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パーリ学仏教文化学 (26) - 007チャイトンディー プラチャッポン「Lokappadipakasaraのビルマ文字写本およびシンハラ文字写本の問題点」

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(1)

[論 文 ]

 

 

 

Lokappadipakas

δra

の ビ ル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シ ン ハ

問 題 点

Lokappadipakas

」ra

5

お よ

8

源泉 資料

関連

して

Chaitongdi

 

Phrachatpong

The

 

Problem

 

Seen

 

in

 

Burmese

, 

Sinhalese

 

Manuscripts

 of

   

  

  

  

   

  

the

 

LokappadTl

ワakasdira

Chaitongdi

, 

Phrachatpong

  

LokapPa

akas {

7ra (

14th

 century

is

 

the

 

Pali

 text 

describing

 the three 

lokas

three

fbld

 

division

}一一& ihkhdraloka (

the

 world  of 

phenomena

 

Sattaloka

(the sentient  world ), and  

Okjsaloka

(the cosmos ). 

This

 

text

 was  written  

by

Medha

kara

 sahghar

a a 

Bumlese

 monk  who  

lived

 

in

 

fburteenth

 century .

Since

 

then

, 

this

 

text

 was  

transmitted

 widely  on 

the

 

tradition

 of 

Theravada

countries  such  as 

Myanmar

 

Sri

 

Lanka

 and  

Thailand

。 

Many

 

Khmer

 

palm

leaf

 manuscripts  are extant 

in

 

Thailand

. 

However

 there were  

problems

 

in

 the

transmission 

process

 on their tradition. 

A

 number  of missing  or additional

descriptions

 are 

fbund

. 

The

 

purpose

 of this study  

is

 to compare  the contents

of 

Burmese

, 

Sinhalese

, 

Khmer

 

palm

leaf

 manuscripts  with  

the

 

printed

 texts

in

 

Thailand

 and  

Sri

 

lanka

, 

in

 order 

to

 consider  

the

 

pattern

 of 

quotation

 among

them ,

キーワー ド:後代パ ー リ文献,

Lokappadipakasa

’ra, 南方 上座 仏教 写本

1

. は じめ に

 

Lokap

ρad :

rpakasdra

『世 間灯 明精 要』,

14

世 紀に成立)は, 行 世 間

sankha

(2)

 64      パ ーリ学仏 教 文 化 学 問

に つ い て説い た

後代

パ ー リ

文 献

本書

は , ビル マ の

Medha

kara

僧王 によっ て著 さ れ た もの で あ るが , ビル マ ・ス リラ ン カ ・タ イ な どの

方 上

仏教の国々 に

く伝 承 され, 特に タ イで は

くの貝

が現

して い るω 。 ス リラン カ とタイで は, すで に

刊本

が ある。

 

1

シ ンハ ラ文 字 版 (

1928

年 刊 行 , 略 号

Sl

刊本 )

 

2

タ イ文

1986

刊 行, 略 号

T

本)

 い れ も, その 国 に 現 存して い る幾つ か の 写 本 に づい て 編 纂 され ,刊 行 さ れ た もの で あ る が, か な り誤 植 の 問 題 が見 ら れ ,厳

に校 訂 さ れ た もの で ない   その研

本格

的 に取 り

も う と志 し た

筆者

は, こ れ まで

Lokappadipaktxsara

の 写

に力 を注い で きた。

校 訂

して, 用い て い る写 本は, 以下の よ うで ある。

 

1

タ イ国立 図書

所 蔵の 最 古 と見 られ る ク メ ール 文 字 写 本

略 号

K

   

1771 年書

 

2

)イ ギ リス 大 英 図書 館所 蔵の ビル マ 文 字 写本 (略 号

B

写 本

1852

1878

    年の間に書写 )

 

3 )

イ ギ リス 大英 図書 館所 蔵の シ ン ハ ラ文

写 本

略 号

S

写 本 , 書 写年 代      不 明)  三 国に伝 承 したこ れ ら代 表 的三 写本 と二 つ の刊 本の 記述を比較 検 討 した結 果, 異 読は も とよ り,

S

写 本 と

S1

刊 本 とに数 百 偈が見ら れない こ とや, 

B

写 本の み に見られ る数 面に亘る長 文の 記 述が あ る こ とな どの 問題が見 られ た。 こ れ らの 記述に

す る

題 を 明 らか にす るこ と は,

本書

の原 本に最も近 い 厳 密な校 訂テ キス トを作成 するため に重要 な課 題 となる(3)。 また, 拙論 ω に指摘 し た よ うに,本書の 内容の ほ と ん ど は, よ り古い パ ー リ文 献に由来す る。 その た め, 本稿で は, 上 記の 各 国の 写本 と刊 本の 相 違を比較 検 討 した上 で, その引 用形 式な どの

側面

か ら

考察

す る こ とに よっ て, これ らの

問題

を 明 らかに す るもの であ る。

(3)

Lohapρadipakasa ’ra の ビル マ 文 宇 写 本およ びシンハ 文 字 写 本問題 点

65

2

. シン ハ

文字

問 題

  S

Sl

に見 ら れ ない

数百偈

とい う問

は,第

8

章 「雑 論 仕 方 によ る

教説 の

精要 の解 説」 (

Paki

脚 akanayasaraniddesa )に あ る。 い ずれ の

第 8 章

に も, 同 じ く

394

偈 を

め て い る。 し か し,

K

, 

B

写 本 と

T

刊 本を

認 して み る と、

各 本

第 8 章

め ら れ て い る偈 数 は,

898

偈 (5) なっ て い る。 こ れは, ビル マ とタ イ所伝に お ける増 補 問題 とい うよ りも ,

S

写本

Sr

刊本

の 脱

で あろ うと考 える。 内 容 を確 認 して み る と, 予 想 ど お り問

となる

所は,

S

写本 と

Sl

刊本の 第

214

偈にあ る。

 

以下は, これ ら

2

本の 第

214

偈 とい くっ かの前 後の偈を 取 り上 げ,問題 点 を

指摘

す る。

第 213 偈

214

第215

Evarp

 sudesita

dhamma

sutv琶 ariyas5vakfi

arajjitva  attabhave  

bfihiraramma

e 

pi

 ca

pat

悟 maggaphalalp  setthalp 

PapPonti

 

parama

siva

etam  attham  

pi

 sutvana 曲 攣磁

鋤 鋤

Tato

 viramapa

yeva

 veramapi  ti vuccati .

