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英国在宅介護者協会

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(1)

 

英国在宅介護者協会

;在

宅介護者による援助の経済的価値

訳出に当たって

こ こに紹 介 す るの は、 英国在宅介護者協会 (Carers UK,以前 の名称 は Carers National Associaion,CNA)に 提出された報告書『私たちな しには一在宅介護者 による援助の経済的価値の 算出一』

(Carers uK,Without us・

"?,calculating the value of carers'support,Carers UK, 2002,pp.1‑16。)の全訳である。

この協会 は、1988年 に結成 される (詳しくは拙著『 イギ リスの在宅介護者』 ミネルヴア書房、

2000年

484頁

)。 120の 地域組織 と 777の 在宅介護者提携 グループを擁 し、会員は

1万 4055人

ある。

50人

の職員を抱えて、年間の予算 は

250万

ボ ン ドである(National COuncil for Voluntary OrganisatiOns,The Voluntary agenё

ies directOry 2002,NVCO Publicaions,p.82他

)。 協会

は、病気や障害を抱え、あるいは年老いた人々の介護に当たる在宅介護者の援助を目的にする。在 宅介護者に対する情報の提供 とともにサ‐ ビス利用にかかわる助言の活動を手がける。あわせて在 宅介護者のニーズゃ直面する諸問題についての調査研究を行い、 これをもとに政策について提言 し その実現に向けた活動を行 う。

協会の提言が制度として実を結んだ最近の例としては、被介護者の死亡とともに支給の打ち切ら れていた介護者手当

(Invalid care Allowance,ICA,但

し2002年

3月

10日 か らは

Carers A1lowance,CAに

名称を変更

)が

、死亡後

8週

間まで延長支給されること、65歳 になると支給が 打ち切 られていたこの手当が、65歳 以降の在宅介護者にも支給されること

(い

ずれも2002年

2月 28日

に実施

)な

どをあげることができる

(Caring,March/Apri1 2002,p.20)。

ここに紹介する報告書は、政策提言の基礎資料 として手がけられた調査研究のごく最近における 成果のひとつであり、在宅介護者による無償労働の経済的価値に関するこれまでの算定作業を正当 に踏 まえたうえで、最近の調査を拠 り所にする独 自の試算結果である。在宅介護者による援助の経 済的な価値 は、 この作業 によれば公的に支出される保健関係費用を上回る。英国在宅介護者協会は、

‑67‑

(2)

経済研究 8巻1号

この試算結果を拠 り所に在宅介護者への支援の拡充を全国各地でさらに求めているところである。

ところで、在宅介護者への支援 という場合に、その考え方 と施策 は、 日本 とイギ リスとで大 きな 違いを もつように思われる。

所得及びサービスに関す る在宅介護者の受給権 は、 イギ リスの専門研究者の広 く認めるところで あり、法的な根拠 も得ている。 たとえばコ ミュニティケアと保健 に関す る

2002年

(スコッ トラ ン ド)は「在宅介護者の貢献を考慮 に入れ る」 として、介護サー ビスが「要介護者 と在宅介護者 双方 の希望やニーズに可能 な限 り合致す る」 よ うに求 める (Health Department,Community care and health (Scotland) act 2002, new statutory rights for  ∽rers;guidance, Scottish Executive,31 March 2003,p.27.)。 ちなみに介護者手当などの受給を通 した所得保障 は、前述 の ようにスコットラン ドで も早 くか ら制度 として認め られる。事情 は、イングランドやウエールズな どで も然 りである。だか らこそ在宅介護者の団体が在宅介護者権利の日

(Carers'rights day)な

どを開催 して、 この一 日を介護者手当の受給率の向上や在宅介護者 に認め られる権利‐の行使に向け た運動の一環に位置付 けるのである (ScarborOugh and Ryedale Carers Resource,Focus Carers, issue 42, Winter 2002, p.11.)。

他方、 日本の事情 は大 きく異なる。 たとえば大沢真理氏 は「 家族による事実的扶養 と介護、育 "の圧倒的部分 は、女性によって、なんの金銭的報酬 もな しに担われてきた (女性の無償労働)」

(大沢真理『男女共同参画社会をつ くる』 日本放送協会、

2002年

、138頁)と指摘 した上で、「高齢 社会をよくする女性の会」による高齢者介護 システムに関する要望、すなわち「現金給付 よりもサー ビス給付を主体 とす ること」、それ というの も「控えめな額の現金給付ではまさに家庭介護が女性 に固定 されかねないか らである」(同上書、

158頁

)と「高齢社会をよ くす る女性の会」 の提言 と そのよって立つ考え方を好意的に紹介される。ちなみに大沢氏は、介護 と並んで「女性の無償労働」

の下形態である育児 にかかわ つては、 どうい うわけであろうか介護 に関す るそれ とはことなって

「最低生活を保障す る普遍的児童手当」 と「保育サー ビスの充実」(同上書、

232…

233頁)の双方 に ついて提言 される。

以上の紹介 と提言 は、 日本の研究者の通説的な理解であるように思われる。介護保険制度 に手当 が盛 り込まれなかったことは良 く知 られており、在宅介護者を権利の主体に位置付 ける発想 は、所 得給付 はもとよリサー ビス給付 について も介護保険制度に当初か ら見 ることがで きない。

在宅介護者の権利保障をどのように構想す るか。 ここに紹介す る報告書 は、 こうした問題を考え るに当たって有益な素材を提供 しているように思われる。本誌 に公表する意図 も、そこにある。

なお、在宅介護者 による援助の経済的な価値について、本報告書 は、全国ベースの計数を算出 し た上で、イングランド、 ウエールズ、北 アイルランド、スコットランドの自治体 ごとにも計数をは じき出 している。在宅介護者の権利保障に向けた運動を全国 レベルはもとより、地域において も展

‑68‑―

(3)

