくは遅延したり,他者に意思決定を任せるような場面も社会一般に見られる。 こうした意思決定行動の多様性を説明するためには,意思決定スタイルを直観と熟慮の2側面に留 まらず,より多面性な概念として捉えることが有意義であると言えよう。以下では,まず検索され た研究の基礎として位置づけられる意思決定スタイル理論を整理する。なお,ここで基礎理論を整 理するために用いた文献には,本研究の文献検索によって抽出された52件以外の研究も含まれる。 その次に,検索された研究を基に,意思決定スタイルの測定尺度という視点から意思決定スタイル の各側面の特徴を整理する。  Arroba の意思決定スタイル Arroba (1977)は実際の意思決定場面について面接調査を行い,論 理的(Logical),躊躇的(Hesitant),直観的(Intuitive),感情的(Emotional),惰性的(No thought), 準拠的(Compliant)という6側面から意思決定スタイルを捉えた。論理的スタイルは外的な情報を 基に意思決定する点で,準拠的スタイルは意思決定の際に他者の意見を取り入れる点で外向的であ るが,直観的スタイルや感情的スタイルは自身の経験や感情を基に意思決定を行うため内向的なス タイルと捉えられた(Arroba, 1977)。また,論理的,躊躇的,直観的,感覚的,準拠的スタイルは意 Table2 コーディングの集計表 集計内容 下位分類 研究報告数 (割合) 発行年 1990 - 1994 8 ( .15 ) 1995 - 1999 2 ( .04 ) 2000 - 2004 1 ( .02 ) 2005 - 2009 4 ( .08 ) 2010 - 2014 15 ( .29 ) 2015 - 2018 22 ( .42 ) 調査対象者 中等教育段階 22 ( .42 ) 高等教育段階 30 ( .58 ) 研究デザイン 実験・実践研究 4 ( .08 ) 量的研究 48 ( .92 ) 使用尺度 FDMQ, ADMQ, MDMQ 25 ( .48 ) DMI 2 ( .04 ) ACDM 3 ( .06 ) GDMS 20 ( .38 ) DMQ 1 ( .02 ) DSS 1 ( .02 ) 計 52

(8)

思決定を行う(もしくは行わない)基準が明確にあるが,惰性的スタイルは意思決定をする基準が 明確ではない点で特徴的であった(Arroba, 1977)。

 Janis & Mann の意思決定スタイル Janis & Mann (1977)の意思決定の葛藤理論(A conflict model of decision making)では,重要な意思決定を行う際には葛藤が生じるため,その葛藤に対処 する基本的な5つのコーピング・パターンが提示された。すなわち,現状維持(Unconflicted inertia), 惰性的変更(Unconflicted change),防衛的回避(Defensive avoidance),短慮(Hypervigilance),熟 慮(Vigilance)の5側面である。また,防衛的回避の下位概念として先延ばし(Procrastinating),責 任転嫁(Shifting responsibility),合理化(Bolstering)の3側面が位置付けられた(Janis & Mann, 1977)。意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)によると,人間は意思決定のストレスに曝され た時,現状維持から順に意思決定プロセスが進み,現状からの変化を求め,より良い選択肢を模索し, 情報収集や熟考する十分な資源がある時に熟慮(Vigilance)に至ると捉えられた。また,熟慮は健全 で合理的な意思決定を可能にする唯一のものであり,それ以外は不適応的なコーピング・パターン として位置づけられた。Janis & Mann (1977)はあくまでも提案した5側面を「コーピング・パター ン」としてモデル化したが,その後の研究が進むにつれてこの5側面は意思決定スタイルとして捉え られるようになった(Mann et al., 1997)。

 Johnson の意思決定スタイル Johnson (1978)は情報収集(Information gathering)と情報分析 (Information analyzing)の2軸から意思決定スタイルを捉えた。情報収集は「即時的(Spontaneous) ―体系的(Systematic)」を両極に持ち,情報分析は「外的(External)―内的(Internal)」を両極に持 つ意思決定スタイルである。この2軸は独立した関係にあり,意思決定者は,即時的・外的,即時的・ 内的,体系的・外的,体系的・内的という4つのカテゴリーのいずれかに分類される。Johnson (1978) の理論を基にした DMI (Decision Making Inventory)は複数回の改訂がなされたが,一貫して,即 時的,体系的,外的,内的という4側面を測定する尺度であった(Coscarelli, 1983)。

 Harren の意思決定スタイル Harren (1979)はキャリア選択に関する意思決定を「プロセス

(Processes)」,「特性(Characteristics)」,「課題(Tasks)」,「状態(Conditions)」の4側面から捉えた。

また,「特性」を更に「自己概念」(特性自尊感情:Identity Self-esteem)と「意思決定スタイル」(合

理的:Rational,直観的:Intuitive,依存的:Dependent)から捉えた。なお,Harren (1979)はキャ リアという特定領域の意思決定について検討を行ったが,その中で概念化された意思決定スタイル はキャリア場面に限らない一般的なものであった。合理的スタイルと直観的スタイルは意思決定の 責任を自己に帰属するが,依存的スタイルは他者に責任を帰属する点で特徴が異なっていた。  Driver et al. の意思決定スタイル Driver et al. (1990)は情報収集(Information use)と選択肢の 数 (Unifocus - Multifocus)から意思決定スタイルを提案した。すなわち,単一焦点(Unifocus)で最 小限の情報を用いる決断的(Decisive)スタイル,複数焦点(Multifocus)で最小限の情報を用いる弾 力的 (Flexible)スタイル,単一焦点で最大限の情報を用いる階層的(Hierarchic)スタイル,複数焦 点で最大限の情報を用いる統合的(Integrative)スタイル,階層的スタイルと統合的スタイルを組み 合わせた体系的(Systemic)スタイルの5類型である。Driver et al. (1990)はこれら5つのスタイル

(9)

の中でどれか1つが最良のスタイルということはなく,それぞれのスタイルに長所と短所があると 述べた。例えば,構造化された環境では決断的スタイルや階層的スタイルが有用であり,流動的な 環境では弾力的スタイルや統合的スタイルがすぐに他の可能性に移行できる点で優れていると指摘 した。また,Driver et al. (1990)は個人の中で支配的なスタイルがありつつも,サブスタイルが個 人内に併存すると指摘した。例えば,基本的には決定的スタイル者に分類される個人がいたとして も,状況に応じて弾力的スタイル者のように振舞うことがあることは許容されると捉えた。

