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川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討

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Academic year: 2021

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(1)川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な 都市形成に向けた要素の検討 渡 耒 絢1). 1.はじめに. 目指しているのかについても考察する.最後に 川崎市が目指している「まち」の形成を支える. かつて公害問題に悩んできた川崎市は,近年,. 行政計画を明らかにするとともに,市民や企業. 公害問題からの克服経験を活かし,環境問題解. に対する理解促進や意識向上,そして彼らの率. 決に対してさまざまな取り組みを積極的に展開. 先的な取り組み・行動を支えるネットワークの. する「クリーンなまち」として国内外に認知さ. 形成が低炭素で持続可能な都市形成に関わる取. れている.加えて現在では環境のみならず,社. り組みを円滑に機能させる要素であることを明. 会・経済,福祉分野を統合的に捉えた,低炭素. らかにし,川崎市の低炭素で持続可能な都市形. で持続可能な都市の形成に向けた行政計画の展. 成に大きな貢献となりうる可能性について検討. 開がなされている.. する.. 本稿では,公害問題を抱えていた川崎市が低 炭素で持続可能な都市の形成を目指している中. 2.低炭素都市とは. で,そういった都市形成の実現に近づくために. 低炭素都市は,地球温暖化を促進する二酸化. はどういった行政計画が必要であるのかを考察. 炭素(CO2)排出量が低い都市を指す.環境配. し,また行政計画をより円滑に機能させるうえ. 慮型技術の研究開発や低炭素都市を形成する施. で必要となる要素を検討する.まず,川崎市は. 策や規制,制度の策定や見直し,そして環境に. どのような行政計画を展開しながらクリーンな. 対する意識改革や啓発活動,ライフスタイル変. 川崎市へと転換してきたのかを整理する.あわ. 革などの実施は,CO2 排出量が低減された都市. せて川崎市が行政計画を展開していた時期の国. の形成に寄与する.スマートシティやスマート. 内外の経済社会状況も整理し,川崎市の行政計. コミュニティ,環境未来都市,エコタウン等の. 画は市内の課題解決のみならず,その当時の社. 環境配慮型都市やまちを表現した語彙がある. 会が抱えていた課題も解決する役割も担ってい. が,これらはすべて「技術を駆使して生活の質. たことを考察する.加えて川崎市のこれまでの. や利便性を高めた街」と位置づけられおり(望. 行政計画の展開からその特徴と現況をとらえ. 月 2010:3),低炭素都市に類似する語彙とし. る.また本稿では現在展開されている行政計画. て捉えることができる.. の中で重点が置かれている行政計画に焦点をあ. 日本国内 に お け る 低炭素都市 の 形成 に 関 す. て,それぞれの行政計画がどのような関連性を. る動きは,さまざまな省庁においてみられる.. 有しながら,川崎市が掲げる「まち」の形成を. 温室効果 ガ ス(GHG)の 排出量 を 地域単位 で.

(2) 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 152 (622). 25% 削減することを目指したチャレンジ 25 地. 推進法(2008 年)や,都市計画 や 地域 づ く り. 域づくり事業や低炭素型の地域づくりを行う. に関する制度(2011 年)においても見られる. 地域に対して,CO2 排出量削減目標を達成する. ようになった.地球温暖化対策における低炭素. ための低炭素都市形成に係る計画の策定や CO2. 都市形成は,公共交通の整備や地域エネルギー. 削減 の シュミ レーション を 支援 す る 低炭素地. の利用促進,エネルギーマネジメントなど,都. 域づくり面的対策推進事業,より効果的な CO2. 市から排出される GHG 量を削減するため,環. 排出量削減と住民ニーズを反映した都市の低炭. 境を配慮した制度や環境技術の導入促進に向け. 素化に向けた効果的な計画策定プロセスの検討. た取り組みが定められている.都市づくりに関. を行う住民参加による低炭素都市形成計画策定. わる制度においては,持続可能な社会の実現と. モデル事業,低炭素都市づくりに関する対策や. いう視点から,環境に配慮した形で都市を形成. 効果分析手法を低炭素都市に係る活動を実施す. し,都市の経済や社会,環境状況が持続可能な. る自治体に支援を行う低炭素づくりガイドライ. 要素を備えた都市構造にすることを前提として. ンなどが展開されている.中でも環境モデル都. いる(鈴木 2012:1─3).都市そのものが持続. 市構想や環境未来都市構想は,低炭素都市形成. 可能なものであるという点に焦点が当てられて. の実現にむけ,京都議定書目標達成計画の枠組. おり,まさに社会,経済,環境の 3 つの側面が. みや国家戦略プロジェクトの 1 つとして位置づ. 連携し,まちの形成を促進させる環境が整いつ. けられており,日本の低炭素都市形成を支える. つある.. 最も重要な事業であるといえる.. 先述のように,工業地帯として栄えた川崎市. 環境モデル都市 は,低炭素都市の実現にむ. は公害問題を抱え,以後環境問題に積極的に取. けたモデルケースとして 2009 年度から実施さ. り組む都市として国内外で認識されている.加. れ,2012 年までに 13 都市が選定されている.. えて現在では,福祉・医療分野を通じたライフ. 低炭素都市に加え,地域経済の活性化や持続可. イノベーションも展開されている.産業の集積. 能な経済社会の形成に向け,環境モデル都市に. と雇用の拡大のみならず人びとの生活の質の向. 選定された 4 都市を含む 11 都市が環境未来都. 上や経済促進等も生み出しており,川崎市は環. 2). 市 (2010 年度~)として選定されている.環. 境未来都市を目指しているような都市の形成が. 境モデル都市では主に都市から排出される CO2. なされている.どのような経緯をたどり,川崎. 排出量を低減させるため,最先端技術やまち形. 市は現在のような都市へと成長したのかを整理. 成を行っているのが特徴である.しかし都市は. することで,都市形成においてどういった要素. 企業活動や市民生活,地域経済をより円滑に機. が必要となってくるのかが明らかとなる.要素. 能させるためさまざまな施策や制度が集約され. の明確化は今後,環境未来都市のように経済,. て形成されている.CO2 排出量を低減させるだ. 社会,環境を包括的に捉え,まちを形成してい. けでは都市の形成は難しい.この点において環. く他都市に対する貢献となるものと考える.そ. 境未来都市は, 「都市環境に対する負荷を増加. こで次章では,これまでの川崎市の「まち」形成. させず,いかに生活の豊かさを実現するか」を. の経緯から低炭素都市形成の可能性を見ていく.. 3). 目指し,CO2 排出量の低減のみならず,まちが より円滑に機能するために環境,経済,社会分 野が抱えるさまざまな課題の解決を導く包括 的なまちの形成を推進している(渡耒 2013:. 3.川崎市の概況 ここでは高度経済成長期の 1960 年代ころか ら現在まで,川崎市はどのような経緯をたどり,. 475─477) .事実,日本における低炭素都市の形. 「誰もがいきいきと心豊かに暮らせる持続可能. 成に関する要素は,改正された地球温暖化対策. な市民都市かわさき」(川崎市.「新総合計画川.

