複占スーパーゲームと推測的変化
是枝正啓
目次
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.推測的変化をともなう複占スーパーゲーム
Ⅲ.加速化された複占スーパーゲ‑ムと完全E均衡
Ⅳ.結び
Ⅰ. はじめに
寡占における企業行動の特徴は相互依存関係と推測であるといえよう。相 互依存関係は,寡占企業の産出量あるいは販売量の大きさが財の価格に影響
し,それを通じて他企業の産出量あるいは販売量に影響を与えるという形の 需要関数を導入することによって,その側面が考察されてきた。一方推測は 自己の産出量の変化に対して他企業がどのように産出量を変化させるかにつ いての予想を表わす意志決定変数である。その係数は推測的変化とよばれるo Cournot以来この推測的変化をどのように決定するかが寡占理論の一つの核 心と考えられてきた。
推測的変化に関する伝統的寡占理論の中心はその一般的定式化にあり,自 己の推測と他企業の実際の反応との不一致についてはほとんど分析されてこ
なかったといってよい。最近になってこの間題が注目を集め,一つの方向と して Bresnahan (1981), Perry (1982), Kamien and Schwarz (1983)によ って,推測と反応が一致するコンシステントな推測的変化(consistent conjec‑
tural variation)およびそのもとでの均衡の存在が考察されるようになった。
もう一つの方向は Friedman (1968), Cyert and DeGroot (1970), Kalai and
U
Stanford (1985)におけるように Cournotの反応関数の欠点として指摘さ れる企業の近視眼的行動を修正することである。すなわち現行期間の利潤最 大化だけを目的とする意志決定ではなく,現行期間の意志決定の将来への影 響を考慮にいれた上で,長期にわたる利潤の総和を最大にするということで ある。
Kalai and Stanfordは企業の利潤の最大化の問題を Cournot的推測的変化 をともなうくり返しスーパーゲームとして考察し, Nash均衡をもたらす一 意的な均衡戦略が存在することを明らかにした。このスーパーゲーム・モデ ルは伝統的な寡占理論における推測的変化とゲーム理論における戦略を明示 的に結ひ、つけた最初のもので,興味深いモデルといえよう。
本稿は,このKalaiand Stanfordモデルにもとづいて,一意的なNash均 衡戦略が存在することを示すとともに,このモデ、ルの特徴と問題点を明らか Iこしfこし、。
IT. 推測的変化をともなう複占スーパーゲーム
本節では線型の需要関数のもとで,複占スーパーゲームにおける Nash均 衡戦略の存在を考察する。まず企業の行動を以下のように仮定しよう。いま 同一財を生産する二つの企業1,2が存在し, それらのt期の産出量をXt, Ytとする。また価格ρに対して tWJの線型需要関数をt =α‑b(xt+Yt) (α>
0, b> 0)とし,企業1のt期の利潤π1(X t, Yt)を π1 (X t, Y t) = X t α ‑b(Xt( 十Yt ))
と表わすことにする。企業 1の目的は
エαt‑1X t α(‑b(Xt十Yt ))
を最大にすることである。ここで'aは割引率を表わし, α巴[0, 1)である。
スーパーゲームにおける企業戦略は各期における産出量の選択であり,それ ぞれ {Xt}三1,{Yd之lと書くことができる。経済的意味をもつためには,
各期の産出量は非負でなければならず,また生産設備の制約から有界でなけ
複占スーパーゲームと推j則的変化 61 れ ば な ら なL、。そこで,企業は各期において産出量を有界区間 !=C0, KJ
の 範 囲 で 選 択 す る も の と し よ う 。 た だ し K =α/bとする。さらに企業は完 全情報のもとで,行動を同時に決定し,拘束的な合意はなし、ものとする。ま た各期の終りに各企業はその期に相手企業が選択した産出量を知らされると す る 。 し た が っ て , 企 業 の そ の 期 の 産 出 量 は 相 手 企 業 の 前 期 の 産 出 量 に 依 存 して決定されることになる。このような状況のもとでは,企業1,2の戦略 はそれぞれ次のような関数の集合として表わすことができる。
rX1E!