Evarp

 saraqasTlena  sampannotU  up 盃sako

こ の ように, 聖 な る弟子た ちは, よ く説 示された法を聞い て , 外の 所 縁で ある自身を厭 離 し, 吉祥の , 勝れた最 上の 道果 に達す る者 と して 得て い る。 こ の こ と を聞い て ,

纔饗難簸 愚逡

騫織で驚 る6 そ れ ら を遠 離す るこ と

viramarpa

が, 離

verama り

i

わ れ る。 こ の よ うに, 帰 依 と戒を 具 足 す る在 家信 者は … …  こ こ に,取 り上 げ られ な か っ た第

183

偈か ら第

212

まで は,聴 法の利益 と それ に関す る

語で あ る が , 第

213

偈か ら第

214

偈の 途 中まで は, 聴 法の功

(4)

 

66

      パ ーリ学 仏教 文化学 徳に 関 す る ま と め の で あ る。 しか し, 第

214

偈 の 後 半に は,ubhayafi  capi vaη

rpitalp

とい う、 意 味が取れ ない 不 相応な語 旬が見ら れ る。 ま た, 第

215

偈 以降は, 帰 依 と戒を具 足 する優 婆 塞に関 する とい う別の 話 題に展 開 して し まっ て い る 意 味不 明 な語 句の突 出も さ る こ と な が ら

214

偈 と第

215

偈 の 問の話 題の

が りは, どの よ うに 見て も不

自然

さ を感 じる。

 

し か し,

K

,  

B

写 本お よ

T

較検討

す れ

体像

全 に把 握 で き る よ うにな る。

 

以 下に

S

S1

各本

づ い て

さ れた当 該の 記述を 取 り上 げ, こ の

題を検 討す る。

な お,

S

写本 と

S1

刊 本 に は, 

K

B

写 本 と

T

刊 本の

第91

92

た る

2

偈が脱 落 した ほ か , 筆 者の 校 訂 上の 方 針に よっ て

4

偈の ずれが 生 じて い る。

Evarp

 sudesitam  

dhammam

 sutv 巨 ariyas巨vakA arajjitva attabhave  

bahirarammarPe

 

pi

 ca

patt

盃aggaphala 耳1 settharp 

PapPonti

 

paramarp

 sivarp.

Etamattha

pi

 sutvana

銭遡矇

N

gasenavhaya

thera

pucchi 漁

灘 o 蟻越Q ,

bhante

 

kathar

N

gasena

 

bhikkhusahgho

 sakattani

この よ うに, 聖 なる弟子た ちは, 外の 所 縁で ある自体を厭 離 し,

Loka

d

 

8

209

〔6)

Loka

d

 

8

210

(7)

Loka

d 8

211 )

よ く説 示さ れ た 法 を聞い て,

吉祥

の ,勝れ た最上の 果に達す る

とし て得てい る。 ナ ー ガセ ー ナ とい う長 老に尋ね た。 「尊 者ガ セナ よ , ど う して , 比 丘僧 団は, 自己に対 し … …

 

以上か ら, 分か る よ うに,

S

写 本 と

S1

刊 本に おい て , 問題 となる第

214

偈 にあ る ubhay 面  

i

 vappitalp い う, 文 脈に不 相

な語 句の 位 置に は, 

K

B

T

刊 本 に は,

第210

偈の raja 

Milindanamako (

ミ リ ン ダ とい う名の

(5)

LoiCapρadipakasjra の ビル マ文字写本お よ びシ ンハ ラ 文問 題 67 王 は)となっ て お り, 話題 も前の 偈の 続 きで , 第

227

偈 まで は, ミ リ ン ダ王 と ナーガセ ー ナ長 老が 問答し た比丘 た ち の 身体 管理 に関す る記 述 と なっ て お り(8),

文脈

れ と して ,

S

Sl

の 記述 よ り も自然になっ て い る。

 

228

偈以降は, スマ ナー 王女の物 語や様々 な教理 な ど,パ ー リ

釈 文献か ら多 くの 散 文 記 述を引用 し, 韻文 と して再 構 成 した もの で あ る

詳 細につ い て は下 表 参照

 

また, 問 題 と な っ た ubhayah  c百

pi

 va聊

ita

甲 とい う語 句は,他 本に は, 第

720

偈に現れ る が, ubhayafi  c5pi mahAsenan  ti varprpitarp

これ ら

]両

方 も , 大

mahasena

で あると説 明 された

となっ てい る。 以下は,

第 719

, 

720 偈

を取り上 げる。

pamapato

 atikkanta ma 五capith 巨

dika

pi

 ca

uccasayanarnetan  

ti

 sambuddhena  

pak5sitar

Akappiyan

 tu ma 丘cadipaccattharapakaIp  

pi

 ca

etan tu

1 、 、_ 、

 

、. _

tatO

 Virama a

yeVa

 Veramap1  

ti

 vuCcati .

大きさ が超 過 し て い る寝 台や椅 子な ど も,

Loka

d

 

8

719

Loka

d

 

8

720

高床

uccfisayana

で ある と正

覚者

に よっ て

明さ れ た。 不適 当な寝 台や敷 物な どで も, 懣

i

i

1

轗 一

灘 騨羈

そ れ らを遠 離 するこ と

viramarpa )が, 離

veram 頗

と言わ れる。

 

以 上の

2

は, 第

606

偈 以 降の , 布 薩 戒 とい うテ ー

説 明 とい テーマ の にある。 その 続 きと して, 第

721

748

偈 まで の

内容

は, 帰依 と戒を具足 する在 家信 者に関 する記 述 と なっ て い る。

 

ま た ,

第 720 偈

後 半

か ら,

文まで は,

S

写 本 と

Sl

215

記 述

に一

して い る。 これ は ど うい うこ とか とい うと,

S

写 本 と

S1

刊 本 に は,

第 214 偈

後半

か ら

第 720

偈の 前 半 まで 写 本 と刊本で は, 第

209

(6)

 

68

       パーリ学仏教文化学

後半

か ら第

720

偈の前 半 まで に当た る

脱 落

してい る可 能性が

めて

い こ とを意 味 して い る。 内容上 の 問題を

確 認す るため に,

K

B

T

刊本に基づ い た

Lokappadipalcasara

8

の 全 体の構 成を 以

の よ うに

で示 してみ た。 第

8

章の偈番 内容項目 出   典 二法 第

4

23

偈 L 世に得 難い 二 種 人 た ち

C

£ AM .87.1−4 ,

Cf

 AN .. B2 ,

6

20

三法 第 24〜 42 偈

2

.智慧三種人た ち

C

£ AN ..130.6− 1315 , AN .Ll3L20B4 第

43

55

偈 3.財産を 所有する三種の人 た ち                  屮

Cf

 

ANJ

128

30

− 129.22

AN

1

.129.