 French et al. の意思決定スタイル French et al. (1993)は Arroba (1977),Johnson (1978), Harren(1979)らの理論を基に,より一般的な意思決定スタイルの測定尺度の作成を試みた。そして, 徹底(Thoroughness),統制(Control),躊躇(Hesitancy),社会的抵抗(Social resistance),完全主義 (Perfectionism),理想主義(Idealism),直観(Instinctiveness)の7側面から DMQ (Decision Making

Questionnaire)を作成した。しかし,完璧主義,理想主義,直観の3スタイルは各2項目と項目数が 少なく,心理測定学的に限界を残す尺度であった。

 Scott & Bruce の意思決定スタイル Scott & Bruce (1995)は心理測定学的に質の高い尺度が作 成されていないと問題提起し,新たな意思決定スタイル尺度を作成する必要があると指摘した。そ して,意思決定スタイルの先行研究をレビューし,予備的調査を行った上で意思決定スタイルを5 側面から捉える GDMS (General Decision-Making Style)を作成した。この5側面とは,合理的 (Rational),直感的(Intuitive),依存的(Dependent),回避的(Avoidant),即時的(Spontaneous)であっ た。GDMS は大学生や軍人,研究開発職といった多様な背景を持つ対象者に調査を行って作成され たため,構成概念という点からも尺度を用いることができる調査対象者という点からも一般的に使 用可能な尺度と捉えられた。

 Leykin & DeRubeis の意思決定スタイル Leykin & Derubeis (2010)は抑うつ者には特有の意思 決定スタイルがあるとの立場から新たな尺度の作成を試みた。その際,意思決定スタイルの先行研 究だけでなく,意思決定に付随する特性的な要因も考慮した。その結果,自己評価(特性)に関する 2側面(尊敬 Respected と自信 Confident)と,意思決定スタイルの7側面(即時的 Spontaneous,依 存的 Dependent,熟慮 Vigilant,回避的 Avoidant,憂鬱 Brooding,直観的 Intuitive,不安 Anxious) の計9因子から構成される尺度が作成された。依存的スタイルは抑うつと正の相関が示されたが, 年齢や性別,現在受けている治療の有無の影響を統制すると抑うつと有意な関連が示されないこと が報告された(Leykin & Derubeis, 2010)。

 Hamilton et al. の意思決定スタイル Hamilton et al. (2016)は既存の意思決定スタイル尺度は構 成概念妥当性や心理測定学的な脆弱性を拭いきれないと指摘し,こうした限界を改善した測定尺度 の開発を試みた。その際,Hamilton et al. (2016)は既存の尺度では情報処理の二重過程を充分に反 映しきれていないと指摘し,合理的(Rational)と直観的(Intuitive)という2側面に絞って意思決定 スタイルの測定尺度(DSS: Decision Style Scale)を作成した。DSS では,体系的スタイルと即時的 スタイルを対極に位置付けた Johnson (1978)理論とは異なり,合理的スタイルと直観的スタイルの 弁別性が確認され,これら2スタイルは部分的に重なりを持ちつつも独立した概念であることが確

(10)

認された。この点について Hamilton et al. (2016)は,直感的スタイルには短時間で行われるヒュー リスティック処理と,過去の経験に基づく専門的処理の2種類が含まれており,徹底的な情報収集 と選択肢の比較検討を特徴とする合理的スタイルはヒューリスティック処理とは相反するが,専門 的処理とは同時に成立し得ると指摘した。  意思決定スタイルの多面性 以上で述べたように,意思決定スタイルの多面性は種々の理論やカ テゴリー,測定尺度から捉えられてきた。これらの知見をまとめると,意思決定スタイルは7側面 から捉えることが可能と言えよう(Table3)。1つ目は合理的スタイルであり,体系的,論理的に思 考を深めるプロセスと,様々な選択肢を比較検討するプロセスの両面が含まれる点で特徴的である。 2つ目は直観的スタイルであり,短時間の意思決定プロセスと,即時性を保つために経験に根差し た直観的評価を用いる点で特徴的である。3つ目は不適応的スタイルであり,衝動的,回避的,防衛 的スタイルが下位分類として位置付けられる。衝動的スタイルは不安やパニックによって特徴づけ られ,回避的スタイルは意思決定を可能な限り遅延させようとする点で特徴的であり,防衛的スタ イルは意思決定の責任を自ら背負わないようにする点で特徴的である。4つ目は対人的スタイルで あり,他者の意見を参考に意思決定する協調的なスタイル(Wood & Highhouse, 2014)と考えられ る。5つ目は惰性的スタイルであり,意思決定プロセスへの関与が低く,考えなしに現状維持を選 んだり,安易な変更を行うスタイルである。6つ目は自発的スタイルであり,自発的にセルフコン トロール下で意思決定しようとする点で特徴的である。以上の6側面に含まれないスタイルは7つ 目にまとめられ,完全主義や理想主義(French et al., 1993)が位置付けられた。

 使用尺度 次に,文献検索によって抽出された研究において使用された尺度についてまとめる。 本研究で検討する意思決定スタイルの測定尺度は,意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)を基 に し た FDMQ・ADMQ・MDMQ(Mann, 1982; Mann, Harmoni, & Power, 1988; Mann et al., 1997),Johnson 理論を基にした DMI(Coscarelli, 1983),Harren 理論を基にした ACDM・CDMQ (Harren, 1984; Lunneborg, 1978),French et al. (1993)の DMQ,Scott & Bruce (1995)の GDMS, Hamilton et al. (2016)の DSS の計9尺度であった。以下では,各尺度の基礎理論を基に意思決定ス タイルの特徴について整理した。

 FDMQ, ADMQ, MDMQ 意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)を基に作成された尺度が FDMQ (Flinders Decision Making Questionnaire; Mann, 1982)である。FDMQ は意思決定におけ る自尊心(Self-esteem in decision making)と意思決定に伴う葛藤への対処方法(Coping pattern)の 2部から構成された。また,対処方法は熟慮(Vigilance),短慮(Hypervigilance),防衛的回避 (Defensive avoidance)と,防衛的回避の下位分類である先延ばし(Procrastination),責任転嫁 (Buck-passing),合理化(Rationalization)の計6側面から構成された。Mann et al. (1988)では FDMQ の青年期版として ADMQ (A version of the DMQ)を作成した。ADMQ は意思決定の自信 (Self confidence in decision making)に加えて,対処方法として熟慮(Vigilance),短慮(Panic),防 衛的回避(Evasiveness),無批判(Complacency)の計5側面から構成された。いくつかの研究で基 準関連妥当性が検証された FDMQ と ADMQ であったが,Mann et al. (1997)において FDMQ の