(3) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (623) 153. 1960 年代. 川崎市 経済成長. 環境問題 (大気汚染). 工業 工業. 工業 工業 地帯. 工業. 工業 工業. 社会問題 (公害問題による 健康被害). 生活環境 居住 地. 居住 地 居住 地. 居住 地. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 1 1960 年代の川崎市のまち形成. 崎再生フロンティアプラン」 ,2011 年)を目指. な社会問題となっていた.国内では環境庁の設. す都市へ変革したのか,その変遷を見ていく.. 立や公害問題解決に向けた法整備など,高度経. これまで川崎市が策定してきた行政計画を整理. 済成長によって生み出された負の環境遺産の対. し,現在どのような都市形成がなされているの. 応に努めた.その中でも川崎市は,自治体とし. かを時系列的に明らかにする4).. て抱えていた社会環境問題解決に向け,積極的 に対応し始めたといえる(図 2 参照).. 3. 1.1960 年代~1970 年代 川崎市は工業地帯として 1950 年代ころより. 3. 2.1980 年代~1990 年代. 栄えてきた.1960 年代になると臨海部を中心. 1980 年代から 1990 年代は,世界状況を社会・. にさまざまな産業が川崎市に集積され,日本の. 環境の両側面から影響をうけた時代であった.. 高度経済成長に貢献してきた.しかしながら高. オイルショックによる産業の経営悪化と雇用創. 度経済成長に伴い環境問題,特に公害問題が川. 出の不安を受けた川崎市は,経済低迷と雇用の. 崎市内で社会問題となった.また公害問題は周. 不安定の解決に向け,川崎市に拠点をおく産業. 辺住民の健康被害に影響をおよぼした(図 1 参. の成長の方向性を定めた.電子と機械の「メカ. 照) .1970 年代を中心に川崎市では公害対策に. トロニクス」を展開させ,企業・産業間の連携. 向け,条例や規制の制定,さらに公害克服に関. を通じ,情報社会に向けた企業集積を確立させ. する制度や仕組みの導入等が行われた(東京都. て いった.ま た 埋立地 が 造成 さ れ,1990 年代. 市大学 2012:7) .またこれまで工業と住宅が. に実践される臨海部の再生の基盤づくりも行わ. 同地域に建設され,住工混在していたものを,. れた(図 3 参照).1990 年代になると,世界規. 新規埋立地に工業団地を創設するなど,積極的. 模で地球温暖化問題が生じ,加えて日本国内で. に公害対策を強化しはじめた(川崎市環境産業. はバブル経済が崩壊した.川崎市では臨海部の. 革命研究会編 2005:14) .こ の 時期 は 川崎市. 工業地帯を衰退させるような動きが見られた.. のみならず,日本国内において公害問題が大き. しかし工業地帯の空洞化の抑制に向け,臨海部.

(4) 154 (624). 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 1970 年代 川崎市 臨海部の形成 生活環境. 工業 工業. 居住 地. 工業. 居住 地. 工業 工業. 居住 地. 居住 地. 工業 工業. 環境問題 (大気汚染) 社会問題 (公害問題による 健康被害). 環境・社会問題の解決の第1歩. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 2 1970 年代の川崎市のまち形成. 1980 年代 臨海部産業の方向性の形 臨海部産業の方向性の形成 メカトロニクスの形成 (環境と産業). オイルショック 臨海部の形成 工業 工業. 工業. 工業. 工業. 工業 工業. 工業 工業. 工業. 工業. 工業 雇用減少. 工業 工業. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 3 1980 年代の川崎市のまち形成. の再生に向けた展開も見られた.川崎市ではこ. が必要であるということ,そして環境問題解決. れまでの経済成長と人口増加に伴ったごみの増. には行政だけではなく,市民や企業の理解と彼. 量により 1990 年に「ごみ非常事態宣言」を表. らの環境配慮型行動が必要であるという点か. 明し,ごみの減量やリサイクルに向けた動きが. 5) ら,1994 年 に「環境基本計画」 を 策定 し た.. 開始された.また川崎市では,これまで公害や. この基本計画は,1991 年に全国に先駆けて制. 廃棄物,緑化喪失といった環境問題を個別的な. 定された「川崎市環境基本条例」の第 8 条に基. 対策として講じていたが,それらを統合的にと. づき策定されたものである.この基本計画は,. らえ,地球温暖化問題の解決に向けた取り組み. 環境行政の基本指針という位置づけであり,環.

(5) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (625) 155. 1990 年代 地球温暖化 問題 バブル崩壊. 臨海部産業の方向性の形 臨海部産業の方向性の形成 メカトロニクスの形成 (環境と産業). ごみ非常 事態宣言. 環境と調和したまち 臨海部 エコタウン. 工業. リサイクル・ごみ処理. 工業. 工業. メカトロニクス (産業). 工業 工業. 工業. 市 民. 行 政 環 境 教 育. 工業. 食 育. 環境基本計画. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 4 1990 年代の川崎市のまち形成. 境政策 の 目標 や 基本的施策,環境配慮型指針,. 刻なものとなり,それに付随した資源価格の高. その他良好な環境保全及び創造に関する重要事. 騰などの課題が世界的に浮上した.また 2000. 項について明示された.この環境基本計画は,. 年代後半から世界金融危機が起こり,世界経済. 国内や市内の環境状況の変化に伴い,2002 年. の悪化を引き起こした.このような社会経済状. と 2011 年に内容の改訂が行われている.2011. 況の中で,川崎市は多様な領域からの政策展開. 年の改訂時においては,地球温暖化防止対策の. を開始している.2002 年には「財政危機宣言」. 推進が重点分野の 1 つとして位置づけられてい. を表明し,「行財政改革プラン」を策定し,川. る.そ の 他川崎市 で は,環境 と 産業状況 の 改. 崎市のよりよいまちづくりに向けた財政対策が. 善 を 目指 し た「臨海部再編整備」 (1996 年)や. 開始された.世界金融危機による影響や将来的. 「環境調和型まちづくり」 (1997 年)などの行政. な人口数等の課題の中においても,「市民生活. 計画が策定された.また 1995 年には「川崎市. の安定の確保に必要な市民サービスを確実に提. 環境教育・学習基本方針」を策定し,環境に関. 供する」という自治体の責務から,現在まで財. 心をもち,理解と意識を高め,実践的に行動で. 政対策は継続されている(川崎市.「川崎市新. きる人材育成の基盤を整えた(東京都市大学 . たな行財政改革プラン~第 4 次改革プラン~」,. 2012:9) .この当時の川崎市は,問題の解決と. 2011 年).. 産業の衰退を阻止するための産業促進と気候変. 2000 年代前半 の 川崎市 の 行政計画 の 展開 に. 動と廃棄物の環境問題の総合的解決に向けた行. おいて顕著に見られるのは,まちづくりと福. 政,企業,市民一体型の環境調和型経済社会の. 祉の分野である.川崎市は,まちづくりに関. 実現を目指していたといえる. 「エコタウン構. し て「川崎再生 フ ロ ン ティア プ ラ ン 第 1 次実. 想」 (1997 年)はその代表とも言え,環境と産. 行計画」を 2005 年 に 策定 し た.地域福祉社会. 業の統合的戦略が形成された時期である(図 4. の形成を目指した「人間都市」,市民の暮らし. 参照) .. をよりよくする「安全快適都市」,環境技術を 用いた国際貢献を推進する「元気都市」,市民. 3. 3.2000 年代. の生活基盤を持続的に安定させる「安定持続都. 2000 年代になると地球温暖化問題はより深. 市」,文化・芸術・ス ポーツ,自然資源 を 活 か.

