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高レベル放射性廃棄物の固定化に関する研究 : Ⅳ バリウム塩と二酸化チタンの反応

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Academic year: 2021

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(1)横浜国大環境轟汗糸己要 10 :67−74 (1983). 報  文 }11凱lm川則洲1罰ll捌蹴. 高レベル放射性廃棄物の固定化に関する研究:IV バりウム塩と二酸化チタンの反応* Immobi韮iza伽n of High−Leve嚢Radioactive Waste:IV Rea£tivity of Starti蝕9:M:aterials in Formaもion of.            Barium了itaRate. 田川 博章**・大橋 淳一*** Hiroaki TAGAwA**and Junichi OHAsHI***.                     Synopsis   Titanates with a perovskite−type structure are expected as recommended materials which are capable Q£keeping high−1evel radioactive waste for the long per量od. In the present paper, formation of titanate of bari魏m, which is one of the fission products, was studied by use of. thermogravimetry and X−ray difξraction method with empぬasls on chemical reactivity of start− ing materials. S重arting materials used were nitrate, carbonate, hydroxide and oxa王ate of barium. and titanium dioxide hydrate, a煎atase and rutile. The chemicalτeactivity of the reagents was. compared wi亡h each other using initial and final temperatures of the reaction Qn TG culves and conversion to bariuln titana電e.τhe products wele mainly the mQnotitana之e BaTiO3 in alI reaction sys重ems. Barium oxalate was once converted to lhe carbonate befQre the salt reacted with titanium dioxide, The order of the chemical reactivity of bariu阻salts was:nitrate>carbo,. nate≠hydroxide and that for tltanium diox藍de was:anatase>hydroxide幸mt韮le.. からみるとガラスは準安定な状態であるから,放射線. 1.緒. 言.  高レベル放射性廃棄物の圃定化の方法と処分法の確. 場のようなガ. 宴X状態を解消するような条件下に置か. れると,次第に結晶化してガラスの特徴が失なわれる. 立は,原子力開発を推進するために極めて重要な問題. ことになる。. であって,欧米諸国においてはかなり前からガラス.  このためガラスよりも熱力学的に安定な状態として. を用いた閥化法についての研究開発が進められてき. セラミックスが検討されるようになり,スーパーカル. たP2)3)。我が匡1においても,近年になってこの高レベ. サインSuper−ca互cine4)5)6>,シンロックSYRROC7)8>9),. ル放射性廃棄物の固化に関心が向けられ,ガラス圃化. などの概念が提案されるようになった。またモナズ石. 法の研究が始められるようになった。. はウラン,トリウムなどの資源鉱石として天然に産し,.  ガラス固化法の特徴は,多くの元素からなる放射性. 核分裂生成物としての希土類元素などを含有するの. 廃棄物を均一な嗣体にすることができる,という点に. で,放射性廃棄物の固化体として検討が続けられてい. ある。均質であって,かつ多孔性でない,密な眠体に. るほか1伽1)12),アルカリ金属・アルカリ土金属を容易. なることは,処分環境における地下水などとの両立性. に吸着できるゼオライトも固化体の候補として研究さ. の向上に繋がることになる。しかし,圃体化学の立場. れている13>14)。しかし,いずれの方法・材料も,いま. だに最終的な農標に到達していない。  ‡本研究の一部は文鵠省科学研究費(一般研究B)の補助による. 赫汚染拡散学研究室  Department of Env∼ronmenta隻ChemGdyna罧ユics 聯*現在藤枝女子南高等学絞  Fujieda−Minaml Senior High Schoo}.  高レベル放射性廃棄物を固化体とするには,結晶化 のための固化助剤(添加剤)を必要とする。この添加 剤は希望の結晶根を作ることを昌的として,アルミン.

