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Title
ジルコニアクラウンの局部床義歯支台歯への応用に関す
る研究−支台歯クラウンの種類が維持力に及ぼす影響−
Author(s)
田中, 章啓; 三宅, 菜穂子; 堀田, 宏巳; 武本, 真治;
成, 正雄; 山下, 秀一郎
Journal
歯科学報, 116(5): 389-389
URL
http://hdl.handle.net/10130/4088
Right
Description
389
歯科学報 Vol.116,No.5(2016)
№13:軟質裏装材を応用したアタッチメントの維持力に影響を及ぼす材料特性
久保慶太郎,古池崇志,上田貴之,櫻井
目的:現在多くの国で高齢化が進んでおり,要介護
高齢者の数は増加している。そのため,メンテナン
スが容易なオーバーデンチャーの応用が期待され
る。訪問診療時に要介護高齢者に対し,オーバーデ
ンチャーの管理を行うには使用するアタッチメント
の義歯への組み込みや修理の容易さが求められる。
そこで我々は簡便かつ安全にアタッチメントを義歯
へ組み込めるシステムに着眼した。それは根面ア
タッチメントのフィメール部にシリコーン系の軟質
裏装材を用いるものである。
本研究は,シリコーン系の軟質裏装材を応用した
アタッチメントの初期の維持力と維持力の減少量に
影響を及ぼす軟質裏装材の材料特性を明らかにする
ことを目的とした。
対象と方法:維持力測定試験のために,実験床と歯
槽堤を模した模型を製作した。模型にボールアン
カーを組み込み,9種類のシリコーン系の軟質裏装
材をフィメール部に貼付した実験床と連結した。そ
の後,実験床をデジタルフォースゲージ(MV-100;
IMADA)を用いて牽引した。牽引時の最大牽引力
(N)を初期の維持力とした。1日3回で3年間の
着脱を想定し,3,348回の着脱を行い,着脱前と着
脱後の維持力の減少量を算出した。
薫(東歯大・老年補綴)
材料特性に関して硬度,弾性ひずみ,引張り強
さ,算術平均粗さ(Ra)の4項目に関し測定を行っ
た。初期の維持力,維持力の減少量と各材料特性
との相関関係は,Pearson の積率相関分析を行った
(α=0.05)。また,初期の維持力と維持力の減少量
を従属変数とし,材料特性を説明変数とした
Step-wise 法による重回帰分析を行った( α=0.05)。
結果と考察:初期の維持力と硬度(r=0.97),引張
り強さ(r=0.83),弾性ひずみ(r=-0.75)との
間に相関関係を認めた。維持力の減少量と硬度(r
=0.68),弾性ひずみ(r=-0.69)との間に相関関
係を認めた。重回帰分析では,初期の維持力では硬
度,維持力の減少量では弾性ひずみが説明変数とし
て選択された。
根面アタッチメントの維持力に影響を及ぼす材料
特性は硬度であることが報告されているが,長期間
の使用を想定すると,弾性ひずみも考慮しなければ
ならないことが示唆された。
今回の条件でオーバーデンチャーの初期の維持力
に関連があるシリコーン系の軟質裏装材の材料特性
は硬度であった。また,初期の維持力の減少量と関
連がある軟質裏装材の材料特性は,弾性ひずみであ
ることが明らかになった。
№14:ジルコニアクラウンの局部床義歯支台歯への応用に関する研究
-支台歯クラウンの種類が維持力に及ぼす影響-
田中章啓1)2)
,三宅菜穂子1)2)
,堀田宏巳1)
,武本真治2)3)
,𠮷成正雄2)
,山下秀一郎1)
3)
(東歯大・パーシャルデンチャー補綴)1)
(東歯大・口科研)2)
(東歯大・理工)
目的:ジルコニアクラウンは高強度セラミック材料
として広く認知されており,特に歯冠補綴材料とし
てクラウンやブリッジなどで金属冠に代わり多く用
いられるようになってきている。現在局部床義歯支
台歯の歯冠補綴材料としては金属冠や陶材焼付冠に
よる補綴処置が推奨されている。しかし,局部床義
歯支台歯として高強度のジルコニアクラウンを使用
したときのクラスプの維持力や支台歯への影響につ
いては未だ十分な検討がなされていない。本研究
は,ジルコニアクラウンを局部床義歯支台歯として
応用することを想定して,クラウンおよびクラスプ
の種類が維持力に及ぼす影響を明らかにすることを
目的とした。
方法:実験用支台歯として下顎第二小臼歯を模した
ジルコニアクラウン(松風ディスク ZR-SS ルーセ
ント)及び全部金属冠(12%金銀パラジウム合金)
を製作した。クラウンにはガイドプレーン,レスト
シート,及び頬舌側ファーゾーンに0.25mm のアン
ダーカット量を付与できる形態にした。これらの支
台歯に適合するエーカースクラスプを,12%金銀パ
ラジウム合金とコバルトクロム合金で製作した。ク
ラウンにクラスプ装着後,定荷重圧縮試験機(セイ
キ,東京)で1kgf の荷重をかけた後,専用治具に
固 定 し,オ ー ト グ ラ フ(EZ-S,島 津 製 作 所,東
京)を用いクラスプの維持力を測定した。その後,
繰り返し疲労試験機(JM100-T,日本メック,東
京)にてクラスプの繰り返し着脱試験を行い,再度
維持力を測定した。これら得られた結果について比
較検討を行った。
結果:ジルコニアクラウン,全部金属冠において,
いずれも着脱試験により緩やかなクラスプの維持力
の低下を示したが,両者の間で維持力の変化に有意
差は認められなかった。また,金銀パラジウムクラ
スプ,コバルトクロムクラスプ間では初期維持力に
有意差はみられるものの,その後の維持力の変化に
は有意差は認められなかった。着脱試験中にジルコ
ニアクラウンの破折や亀裂,クラスプの破折等は観
察されなかった。着脱試験後の目視観察により,ジ
ルコニアクラウン上に金属クラスプの摩耗粉が,ク
ラスプ内面には摩耗痕が認められた。
考察:ジルコニアクラウンと全部金属冠の間では維
持力の変化に有意差は認められなかったことから,
ジルコニアクラウンの局部床義歯支台歯としての有
用性が示唆された。今後は,着脱による支台歯やク
ラスプの表面性状の変化など,多方面からその有用
性について研究を行っていく予定である。
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