25

ヨ 30 .4 第 56〜 61偈 4.晉葉遣 いる 三た ち

C

£ ANI ,127.33− 128,28

第 62〜

80

5

転輪 CfAN .LlO9 .18…

ilO

28

C

£

ANI

三.

20

.31−2 U  9 , (

SNn39

28

− 140.10)

ANH

2

 L20 − 26, (

SNJ

,140 ,20−24)

81

89

6

菩薩

C

£

CpA329

18

20

四法 第 90〜

95

.鼠譬え られ る

C

£

ANJ

07.29−

108

34

96

103

偈 第104〜 118偈

8

.マ ン ゴーに讐え ら れ る 四種の 人た ち  8.三え られる如来

C

£

AN

1

互.

10628

− 107.27

i

Cf

 ANIL33 ・玉一31・ iAN 豆134 .1−8 i 第

n9

125

9

.四摂事

iC

£ AML32 .茎

7

一王

8

iANJI

3221

27

126

〜 140 偈 10,四 共 住

C

AMI57 .27−2 黛AML  

p

i59

.21−27,  Cf AML62 1−5 ,

iAN

.rL62.6− 11 第

14

ユ〜

149

え ら れ る醺 の 人 た 一

1

1

ill

、 第150〜

157

偈 12.文 字譬え ら れ る 四 人 たち ? 第

158

64

偈 }       …        

113

.劫住の 四神 変 C£

Ss257

6

−23 (Cf 

JAJ172

8

14

(7)

      Lokappadipalcasa−ra の ビル マ文字写本お よ びン ン ハ 文 字 写 本問題 点 69 第 165〜 176 偈 14 全ジャ ン プ洲え た つ の

Cf

 

Ss

 

25820

34

Cf

 

SnA

I22317

29

, Cf SA 32216 −28 ) 五法 第 177〜 179 偈

15

五 力

Cf

 

AN

 

IIHO2

7

Cf

 

AN

豆三

124824

−26 , α AN  HI 1011 − 12 ,

CfJV12025

1211

第至

80

181

偈 第

182

208

篭飆撫 譲

瞬 爲

鄭 芟

16

聴法の芳つ の利 益  正

61

聴法の利益 に関す る物語

欝驚

Cf

 

AN

 III 2482 −

6

CfAAI2812

295

c

 

6

ぎ鈴

維 瓢

  獺  

攤鑼

翻 躍

麹 鰭

難戴

爨獵撫

嫐縣

攀勧

靆 鍔

蜘 譲

蕊黐痩

φ

韈撫

§

      ア

7

      額

      粐

 

 

   購  

A

難 飜

ぎ$

鱗纖

瀬 餓 鄭

灘 鸚鸛

 

鞠 曝

4

        冖

飜離

霧糶靉鵬

細 検嚇

o鰡

竣 購

      一

灘 論

機 賜

第覊

奪鵬

鬢鞠

         

2

労難

i

雛漁

     繼

_

幽 繍

臨 嚇 躍

φ

α づ

s

  獵 

1

確       へ 帚機謙 レ鯉 ,

   

翻 醜

   

S

写 本 に 欠 く 偈 文

(8)

70

パーリ学 仏 教文化学

審類 寮

や 盛

1

纈 魑

艪 斡

φ

靜 糎 噸

鰲灘叢

毅 灘

鄭 鐔葡Φ竭

凝勘

靉鑼

3

難畿

囀 幕

獄解

餐嘔

2

姻薩

蝋 φ翼

擁 確 鼕

嬲 嬲 覊 麟

第 721〜 748 偈  269 在家儒者戒 と生活 第

749

783

偈  

26

五〇信者 ィ ッ物       語 第

784

821

偈   

26H

沈み行 く船上で受 戒 し       た ヒ百人の商人た ちの物語 十二法

轡 玉

孵 無

7

謙織羅

1

蹴嬾

蹴 織

1

 

 

 

 

 

 

 

s   ,tlt       

ぐ  K

驪 戮

磯 蠍

攤叢

Cf

 

Ss

 

986

− 1027 (2611 まで

CfDAI23424

−28,

Cf

 AA  II 1132 −

5

Cf 

DA

正23428 −

23511

, Cf ALA 正11136 −

22

Cf

 

DATI36728

−3689

Cf

 DA 正23512 −29, CfAAH11323 −

11410

) (

Cf

 

SA

 HI 

2424

263

CfSAI54

1

5519

, SNI173 一韮83 )

S 写 本 に 欠 く 偈 文

(9)

ρα吻 醜用 の ビ ルヱ 文 字写本おびシ ンハ ラ題 点

71

第822〜 838 偈 127 .十二業 Ss.

138

.19− 139 .

16

C

£

Vis

601

1

602

9

C

£

Abhs

14410

25

) 第

839

877

偈 27 ,

1

業に関する諸々 の疑 問

Cf

 

Ss

i39

33

40

33

C

MiL8331

84

8

, 第 878〜 897 偈  28 .修行道      

Cf

. 

Mil

.297 ,5− 12 , 

Cf

 Mil ,

84

,      8−25)     

KhpA

,7−

i6

C

£ 蓋t. p ,

2L4

− 17>

Cf

 

Vi

§

2

 

上 記の 表か ら分 か る ように,

Lokappad7pakasara

第 8 章

の 全

構 成

と して は経を その 内容の 法 数に よっ て

(1

法か ら

11

法に

)分類

し た

AftguttaranikEya

の 形 式を模

と し,

2

法か ら

12

法まで とい う法 数 に順 じ て い る。 上

の 内容

目の

く も

か ら

抽出

し,

の二 法

集 (

duka

nip 翫ta

〜 八 法集

atthaka −nip5ta

一 部 偈 文 記 述を そま ま 引 用 す か ,

また は散 文の 記 述を偈 文 と して ま と め て い る。 場 合 に よ っ て は, 増 支 部 註

AfiguttaratthakathE

ま た は

文献

か ら その

法数

関連

す る

物語

用 し

       

S

Sl

に見 られ ない

部分

で ある。 これ ら の

分, 即ち

5

部)

6

7

8

部〉

法の部 分が欠けて し ま う と, 全

構成

が不

自然

にな るこ と が分か る。

 

