高レベル放射性廃棄物の固定化に関する研究 : Ⅳ バリウム塩と二酸化チタンの反応
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(2) 68. 望able l Amount on Ba・isotopes in h三gh・1evel radioactive waste removed through reprocesslng.. The amounts are given in grams of Ba−isotopes per metric tonne of uranium(enriched to 3.3% in 235U). Ba−isotopes. Nuclide concentration, grams. separatlon IY 10Y 10Y2 103Y 104Y 105Y 106Y 107Y 108Y 109Y 134. 9.36×10 正.41×102 2,53>〈102 2,58><102 2.58><102 2,58x102 2.§8><102 2◆58×102 2.58><麦02 2.58><102 2,58><102. 135. 3.54×1e−23,55>〈至〇一23.61×10−24.29×10鼎21.10><10−17.83)<10}17.43 . 136. 2.50x正0 2.50x10 2.50x10 2:5e×10 2.59×10 2950×10 2辱50xle 2.50x10 2.50×1e 2.50x10 2.5e×10. 6◆68×10 2.92><102 3,92><102 3.24>〈102. 137M. 1.85×1e {1.81><10−4圭.47×10鼎41.85><10噛51.72>〈1(}一1』1 ⑪. 137. 5,塵9><10 8P29xIO 3_08x102 1,16><翌03 1,28x103 1.28><103 1.a8xK}3 1,28><103 1.28><圭03 正,28×103 1,28>〈玉G3. 138. 1,22><103 正.22×103 1.22×1e3 1.22><103 1.22><102 1.22 x 103 1.22×10:; 1.22×茎03 1,22 x 10:3 1.22>〈103 1.22×102. 140. 5.92x10−31噂53 x 10r三1 0. total. 1曾39×103 1.47><103 1.81x103 2・66×重03 2.78×103 2.78×103 2・79><103 2.85 x 103 3,08×103 3.1i×正03 3.11>く1〔}3. Ba/F. P.. (wt 96). 3.98 . 4.21 5517 7.63 . 酸塩系,珪酸塩系,リン酸塩系,チタン酸塩系,ジル コン酸塩系が検討されている。本研究では,これらの. 7.97 7.97 7,99 8.豆7 8,81 8.90 8・90. 2. 実験方法. 添加剤のうちチタン酸塩系を取り上げて,核分裂生成. 2.1.試 料. 物としてはアルカリ土金属のストロンチウムを中心に. バリウムの硝酸塩,炭酸塩,水酸化物,シュウ酸塩. 繊発物質の化学反応性を調べてきた15)1蝋)。本報告で. は関東化学(株)の特級試薬を用いた。. はバリウム塩の反応性について述べる。. アナタ∼ゼ型とルチル型の二酸化チタンは関東化学. バリウムの場合には,核分裂とその後の壊変によっ. (株)の特級試薬を空気中100℃にて乾燥して使用し. て生成する核種はBa−134,135,136, B7 M,137,138,. た。二酸化チタン水和物は硫酸チタン30%水溶液(関. 140であって,軽水炉PWRにて燃焼率33,000 MWD. 東化学・特級試薬)にアンモニア水を加えて水酸化チ. /tU,燃焼密度30MW/tU,‘・1=!性子束2.92×1013 n/. タンの沈澱を製し,これを80。C,24時間乾燥して調製. cm2sの条件下での各核種の割合はTable 1のように. した18)。アナターゼ,ルチルの粒子径は走査電子顕微. なる。この表でみると,バリウムの核分裂生成物に占. 鏡SEMで調べたところ,いずれも0.2μmであった。. める割合はかなり.きく,再処理から10年後には5.2. 水和物は0.1μln以下であるが,凝集して二次粒子を. %(ウラン!t≧琉り1.8kg),103{嘗後に々ま8.0%(i司. 作る。その大きさは10∼50μmの範闘にあった。. 2.8kg)になる。バリウムにストロンチウムを加えて. 