教科学習の教育心理.学的研究-Ⅱ
亀 田 久
Psychological Studies on Learning of School Subjects : ‡ Kameda, Hisashi 前回は,中学校生徒の学力の内容分析について,さしあたって知能と学業成績(国語,社会,数 学,理科,英語),学習適応性について,その実態を概観したのであるが,今回は,資料の関係から 数学の学力検査結果について,分析検討を試みることにする。既述のように対象は,大口市西太良 中学校1年から3年の生徒であり,実施された検査は1年については,小学診断的学力検査6年算 数小学F形式, 2年, 3年については,それぞれ中学診断的学力検査1年数学中学G形式ならびに 2年数学中学G形式である。 その平均値ならびに項目別成績は, Table 1, Fig. 1, 2, 3のとおりである。 平均値については, 1年はとくに低く, 40.2 で2の段階である。 2年, 3年は47.5, 47.6 と略々等しくなっており,わづかばかり低いが 3の段階である。 項目別にみると, 1年は「図形」, 「数と計 算」, 「数量関係」, 「量と測定」の順になってお り, 「図形」は普通で3, 「数と計算」はやっと 3,他は2 となっており, 「数量関係」と「量 Table 1.学力分布ならびに学力偏差値(数学) Fig. 1 数 学 (1 年) 分析項 目 得 点 時間 項 目別診断プロフィール(段階) 2 ‥‥:‥ニ‥:::‥‥:‥‥‥‥::: 4 A 数と計算 5●5 10分 0I 1 2 31 4暮 l5 6I 7I 8 9J 10, 0 1 I - 2 3 4J 5 6- - 7I 8 9l 10l B 量と測定 3●0 10分 ■ 0 l i J ヲ 予 も 6 7 ■ 1 - 8 9I 10l C 数量関係 3●9 15分 0 1 2 3 4 5 6 7 J . A 8 9 10 D 図 形 4●8 10分 I I i I I l l I ● I l ● -. 得 点合 計 17.2 45分 〔学力偏差値段階〕 (○をつける) 偏竜値34以下 35- 44 45- 54 55- 64 65以上 学力偏差値 40 "塵 ■ 4
Fig. 2 数 学 (2 年) 分 析 項 8 得 点 学 期 項 目 別 診 断 プ ロ ア イ P ル (段 階 ) 4 l 「iTー「
m m M om m &.
韮盟
第 1 部 ( 1 - 6 ) / 数 式 15分 l l . 7 2 学 期 3 学 期 2 年 1 学期 0 J 1 3 5 I I I I 10一111 I 13I I 15I 16▲ ー2- I 24 Il 0 1 I - 宇 ■ †】■■L や■■? , . 10 , 1芦 13 , 15 1 ■空 ⊥ 19 21 24 ? , ? 苧 ■1■一】一宇 t て 守 10 ‥ lL3 14 17 19 20 1 l2 l 24■ 0 ) 1t 2l 守 -/ ? 7 8 I 」 ++ 9 」■-⊥13 17 第 2 部 ( 7 - 12 ) 数 量 関 係 15 分 4 ●9 2 学 期 3 学 期 2 年 ー学期 0 1 - - 2■ 3■ チ ′ 一 y ll 12 15 , 17 ■ l 9 - 等 3 -† ′ ? , チ ? 十十 +ー 1-2 IS ー 1? . . >7 - -0 I 1 2 / ? 乍 5 7 ■ 卜 」 8- 13I 17J 第 a 部 (13 - 18 ) 図 形 15 分 4 ●4 2 学 期 3 学 期 2 * i * a 0 1 - - 2- ▲▲3 / † 一 守 7 9 蝣 I I 10 13 17 0 2 I I 亨 † ′ 一宇 f T ? , 蝣, v 12 15- t l17 得 点 合 計 2 1 . 