(2) 68. 望able l Amount on Ba・isotopes in h三gh・1evel radioactive waste removed through reprocesslng..  The amounts are given in grams of Ba−isotopes per metric tonne of uranium(enriched to  3.3% in 235U). Ba−isotopes.                Nuclide concentration, grams. separatlon IY   10Y  10Y2  103Y  104Y  105Y  106Y  107Y  108Y  109Y  134. 9.36×10  正.41×102 2,53>〈102 2,58><102 2.58><102 2,58x102 2.§8><102 2◆58×102 2.58><麦02 2.58><102 2,58><102.  135. 3.54×1e−23,55>〈至〇一23.61×10−24.29×10鼎21.10><10−17.83)<10}17.43     .  136. 2.50x正0   2.50x10   2.50x10   2:5e×10   2.59×10   2950×10   2辱50xle   2.50x10   2.50×1e   2.50x10   2.5e×10. 6◆68×10  2.92><102 3,92><102 3.24>〈102.  137M. 1.85×1e {1.81><10−4圭.47×10鼎41.85><10噛51.72>〈1(}一1』1   ⑪.  137. 5,塵9><10  8P29xIO  3_08x102  1,16><翌03  1,28x103  1.28><103  1.a8xK}3  1,28><103  1.28><圭03  正,28×103  1,28>〈玉G3.  138. 1,22><103  正.22×103  1.22×1e3  1.22><103  1.22><102  1.22 x 103  1.22×10:; 1.22×茎03  1,22 x 10:3 1.22>〈103  1.22×102.  140. 5.92x10−31噂53 x 10r三1   0.  total. 1曾39×103  1.47><103  1.81x103  2・66×重03  2.78×103  2.78×103 2・79><103 2.85 x 103  3,08×103  3.1i×正03  3.11>く1〔}3. Ba/F. P.. (wt 96).  3.98     . 4.21      5517      7.63     . 酸塩系,珪酸塩系,リン酸塩系,チタン酸塩系,ジル コン酸塩系が検討されている。本研究では,これらの. 7.97      7.97      7,99      8.豆7      8,81      8.90      8・90. 2. 実験方法. 添加剤のうちチタン酸塩系を取り上げて,核分裂生成.  2.1.試   料. 物としてはアルカリ土金属のストロンチウムを中心に.  バリウムの硝酸塩,炭酸塩,水酸化物,シュウ酸塩. 繊発物質の化学反応性を調べてきた15)1蝋)。本報告で. は関東化学(株)の特級試薬を用いた。. はバリウム塩の反応性について述べる。.  アナタ∼ゼ型とルチル型の二酸化チタンは関東化学.  バリウムの場合には,核分裂とその後の壊変によっ. (株)の特級試薬を空気中100℃にて乾燥して使用し. て生成する核種はBa−134,135,136, B7 M,137,138,. た。二酸化チタン水和物は硫酸チタン30%水溶液(関. 140であって,軽水炉PWRにて燃焼率33,000 MWD. 東化学・特級試薬)にアンモニア水を加えて水酸化チ. /tU,燃焼密度30MW/tU,‘・1=!性子束2.92×1013 n/. タンの沈澱を製し,これを80。C,24時間乾燥して調製. cm2sの条件下での各核種の割合はTable 1のように. した18)。アナターゼ,ルチルの粒子径は走査電子顕微. なる。この表でみると,バリウムの核分裂生成物に占. 鏡SEMで調べたところ,いずれも0.2μmであった。. める割合はかなり.きく,再処理から10年後には5.2. 水和物は0.1μln以下であるが,凝集して二次粒子を. %(ウラン!t≧琉り1.8kg),103{嘗後に々ま8.0%(i司. 作る。その大きさは10∼50μmの範闘にあった。. 2.8kg)になる。バリウムにストロンチウムを加えて.  熱重量測定用試料はバリウムとチタンの金属比が1. アルカリ土金属として整理すると,再処理から10年後. になるように混合し,3tcm圃2の圧力で直径7mm,. には7.4%(ウラン1t当り2.6 kg),!03勾託麦セこ,は9.0. 高さ約5mmの円筒形に成型した。1個の試料の重書:. %G司3.!kg)になる。. は200∼300mgであ一,た。なお乳鉢で混合したもの.  チタン酸塩系を用いてバリウムを静定化する結晶相. をSEMで調べたところ二次粒子をf乍る水和物でも,. としては,ペロブスカイト(Perovskite)が主であるが,. 二次粒子にバリウム塩が埋没して,均一に混合してい. 他の元素が混在するとホランダイト(Hollandite)も. ることがわかった。. 生成の可能性がある。本報告ではベロブスカイト結晶.  2,2.装置と方法. 相を作ることを第一の目標に罎き,バリウム塩と二酸.  実験の多くは熱重量測定法’rGによった。装澱は自. 化チタンとの反応によるチタン酸バリウム生成の化. 動電気微量天秤(米州,Cahn社二四,塑式1000)を熱. 学反応性を調べた。反応挙動は熱重量測定法(以下. κ秒として使い,これに流山:計,ガスの乾燥系,真空. Thermogravimetryの略語としてTGを用いる)に. ボンブを付属した。装置の詳細については第2報コ{;)に. よって調べ,生成物はX線獺析を用いて同定した。出. 述べた。. 発物質はバリウム塩として硝酸塩,炭酸塩,水酸化物,.  円筒形に成形した試料は白金ルツボに入れたのち,. シュウ酸塩を,::二酸化チタンには水和物Tio2・H20,. 熱天秒の樟の一端か射昌下げ秤量した。実験は流通系. アナターゼ型,ルチル型の3種を用いて反応性の比較. で行い,空気気流中での反応には,まず空気をシリカ. を行った。. ゲルとソーダ響灰塔を通して水蒸気と二酸化炭素を除.