(6) 156 (626). 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). した「オンリーワン都市」を基盤に「誰もがい. 指 し,産業振興 や 人材育成,企業誘致,IT を. きいきと心豊かに暮らせる持続可能な市民都市. 中心に政策が展開されている.高度技術を通じ. かわさき」を目指すことを掲げた.川崎再生フ. た新産業の形成と地域経済の活性化を目指した. ロンティアプラン第 1 次実行計画は,川崎市が. 「かわさき新産業創造センター(KBIC)」(2003. 有するポテンシャルを生かし, 「誰もがいきい. 年)の設立や世界に貢献しうる新産業の創業を. きと心豊かに暮らせる持続可能な市民都市かわ. 目指した「アジア起業家村構想」(2004 年)な. さき」を形成するため,市民や地域,企業の相. どが列挙できる.臨海部を中心とした最先端科. 互理解と信頼に基づく共同の取り組みを通じ. 学技術の開発や新産業の促進は, 「かわさき産. た「川崎市再生のための経営プラン」として位. 6) 業 ミュージ ア ム 構想」 (2003 年)の 策定 に よ. 置づけられた.社会・経済・環境の変化の中で. り,次世代の子どもたちを対象に,川崎市の産. 適切に対応できる計画の実効性を確保する必要. 業技術に対する認識を高める機会を提供してい. 性から,2008 年に策定された 3 か年の川崎再. る(図 5 参照).. 生フロンティアプラン実行計画は,このフロン. 2000 年代後半 は,臨海部 の 形成 と 経済・産. ティアプランの具体的な取り組み内容と目標を. 業促進,最先端科学技術に関する分野に加え,. 明確なものにする役割を担っている.まちづく. 防災分野や観光・芸術・文化振興分野に関する. り分野においては,高齢者などの多世代の住ま. 行政計画も展開されている.経済・産業促進や. いに関するニーズに対応した「住宅基本計画」. 最先端科学技術に関する分野は,地球温暖化抑. (1999 年,2005 年)の策定や既存住宅の耐震改. 制に貢献する技術・製品・サービスの促進がよ. 善や有効活用を目指した「市営住宅等長寿命化. り強くなっている.地球温暖化抑制に貢献する. 計画」 (2001 年)などの行政計画とも関連して. 技術・製品・サービスを認定する「低 CO2 川崎. いる.まちづくりは多世代の人びとが不自由な. 7) ブランド事業」 (2009 年)は,最先端科学技術. く快適に生活していけるよう,バリアフリーや. のさらなる開発のみならず,地球温暖化抑制に. 地域福祉の基盤整備とともに形成されている.. 貢献 す る 技術・製品・サービ ス の 広域的 な 普. 福祉分野においては,1997 年の「かわさき健. 及促進と市民の環境意識の変革を可能とする.. 康都市宣言」を受け,高齢者や子ども,保育, 地域保健,青少年といった多世代を対象とした. 「太平洋アジアエコビジネスフォーラム」(2005 年〜)や「環境産業 フォーラ ム」(2009 年〜),. 行政計画が展開された.住宅や食育推進,人権. 「国際環境技術展」 (2009 年〜)は,アジア地域. 等と関連しながら多世代が住みやすく,彼らの. を対象に環境調和型の持続可能な都市形成に向. 生活 の 質(Quality of Life/QOL)を 高 め る 行. けて,川崎市の優れた環境産業技術を海外に対. 政計画として福祉分野の整備に貢献している.. して PR するのと同時に,環境技術の海外への. また,臨海部の形成,経済・産業促進,最先端. 移転可能性を検討する場を提供している.また. 科学技術 は,2000 年代以降 の 川崎市 を 支 え る. 川崎市は地球全体での温室効果ガスの削減を目. 重要な行政計画領域として挙げられる.臨海部. 指していることもあり,市域外の温室効果ガス. の 形成 は,1990 年代以降 か ら「再生」と い う. 排出削減貢献量にも積極的に取り組んでいる.. 形で実践されてきているが,2003 年に国際環. 「川崎メカニズム認証制度」8) (2013 年度〜)は,. 境特区および国際臨空産業・物流特区が認定さ. 川崎市内の企業や事業者が製造した製品や研究. れ,臨海部の再生と活性化をもたらしている.. 開発を通じ,川崎市域外での温室効果ガスの排. 経済・産業促進や最先端科学技術は,相互に関. 出削減に貢献量を測定(見える化)することで,. 連しながら行政計画を展開している.既存の農. 企業や事業者が市場で適切に評価されることを. 水産業や商業の促進,加えて産業の国際化を目. 目的とした認証制度である.この制度は,ライ.

(7) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (627) 157. 2000 年代 特区の設置 2003年>> ・国際環境特区 ・国際臨空・物流特区. 環境と調和したまち. 環境と調和したまち 臨海部 ゼロエミッション団地. GHG排出削減. GHG排出削減. リサイクル・ごみ処理. リサイクル・ごみ処理 新産業の創出. 福 祉. 最先端科学 技術. 高 齢 者. 市 民. 緑 化 市 民. 住宅 産業ツアー. 環境 教育. 福 祉. 環境教育. 既 存 産 業. ( 地域産業). 住宅. 既 存 産 業. ( 地域産業). 高 齢 者. 国際貢献. 行政. 行政. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 5 2000 年代の川崎市のまち形成. フサイクル全体において温室効果ガス排出削減. ては,2008 年に「地域防災計画」を修正したが,. 量に貢献している製品や技術を域外貢献量算定. 2011 年 の 東日本大震災 を 受 け,2011 年以降地. ガイ ド ラ イ ン に 沿って排出削減貢献量を算定. 域防災計画の修正や「備蓄計画」,「地震防災戦. し, 「環境」と「経済」の好循環の形成を目指. 略」等が再度策定されている.観光・芸術・文. している(川崎市.「川崎メカニズムの構築に. 化振興分野については,2005 年ころを境に策. 向けた川崎市の新たな取組 域外貢献量算定ガ. 定され始め,2010 年代のさらなる飛躍を支え. イドライン」,2012 年) .このガイドラインに. て い る.商業施設 の 建設(2006 年)や 競輪場. 基づき,2011 年度の市域外での GHG 排出削減. の再整備(2010 年),スポーツ振興(2012 年),. 貢献量(推定値)は,133 万トン-CO2 となり,. 川崎駅周辺のまちづくり(2011 年),東海道を. 1990 年度の基準年度に対して 4.6% の貢献量と. 活用したまちづくり(2011 年)などが列挙さ. なった( 「川崎市における 2011 年度の域外貢献. れる.緑化増進や既存の社会・文化資源の有効. 量推計結果 (速報値) 」 ) . このように川崎市では,. 活用を通じ,市民にとって親しみやすいまち,. 国際貢献の環境整備がより積極的に行われるよ. 観光客が訪れるまちの形成を目指している(図. うになってきている. 川崎ものづくり産業の 「高. 6 参照).. 度人材育成推進計画」 (2006 年)や「かわさき. 2000 年代はあまり好ましいとは言えない世. 9) IT 人材育成特区」 (2007 年) , 「かわさき基準」. 界の経済社会状況下において,多様な領域から. の理念を活かす産業人材育成の推進計画(2009. 川崎市のさらなる発展と低炭素で持続可能な都. 年)は,川崎市の産業を次世代に継承していく. 市を目指した行政計画の展開が見える.特筆す. 上で重要な役割を担っている.防災分野に関し. べきは 2005 年以降の持続可能な都市形成を目.