開す ることを念頭に置いた作業 と思われる。現 に在宅介護者の地域組織は、 この計数を拠 り所に関 係 自治体 に対する要求を作成 し提出 している。

しか し、 自治体 ごとの計数の紹介 は、紙数の都合か ら割愛させていただいた。

1.まえがき

私たちの多 くは、子供をはじめ夫、妻、配偶者、父、母あるいは友人への愛情に値段をつけるこ とを難 しい、 と感 じ取 っている。なん となれば人的な諸関係は、経済学の取 り扱 う以上の問題であ る。そこには、明 らかに道徳的な問題が存在する。 しか し、社会―保健サービス、 コミュニティケ アあるいは社会的な介護などと私たちが命名する事柄―は、慢性疾患をはじめ精神疾患、老齢に伴 う体力の低下あるいは障害の故 に介助を要する家族 もしくは友人の世話をする

600万

人以上の在宅 介護者を当てにする。 コ ミュニティケアは、私たちの住居 と家族 において行われる。

介護 は、人 と人 との諸関係に属す る事柄であると同時に、過酷な経済的事実でもある。多 くの在 宅介護者 は、介護を担 うために仕事をやめる。多 くは、経済的に貧困である。不十分な援助を受け るに過 ぎない。多 くの在宅介護者 は孤立状態に置かれていかにも心細 く、このために自らも精神的・

身体的な疾患を経験する。年間

30万

1000人 が在宅介護者 として新 しく登場する。彼女 もしくは彼 が、通常 自分を在宅介護者 として認知することはない。なんとなれば在宅介護者は、諸関係のゆえ に介護 に当たる夫であり妻であり、友人 もしくは隣人であるか らに他ならない。在宅介護者 として の認識を持たないことか ら、必要な援助を受けることもない。それは、彼女 もしくは彼が、手当や サー ビスの受給要件を満たす場合にも起 きることである。

この調査報告書は、在宅介護者の努力やもがきについて示 しはしない。在宅介護者が、私たちの 暮 らしにもた らす貢献の経済的な価値について示す。在宅介護者の経済的な価値、すなわち

574億

ポ ン ド (2000年 における推計値)は、国民保健サ,ビ (NHS)の年間費用 に等 しい額である。

私たちは、 この数値を無視するわけにいかない。在宅介護者が日々支払 う価格の総計である。

英国在宅介護者協会最高理事 デイアナ・ ウイッ トヮース

「 社会 は、在宅介護者な しに機能 しないであろう。私たちを無視で きない。私たちの声 はいつ も 強い。私たちが求めるのは、 フェア・ デイール、公正な待遇である」。

在宅介護者は、数年来 コミュニティケアと保健サー ビスの「礎石」 とみなされてきた。 この見方 は、

1980年

代の後半以降に、 コ ミュニティケアは在宅介護者への支援な しに成 り立 ち得ないであ ろう、 としば しば表現 されて きた。 その根拠は明白である。英国全体で

600万

人の在宅介護者がい る①。毎年

30万

1000人 が在宅介護者 になり②、その数 は、1985年 以来 ほぼ同 じである③。

‑69‑―

(4)

経済研究8巻 1号

       │

これ らの

600万

人の うち

100万

人近 くの在宅介護者が、週 に

50時

間以上 に亘 って介護 を提供す る。 これに比べると国民保健サー ビスは、

100万

人近い職員を雇用 し、同種 の組織 としては世界最 大である。 さらに、

180万

人 の在宅介護者が週

20時

間以上の介護 を提供す る。 これは、保健な ら

びに社会的介護の分野に雇用 されて働 くすべての職員や労働者をはるかに上回 る。

しか し、在宅介護者の無償労働 は、 どの程度の価値を持つであろうか。在宅介護者による援助の 価値を算定するい くつかの作業が、数年来行われ、その試算結果は、いずれ も人々を驚かせてきた。

最 もしば しば引用 される試算結果 は、年間

340億

ポン ドという推計値であるの。 この作業 は、1993 年 に公表 される。依然 として信頼 に値する試算結果ではあるものの、その後の新 しい資料による再 計算が求め られることも、先の試算か ら

10年

近 くが経過 していることを考えるな らば事実である。

2。

介護の価値は、なぜ重要であるか

提供 される介護の価値を計数 として算出する作業の他にも、い くつかの推計方法がある。在宅介 護者 による援助 と国民保健サニビスによるそれとの比較は、その一例である。 ごくわずかな在宅介 護者がその援助を停止 した場合でさえ、公的な支出がそれにともなってはらきりと増えるであろう

ことを示す ことも、一つの方法である。

算出される計数 は、在宅介護者 にとっても特別の意味を持つ。在宅介護者 は、彼女や彼が 日々手 がけることの価値 として計数を理解す るであろう。在宅介護者 は、ようや くに して変化 しつつある とはいえ、その貢献について不十分に しか認知 されていない。在宅介護者による援助の価値を知 る ことは、彼女や彼が手がける介護 についてより正 しく認識す る手助 けになるであろう。介護 は、ひ どく孤立 した状態で行われる場合が少な くないことか ら、在宅介護者 は、彼女や彼がた くさんの営 みの一部であること、

:言

い換えれば「 より多 くの人が私 と同 じように介護を担 っていること」につ いて知 りたいのである、 と発言 しなければな らない。最後に、在宅介護者は、彼女 もしくは彼によ る援助の経済的な価値をキャンペーンの中で活用 しなければな らない。在宅介護者 としてその諸権 利をたたかい取 って、彼女や彼が無視 されることのないように、試算結果を効果的な手段 として活 用 したいものである。

「在宅介護者への援助 は、不十分な財政措置にとどまる限 り決 して実現 しないであろう。私たち の担 う介護労働のゆえに国 として節約可能かつ膨大な金の支出を認めさせ、 これによって本当の援 助を手 に しなければならない」

(ウ

オー リントン市在住のク リステイーヌ)。

         1

3.在宅介護者の援助に関する以前の試算

340億

ポン ドという計数 は、最 もしば しば引 き合 いに出される試算結果の一うである。 これは、

『 世帯調査』1985年 版 と『 国勢調査』1991年 版を基 にす る試算結果である。.これは、週 に少な くと

‑70‑―

(5)