(3) 69. 了した。二酸化炭素または窒素気流を用いるときに 獄,系内を真空にしたのち.ヒ記ガスを導入し,再度真. o. 空にしてから川内にガスを流した。流速はいずれの場. \      、. 合も100cm3 min鴨王とした。この流速でのルツボ付近. 一20. の線速は,室温にて約40cm mindである。昇温速度. ではわからないので示差熱分析を併用した。装置とし て示差熱天秤(真空理:K(株)製,島式TGD−5000)を. 、B。(NC,)、./、. 。一 冷 、. S0. く一60.   馳             t. 一80. 約!00mgを用いた。. を使い,ニッケル・フィルターを通したCuK:αを用 いた。. 3,実験結果  3.1.硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応.   l    l   職             1.   、       t. 速度5。C min憎1,空気気流中にて行い,試料圭li:として. ィフラクトメーター(理学電機(株)製,型式RAI>1A). !Ti…H・・ 1   、       l. 用いた。走査条件は熱重}義測定の場台と同じく,出戸.  生成物のi司定にはX蟹田析を行った。装澱としてデ. \、  \聖・・・….  聖             1. は特に断わらない限り5。C min−1を用いた。.  バリウムの硝酸塩と水酸化物の分解挙動はTGのみ.          \ へ                .    、Tio、・擁,0 、.    Y   、     \     1. 一100.    0    200   400   600   800  . 1000.          Tgmpノ。C Fig.1  TG curves of decompos三tions of   barium n隻trate and titanlum dioxide hy.   drate, an(i of reaction of barium nitrate.   with titanium dioxlde hydrate in a How   of air. Heating rate:5。Cmin一隻..  二酸化チタン水和物は,既に第2報16)において述べ 0. たように,脱水反応がほぼ終了する温度300。C付近 からアナタービへの相転移を起し,600。C付近におい. \\GnGtqse l♪utile. て転移が終了する。Fig.1に,二酸化チタン水和物の. 一20. 示す。.  硝酸バリウムの熱分解は600。C付近から起るが,融.     、        1.      、、    1. 脱水反応と,硝酸バリウムの熱分解のTG曲線,二酸 化チタン水和物と硝酸バリウムとの反応のTG曲線を.         へ \    /、、.    ・,d,。,≧\l.  一40 誤.         /l. 、. ぐ一60.          ∼. 点が595。Cであるから,熱分解は融解状態で起ること がわかる。硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応は硝 酸バリウムの熱分解よりも低い温度(560。C)にて起. 一80.           i. る。反応の進行とともに硝酸塩の分解が始まるが,こ 一100. 1000. れは硝酸塩単独の分解反応よりも分解開始温度が低く.    0    200   400   600   800  . 速度も大きい。特に融点以上において重鐙減少の澱度.          τemρノ。C. に対する割合が大きいことがTG曲線から読取れる。. F養g.2 TG curves of reactions of barlum nit脚. 反応終了温度を比べると,硝酸塩の熱分解は800DCで あるのに対し,二酸化チタンとの反応では680。Cに...卜’.   rate with hydrate, anatase and rutile of   titan1um dbxide in a flo、v of air, }{eating.   rate=5。Crnin}1.. がる。二酸化チタンとの反応によって硝酸根の遊離が 起り分解するものと思われる。. 未反応の酸化バリウム,二酸化チタンは検出されなか.  Fig.2は硝酸バリウムと二酸化チタン水和物,アナ. った。従って,この反応を用いるとチタン酸バリウム. タービ,ルチルとの.反応のTG曲線(昇温速度5。C. の生成は極めて容易なことがわかる。. min一ユ,空気中)を示す,,水和物に比べるとアナター.  3.2. 炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応. ゼの反応開始温度は低くなり,440。Cにまで下がる,、.  Fig.3に空気中における炭酸バリウムの熱分解の. ルチルの場合は水和物の場合とほぼ同じ反応開始温度. TG曲線と,炭酸バリウムと二酸化チタンの水和物,. を示す。重:量変化の終了時にチタン酸バリウムの生成. アナターゼ,ルチルとの.反応のTG曲線を示す。水和. 反応が完了しているかどうかを調べるために,反応終. 物との反応は空気中のほかに二酸化炭索中の反応をも. 了温度に達した試料を急冷してX線回析を行った。そ. 示した。いずれも昇温速度は5。C min畦である。. の結果は生成物はチタン酸バリウムBaT103のみで,.  炭酸バリウムの分解湿度は1490。C(Pco。盤l atm).