(11)

Table3 意思決定スタイルの多面性 合理的 Rational 直観的 Intuitive 不適応的 Maladaptive 対人的 Interpersonal 惰性的 Irresponsible 自発的 Autonomous その他 Others 体系的 Systematic 対比的 Comparative 経験的 Experiential 即時的 Immediate 衝動的 Impulsive 回避的 Avoidant 防衛的 Defensive Arroba (1977) 論理的 Logical 直観的 Intuitive 躊躇的 Hesitant 準拠的 Compliant 惰性的 No thought 感情的 Emotional

Janis & Mann

(1977) 熟慮 Vigilance 短慮 Hypervigilance 先延ばし Procrastinating 合理化 Bolstering 現状維持 Unconflicted inertia 責任転嫁 Shifting responsibility 惰性的変更 Unconflicted change Johnson (1978) 体系的 Systematic 即時的 Spontaneous 外的 External 内的 Internal Harren (1979) 合理的 Rational 直観的 Intuitive 依存的 Dependent Driver et al. (1990) 階層的 Hierarchic 統合的 Integrative 弾力的 Flexible 決断的 Decisive 体系的 Systemic French et al. (1993) 徹底 Thoroughness 直観 Instinctiveness 躊躇 Hesitancy 社会的抵抗 (R) Social resistance 統制 Control 完全主義 Perfectionism 理想主義 Idealism

Scott & Bruce

(1995) 合理的 Rational 直観的 Intuitive 即時的 Spontaneous 回避的 Avoidant 依存的 Dependent

Leykin & Derubeis

(2010) 熟慮 Vigilant 直観的 Intuitive 即時的 Spontaneous 不安 Anxious 回避的 Avoidant 依存的 Dependent 憂慮 Brooding Hamilton et al. (2016) 合理的 Rational 直観的 Intuitive ※( R ): 対極的な位置づけ

(12)

因子妥当性が検証されず,尺度の改良が行われた。その結果として MDMQ (Melbourne Decision Making Questionnaire)が 作 成 さ れ,熟 慮(Vigilance),短 慮(Hypervigilance),責 任 転 嫁(Buck- passing),先延ばし(Procrastination)の4因子構造が採用された。MDMQ は FDMQ を項目プール として作成され,また,項目数や項目内容は異なるが FDMQ や ADMQ と構成概念は概ね重なるた め,尺度の連続性は保たれていると判断された(Mann et al., 1997)。なお,意思決定の自尊心は特 性的な要因であり,意思決定スタイルとは異なる概念と捉えられる。また,FDMQ や ADMQ が作 成されるまでの論文等は未刊行のものが多く含まれるため,上述した FDMQ や ADMQ の詳細は Friedman & Mann (1993)や Mann et al. (1997)に記載された内容を元に整理した。

 文献検索を行った結果,意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)に基づく FDMQ,ADMQ, MDMQ が用いられた研究は計25件であった。国際比較を行った Friedman & Mann (1993)では, 熟慮はイスラエルの方がオーストラリアより高く,防衛的回避はイスラエルの方が低いことが示さ れた。また,Mann et al. (1998)では欧米3か所(アメリカ,オーストラリア,ニュージーランド) とアジア3か所(日本,香港,台湾)で調査を行い,短慮や責任転嫁,先延ばしは欧米よりアジアの方 が高いことが示された。

 年齢差については,親の方が子どもより熟慮が高く(Brown & Mann, 1991),青年期の中でも青 年期前期より中期の方が熟慮が高く(Filippello, Sorrenti, Cuzzocrea, & Nuzzaci, 2014),青年期前 期より中期の方が(Ormond, Luszcz, Mann, & Beswick, 1991),中期より後期の方が(Filippello et al., 2014)短慮や先延ばしといった不適応的な意思決定スタイルが低いことが示された。また, Brown & Mann (1991)では青年期前期において女子の熟慮と母親の熟慮との間に正の相関が示さ れたが,青年期中期では有意な関連が示されなかった。さらに,Filippello et al. (2014)では青年期 中期において学業成績と先延ばしが関連する一方で,青年期後期では学業成績と熟慮の間に正の相 関が,短慮との間に負の相関が示された。これらの結果は,青年期の各時期において意思決定スタ イルの親子間の類似性や学業成績との関連の仕方が変化することを示すものであった。性差につい ては,短慮は女子の方が高く(Cenkseven-Önder, 2012; Friedman & Mann, 1993; Güçray, 2005; Yildiz et al., 2012),無批判は男子の方が高い(Cenkseven-Önder, 2012; Friedman & Mann, 1993)こ とが示されたが,熟慮は男子の方が高いという結果(Yildiz et al., 2012)と,女子の方が高いという 結果(Cenkseven-Önder, 2012; Govind & Amalor, 2016)が混在していた。また,性別ごとに意思決 定スタイルから生活満足感への影響を検討した Cenkseven-Önder (2012)では,男子では防衛的回 避から,女子では無批判から生活満足感に負の影響が示され,性別によって意思決定スタイルの特 徴が異なることが確認された。

 性差と年齢差以外の検討については,例えば家族構成は一貫した結果が示されてこなかった。 Davids, Roman, & Leach (2015)では両親家庭と片親家庭で青年の意思決定スタイルに有意差が示 されなかったが,Brown & Mann (1991)では熟慮について,男子では片親家庭の方が高く,女子で は両親家庭の方が高いことが示された。また,ギフテッド者の方がギフテッドでない者より短慮や 先延ばしといった不適応的な意思決定スタイルが低いことが示され(Ball, Mann, & Stamm, 1994),

(13)

教育レベルの高い学校に所属する者の方が熟慮が高く(Filippello et al., 2014),短慮や先延ばしと いった不適応的な意思決定スタイルが低いことが示された(Çolakkadıoğlu & Güçray, 2012; Filippello et al., 2014; Tuinstra, Van Sonderen, Groothoff, Van Den Heuvel, & Post, 2000)。