20時

間の介護を提供する少な くとも

160万

人を含む総勢

610万

人の在宅介護者を拠 り所にする。

試算 に当たってこの計数 は、週

20時

間以上の介護を提供する

160万

人の在宅介護者が週平均

30時

間の介護を担い、あわせて他の

450万

人の在宅介護者が週平均

10時

間の介護を提供する、 と読み 替え られる。 この介護の費用を算出するために、研究者たちは、在宅介護の時間当たり平均費用を 7ポ ンドと定める。そうした上で在宅介護者の担 う援助の総時間は、 この平均費用によって乗 じら れる。か くして最終的な推計値は、年間

339億

ポ ン ドである。

      

数年来用 い られて きた他 の主 な試算 は、

1993年

に出版 された ウイ リアム・ レング (William Laing)による作業である⑤。 レングは、1992年 の資料を用いるとともに家族政策調査研究センター

(FPSC)が 1989年 に用 いた比較的早 い時期のモデル⑥を今 日的に修正する。 レングは、時間当た り賃金を上記の研究 に習 って 7ポ ン ドとした上で、在宅介護者 による援助の経済的な価値を年間

391億

ポン ドと算定する。

4.代替費用の新 しい推計

在宅介護者による援助の代替価値 は、い くっかの方法で算定することができる。在宅介護者は、

買い物、清掃 と家計の管理、洗濯、入浴 と排便の介助か ら、与薬に至 る高度な介助 まで一連の援助 を担 う①。在宅介護者 は、薬物の管理を始め苦痛を伴 う傷の手当て、挿入管の利用による摂食の介 助、物理療法 と作業療法などの医療作業 も手がける。本報告書の付録 1に は、週

50時

間以上 の介 護を担 う

2つ

の事例を取 り上げ、在宅介護者の担 う介護の量、作業の範囲、介護の複雑性 と予測不 可能性 について明 らかに している。身体介護 と薬物の管理のように多 くの労力を要する介護を担 う 在宅介護者の比率は、1985年 か ら

95年

にかけての

10年

間に増えている③。

買い物 と清掃サービスの代替費用 は相対的に低 く、かわって保健サービスのそれは相対的に高い。

地域看護婦 (DN)による家庭訪間の費用 は、時間当たり53ポ ンドと推計される

0。

物理療法士 と 作業療法士 による家庭訪間の費用 は、時間当たり

43ポ

ン ドと計算 される。民間部門による在宅介 護の時間当たり平均価格 は、 7ポ ン ド

40セ

ン トか ら7ポ ンド70セ ントに分布する。の。地方自治体 による在宅介護の時間当た り費用 (中位数)は、12ポ ン ド50セ ントで「ある。地方 自治体 による在 宅介護の費用 は、 日曜 日について言えば時間当たり10ポ ンド10セ ントか ら同 じく20ポ ンド10セ

ントに分布する。つ。

.私たちは、介護の代替費用を導 くに当たって、民間部門の在宅介護 と地方自治体の在宅介護の費 (中位数)の平均数値を選ぶ。 これに従えば時間当たり9ポ ンド95セ ン トである。 この選択は、

看護作業のようなより高価な介護 とさまざまな市場で購入される介護費用 との均衡を突 き崩すこと になる。 しか し、 この選択は、依然 として控えめな推計である。ちなみに保健省の『作業履行アセ スメン ト構成』(PAF)は

2000年

度 の在宅介護費用 にっいて時間当たり 11ポ ンド

46セ

ン トと定

‑71‑

(6)

経済研究 8巻 1号

め る°の。

5。

在宅介護者 による援助についての再推計一 どのように算出 したか

『 世帯調査』

95年

版 は、週当た り介護時間別 の在宅介護者比率 についてより正確 な情報を提供 す る。 この情報 は、 これまでの作業を基 に開発 された基本モデルの構築を可能にする。たとえば2 つの レベルの介護時間、すなわち週当たり平均

30時

間 と同 じく

10時

間を基 にす る分析が、 これま でになされてきた。『世帯調査』

95年

版 は、在宅介護者の週当たり介護時間別分布、すなわち

4時

間以下、

5時

間以上

9時

間以下、

10時

間以上

19時

間以下、

20時

間以上

49時

間以下、

50時

間以上 の分布に関する情報を提供する。

私たちは、保険数理研究所 (IA)か ら刊行 された報告書0で用 い られ る方法を採用す る。私 た ちは、介護時間 ごとの在宅介護者数を週あたり平均介護時間によって乗 じ、 これによつて週当たり 介護時間の総計を導 く。私たちは、 こうして得 られた計数を時間当た り介護費用、すなわち時間当 たり9ポ ンド95セ ン トによって乗ず る。 これによって週当た り介護費用の総計を導 くことができ る。最後 に、年間の週数、すなわち

52週

を乗ず ることによつて、在宅介護者の介護代替費用 に関 する推計値 (年)を導 く。

6.介護費用の再推計 ;在 宅介護者の国による費用の節約をどの程度可能 に しているか

『世帯調査』 は、週

50時

間以上の介護を提供する

16歳

以上人 口をイ ングラン ド、 スコッ トラン ド及 びウエールズ全体で85万

5000人

と推計す る⑭。 この人 口規模 はヽ北 アイル ラン ドで3万

4825人

と推計 される°つ。か くして週

50時

間以上 の介護を提供す る人 口は、

88万 9825人

である。

時間当たりの代替費用 9ポ ンド95セ ン トとす るな らば、週

50時

間以上の介護を担 う在宅介護者に よる援助 は、年間

230億

2000万 ポン ドに値する。

       