{X tr) r= } ;: 1 I = i LXL .. ~ 1
t (IxDtー l→I
ri ↓
わ×
r t
ytA/t¥ ε
Y Y
﹁J﹄に
Y 一 一
つぎに,これらの関数を定式化するために,以下のように企業‑の反応を定 義する。
定 義 CjEC ‑ 1, 1 J i= 1, 2およひ αEC0, 1)に対して a(1 +αC 1 a( 1十αC2)
, y=
bC( 2 +αc1)(2+αC2) ‑1 J ,.r b(( 2 +αcd (2十αC2)‑1 J
とするとき,
X1E !, Y1E! ( ‑) Xt + 1 (σt) =x十C1 (Yt‑Y), Yt+1 (IJt) =Y十C2(X t ‑x) ここで、σt‑ (X1, Y1, X2, Y2, ......Xt, Yt)百(IxDtであり, これは両企業・
の第1期 か ら 第t}閉まで、の生産量の流れを表わす。ただしすべてのtに対し
1 ) Kalai and StanfordにおL、ては ,X r + 1 (" r) =g(X+C¥ (Yr ‑y))に対して o (1'くoのとき)
作 )=j /t 似 の と き )
K (/t>Kのとき)
と定義されている。この定ヱえは本文のg(/t)=1'より一般的形をとっているものの ,1'< 0お よび /t>Kが起りうるケースはなL、ので,本文の定五は一般性を失うことはない。これを 以下に示そう。
(1)/t< 0のJ見合。 (1j)CI>O, C2>0とする(CI= 0のj見合は明らかて・あるので以下で
てXtE [0, KJで あ る と す る 。 戦 略 ( 1 ) は 次 の よ う に 解 釈 す る こ と が で き るo
X t σ(t )は 企 業1の 戦 略 で あ る と と も に , 企 業2か ら み た 企 業1の と る と 推 測 さ れ る 戦 略 で あ る 。 こ の 意 味 で 、Clは 企 業2の 推 測 的 変 化 で あ る と い え る 。 そこで、Xtの 流 れ を 明 示 的 な 形 で 考 え て み よ う 。 (1)は 次 の よ う な 連 立 差 分 方 程 式 に 書 き 直 す こ と が で き る 。
(X(t+I)引 t)司 ‑CIY
Y(t+ 1) ‑ C 2 X(t) =Y‑C2X
(2)
だだしXt= X(t)である。 (2)を 解 く に はClC2 > 0とCIC2くOの 二 つ の ケ ー ス
は CIキ0,C2キOとする)。このときの連立差分方程式(2)の解は本文で後に示されるよう に, (3), (4)で、表わされる。そこで(3),(4)の組み合わせ解て、ある(7)によって証明しよう。 t
1+ 1 t+ 1
を奇数とする。 ρ<0は,あるtに対してY+C2(Xt ‑X) =y+ 2AcI2 C22 < 0を立味する。
1+ 1 1+ 1 十1t + 1
A>Oならば ,y, C 12 , C22 > 0より ,y+2AcI2C22 >0となり矛盾。またA>Oなら
t + 1 t + 2
ば,0>y+2AcI2 C22 >y+2Ac2=YIとなり, YI > 0であることに矛盾。 tが偶数の 揚 合 は(8)により,上と同様に証明される。 (Iii) CI>O, C2<0あるいはCI<O,C2>0
の場合の連立方程式の解は(5),(6)で与えられる。そこで(5)と(6)の組み合わせの解である(11) によって示そう。 CI>O,C2<0とし, t (ミ3)を奇数とする。 Y+C2(X t十X)=y+C'
t + 1 ー1t 1 ・一一一一一一一
cザFFZ:であるから,C'> 0, C2 2 < 0ならば, 0 >y+C' C了2C22土J三IC2>
y+CCIC2 J‑CIC2 =Y3となり, Y3> 0であることに矛盾する。またtが偶数の場合も(1枕 用いて証明される。 (Iiii)cI<O,C2>0の 場 合 も (1 iv) C 1 < 0, C 2 < 0場 合 も 結 局 (1
i i
,) (1 i )に帰着される。よってρ=Y+C2(X t ‑x) < 0となるケースはないことが示され fこ。
つぎに(II)ρ=Y+C2 (Xt ‑x) > Kとなる場合を考えよう。 (IIi) CI>O, C2>0とし,