(8) 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 158 (628). 2005 年代~現在 特区の設置 2007年>>IT人材育成特区 2011年>>ライフイノベーション国際戦略総合特区 持続可能な市民都市 持続可能な市民都市. 臨海部. GHG排出削減. 臨海部. リサイクル・3R. GHG排出削減. 再エネ・省エネ・節エネ. リサイクル・3R. 子 ど も. 社 会 的 弱 者. 緑 化 市 民. 住宅 産業ツアー. 既 存 産 業. ( 地域産業). 最先端科学 技術. 高 齢 者. 環境教育. 国際貢献. 最先端科学 技術. 高 齢 者. 子 ど も. 社 会 的 弱 者. 緑 化 市 民. 住宅. 人材育成. 既存産業(地域産業). 再エネ・省エネ・節エネ. 観光・文化・芸術 国際貢献 環境教育 産業ツアー 防災. 行政. 行政. 出典:川崎市行政計画資料および川崎市ウェブサイトをもとに著者作成. 図 6 2005 年〜現在までの川崎市のまち形成. 指した福祉分野を含む総合的な分野からの行. 地球温暖化対策の推進に関する条例(川崎市地. 政計画の展開や,2003 年と 2007 年の特区の認. 球温暖化対策推進条例)」は,こ れ ま で 川崎市. 定,そして 2010 年前後からの環境技術・環境. が取り組んでいた地球温暖化対策をさらに強. 産業を活用した国際貢献である.特に 2009 年. 化するため,「地球温暖化対策のルール」とし. に制定された「川崎市地球温暖化対策の推進に. て 2009 年に制定された(川崎市.「川崎市地球. 関する条例」や 2010 年に策定された「地球温. 温暖化対策推進計画」,2010 年) .川崎市 の 温. 暖化対策推進基本計画」は,地域レベルで着実. 室効果ガスの多くは産業部門から排出されてい. に地球温暖化対策を推進しながら,市域外に対. る.そのためこの条例では,温室効果ガスの排. しても地球温暖化対策に貢献することを目指し. 出量が多い事業者に対し,事業活動地球温暖化. た行政計画として位置づけられ,環境技術を通. 対策計画書と対策結果報告書の提出を義務づけ. じた国際貢献の実施として顕著である.川崎市. ている.川崎市の温室効果ガス排出量は,2009. は 1990 年度を基準年度とし,2020 年度までに. 年度で 2339 万トン-CO2(基準年度比で 20% の. 川崎市内 の GHG 排出削減量 を 25% 以上 と し,. 削減)と なって い る.「川崎市地球温暖化対策. 地球全体の温室効果ガスの排出量の削減を目指. 推進基本計画」は,さまざまなステークホルダー. している.地球温暖化対策を総合的かつ計画的. が地域レベルで着実に協働する形でこの条例を. に行い,温室効果ガス排出の抑制を促進させな. 総合的・計画的に実施するため,2010 年に策. がら低炭素社会の実現に資する良好な環境を将. 定された.この基本計画は,川崎再生フロンティ. 来の世代に引き継ぐことを目的とした「川崎市. アプランと整合性を図り,体系化させた地球温.

(9) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (629) 159. 暖化対策を市域内外に貢献するため,これまで. している特質は,産業振興,環境(臨海部地区,. 川崎市が培ってきた環境技術やノウハウ,人材. 富 士 見 地 区),福 祉,観 光・文 化・芸 術 振 興,. などを有効に活かすとしている.. 国際化の 5 分野の促進とも関連する.低炭素都. このように川崎市は低炭素で持続可能な都市. 市の役割を担いつつ,持続可能な市民都市の形. の形成に向け, 環境を総合計画の中に位置づけ,. 成を可能にしている.. 包括的な側面から取り組んでいる.福祉領域は 関連 す る 行政計画 の 展開 を 増加10)さ せ,人間 にやさしい都市形成を進めてきた.環境領域は. 4.‌ 「今」の川崎市を支える特徴となる要素の 関連性の考察. 地球温暖化問題への対処を開始し,経済・産業. 本章では,前章で挙げた産業振興,環境,福. 促進は,臨海部の形成と最先端科学技術との連. 祉,観光・文化・芸術振興,国際化の 5 つに焦. 携により促進され,福祉産業と環境産業の創造. 点を置き,各々の区分がどのように関連性を有. に寄与している.特区認定は産業の集積促進と. し,現在の川崎市を形成し,また目指すべき「ま. 人材育成促進を支え,臨海部産業の促進に貢献. ち」の形成を支えているのかを考察する.具体. できたといえる.さまざまな分野からの取り組. 的に焦点をあてた行政計画は表 1,表 2 の通り. みは,環境技術・産業を促進させ,川崎市のこ. である.表 1,表 2 の行政計画は現在の川崎市. れまでの経験と知見を活かした環境分野からの. を支え,同時に目指す「まち」の形成に貢献す. 国際貢献がなされている.そして現在,川崎市. る.なお,国際化は独自で施策を有していない. は地域の魅力を育て海外に発信しようと試みて. ため,国際化に関する文脈から関連性を見た.. いる.産業振興,環境,福祉,観光・文化・芸. 福祉分野と関連する行政計画は同じ福祉分野. 術振興,国際化の 5 つの分野は,川崎再生フロ. の他,産業振興,観光・文化振興に見られる.. ンティアプランの重要な柱としてまちの形成を. バリアフリーやユニバーサルデザインの導入は. 支え,持続可能な市民都市かわさきに向けた. 観光地整備のみならず生活環境整備にもつなが. 「まち」の形成に貢献している.. る.産業振興分野と関連する行政計画は,福祉. また川崎市では 2011 年度より「かわさきらし. 分野や環境分野である.医療や福祉産業といっ. いスマートシティ構想」を推進している.環境. た新産業の創造は,福祉・医療分野のサービス. 問題やエネルギー問題,高齢化社会等,現代社. 向上 に 資 す る.環境分野 と 関連 す る 行政計画. 会が抱える課題を包括的に解決し,市民が安心. は,同じ環境分野や産業振興,観光・文化振興. 安全で快適な生活を送ることができるまちの形. である.臨海部の拠点を置く産業を活用した環. 成を目的としている.この構想では事業を進め. 境技術の海外移転や環境産業を活用した観光促. る上で区域ごとの特質を活かし,4 つの地区に. 進は,川崎市のイメージをより「クリーン」な. 分けている.川崎駅周辺地区では人の集客をね. ものにする上で大きな役割を担っている.福祉,. らい,商業施設の建設や企業拠点を充実させる. 環境,産業振興の分野は,川崎市が目指してい. 内容となっている.臨海部や最先端技術の開発. る「まち」を実現化させる上で重要な役割を担っ. と促進を目指した企業・研究施設や最先端技術. ている.. を通じた国際貢献の拠点とする地区とされてい. 観光・文化振興分野は福祉,産業振興,環境. る.富士見地区は,公共施設や公園等の整備に. のすべての分野と関連性を有している.川崎市. よる公共性の高い地区とされている.川崎区以. の強みである環境分野と産業分野を「まち」の. 外の 6 つの地区は,住みやすいまちの整備を. 活性化資源としてとらえ,芸術・文化,観光分. 行っていく予定となっている( 「かわさきらし. 野を促進させている.福祉分野の促進に向けた. いスマートシティ構想の推進」 ) .区域ごとで有. 技術・製品開発(科学技術と福祉)や新しい観.