 次に,他変数との関連から各下位尺度の特徴を検討した。熟慮は自尊感情(Güçray, 2005; Gul & Caglayam, 2017; Yildiz et al., 2012)や良好な愛着関係(Brown & Ng, 2012; Deniz, 2011)が基盤とし てあり,熟慮が高いことは批判的思考(Çolakkadıoğlu & Doğan Dolapçıoğlu, 2017)やメタ認知の理 解力(Ormond et al., 1991),問題解決スキル(Cenkseven-Önder & Çolakkadıoğlu, 2013; Güçray, 2005)といった高度な認知的機能の高さと関連し,生活満足感やポジティブ感情の高さにつながる ことが示された(Cenkseven-Önder & Çolakkadıoğlu, 2013)。一方,短慮や責任転嫁,先延ばしは自 尊心の低さ(Güçray, 2005; Gul & Caglayam, 2017)や不安定な愛着関係(Brown & Ng, 2012; Deniz, 2011)が 基 盤 と し て あ り,高 度 な 認 知 的 機 能(Cenkseven-Önder & Çolakkadıoğlu, 2013; Çolakkadıoğlu & Doğan Dolapçıoğlu, 2017; Güçray, 2005; Ormond et al., 1991)やマインドフルネス (Deniz, Arı, Akdeniz, & Özteke, 2015)の低さにもつながることが示された。また,防衛的回避と無 批判も生活の不満足感さ(Cenkseven-Önder & Çolakkadıoğlu, 2013)やキャリア選択の困難さ (Pečjak & Košir, 2007)につながるなど,不適応的な意思決定スタイルであることが確認された。

これらの知見は,熟慮のみが適応的な意思決定スタイルであり,短慮や防衛的回避(及びその下位 分類である責任転嫁や先延ばし等),無批判は不適応的な意思決定スタイルとする意思決定の葛藤 理論(Janis & Mann, 1977)を支持するものであった。

 なお,FDMQ は短期的にはあまり変動しないが(Çolakkadıoğlu & Güçray, 2012),心理教育を実 施することで熟慮が向上することが示されており(Çolakkadıoğlu & Celik, 2016; Çolakkadıoğlu & Güçray, 2012),意思決定スタイルの介入可能性が示されている。

 DMI Johnson 理論を基にした DMI(Coscarelli, 1983)が用いられた研究は2件であった。DMI は, 情報探索の評価軸として即時的(Spontaneous)スタイルと体系的(Systematic)スタイルが,情報分 析の評価軸として外的(External)スタイルと内的(Internal)スタイルが位置付けられる4因子構造 の尺度である。Blustein & Phillips (1990)では,アイデンティティ達成には体系的スタイルや内的 スタイルが基盤として位置づけられることが示された。Kagan & Cohen (1990)は留学生の文化適 応について検討し,内的スタイルのみが文化適応に寄与することが示された。

 ACDM, CDMQ Harren 理論を基にした ACDM(Harren, 1984)や CDMQ(Lunneborg, 1978) が用いられた研究は3件であった。Blustein & Phillips(1990)では,アイデンティティ達成は合理 的スタイルや依存的スタイルと正の相関が,フォークロージャーは依存的スタイルと正の相関が, アイデンティティ拡散は直観的スタイルと正の相関が示された。Lucas & Epperson (1990)では意 思決定スタイルと人生の志向性(Life-style orientation)やキャリア意識(Career salience),特性― 状態不安といった種々の要因を基にクラスター分析を行い,特性不安や状態不安が高いクラスター では依存的スタイルが高いことが示された。Lim et al. (2010)では,論理療法 (Rational Emotive Behavior Therapy)の「不合理な信念」に関する心理教育を行い,ACDM を用いて心理教育の効果

(14)

を検討したが,全ての意思決定スタイルにおいて介入の効果が確認されなかった。

 DMQ DMQ(French et al., 1993)が用いられた研究は Roman & Davids (2013)のみであった。 Roman & Davids (2013)では片親家庭より両親家庭の青年の方が徹底(Thoroughness)と統制 (Control)が高く,直観(Intuitiveness)は女子の方が高いが,統制(Control)は男子の方が高いこと

が示された。

 GDMS GDMS(Scott & Bruce, 1995)が用いられた研究は20件であった。国際比較を行った Pellerone, Ramaci, López, & Craparo(2017)で は,イ タ リ ア の 方 が 合 理 的(Rational),直 観 的 (Intuitive),依存的(Dependent)スタイルが高く,スペインの方が即時的(Spontaneous)スタイルが 高いことが示された。また,イタリアでは合理的スタイルと愛着の回避との間に負の相関が示され たのに対し,スペインでは愛着の不安と依存的及び回避的(Avoidant)スタイルとの間に正の相関 が,愛着の回避と即時的スタイルとの間に正の相関が示された。

 年齢差については,合理的スタイルは青年期中期より後期の方が高く,逆に直観的,回避的,即時 的スタイルは青年期中期の方が高いが(Baiocco, Laghi, & D’Alessio, 2009),性別によって発達的変 化の様相が異なることも示された(Pellerone et al., 2017)。居住形態や居住都市の規模による意思 決定スタイルの差を検討した Hablemitoglu & Yildirim (2008)では,合理的スタイルは実家暮らし より寮の方が高く,回避的スタイルは実家暮らしより寮及び友人とのシェアハウスの方が高いこと が示された。また,合理的,依存的,回避的スタイルはいずれも大都市圏より都市圏の方が高かっ た(Hablemitoglu & Yildirim, 2008)。社会経済的地位 (SES: Socio-Economic Status)や学校の欠席 回数との関連については,Baiocco et al.(2009)では合理的スタイルと SES に正の相関が,即時的 スタイルと SES に負の相関が示され,回避的及び即時的スタイルと欠席回数に正の相関が示され たが,Pellerone, Passanisi, & Bellomo(2015)では意思決定スタイルと SES や欠席回数との間に有 意な関連が示されなかった。学問領域の興味関心との関連(Pellerone et al., 2015)では,合理的スタ イルは知的関心及び伝統的な対象に関する関心と,直観的スタイルは社会的関心と,即時的スタイ ルは芸術的関心及び社会的関心とそれぞれ正の相関が示され,依存的スタイルと実用的な対象に関 する関心に,即時的スタイルと知的関心にそれぞれ負の相関が示された。大学生の専攻分野による 意思決定スタイルの差を検討した Sagiv, Amit, Ein-Gar, & Arieli(2014)では,会計学専攻の学生は 数学専攻や芸術専攻の学生より合理的スタイルが高く,芸術専攻の学生は会計学専攻や数学専攻の 学生より直観的スタイルが高いことが示された。また,会計学専攻の学生では合理的スタイルと学 習環境の満足度が正の相関を示したのに対し,芸術専攻の学生では直観的スタイルと学習環境の満 足度が正の相関を示し,意思決定スタイルの個人―環境適合を示唆する結果が示された。