t (孟3)を奇数としよう。また差分方程式解(7)を用いよう。 A>Oならば ,K<Y+C2 (xt 1+ 1 1+ 1
‑x)=y+2AcI2 C22 ~y+2Ac2=YI となり , YI<Kであることに反する。 A<Oならば,
1+ 1
y>Kとなり矛盾。 (IIii) CI.~ 0, C2 < 0の場合。 A< 0, C22 < 0ならば,上と同様
1+ 1 1+ 1 1+ 1
y>Kとなり矛盾。 A< 0, C22 < 0ならば ,K<y+ 2AcI2 C22豆y+2Ac2=YIとなり,
YIE (0, KJに反する。(IIiii) C 1 < 0, C 2 > 0の場合も (IIii) CI<O, C2<0の場合も ( II ii ) お よ び (II i )に帰着される。 tが偶数の場合七全く同様にして示すことができる。
よってρ=Y+C2 (Xt ‑X) > Kとなるケースはない。
以 上 (1), (II)よりg(ρ)=ρの場合しか成立しないことが示された。この結果 Kalai and StanfordのLemmaは不要となるとともに ,Lemma 3の証明は全く容易になる。
複 占 ス ー パ ー ゲ ー ム と 推 測 的 変 化 63
に分けて考えなければならなL。、
まずCl>O,C2>0あるいは ,Clく0,C2くOの場合は
(~別げ (t + 1 1 一
Y(t) =ーA{(CIC2)2 十(一 (CIC2)2) t十1}+y
"1
(3)
となるか,あるいは
( X(t) =ー(,.I 2 A{(CIC2
:
)+ l
2 ")
~+(-一(clC2) 2)' 土一 ~} +xY(t)=A{(clC2) 2 十(一(CIC2)2) t+l}+y
(4)
となる。ただしAは任意定数で、ある。
C l > O, C2くOあるいはCIく0,C2> 0の場合の連立差分方程式(2)の解 + i h
「
t)=7(戸 市 一 ) 十 C ' ( 戸 市 川 川 Y(t) =ァ {C(戸 日;‑)tー lcos(90(t+1)) +C' ( 戸 市;‑)t十lι1
s仇(90(t+1 )) +y
) 戸 川
υ(
か,あるいは
(
じ
一
X厄 別 川 ル 一 ( 付ト
ωtめド一一一)片円一=引一
4 {似ωc(F円何何吊司司E訂石J戸 市 司 司 正市ι叩白;‑)刀)ア一)t司叩什一+ +で!1 COS ( ι2sin (90 (t+ 1 )) } + x ︑ ︑ . ︐ ﹄
︐ ︐ ︐ Fb
︐ ︐
a目
︑ ︑
で、表わされる。ただし, C, c'は任意定数で・ある。 (3),(4)の形の解による産 出量の流れは初期値をどちらで与えるかによって4つの組み合わせが可能で、
ある。それらはX(l), Y(1)をそれぞれ(3)で与えるか(4)で与えるかによって決
2 )C1, C2のいずれかがゼロまたは双方ゼロの場合は,戦略としての立味がないので省略す る。
3 )連立差分方程式の解(3)においては ,X( 1 ) =X, Y = ( 1 ) = 2 AC2十Y=Y1である。こ れは, Nash均衡(X,y)に対して,企業2のみが均衡吊から離れてwtHf止を変史したことを
5;味する。 しかし庄川日の変史l土同企業同時に行われると仮定する万が一般的であろう。
どちらも応lH日を変児する組み合わせは5通りあることが有功に生[]られる。
64
まる。 (4)においてX(I),(3)においてY(l)を初期値として与えた場合の一般解 が(7),(8)式である。
一X一
VJ
+十
一
一 2
一 十 一2
fu
一f
u
+ 一
2
= 2
f i v p
し
A A つ﹄ 一 一 ヮ 一 一 X Y
(7)
(8) ( tは奇数)
( tは偶数)
(X(t)=凶比一
y(t) = 2Acl 2C2 2 +y
y(I)=: 2Ac2 +Y=Yl y(2)= 2AcIC2十y Y(3)=2ACId+y Y(4)=2Acici+y yb)=2Acici+3
この流れは次のように書くこともできる。
X(l)= 2Acl +X=Xl
X(z)= 2AcIC2 +X
X(3)=2AciC2+j
X(4)= 2Add+長 X(5)= 2 A d d +記
一方 ,Cl > 0, C2く0あるいはClく0,C2> 0の場合も同様に(5),(6)式 から産出量の流れを表わす式を求めると4通りあることがわかる。そのなか Y(I)を与えた場合と, (5)によってX(I),(6)によってY(I) で(6)によってX(l),