(10) 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 160 (630). 表 1 主要な区分および行政計画11) 福祉分野 ⑴ ⑵ ⑶ ⑷. 産業振興分野. 川崎市地域福祉計画 第 3 次ノーマライゼーションプラン(改訂版) かわさき子ども「夢と未来」プラン かわさきいきいき長寿プラン(第 5 次). ⑴ かわさき産業振興プラン ⑵ 川崎市化学技術振興指針. 観光・文化振興分野. 環境分野. ⑴ かわさき観光振興プラン ⑵ 川崎市シティセールス戦略プラン. ⑴ 川崎市環境基本計画(全面改訂) ⑵ 川崎市地球温暖化対策推進計画 ⑶ 川崎市一般廃棄物処理基本計画─かわさきチャレンジ・3R─. 表 2 行政計画の比較関連表 区分. 福祉. 行政 計画. 地域福祉 計画 2011 年. 福祉 福祉 福祉 第3次 かわさき かわさき かわさき ノーマライ 子ども いきいき ゼーション 「夢と未来」 長寿プラン プラン プラン (第5期) (改訂版) 2012 年 2010 年 2011 年. 産業振興. 産業振興. 観光・文化振興 観光・文化振興 観光・文化振興. 国際化. かわさき 産業振興 プラン. 川崎市 科学技術 振興指針. かわさき 観光振興 プラン. 川崎市 シティ セールス 戦略プラン. 国際化. 区分. 行政計画. 策定年月. 福祉. 地域福祉 計画. 2011 年. 福祉. 第 3 次かわさき ノーマライゼーション プラン (改訂版). 2012 年. ◎. 福祉. かわさき 子ども 「夢と未来」 プラン. 2010 年. ◎. ◎. 福祉. かわさき いきいき長寿プラン (第5期). 2011 年. ◎. ◎. N/A. 産業振興. かわさき 産業振興 プラン. 2005 年. N/A. ○. N/A. △. 産業振興. 川崎市科学技術振興 指針. 2005 年. △. △. N/A. △. ◎. 観光・文化 振興. かわさき 観光振興プラン. 2005 年. △. △. N/A. N/A. ◎. △. 2005 年. N/A. N/A. N/A. △. N/A. N/A. ◎. 川崎市 観光・文化 シティセールス戦略 振興 プラン. ◎. 環境 環境 環境 川崎市 一般廃棄物処 川崎市 川崎市 川崎市 環境基本 地球温暖化 理基本計画 文化芸術 ─かわさき 計画 対策推進 振興計画 チャレンジ・ (全面改定) 計画 3R─ 2008 年 2011 年 2011 年 2012 年. 2005 年. 2005 年. 2005 年. 2005 年. ◎. ◎. N/A. △. △. N/A. ○. N/A. N/A. N/A. N/A. ◎. ◎. ○. △. △. N/A. ○. N/A. N/A. N/A. ○. N/A. N/A. N/A. N/A. N/A. ○. △. N/A. N/A. N/A. △. △. N/A. △. △. N/A. N/A. N/A. N/A. ◎. ◎. N/A. △. △. △. △. ○. △. N/A. △. △. △. N/A. △. ◎. ○. △. △. △. ○. △. ○. △. △. △. △. △. N/A. ○. ○. ◎. ○. ○. ○. 観光・文化 振興. 川崎市 文化芸術 振興計画. 2008 年. ○. ○. ○. △. △. △. ○. △. 環境. 川崎市 環境 基本計画 (全面改定). 2011 年. N/A. N/A. △. N/A. △. △. △. ○. △. 環境. 川崎市 地球温暖化 対策推進 計画. 2011 年. N/A. N/A. N/A. N/A. △. △. △. △. △. ○. 環境. 川崎市一般廃棄物処 理基本計画 ─かわさき チャレンジ・3R─. 2012 年. N/A. N/A. N/A. N/A. △. N/A. △. △. N/A. ◎. ○. 国際化. 国際化. N/A. ○. N/A. N/A. ○. △. ○. △. ○. ○. ○. Note: ◎…行政計画内で関連性が明記されていたもの. ○…行政計画の文脈中から直接関連性があるものと考えられるもの. △…行政計画の文脈から間接的に関連性があるものと考えられるもの. N/A…行政計画の文脈からは直接・間接的にも関連性が見受けられなかったもの. 出典:表 1 に記載された行政計画を参照・分析し,著者作成.. ○. ○.