20時

間以上

49時

間以下の介護を担 う在宅介護者 は、イ ングラン ドをは じめスコッ トラン ド及 びウェールズで

96万 9000人

、同 じく北 アイル ラン ドで4万

8754人

と推計 され る。 これ らの在宅 介護者が週平均

35時

間の介護を担 うとすれば、その代価費用は、年間

184億

3000万 ポ ンドである。

20時

間未満の在宅介護者 は、北 アイル ランドで

14万 8585人

と推計 される。時間数 は、 イ ン グランドをはじめスコットラン ド及 びウエールズに関す る『世帯調査』 とは異なって、 これ以上の 細分化 は不可能である。そこで週当 り平均

10時

間 とす ると、 これ らの在宅介護者 による援助の価 値 は、年間

7億

7000万 ポンドである。

10時

間以上

19時

間以下の介護を担 う人々は、イ ングラン ド、 スコッ トラン ド及 びウエールズ でおよそ

119万 7000人

である。 これを週平均

15時

間 とすればt年

92億 9000万

ポンドに相当す る。週

5時

間以上9時間以下の介護を担 う人々 も、類似の規模である。 これを週平均7時間 とすれ

‑72‑一

(7)

ば、彼女や彼 による援助の価値 は、年間43億

4000万

ポ ン ドであるも週4時間以下の介護を担 う最 後のグループは、

148万 2000人

の在宅介護者である。 これを週平均

2時

間の介護を担 うとすれば、

これ らの在宅介護者による援助は、年間

15億 3000万

ポン ドに相当する。

以上を合計すると、年間

573億

7000万 ポンドという値を得 ることができる (表

1)。

この計数 は、

6年前の人 口統計の利用による結果である。より複雑な障害を抱えて地域 に暮 らす人々は、 この

6

年間に増えている。

在宅介護者 の代替費用の分析

在宅介護者の週平均介護時間 介護の代替価値

50時

間以上 (1)

35時

(1)

10時

(2)

15時

(3)

7時

(3)

2時

(3)

230億 2000万

ポ ン ド

184億 3000万

ポ ン ド

7億7000万ポ ン ド

92億 9000万

ポ ン ド

43億 4000万

ポ ン ド

15億 3000万

ポ シ ド

 (4)

573億

7000万 ポン ド

(注)(1)北 アイル ランドを含む。

(2)北アイル ランドのみ。

(3)北アイル ランドを除いてイ ングランド、スコットランド、 ウエールズ。

(4)上の表 における計数 は、 四捨五入 によると思われる。本文を元 に計算すると上か ら順 に 230億 1977万 2750ポ ン ド、184億 2951万 486ポ ン ド、7億6876万 8740ポ ン ド、92億 8991万 7000ポ

ンド、43億 3529万 4600ポンド、15億3357万 3600ポンドである。また、合計は、573億 7683万

7176ポ ン ドであり、表中の計数を合計 しただけで も573億 7000万 ポン ドである

(こ

の注 (4) のみ訳者による)。

.在宅介護者による援助の価値ぃ、なぜ増加したか

在宅介護者 による援助の費用 は、わずか8年間に

230億

ポ ンドない し68%以上増える (表2)。

代替費用の上昇の一部 は、在宅介護者による援助の価値の目立 った上昇による。保険数理研究所の モデルは、時間当たり7ポ ンドを介護の代替費用 として採用 したが、私たちは、8年間における在 宅介護費用の上昇分42%に相応す る時間当たり9ポ ンド

95セ

ン トとの計数を用いる。

他の上昇要因は、 い くつかに分 けて説明することがで きる。 まず、モデルは、『 世帯調査』か ら 得 られた新 しい資料 に対応する。 また、人 口構成 は変化を してお り、 さらに、地域で提供 される介 護量 は増えている。最後 に、介護の費用 は、数年来上昇 している。1985年 以来、高齢者人口は増 加 し、保健サービスの改善とともに重度の障害を持ち、 また、慢性疾患を患 う人々が、今 日では以 前 よりも長 く地域において暮 らせるようになってきた。

最初の推計が行われ、その結果が公表 された

1993年

は、国民保健サー ビスとコ ミュニティケア

‑73‑―

(8)

経済研究8巻1号

在宅介護者 による援助の経済的価値

(単位 ;人 、

10億

ポン ド

)

在宅介護者数 経済的価値

(93年 推計)(1) 経済 的価値 (2)

価値の変動

((2) 

 .(1))

イ ングランド ゴヒアイルランド ス コ ッ トラ ン ド ウ エ ー ル ズ

4990313 232164 534826.8

37642

27.66 1.29 2.96 2.09

46.68 2.17 5.00 3.52

19.02 0.89 2.04 1.44

6133735 34.00 57.37 23.38

(注)(1)在宅介護者による援助の価値34億ポンドをもとにする。

(2)同じく570億ポンドをもとにする。

に関する 1990年 法が施行 されて、高齢者 と障害者が長期滞在施設や病院か ら地域へ と移 る動 きが 加速 された年で もある。障害や慢性疾患を抱える人々の多 くが、今 日では自分の住居 に暮 らす。最 近の統計の示す ところによると、地域において提供 される在宅介護サー ビスの時間は増えているも のの、サービスを受給する人々の数 は、減少する。在宅介護サー ビスの時間は、イングランドのコ ミュイティケア統計の示す ところによると、

1992年

か ら

2001年

にかけて71%の増加であるもの の、サー ビスを受 ける世帯数 は、同 じ期間に88%の減少である°の。スコットランドについていえ ば、在宅介護 サー ビスを受 ける高齢者 は、

1998年

か ら

2000年

にか けておよそ13%の減少であ る。。 これの意味するところは、在宅介護者 による以前 にも増 した介護の提供、 これである。

『 世帯調査』

95年

版か らは、在宅介護者 によるよ り多 くの援助 とい う方向を読み取 ることがで きる。在宅介護者の規模 は、1985年 と

95年

とで ほぼ同 じである。 しか し、相対的に長 い時間を介 護 に当てる在宅介護者の比率 は、 この

10年

間 に増えている。週4時間以下の介護を担 う在宅介護 者 は、

85年

に全体の37%を占めていたものの、

95年

には26%に低下す るも しか し、週

20時

間以

49時

間以下の介護を担 う者 は、

85年

10%か

95年

17%へと増えている⑩。 この傾向は、

1993年 における施設介護か ら在宅介護への転換を考えるな らば、驚 くに当た らない。

8̀在宅介護者による援助の価値について比較する

在宅介護者の援助に関する最 も控えめな推計でさえ、その費用 は、保健及び社会サー ビスに費や される政府支出に匹敵す る。 イ ングラン ドに投 じられる保健省の財政支出は、

