27 - 1 1. はじめに 1. 1. 研究の背景 平成 28 年に起きた熊本地震は、初期の想定を大幅 に上回る 110 団地、4,303 戸の応急仮設住宅が建設さ れた注 1)。仮設住宅は、突如住まいを失うという危機 的環境移行に直面した被災者が生活を回復していく拠 点であり1)、限定的な住まいとはいえ居住環境を軽視 できない。しかし仮設住宅には速やかな供給が最優先 される故、住環境の質の悪さや住民間のコミュニティ 形成に関して、兼ねてから課題が指摘されている。 一方、仮設住宅団地での生活は変化が著しいと共に、 時期や団地ごとによって異なる課題が生じる為、支援 組織は柔軟かつ迅速な対応が求められる。それらを欠 くと居住者のニーズにそぐわない支援や、支援の重複 といった表層的な支援が発生し、住民自体に過度な負 担を強いることも多い2)。このような事態を防ぐため には、事前に組織内で情報を共有して不必要な支援活 動をなくすことや、活動で得た知見を共有し合い支援 活動の質を向上していくことが重要である。 1. 2. 研究の目的 本研究は仮設住宅団地の居住環境の支援を行うと共 に、被災地における支援組織の構築と、その中での情 報共有注2)と情報ネットワークの活用についての実態 を明らかにする実践的研究である。更に実態の分析を 通して、情報共有が組織にどのような利点と課題をも たらしたのか明らかにし、今後の情報共有を軸にした 支援組織のあり方を提案する。
情報共有から見た応急仮設住宅団地支援組織に関するアクションリサーチ
熊本地震における「K A S E I プロジェクト」を事例として
-林 孝之 1. 3. 研究の方法 2章で筆者らが発足させた実証プロジェクトの概要 を述べた後、プロジェクトの特性である「情報共有」 について説明する。3章と4章では、蓄積された記録 と参画主体へのヒアリングを通して、情報共有の実態 を分析する。最後に分析で得られたことを考察し支援 組織のあり方についてまとめる。 2. KASEIプロジェクトについて 2. 1. プロジェクトの経緯 前述した仮設住宅団地の住環境の質の悪さやコミュ ニティの希薄化、表層的な支援といった課題に対して、 筆者らは平成 28 年7月に熊本県の応急仮設住宅団地 への居住環境改善の支援を行う「KASEI プロジェクト 注3)(以下、KASEI)」の実施を行った。 2. 2. プロジェクトの概要 KASEI は主に九州・山口から 20 校の建築系大学・ 高専が参画し、教員61名と学生80名によって構成さ れる(表2-1)。各大学の研究室が担当の仮設団地を持 つ「担当制」を採用し、研究室が連携を取りながらそ れぞれの団地の要望に即した活動を行う(図2-1)。 KASEI は仮設住宅居住者に安らぎある住環境と豊か なコミュニティを築くことに支援することを目的とし ている。建築系学生のものづくりの専門性を生かし、 ソフト面であるコミュニティ支援(以下:ことづくり) と共にハード面である住環境改善の支援(以下:もの づくり)を行う(図 2-2)。熊本県は「熊本型 D3)」に記 されている通り、熊本地震における仮設住宅団地には 表 2-1. KASEI 参加校と参加人数 図 2-2. KASEI 活動概要 図 2-1. 団地場所・担当研究室 地域 山口 北九州 北九州 北九州 福岡 福岡 福岡 学校 A B C1,C2 D E F1,F2,F3 G 学校 H I J K L M N 学校 O P Q R S T その他 20 3 2 10 1 4 17 4 2 2 2 2 2 12 2 0 5 5 2 0 7 3 1 3 4 2 1 4 3 7 4 3 3 0 0 0 80 3 1 4 1 1 2 7 61 地域 福岡 福岡 佐賀 長崎 大分 熊本 熊本 地域 熊本 熊本 鹿児島 鹿児島 横浜 大阪 その他 合計 参加 学生 参加教員 参加学生 参加教員 参加学生 参加教員 住民と共同で家具制作 住民と共同で餅つき ものづくり ことづくり [16] [14] [14] [12] [8] [6] [11] [10] [1] [7] [9] [5] 熊本市 宮崎県 大分県 No. 市町村_団地名 担当 No. 市町村_団地名 担当 [14] 宇土市_境目団地 [15] 宇土市_高柳団地 [16] 宇城市_当尾団地 [13] 御船町_東小坂団地 [11] 大津町_室南出口団地 [12] 南阿蘇村_陽ノ丘団地 N [1] 甲佐町_白旗団地 F1 [2] 西原村_小森第2団地 [3] 西原村_小森第3団地 [4] 西原村_小森第4団地 F2 B J [5] 益城町_テクノ団地 I,N [6] 益城町_木山団地 A,E [7] 益城町_小池島田団地 O [8] 益城町_安永団地 C1 C1 [9] 益城町_飯野小団地 [10] 大津町_室団地 C2,F3,G C2,F3,G C2,F3,G M Q,R Q,R Q,R [13] [2][3][4]27 - 2 集会所・談話室として「みんなの家注4)」の建設が施さ れている。