こ の よ うに, 内容 上や引用形 式な どの 各 方 面か ら検 討 した結 果, や は り

S

写本 と

Sl

刊 本に は,

違い な く

落が ある とい う

結論

に至っ た。 

S

で は,問題 と なっ た第

214

偈は

71

葉の

A

面の中程 に位

して い るた め 自ら 散逸 した と考え難 く, や は りこ の 写本は脱 落の あ る写本, また は散 逸 して い る写本を底本に し た に相 違ない (9)

 

一方,

Si

刊本の 校 訂者 は, 校 訂に際して , どの 写 本に基づい た か を 明 示 し て い ない が, その 脚 註に は, 異 読を示 す場合,

potthakesu

([他 ]の諸 本に は) とい う複 数 形を使 用 し て い るの で 画 , 当 時ス リ ラ ン カ に現 存 して い た い く っ かの写 本を用い たこ とが

定でき る。

S

写本が その中に

まれてい た か ど うか は

か ら ない が,

の 写本に も同

落が あっ た こ とは

定に 難 くな い o

(10)

 72        パ ーリ学仏 教 文 化 学

 

こ の よ うに,

Lokappadipakasdira

の 多 くの シ ン ハ ラ文 字 写本が揃 っ て, 大 量 の記 述 を脱 落 してい る とい うこ とは, ス リラ ン カにお け る

承の 基 礎 と なっ た 写

備が あっ た可 能性が極めて

い とい うこ とが

指摘

で き る。

3

ル マ

写本

問 題

 

B

に は, 他の写本 と刊

に 見 られ ない長 文の記述が

3

箇 所 見 られ る。 即 ち, (A 56

A

面〜

59

葉の A 面 まで (お よ そ

7

面の 貝葉 ), (

B

62

葉 の

A

面の半ば〜

64

A

半ぼま で

お よ そ

4

面の 貝葉 ) , (

C

)67 葉

ぼ 〜

68

B 面

まで (お よ そ

35

の記

であ る 。 その 他,

D

65

B 面

E

)66 葉

B 面

F )70 葉

A

G

72

葉の

A

面の

4

箇 所 に他 本に は

在 しない 記述が あ る。

 

Lokap

ρacfipakas 々ra の 著 作 地 域 は ビルマ で あ る の で, 同 じ地 域 に

書写

さ れ た

B

写 本 は,

Lokappadipahasara

の 原 本, ま たは その原

の 系 統 に属す る写 本を も と に し て書き 写 され た とい う可 能性が当然

え ら れる。 即 ち, 他の写 本 と刊本に は, 上 記 の

S

写本 と

S

且刊 本の 脱 落 と同

に , そ れ らの 記 述が も ともとあっ たはずであ るが , 他 国 へ 伝 承 た 過程に おい て何 らか の 原 因で脱 落 した とい う可能性が あ る。

 

し か し,

19

世 紀に

写 さ れた

B

写 本は, 書 写 年 代 とい う

点か ら見れ

比較 的に新しい もの で あ るた め, そ れ らの 記述が

B

写 本の書 写 者に よ っ て 書き 加 え られ た か , ある い は そ れ らの 記 述が付 加 され た写

を底 本に し,

き写さ れ た とい う可 能

も見逃せ ない の で ある。 ま た ,

の写本 と刊 本に

ら れ ない とい こ と も

めて

後者

可 能 性が更に高 まる と考え ら れ る が, こ の 問 題を解 明す るため に,

内容

上 な どの 観 点か ら も,

考察

す る必要が あ る。

 

さて, 上 記の い

れの 記

Lekappadipakasdira

5

に当た る が ,

に は,

Mahavamsa

(『大王統 史』

参考

に した とい うこ とが明示 さ れて い る。 そ こ で,

筆者

は, それ を手が か りに して

討 した結果, まず本 章のお よ そ

9

記述

が,

Mahdivampsa

か らの 引 用

, ま たは その 詩 形 改 変で ある こ

(11)

      Lokappadil)akasfira の ビル マ文 字写本およびシ ンハ 文 字写 本問題 点      

73

とを確 認した。無

問 題 とな る そ れ らの記述も すべ

Mahava

isa か らの

で あ る。

  結論

を先

りする な ら, そ れ らの 記

が い

れ も

加 され た もの に す ぎ な い とい こ とに な る。 そ の 根 拠 と して, 最 初に

B

写 本 の

Lolcappa

dipakas

δra の 第

5

章にお け る

Mahdivopisa

と引用

関係

を もつ 記

り上

, 更に, その 文 脈お よび 引閉 形 式を分析す る と, 以下の よ うにな る。

Lps

5

章に引 用 ・利用 さ れ た

Mhv

の偈 数

Mhv

No

Mhv

各章の 偈数

Lps

に見ら れ る 引用 ・ 利用 さ れた

Mhv

の偈 留

_ _ _

32偈 (第

7

38

偈 ) 233

1

〜 32 偈 (

C

£ 第

1

3

,第

4

〜 32偈) 最 終 偈 の 第

33

偈 の み 1 引用 して い ない。

1

偈 (第40 偈)

342

偈 第

1

偈の み Mhv 第

3

章 の 第

1

偈 を引用した後, 長部の 大混 槃経の記 述の一部 を 18偈で ま と め て い る。 穏偈 (第59〜 68 偈)

466

偈    第

1

9

, 玉玉,14f曷,      (

Cf

第 1 偈 ,第

2

8

     偏, Cε第9 ,11,14偈)

87

偈 (第

69

147

偈)

5282

偈 獅

4

〜 22偈,

C

第23〜

33

偈, 第

84

94

Cf

77

83

偈, 第

174

〜 184偈, C£ 第 185 〜 211 偈,第4蝎 ,C£ 第50〜 60偈 第

5

章の偈を便宜 的に 抽出 し た と見 受 け られ る。 47 偈 −一 (第

148

198

偈〉 6

第 1〜 47 偈 (第 1 〜20 偈,

Cf

第 21 〜 25 偈,第26〜 46偈,

Cf

47

偈〉 一 …一 全 章 全 偈 を 引 用。 (Mhv 第 2玉〜 25 ,47 偈 は 改 変。) 74 偈 一闇一 (第199〜 272 偈)

L

774

偈   第 1 〜74 偈   (Cf 1 2 〜  

14

偈,

C

£ 第

15

16

偈,   第

17

〜 45 偈,

C

£

46

 偈 , 第

47

57

偶 ,

Cf

 第 58偈,第 59〜 63偈,  

C

£ 第

64

偈, 第 65 〜72

C

73

Z

全章全偈を引用。 (第 15,16,46 ,58 ,64 ,73 ,74 偈は改変。)