を与えた場合はそれぞれ以下のように(9),(10)および川, (12)で示すことができ
(9) (tは奇数)
る。
一引
+ ノ
一 しF 一C
一X戸
↓ 一 九 日
♂
cl
一
什 一 日
t一 引
Fし
'
c c
一 一一 一
x y
rill‑41lltk
。
(tf工偶数) 。
「
(t)引 宮 市 ?Y(t) =Cc~c-;Z .r=石石+y
︑ ︑ 目 目 ︐
( l l ︐ ︐
(tは奇数) 一X一y
+ +
‑ しF 一
p iv
一F し 一
F LV
二 二
日F
HF
H F
日F
C C
‑一 一一 X Y
複占スーパーゲームと推測的変化
(
「
「
f
爪別x(げωtめt))引 F軒宍F吊 E石訂市;E石正可ZY
刊(付t)片=C'C~C22玄戸石E石2+勺y
65
(tは偶数) (12)
以 上 の よ う に(1)によって表わされる戦略は,結局(2)に 変 換 さ れ , そ し て そ れ は8通 り の 産 出 量 の 流 れ に な る こ と が わ か っ た 。 こ れ ら の 流 れ は す べ てt
→ ∞ に 対 し て(Xt,Yt)→(X, y)に な る こ と は 明 ら か で あ る 。 こ の よ う な 産 出量の流れに対して, Nash均 衡 戦 略 が 一 意 に 存 在 す る こ と が 示 さ れ る 。 す なわち次の定理が成立する。
定 理1 需 要 関 数 が 線 型 で あ る と き , 次 の 帥 で 表 わ さ れ る 戦 略 の 組 x ‑ G ( 1 +αC 1 )
一bC( 2 +αcd (2 +αC2) ‑1 J
x1 =xEI
xt +1(σ t) =x十C1(Yt‑y),
y ‑ G ( 1 +αC2)
一bC( 2 +αcd (2 +αC2) ‑1 J Y1 =yEI
一 ̲1(功
Yt十1(σ t)=Y+C2(X t ‑x) σ(t) = (X 1, Y 1, X 2, Y 2・・・・・・Xt, Y t)ε(lxI)t
は 複 占 ス ー パ ー ゲ ー ム の Nash均 衡 戦 略 で あ る 。 さ ら に ベ ク ト ル(X,y)は 一 意で、ある。すなわちC1,C2およひ、αが 与 え ら れ れ ば , 他 の ど の よ う な ベ ク ト ル(X,y)もこのスーパーゲームの均衡戦略ではない。
証明) Nash均 衡 戦 略 は , 企 業1に対しては,
X1 α(‑b(X1 +y))十三α tー1Xt(α‑b(x t +Y+C2(X tー 1‑X))) 帥
を 最 大 に す る 戦 略 で あ る 。 ま ず こ のNash均 衡 戦 略 がx=(X, X, ・…一 ,X,・・ 一)であることを以下に示そう。
いま任意の産出量ベクトノレx=(X1, X2,…‑一, Xt,・・…・)El'∞に対して,
4 )ここで注意しなければならないことは ,A, C, C'は(3),(4), (5), (6)においては任立定 数であるけれども, i2ItHl'ltの流れはすべてのtに対して(Xt,Yt )E[2という制約があるた め,実際にはかなりの制約を受けるということである。すなわちここで考察の対宗となる
両企業の産 tf~R{ の流れσ∞ =(X 1, Y 1, X 2, Y 2・・・・・.Xt,Yt, ・・・…)は, (3), (4), (5), (6)のいず れかをみたす解でσ∞ε ?をみたすものにかぎられるということである。
N
HN(X) =Xl α(‑b(Xl +y)) + 1: αtー lXt(α‑b(Xt +Y+C2 (Xt一 1‑X))) とすれば, (14)の 最 大 化 問 題 は 結 局XE!'∞に対してH∞(X)ミH∞(X)を示すこ とに帰着される。そこで
HN(X) =HN(X)一αNbc2XXN, X=(X, X, •.•..• X H∞(X) =limN→∞HN(X)
と定義し, あるXに対してH∞(X)>H.∞(X)としよう。 この仮定が矛盾を導 けば, われわれは目的を達成する。