0 〔学 力 偏 差 値 段 階 〕 ( O をつ け る ) 上 偏差値34 以 下 3 5 - 4 4 4 5 - 54 5 5 - 64 6 5 以 学 力 偏 差 値 4 9 2 ●至 書 4 妻 Fig. 3 数 学 (3 年) ■分析項 目 得 点 学 期 早 目 iTi診 由 プ ロ■フ ィ ー ル (段 階) 2■■ +▲4 ■■■■管.:* 揖 …二 第 一 部 ( 1 - 4 ) 数 式 15分 9 ●7 2 学 期 3 学 期 $ 年 1 学期 ? I 字 . 隻 守 一 7 一 号 10 12 ー lI4 15 19 22 0 1 - - 芋 ー ■子 . 守 7 一 宇 ∴ 1-1 12 ー14 一 一17▲ 一 一18I ー 20一▲, 2? 9 一 宇 苧 r ■, 苧 T . ー10 . 12 13 15 18 19 22 ■ 一 一 ■L 0 I 21 4ー X 8 10ー 12● 14■ 261 36, 第 2 部 (5 - ll) 数 量 関 係 15分 6 ●4 2 学 期 3 学 期 3 年 1 学期 0 2 ー ■ 4, ■.6 10 12 一 一 1声 20 2& 36 9 ? ヰ T / 守 10 12 - 1 ▲■▲■▲ 14 20 22 30 36 0 1 】 ■1■】一■ ー ■ i Z I 4 6 一 一▲一 一 7ー ■ 9ー 10一 一 ●16一 一22 第 a 部 (12 - 19 ) 図 形 15分 6 ●8 2 学 期 3 学 期 P 3 年 . 学期 0 1 ● ● 字 , f 与 守 T ■■苧 ? 一 一 112 13 18 22 ? 一 等 3 5 一 一▲ ー c* 11 13 T 一一J■▲■. 14 18 22 ▲ ー 得 点 合 計 2 2 . 9 〔学 力 偏 差 値 段 階 〕 ( 0 をつ け る ) 偏差値34 以 下 3 5 - 4 4 4 5 - 5 4 55 - 6 4 65 以 上 学 力 偏 差 値 4 8 2 i 4 巨 一 一■ と測定」は劣っている。 2年は「数・式」, 「数量関係」, 「図形」の順になっており, 「数・式」は普 過, 「数量関係」はかろうじて3, 「図式」は2となっている。 3年は「数・式」, 「図形」, 「数量関 係」の順であり,前二者は3であるが,後者は2で劣っている。 1, 2, 3年を通じて「図形」は比戦的よく理解されているが, 「数量関係」がやや劣っていると いうことができるようである。 つぎに,解答率により,各項目別に考察すると, Table2-4のとおりである。 これによると, 1年(資料の関係で1年のみ2組について分析した)は「数と計算」については やや正答が高くなっているが,正答,誤答,無答略々類似した割合を示しているO 「量と測定」にTable 2. 1年領域別正答率 第1部 数 と 第2部 壷 と 測 定 第3部 数量 関 係 32.31 43. 79 23. 91 42. 17 39. 78 18. 05 第4部 図 形 50.41 40. 09 9.49 ついては,誤答が最も高く,ついで正答,無答 の順で一定の差を示している。 「数量関係」に ついては,正答,誤答僅かではあるが差がみら れ,無答は減少している。 「図形」について Table 3. 2年領域別正答率 .正答l誤答盲無答 数 式 41.83 39. 99 18.18 38. 18 39. 80 22. 02 29. 90 49. 23 20. 87 形 Table 4. 3年領域別正答率 正 答 l 誤 答 無 ■-■答-■■■■■■■■■■■-■■■ 第 1 画 一 IM ー 数 ● 式 4 5.7 9 ー 39 .8 8 1 4 .3 3 第 2 部 数 量 関 係 3 7 .7 3 4 5 .0 9 1 7 .18 第 3 部 計 量 ●図 形 3 8 .7 9 39 .6 1 2 1 .6 0 は,正答が最も高く,無答は極めて低くなって いる。 2年は「数・式」については,正答,誤答僅かながら前者が高く,無答は低くなっている。 「数 量関係」については,誤答,正答ほとんど差はなく,無答が低くなっている。 「図形」については, 誤答が圧倒的に高く,正答,無答の順になっている。 