2001年

度 におよそ

460億

ポン ドである°の。地方自治体社会サービス部は、

2001年

度に

90億 9700万

ポンドを年間予算 として計上す る°。北 アイル ラン ドの保健

,社

会サービス予算 は、

2001年

度 に

20億 3000万

ポ ン

ドである。 スコッ トラン ド政府の保健サ‐ ビス予算 は、

2001年

度 に

60億 1300万

ポン ドであ り、

‑74‑―

(9)

同 じく社会事業サー ビスのそれは、

50億

ポン ドである°つ。 ウールズでは、

2001年

度 の保健予算 と して

30億

ポン ドを計上する。

以上を合計すれば

2001年

度 に保健予算 として投 じられるのは、

570億

ポ ン ドであり、 これは、

在宅介護者 による援助の価値に等 しい。

2001年

度 における介護費用の上昇、 な らびに日曜 日や平 日の夕刻など通常のサービス提供曜 日あるいは時間帯以外における援助の費用を考慮するならば、

在宅介護者 による援助 は、保健及び社会的介護 に投 じられる金額を上回る。

「私たちは、長 くて厳 しい介護 とこれに伴 う身体的・ 精神的な重圧を負 うことによって、国富の 節約を可能にする。私たちの国への寄与にもかかわ らず、手にする給付ははるかに低い」

(ロ

ジャー、

48歳

、 リバプール市在住)。

9.介護の人 口統計学

長期 に亘 って疾病を患 う人々は、高齢者の増加 とともに疾病率が同一の場合でさえ、1991年 の

642万

人か ら

2037年

の 1020万 人へ と増える見通 しである②。 これにつれて在宅介護者数は、英国 在宅介護者協会の調査研究報告書 によればおよそ

600万

人か ら

2037年

には

910万

人へ と増える。

しか し、親戚や友人 に無償の介護を提供する人々は、介護比率が同 じままで推移するならば

210万

人不足するであろう。在宅介護者の提供する介護の代替価値 は、向こう

20年

間に障害を持つ

60歳

以上の人々の増加に沿 って上昇するであろう。

10.予測は、 どの程度変化するか

在宅介護者あるいは障害を抱える人々の規模 とその変化に関するすべての予測は、一連の仮定を もとに行われ、 これ らの仮定 は時 とともに変化することもある。たとえば介護の供給量、すなわち 在宅支援 は、在宅介護者に求め られる投入量の減少 につれて増えるであろう。 しか し、現在の傾向 はこれと反対の動 き、すなわち、在宅介護を担 う職員の採用が難 しくなり、その定着にも問題を抱 えるという状態である6これは、 ウェールズはもとよリイギ リス全体で観察される事態である。人 口の全般的な健康状態が改善 され、あるいは早期の検診や治療が進むならば、たとえばァルッハイ マー病 についての適切な治療のょぅに障害に伴 う費用をかなりのところ減 らすことになろう。にも かかわ らずく これ らの事例 と実績は、現在か ら将来にかけての計画の必要性を政策立案者 と一般開 業医へめ戒めとして示す、 ということである。

11.政策立案者 と一般開業医に対する政策的な含意

在宅介護者 による援助の価値 は、1989年 以

.来

在宅介護者の提供す る介護を他の介護諸形態 と量 的に比較するために算出され用いられてきた。 これは、 コ ミュニティケア改革の法的な拠 り所であ

‑75‑―

(10)

経済研究 8巻1号

る国民保健サー ビスとコ ミュニティケアに関す る 1990年 法への対応 として着手 された作業のひと つである。 この法律 は、在宅介護者の諸団体による強力な運動にもかかわ らず、ニーズ 0ア セスメ ン トの権利を在宅介護者 に付与す ることにとどまり、慢性疾患をはじめ老齢及び障害を抱える人々 を地域で支える在宅介護者の役割を一部承認 したに過 ぎない。

在宅介護者の担 う介護の価値の承認 は、その後改善 され、 これに沿 って在宅介護者 を支援す る諸 措置が とられている。在宅介護者の役割を承認する動 きは、 イギ リス全土で高まりを見せ る。政府 は、『 在宅介護者のための全国戦略』を1999年 2月 に公表 し、 この中で在宅介護者を介護 のパー ト ナーとして承認する。その後、 ウエールズで も『 在宅介護者戦略』が公表される。 これ以降、在宅 介護者の休息に使途を限定 した財源を含めてい くつかの措置が取 られ、 さらに、在宅介護者 の諸権 利 を拡充す る。北 アイル ラン ドにおいては、在宅介護者の支援を目的にす る法律が、

2002年

に議 会で可決 され、同 じ年 に『在宅介護者戦略』が策定 され公表 される。スコットランドにおいて も、

在宅介護者の承認が進んでいる。『 在宅介護者戦略』が 1999年 11月に公表 されるとともに、 コミュ ニティケアと保健に関する (ス コッ トランド)2002年法が制定 され、在宅介護者のアセスメ ント 請求権な らびにアセスメ ントに関す る情報権 とをこれによって認 めるも

在宅介護者 による援助の価値 とその上昇 は、政策立案者にとって重要 な意味を持つ6在宅介護者 は、地域の介護を担 うに当たって、介護のパニ トナーとして尊重され処遇されなければならない。

保健サー ビス及び社会サービスは、今 日ではより多 くの人々が知 るように在宅介護者 による援助 な しに機能 しない。 もとより在宅介護者 は、彼女や彼のニーズと考え方が無視 され、必要であると感 ず る支援 さえ提供 されない、 と感 じ取 っている。