  次 に,GDMS と 特 性 的 な 要 因 と の 関 連 に つ い て 整 理 す る。Big Five と の 関 連(Bavolár & Bačíkova-Slešková, 2018b; Riaz, Riaz, & Batool, 2012; Wood & Highhouse, 2014)では,合理的スタ イルは開放性,協調性,誠実性と,直観的スタイルは外向性,開放性,協調性,誠実性と,依存的ス タイルは協調性と,回避的スタイルは神経症傾向と,即時的スタイルは外向性とそれぞれ正の相関 が示された。また,合理的スタイルは神経症傾向と負の相関が示された。認知スタイルとの関連では,

(15)

合理的スタイルは合理的な認知スタイルと,直観的スタイルは直観的な認知スタイルと正の相関が 示され (Sagiv et al., 2014),合理的スタイルは内的統制を,依存的,回避的,即時的スタイルは外的 統制を基盤とすることが示された(Baiocco et al., 2009)。アイデンティティとの関連(Pellerone et al., 2017; Sharma & Mittal, 2017)では,合理的スタイルはアイデンティティ探索やアイデンティ ティ・コミットメントと正の関連が示され,アイデンティティ達成型の特徴を持つスタイルと確認 された。直観的スタイルはアイデンティティ探索と負の相関が,アイデンティティ・コミットメン トと正の相関が示され,アイデンティティ拡散とも正の相関が示された。依存的スタイルはアイデ ンティティ探索やアイデンティティ・コミットメントと負の相関が示されたが,フォークロージャー やアイデンティティ達成と正の相関も示され,幅広いアイデンティティ・ステイタスを取り得るこ とが確認された。回避的スタイルはアイデンティティ拡散と正の相関が示され,即時的スタイルは アイデンティティ探索と正の相関が,アイデンティティ・コミットメントと負の相関が示された。  次に,GDMS と認知・行動的要因との関連を整理する。認知的機能に関する検討では,合理的ス タイルや直観的スタイルは意思決定の質 (Decision making quality)といった高度な認知的機能と 正の相関が示されたが(Galotti et al., 2014; Wood & Highhouse, 2014),合理的スタイルの方がより 広範な認知的機能と関連が示された(Çevik, 2015)。依存的スタイルは認知的機能の内容によって 正の相関も負の相関も示され(Çevik & Andre, 2013; Galotti et al., 2014),回避的スタイルや即時的 スタイルは認知的機能と負の相関が示された(Galotti et al., 2014)。ハイリスクな行動や認知との 関連では,合理的スタイルはリスク知覚(Risk-perception)と正の相関が示され(Hablemitoglu & Yildirim, 2008),ハイリスクな行動に対して抑制的に機能することが示された(Baiocco et al., 2009; Bavolár & Bačíkova-Slešková, 2018b; Fooladvand, Borjali, Hosein Sabet, & Delavar, 2017)。直観的 スタイルも合理的スタイルと同様にハイリスクな行動に対して抑制的な機能を持つことが示された が(Bavolár & Bačíkova-Slešková, 2018b; Fooladvand et al., 2017),依存的,回避的,即時的スタイ ルはハイリスクな行動の促進因として機能し(Baiocco et al., 2009; Bavolár & Bačíkova-Slešková, 2018b; Fooladvand et al., 2017; Yusefi, Idelu, Saravani, & Razeghi, 2016),特に回避的,即時的スタ イルは高次認知機能の抑制因である睡眠リズムの乱れによって助長されることが確認された (Tonetti et al., 2016)。時間展望が意思決定スタイルに与える影響(Molinari, Speltini, Passini, &

Carelli, 2016)では,合理的スタイルは肯定的な将来展望を基盤とすることが示された。直観的スタ イルと即時的スタイルは共は過去を否定的に捉える点で共通していたが,直観的スタイルは現在を 楽観的に捉えることを,即時的スタイルは将来を否定的に捉えることを基盤とする点で特徴が異 なっていた。依存的,回避的スタイルは共に否定的な将来展望を基盤とするが,依存的スタイルは 過去を肯定的に捉える一方で,回避的スタイルは現在を否定的に捉える点で特徴が異なっていた。  意思決定スタイルの社会適応的な機能について検討した Bavolár & Bačíkova-Slešková(2018a) では,意思決定スタイルは直接的にではなく,レジリエンスや楽観性,ソーシャルサポートといっ た向社会的な要因を媒介して間接的に精神的健康に影響すると仮説を立てた。調査の結果,合理的 スタイルと直観的スタイルから精神的健康に対して正の媒介効果が示され,回避的スタイルから精

(16)

神的健康に対して負の媒介効果が示された。また,依存的スタイルは精神的健康に対して有意な影 響を示さなかったが,ソーシャルサポートと正の相関が示された点で適応的な機能を持つことが確 認された。過干渉な養育行動 (Helicopter parenting, Luebbe et al., 2018)との関連では,合理的ス タイルは子どもの様子をうかがいつつも過度な介入はしない養育行動に関連する一方で,回避的ス タイルは子どもの行動を制限する養育行動と関連が示された。これらの結果から,合理的スタイル は社会適応的な,回避的スタイルは社会不適応的なスタイルであることが確認された。

 Çevik & Andre (2013)ではオンラインにおける3つの教育方法(事例を基にした推論学習,体験 学習,複雑な体験学習)の違いによって意思決定能力や意思決定スタイルに差が生じるか検討した。 しかし,体験学習を受けた生徒が他の学習方法を受けた生徒に比べて部分的に意思決定能力が高い ことが示されたが,意思決定スタイルには有意差が示されなかった。

