PCR-SSCP法 (遺伝子異常の解析方法 ・ 単変異の解析方法)
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(2) 4 6 4. 日本臨林 ~5’. DNA 3’. 5’ι 世. 1 9 9 4年特別号. 3’ 5’. I. 1本鎖 DNAの移動度の変化は,①電気泳動. − 十A. 時のゲル温度,②ゲル中のアクリルアミド濃. ~~-合4 a l l e l e1. !… ‘ ’ alla ‘ e l e2. a. a l l e l e1+2. 叩 \ ず. n o n d e n aturmg p o l y a c r y l a m i d eg e l. バッファーのイオン強度などに大きく影響きれ ることが明らかにされている.どの泳動条件が 適当であるかは,それぞれの試料によって異な り,理論的には予測できないため,目的とする. DNAにより条件を変化 きせてみることが必要. つ究 一 J L一J. ~ L. 度,架橋度およびグリセロール濃度,③泳動. v. h e a t. 1. 変化. I PCR, [ α32P]dCTP ~ーな___,,,,,,,_ ~司,,F. c . 本方法における 1本鎖 DNAの移動度の. $ 古. で、ある 1,2 と,高次構造に変化を生じる.この変化は,同 時にすべての DNA分子には生じないため,ゲ ル上のバンドが拡散する結果となる. 著者らは通常,室温下で, 0 . 5×TEEバッフ ァーを用い,グリセロール無添加, 5% , 10% 存在下の 3種の泳動条件でスクリーニングを行 っている .. 可能で、あり,ひいては放射性同位元素の減量や. d . SSCP法における問題点 解析可能な DNAサイズの上限が, 2 0 0から 3 0 0bpと限られる. 4 0 0bpを超えると変異検 出効率が約 5 0%に低下する.ほとんどのエク ソンは SSCP法にて解析可能なサイズである が,長い DNA断片を増幅せざるを得ない場合 には, PCR産物を適当な制限酵素で処理後,. 露光時間の短縮につながる.. 泳動を行い解析することが可能で、ある 3).. 図 1 PCR-SSCP法の原理. 加熱処理により 1本鎖とする.あるいは,水酸 化ナトリウムによる変性を行うと低倍の希釈が. b . 電気泳動. e . 最近の改良点. 電気泳動は, 5∼ 8%ポリアクリルアミドゲ. アクリルアミドゲルの濃度を 1 2∼ 1 5%に増. ノ レ (2 0×4 0×0 . 0 3cm)にて行う.これにグリセ. 加させると,検出感度が増加するとの報告があ. ロールを 5∼ 10%の割合で加えると,分離がよ. るが,その反面泳動時間が延長する.この点は. くなる場合がある.ゲルの緩衝液は 0 . 5×TEE. 4∼ 2 0%のアクリノレアミドの濃度勾配ゲルを用. で行・い, 1レーンあたり 1∼ 2μ lのサンプルを. いると,泳動時間が短縮きれる.また,過剰の. のせ, 3 0∼ 40Wの定電力で泳動する.この間,. プライマーは SSCP法の変異検出効率を低下. 温度均一化のためアルミニウム板あるいはウォ. させることが報告きれている.. ータージャケットを片側にあて,扇風機などで 冷却する.泳動後ゲルを j 慮紙上に移しとり乾燥. このためには, a symmetricPCRを用いて 1 本 鎖 DNAを合成するか, PCR産 物 か ら 仇. し,オートラジオグラフィ( 1時間から数時間). v i t r ot r a n s c r i p t i o nにて RNAを合成し,電気. を行う.異なる移動度を示したバンドをゲルよ. 泳動を行う方法が取られる.また, 1種 類 の. り切り出し, H20で DNAを抽出する.その. d i d e o x y n u c l e o t i d eを用いた dideoxys e q u e n c i n g反応と, SSCP法を組み合わせた d i d e o x y f i n g e r p r i n t i n g( ddF)法も開発されている.. 一部を PCRで再増幅後,直接塩基配列決定法 あるいはベクターに組み込み,複数個のクロー ンの塩基配列決定により,変異部位を同定する..