在宅介護者が介護のパー トナーであ り、彼女や彼 による援助を当てにす ることは、介護の水準 に 関す る選択を認めないことと同義ではない。障害を抱える人々は、彼女や彼の住む場所や介助の方 法について選択で きるようでなければならない。

在宅介護者が援助の提供を自発的な意思の もとに希望す るな らば、彼女や彼が安全に介護を担 い 続 け、 こうした下で家族 あるいは障害を抱える人々がサービスを受 けるよう以前 にも増 して関心が 払われて しかるべきである。在宅介護者が病気 にかか るな らば、彼女 もしくは彼の代替費用 は、か なりの金額に上 る。かな りの時間を介護 に費やす人々の半数以上 は、調査研究の示す ところによる とス トレスか ら軽度の病気を患 って治療を しなければな らない状態にあり、同 じく半数 は、介護を 担い始めて以来身体的な損傷を抱える)。 かなりの時間を介護に費やす人々は、他の調査研究によっ て も健康に明 らかに否定的な影響を経験する(わ

これ らの諸結果は、変化する人口構成の文脈の中に位置付 けられて しかるべ きである。若い労働 力人ロー在宅介護者の最大のグループはこの階層に属す る一 は、高齢者人口に比べて減少す るであ ろう6在宅介護者が、仕事 と生活 との適切な均衡を図る政策 と租税制度の採用によって、短い時間

‑76‑―

(11)

働 きなが ら介護を担 うことができるな ら、人々は、その家族や配偶者あるいは友人のために介護を 続 けるであろう。英国在宅介護者協会の報告書 (『在宅介護者化の可能性』、

2001年

)の結論 のひ とつは、 もし在宅介護者を支援する諸措置が今 日採用 されないならば、在宅介護者の次の世代は、

その援助を継続 し得ないであろうということである。在宅介護者による援助への需要は、本報告書 に示すように向 こう35‑40年60%増加するであろうということである。サ‐ビスの拡充や人々 の保健状態の改善がなされないな らば、 さらに

340万

の人々が在宅介護者化する圧力の下にさらさ れるであろう(万)。

これ らの結論 は、在宅介護者の一部が絶えず流動状態にあるという事実 とも重なり合 う。毎年

30万

1000人 の在宅介護者が、推計 によれば介護の役割を新 しく担 う。女性が、

59歳

の誕生 日まで にかな りの介護を担 う確率は、五分五分である。かなりの介護を担 う確率は、男性についてやや低 いとはいえ、それで も

74歳

の誕生 日までに五分五分であるの)。

在宅介護者の健康 と暮 らしの状態を改善するための戦略は、介護の否定的な諸側面を軽 くするこ とにも焦点を当てなければならない。介護の経済的な意味に関する調査研究によれば、56‑60歳

層に属する在宅介護者の78%は、介護のゆえに仕事をやめてお り、すべての回答者の

10人

8人

近 くは、在宅介護者 になって以来経済状態を悪化 させたと答えている②。在宅介護者の経済状態は、

かなりの時間の介護を

5年

間にわたって続 けた後 に目立 って悪化する②)。 同 じ調査は、回答者の

3

人に

1人

が所得補助を受 け、同 じく

5人

1人

が家計簿の帳尻を合わせるために食料費の切 り詰め、

さらに、3人

1人

が光熱水費の支払いに苦労を した、 と伝えている。在宅介護者 は、生活を送 る ために十分な収入を手 に しなければな らない し、彼女や彼の年金権は、保護されて しかるべ きであ る。そうした状態が担保 されるな らば、たとえ働 きなが ら介護を担おうとも、老齢退職期に貧困に 陥ることはない。

12.結

在宅介護者 による援助の価値の

pll的

とも言える上昇 は、私たちの国の経済が在宅介護者による介 護 に依拠する範囲 とその大 きさについて、政策立案者 と一般開業医に警鐘を鳴 らすことになった。

たとえわずかな規模の在宅介護者が、疾病や支援の不足のゆえに介護を断念するならば、その影響 は、経済の次元において深刻である。在宅介護者 とその役割を承認 し支援することは、将来にわた る人口構成の変化を考慮 に入れるな らば、いつにも増 して重要である。

統計上の要点

・ 在宅介護者による援助 は、年間

574億

ポ ン ドに相当する

6

0イギ リス政府 は、

2001年

度 に総額

570億

ポ ンドを保健に費やす。

・ 在宅介護者による援助の価値は、8年間におよそ70%上昇する。

‑77‑―

(12)

経済研究 8巻1号

・ イギ リスではおよそ

600万

人の在宅介護者を数える。

・ 毎年

30万

1000人 が在宅介護者 として登場する、 と推定 される。

・ 在宅介護者の比率 に変化がないとすれが、

2037年

までに

210万

人の在宅介護者不足が生 じるで あろう。

・ 在宅介護者になるのは、現在のところ5人3人である。

勧告

一すべてに対 して

・ 在宅介護者は、就業者で もな く、 また、失業者で もないが、社会に独 自の貢献を行 うとしてその 役割を承認 され、新 しい社会的な地位を付与 されて しかるべ きである。

一政府、行政官及び公共サービスに対 して

・ 障害を持つ人 と在宅介護者向けの柔軟な支援サービスに十分な資金が投入 されるように、長期計 画で定め られなければならない。

・ すべての保健及び社会サービスは、在宅介護者を対象にする支援のニーズを確認するとともに、

ふさわ しいサービスを提供 して在宅介護者化に伴 う否定的な影響を最小にす るように しなければ な らない。

・ 自立生活 と公的保健戦略は、疾患の発症率を縮小するとともに、地域 における障害者の自立を最 大化することに、引き続 き優先的な位置を与えなければな らない。

・ 保健及び社会的介護のための資金 は、在宅介護者への援助のニーズを考慮 して見直さなければな らない。

  