 DSS DSS(Hamilton et al., 2016)を用いた研究は尺度作成を行った Hamilton et al. (2016)のみ であった。Johnson 理論では対極的なスタイルと位置付けられた合理的スタイルと直観的スタイル であったが,DSS では合理的スタイルと直観的スタイルが独立した関係にあることが明示された。 これは Big Five との関連においても確認され,合理的スタイルは開放性,協調性,誠実性と正の相 関が示されたが,直観的スタイルはいずれのパーソナリティとも有意な関連を示さなかった。  意思決定スタイルの各側面の特徴 以上の系統的レビュー結果の概要について,意思決定スタイ ルの多面性とその関連要因を Table4の通り整理した。合理的スタイルは全般的に良好なパーソナ リティや社会適応と関連し,不適応的スタイルは合理的スタイルとは対照的に全般的に不適応的な 特徴が確認された。直観的スタイルは適応的な側面と不適応的な側面が共に示され,衝動的スタイ ルと明確な区別が行われていなかった。防衛的スタイルと対人的スタイルも概念的な区別が明確に なされておらず,防衛的スタイルに重きを置いた尺度が数多く用いられていた。対人的,惰性的, 自発的スタイルは心理測定学的に妥当な尺度がほぼなく,知見の蓄積が不十分であった。

【考察】

 本研究では青年期における意思決定スタイルについて系統的レビューを行い,多面的な意思決定 スタイルの各側面の特徴を整理することを目的とした。以下では,意思決定スタイルの先行研究か ら提案された7側面のスタイルに留意して考察し,意思決定スタイル研究の課題や青年期の自己形 成支援に向けた今後の展望を述べる。  多面的な意思決定スタイルの特徴 意思決定スタイルに関する先行研究から,本研究では意思決 定スタイルを合理的,直観的,不適応的,対人的,惰性的,自発的,その他の7側面から捉えること を提案した。合理的スタイルは教育レベルや社会経済的地位(SES)といった社会学的要因を背景に 持つだけでなく,安定したパーソナリティを基盤とし,高度な認知的機能や良好な精神的健康に寄 与する適応的なスタイルであることが確認された。直観的スタイルは安定したパーソナリティを基 盤に持ちつつも,アイデンティティ拡散や外的統制と関連する点で不適応的な側面も併せ持つスタ イルであることが確認された。直観的スタイルは経験的な判断と即時的な判断という2つの側面を

(17)

併せ持つと考えられることから(Hamilton et al., 2016),この2側面が独立に種々の要因と関連する ために,適応的な特徴と不適応的な特徴が混在したと推測される。この点は,合理的スタイルと独 立した関係が確認された DSS(Hamilton et al., 2016)を用いることや,GDMS(Scott & Bruce, 1995)の直観的スタイルと即時的スタイルの特徴の違いについてさらに検討を深めていくことで明 確化することが期待される。  不適応的スタイルと捉えられた衝動的,回避的,防衛的スタイルは,自尊心の低さや不安定な愛 着関係,自己統制の難しさを共通の基盤としており,ハイリスクな認知や行動の促進因として機能 し,否定的な将来展望を持つことを特徴としていた。これらの不適応的なスタイルは MDMQ(Mann et al., 1997)の短慮,先延ばし,責任転嫁が構成概念をよく反映しており,多くの知見が蓄積されて きた。しかし,この3つのスタイルは他の要因と概ね同様の関連が示されてきたため,3スタイルの 独自性については検討が不十分と言えよう。意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)では不適応 的スタイルの各側面が概念的に区別されているため,実証的にも不適応的スタイルの下位分類の独 自性を探索することが求められる。  以上で述べた合理的,直観的,不適応的スタイルに関しては,今後の検討点が指摘されつつも,一 定の知見が蓄積されてきたことが確認された。しかし,対人的,惰性的,自発的スタイルの3側面は Table4 意思決定スタイルの各側面と関連要因の概要 合理的 直観的 不適応的 対人的 惰性的 自発的 衝動的 回避的 防衛的 社会学的 年齢 + - - - 要因 女子ダミー + + - - 教育レベル + - - - SES(社会経済的地位) + - 片親ダミー + - 特性的 自尊心 + - - - 要因 良好な愛着関係 + - - - Big Five 外向性 + + - 開放性 + + 協調性 + + + 誠実性 + + 神経症傾向 - + 統制の所在(外的) - + + + + アイデンティティ 達成 + + + モラトリアム + フォークロージャー + + 拡散 - + + + 認知・行動的 ハイリスク行動・認知 - - + + + 要因 認知的機能 + - - - + 時間展望 過去 - - + 現在 + - 未来 + - - - 適応指標 精神的健康・生活満足度 + + - - - + ※+は正の関連を,―は負の関連を意味する。

(18)

充分な知見が蓄積されてきたとは言えなかった。

 対人的スタイルは多くの尺度で防衛的スタイルと明確に弁別されずに用いられてきた。そのため, 依存的スタイル(Scott & Bruce, 1995)は協調性やソーシャルサポートといった社会適応的な要因 と正の関連が示されながらも,自尊心の低さや不安定な愛着関係,不安の高さとも関連が示されて きたと考えられる。また,惰性的スタイルと自発的スタイルは心理測定学的に妥当な尺度が作成さ れておらず,ほぼ検討されてこなかったという問題が指摘される。対人的スタイルは外的スタイル (Coscarelli, 1983)や社会的抵抗(French et al., 1993)が,惰性的スタイルは MDMQ(Mann et al.,