(3) 4 6 5. 臨床分子生物学 I I . 非放射性標識 PCR-SSCP法. 12345678910. 原法の PCR-SSCP法は,標識として放射性 同位元素を用いるため,臨床検査への応用は困 難であった.今後,検査室レベルで簡便に用い. <J. られるためには,非放射性標識法による方法の 開発が重要で、ある.現在までの試みについて概 説したい. 1 . 銀染色あるいは工チジウムブロマイド 染色による検出法. P h a s tSystemを用いて,数種の遺伝子変異 の検出が報告されている.しかし,小きなゲル を使用するため,移動度のわずかな差を検出で きない可能性が高い.一方, 1 4 0×140mm, ゲル厚 1mmのゲ、ルで、電気泳動後,銀染色に よりバンドを検出する方法は,特別な装置を必 要とせず一般的であるが,染色する手間や放射 性標識と比較して感度が落ちるなど不利な点が 多い.また,エチジウムブロマイド染色による 検出は感度の点が問題となり,多量の PCR産 物を泳動することが必要となるが,反面再アニ ーリングが起こりやすい.そこでトー 完全に 1本 鎖とするため,従来のホルムアミド存在下での 加熱変性ではなく,水酸化メチル水銀あるいは 水酸化ナトリウムを加えて変性させると, 1 0 0. 図 2 蛍光標識 PCRSSCPのゲルイメージ レーン 1 ,5および 1 0は正常 DNAを,レー ン 2 ,3 , 4 ,6 ,7 ,8および 9は Kr a s遺伝子 コド ン 1 2 ,1 3にそれ ぞれ異なる変異を有する腫痕 DNAを示す . 青 色の緑 色の三角印は正常遺伝子のそれぞれのストラ ン ドの泳 動位置を,赤色の三角印はサイズマーカーの位置 を示 す .. 倍以上の DNAを泳動できる. 2 . 蛍光による検出法. a . 蛍光イメージアナライザーを用いる方法. ブロックを取り付け,その温度を循環冷却恒温. 蛍光標識プライマーを用いて目的の DNA断. 装置にてコントロールすることにより,ゲル温. 片を標識し,電気泳動後蛍光バイオイメージア. 度をコントロールする方法を開発した 2,4).. ナライザーで検出する.ゲルをゲル板のまま蛍. 本 DNAシークエンサーは,同一レーンにて. 光イメージアナライザーにセ ッ トすると,蛍光. 4種の蛍光を識別できる特徴を有する.プライ. 標識された DNA断片の電気泳動パターンがそ. マーの一方を青色,もっ一方を緑色蛍光色素で. のまま画像となって得られるため,操作が大幅. 標識し, PCRでの増幅によりセンス鎖とアン. に簡略化される点に特徴がある.. チセンス鎖の両方の 1本鎖 DNAを,異なる蛍. b . DNA自動シーク工ンサーを用いる方法. 光で標識できる.また,蛍光標識した PCR産. 先に述べたように, PCRSSCP法では,泳. 物に,赤色蛍光色素にて標識したサイズマーカ. 動中のゲ、ル温度を正確に制御することが不可欠. ーを加えて泳動することにより,レーン間での. である. ABI社の DNA自動シークエンサー. 泳動度の差を補正することができる.この泳動. は,冷却を要するゲ、ル温度調節機構を有きない. 結果を, ABI社の GENESCANN6 7 2解析ソ. ため, PCR-SSCP法には適きなかった.そこ. フトで解析する.. で著者らは,ゲルの背面に内部をエチレングリ コール液が還流できるようにしたアルミニウム. 著者らは, K -ras遺伝子のコドン 1 2 ,1 3に , それぞれ異なる変異を有する 7種の細胞株より.
(4) 466. 日本臨林. 1 9 9 4年特別号. DNAを抽出し,それらの変異が本方法にて検. おわりに. 出可能かどうかを検討したり.分離におけるゲ ル温度の条件を検討したところ, 2 0℃で 7種. 以上のように, PCR-SSCP法は簡単に,し. の変異がそれぞれ異なる移動度として検出きれ,. かも多数の試料を一度にかつ迅速に処理でき,. しかも,センス鎖とアンチセンス鎖の両鎖の分. 高い検出感度を有する.しかしながら,種々の. 離距離が最も長くなることが明らかとなった.. 電気泳動条件を変化させても検出不可能な変異. 図 2に , 1 0%ポリアクリルアミドゲルを用い, ゲ、ル温度を 2 0℃に設定した際のゲルイメージ. 例も経験する.今後, false-negativeの例を,. を示す.. る .. できるかぎり少なくできるような改良が望まれ. GENESCANN6 7 2解析ソフトを用いると, 4種の蛍光を用いた場合でも,それぞれ 1種ず つの蛍光パターン解析が可能で、ある.このため,. 最後に本稿を校閲して頂いた板倉光夫教授に感 謝します.. セ ン ス お よ び ア ン チ セ ン ス の 両 方 の 1本 鎖. DNAを別々に検出可能となり,診断精度が向 上すること,したがって,最適条件を用いるこ とにより,一条件のゲ、ル電気泳動のみによって 変異の検出が可能で、あることが明らかとなった. また最近, E l l i s o nらは 5),冷却装置を有きな い ABI杜の DNA自動シークエンサーを用い, マウス βーグロビン遺伝子の変異を 9 6%の正確 度で検出し,しかも第 3の蛍光色素(例えば黄 色)で標識した野生型 DNAの PCR産 物 色 目的の PCR産物に加えて同一レーンで泳動す ることにより,さらに 1 0 0%の正確度で変異検 出が可能で、あったと報告している.. (ホ徳島大学臨床分子栄養学). 文. 献. 1)吉本勝彦: S i n g l eS t r a n dC o n f o r m a t i o nP o l y m o r p h i s m .代謝 2 8:7 4 1 74 9 ,1 9 9 1 . 2)吉本勝彦: PCRSSCPを用いた遺伝子 診 断 治 療 学 2 7:1 4 7 71 4 8 0 ,1 9 9 3 . 3 )I w a h a n a ,H .e ta l .:D e t e c t i o no fp o i n tm u t a t i o n s bySSCPo fPCRa m p l i f i e dDNA a f t e rendonu・ c l e a s ed i g e s t i o n .B i oT e c h n i q u e s 1 2:6 46 6 ,1 9 9 2 . 4 )I w a h a n a ,H .e ta l .:M u l t i p l ef l u o r e s c e n c eb a s e d PCRSSCP a n a l y s i s .B i oT e c h n i q u e s 1 6:2 9 6 3 0 5 ,1 9 9 4 . 5) E l l i s o n ,J .e ta l .:E伍 c a c yo ff l u o r e s c e n c eb a s e d PCRSSCPf o rd e t e c t i o no fp o i n tm u t a t i o n s .B i o T e c h n i q u e s1 5:6 8 46 9 1 ,1 9 9 3 ..
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