一中央政府

0租

税 と諸手当の制度 は、介護責任を負 う人々が結果 として貧困に直面 しないように保障 しなけれ ばな らない。

・ 租税 と諸手当の制度 は、在宅介護者が望むな らば有給の仕事にとどまり、あるいは復帰する機会 を広げるものでなければな らない。

・ 諸手当の制度は、在宅介護者の貢献を承認 して貧困状態で生活することがないように しなければ な らない。

一保健・ 社会介護サービス

・ 公的なサービス、 とりわけ保健・ 社会介護サービスは、在宅介護者による援助 とその価値を認め るとともに、彼女 もしくは彼が介護を担 うかどうかについての自主的な選択を担保できるように しなければならない。

0公

的な機関は、在宅介護者が健康であり、かつ安全 に介護 を担えるように支援 しなければな らな

‑78‑―

(13)

い 。

・ 在宅介護 サー ビスの費用 など介護 に伴 う諸費用 は、介護の長期に亘 る経済的な影響 を弱 くす るた め に廃止す るか、 もしくはかな り減額 されなければな らない。

一雇 い主

・ 雇 い主 は、在宅介護者 とりわけ女性 の介護者 を支援す ることにつ いて明文規定 を含む仕事 と生活 の均衡 の取れた政策 を採用 して、彼女 もしくは彼が、有給 の仕事 と介護 とを両立す るための多様 な選択肢 を提供 しなければな らない。

(注

)

(1)Rowlands O(1998),Informal carers―

results of an independent study for the Department of Health as part Of the 1995 General HousehOld Survey, Office of National Statistics,

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Survey, Informal carers report。

(2)Hirst M (1999),The Risk Of infor]mal care;an incidence study,Social P01icy Research Unit, University Of York。

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(8)Informal carers, op. cit..

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(11)Unit cOsts Of Health alld SOcial calre,Op.cit..       

(12)National Statistics(October 2001),Social ser宙 ces performance assessment framework indicators, 2000‑2001, ]Department of Health and Government Statistical Service.

(13)Fin田

lcing long―terln care in Great Britain,Opo cit..

(14)Informal carers, op. cit..

(15)Health and SOdal wellbeing Survey, Informal ctters report, op. cit..     

(16)Department of Health(2002),COmmunity care statistics 2001;hOme care services,

‑79‑二

(14)

経済研究 8巻 1号

England, Annual Statistical return HHl.

(17)Audit Scotland(2001),Homing in on care;a re宙

ew of home care ser宙ces for older people, Audit Scotland, Edinburgh.

(18)Informal carers, op. cit..

(19)No。

10 Downingも

treet website.

(20)(2002)L6cal Authority Social Services Budget Survey,Local Governlnent Associati9n, AssOciation of Directors of Social Services,Society of Country Treasures/Society 6f Municipal Treasures。

(21)Scottish Executive (2001), The Scottish budget; Annual expenditure report of the Scottish Executive and Scottish Local GovernΠ lent financial statistiёs 1999/2000.

(22)George M  (2001), It could be you―  a report on the chances of becorning a carer,

Carers UK.

(23)Henwood M (1998), Ignored and invisible; carers' experiences of the NHS, Carers Natiottal Association(now Carers UK).

(24)Hirst lⅥ (1998),The Health of informal carers;a longitudinal analysis,Social P。 licy

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(25)It could be you, op. cit..

(26)Hirst M (1999a), The Risk of inforrrlal care; an incidence study, Social Policy Research Unit,Un市

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(27)Holzhausen E et PearlFrlan V (2000),Caring on the breadline― the financial implications

of caring,Carers UK.

(28)Ibid and Howard M  (2002), Paying the price― carers, poverty and social exclusion, Child Poverty Action Group in association With Carers UK.

付表 1.在宅介護者の 日誌 :一日を通 してみた介護 につ いての例証 事例 その1

デイ ブとマ リーは、 ウエールズ南西部のデイベ ド州 に暮 らす。 マ リーは、多重硬化症 を患 う。

以下 は、 デイ ブの

24時

間で あ る。

今 日は、悪 い状態 の一 日で あ る。

7時

30分   起床 して犬 を放 してや り、家 の中を片付 ける。

8時15分   マ リーをベ ッ トか ら起 こして、彼女 に シャワーを浴 びさせ る。

8時45分   マ リーに洋服 を着せ、一杯 のお茶 を入 れ る。

‑80‑=

(15)

9時10分

  

寝具類を変える。

9時

25分

  

取 り替えた寝具を洗 う。

9時

30分

  

マ リーのためにもう一杯のお茶を入れる。今 日は悪い状態であることから、マ リー にタバ コの火をつけてやる。

9時

45分

  

郵便受 けをみる。

10時

    

ビデォテープに収録のオ リンピックの映像を見 る。

10時04分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

10時 11分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

10時 15分

  

再びオ リンピックの映像を見 る。

10時35分

  

洗濯をする。

10時50分

  

「便所 に行 きたい」 と言 うマ リーの声を聞 き取れなか ったことか ら、彼女が失禁 をする。彼女の洋服を取 り替える。

11時

    

汚れた服を洗濯機に入れて洗 う。

11時 10分

  

マ リーと私 自身のためにコーヒーを入れる。彼女の膀脱が痛むことか ら、買い物 に出かけるのをやめる。買い物 は他の日にする。

11時30分

  

マ リーの指がうまく動かないことから、私がマ リーのために宿題のタイプライター を打たなければな らない。

11時40分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

12時05分

  

ヤ リーを便所 に連れて行 く。

12時55分

  

タイプ打ちを終える。

13時

    

皮付 きの焼 きジャガイモを昼食 として食べ始める。

 1

13時09分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

13時30分

  

マ リァの昼食の介助をする。

13時50分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

14時

    

私たちは、再び勉強を始める。 マ リーのために教科書を読む。

     

14時 15分

  

マ リーを便所に連れて行 く(タバ コを吸 う)。

15時

    