KASEI はみんなの家の周辺部など団地の共 用部の家具製作や、共用部で作業を主に行う。 2. 3. 情報共有について KASEI は、「予告」/「活動」/「記録」/「報告」といっ た一連の流れで活動が行われる(図 2-3)。「予告」で は、SNS注5)の一つである Facebook注6)を利用する。 KASEIの実行委員(以下:実行委員)は活動を行う前に Facebook 上に活動の告知を行う。これにより実行委 員同士の現況や予定が把握できる。「記録」は、「活動」 終了後に報告書を記入する。KASEIが発足した平成28 年7月から12月までに73の報告書が記録されている (図2-4)。「報告」は、報告書をFacebookに投稿し、他 の実行委員に対して情報の提供を行うことや、定期的 に開催される全体会議にて各活動報告を行う。このよ うに KASEI の活動では Facebook などの手段を活用し 情報共有を多岐に渡って行っている。 3. 担当団地を単位とした分析 3. 1. 情報共有図の概要 情報共有の実態を明らかにするため、参画主体のヒ アリングとSNSの一つであるLINEのトーク履歴注7)を 参考にする(図 3-1)。それらから導いた「つながり」 を図 2-4 に上書きする形で学生実行委員間における情 報共有を示した図を作成した(図3-2)。 3. 2. Facebookの役割 図によると情報共有の手段としてはほとんどが LINE 上で行われている一方、Facebook 上でのやり取 りは少なかった。加えて実行委員が、Facebook に投 稿された報告書の詳細な内容(餅つきの際必要な米の 量やテーブル作成の所要時間など)を閲覧し、直接自 図 3-2. 情報共有図 ● ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◆ j j h g i i i f c i a a a a a e f b b b a a b a b a a a e e e e e b b b d j i i i h i 2016/6 7 8 9 10 年月(月) 11 12 [1] 団地 No. [2] [3] [4] [5] [6] [11] [12] [13] [14] [15] [16] 運営 a:イベント関連 b:餅つき・餅まき関連 c:家具制作関連 d:組手什関連 e:雰囲気 f:活動紹介・助言 g:図面提供 h:連絡先提供 i:運営関係 j:全体会議関連 同伴・見学 情報提供(口頭) LINE 図面 Facebook 行事 手段 内容 [10] [7] [8] [9] 上棟式・餅つき([1]-4) 完成式([1]-8) そうめん流し([1]-3) 上棟式・餅まき([2,4]-4) 上棟式・WS ([5]-2) 住民意見交換会([10,11]-3) 組手什WS([11]-4) 完成式・WS ([2-3]-6,[5]-4-9) 完成式・餅つき([6]-4) 完成式・餅つき([12]-6) 餅つき ([11]-6) 全体会議 ◆ 入居開始 ◇ ことづくり:意見交換会、WS、イベント準備、イベント設営、ヒアリング ものづくり:家具・花壇制作(KASEI単体での作業)■ことものづくり:家具制作WS、植樹WS、模型WSなど 図 2-3. 情報共有が行われるプロセス 図 3-1. LINE トーク履歴例 図 2-4. KASEI の活動記 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 全体会議 ◆ 入居開始 ◇ ◆ ◆ ◆ ことづくり:意見交換会、ワークショップ(以下:WS)、イベント準備、イベント設営、ヒアリング ものづくり:家具・花壇制作(KASEI単体での作業) ことものづくり:家具制作WS、植樹WS、模型WSなど ■ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ [1] 団地 No. [2] [3] [4] [5] [6] [11] [12] [13] [15] [16] [14] 運営 計 凡例 [10] [7] [8] [9] 6 9 6 6 9 6 6 4 4 4 4 2 2 2 2 73 -1 2016/6 7 8 9年月(月) 10 11 12 活動 日誌 ①情報共有時期:12 月 9 日 ③情報共有手段:Facebook ②繋がる団地:[6]と[3] 2016/12/09( 金 ) 18:06 A([6]担当) " お疲れ様です。