熱重量測定用試料はバリウムとチタンの金属比が1. アルカリ土金属として整理すると,再処理から10年後. になるように混合し,3tcm圃2の圧力で直径7mm,. には7.4%(ウラン1t当り2.6 kg),!03勾託麦セこ,は9.0. 高さ約5mmの円筒形に成型した。1個の試料の重書:. %G司3.!kg)になる。. は200∼300mgであ一,た。なお乳鉢で混合したもの. チタン酸塩系を用いてバリウムを静定化する結晶相. をSEMで調べたところ二次粒子をf乍る水和物でも,. としては,ペロブスカイト(Perovskite)が主であるが,. 二次粒子にバリウム塩が埋没して,均一に混合してい. 他の元素が混在するとホランダイト(Hollandite)も. ることがわかった。. 生成の可能性がある。本報告ではベロブスカイト結晶. 2,2.装置と方法. 相を作ることを第一の目標に罎き,バリウム塩と二酸. 実験の多くは熱重量測定法’rGによった。装澱は自. 化チタンとの反応によるチタン酸バリウム生成の化. 動電気微量天秤(米州,Cahn社二四,塑式1000)を熱. 学反応性を調べた。反応挙動は熱重量測定法(以下. κ秒として使い,これに流山:計,ガスの乾燥系,真空. Thermogravimetryの略語としてTGを用いる)に. ボンブを付属した。装置の詳細については第2報コ{;)に. よって調べ,生成物はX線獺析を用いて同定した。出. 述べた。. 発物質はバリウム塩として硝酸塩,炭酸塩,水酸化物,. 円筒形に成形した試料は白金ルツボに入れたのち,. シュウ酸塩を,::二酸化チタンには水和物Tio2・H20,. 熱天秒の樟の一端か射昌下げ秤量した。実験は流通系. アナターゼ型,ルチル型の3種を用いて反応性の比較. で行い,空気気流中での反応には,まず空気をシリカ. を行った。. ゲルとソーダ響灰塔を通して水蒸気と二酸化炭素を除.
(3) 69. 了した。二酸化炭素または窒素気流を用いるときに 獄,系内を真空にしたのち.ヒ記ガスを導入し,再度真. o. 空にしてから川内にガスを流した。流速はいずれの場. \ 、. 合も100cm3 min鴨王とした。この流速でのルツボ付近. 一20. の線速は,室温にて約40cm mindである。昇温速度. ではわからないので示差熱分析を併用した。装置とし て示差熱天秤(真空理:K(株)製,島式TGD−5000)を. 、B。(NC,)、./、. 。一 冷 、. S0. く一60. 馳 t. 一80. 約!00mgを用いた。. を使い,ニッケル・フィルターを通したCuK:αを用 いた。. 3,実験結果 3.1.硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応. l l 職 1. 、 t. 速度5。C min憎1,空気気流中にて行い,試料圭li:として. ィフラクトメーター(理学電機(株)製,型式RAI>1A). !Ti…H・・ 1 、 l. 用いた。走査条件は熱重}義測定の場台と同じく,出戸. 生成物のi司定にはX蟹田析を行った。装澱としてデ. \、 \聖・・・…. 聖 1. は特に断わらない限り5。C min−1を用いた。. バリウムの硝酸塩と水酸化物の分解挙動はTGのみ. \ へ . 、Tio、・擁,0 、. Y 、 \ 1. 一100. 0 200 400 600 800 . 1000. Tgmpノ。C Fig.1 TG curves of decompos三tions of barium n隻trate and titanlum dioxide hy. drate, an(i of reaction of barium nitrate. with titanium dioxlde hydrate in a How of air. Heating rate:5。Cmin一隻.. 二酸化チタン水和物は,既に第2報16)において述べ 0. たように,脱水反応がほぼ終了する温度300。C付近 からアナタービへの相転移を起し,600。C付近におい. \\GnGtqse l♪utile. て転移が終了する。Fig.1に,二酸化チタン水和物の. 一20. 示す。. 硝酸バリウムの熱分解は600。C付近から起るが,融. 、 1. 、、 1. 脱水反応と,硝酸バリウムの熱分解のTG曲線,二酸 化チタン水和物と硝酸バリウムとの反応のTG曲線を. へ \ /、、. ・,d,。,≧\l. 一40 誤. /l. 、. ぐ一60. ∼. 点が595。Cであるから,熱分解は融解状態で起ること がわかる。硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応は硝 酸バリウムの熱分解よりも低い温度(560。