(11) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (631) 161. 光産業としての産業巡回ツアーや臨海部へのツ. みならず,その当時の国内外の社会経済状況に. アー(観光振興 と 環境) ,文化・芸術,産業,. 応じ,それらの問題解決に向けた取り組みを展. 環境技術 の 国際的 な 発信(国際的 な 情報発信. 開しながら都市形成を繰り返している.現在で. ツール)の実践を促進させている.このような. は過去の公害経験と既存産業の知見を活かしな. 取り組みは川崎市が国際的な都市として確立す. がら環境分野を通じた国際貢献を展開するとと. る上でも重要な役割を担っている.環境技術や. もに,川崎市の低炭素で持続可能な都市の形成. 科学技術を川崎市の地域資源や観光資源として. に努めている.低炭素で持続可能な都市の形成. 国内外 に 発信 し, 「クリーン」な川崎市,国際. に向けた取り組みは,世界の環境問題がクロー. 都市としての川崎市の形成に努めている.. ズアップされた 2000 年代ころより見られる.. 一方,上記に挙げている区分および行政計画に. 環境分野だけに特化した取り組みの展開ではな. おいて関連性が見られなかった分野は,福祉と環. く,さまざまな領域から包括的な取り組みを展. 境である.これはさらに新しい川崎市の形成に. 開し,総合的なまちを形成していくという姿勢. 貢献しうる分野であることから,今後はこれら. に移行しはじめた年代である.現在では環境産. の分野を関連づけるための検討も必要である.国. 業,福祉産業,国際化の分野にとどまらず,新. 際化の展開については,国際化を目指している. 産業の創出として観光・文化振興にも力を注い. 「まち」であるにもかかわらず,環境分野や観光・. でいる.加えて防災・減災に関する行政計画も. 文化振興分野などの各行政計画の中で示されて. 展開し,総合的な視点から環境配慮型で持続可. いるだけで,国際化の展開に向けた独自の行政. 能な都市として国内外からの認知度を高め続け. 計画が展開されていない.環境技術を通じた国. ている.. 際協力や国内外の人びとを対象とした環境産業. 低炭素都市は,CO2 排出量が少ないまち,化. と観光促進による川崎市のイメージの払拭は,. 石燃料への依存度が少なく再生可能エネルギー. 川崎市のまち形成において重要な役割を担って. の利用を積極的に奨励するまちを指す.しかし. いる.国際化をより促進させる上では,国際化. 経済成長とその都市で生活する人びとが不自由. 独自の行政計画の展開の検討も必要である.. なく暮らせる生活の質の維持あるいは向上も達. 5.‌総括―川崎市が低炭素で持続可能な都市形 成を実現させる要素の検討. 成しなければ低炭素で持続可能な都市の形成は 容易ではない.環境分野に重点を置きながら, 経済成長や生活の質の向上を達成するような他. 川崎市が策定した行政計画を時系列的に整理. 分野と連携した取り組みが必要である.この点. し,加えて現在展開されている行政計画同士の. において,環境問題の解決に向けた取り組みを. 関連性 を 分析 し,川崎市 が 目指 し て い る「ま. 実践しながら,環境分野と他分野の行政計画を. ち」の形成に必要となりうる要素を明らかにし. 連携させ展開している川崎市の「まち」形成は,. た.本章では総括として,これまで川崎市がた. 低炭素で持続可能な都市としての可能性は十分. どってきた経緯と現在の行政計画同士の関連性. にある.「まち」の低炭素化を達成し,より持. から,川崎市が現在取り組んでいる行政計画が. 続可能な都市として形成するためには,他分野. 低炭素で持続可能な都市形成に大きな貢献とな. とのさらなる連携強化と国際都市としてのさら. りうる可能性とそのような都市を形成する上で. なる PR が必要である.. 必要な要素について明らかにする.. 川崎市のさらなる低炭素で持続可能な都市形. 川崎市は高度経済成長に伴う公害問題や地球. 成の実現を支える行政計画のあり方として,以. 環境問題,世界経済の不況など,さまざまな困. 下の 3 点を明示したい.1 点目は国際都市を達. 難に見舞われてきた.しかし川崎市は市域内の. 成するための独自の行政計画の展開である.現.

(12) 162 (632). 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 在の行政計画では国際化に関する取り組みは,. や貢献といった側面から環境改善を目指してい. 各行政計画を支える 1 項目として明記されてい. る.また「かわさき基準」は,高齢者や障がい. るだけにとどまる.観光地促進や産業振興等は,. 者といった社会的弱者の住みやすい社会の実現. 今以上の広域な国際化促進や経済成長が見込ま. を目指した福祉製品を認定する制度であり,よ. れる.国際化独自の行政計画を展開することで,. りよい社会福祉の向上を目指している.双方の. 網羅的に国際都市を形成する基盤整備や川崎市. 取り組みを包括できるような取り組みを検討す. のさらなる国際化に貢献するものと考える.2. ることで,CO2 排出量の削減と少子高齢化社会. 点目は, 地域資源を活かした観光地と環境分野,. を支えるような製品やサービスの開発が促進さ. そして文化振興と環境分野の強化である.低炭. れ,環境分野と福祉分野の向上がさらに加速す. 素化を基盤とした地域資源として活用すること. るものと考える.このような行政計画を継続的. で,新しい観光地,さらなる産業振興を導き,. に機能させるためには,施策に対する市民理解. 川崎市によいイメージを持つ人びとが増加する. および積極的な参画が必要である.2008 年度. ものと考える.環境負荷の低い技術や製品を製. から毎年行っている川崎市民を対象としたアン. 造する産業地帯を環境学習拠点として提供する. ケート調査によると,市民の関心事として救急. ことは,環境問題とその対応策,取り組みにつ. 医療体制の充実や高齢者施策などの福祉に関す. いても学習でき,新しい観光スポットとして確. る施策がもっとも多い.また環境に関する施策. 立することができるものと考える.また川崎市. においては,公害や緑化に関する対策,温暖化. の産業地域を世界遺産として登録することで,. 問題に対する意識が高い.町内会など「まちぐ. 川崎市の産業地域を有効的に活用することにつ. るみ」での環境保全に関する取り組みとなると,. ながる.過去の公害の経験から現在の最先端の. 「参加する時間が十分に取れない」 ,「参加のた. 環境技術までを包括的に学習できる.川崎市ら. めの情報がない」という点から取り組みに参加. しい観光地形成を可能とするものと考える.3. しない市民がいることが明らかとなっている.. 点目は,環境分野と福祉分野の向上である.現. また温暖化対策に関する取り組みとしては,生. 在の施策同士の関連性(表 2 参照)の中では確. 活の中で無理なく実施できる取り組みが実践さ. 認できなかった連携である.環境にもやさしく. れている.一方で「時間や手間がかかる」,「何. 福祉分野にも貢献できるような機材・機器の開. をすればいいのか分からない」といった点から. 発や製造は,川崎市にとってさらなる新産業と. 生活の中で実践していない市民も存在すること. なるだけではなく,人びとの生活に対しても安. が明らかとなっている.市民のニーズに合致し. 心安全の提供を可能とする.また,今後高齢化. た情報を提供することで,環境に対する理解が. 社会が進むアジア地域を対象としたこのような. 促進され,積極的な参画を促すことができ,こ. 産業技術やノウハウの提供は,海外への国際技. のような課題は解決しうると考える.市民がど. 術協力としてさらなる国際都市形成の貢献とも. のようなニーズを最も必要としているかを得る. なる.川崎市内の工場・事業所の事業工程の一. ためには,市民の意見を収集するミーティング. 部分ではなく,ライフサイクル(LCA)全体. の開催や環境関連イベントや展示会等の開催な. に 焦点 を 置 き,地球規模 で の CO2 排出量削減. どを有効に活用し,市民ニーズを的確に把握す. に貢献する製品, サービス,技術を認定する 「低. ることもあわせて必要である.. CO2 川崎ブランド事業」や川崎市の環境技術製. 加えて低炭素で持続可能な都市形成の実現を. 品 の CO2 排出量削減 を 地球規模 で 貢献量 と し. 支える施策を円滑に機能させるためには,低炭. て測定する「川崎メカニズム認定制度」という. 素で持続可能な都市形成や行政施策に対する市. 行政の取り組みは,市内の CO2 排出量の削減. 民や企業の理解や認識向上,そして施策展開を.