(12)

74

パ ーリ学 仏數 文化 学 28 偈

828

偈 第 1〜 28偈 全章全偈 引用 。 (第 (第 273〜 300 偈) (第

1

27

偈 ,

C

£ 第

28

      一 丁_ 28 偈の み 改変。) 偈 )  

29

偈 『 _rh 929 一偈 第玉〜 29偈 全 章全 偈 を 弓開 。 (第 (第30正〜 322偈) (第 1 , 2 偈, α 第

33

5

6

7

8

18

19

, 偈 ,……

Cf

29

偈 ) 21,

23

,24 ,25 ,27 ,29 偈 である。〉 104 偈 10106 偈 Cf 1〜 8 偈, 

Cf

第 第

9

,10 偈を 引 用 し (第 323〜 405偈)

11

28

偈 , 第29 偈 〜 。 第

105

偈,

Cf

106

42

『 皿_ 玉

142

竭 第

1

42

偈 全章全偈 を引用 。

第 (第406〜 447偈) (第 1〜 41 偈 ,C£ 第齟」…げ4242一冖 偈の み は改変。) 偈) 『 8偈 (第

448

455

偈)

1255

偈 第 1 〜 8 偈

…閲冂 20 偶 1321 偈 第 1 〜20 偈 最 終 偈 の 第

21

偈 の み (第 456〜 474偈) (第

1

19

偈,

Cf

第 20 引 用 し 。 偈)

23

偈 1465 1〜 23 偈 (第476〜 503 竭)

。4− ,6。

2058 偈 第1〜 57 偈 最 終 偈 第 58 偈 引 用 してい 32 偈 2134 偈 第1〜 3 偈, i偈 (Cf 第

9

34

罵 し (第561〜 589 偈) 第

4

7

偈 ),第

8

,10 。 〜 33偈

87

偈 2288

1

87

偈 最終偈 第88偶の み (第

59G

697

偈) 引用 し 。 ?

23102

  第 正〜

3

偈,  『

2

偈 (C£ 97〜 100 偈),

158 2459 第 1

58

偈 最 終 偈 第 59 偈 (第

1

57

偈 ,

CL

第 58 引用 して い ない。 ( 偈)

58

偈のみ は改変。) ? 25116 偈   第 1 〜

6

偈,     剛

9

偈「  (

Cf

49

64

偈), 

C

£       國…h皿 第

67

偈,

麟 勲蹴

68 〜玉15 偈

鑞 壌

(13)

Lokapl,adipakasfira の ビル マ 写本お よ びシンハ 文 宇 写 本問題 点 75 冖 『 ? 2626 第 1〜 25 偈 ,

鑞 鑞

2748

偈   第

1

io

偈 , 

9

偈 (

C

£ 第

18

20

25

27

28

47

48

偈),  

? 2844 弖〜

43

蹴 鑞灘

? 297G

1

28

偈,第

45

69

45

は 改 。 偈 ,

獵 臟

78 30100

1

20

偈 , 第 42 〜

99

第6 偈は 改変。 最終偈 偈 の第

100

偈を引用 し て い ない 」一

124

31126

偈 第 1〜 124 偈 第

10

,ll4偈 改 変 。 第 125偈 と最終偈の 第

126

偈を引用 し て い な いD

83

3284

偈 第 1〜

83

偈 最終偈

84

引 用 して いない。

13

33100

偈 第 1 〜 13偈 (第

1

3

偈 ,第 4 〜

8

偈,

Cf

9

〜 13偈) ※

i

難繋鑠

部 分は,

B

写本に しか見 られ ない記述で ある。

 

上記の か ら, 分か る よ うに,

Lokap

ρadipakasdira の

著者

は, 第

5

章を

わ す際に,

Mahdivai

?isa か ら多 くの 記 述 を引用 して い る。 その 引 用さ れ た記 述を大 まか に 分けてみ る と, 前 半

Mahdvapasa

の第

2

14

と,後 半 伽 槭 vαη15α 第

20

33

章 ま

2

に な る 。 上記 の

問題

となる記述が含 ま れて い る部 分 は,

Mahnvaips

α の 第

23

25

29

章か ら 引 用 , い ずれ も 後

に あ る。

A )(

B

C

は,

K

, 

S

写 本, 

Si

, 丁刊本に見 ら れ ない 五血兢 vαη25α の 第

23

25

27

章の 一部か らの 引用偈で あ り

D )(

E )(

F )(

G

は,

Mahin

α

rPisa

の 第

25

26

28

29 章

最終偈

の 引用で あ る。

1

Lok

ρρadTpakastira の

5

に 見 られ る

Mhv

か らの 引用 形式

 

まず, 問 題 とな る記述が

まれて い る

章節

を除き , すべ て の 写本 と刊 本に

(14)

 

76

       パ ーリ学 仏 教文 化 学 共通 して見 られる引 用形 式は次の よ うに

分析

で き る。

 

1 )

ほ とん どの記

述 (

は,

Mahjvamsa

各 章

か らの部 分 的 引用で あ る。

Mahavamsa

の 第

2

5

10

12

14

20

22

, 

30

, 

24

33

か らの 引用

 

2

)章の全 偈を引用す る用例は,

前半

に しか見 られ ない 。 た だ し, い

れ も その ま ま引用 さ れ た もの で はな く, 必 ず文 語や言

の 位置を変え た り, 同 義 語 を使用 し た りす る とい よ う な改 変が見 られる。

Mahdvamsa

の 第

6

7

8

9

11

章か らの 引用)

 

3

Mahinarpsa

に お け る ほ と ん どの 偈 の

律 形 式 は, 

Vatta

類(11)

Skt

Vaktra

, 

Sloka

8

音 節 ×

4 )

で あ る。 しか し,

各章

最終

偈の 詩 形 は,前 の 諸

形 と異な り,

Va

 

psattha (

Skt

. 

VarpSasthfi

12

音節

×

4 )

や , 

Pahassi

Skt

, 

PraharsinT

13

節 ×

4

), 

Vasantatilak

盃 (

Skt

.  