(4) 70. Ba2Tio4ではなく,8aTio3になるものと思われる。  3.3.水酸化バリウムと二酸化チタンとの反応. 0.  水酸化バリウム8水塩Ba(0}{)2・8H20の融点は77 一20. 。一40 } 、. ぐ一60. 一80. 。C,無水塩の融点は408。Cであることが知られてい. 、    ヒ   \.  i.。i,  、. る。示差熱分析によって8水塩の加熱挙動を調べる と,守門速度が5。C mln『1の場創こは融点が78。C. hyd,蓋\ 一一.1. であって,水酸化物は一旦結晶水に溶けたのち,水が.        ・・C・・\、. 次第に蒸発して160。C付近にて脱水による吸熱が激し.              \・へ. くなり,400。C付近にて再び融解する現象が見られ.                k. る。なお水酸化バリウムの分解温度 (PH20竺1 atm).                ㌔. は998。Cである。.                 、                 、   0   200  400  600  800  1000          Ternpノ。¢ 一100. Fig.3 TG curves of decomposition of bariu組   carbonate, and of react:ions of barium   carbonate with hydrate, anatase and rutile.  水酸化バリウム8水塩の熱分解のTG曲線と,水酸 化バ夢ウムと二酸化チタン水和物,アナターゼ,ルチ. ルとの反応のTG曲線をFig,4に示す。  水酸化バリウム8水塩は,加熱によって200。C付近 まで結晶水が失われ,400。C以上の漏度にて水酸化物. は徐々に分解する。なお水酸化物には炭酸塩が混在し.   of tiセanium dioxide in a now of air.. ていると思われるが,TGでは明確に区別することは.   Heating rate:5。C min 1.. できなかった。. であるが,空気門中での分解開始混同は915。Cであっ. 。. た。.  炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応では,反応開. 一20. 始湿度は二酸化チタンの結晶形の違いによって僅かに 異なり,水和物の場合には655。C,アナターゼ型では 620。C,ルチル型では650。Cになる。反応終了撮度も アナターゼ,ルチル,水和物の順に高くなる。.  炭酸バリウムは安定な化合物であって,分解開始温. 、. アナターゼでは60。C高くなる),炭酸塩は二酸化チタ.    q轟QtαSe  」/  、  hydrQte  、.  、. ぐ一60.   i   ヒ. 一80. に変り始める。二酸化炭素中でも反応開始温度がそれ ほど高くならないので(二酸化チタン水和物で65。C,.  、.  ㌃.  一40. 度も高いが,二酸化チタンとの反応では300。C近くも 低い温度から二酸化炭素を放出してチタン酸バリウム. 、.   l            Bq(OH)2・8H20.   t 「ut“e/    =∼二.;.一二\_._. 一葉00.   0. 200   400   600   800  蒙000.    Ternp.’・C. ンと直接反応するものと思われる:. Fig.4 TG curves of reactions of barium. BaCO3十TiO2一一→BaTiO3+CO2.   hydroxide octahydrate with titanium dio・   xide hydrate, anatase and rutile in a flow.  炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応はTemple・.   of air. Heating rate:5。Cmin−1.. ton&Pask19),1shiiら2。〉によって調べられいずれも. 8a2Tio遭が主に生成することを報告しているが,本報.  水酸化バリウム8水塩、とアナターゼ,ルチルとの混. 告では主生成物はBaTiq3であることがX線回析の結. 合物を加熱すると,結晶水の放出挙動は水酸化バリウ. 果から確められた。8a/Ti比が1になるように出発物. ム単独の場台と変らないが,300。Cを越えると重量減. 質を混合したが,Ba2TlO{が主として生成するとの報. 少が起り始め,無水塩の融点付近にて重句減少の速度. 告からは,恐らく炭酸バリウムと二酸化チタンの反応. が大きくなる。硝酸塩の場合と同じように,水酸化物. 界面において,チタン原子が炭酸バジウム中に移行し. の融解によって反応が加速されたものと思われる。. てチタン酸塩が生成したのではないかと思われる。も. 400。C付近において水酸化バリウムの約2/3が反応す. しその推論が正しければ,炭酸バリウムの粒子が小さ. るように見られるが,水酸化パジウムの重蚤減少がそ. ければ,チタン原子の拡散が容易になり,密生成物は. のまま二酸化午タンとの反応率を示すとすれば,反応.