3年は「数・式」については,正答,誤答,無答の順で,無答が3年では他の項目に比べて最も 低くなっている。 「数量関係」については,誤答,正答,無答の順であり, 「計量・図形」につい ては,誤答,正答ほとんど差はなく,無答が低くなっている。 つぎに,これを更に小間ごとに考察すると Table 5-7 のとおりである。 1年は「数と計算」 (第1部)で,正答率の比較的高いものをみると, 〔1〕 1), 2), 6), 〔6〕1). 2)となっており,概 して分数の加減乗除の計算の意味と方法,数の系列における数の位置を,前後の数の配列や相互関 係から判断することはある程度理解ができていると言えるようである0 これに対して,解答困難なものは, 〔5〕1), 3), 4), 5), 6), 〔1〕7), 8), 9), 10), 〔2〕2), 〔3〕となっており,数量関係の中にある式・公式で特に未知数xを使った等式の計算,加減よりも 乗除の計算をさきにすること,小数を分数として計算する,概数の乗除の処理,概数を用いる能力 の伸長に困難点があるようである。 「量と測定) (第2部)で,正答率の高いものは, 〔9〕 2), 6), (とくにすぐれており), 〔9〕 1), 4), 5)は比較的高くなっており,メ-トル法の単位の理解が実際の場に比較的有効に使われて いるようである。しかし,他の小間は,ほとんど誤答,無答率が高くなっているが,とくに〔12〕, 〔13〕, 〔14〕, 〔15〕, 〔16〕に著しい。このことは円柱,角柱の表面積を求める力,公式xを使って 逆思考の応用問題を解く力,角柱の体積の理解力,単位体積の砂の重さを知り,体積の単位と重さ の単位との関係について,とくに理解が低くなっていることを示している。 「数量関係」 (第3部)で,正答率の高いものは, 〔18〕,ロ7〕であり,比例の考え方,反比例す
第 3 部〔1 7 〕1 6 2 36 2 7 7 2 4 5 5 1 4 3 7 3 4 3 53 4 4 0 4 4 0 5 6 4 3 5 5 4 3 5 3 4 4 1 6 5 6 38 62 〔18 〕1 7 9 1 5 8 4 2 6 0 3 6 4 7 1 3 6 4 3 0 6 7 4 2 8 7 0
C1931
2 日 昌
票 1 2夏日 …
〔
20〕1
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〔
21〕喜
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48
53
40
〔22〕 23 47 30 29 〔23〕 47 右 「 6 ー 61 C24] 36 53 11 57 〔25〕 ー 28 呈 30 42 32 〔26〕 J 36 ー 23 41 32 〔27〕 ー 40 17 43 44 〔28〕1 2 三主 + 三二 6 8 2729〔
29〕
項 目 3
22 一針
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冒
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〔
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申 告 射
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部〔
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0 ー 68
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■ 〔34〕 , 66 ー 28 53 〔35〕 80 18 壬 81 〔36〕 69 29 ー 69 1 〔37〕12 1 針 喜… 159 2言〔
38〕
申 打 和
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L - -Ii.