Vasantatilakfi

14音

節 ×

4

) な どの

韻律

形式を とっ て い る。 そ れ らの

終 偈 を引用す る場

,必 ず韻 律形

式を

vatta

類 に改 変 し て い る。 (

Mahjva

ηpsa の 第

6

7

8

9

10

, 

l

 

l章

か らの

引用

 

4 )

ほ と ん どの偈を引用 ・

用してい に もか か わ らず, 故 意に最終 偈を 引 用 し ない 用例が 数 多 く見られ る。 更に, そ の 数は,

最終偈

を引用 する用

よ り

い こ と が顕

で あ る。

Mhv

の 第

2

13

20

22

24

30

, 

31

32

章か らの 引用

 

即ち,

Lokappadipakasjra

の 著 者は

Mahdvamsa

記述 を引用す る

少 な く と も 上

4

つ の 方 針を もっ て

Lokappadipakasara

した とい うこ とが で き る。

2

ビル マ

字写 本にのみ見ら れ る

所の考 察

 

A

)と

C

まれて い る章 節に お ける

Mahavamsa

か らの 引用

析 す る と,

3

部に 分け るこ と が で きる。

 

は,

Mahjvarpsa

各 章

の 冒頭に あるい つ かの

を その ま ま引用 し,

 

は, その 後の い くっ かの偈の内容を ま とめ, 同じ詩形 ま たは異 な る詩形で

さ れ る。

 

は, 今 問

と して

り上 げて い る

A

c )

,即ち, 最 終 偈 を含む

 

以降の偈を その ま ま

用して

(15)

Lokappadipakasbraの ビルマ 文 字写本お よ びシンハ 文 字 写本の問題 点

77

い る部 分で ある。

 

つ ま り,

Mah

」vamsa 第

23

章の 引用

所で は,

 

初の

3

偈 を

接引 用 した もの。

 

97

100

内容

2 偈

で ま とめ た もの 。

 

は問

と なる 第

4

102偈

の引用

A )

 

Mahavarpsa 第 27 章

の 引用箇 所で は,

 

最初

10偈

接 引用し た もの。

 

第 18

20

25

27

28

47

48

偈の

内容

9

で ま とめ た もの。

 

は問

と な る

第 ll

48

偈の 引用 (

C

) 。

 

B )

は, 章節の 途 中の

60 偈

で あ るた め, 最

偈が

まれて い ない が,

B )

まれ て い る章 節の 引 用 形 式 は ,(

A

)と (

C

)が含 ま れて い る

章 節

と全 く 同様の

で あ る。 つ ま り,

Mahjvamsa

25 章

の 引用

所で は,

 

は最 初 の

6

を直 接引 用 し た もの。

 

は第

49

64

67

内容

9 偈

で ま とめ た も の 。

 

は問 題 とな る

第 7

67

引用 (

B

 

まず, そ の

を見 るだ けで も, い

れ に も

不 自

然さ を感じ るで あろ う。

A

)(

B

)(

C

は, その

置 して い

 

の 記 述

内容

と重複す るこ と に なっ て し まい

れ も

文脈

不要

え られ る。 以 下は, その 具

例 と して

A )

が含 ま れて い る

Mahavarpsa 第23 章

の 引用

所の

 

 

の 一取 り げよ う。

 

部 分

    

Ekeko

 tesu 

yodhesu

 

dasahatthibalo

 ahu .

    

ekekassa  

pariv

盃r且

yodha

 

dasa

 

dase

 

bahu

   

Tesam

 

pi

 

pariv

巨ra ca 

yodh

巨 

dasa

 

dase

 

bahu

    

ek5dasasahassa  ca 

dasuttarasatam

 

pi

 ca

   

Yodh

亘 sampipdita  

honti

 

balavanta

 vis巨rad2 .

   

ら戦士たちの う ち,一人 ずつ 十 の 象 軍を

した。

Loka

d

 

5

680 )

Loka

d

  

5

681

人の

軍 人た ち

に は, 一人ず , 十人の

者の戦士が い た。

(16)

78      パ ーリ学 仏教 文化学

  

彼 ら [従 者の 戦士 た ち

も,人の 従 者士がい た。

  

有 力で あ り,

熟練

した 一一一

千百 卜

人の

  

戦士たちの

合計

となる。

 

に重

して い る

 

の 一部

MahdVapasa 第23 章

97

100

     

Amantetva

 mahfiyodhe  te 

das

pi

 

disa

pati

yodhe

 

dasadasekeko

 esath互ti ud 互

hari

Te

 tathevfinayurp 

yodhe

 

punar

 aha mahil )ati

tassa

 

yodhassatassapi

 

tatheva

 

pariyesitUm

Tatha

 

te

 

patiayurp

 

yodhe

 tassa 

p

aha

 mahipati

puna

 

yodhasahassa

 tatheva 

pariyesiturp

Tatha

 

te

 

panayurp

 

yodhe

, sabbe  sarppindit 奇 tu te

ekadasasahassEni  

yoChfi

 satam  atho  

dasa

        

Mhv

王は彼 ら十 人の大 戦士 た ち を

せ, 「各 自 そ れ ぞれ十 人の戦 士を

す が よい と命じた。 (

Mhv

 

23

97

Mhv  23

98)

Mhv  23

99)

23

100)

彼らは そ の 通 り,戦士 た ち を連れて戻っ た 王 は 再 び彼 ら 百 人の 戦士 た ちに も同

っ た。 「

それ ぞ れ十人の 士 を

探すが よい と。 彼ら も ま た 同 じ く,戦士 た ち を連れて っ た 。 王 は,再び彼ら 千 人の 戦士 た ちに も同

っ た

そ れ ぞ れ十 人の 戦士 を

探す が よい と。 彼 ら も ま た 同 じ く,戦士 た ち を連れて戻っ た 。 そ こ で 彼 らすべ て は, 一

百十

戦 士た ち

合計

とな る

 

以 上の よ うに,

 

ま れ て い る

部分 (

A )

の 一

は, その 前に

位置

し て い る

 

記述 内容

とほ ぼ同

で あ る こ が 明ら かで る。 無 論, (

B

)(

C

)も同様 の 形 式 と なっ てい るが , む し ろ, こ れ らの 記 述が存 在 しな

(17)

LokappadTpakOsjraの ビル マ文 字写 本およ びシ ンハ ラ文字写本問 題点 79 け れば,文脈 と して, よ り 自然な流れ に な り, 上 記 の (

1>

第 1

の方針 に も 該 当 す る。

B

写 本の 底

とな る写

書 写者

, ま たは

B

写 者 は,

Mahjvarpsa

の 内 容を よ く知 っ て い た に違い ない が ,お そ ら く

Lps

の 第

5

章 全体の 内容 と引用 形 式を把 握せず,

Mahdvamsa

か らの引 用が欠けて い る た め,

A

)(

B

)(

C

分 を その ま ま

用 し,

き加えた の で あ ろ う と推定 さ れ る。

 