(13) 川崎市の行政計画の展開から見る低炭素で持続可能な都市形成に向けた要素の検討(渡耒) (633) 163. 支える活動や取り組みを彼らが積極的に実践す. 動支援そしてステークホルダー間の連携強化を. るためのネットワーク形成や環境整備が必要と. 行うことも考慮する必要があると考える.さま. なる.さまざまなステークホルダーから低炭素. ざまな分野の情報を包括的に集約できる中間支. で持続可能な都市形成にむけた取り組みを理解. 援組織は,今後,低炭素で持続可能な都市の形. してもらうためには,市民を性別や住まい,世. 成を実現する上で重要な役割を担ってくるもの. 代,嗜好性,日常生活状況など,特定項目に沿っ. と言える.低炭素で持続可能な都市形成に向け. て区分し,その区分に合致した情報提供が必要. た川崎市のさらなる進化に向け,関連するス. である.川崎市は公害という経験とそれを克服. テークホルダーを円滑に機能させる行政計画や. した技術・ノウハウのインフラ,そして環境問. 制度,そしてより多くのステークホルダーを低. 題を身近に感じることができる環境インフラ,. 炭素で持続可能な都市の形成に関与させるため. さらには国内外に環境情報を発信できる社会イ. の要素の検討については,今後の研究課題とし. ンフラを備えている.対象とするステークホル. ていきたい.. ダーに対して情報提供を適切に実施すること で,低炭素で持続可能な都市形成に対する理解 促進と意識改革を可能とする.そのような「ま ち」の実現にむけた取り組みを情報共有する ネットワークの形成に,行政が参画することで 取り組みをさらに向上させ,より低炭素で持続 可能な都市形成を現実化させる. アクト川崎は, 川崎市の地球温暖化対策を推進する組織として 市から指定された NPO 組織である.多様なス テークホルダーに対して環境分野やまちづくり 分野に関する活動ネットワークの連携強化や活 動支援を行っている.さまざまなステークホル ダーと連携し,地球温暖化対策に関する活動を 実施する中間支援組織として位置づけられてい る.行政や企業,市民が一体となり,各ステー クホルダーが適切な役割を担うことで川崎市の 低炭素で持続可能な都市の形成に対する理解が 高まるだけではなく,円滑な取り組みが展開さ れると考える.このような中間支援組織の役割 は今後さらに重要かつ必要不可欠になってくる ものと考える.低炭素で持続可能な都市は環境 だけではなく,さまざまな分野からの活動も必 要となる.ネットワーク形成と理解促進・意識 改革は,行政計画を円滑に機能させ,低炭素で 持続可能な都市形成の実現を可能とする.その ためには,地球温暖化に特化した環境分野に加 え,社会・経済分野,福祉分野など市民生活や 企業活動にも関連する情報収集や情報提供,活. 参考文献 1.文献・資料 川崎市環境産業革命研究会編. 「川崎 エ コ タ ウ ン ─環境産業革命のさらなる展開をめざして ─」 ,国連大学ゼロエミッションフォーラム ブックレット,2005 年. 川崎市. 「かわさき産業振興プラン─国際知識創 造発信都市をめざして─」 ,川崎市,2005 年. 川崎市. 「川崎市産業振興プラン」 ,川崎市,2005 年 ⒜. 川 崎 市.「川 崎 市 科 学 技 術 振 興 指 針」,川 崎 市, 2005 年 ⒝. 川崎市. 「か わ さ き 観光振興 プ ラ ン」 ,川崎市, 2005 年 ⒞. 川崎市. 「川崎市シティセールス戦略プラン」 ,川 崎市,2005 年 ⒟. 川崎市. 「川崎市民意識実態調査報告書」 , 川崎市, 2005 年 ⒠. 川崎市. 「川崎市民意識実態調査報告書」 , 川崎市, 2006 年. 川崎市. 「かわさき市民アンケート報告書」 ,川崎 市,2007 年. 川 崎 市.「川 崎 市 文 化 芸 術 振 興 計 画」,川 崎 市, 2008 年 ⒜. 川崎市. 「かわさき市民アンケート報告書」 ,川崎 市,2008 年 ⒝. 川崎市. 「平成 20 年度かわさき市民アンケート報 告書」 ,川崎市,2009 年. 川崎市. 「かわさき子ども「夢と未来」プラン」 , 川崎市,2010 年 ⒜. 川崎市. 「平成 21 年度かわさき市民アンケート報 告書」 ,川崎市,2010 年 ⒝. 川崎市 .「川崎市地球温暖化対策推進計画」,川 崎 市,2010 年 ⒞ . Available at <http://.