突然連絡すいません。明日の小森団地のみんなの家、完成式に行き たいと思ってます。フェイスブックのチラシは見たのですが、式典の様なものはな しですか? 18:36 B([3]担当) " 第 3 団地で合同セレモニーをしますよ。10 時過ぎからです。 ▶ ▶ ▶ 全体会議の様子 ④ 報 告 ② 活 動 活動の様子 ① 予 告 事前告知資料例 Facebook 投稿例 ③ 記 録 ・成果物は必ず添付してください。 ・基本は活動写真4枚、成果物2枚程度ですが変更しても構いません。 ・合計写真が6枚以上ある場合は2枚目を使用してください。 ・写真は後ほどデータを送付して頂く場合があるので保管をお願いします。 写真5:集合写真 写真6:その後 写真3:花植えの光景2 写真4:花植えの光景3(記念撮影まで世間話で待機) K A S E I 活動日誌(写真) 写真1:開会に際しての挨拶と説明 写真2:花植えの光景1 報告書フォーマット 全体会議にて活動報告、講演 担当団地での活動 専用ビブスの着用を義務化 Facebook上に活動の告知 活動状況の認知 Facebook上で情報のやりとり可報告書をFacebook上に投稿 活動名・活動日・時間帯・団地名・活動場 所・参加者(住民、KASEI、他)・タイムス ケジュール・メモ・感想・今後の検討事項
27 - 3 らの活動の参考にしていることも少なかった。KASEI 発足当初は Facebook は情報共有の直接的な手段にな ることを見込んでいたが、実際はあまり機能してい ないことがわかった。しかし参画主体へのヒアリン グ調査から、実行委員は Facebook の投稿を閲覧した 後 LINE などの手段を用いて、Facebook に投稿した実 行委員に対して各自で連絡を取り合い情報共有を行っ ていることがわかった。これは、Facebook が情報共 有の直接的なツールではなく、情報の共有を LINE な どの他のツールで行うことを促進させる「間接的な情 報共有ツール」となっていることがわかる。その理由 としては、Facebookは「皆が閲覧するパブリックなも の」、LINE は「個人間同士でやりとりができるプライ ベートなもの」として扱われていることが考えられる。 3. 3. 情報共有と「ものづくり」 3. 3. 1. 活動内容との相関性 「ことづくり」と「ものづくり」の代表的な情報共 有の変遷と共有手段を示す(図 3-3)。ことづくりは 「LINE」を用いて数段階の変遷を経て波及し、ものづ くりは「図面(図 3-4)」を用いて波及している。つま り情報共有手段と活動内容は相関性があると言える。 3. 3. 2. 「ものづくり」の利点 各団地における活動回数と内訳をまとめる(表3-1)。 初期の段階では「ことづくり」が先行するが、活動を 経るごとにソフトとハード両面の支援(以下:ことも のづくり)に移行していくことが読み取れる。また、「も のづくり」関連の活動を行う前に意見交換会等を行う 傾向がある。これは活動が単発で終わるのではなく、 前後の活動と関連し合い、活動回数を促進させる役割 を果たしている。また、団地[1]の「ものづくり」単 体の支援においても、活動前後や活動中に住民の交流 が見受けられ、コミュニティの形成を助長させる役割 も果たしていることが認識できる(図3-5)。 3. 3. 3. 「ものづくり」の課題 担当団地単位での情報共有の課題点として、ものづ くり関連の情報共有の数はことづくりより少ないこと が挙げられる。ものづくり関連の活動の内訳をまと めると、1回のみで終始する活動が多く見られた(表 3-2)。これらは「図面」の共有システムが上手く構築 されていないことが理由だと考えられる。加えて、「も のづくり」又は「ことものづくり」に移行できていない 団地[7][8][15][16]は活動回数が少なく、うま く活動できていない傾向が伺えた(表3-1)。参画主体 からは「活動にどうやって参入して良いのかわからな い。」との意見もあり、ものづくり関連の情報の共有方 法が上手く構築されていない理由により活動自体にも 影響が出ていると言える。 3. 4. 情報共有と「担当制」 その他の情報共有手段の「現場見学・同伴」は図3-2 上の随所で確認できる。理由としては「自らの担当団 地の活動の参考にするため」という意見が多く伺えた。 つまりこれは「担当制」によって引き起こされる作用 だと言える。現場に直接出向き、身を持って体験する ことは他のツールより多くの情報を得ることができる。 しかし移動等によって、情報を得るまでに時間要し現 場に伺う機会が限定的となるので共有回数は多くない。 図 3-3. 情報共有の流れ 図 3-5. ものづくりを介して「コミュニティ形成」と「活動回数」の促進 図 3-4. 屋内テーブル図面(例) 表 3-2. ものづくり関連活動の内訳 表 3-1. 各団地における活動の内訳 餅つき・ 餅まき関連 LINE 図面 テーブル・ 花壇作成