ま た,

D )(

E )(

F )(

G

は, い

れ もその 詩形 を改 変せ ず, その ま ま引用 さ れ た もの で あるため, い

れ も第

3

方 針に当て は ま ら ない こ とが判 明 し た。 以下は ,

Mahdivamsa

各 章の 最 終 を引

した

に, 必

ず韻律

を改

する第

3

の 方 針の 具

例 と して,

Mahjvarpsa

6

7

章の 最 終 偈 とそ れ ぞ れ に対

す る

Lokappadipakasjra

の偈を取 り上 げ,韻 律を改 変 しない

D

)(

F

を事 例 として 取 り上 げる。

Mahjvamsa

第 6 章

の最

の偈

47

偈,韻律

Pahassipt

13

音 節 x4 )

     La

kaya

 

Vijayasan

翫mako  

kumaro

     otiロ箪o 

thiramati

 

Tambapa

idese

     Salana

yamakagU

nam  antaraSmi

nibbEtUTp  sayitadine  tath5gatassati.

立 し た ヴィ ジ ャ ヤの を もつ 王 は, ラ ン カー島 の タンバ パ ン ニ

銅 掌

地 上 し た 。 [ち ょ うど

その 日, 如来は 沙 羅樹の 問 に 臥 して入滅 さ れ たの で ある。

Mhv  6

47)

以 上の

に対応す る

Lokappadipakasdra

198

偈 (

韻律

vatta

8

音節

x4

  Lathkarp

 so 

Vijayo

 n巨ma  

Sihabahunarindaj

 o

  kumaro

 

buddhasetthassa

 

patto

 nibbana  vAsare .

      

Loka

d

 5

198)

  

最上の 仏陀の 入 滅 の時に, シ ーバ バ ーか ら

(18)

80 パ ーリ学 仏 教 文 化 学

その ヴィ ジャ ヤ

年は , ラン カ

[島]

Mahjvamsa

7

の最

偈 (

第74

偈, 韻 律

Vasantatilakti

14音

節 x4

Hitvana

 

pubbacaritarp

 visamarp  samena

dhammena

 

Lankam

 akhila anusfisamdno

so 

Tambaparppinagare

 

Vij

 ayo  narindo

rajja akhrayi  sama  

khalu

 atthatipsati .

ヴィ ジャ ヤ王 は以

行を

正 し く全 ラ ン カー

める

と して, タ ン バ パ ン ニ (銅 掌

の都に お い て 実に, 三十八年 間, 王国を

め た。 (

Mhv

 

7

74

) 以上の 偈に対 応 する

Lokappadil7akasa

’ra の

第272 偈 (

韻律 Vatta

8

音節 ×

4

   So

 tambapapm . 

inagare

 

dhammena

 

Vijayo

 tada

   

a1thatimsa  samayeva  rajjaip 

kdresi

 

bhapati

       

Loka

d

 

5

272 )

   

当時, そ の ヴ ィ ジャ ヤ王 は, ラン カ ー

に お い て,

   

三十八 年 間, 正 し く王国を治め た。

 

以 上 の こ とか ら,

Mahavamsa

各 章の最

偈 を 引 用 す る 場合, 必 ず韻 律 形 式を

最終

偈に 通 例 用い られて い る複 雑な

形で は な く, シ ン プル な

Vatta

類 に 改 変 して い る こ と が 分か る。 一

D )(

F )

は 以

の よ うに

な韻 律を 保 っ た ま まで ある。

D ) (

Mhv

25

章の 最終の 偈 第

ll6

偈,

韻律

Pakati

21

音節

×

4 )

     

Ete

 

te

 nekakoti  

idha

 manujaga Le 

ghtitite

 cintayitv 百

     

kamanarp

 

hetU

 etarp manasi  ca 

kayirfi

 s亘

dhu

 adlnavarp taip

   

sabbesa 叩  

gh

巨tanim 

ta

卑 manasi  ca 

kayirdniccatarp

 sadhu  sadhu

   

evam  

dukkha

 

pamokkha

 subhagatim  athava  

papu

eyyacirena .

(19)

Lokappadipakasjraの ビル マ 文字 写 本お よびシ ンハ 文 字写 本題 点

81

大王 はこ こ に, 諸 欲の ため に殺 さ れ た これ ら幾 千万 の人 々 の こ と を考 え それよ り生 ず る, その

をよ く意に と ど め, ま た一切 の殺 戮者 とし て 自分の 死を よ く意 識 す るな ら ば, やがて こ の よ うな苦か ら離れて , 安

に達す る で あろ う。

F) (

Mhv 第28 章

の 最 終の 偈 第

70

韻律 Vasantatilaka

14

音節×

4

   Khedarp

 

pi

 

k

yajam

 asayham  acintayitv5      

pufiiia

卑 

pasa

皿 amanasopacitam  

hi

 evarp

     s5dheti  s5dhanasat ni sukh 蕊

kar

翫ni

   

tasm亘 

pasannnamanaso

 va 

kareyya

 

pufifiam

   

に生

る耐え難い 苦 労を意 とせず,

   

この よ うに信心の 心 を もっ て , 善 業を積ん だ が ため,

   

を も た らすべ 幾 百

善事

を も , よ く果た し たの で ある。

   

そ れ

,信 心を もっ て , 善

を 行 うべ き なの であ る。

 

以上, 事 例 と して

り上 げた

D )(

F )

と同じ く,

E )(

G )

Mhv

の最

を その まま引用した もの で あ り,い ず れ も第

3

方 針に当て は ま ら ない こ とが分か る。

 

上の 側 面か ら見て も, い ずれ も,

各章

節に な くて も, 文 脈 と し て 不相

とい こ と もな く, 第

4

の 方 針 に も該当す るの で ある。 他 本に見 ら れ ない とい こ とも あ るの で これ らは例 外 とい うよ りも, む し ろ

加 さ れ た と見 做 し た ほ うが 妥

で あ ろ う。 ま た,

A

と (

C

に も, 改

けず, その ま ま 引用 され た最 終 偈が含 ま れて い るた め, 両 者の 最終偈 の部分 は,

D )(

E )(

F )(

G )

と同

に, 新たに付 加 された もの で あ る とい う も う 一 つ の

根拠

に も な ろ う。

 

以 上の 考 察を もっ て,

B

写本に見 ら れ る記 述の 増 補 問 題を指

して き た が ,無

B

が , すで に増

されて い る底

に基づ い て

写 さ れ た

可能

(20)