1997)の無批判が,自発的スタイルは DMI(Coscarelli, 1983)の内的スタイルが参考となるため,こ れらの尺度を基に新たな尺度を作成し,各側面の理解を深めていくことが求められる。  なお,7つ目の側面である「その他」に分類した完全主義や理想主義(French et al., 1993)について も本研究で抽出した文献からは充分に検討できなかった。本研究で提案した意思決定スタイルの7 側面はあくまでも現時点の仮説的な分類である。今後の研究を通して意思決定スタイルの議論が深 まり,意思決定スタイルが7側面よりも上位のレベルで再整理されることもあるだろう。その際には, 「その他」に分類された完全主義や理想主義を説明する上位概念の提案が期待される。  青年期の自己形成支援に向けて 本研究で抽出された文献の中に,少ないながらも実践研究が4 件含まれていた。その内2件(Çevik & Andre, 2013; Lim et al., 2010)は介入によって意思決定スタ イルが変化しなかったが,2件(Çolakkadıoğlu & Celik, 2016; Çolakkadıoğlu & Güçray, 2012)は介入 によって合理的スタイルが向上し,不適応的スタイルが低減することが確認された。介入効果が得 られた2件はいずれも意思決定の葛藤理論(Janis & Mann, 1977)に基づいて計画・実施・評価され たため,支援計画の基盤となる理論と評価方法を統一することで介入効果を捉えやすくなる可能性 が指摘される。今後,青年期における自己形成支援を行う際には,まず理論的基盤を整備し,その 上で実践方法の検討と評価方法の吟味を積み重ねていくことが求められる。  本研究の課題と今後の展望 以上に示したように,今後の意思決定スタイルに関する研究では意 思決定スタイルの構成概念をさらに精緻化していくことが求められ,それによって介入計画の立案 と評価の精度を向上させることが期待される。  今後の検討が求められるそれ以外の点として,縦断調査の実施が指摘される。本研究で検索され た文献には縦断調査を行った研究が1件(Galotti et al., 2014)含まれていたが,この報告では各調査 時点内の意思決定スタイルと感情的反応等との関連の検討に留まり,調査時点間の縦断的な変化に ついては検討されていなかった。したがって,横断調査で示された意思決定スタイルの年齢差が縦 断調査においても再現されるのか,また,意思決定スタイルに一定の変動可能性があるとすれば, その変動を説明する要因にはどのようなものがあるのか,今後は時間軸を含めた追跡調査に基づく 研究からこのような課題点を明らかにすることが求められる。また,本研究では青年期における意 思 決 定 ス タ イ ル の 系 統 的 レ ビ ュ ー を 行 っ た が,キ ー ワ ー ド は「“decision making style” & “adolescence”」のみであった。そのためか,Galotti et al. (2006)のように青年を対象としつつも本 研究では検索しきれなかった文献が散見され,どの程度の精度で系統的レビューを行えたか疑問が

(19)

残った。今後は,「“decision making style” & “university students”」や「“decision making style” & “secondary school students”」といったキーワードも用いることで,青年期全般に渡る意思決定スタ イル理論の精緻化を進めることが求められる。また,例えば「“decision making style” & “GDMS” & “Scott & Bruce”」のように尺度別のレビューを行うことも,意思決定スタイルの各側面に関する 知見を整理する上で有用と考えられる。

【引用文献】

Anchin, J. C., & Singer, J. A. (2016). A dual process perspective on the value of theory in psychotherapeutic decision making. In J. J. Magnavita, Clinical decision making in mental health practice. (pp. 61-103). Washington: American Psychological Association. doi: 10.1037/14711-003

Argyropoulou, K., & Kaliris, A. (2018). From career decision-making to career decision-management: New trends and prospects for career counseling. Advances in Social Sciences Research Journal, 5, 483-502. doi: 10.14738/ assrj.510.5406

Arroba, T. (1977). Styles of decision making and their use: An empirical study. British Journal of Guidance & Counselling, 5, 149-158. doi: 10.1080/03069887708258110

Baiocco, R., Laghi, F., & D’Alessio, M. (2009). Decision-making style among adolescents: Relationship with sensation seeking and locus of control. Journal of Adolescence, 32, 963-976. doi: 10.1016/j.adolescence.2008.08.003

Ball, C., Mann, L., & Stamm, C. (1994). Decision-making abilities of intellectually gifted and non-gifted children. Australian Journal of Psychology, 46, 13-20. doi: 10.1080/00049539408259464

Bavolár, J., & Bačíkova-Slešková, M. (2018a). Psychological protective factors mediate the relationship between decision-making styles and mental health. Current Psychology, 1-10. doi: 10.1007/s12144-018-9831-9

Bavolár, J., & Bačíkova-Slešková, M. (2018b). Do decision-making styles help explain health-risk behavior among university students in addition to personality factors? Studia Psychologica, 60, 71-83. doi: 10.21909/ sp.2018.02.753

Bechara, A., Damasio, A. R., Damasio, H., & Anderson, S. W. (1994). Insensitivity to future consequences following damage to human prefrontal cortex. Cognition, 50, 7-15. doi: 10.1016/0010-0277(94)90018-3

Blustein, D. L., & Phillips, S. D. (1990). Relation between ego identity statuses and decision-making styles. Journal of Counseling Psychology, 37, 160-168. doi: 10.1037/0022-0167.37.2.160

Brown, J. E., & Mann, L. (1991). Decision-making competence and self-esteem: A comparison of parents and adolescents. Journal of Adolescence, 14, 363-371. doi: 10.1016/0140-1971(91)90004-B

Brown, J., & Ng, R. (2012). Making good decisions : The influence of culture, attachment style, religiosity, patriotism, and nationalism. Global Journal of Human Science, 12, 456-462.

Cenkseven-Önder, F. (2012). The influence of decision-making styles on early adolescents’ life satisfaction. Social Behavior and Personality, 40, 1523-1536 doi: 10.2224/sbp.2012.40.9.1523

Cenkseven-Önder, F., & Çolakkadıoğlu, O. (2013). Decision-making and problem-solving as a well-being indicator among adolescents. Educational Research and Reviews, 8, 720-727. doi: 10.5897/ERR12.151

(20)

motivational, decision-related, and demographic variables. Computers & Education, 90, 54-63. doi: 10.1016/ j.compedu.2015.09.002

Çevik, Y. D., & Andre, T. (2013). Examining preservice teachers’ decision behaviors and individual differences in three online case-based approaches. International Journal of Educational Research, 58, 1-14. doi: 10.1016/j. ijer.2013.01.005

Çolakkadıoğlu, O., & Celik, D. B. (2016). The effect of decision-making skill training programs on self-esteem and decision-making styles. Eurasian Journal of Educational Research, 16, 259-276. doi: 10.14689/ejer.2016.65.15 Çolakkadıoğlu, O., & Doğan Dolapçıoğlu, S. (2017). Self-esteem and decision making styles in decision making as the

predictors of critical thinking dispositions of university students. Journal of Turkish Studies, 12, 209-222. doi: 10.7827/TurkishStudies.12505

Çolakkadıoğlu, O., & Güçray, S. S. (2012). The effect of conflict theory based decision-making skill training psycho-educational group experience on decision making styles of adolescents. Educational Sciences: Theory & Practice, 12, 669-676.