C)にて起. 一80. i. る。反応の進行とともに硝酸塩の分解が始まるが,こ 一100. 1000. れは硝酸塩単独の分解反応よりも分解開始温度が低く. 0 200 400 600 800 . 速度も大きい。特に融点以上において重鐙減少の澱度. τemρノ。C. に対する割合が大きいことがTG曲線から読取れる。. F養g.2 TG curves of reactions of barlum nit脚. 反応終了温度を比べると,硝酸塩の熱分解は800DCで あるのに対し,二酸化チタンとの反応では680。Cに...卜’. rate with hydrate, anatase and rutile of titan1um dbxide in a flo、v of air, }{eating. rate=5。Crnin}1.. がる。二酸化チタンとの反応によって硝酸根の遊離が 起り分解するものと思われる。. 未反応の酸化バリウム,二酸化チタンは検出されなか. Fig.2は硝酸バリウムと二酸化チタン水和物,アナ. った。従って,この反応を用いるとチタン酸バリウム. タービ,ルチルとの.反応のTG曲線(昇温速度5。C. の生成は極めて容易なことがわかる。. min一ユ,空気中)を示す,,水和物に比べるとアナター. 3.2. 炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応. ゼの反応開始温度は低くなり,440。Cにまで下がる,、. Fig.3に空気中における炭酸バリウムの熱分解の. ルチルの場合は水和物の場合とほぼ同じ反応開始温度. TG曲線と,炭酸バリウムと二酸化チタンの水和物,. を示す。重:量変化の終了時にチタン酸バリウムの生成. アナターゼ,ルチルとの.反応のTG曲線を示す。水和. 反応が完了しているかどうかを調べるために,反応終. 物との反応は空気中のほかに二酸化炭索中の反応をも. 了温度に達した試料を急冷してX線回析を行った。そ. 示した。いずれも昇温速度は5。C min畦である。. の結果は生成物はチタン酸バリウムBaT103のみで,. 炭酸バリウムの分解湿度は1490。C(Pco。盤l atm).
(4) 70. Ba2Tio4ではなく,8aTio3になるものと思われる。 3.3.水酸化バリウムと二酸化チタンとの反応. 0. 水酸化バリウム8水塩Ba(0}{)2・8H20の融点は77 一20. 。一40 } 、. ぐ一60. 一80. 。C,無水塩の融点は408。Cであることが知られてい. 、 ヒ \. i.。i, 、. る。示差熱分析によって8水塩の加熱挙動を調べる と,守門速度が5。C mln『1の場創こは融点が78。C. hyd,蓋\ 一一.1. であって,水酸化物は一旦結晶水に溶けたのち,水が. ・・C・・\、. 次第に蒸発して160。C付近にて脱水による吸熱が激し. \・へ. くなり,400。C付近にて再び融解する現象が見られ. k. る。なお水酸化バリウムの分解温度 (PH20竺1 atm). ㌔. は998。Cである。. 、 、 0 200 400 600 800 1000 Ternpノ。¢ 一100. Fig.3 TG curves of decomposition of bariu組 carbonate, and of react:ions of barium carbonate with hydrate, anatase and rutile. 水酸化バリウム8水塩の熱分解のTG曲線と,水酸 化バ夢ウムと二酸化チタン水和物,アナターゼ,ルチ. ルとの反応のTG曲線をFig,4に示す。 水酸化バリウム8水塩は,加熱によって200。C付近 まで結晶水が失われ,400。C以上の漏度にて水酸化物. は徐々に分解する。なお水酸化物には炭酸塩が混在し. of tiセanium dioxide in a now of air.. ていると思われるが,TGでは明確に区別することは. Heating rate:5。C min 1.. できなかった。. であるが,空気門中での分解開始混同は915。Cであっ. 。. た。. 炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応では,反応開. 一20. 始湿度は二酸化チタンの結晶形の違いによって僅かに 異なり,水和物の場合には655。C,アナターゼ型では 620。C,ルチル型では650。Cになる。反応終了撮度も アナターゼ,ルチル,水和物の順に高くなる。. 炭酸バリウムは安定な化合物であって,分解開始温. 、. アナターゼでは60。