ニューカマーの生徒に対する教育的支援のあり方に関する研究~中国をルーツとする中学生への母語によるインタビューを通して~
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(2) ら滞在期間が3ヶ月(滞在初期段階)の生徒と. らせるのではなく、長期的に、そして彼らが必. 7年(滞在長期段階)の生徒をそれぞれ1名ず. 要としている支援を行っていくことが重要であ. つ抽出し、そのインタビューについて分析した。. る。. 滞在初期段階にある生徒にとって必要な支援. (1)生徒の現状. 滞在3ヶ月の滞在初期段階にある生徒につい. とは、JSL教室の教師や日本語教師などによる. ては、中国人として日本で生きているという自. 日本語教育支援と、中国語話者などによる母語. 覚をしっかりと持っていた。また、自分の将来. 話者支援であり、一方、滞在長期段階にある生. 像についても描くことができていた。しかし、. 徒にとって必要な支援とは、異文化経験者など. 日本語能力が未習得であるため、学校での学習. による文化的視点にたった「共感」による教育. や日本人とのコミュニケーションに悩み、学校. 的支援であると考えられる。. の教師にも相談できずにいる現状にあった。ま. しかし、滞在期間によって必要な支援が規定. た、家族から勉強について叱られる度合いが高. されるような明確な区切りがあるわけではな. まるにつれ、家族との会話を楽しく感じること. く、それらの支援はひとつの連続線上に位置づ. ができなくなっている。. けることができる。つまり、ニューカマーの子. 滞在7年の滞在長期段階にある生徒について. どもたちひとりひとりの日本語能力や異文化へ. は、日本の学校生活において日本語で問題なく. の適応具合などをみながら、その子に応じたよ. コミュニケーションができているようにみえ. りよい支援を選択することが大切である。. た。しかし、自分の将来像については具体的に. また、これらの教育的支援をすべて家庭や学. 描くことができていなかった。また、家族から. 校任せにするのではなく、第三者的外部人材を. の期待と自分の意志との食い違いや、親の文化. 活用し、ニューカマーの子どもも自信を持って. と日本の生活文化との不一致などから、悩みや. 自分の将来を描き、切り開いていけるよう支援. ストレスを抱えていることも明らかとなった。. することが求められる。. (2)考察. 滞在初期段階と滞在長期段階の生徒のちがい. 4.今後の課題. の背景にあるのは、 「中国」と「日本」という. 本研究の課題は、以下の2点である。. 二つの文化的世界の比重であると考えられる。. (1)異文化経験者の「共感」による教育的支. 中国をルーツとする生徒は、滞在期間が長期化. 援に関して、青年海外協力隊などの異文化経験. することで彼らの中にある二つの文化的世界の. 者を活用することなど、具体的な実践を通して. 比重が変化し、その中でアイデンティティはゆ. その有用性について検証していく必要がある。. れ動き、自分の将来に対する悩みを抱える。そ. (2)滞在中期段階にあると思われる生徒の調. して、その悩みに対して適切な支援が行われな. 査分析を行い、初期から長期にわたるニューカ. ければ、自分がどのように生きていけばいいの. マーの子どもたちの適応過程を明らかにしたい。. か将来の自分を描くことができなくなってしま うという経過をたどると考えられる。. 主任指導教員 佐藤 真. このことから、彼らへの支援を短期的に終わ. 一5I3一. 指導教員 鈴木 正敏.
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