活動名 伝達手段共有・ phase1 phase2情報共有の流れphase3 phase4
[1]- 4 [1]- 7 [2]- 5 [3]- 5 [6]- 3 [5]- 2 [2]- 4 [6]- 4 [11]- 4[12]- 4 [4]- 4 [団地 No.]- 活動回数で示す 例 )[2]-3 =団地[2]の3番目の活動 花壇作成前([1]- 5) 花壇を作るための住民と意見交換会 ▶ ▶ 花壇作成後([1]- 8) 作成した花壇を介して住民との交流 花壇作成中([1]- 6,7) 作成中に住民の方が急遽加勢 活動回数 団地 ことづくり:意見交換会、WS、イベント関連準備・設営・運営、ヒアリング ことものづくり:家具制作 WS、植樹 WS、模型 WS、餅つき等 関連ある活動 1 2 3 4 5 6 7 8 9 [1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16] ものづくり:家具制作(KASEI 単体) 家具制作 WS 植樹 WS [1][2][5][6] [5] [5][7] [5] [5] [3][5] ウォークラリー ロゴマーク作成コンペ 座布団 WS 芝張り WS 花壇制作 [1][5][6][1][5][6] 家具制作 [10][11][12] [13] [14] 組手什 WS ワックス塗り 表札作り ことものづくり 団地 No. ことものづくり 団地 No. ものづくり 団地 No.
27 - 4 4. 実行委員を単位とした分析 4. 1. 情報ネットワーク図の概要 次にKASEI学生実行委員同士のつながりを表す情報 ネットワーク図を示す(図5-1)。調査方法としては3 章と同様の参画主体へのヒアリングと LINE のトーク 履歴の記録調査とする。時期は発足からの2ヶ月間(平 成 28 年7- 8月)と最近の2ヶ月間(平成 28 年 11-12 月)を対象とする。この図のノードは実行委員や運営 委員会、リンクはつながりを表す。 4. 2. スモールワールド化 【a】の時期は運営委員会からトップダウン式で情報 が届いており、実行委員は自らの研究室以外のつなが りはほとんどなかった。しかし【b】の時期は全体会議 等を通して実行委員同士が徐々に「顔見知り」と化し たことにより、担当団地間を横断して連絡を取り合っ ており、【a】よりリンクが多様化・複雑化しやり取り が活発になっていることが伺える。つまり中心性を持 つハブで構成されたネットワークから、情報がある ノードから別のノードに移るのに数段階しかかからな い「スモールワールド注8)」化したネットワークに変化 している。この現象は情報の伝達する時間が短縮化さ れる為、迅速な対応が求められる被災地支援において 適応するものだと言える。 5. 考察・まとめ 本研究は仮設住宅団地の居住環境の支援を行うと共 に情報共有という視点から支援組織の実態を考察して きた。得られた知見を以下に示す。 KASEI の活動において、活動内容と共有手段には相 関性があることがわかった(図 5-1)。特に Facebook は情報共有の「直接的なツール」としてではなく、実 行委員同士をつなげる「間接的なツール」としては重 要な役割を果たしていることがわかった。 「ものづくり」関連の活動は、住民のコミュニティ形 成と活動回数を促進させ、双方に良い影響を与えるこ とが立証された。しかし現状では「ものづくり」関連 の活動は他団地に波及出来ていない。今後は団地[11] - 4より派生している「組手什(図4-7)」のように、様々 な団地で生じる活動を蓄積・展開させていく情報共有 のシステムを確立することが望まれる。 実行委員間の情報ネットワークは「スモールワール ド」化し、情報伝達の時間が短縮化されている。これ は迅速な対応が求められる被災地支援において有用と 考えられる。よって今後は全体会議など参画主体(実 行委員)同士の交流の機会を増やし他研究室と情報共 有しやすい環境にすることが望まれる。 本稿はプロジェクトが発足して半年という早い段階 で、支援を提供する側の視点から分析を行ってきた。 次の段階としては「活動がどのくらい住民に効果を与 えているか」や、「他支援団体との情報共有の仕方につ いて」等 KASEI の界隈との関係性について研究するこ とが望まれる。今後更に蓄積される情報を元に明らか にしていきたい。 【注釈】 注1)熊本県HP「応急仮設住宅の進捗状況について」に詳しい。 注2)本研究では「情報共有」とは「情報を仕入れた実行委員・研究室がその情報を活用して支援活動や行 動を行うこと」と定義する。