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Table 5. 1年数学検査問題 小間ごと正答率 化験率 準 答 標実正 % o i > c o ^ o o ^ o o c ¥ i o t > -0 5 0 0 1 > -O O t > -t > -' ^ ( M C s Q ' r H 正 答l誤 答l無 答 % c n > o o a } a > c f t c o i > -' r H ^ C Q H T -i O a ^ H L O C O C D % L O L O O -^ H r H O L O -^ L O C D I C Q C M C M C O O q O O C K I C X l 港 C O L -v -H t -サ O r > -O O L O T -1 0 0 C O r ^ L O L O C O ^ C M T -1 T H 0 5 " ^ C D r r -i C D O C M C D -x H ^ C O C O t > 0 5 t > 0 5 C M 0 0 ^ H ^ ^ H │ > C 」 3 c m c m o i n l o o i t > -C O C O C < ] H H 壬冒l 壬39I 記 21 38 73 34 19 68 r -H O i C O C D C O C O c < ] -^ H o q o q t H t H C ¥ I C O C D ^ H O C X > C D 0 0 0 5 t > -C O O O 0 0 C O O O C D t H C D H C D C D l 1 ^ C D C M C D O C D L D co en co oo o o a > b -o o o o l o a i L O O O L O L O L O O O C O C123 15 〔13〕 1 ll 〔14〕 I ll 1 0 7 3 3 3Table 6. 2年数学検査問題 小間ごと正答率 正 答 誤 答 無 答 標準化実 験 正答率 31 39 46 47 44 55 40 C D C O ^ C O O 3 C D C D C D N O O C O 2 2 2 C O t - C O C O l 1 1 h -t > -O O ^ i n ^ c o 〔12〕 1 2 0 5 ^ 蝣 * # * # C 3 C O ^ h C O N H H ' n H 0 0 O O ^ ^ 13 17 O i O H H 1 2 2 C O t -! C f t C D t H t -I ¥ -i C Q …36i 宝喜
C13]12甘r恵
i 7 4 9 1 3 1 4 0 1 5 4 5 第2部〔16〕1 2 〔17〕 1 49 9 6 0 2 2 3 C181 27 C D O Q L O ( M t > C D ^ f C O ^ F C O C O O 5 C D t ^ L O C O 5 8 8 4 3 1 4 3 一 2 4 3 3 0 4 1 5 1 4 1 4 6 3 6 3 9 1 2 1 5 6 4 3 2 5 〔26〕 41 1 5 第3部〔27〕 21 51 27 20 〔28〕 29 67 〔29〕 43 40 〔30〕 26 70 る場合との区別,比の意味と,比を簡単に表わ すことについての理解は比較的高くなっている が, 〔19〕 2), 〔20〕 2), 〔22〕 1), 3)は低くな っている。これは比を簡単に表わしたり,比の 値の求め方, xのある比例式を解くこと,比例 するとき, xを使って,比例式をたてて解くこT; 川uMMm仙川MMM川川日計mm岨mm矧仙川州川川仙川m矧川ル矧仙川mu仙 Table 7. 3年数学検査問題 小間ごと正答率 正 答l誤 答l無 答 化験率 準 答 標実正 o o c o c o ^ o o c o o q ^COOO l>︰XD COCO C¥] c ^ c C v H l o ^ c ^ l o l o c n c o t -i c x i T -i c o o Q L n O C O O t -H C O O ^ C X I C O 2 1 2 t -t -I O L O 2 2 1 i > -^ H c o a } o o i ^ a } L O L O t -O O I ^ O O ^ h t ^ O O 0 0 C O < M H ! > 0 0 C D t > -〔10〕 t 28 第2部〔11〕1 2 1 9 1 1 1 1 〔13〕 34 61 6 8 8 3 2 1 6 4 2 3 3 5 4 3 2 5 6 3 9 8 0 2 3 3 4 5 9 2 2 1 0 5 2 2 1 3 4 3 8 3 2 3 C K I L O 仙 L O L O " ^ H ^ H ^ F ( M O O O 5 < J ) b -C D ^ c o c o 叫 4 2 6 5 6 4 4 〔24〕 45 45 二二_ ±二42 王gl三宝 4 0 3 4 3 1 9 2 9 1 3 4 7 8 8 3 3 3 とについての理解力に劣っているといえる。 