Coscarelli, W. C. (1983). Development of a decision-making inventory to assess Johnson's decision-making styles. Measurement and Evaluation in Guidance, 16, 149-160. doi: 10.1080/00256307.1983.12022348

Davids, E. L., Roman, N. V., & Leach, L. (2015). The effect of family structure on decision making, parenting styles and healthy lifestyle behaviour of adolescents in rural South Africa. African Journal for Physical, Health Education, Recreation and Dance, 21, 953-967.

Davids, E. L., Roman, N. V., & Leach, L. (2016). Decision making styles: A systematic review of their associations with parenting. Adolescent Research Review, 1, 69-90. doi: 10.1007/s40894-015-0003-y

Deniz, M. E. (2011). An investigation of decision making styles and the five-factor personality traits with respect to attachment styles. Educational Sciences: Theory and Practice, 11, 105-113.

Deniz, M. E., Arı, A., Akdeniz, S., & Özteke, H. İ. (2015). The prediction of decision self esteem and decision making styles by mindfulness. International Online Journal of Educational Sciences, 7, 45-50. doi: 10.15345/ iojes.2015.01.004

Driver, M. J., Brousseau, K. R., & Hunsaker, P. L. (1990). The dynamic decisionmaker: Five decision styles for executive and business success. New York: Harper & Row.

Epstein, S., Pacini, R., Denes-Raj, V., & Heier, H. (1996). Individual differences in intuitive-experiential and analytical-rational thinking styles. Journal of Personality and Social Psychology, 71, 390-405. doi: 10.1037/0022-3514.71.2.390 Erikson, E. H. (1959). Identity and the life cycle. New York: International Universities Press.

Filippello, P., Sorrenti, L., Cuzzocrea, F., Nuzzaci, A., & Larcan, R. (2014). The subtle sound of learning: What are the roles of the self-esteem, decision-making, and social skills in adolescents’ academic performance? US-China Education Review B, 4, 73-85.

Fooladvand, K., Borjali, A., Hosein Sabet, F., & Delavar, A. (2017). Decision-making styles and attitude towards substances: Predictors of potential addiction in adolescents. Practice in Clinical Psychology, 5, 91-98. doi: 10.18869/acadpub.jpcp.5.2.91

French, D. J., West, R. J., Elander, J., & Wilding, J. M. (1993). Decision-making style, driving style, and self-reported involvement in road traffic accidents. Ergonomics, 36, 627-644. doi: 10.1080/00140139308967925

(21)

Friedman, I. A., & Mann, L. (1993). Coping patterns in adolescent decision making: An Israeli-Australian comparison. Journal of Adolescence, 16, 187-199. doi: 10.1006/jado.1993.1016

Galotti, K. M., Ciner, E., Altenbaumer, H. E., Geerts, H. J., Rupp, A., & Woulfe, J. (2006). Decision-making styles in a real-life decision: Choosing a college major. Personality and Individual Differences, 41, 629-639. doi: 10.1016/j. paid.2006.03.003

Galotti, K. M., Tandler, J. M., & Wiener, H. J. D. (2014). Real-life decision making in college students II: Do individual differences show reliable effects? The American Journal of Psychology, 127, 33-42. doi: 10.5406/ amerjpsyc.127.1.0033

Gardner, W. L., & Martinko, M. J. (1996). Using the Myers-Briggs Type Indicator to study managers: A literature review and research agenda. Journal of Management, 22, 45-83. doi: 10.1177/014920639602200103

Govind, K., & Amalor, D. (2016). Decision making styles and study orientation. European Journal of Social Science Studies, 1, 84-96.

Güçray, S. S. (2005). A study of the decision-making behaviours of Turkish adolescents. Pastoral Care in Education, 23, 34-44. doi: 10.1111/j.0264-3944.2005.00320.x

Gul, Ö., & Caglayam, H. S. (2017). The relation between the self-esteem levels and decision-making styles of the students doing sports and the students not doing sports in high schools. Turkish Journal of Sport and Exercise, 19, 228-232.. doi: 10.15314/tsed.331997

Hablemitoglu, S., & Yildirim, F. (2008). The relationship between perception of risk and decision making styles of Turkish university students : A descriptive study of individual differences. World Applied Sciences Journal, 4, 214-224.

Hamilton, K., Shih, S.-I., & Mohammed, S. (2016). The development and validation of the rational and intuitive decision styles scale. Journal of Personality Assessment, 98, 523-535. doi: 10.1080/00223891.2015.1132426

Harren, V. A. (1979). A model of career decision making for college students. Journal of Vocational Behavior, 14, 119-133. doi: 10.1016/0001-8791(79)90065-4

Harren, V. A. (1984). Assessment of career decision making. Los Angeles: Western Psychological Services, 1-6. Hough, J. R., & Ogilvie, D. (2005). An empirical test of cognitive style and strategic decision outcomes. Journal of

Management Studies, 42, 417-448. doi: 10.1111/j.1467-6486.2005.00502.x

Janis, I. L., & Mann, L. (1977). Decision making: A psychological analysis of conflict, choice, and commitment. New York: Free Press.

Johnson, R. H. (1978). Individual styles of decision making: A theoretical model for counseling. The Personnel and Guidance Journal, 56, 530-536. doi: 10.1002/j.2164-4918.1978.tb05305.x

Kagan, H., & Cohen, j. (1990). Cultural adjustment of international students. Psychological Science, 1, 133-137. doi: 10.1111/j.1467-9280.1990.tb00082.x

Kahneman, D. (2003). A perspective on judgment and choice: Mapping bounded rationality. American Psychologist, 58, 697-720. doi: 10.1037/0003-066X.58.9.697

Kennedy, R. B., & Kennedy, D. A. (2004). Using the myers-briggs type indicator® in career counseling. Journal of Employment Counseling, 41, 38-43. doi: 10.1002/j.2161-1920.2004.tb00876.x

参照

関連したドキュメント

このように,先行研究において日・中両母語話

「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ

「他の条文における骨折・脱臼の回復についてもこれに準ずる」とある

このため、都は2021年度に「都政とICTをつなぎ、課題解決を 図る人材」として新たに ICT職

用 語 本要綱において用いる用語の意味は、次のとおりとする。 (1)レーザー(LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)

て﹁性質に基づく区別﹂と﹁用法に基づく区別﹂を分類し︑そ

 さて,日本語として定着しつつある「ポスト真実」の原語は,英語の 'post- truth' である。この語が英語で市民権を得ることになったのは,2016年