第53回日本泌尿器科学会群馬地方会演題抄録
日 時:平成 21年 11月 7日 (土) 15時 00∼
場 所:群馬大学医学部内 刀城会館
会 長:小林 幹男(伊勢崎市民病院)
事務局:柴田 康博(群馬大院・医・泌尿器科学)
セッション >
座長:村 和道(群馬大学)
臨床症例
1.完全尿道断裂に尿道ステントが有用であった一例
藤塚 雄司,増田 広,大竹 伸明
関原 哲夫 (日高病院 泌尿器科)
【症 例】 57歳男性. 2008年 3月 17日脚立より転落し
会陰部打撲後, 救急搬送された. 尿道造影で完全尿道断
裂を認め, 同日膀胱瘻造設. 7月 14日内視鏡的尿道形成
術施行.瘢痕部約 3 cmを切開し尿道形成.22Fr腎盃バル
ン留置し, 術後 7週間で抜去した. 術後尿道形成部に狭
窄を認め, 定期的尿道ブジー, 内視尿道切開術施行する
も狭窄の再発を認めた. 2009 年 5月 1日尿道ステント留
置術施行. 狭窄部を切開拡張した後, 22Fr30mmメモカ
ス を留置した. 2週間後に膀胱瘻抜去. 最大尿流量も保
たれており経過良好である. 【 察】 尿道断裂の尿
道形成には開放術と内視鏡手術がある. 術後狭窄は前者
16%, 後者 54%と差がある. 本症例では狭窄に対し尿道
ステント留置して自排尿可能となり, 1年近く抜去でき
なかった膀胱瘻も抜去可能となった. その有用性は他に
報告例あり, 完全尿道断裂に対して尿道ステントは選択
肢の一つとなると思われた.
2.ウブレチドによるコリン作動性クリーゼの一例
古谷 洋介,黒川 平(国立病院機構
高崎 合医療センター泌尿器科)
清水 雄至 (同 呼吸器内科)
症例は 75歳. 心不全にて循環器科入院中, 尿閉となっ
た. Cr 2.94mg/dl. TRUSは 25ccと軽度肥大だが, 右葉
左葉. PFSは内圧の上昇 (−) で神経因性膀胱の所見.
脳梗塞の既往あり, 尿カテの自己抜去が懸念されるとの
ことで TUR-Pを予定. 術前よりウブレチド 5 mg 2T 内
服開始した. TUR-Pにて 12 g 切除. 術後自尿なし. 術後
2日目に内視鏡的に前立腺部尿道の開大を確認後, ウブ
レチド 3T 3へ増量した. 術後 4日目午後 強い下痢と
なり, 多量の口腔内 泌物によると思われる呼吸苦
(SpO 70%台) が出現した. また, 時に 40台/min の除脈
となった. 胸部 X-P上肺梗塞が疑われたが, CT スキャ
ンでは肺梗塞は否定的で, 誤嚥性肺炎の所見であった.
経過から, ウブレチドによるコリン作動性クリーゼと
え, アトロピン投与した. これにて, 症状の改善がみられ
クリーゼと確診した.
3.小児に発症した尿路上皮癌の一例
冨田 介,牧野 武朗,野村 昌
横山 由就,新井 誠二,村 和道
廣野 正法,宮久保真意,森川 泰如
岡本 亘平,小池 秀和, 井 博,
柴田 康博,羽鳥 基明,伊藤 一人
鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学)
猿木 和久 (さるきクリニック)
症例は 14歳男子. 平成 21年 5月, 学 検尿で潜血を
指摘され近医受診し, エコー, 膀胱鏡で膀胱腫瘍が認め
られた. 5月下旬に当科紹介受診し, CT, MRI で膀胱左
側∼後壁にかけて腫瘍が認められ, 診断は cT2N0M0. 尿
細胞診は classⅢ.6月に TUR-BT 施行,左側壁に粘膜浮
腫状病変が認められた. その他の部位の粘膜は正常で
あった. 病理組織は UC G2 pTis 一部 pTa. 8月に前回
TUR 部に追加の TUR 施行, 8ヵ所の無作為生検も追加
した. 腫瘍部の病理組織は UC G2 pTis, 他部位から腫瘍
組織は認められなかった. 若干の文献的 察を加え報告
する.
4.ムチン産生性低 化腺癌の1例
宮澤 慶行,佐々木 靖,中野 勝也
中田 誠司,高橋 溥朋
(足利赤十字病院 泌尿器科)
清水 和彦 (同 臨床検査部)
症例は 76歳男性. 既往に前立腺癌があり, 70歳時に前
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Kitakanto Med J
2010;60:75∼78