「図形」 (第4部)で,正答率の高いものは, 〔31〕 2), 〔33〕, 〔35〕で,回転体について基本図 形と立体との関係,基本的な立体図形の区別,円柱の展開図についての理解は大体できているoこ れに対して解答困難なもので高率なものは, 〔32〕 (これについては正答皆無), 〔39〕となっており, 同じ形の立体では,対応する辺の比から,体積を求める方法と円錐の展開図についての理解力が乏 しいということができる。 また, 〔2〕 1) (概数のかけ算), 〔17〕 2), 3), 4), 5) (比例,反比例する場合との区別), 〔36〕
(回転体として立体図形をみる力), 〔28〕 1) (数量的な問題の処理に式を有効に用いる能力), 〔29〕 1), (式や公式を,分数の場合に適用する力), 〔30〕 1), 2) (グラフを読むカ), 〔34〕 (三角柱をま 正面からみた図や,ま上からみた図で,的確に区別するカ)は標準化実験における正答率を上まわ った成績をおさめている。 I 2年について, 「数・式」 (第1部)で,正答率の高いものは, 〔ア〕 1), 〔11〕 1), 〔1〕となってお り,四則の意味にもとづく簡単な方程式の解答,文字を用いた式での乗法の表わし方,素因数分解, 約数・倍数についての理解は比戦的高くなっている。これに対して,解答困難度の高いものは, 〔2〕, 〔`9〕4), 〔11〕 2), 〔14〕 1), 2), 〔15〕, 〔4〕となっており,素数の意味の理解,負の数の四 則の理解,文字を用いた式での乗除の表わし方の規約の理解,近似値についての取り扱い,計算尺 による乗除の計算法,小数も十進法によって表わされているということなどについても理解に困難 があるようである。 「数量関係」 (第2部)で,正答率の高いものは, 〔21〕ぐらいで,他にはほとんどみられない。 この問題は正比例をあらわす表やグラフの特徴についての理解を示すのであるが比覇的高くなって いる。これに対して,解答の困難なものは, 〔23〕 2), 〔24〕 2), 〔20〕 2), 〔26〕となっており,也 例関係を式でとらえるカ,利息に関する計算,連比を求める計算,指数の意味についての理解が劣 っている。 「図形」 (第3部)での正答率はすべて低く 5096を下まわっている。解答率のとくに低いもの は, 〔35〕, 〔38〕, 〔39〕 2), 〔40〕となっており,投影図のかき方,平行線,二等辺三角形の性質の 利用,簡単な立体の表面積の求め方,投影図から立体を想像する。または平面図形から立体を作る ことなどについての理解に劣っている。 また, 〔1〕 (素因数分解・約数・倍数についての理解), 〔14〕 2) (近似値についての取り扱い), 〔17〕 (食塩水等の漉きの意味), 〔18〕 (比の用法の実際問題-の利用), 〔21〕 (正比例を表わす表や, グラフの特徴の理解), 〔24〕 1) (利息に関する計算)は,標準化実験における正答率を上まわった 成績をおさめている。 3年について, 「数・式」 (第1部)で,正答率の高いものは, 〔1〕 4), 5), 〔7〕 1), 〔9〕 1) となっており,負の数についての加減計算,式の計算,連立二元一次方程式の理解は比較的よくな っている。これに対して,解答率の著しく低いものは, 〔1〕8), 〔4〕2), 3), 〔5〕1), 〔6〕4), 〔8〕 2)となっており,正の数,負の数についての乗除計算,単項式の四則,かっこの前に「-」の ある多項式の計算,多項式を単項式でわった商の計算,一元一次方程式の解答についての理解度が 低くなっている。 「数量関係」 (第2部)で,正答率の比較的高いものは, 〔11〕 1), 〔17〕 1)となっており,式に 適するx・yの値の組にグラフ上の点が対応することについての知識,比例関係の式の表示について は,ある程度の理解がされている。これに対して,解答率のとくに低いものは, 〔15〕 2), 3), 〔16〕 2), 〔18〕 2)となっており,一次関数のグラフと,その一次関数を葬わす式との関係,一次