マ リ‐を便所に連れて行 く。勉強を終えてコニヒーを飲む。

15時 10分

  

マ リーが眠ったので、私も日を閉 じる。

15時35分

  

便所 に行 く。

16時

    

コー ヒ‐を入れて、スコーンを食べる。

16時 10分

  

お皿を洗い、以前の洗い物 と一緒 に乾か してお く。

16時35分

  

便所 に行 く。

‑81‑

(16)

経済研究 8巻1号

17時

    

コーヒーを入れる。

17時02分

  

便所 に行 く。私 はテ レビを見なが らマ リーに話 しかける。 18時

    

マ リーが眠 ったので、私 は彼女 に毛布をかけてやる。

18時30分

  

夕食の準備をす る。

19時

    

マ リーが起 きたので、衣服を変えてや らなければな らない。

19時30分

  

夕食を用意 し、マ リーを便所 に連れて行 った後、彼女の食べ物を細か く切 ってや る。

20時45分

  

お皿を洗い居間 と台所 とをこぎれいにする。

21時30分

  

マ リーをシャヮーに連れて行 く。

22時 20分

  

マ リーの就寝を介助する。

22時30分

  

マ リーのためにコーヒーを入れる。

23時

    

マ リーを便所に連れて行 く。

23時40分

  

便所 に行 く。

0時15分

  

マ リーを便所に連れて行 く。

0時

50分

  

マ リーを便所 に連れて行 く。

1時

25分

  

マ リーを便所 に連れて行 く。

2時

    

マ リーを便所に連れて行 く。

2時40分

  

マ リーを便所 に連れて行 く。

3時30分

  

マ リーの足がぴ くぴ くと動 き、跳ね上がる。私 は、彼女のために彼女の足をマ ッ サージする。

4時45分

  

マ リーを便所 に連れて行 く。

6時

    

マ リーを便所に連れて行 く。

7時

45分

  

マ リーを便所 に連れて行 く。そうしてか ら私が起床す る。

事例その

2     

       ,

ジェニーの家族 は、イングランド北部のニューカ ッスル市の市内とその近郊に住んでいる。彼 女 は、精神障害を患いtてんかん患者で もある

36歳

の娘

Jの

介護 を担 う。彼女 は、 自閉症の11 歳になる孫息子Tおよび心臓疾患を抱え認識退行の症状を見せ る夫Eに対す る介助 も担 うも彼女 の介護役割は、彼女の表現に従えば「娘をはじめとする3人が忘れて しまう日々の生活について 介助 しなが ら、一方における記憶を刺激 して記憶の低下を防 ぐとともに、他方 における奇怪な精 神状態を落ち着かせることである。私 は、 しば しば難 しさを感 じなが らも、それ らに忍耐強 く対 応 しなければな らない」

      

‑82‑

(17)

7時

8時

夜明けのソヒ候を最初に見分 けるシャムネコに促 されて起床す る。夫Eの介護用の 靴を手に持ち、 シャ

.ム

ネコを外に出すためによろけなが ら階段を下 りる。皿を洗 い、何人分かのコマヒ 入れる。夫

Eの

介護用の靴を洗 って干す。薬 とシギワー、

それに衣服を確かめる。

Eの介護用の靴を寝室に持 ってい く。娘

Jを

起 こして、一 日

6個

と定め られた 錠剤の うちか ら最初の錠剤を彼女 に手渡す。彼女 はくベ ットにそのままいてよい かどうか私に尋ねる (彼女 は、 この質問を数年来毎朝決まって発 してきた)。

朝食を用意する。食器洗い機にある皿を片付 けてか ら、ひとしきリアイロンかけ をする。猫にえさを

,や

り、パ ンを焼 く。牛乳を取 り出 して、郵便受 けをみる。

Eのために新聞を買 うべ くスーパ ーマーケ ットに出かける。 2日 前にお願いし ていた2度目の処方箋を取 りに医院に出向き、その後薬局 に向か う。処方箋を薬 局においてか ら、後で薬を手 に して帰宅する。

Eが、朝食を取 るために下 りて くる。私は、彼に新聞を渡 し、ニュースについ て話 しかける。英国放送協会の文字多重放送を見 るためにテレビをつけ、彼に活 気を与えるであろうと思 うことについて話 しかける。

Jが起 きる。朝食に何を食べるかについて尋ねる。彼女が、今 日どんな服を着 るか、そ して、私たちが彼女の兄弟を訪ねる予定の来週のことについて話 し合 う。

彼女 は、種無 しブ ドウ入 りの丸 いパ ンを焼 くかどうか、私に頼む前に、 しば しば 彼女の心持を変化 させる。今 日一 日の計画について話す。

台所 と居間の掃除をする。

Cさ

んが電話をかけてきて、夕方に彼女及びNさんと Tな らびに

M(9歳

の孫)の世話をす るかどうか尋ねる。私 は、「 世話をする」

と答える。

学校か ら電話があり、孫息子Tが学校で後ろか ら押 された後混乱状態にある、 と 伝えて くる。私 は、孫息子を喜んで迎えに行 くと伝える。私は、仕事申の

Cさ

Nさんに連絡をする。娘

Jを

車 に乗せ、孫息子Tを迎えに行 く。娘 と孫息子 は 音楽が好 きなので、車のラジオをつける。音楽を聴いていると私の心 も落ち着 く。

孫息子 は、私たちが家に戻 るまで何 も言わなか った。

Nさんか ら電話があ り、「学校か ら孫息子Tを連れ帰 らないように」 という。昼 食をみんなが希望 していることを確認する。 ミルクを飲む ことは大丈夫であり、

彼女の髪 もきれいにとかされていると言 って、娘

Jに

安心 させ る。ttEにサ ン ド イ ッチ、娘

Jに

トース ト、孫息子Tに トマ トスープと薄 く切 ったパ ンを、それぞ れ渡す。

8時15分

9時

9時45分

10酢 キ 30う

)

11酢

11酢

15多

}

12酢

‑83‑

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