いま0>0に対して ,H∞, (X) +o=H.∞(X)となるとしよう。そのときすべ てのはt‑1, X t) E[2に対して IX t (α‑b (X t +Y+C2 (X tー 1‑X))) 1;豆mとな る mが存在することは明らかである。そこで、ν ~N1 ならばm 1:αtー l豆0/8 となるN1,およひ、 ν ミ~N2 ならば, すべてのんE[に対して,ゲbC2XXレ三三0/8 となるN2を選び ,N=max{N1, N2}としよう。そのときνミNに対して
I H,∞(X) ‑H,ν(X) I = I 1: a t X t十 t Cα‑b(xt十1+Y+C2(Xt‑X)))I
=
五m1:αtXt + 1 二至。/8
IH.∞(X) ‑H,ν(X) I ;お/8
I H~(X)-H,ν (X) I =αNbc2XXN~お/8
│花(X)‑H,ν(X) I =αNbc2XXN~0/ 8 となる。 これらより
。/4ミIH.∞(X)‑H,ν(X) I + I H~(X)-H,パX) I ミIH.∞(X)ー瓦(X)I
。/4ミ IH.∞(X)‑H,ν(X) 1+1瓦(X)‑瓦(X)I ミIH.∞(X)一花(X)I
を得る。 さらにこの二式より
。/2ミIH.∞(X)一氏(X)1+ I H∞,(X) ‑H,ν(X)
ミ│瓦(X)+0一花(X)I
が導かれる。 もしこのようなνに対してHν(X)ミH(X)な ら ば , 仮 定H∞(X) +0= H.∞ (X) に矛盾する。以下H~(X) 孟花 (X) を示そう。
Hνの一階の最大化条件は
複 占 ス ー パ ー ゲ ー ム と 推 測 的 変 化
。Hν(X ) 一
一τ:了一一=‑2bxl +α‑by‑αbC2X2 = 0 a;q
aH"(X) ー
づFア=‑2bxt +α‑by一αbc山 +1 ‑bC2 (x tー 1‑X) = 0
67
t= 2, ・・・・・・, ν ‑1 (15)
。Hν(X) 一 一 一
一五ア=‑2bxν+α‑by‑αbC2X‑bc2 (丸一1‑X) = 0
である。 y=α(1+αc2)/b(( 2 +αcd( 2 +αC2)‑1 Jとすれば,計算によっ てXl=X2 =・・・・ー=ι=X=α(1 +αCl )/b(( 2 +αcd( 2 +αC2) ‑1 Jが同の解 になることが確かめられる。さらにこの解が二階の条件をもみたすことを示 すことができる。まず, (15)によってHνのへッセ行列をνFとすると,
‑2b 一αbC2
一α。bC2 一‑2αb α2bC2
。
。
一α2bC2
‑2α2b ‑α3 bC2
。
一α,‑2 bC2一2α,‑2 bーゲ 1bC2
一α,‑1 bC2 ‑2ゲー1b
となる。行列の性質より ,t= 1, ・・・・・・,川こ対して,
2 C2 。 。
αC2 2 C2
1Ft I =( ‑1川│。 αC2 2 C2
。 αC2 2 C2 0αC2 2
が得られる。だだしB=(‑b)(一αb)・・・・・・(一αt‑1 b) =α 2 b である。そこで、Ftについて
1Ft IくO
1Ft 1> 0
( tは奇数) ( tは偶数)
。
。
が成り立てば ,Ft は負定値符号行列となり ,F,ν(X)がXl=X2 =・・・・・・=ι=X
68
において最大となる。同は次のように帰納法で示される。 IF1 1=‑2,
I F2 I = 4 ‑αd> 00 tが3以 上 の 任 意 の 奇 数 で 1Ft‑2 Iく0,
I Ft‑1 1> 0とする。そのとき IFt I / (‑1) t B = I Ft Iとおけば,
1Ft ‑2 Iく0, IFt‑11 >0となり,さらに
2 C2 0
αC2 2 C2 0
2 C2 0
αC2 2.C2
IFtl =(‑1)21‑1C2 十(‑1) 2 t ‑22 0 α C 2 ~ C2
0αC2
2αC2 2 C2 αC2 2
=2IF¥‑11一αdI Ft‑2 I > 2 1Ftー1I ‑1Ft ‑2 I > 1Ft ‑1 I > 0 となる。よって 1FtIくO. tが偶数の場合も同様にして証明される。
一意性は次のように証明することができる。
G(x, y, x, y) =x(α‑b(x+y)) + L αtー lX(α‑b(x十Y+C2(x‑x)))
=2 0カ
I(x, y, x, y) =y(α‑b(y+x))+22αt ‑ly(α‑b(y+X+Cl (y‑y))) とおこう。そのとき Nash均衡戦略は aG/批 =0, aI/ay= 0をみたす(x, y)である。