(5) 71. 合も200。Cまでに結晶水を失ない,400。C付近から. 生成物のBa/Tl比は凡そ2/3になるので, BaTi205. とBaTio3の混合物が生成すると考えられる。400。C. シュウ酸基の分解・酸化が起り炭酸塩になる。更にア. を越えると反応は徐々に進行し,980。Cにて終了する。. ナターゼ,ルチルでは610。C,水和物では600。Cを. アナター・ビとルチルとの差は認められない。二酸化チ タン水和物との混合物を加熱する場合をこは,両者の脱. 0. 水が重なるので,重盤減少量が大きくなる。180。C付. k 、. 近からの重昂1減少は1000。Cまで徐々に進むことがわ. \、  。。qミqse. 一20. かる。後で述べるように,反応終了温度における生成.  \    /.  \. 物のX線謝析像はBaTlq単一掘でないことを示す。.   、\鴨      \. 遭一40. これはTG曲線からの推定とも矛盾しない。.      ・       ru匙ile. ミ. hyd ♂!.  3.4. シュウ酸バりウムと二酸化チタンの反応 ぐ一6◎.  バリウムの有機塩酸としてシュウ酸塩を選び,二酸. _、囎.        ㌔鴨          、.         \         、           、一、    、. 化チタンとの反応を調べた。第3報17)にて有:機酸スト.              、\ 、. ロンチウム(有機酸としてギ酸,酢酸,シュウ酸を選.                、                、                 、                 、. 一80. んだ)と含水二酸化チタンとの反応を報告したが,そ の結果によれば,いずれの有機i酸塩も一旦炭酸塩に変. 一100.   0    200   400   600   800  1000. ったのちに二酸化チタンと反応することがわかった。.          Ter轟P.10C. そこで,有機酸塩としてカルボキシル基のみを有する シュウ酸塩を選んだ。. Fig.5 TG curves of reactions of barium   oxalate monohydrate with titanium dio・.  F}g.5はシュウ酸バリウムBa(COO)2・H20と各』種.   xide hydrate, anatase and rutile in a且ow. 二酸化チタγとの反応のTG曲線を示す。いずれの場.   of air. Heat呈ng rate;5。Cmin牌1.. (A) 8q(NO3)2■o翻了io2.   to 6600C Gt 50C min−1. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. go. !OO. (B) BαCO300−TiO2.   to900“Cαt5。Cmin−1. lO. 20. 30. 40. 50. 60. フ0. 80. go. 100. (C) Bq(OH》2・8H2Q◆q_Tio2.   to9900Cαt50Crnin一覧.    IO     20     30     40     50     60     70     80     9G     IOO.                    2e’● Fig.6 X.ray diffraction patterns of products prepユred by reactions of barium   salts with anatase in a flow of air=(A)Reac仁ion of barium nitrate w三th   anatase was carried◎ut by heating to 660℃at a heating rate of 5。C恥in,1;   (B)Reaction of barium carbonate with anatase by heating to 980。C at 5。C.   min『ユ;and(C)iでeaction of bar{um hydroxide actahydrate噺th anatase by   heating to 990。C at 5。Cmin一艮..