 

82

       パ ーリ学仏 教 文 化 学 性は高い と考え られ る。 こ の 問題を ビル マ に お ける

編纂

題に よる もの か どうか とい うこ と を判断す るに は, ビ ル マ に現

して い る他の諸 写 本 との 比 較 検 討が 必要で あ る(12)。 しか し, 増 補 され た記 述が

B

写 者に よっ て 勝 手にな さ れた もの で あっ て も

B

写 本が大 英 図

書館

に所 蔵 さ れ るまで,

に底

と し て使 用され た な らば, 単に記述の 増

問題に と ど ま らず, 編 纂 の問

展 開

す る可 能

否定

で き ない で あろ う。

4

と め

 

LokOppadil

)akasdira は

方上座 仏教の 国々 に広 く伝 承 して い っ た過 程で, 大 量の 記 述の 脱

増補 問

題が起 こ っ た。

本稿

で は, これ らの問題 を明 らか にす るた めに,

国の写 本 と刊 本の 記述を比較 検 討 した。 その 結果は次の よ うにま と め る こ とが で きる。

 

シ ンハ ラ文 字 写 本 と刊 本の第

8

章 には 明 らか に

514

に のぼる

偈頌

落 して い る。

検討

の 対 象 とされ たシ ンハ ラ文 字 写本 と, ス リ ラン カに現

して い るい くつ かの 写本 に

づ い た既刊

に, 同様 に脱

がある とい うこ とは, ス リ ラン カ に お ける伝承の基 礎 と なっ た写 本に不備が あっ た

可能性

めて 高 く, その 不 備に よ る脱 落が相 当広 範 囲に渡 り起 こ っ た こ と を

物語

っ て い る。

 

また, ビル マ 写 本の 第

5

に当た る記述の

7

箇 所に は, 合計

202 偈

た に付 加 さ れ て い る こ とが 明 らか に な っ た。 い ずれ も,漁 緬 vα脚 o か ら 引 用 さ れ た偈頌 で あ る。 こ の 結 果を,記

増補

と して 指 摘 するに と どめ るが, 意 図 的な

纂の 問題なの か ど うか とい うこ とを

認す るに は, ラン ナ ー

文字

の ビル マ の 諸 写本 とを 比

較 検討

す るこ と に よっ て明ら かにな る の で あろ う。 更な る写本の 調査を含めたこ れ らの

明に つ い て は, 今後の 課

に し たい 。

 

また , 以 上の 写

本 問題

点を解 明す る に 当た り, そ れに 関連す る成 果 と し て,

2

つ の

に示 した よ うに

Lokappadipakasjra 第

5

第 8 章

源 泉 資 料 を明 らかに す るこ とが で きた。 更に全篇の 源 泉 資料を 調 査 し, こ の成果 と合

(21)

Lohapρadipakasa ’ra の ビ ル マ文字写本お よ び シ ンハ 文字写 本の問 題 点

83

わせ て本 書 成立過 程を

明 す るこ と を

今後

と して お き たい 註 (

1

) 本書の 記述の分 量 ・現存写本の 多さ ・伝承の範 囲 ・後 代 文 献へ の影 響な どの各  方 面か ら見 る と, 本書は 後 代に成立 し た 体 系 的 世 界観文献の うち, 典型的 ・代

 

表的 な 文 献 と言っ て も 過言で は な い 。 本 書の 重 要 性や内 容紹 介な どは,[Geiger  

1916

45

], [von  HinUber l 996:183−4]に よっ て 行 わ れ た。 また, 拙 論 も あ る。  ([

Phrachatpong

 

2009

41

−552009a:372− 3692011:902−

899

]) (2> T 刊 本の ま え が きに は, 校 訂に 際 して, タ イ 国 立 図書館に所 蔵 されて い る

18

本  の 中で ,散 逸 問題の ない 5 本の完 本を抽 出し,そ れ ら を使用 し た と記さ れて い る  が,異読が全 く示 さ れ ず,本 文 のみ を 提 供 し てい る。 (

3

) 筆者は,こ の論文を完 成さ せ る直前に, [Buddharaksa 2000:127]よ り,クメ ー

 

文字写本よ り古い 年 代 (

1581

Buddharaksa

が 間違えて 1541年 とす る。)に書写

 

さ れた ラ ンナ ー文写本の現 存情報を得た。 この 写本につ い て は, [

Hundius

 1990:  

113

− 120], [von  HinUber 996184コ 報 告さ れ て 。 (以 上は大 谷 大学 の清  水 洋平 先生 な らびに名 古 屋大 学の畝 部俊 也 先 生に紹 介 して い た だい た情報に基 づ  く。)この写 本 は,タ イの北部に位置 し て い る ワッ ト ラ イ ヒン寺 院に所蔵さ れて い  る。ま た,撮影 したマ イ クロ フ ィ ル ム は,チェ ン マ イ大学の社会研 究所に保 管さ れ  て お り,複 写サ ービス も あ るの で, 筆者は早速頼んで そのマ イ クロ フィ ル ム の 複 写  を 入手した。 ラン ナー文 字写本の古さ と地 域性か ら考えて , 校訂テ キス トを作成す  る際に ,不 可 欠で ある とい うこ と につ い て, 清水洋平 先生 と畝部俊 也先生か らの 指  摘を, 筆者は, 素直に受 け 入 れてい る。 しか し,写本の複写 を解読する に は,相 当  の 時間が要す る。 その た め,ランナー文字 写 本を 用い る方針を も ち な が ら,ひ と ま  ず, ビル マ 文字シ ン ハ 文字写本 問 題点す るこ の論文公 表す る  に したい

4

 

[PhrachatPeng 2009:41] (

5

) K ,B 写 本は も ち ろんで あ るが  T 刊 本におい て も, 偈番が全 く示 さ れて いない  が,こ の

898

とい う偈 数は, 筆者の校訂に よ るもので ある。 (

6

S

写本 と

Sl

刊 本の 第 213偈 (

7

S

写本 と

Sl

刊本の 第

214

偈 (

8

Mi1

pp

73

74

の散文 記述を韻 文に し た もの で ある。 (

9

) 最初に散逸 し た 写 本の 第 214は,etamattham  pi sutVana で 終わ っ て, 次の

 

貝葉は726の ubhayafi  capi mahasenan  ti va ita か ら始ま ると考え ら れ るが,  な ぜ mahasenanti い う単語が除か れ た かは, 次の よ う な 理由が考え ら れる。 即 ち,

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