C高くなる),炭酸塩は二酸化チタ. q轟QtαSe 」/ 、 hydrQte 、. 、. ぐ一60. i ヒ. 一80. に変り始める。二酸化炭素中でも反応開始温度がそれ ほど高くならないので(二酸化チタン水和物で65。C,. 、. ㌃. 一40. 度も高いが,二酸化チタンとの反応では300。C近くも 低い温度から二酸化炭素を放出してチタン酸バリウム. 、. l Bq(OH)2・8H20. t 「ut“e/ =∼二.;.一二\_._. 一葉00. 0. 200 400 600 800 蒙000. Ternp.’・C. ンと直接反応するものと思われる:. Fig.4 TG curves of reactions of barium. BaCO3十TiO2一一→BaTiO3+CO2. hydroxide octahydrate with titanium dio・ xide hydrate, anatase and rutile in a flow. 炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応はTemple・. of air. Heating rate:5。Cmin−1.. ton&Pask19),1shiiら2。〉によって調べられいずれも. 8a2Tio遭が主に生成することを報告しているが,本報. 水酸化バリウム8水塩、とアナターゼ,ルチルとの混. 告では主生成物はBaTiq3であることがX線回析の結. 合物を加熱すると,結晶水の放出挙動は水酸化バリウ. 果から確められた。8a/Ti比が1になるように出発物. ム単独の場台と変らないが,300。Cを越えると重量減. 質を混合したが,Ba2TlO{が主として生成するとの報. 少が起り始め,無水塩の融点付近にて重句減少の速度. 告からは,恐らく炭酸バリウムと二酸化チタンの反応. が大きくなる。硝酸塩の場合と同じように,水酸化物. 界面において,チタン原子が炭酸バジウム中に移行し. の融解によって反応が加速されたものと思われる。. てチタン酸塩が生成したのではないかと思われる。も. 400。C付近において水酸化バリウムの約2/3が反応す. しその推論が正しければ,炭酸バリウムの粒子が小さ. るように見られるが,水酸化パジウムの重蚤減少がそ. ければ,チタン原子の拡散が容易になり,密生成物は. のまま二酸化午タンとの反応率を示すとすれば,反応.
(5) 71. 合も200。Cまでに結晶水を失ない,400。C付近から. 生成物のBa/Tl比は凡そ2/3になるので, BaTi205. とBaTio3の混合物が生成すると考えられる。400。C. シュウ酸基の分解・酸化が起り炭酸塩になる。更にア. を越えると反応は徐々に進行し,980。Cにて終了する。. ナターゼ,ルチルでは610。C,水和物では600。Cを. アナター・ビとルチルとの差は認められない。二酸化チ タン水和物との混合物を加熱する場合をこは,両者の脱. 0. 水が重なるので,重盤減少量が大きくなる。180。C付. k 、. 近からの重昂1減少は1000。Cまで徐々に進むことがわ. \、 。。qミqse. 一20. かる。後で述べるように,反応終了温度における生成. \ /. \. 物のX線謝析像はBaTlq単一掘でないことを示す。. 、\鴨 \. 遭一40. これはTG曲線からの推定とも矛盾しない。. ・ ru匙ile. ミ. hyd ♂!. 3.4. シュウ酸バりウムと二酸化チタンの反応 ぐ一6◎. バリウムの有機塩酸としてシュウ酸塩を選び,二酸. _、囎. ㌔鴨 、. \ 、 、一、 、. 化チタンとの反応を調べた。第3報17)にて有:機酸スト. 、\ 、. ロンチウム(有機酸としてギ酸,酢酸,シュウ酸を選. 、 、 、 、. 一80. んだ)と含水二酸化チタンとの反応を報告したが,そ の結果によれば,いずれの有機i酸塩も一旦炭酸塩に変. 一100. 0 200 400 600 800 1000. ったのちに二酸化チタンと反応することがわかった。. Ter轟P.10C. そこで,有機酸塩としてカルボキシル基のみを有する シュウ酸塩を選んだ。. Fig.5 TG curves of reactions of barium oxalate monohydrate with titanium dio・. F}g.5はシュウ酸バリウムBa(COO)2・H20と各』種. xide hydrate, anatase and rutile in a且ow. 二酸化チタγとの反応のTG曲線を示す。いずれの場. of air. Heat呈ng rate;5。