(6) 72. 越えると炭酸バリウムと二酸化チタンとの反応が始ま る。従って有機酸塩の化学反応性については炭酸塩に. 0. ついて反応性を調べれば,特に考慮する必要のないこ 一20.  3,5. X線回折による同定. S0. は反応終了温度は化学反応悟三の比較には打力な尺度に. ≧. なるが,1司相間の反庵1の場合には反応物質が自ら分解. 、. あるいは変化して反応に関与しない場合もあり得る。. ぐ一60. 。一. そこで,TG曲線に承される反応率が;司相酌己;の反応. 1    \.  、       、   {hyd・。・id・   1. 一80. に報告したチタン酸ストロンチウムの生成反応の場台. く,1000。Cに達した時点では反応率は100%にはな. !   / \で  、   nitrGtさ    \.  重量変化の曲線から得られる反応開始温度,あるい. には,生成速度よりも5。C min−1の昇温速度が大き.             ちノ. \   \、G,b。。。,e. とがわかる。. 率と一致するかどうかを調べる必要がある。第3報韮7).         _一_r♂.,... inCO2. 一100. (一\  叉      \一____.   lk.   0    200   400   600   800  IOOO.          Temp.1。C. らなかった。.  そこでバリウムの硝酸塩,炭酸塩,水酸化物とアナ. Fig.7 TG curves of reactiQns of barium. タービの反応を5。C minP…の昇温速度にて熱重損:測.   salts (nitrate, carbonate and hydroxide). 定法によって行い,反応終了猷度にて試料を急冷して,.   with tltanium dioxide(anatase)in a How   of a1r. 戸rhe reaction of barまum carbonate. 生成物のx線回極を行った。結果をFig.6に示す。.   with anatase in COり1s also shown. Heat−. Fig.6ではバリウム塩の種類によって反応終了温度が.   lng rate:5。C mln皿1.. 異なるので,到達温度も異なり,硝酸塩は660。C,炭. 酸塩は980。C,水酸化物は990。Cになる。最高温度. いて検討を行うと,Fig。7に要約するように,反応の. に到達するまでの時間は,それぞれ,130,190,190. し易さ(すなわち,反応開始温度)の点からは 水酸. m1nになり,反応時悶も異なることになる。生成する. 化物〉硝酸塩〉炭酸塩 の順に..ドがるが,そしてこの. チタン酸バリウムは硝酸バリウムの場合には1チタン. 点から水酸化バリウムの化学形は好ましいのである. 酸塩BaTio3のみであるが,催のバリウム塩ではBa. が,反応の完結性,反応終了観度,BaTiO3単一租を. Tio:玉以外のチタン酸塩も見られる。チタン酸バリウ. 得るという点からは,反応β目始温度昏オ:僅か}こ高くなる. ムの生成率は定性的であるが次の塩の噸昏ごiぐつた:硝. が,硝酸塩の方が優れているように思われる。これは. 酸塩〉炭酸塩÷水酸化物。. 水酸化物と硝酸塩の反応機構の違いに基づくためであ. 4.考. 察. ろう。.  水酸化バリウムと二酸化チタンの反応は,水酸化バ.  本報告ではバリウムのチタン酸塩生成による固定化. リウムが融解すると促進されるように見えるので,颪. について,反応のしゃすさの立場から調べた。緒論に. 相問反応というよりは液枳一固相1=}圭1反応になると思わ. 述べたように,高レベル放射哲三廃棄物中にはバリウム. れるが,反応の進行はTG曲線から検討すると次のよ. がかなり含まれ,再処理当初において約4%,!03年後. うに進むのではないかと思われる1. には8%にも達する。ストロンチウムとは化学的性質 が蓋モ異なるが,アルカリ土金属として両者を合せる. Ba(OH)2十2TiO2一一一→BaT1205十H20. と,再処理当初に約7%,103年後には9%に増力liす. Ba(OH)2十BaTi205一車2BaT}03+H20. る。従ってアルカリ土金属の存在を無視することは. 第1の反応は400。C付近の反応初期に起り,ここで生. できない。核燃料中に分裂生成物問の反応によって. 成したBaTi205が加熱とともに,すなわち時間の経. BaZrO,1*の生成が見られるように,積極的に結贔相中. 過とともに次第にBaTio:}に変るのであろう。これに. に取り込む基材(添加剤)としても考えられる。. 鰐して硝酸バリウムと二酸化チタンとの反応では.  本研究の目的は第1報において述べたが,その一つ は高レベル放射性廃棄物を比較的低温においてセラミ ック化することにある。この立場からバリウム塩につ. Ba(RO・)・+TlOr・一・Ba’riO・+2NO,+1/202. の反応のようにBaTio3が1農接生成するよう}こ思われ る。水酸化物と硝酸塩との問に,侮故生成物が違うの.              さ *へμブスカイト型‘1ツ昂ll,偽款茎.192 A. かの疑鵜が生じるが,これは恐らく後者の反癒湯度が.