関数を,表について実際U.こ適用する式中の特定の文字に着目し,それを他の文字の関数とみて,そ の関数を判断することについての理解が劣っている。 「計量,図形」 (第3部)で,比較的正答率の高いものは, 〔22〕 1), 2)となっており,見通し をもって推論することにある程度の理解がみられる。これに対して,解答率の著しく低いものは, 〔21〕 3), 4), 〔25〕 1), 〔26〕, 〔27〕 3), 〔28〕となっており,正しい根拠をもとにしての推論,三 角形の相似条件を使って,相似な三角形を発見する。相似形の相似比と面積比の関係,三角形の基 本的な性質,立体図形について,その相似比と体積比の関係の理解については劣っている。 また, 〔7〕 1) (式の計算), 〔8〕 1) (一元一次方程式の解決力), 〔12〕3) (関数を表わす式と,そ のグラフとの関係の適用力), 〔13〕 (一次関数を表わす式の係数と,グラフの傾きとの関係の理解, 〔15〕 1). 2) (一次関数のグラフと,その一次関数を表わす式との関係の理解), 〔17〕 1) (一般の比 例関係の式の表), 〔18〕 3) (式中の特定の文字に着冒し,それを他の文字の関数とみて,その関係 を判断する), 〔19〕 (縮図を作って,塔の高さを求める), 〔22〕 (見通しをもって推論する), 〔23〕 (論証における仮定と結論の意味の理解), 〔24〕 (三角形の相似条件によって導かれる相似図形の性 質の理解), 〔26〕 (相似形の相似比と面積比の関係の適用), 〔27〕 (三角形の基本的な性質を使って, 図形の性質を導きだす)は標準化実験における正答率を上まわった成績をおさめている。 つぎに,解答率のとくに低い小間の指導について,考察をすすめることにする。 1年では, 〔1〕 (分数の加減乗除の計算)については,まず,計算の順序を正しくきめてから,吹 に計算の仕方に注意する。また,整数も,小数も,分数も,すべて真分数か仮分数になおす。 〔2〕 (概数の乗除の処理)については, 0のかけ算では0の数の和, 0の割り算では0の数の差だけ0 をつけることに注意する。 〔3〕 (概数を用いる能力を伸ばす)については,千億の位の一つ下の百億の位の数字をよくみて四 捨五入するように気をつける。単位が千万であるから一番下の位を千万として億,十億,百億,千 億,兆と位取りに注意する。 〔5〕 (数量関係の中にある式・公式で未知数xを使った等式の計算) については,小数や分数を含む式も,整数の場合と同じように簡単に考える。 〔12〕 (円柱・角柱の表面積の計算)については,底面積は円の公式を用いる。側面積は,円周に 高さをかける長方形にあたることを理解させる. 〔13〕 (公式にxを使って,逆思考の応用問題を解 く)については,公式どおりに数量をあてはめていき,わからないところはxにして,逆算するよ うに注意する。 〔14〕 (角柱の体積の理解力と, xを使って公式を適周し,逆思考でとく)について は,公式に, xを使って等式を書くことができるようにする。次に逆算の計算-導く。 〔15〕 (単位 体積の砂の重さを知り,体積の単位と重さの単位との関係の理解)については,内法たて1.2m, 横0.6m,高さ1mの容積が何eあるかを知るには,まずm3単位になおし, lm3-1000/で あることから,簡単にβ単位になおさせることに注意して指導する。 〔16〕 (単位体積の水の重さを 知り,体積の単位と重さの単位との関係を理解する)については, Kl, 」, d/, Cm3の体積の単位 関係と,重さのt, kg, gの単位関係を充分に指導するQ
〔19〕 〔20〕 (比を簡単に表わしたり,比の値の求め方の理解)については,整数と小数の比は分数 になおし,通分して分子の比をとる。約分は,公約数を早くみつけるように指導する. 〔21〕 (xの ある比例式の解法)については,簡単な比になおしてから解くようにする。 〔22〕 (比例するとき, xを使って,比例式をたてて解く)については,長さの比と,値段の比とをまとめて,正しい比例 式をたてるように指導する。 〔32〕 (同じ形の立体では,対応する辺の比から,体積を求める)については,対応する辺が比例 するとき(例3倍)長さでは3倍,面積では3×3-9 9倍,体積では3×3×3-2727倍になるこ とを,正方形,立方体で理解させ,同じように円柱も理解させる。体積では,対応する辺の割合の 3乗に比例することを導く。 〔39〕 (円錐の展開図についての理解力)については,円の中心角と, 円周の弧との関係が比例することをよく理解させる。弧と底面の円周とが同じであることを,展開 図から円錐を作る作業をとおして,理解させることが大切。 2年では, 〔2〕 (素数の意味の理解)については,順に約数の有無を調べさせる。 