(14) 164 (634). 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). www.city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/ contents/0000013/13885/dai1syou.pdf>, Sited on 2013/09/18 川崎市.「川崎市新 た な 行財政改革 プ ラ ン ─第 4 次改革プラン─」,川崎市,2011 年 ⒜. 川崎市.「川崎市環境基本計画」(2011(平成 23 年 3 月全面改定),川崎市,2011 年 ⒝. 川崎市. 「か わ さ き い き い き 長寿 プ ラ ン(第 5 期)」,川崎市,2011 年 ⒞. 川崎市.「かわさき健康づくり(追補版)」,川崎市, 2011 年 ⒟. 川崎市 .「川崎市地域福祉計画」,川崎市,2011 年 ⒠. 川崎市.「新総合計画川崎再生フロンティアプラ ン 第 3 期 実 行 計 画 2011─2013 」, 川 崎 市, 2011 年 ⒡. 川崎市.「川崎市地球温暖化対策推進計画」,川崎 市,2011 年 ⒢. 川崎市.「平成 22 年度かわさき市民アンケート報 告書」,川崎市,2011 年 ⒣. 川崎市. 「川崎市一般廃棄物処理基本計画─ か わ さきチャレンジ ・ 3R─」 ,川崎市,2012 年 ⒜. 川崎市.「第 3 次かわさきノーマライゼーション (改訂版)」,川崎市,2012 年 ⒝. 川崎市.「平成 23 年度第 2 回 か わ さ き 市民 ア ン ケート概要版 ⑵」,川崎市,2012 年 ⒞ 川崎市.「川崎 メ カ ニ ズ ム の 構築 に 向 け た 川崎 市の新たな取組 域外貢献量算定ガイドラ イン」,川崎市,2012 年 ⒟.<http://www. city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/contents/ 0000045/45020/guideline.pdf>, Sited on 2013/09/21 川崎市. 「川崎市地球温暖化対策推進計画年次報告 書 2011」 , 川崎市,2012 年 ⒠ <http://www. city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/contents/ 0000013/13885/p12_houkokusyo.pdf>, Sited on 2013/09/20 川崎市.「平成 24 年度かわさき市民アンケート報 告書」,川崎市,2013 年. 鈴木良典. 「低炭素都市 づ く り を め ぐ る 状況 (Issue Brief)」,調査 と 情報弟 758 号,国立 国会図書館,2012 年. 東京都市大学.「環境教育実践・施設・環境人材 等 の 環境資源 の 有機的連携 の た め の 俯瞰的 マップづくり」(平成 23 年度川崎市環境技術 産学公民連携公募型共同研究事業),東京都 市大学,2011 年. 渡耒絢.「低炭素社会とフェアトレードタウンに よる持続可能な「まち」の形成─包括的な取 り組みを通じてその可能性を探る─」,『横浜 国際経済法学』第 21 巻第 3 号,横浜国立大学, 2013 年,pp. 473─497.. 2.ウェブサイト 川 崎 市 ウ ェ ブ サ イ ト.<http://www.city. kawasaki.jp/>,Sited on May 16, 2013. 「かわさき基準の理念」 ,かわさき基準ウェブサイ ト.<http://www.k-kijun.jp/about.html>, Sited on 2013/09/14 「川崎市環境基本条例」 ,川崎市 ウェブ サ イ ト. <http://www.city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/ contents/0000020/20879/04_02.pdf>, 2013/09/18 「川崎市地球温暖化対策推進条例 の 概要」 ,川崎市 ウェブサイト.<http://www.city.kawasaki.jp/ kurashi/category/29-4-4-1-0-0-0-0-0-0.html>, Sited on 2013/09/21 「川崎市地球温暖化防止活動推進センターとは」, 川崎市地球温暖化防止活動推進 セ ン タ ー ウェブサイト.<http://www.cckawasaki. jp/kwccca/gaiyou/gaiyou.html>,Sited on 2013/09/19 「川崎市における 2011 年度の域外貢献量推計結果 (速報値) 」 ,川崎市 ウェブ サ イ ト.<http:// www.city.kawasaki.jp/300/page/ 0000045020.html>,Sited on 2013/09/21 「か わ さ き 産業 ミュージ ア ム と は」 ,川崎市 ウェ ブ サ イ ト.<http://www.city.kawasaki.jp/ kawasaki/category/123-4-3-0-0-0-0-0-0-0. html>,Sited on 2013/10/28 「かわさきらしいスマートシティ構想の推進」 ,川崎 市ウェブサイト.<http://www.city.kawasaki. jp/kurashi/category/26-1-9-0-0-0-0-0-0-0.html>, Sited on 2013/05/31 「川崎メカニズム認証制度」 , 川崎市ウェブサイト. <http://www.city.kawasaki.jp/300/ page/0000044994.html>,Sited on 2013/09/14 「 「環境未来都市」 構想とは?」 , 「環境未来都市」構想 ウェブサイト.< http://futurecity.rro.go.jp/ about/>,Sited on 2013/09/14 「環境モデル都市」 ,地域活性化統合本部会合(首 相官邸ウェブサイト) .<http://www.kantei. go.jp/jp/singi/tiiki/kankyo/index.html>, Site on 2013/09/14 「計画 の 構成」 ,川崎市 ウェブ サ イ ト.<http:// www.city.kawasaki.jp/200/page/0000023454. html>,Sited on 2013/09/18 経済産業省 ウェブ サ イ ト. 『エ コ タ ウ ン 事業』 , <http://www.meti.go.jp/policy/recycle/ main/3r_policy/policy/ecotown.html>,Sited on May 18, 2013. 「住民参加による低炭素都市形成計画策定モデル 事業 の 公募開始 に つ い て(お 知 ら せ) 」 ,環 境省ウェブサイト.<http://www.env.go.jp/ press/press.php?serial=16654>,Sited on.

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(16) 166 (636). 横浜国際社会科学研究 第 18 巻第 6 号(2014 年 2 月). 術,サービスを低 CO2 川崎ブランドとして認 定している( 「低 CO2 川崎ブランド事業」,低 CO2 川崎ブランド事業ウェブサイト.<http:// www.k-co2brand.com/about/index.html>, Sited on 2013/09/14). 8)川崎メカニズム認証制度は,2013 年度から開 始された事業である.地球規模での温室効果ガ ス(GHG)の 排出削減 に 向 け,川崎市域内外 で GHG 排出量の削減に貢献している,川崎市 内で製造ないしは研究開発された環境技術を評 価し,GHG 排出削減量を「見える化」した仕 組みである(「川崎メカニズム認証制度」,川崎 市ウェブサイト.<http://www.city.kawasaki. jp/300/page/0000044994.html>,Sited on 2013/09/14). 9)かわさき基準は,利用者や利用者を支える家 族・地域の人びとが「主体的に選択,自己決定 できる」最適な福祉製品・開発を認定する基準 である.スウェーデンの福祉に関する基本方針 や理念を参考にし,日本の福祉分野の状況をふ まえ,8 つの理念(人格・尊厳の尊重,利用者 の意見の反映,自己決定,ニーズの総合的把握, 活動能力 の 活性化,利用 し や す さ,安全・安 心,ノーマライゼーション)を定め,「あらゆ る利用者の日常生活の活性化を促す製品・設備・. 建物・サービス類」を認定している( 「かわさ き基準の理念」 ,かわさき基準ウェブサイト. <http://www.k-kijun.jp/about.html>,Sited on 2013/09/14) 10)2004 年度の川崎市民意識実態調査によると, 市民は「病院,診療所の整備や救急医療体制の 充実」や「老人ホーム建設,老人医療の充実な ど,お年寄りのための仕事」といった福祉分野 に関する施策に対しニーズを求めており,以後 これまでの市民調査アンケートの中でも上位を 占 め て い る(川崎市 2005 年 ⒠:p. 68) .ま た防犯対策は 2010 年代前後において市民ニー ズが上位に上がっている(川崎市 2011 年 ⒣: pp. 160─161,川崎市 2012 年 ⒞:p. 7) .2012 年度の最新の市民アンケートによると中位に位 置づけられている(川崎市 2013 年:pp. 146─ 47) . 11)策定年度が 2005 年のものもあるが,施策期 間が 10 年間となっており,現在の川崎市を支 える施策と位置づけることができる. [わ た ら い あ や 横浜国立大学大学院国際社会 科学研究科博士課程修了,川崎市環境総合研究所 研究員].

(17)

表 1 主要な区分および行政計画 11) 福祉分野 産業振興分野 ⑴ 川崎市地域福祉計画 ⑵ 第 3 次ノーマライゼーションプラン(改訂版) ⑶ かわさき子ども「夢と未来」プラン ⑷ かわさきいきいき長寿プラン(第 5 次) ⑴ かわさき産業振興プラン⑵ 川崎市化学技術振興指針 観光・文化振興分野 環境分野 ⑴ かわさき観光振興プラン ⑵ 川崎市シティセールス戦略プラン ⑴ 川崎市環境基本計画(全面改訂)⑵ 川崎市地球温暖化対策推進計画 ⑶ 川崎市一般廃棄物処理基本計画─かわさきチャレンジ・3R─ 表 2 

参照

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