(7) 73. 高いために,結晶格fの組変えが起りやすくなったこ.   (1977).. とに起因するのではないかと思われる。.  7) A.£.Rlngwood; “Sα∫召1)’sヵosα♂o∫H∫9ん.  二酸化チタンの結品形の違いによる反応性の大きさ.   ム2麗’IV㍑cJgαr Rθα6‘01’再!αs’召,〆1 N2昭S’γα彪.. の順は アナターゼ〉ルチル÷水和物 であった。こ.   9♪,”,Australian National Univ. Press, Cambera. の順序はストロンチウムの場合とも同じであるが17),.   (1979)、. アナターゼとルチルの反.応性の違いについては既に報.  8)A.E. Ringwood, S.£. Kesson, H.G. Ware,. 告もある20)29。アナターゼのルチルへの相転移熱は大.   W.0.Hibberson and A. Malor:“lmmob11iza・. きくはないが22),及:応時に相転移の駆動力が働いてい.   tion of high level nuclear reactor waste in. るものと思われる。水和物は脱水によって結晶構造も.   SYNRCC”,1Vα砲72,278,219 (1979).. 変りアナターゼに転移するので,化学反応性は最も高. 9)A,E. Ringwood, S, E. Kesson, R.G. Ware,. いように思われるが,TG曲線から見る限り反応性は.   W.O.}{ibberson and A. Major:“The SYNROC. ルチル並みである。恐らく脱水によって成型体に空孔.   Process:Ageochemical approach to nuclear. ができて,接触面積が減少したためではないかと思わ.   waste immobilization”,0θoc/z27η.ノ.,13,141. れる。以.」.二の二二果から二酸化チタンとしてはアナター.   (1979).. ゼが優れていることがわかったが,二.酸化チタン水神. 10)G.W. Bea11, L. A. Boatner, D. F. Mullica and. 物も300∼400。C付近で脱水して,アナターゼへの転.   W。0.MHIIgan l“The structure of cerium. 移が始まりかかったものを粥いれば,或いは高い反応.   orthophosphate, a synthetic anaiogue of mona・. 性が期待できるかもしれない。.   zite”,ノ. ∫ηoγ9. ノ〉㍑c’. Cん2ητ.,43, 101 (1981)..  アルカリ土金属と二酸化チタンとの反応を取り上げ. 11) J.R. Van Hise and D. C. Camp= ‘‘Search for. て化学反応{生の検討をしたが,これらの結果は高レベ.   high energy aipha emltters m monazlte mln.. ル放射性廃棄物の他の成分についても適用できると思.   erals”, Pん二ys, Cんθητ. ル1脅zθアα’5, 7, !30 (!981).. われる。なお反応性のほかに焼結性の検討も必要であ. 12) J.G. Pepln,£.R. Vance and G.」. MaCarthy:.   “The crystal chemistry of cerium in the mona・. ろう。.   z童te structure−type phase of ta量10red・ceramic. 文. 献. b IABA,“Tρcノη吻麗s∫or〃12 So〃4哲。α々。ηo∫.   nuclear waste forms”,ノレ酒αご2r. Rρs.β副り16,   627 (1981)..  