Cmin牌1.. (A) 8q(NO3)2■o翻了io2. to 6600C Gt 50C min−1. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. go. !OO. (B) BαCO300−TiO2. to900“Cαt5。Cmin−1. lO. 20. 30. 40. 50. 60. フ0. 80. go. 100. (C) Bq(OH》2・8H2Q◆q_Tio2. to9900Cαt50Crnin一覧. IO 20 30 40 50 60 70 80 9G IOO. 2e’● Fig.6 X.ray diffraction patterns of products prepユred by reactions of barium salts with anatase in a flow of air=(A)Reac仁ion of barium nitrate w三th anatase was carried◎ut by heating to 660℃at a heating rate of 5。C恥in,1; (B)Reaction of barium carbonate with anatase by heating to 980。C at 5。C. min『ユ;and(C)iでeaction of bar{um hydroxide actahydrate噺th anatase by heating to 990。C at 5。Cmin一艮..
(6) 72. 越えると炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応が始ま る。従って有機酸塩の化学反応性については炭酸塩に. 0. ついて反応性を調べれば,特に考慮する必要のないこ 一20. 3,5. X線回折による同定. S0. は反応終了温度は化学反応悟三の比較には打力な尺度に. ≧. なるが,1司相間の反庵1の場合には反応物質が自ら分解. 、. あるいは変化して反応に関与しない場合もあり得る。. ぐ一60. 。一. そこで,TG曲線に承される反応率が;司相酌己;の反応. 1 \. 、 、 {hyd・。・id・ 1. 一80. に報告したチタン酸ストロンチウムの生成反応の場台. く,1000。Cに達した時点では反応率は100%にはな. ! / \で 、 nitrGtさ \. 重量変化の曲線から得られる反応開始温度,あるい. には,生成速度よりも5。C min−1の昇温速度が大き. ちノ. \ \、G,b。。。,e. とがわかる。. 率と一致するかどうかを調べる必要がある。第3報韮7). _一_r♂.,... inCO2. 一100. (一\ 叉 \一____. lk. 0 200 400 600 800 IOOO. Temp.1。C. らなかった。. そこでバリウムの硝酸塩,炭酸塩,水酸化物とアナ. Fig.7 TG curves of reactiQns of barium. タービの反応を5。C minP…の昇温速度にて熱重損:測. salts (nitrate, carbonate and hydroxide). 定法によって行い,反応終了猷度にて試料を急冷して,. with tltanium dioxide(anatase)in a How of a1r. 戸rhe reaction of barまum carbonate. 生成物のx線回極を行った。結果をFig.6に示す。. with anatase in COり1s also shown. Heat−. Fig.6ではバリウム塩の種類によって反応終了温度が. lng rate:5。C mln皿1.. 異なるので,到達温度も異なり,硝酸塩は660。C,炭. 酸塩は980。C,水酸化物は990。Cになる。最高温度. いて検討を行うと,Fig。7に要約するように,反応の. に到達するまでの時間は,それぞれ,130,190,190. し易さ(すなわち,反応開始温度)の点からは 水酸. m1nになり,反応時悶も異なることになる。生成する. 化物〉硝酸塩〉炭酸塩 の順に..ドがるが,そしてこの. チタン酸バリウムは硝酸バリウムの場合には1チタン. 点から水酸化バリウムの化学形は好ましいのである. 酸塩BaTio3のみであるが,催のバリウム塩ではBa. が,反応の完結性,反応終了観度,BaTiO3単一租を. Tio:玉以外のチタン酸塩も見られる。チタン酸バリウ. 得るという点からは,反応β目始温度昏オ:僅か}こ高くなる. ムの生成率は定性的であるが次の塩の噸昏ごiぐつた:硝. が,硝酸塩の方が優れているように思われる。