〔4〕 (小数も 十進法によって表わされることの理解)については,各位の数が, ・・- 100, 10, 1,品,義-・-を もとにして表わされていることを復習させる。 〔9〕 (正の数・負の数の四則の正しい理解)につい ては,計算の法則・順序についてのきまりを確実にさせる。 〔11〕 (文字を用いた式での乗除の表わし方の規約の理解)については,基礎的なことをはっきり させる。 〔14〕 (近似値についての取り扱い)については,測定値も一つの近似値で,真の値はわか らないが,ある範囲におさまるという考えを明らかにさせる。 〔15〕 (計算尺による乗除の計算方法 の理解)については C D尺は,比例の.関係¥2 x) のあることをおぎない,はっきりさせる。 〔20〕 (連比を求める)については,連比の求め方をくりかえして指導する。 〔23〕 (比例関係を式 でとらえる)については,一応y-axとおくが,このaの値を求めてはじめて式が得られたのだと いうことを十分注意させる。 〔24〕 (利息に関する計算)については,複利の場合,利息は元利合計 から元金を差し引いたものであること。日歩は,元金100円に対する1日の利息である金高で表わ したものであること。 〔26〕 (指数の意味がわかっているか)については,指数の定義をくりかえし, 具体的な指数をいろいろ計算させる。 〔35〕 (投影図のかき方の理解)については,実物を与えて投影図をかく練習を十分させること。 〔38〕 (平行線や二等辺三角形の性質を利用して図形の性質を調べる)については,図形の性質を調 べるのに,なぜこうなるかを常に考えさせること。 〔39〕 (簡単な立体の表面積の求め方)について は,展開図から,もとの立体の見取図をかくことをいくつかの立体について練習させる0 〔40〕 (投 影図から立体図を想像する。また,平面図形から立体を作ることについての理解)については,ア についてはどんな断面ができるかわからないかもしれないが,他の三つをもとにして判断できるこ とを注意する。 3年では, 〔1〕 (正の数,負の数についての乗除計算)については,計算の途中をできるだけ省 き,粗雑にやりがちであるから,乗除計算を先にやらせ,加減の式を書いてから計算させる。 〔4〕
(単項式の四則)については,文字は数のかわりであり,数と同じように操作できることを明らかに する (-3*yは(-3*)×(-a*)であり, -3x2 とは異なることを明らかにするO 〔5〕 (かっこ の前に「-」のある多項式のかっこをはずす)については,和と差の関係を想起し,どちらからど ちらを引くべきかを明らかにしてから計算させる。すぐ答えを出さないで,途中の計算を正しく書 かせる。 〔6〕 (多項式を単項式でわった商の計算)については,かっこの前が「-」のときは,各 項項ごと,符号によく注意する習慣をつけさせる。商は,項別にわけてから,約分をするように指 示してやる。 〔8〕 (一元一次方程式を解く)については,移項のときは,符号を誤りやすいので, 結果を出したらすぐ先-進めないで,符号だけに着目して見直させる。 〔15〕 (一次関数のグラフと,その一次関数を表わす式との関係)については,まず座標平面上に 2点A, Bをとって直線で結んでから,その図をみながら考えて計算させる。 〔16〕 (一次関数を,表を用いた実際の例に適用する)については,これらの点を座標平面上にと り,そのグラフをみながら考え,計算させる。 〔18〕 (式中の特定の文字に着目し,それを他の文字 の関数とみて,その関係を判断する)については,まず着目している文字についてその式を解かせ, 出てきた式を用いて判断するようにさせる。 〔21〕 (正しい根拠をもとにして推論する)については,比べようとする図形をとりだし,等しい 量に記号を入れて考えさせる。 〔25〕 (三角形の相似条件を使って,相似な三角形をみいだす)については,相似な三角形をとり だして図をかかせていく。 〔26〕 (相似形の相似比と面積比の関係)については,図形を見慣れた位 置におきかえさせて考えさせる。 〔27〕 (三角形の基本的性質)については,図形の長さを確実にと らえさせ,この部分とこの部分の比較ということを明確にさせる。 〔28〕 (立体図形について,その相似比と体積比の関係の理解)については,題位を明確にとらえ させること。相似な立体の体積比を,円すい台と円すいに適用したりなどしないようにさせたい。 【要 約】 中学校生徒(1年-3年)の数学の学力について,つぎの観点から分析検討を試みた。 1.数学学力検査結果の平均値ならびに項目別成績 2.領域別正答率 3.正答率の著しく低い小間についての指導方法。