H’9ん一ゐ⑳2♂レFα∫館s”, Tech. Reports Ser. No.. !3) 萱野卓治,三村 均,北村 強:“ゼオライトに.  176(STI/亙)OC/10/176),正AEA, Vienna(1977)..   よる放射性廃液の処理,(1)Na型, Cs型およ. 2) IAEA,“S意θSθ∼θc薩。ηFαc彦oγ5∫oγR砂osπo・.   びSr型ゼオライトの加熱変化”,原子力誌,18,518.  r∫2∫ So〃4 βノ8ノレゐωρ1 αη4 ・4ゆ加一β9αγ加8.   (ユ976)、.  i導/α∫雄s ∫η Gω’09ゴ。α’ Foηπ梛’oηs”Tech. Re・. 14) 菅野卓治,三村 均:‘‘ゼオライトによる放身H生.  ports Ser. No.177(ST玉/DOC/10/177), IAEA,.  廃液の処理,C猛)ゼオライト焼成固化体からの.  Vienna (1977),.  CsおよびSrの浸出性”,原子力誌,19,113(1977),. 3) 玉A£A,“C11αノ’α6飽γ’5‘’cεo∫So々4哲魔Hゴg1レ. 15) 田川博章:“高レベル放射性廃棄物の固定化に関.  ム(∼2ひθ♂ 擁/αs‘(∼ Pブod祝。護s”, Tech. Rleports Ser..  する研究:1一研究の目的とその背景”,横浜国大.  No.187 (STI/1)OC/!0/187), IA£A, Vienna.  環境研紀要,8,89(1982),.  (1979),. 16) 【1二i川,木村,小林,藤野,大内,室村:‘‘1司上:. 4) G.」.McCarthy and M. T. Davldson:‘‘Ceramic.   翌アルカリ土金属塩と含水二酸化チタンとの反.  nuclear waste forms l I, Crystai chemistry and.  応”,横浜国大環境研紀要,8,99(!982)..  phase forrnation , !1ηz召γ, C2rα7π. Soc. βπ〃.,. !7) 田川,木村,五十嵐,藤野,大内:“1司上二皿チ.  54,782 (1975)..   タン酸ストロンチウムの生成反応”,横浜国大環境. 5) G.」.McCarthy: “Ceramics as 1}igh level.  石下糸己要, 9,55 (1983)..  waste forms”, in“Ceプα那’cs oη4αα∬1∼α伽・. !8) 日本化学会編1実験化学講座9,“無機化合物の.  αc翻ひ。 耳yαsごρ Foγητ5’, (ed, D.、へ「, Ready and.  合∫父と特等製,’,p.248,プし善(1958)..  C.R. Cooley),£RDA.CONF 770102, p.83(1977).. 19) L.K. Temp}e£on and J.A. Pask:“Formation. 6) G.」.McCarthy:“}{igh level waste ceram1cs:.  of BaTiα and TiO2 in air and ln CO∼,,ノ..  Product characterisation,’, ノ〉μc∼,7「θcん.,32,92.  遵アπθγ. Cん召ηz. Soc., 42, 212 (1950)..

(8) 74・. 20) T. Ishii, R. Furuichi, T. Nagasawa and K.. reactivity of Ti02 with different preparation. Yokoyama: "The reactivities of TiO." (rutile. histories in solid-state reactions in CaSQi-Ti02. and anatase) for the soiid-state reactions with. systems", 1. Therm. Anal., 18, 527 (1980).. BaSQi and BaCO;s", J. Therm. Anal., l9, 467. 22) T. Mitsuhashi and O.J. Kleppa: "Trans-. (l980).. 21) T.Ishii, R.Furuichi and Y.Ohshima: "The. formation enthalpies ofthe TiOL, polymerphs".. f. Amer. Ceram. Soc., 62, 356 (1979)..

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