これは. 酸塩〉炭酸塩÷水酸化物。. 水酸化物と硝酸塩の反応機構の違いに基づくためであ. 4.考. 察. ろう。. 水酸化バリウムと二酸化チタンの反応は,水酸化バ. 本報告ではバリウムのチタン酸塩生成による固定化. リウムが融解すると促進されるように見えるので,颪. について,反応のしゃすさの立場から調べた。緒論に. 相問反応というよりは液枳一固相1=}圭1反応になると思わ. 述べたように,高レベル放射哲三廃棄物中にはバリウム. れるが,反応の進行はTG曲線から検討すると次のよ. がかなり含まれ,再処理当初において約4%,!03年後. うに進むのではないかと思われる1. には8%にも達する。ストロンチウムとは化学的性質 が蓋モ異なるが,アルカリ土金属として両者を合せる. Ba(OH)2十2TiO2一一一→BaT1205十H20. と,再処理当初に約7%,103年後には9%に増力liす. Ba(OH)2十BaTi205一車2BaT}03+H20. る。従ってアルカリ土金属の存在を無視することは. 第1の反応は400。C付近の反応初期に起り,ここで生. できない。核燃料中に分裂生成物問の反応によって. 成したBaTi205が加熱とともに,すなわち時間の経. BaZrO,1*の生成が見られるように,積極的に結贔相中. 過とともに次第にBaTio:}に変るのであろう。これに. に取り込む基材(添加剤)としても考えられる。. 鰐して硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応では. 本研究の目的は第1報において述べたが,その一つ は高レベル放射性廃棄物を比較的低温においてセラミ ック化することにある。この立場からバリウム塩につ. Ba(RO・)・+TlOr・一・Ba’riO・+2NO,+1/202. の反応のようにBaTio3が1農接生成するよう}こ思われ る。水酸化物と硝酸塩との問に,侮故生成物が違うの. さ *へμブスカイト型‘1ツ昂ll,偽款茎.192 A. かの疑鵜が生じるが,これは恐らく後者の反癒湯度が.
(7) 73. 高いために,結晶格fの組変えが起りやすくなったこ. (1977).. とに起因するのではないかと思われる。. 7) A.£.Rlngwood; “Sα∫召1)’sヵosα♂o∫H∫9ん. 二酸化チタンの結品形の違いによる反応性の大きさ. ム2麗’IV㍑cJgαr Rθα6‘01’再!αs’召,〆1 N2昭S’γα彪.. の順は アナターゼ〉ルチル÷水和物 であった。こ. 9♪,”,Australian National Univ. Press, Cambera. の順序はストロンチウムの場合とも同じであるが17),. (1979)、. アナターゼとルチルの反.応性の違いについては既に報. 8)A.E. Ringwood, S.£. Kesson, H.G. Ware,. 告もある20)29。アナターゼのルチルへの相転移熱は大. W.0.Hibberson and A. Malor:“lmmob11iza・. きくはないが22),及:応時に相転移の駆動力が働いてい. tion of high level nuclear reactor waste in. るものと思われる。水和物は脱水によって結晶構造も. SYNRCC”,1Vα砲72,278,219 (1979).. 変りアナターゼに転移するので,化学反応性は最も高. 9)A,E. Ringwood, S, E. Kesson, R.G. Ware,. いように思われるが,TG曲線から見る限り反応性は. W.O.}{ibberson and A. Major:“The SYNROC. ルチル並みである。恐らく脱水によって成型体に空孔. Process:Ageochemical approach to nuclear. ができて,接触面積が減少したためではないかと思わ. waste immobilization”,0θoc/z27η.ノ.,13,141. れる。以.」.二の二二果から二酸化チタンとしてはアナター. (1979).. ゼが優れていることがわかったが,二.酸化チタン水神. 10)G.W. Bea11, L. A. Boatner, D. F. Mullica and. 物も300∼400。C付近で脱水して,アナターゼへの転. W。0.MHIIgan l“The structure of cerium. 移が始まりかかったものを粥いれば,或いは高い反応. orthophosphate, a synthetic anaiogue of mona・. 