これは 。G I ̲ ~ T aI I
x 一一ax │ I γ=~=O , Iv=~~. み ん ay y ‑ y v=v
を意味する。したがって,もし(ムタ)がNash均衡戦略であるならば 08)
︑ ︑
B︐ ノ ‑
AV
〆
︐E 一
AX
‑ ‑ t
v d
一
X一︐E ︽α
〆r
t︑ ︑ ‑
G一
﹁O一
G ︐ 一 一 AU A 一 一
X
‑ ‑
x
aI(x, y,ゑ3) I
勺 ay y=y
=0 (19)
をみたす。仰のGおよひ山主xとyに関して線型であるから, (1司のGx,Iyもx, yに関して線型となり, G x, 1 yもム 3に関して線型となる。よって仰をみ
たす (x,y)と(19)をみたす(えのは一致する。
証明終)
複占スーパーゲームと推測的変化 69
ill.加速化された複占スーパーゲームと完全E均衡
前節では複占ゲームが1年単位でプレーされる単一期間モデルを考察した が,本節では1年に何回もプレーされる小ゲームの均衡について考えてみよ
う。
ゲームが年にT回に分けてプレーされるとき(以下T回小ゲームという),
年間割引率,および年間需要量を次のように分割しよう。 T回小ゲームの割 引率αTを年間利子率 rに対してαT=αμ=( 1 +r)干とする。また需要曲線 TTを 年 間 需 要 曲 線T =α‑b (X+ y)に対して, ρT(X+Y)=ρ(T(x+y) )
=α‑bT(x+y)と表わすことにする。ここでT‑t(t= 0, 1, T‑1) 回目の需要量五T‑tは,需要曲線、TT‑t‑における需要量XT‑tからρT‑t‑lにお ける需要量XT‑tー lをヲI¥,、たものとして,すなわちん t=XT‑t ‑XTーtー l
として表わされることに注意しよう。 3T‑tについても同様である。これら の ん ‑t, YT‑tに対して(ん‑t, YT‑t) E C 0, K/TJ 2 (t= 0, 1,…
T‑1)としよう。以上の定義によって,年間の最大利潤はT回小ゲー ムの利潤の総和として表わされることを以下のように示すことができる。
企業1の年間最大利潤πは定理1により,
π=記α ‑( b(川 ))十三 αt‑lx(a‑b(叶 y))=‑L1 ‑α 山 ‑b(叶 y))
である。一方T回小ゲームの第1回目の小ゲームの最大利潤πTを与える戦 略(以下T戦略とよぶ)は,以下の定理2で与えられるように,
α( 1十αTCl)
Xl =XT= bT[( 2 +αTCl) (2 +αTC2) ‑1 J 。。
5) Tが大きくなく,年間の生産はT回に分けて行わなければならないような生産期間あ るいは生産設備の制約があるならば ,(X, y) EI2 = [0, 10 2であることから,この仮定は 不要である。しかし後の定理2を成立させるTがきわめて大きい場合には,生産設備の制 約として解釈するのはほしい。なぜならその場合には産出町および生産設備はきわめて小 さくなり,経済的立味がほとんどなくなるからである。
p
ρ(Z)
p = T
G一(Tー 1)KaZ p=α‑2Z
p=αーエtK aZ
O ば 一 T Z
K一m a ‑ ‑ A tK
T
(T‑l )KK 図‑1 T
一 a(1+αTCZ)
Yl =YT一bTC (2 +αTcd (2 +αTCZ) ‑1 J
Xt+l =XT+Cl (Yt ‑YT), Y t + 1 = YT + C z (X t ‑X T ) であり,
7rT = 1よーん α(‑b(XT+YT))
1一ーα T
である。(図‑1参照。なお図‑1では K=α/b,Z=x十yで、ある。)また第 2回目以後の最大利潤は制のように表わされる。ここで、πT‑t + 1 (t = 1 , 2,…… T) はt+1回 目 の 利 潤 を 表 わ す 。 ま た7rT‑t+1は 需 要 曲 線 が ρ=α ‑(αT/tK)Zで、ある場合の最大利潤を表わし,
πT‑t + 1 = {1 / (1ーαT‑t+1)} {XT‑t十1α(‑b(XT‑t + 1十YT‑t+1))}
6 )厳密には側におけるXt,YtはxT,YTの記号を使用することによって, (1)におけるXt, Ytと 区 別 し な け れ ば な ら な い が , 以 下 で は 混 乱 す る こ と は な い の で , 煩 雑 さ を さ け る た め
添字Tを省略する。