注 3)「九州建築学生仮設住宅環境改善プロジェクト(Kyushu Architecture Student Supporters for Environmental Improvement project)」の略称。筆者は学生代表として当プロジェクトの活動を行った。 注4)仮設団地20戸以上に談話室1棟、50戸以上に集会所1棟、80戸以上に談話室と集会所各1棟ずつ
が設置される。「熊本型D」では、まず規格型と呼ぶ木造の談話室と集会所を仮設住戸建設と並行して整
備し、80戸以上の団地おいて談話室を整備した後に入居住民との意見交換ワークショップを経て設計 される本格型「みんなの家」集会所をつくるパターンも組込んでいる。
注5)「Social Networking Service」の略称。個人による情報発信や人と人との結びつきを利用した情報流
通など社会的な要素を含んだソーシャル・メディアの中でも代表的なもののひとつ。 注 6)2016 年9月現在、世界で 17 億人以上のアクティブユーザーを持つ現在世界最大の SNS(米 Bloomberg調べ)。なお、本稿で取り上げているKASEI用のFacebookは実行委員しか閲覧できない非公 開のものである。 注7)SNSの一つである「LINE」のメッセージ上でのやり取りがテキストデータとして残っているため、 それらを元に記録調査を行った。 注8)マーク・ブキャナンはスモールワールドネットワークを「情報がどんな二つの地点(ノード)の間も わずか数段階で移動できるように組織化を成し遂げている」と述べている。参考文献4)より 【参考文献】 1) 牧紀男、三浦研、小林正美:応急仮設住宅の物理的実態と問題点に関する研究 , 日本建築学会計画 系論文集 , 第476号 , pp.125-133 , 1995. 2) 前田昌弘、石川直人、伊藤俊介、阪田弘一、高田光雄:仮設住宅居住者への”間接的支援”の成立要 因と課題 , 日本建築学会計画系論文集 , 第715号 , pp.1991-1999 , 2015. 3)桂英昭:建築時評「熊本型デフォルト-応急仮設住宅計画」 , WEB版『建築討論』 , 009号:2016年秋 4)マーク・ブキャナン著、阪本芳久訳:複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線 , 草思社 , 2005 図 5-1. 情報共有手段と特徴・活用方法 図 5-2. 組手什 図 4-1. 学生実行委員間の情報ネットワーク図 断面 39x15mm の細い平板に 加工した棒状の組立部材 「ことものづくり」に該当し、気軽に住民も参加できる ・団地[1]-[4]の活動開始 ・第1回全体会議 平成 28 年7-8月 時期 状況 凡例 平成 28 年 11-12 月 ・団地[5]-[16]の活動開始 ・第2、3回全体会議 ・[1]、[2]に他研究室追加 【a】 :研究室代表(学生実行委員含む) 【b】 [1]F1 [2]F2 [3]B [4]J [5]N [5]I [6]A [6]E [7]O [7]O [8,9]C1 [10-12]C2 [10-12]F3 [10-12]G [13]M [14-16]Q[14-16]R [1]F1 [2]F2 [3]B [4]J [5]N [5]I [6]A [6]E [7]O [7]O [8,9]C1 [10-12]C2 [10-12]F3 [10-12]G [13]M [14-16]Q[14-16]R :学生実行委員 *文字は「[団地 No.]研究室番号」を示す :運営委員会 ネットワーク図 同伴・見学 手段 特徴・活用方法 LINE Facebook 図面 共有・伝達できる情報量は最も多いが、限定的で頻繁にはできない。 →短期間や一度に多くの情報共有・伝達を行いたい時に適応 安易かつ迅速に連絡できる。気軽に1対1での情報共有可。 →「ことづくり」関連の情報共有・伝達に適応 他より限定的であるがビジュアル上で具体的に共有・伝達が可。 →「ものづくり」関連の情報共有・伝達に適応 情報の閲覧はできるが、「発信型」なので、発信者は情報共有・伝達 できているのか不明瞭。 →実行委員同士をつながらせる「間接的なツール」として適応