性が期待できるかもしれない。. zite”,ノ. ∫ηoγ9. ノ〉㍑c’. Cん2ητ.,43, 101 (1981).. アルカリ土金属と二酸化チタンとの反応を取り上げ. 11) J.R. Van Hise and D. C. Camp= ‘‘Search for. て化学反応{生の検討をしたが,これらの結果は高レベ. high energy aipha emltters m monazlte mln.. ル放射性廃棄物の他の成分についても適用できると思. erals”, Pん二ys, Cんθητ. ル1脅zθアα’5, 7, !30 (!981).. われる。なお反応性のほかに焼結性の検討も必要であ. 12) J.G. Pepln,£.R. Vance and G.」. MaCarthy:. “The crystal chemistry of cerium in the mona・. ろう。. z童te structure−type phase of ta量10red・ceramic. 文. 献. b IABA,“Tρcノη吻麗s∫or〃12 So〃4哲。α々。ηo∫. nuclear waste forms”,ノレ酒αご2r. Rρs.β副り16, 627 (1981).. H’9ん一ゐ⑳2♂レFα∫館s”, Tech. Reports Ser. No.. !3) 萱野卓治,三村 均,北村 強:“ゼオライトに. 176(STI/亙)OC/10/176),正AEA, Vienna(1977).. よる放射性廃液の処理,(1)Na型, Cs型およ. 2) IAEA,“S意θSθ∼θc薩。ηFαc彦oγ5∫oγR砂osπo・. びSr型ゼオライトの加熱変化”,原子力誌,18,518. r∫2∫ So〃4 βノ8ノレゐωρ1 αη4 ・4ゆ加一β9αγ加8. (ユ976)、. i導/α∫雄s ∫η Gω’09ゴ。α’ Foηπ梛’oηs”Tech. Re・. 14) 菅野卓治,三村 均:‘‘ゼオライトによる放身H生. ports Ser. No.177(ST玉/DOC/10/177), IAEA,. 廃液の処理,C猛)ゼオライト焼成固化体からの. Vienna (1977),. CsおよびSrの浸出性”,原子力誌,19,113(1977),. 3) 玉A£A,“C11αノ’α6飽γ’5‘’cεo∫So々4哲魔Hゴg1レ. 15) 田川博章:“高レベル放射性廃棄物の固定化に関. ム(∼2ひθ♂ 擁/αs‘(∼ Pブod祝。護s”, Tech. Rleports Ser.. する研究:1一研究の目的とその背景”,横浜国大. No.187 (STI/1)OC/!0/187), IA£A, Vienna. 環境研紀要,8,89(1982),. (1979),. 16) 【1二i川,木村,小林,藤野,大内,室村:‘‘1司上:. 4) G.」.McCarthy and M. T. Davldson:‘‘Ceramic. 翌アルカリ土金属塩と含水二酸化チタンとの反. nuclear waste forms l I, Crystai chemistry and. 応”,横浜国大環境研紀要,8,99(!982).. phase forrnation , !1ηz召γ, C2rα7π. Soc. βπ〃.,. !7) 田川,木村,五十嵐,藤野,大内:“1司上二皿チ. 54,782 (1975).. タン酸ストロンチウムの生成反応”,横浜国大環境. 5) G.」.McCarthy: “Ceramics as 1}igh level. 石下糸己要, 9,55 (1983).. waste forms”, in“Ceプα那’cs oη4αα∬1∼α伽・. !8) 日本化学会編1実験化学講座9,“無機化合物の. αc翻ひ。 耳yαsごρ Foγητ5’, (ed, D.、へ「, Ready and. 合∫父と特等製,’,p.248,プし善(1958).. C.R. Cooley),£RDA.CONF 770102, p.83(1977).. 19) L.K. Temp}e£on and J.A. Pask:“Formation. 6) G.」.McCarthy:“}{igh level waste ceram1cs:. of BaTiα and TiO2 in air and ln CO∼,,ノ.. Product characterisation,’, ノ〉μc∼,7「θcん.,32,92. 遵アπθγ. Cん召ηz. Soc., 42, 212 (1950)..
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