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(2) 土地の有限性とである

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(1)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 農業における価値規定の特殊性 (1) 一一いわゆる[虚偽の社会的価値 J ( e i n. f a l s c h e rs o z i a l e rWert) について一一一. 漆 原. 綬. 1 . 差額地代第 1形態と問題の所在 1 . 差額地代は,本来の農業においてみられるだけでなく,工業や鉱山業やさら に建築地においても生じ得るのであるが,ここでは,本来の農業においてみら れるものだけをとり上げることにしよう。また,本来の農業における差額地代 には,周知のように,第 1形態と第 2形態があるが,第 1形態だけを考察の対 象とする。 第 1形態の差額地代が形成されるための 1つの原因は, (1)土地の等級差と. (2) 土地の有限性とである。「差額地代は,そのとまどきの与えられた耕作発 達程度にとって与えられたものである土地種類の自然的豊度の相違(ここでは まだ位置は考慮に入れな Lウから生ずる。つまり,最優等地の広さが限られて いるということから,また,同置の資本がいろいろに違った種類の土地に投ぜ られなければならず, したがって種類の違う土地は同置の資本にたいして不等 畳の生産物を生むといろ事情から,生ずるのである。」 土地には優等地や劣等地といった等級上の差異があるが,このよラな等級上 の差異をもたらす要因は,土地の自然的豊度と位置である。しかし,ここでは, マルクスにならって位置を捨象し,自然的豊度によってのみ等級差が決定され (1) ドイツ社会主義統一覧中央委員会付属マルクスニレーニン主義研究所編集,大内兵 5 巻第 2分冊,大月番庖, 1 9 6 7 年 , 衛,細川嘉六監訳『マルクス二エシグノレス全集』第2 8 4 9ページ。 K a r lMar,x ‑ F r i e d l i c hE n g e l sW e r ' k e,Band25,I n s t i t u t ef uI ' Ma I 'x ismus‑LeninismusbeimZKde I ' SFD ,D i e t zVe r 1 ag,S .6 7 1 . (以下『マルクスコ エシグノレス全集 j 2 5b,8 4 9( 6 7 1 ) ページと略記。〉 司.

(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 88‑. 8 8. 第5 3 巻 第 1号. るとしよう。 ところで,同じ種類の生産物一ーたとえば小麦一一ーを得るために同じ面積の いろいろな土地に等昂ーの資本を投下しても, したがってまた,同額の生産価格 (投下した資本に平均利潤を加えたもの)を要費しても,諸土地の自然的豊度が 異なっているために異なった分量の生産物が生ずる。いいかえれば,各等級地 ごとに生産物単位当りの生産価格は追ってくる。このよろな差異をもたらす自 然的豊度は,気候などの契機を別とすれば,いろいろな土地が本来的にもって いる化学的組成(植物の栄養素〉に依存してし、る。 もちろん,各等級地の現実の有効な豊度は,. i これらの栄養業が植物の栄養に. とって間化しやすい直接に利用しやすい形になっているか,そうしにくい形に. γであろろ。いいかえれば,農業の化学的. なっているかによって,違っ℃いる. 発展や機械的発展などによって,土地の豊度は異なってくるであるち。だから, 経済的豊度としてみれば,土地の豊度は,たんに土地が本来的に含んでいる化 学的組成だけでなく,農業の技術的な発展などによっても決定されるといわな ければならない。「経済的豊度として見れば,労働の生産力の発展も,すなわち ここでは土地の自然的豊度をすぐに利用できるものにする農業の能力一一発展 段階の相違によって違っ℃くる能力一ーも,土地の化学的組成やその他の自然 的な属性と問機に,いわゆる土地の自然的豊度の 1つの契機だということであ る 。j このように,自然的豊度の追いによって,土地には優等地とか劣等地といっ た等級差が生ずることになるが,次に注意すべきは,この優等地の面積は制限 されていて,資本によって自由に作り出し利用することのでさないものである ということである。このことは,私的生産の支配する資本主義経済のもとで は,優等地を利用している資本家は,他の資本家をその利用から排除し,それ を独占的に利用し得ることを意味する。レーニシのいわゆる「土地経営の独. (2) r マルクス二エシグノレス全集j 2 5 b,8 3 9( 6 6 4 ) ベ ージ。 (3) r マルクスニエシグノレス全集j 2 5 b,8 4 0( 6 6 5 ) ページ。 l.

(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 農業におげる価値規定の特殊性(1). 8 9. ‑89‑. 占Jが生ずるわけである。もちろん,優等地の制限とか「土地経営の独占 Jが われわれにとって問題になってくるのは,物理的な意味でのそれではなし. ζ. こでも,現実的な,経済的な意味でのそれである。優等地を人為的にふやすこ とができないために,需要をみたすには最劣等地の耕作が必要不可欠であると いう限りで,はじめて優等地の制限性が問題となっ℃くるのである。もしも優 等地の生産物だけで需要をみたすことができ「るならば,なるほど優等地はつね に物理的には制限されているであろうが,現実的なあるいは経済的な意味での 制限性としてはあらわれないであろう。 土地の等級差と俊等地の制限性という原因から, しかしながらすぐに差額地 代が生ずるわけではない。それには,もう 1つの原因が存在しなければならな い。差額地代形成のもう 1つの原因をなしているものは,商品経済,したがって その最高の発展段階としての資本主義経済に特有の法則である市場価値法則で ある。あとでやや立ち入つてのべるよろに,資本主義経済のもとでは,同種の 個々の商品の生産価格 v : l,生産者ことにいかに異なっていても,同一部門内で の生産者たちの競争のために,一個同ーの大きさをもった一般的生産価格にも とづいて売られる。農業部面においても,土地の等級差や優等地の制限性には かかわりなし生産者聞の競争が行なわれるのであって,同種の個々の農業生 産物は,一個同一品の一般的生産価格にもとづいて売られるのである。かかる市 場価値法則が差額地代形成のためのもろ 1つの原因をなしているのである。差 額地代は, は ,. r 土地生産物が従わされる市場価値の法則」から生ずる。カクッキー. r 農業問題』のなかで,次のよろにいっている。「地代が対差地代である限. り,それは競争によって作り出され・・・・る。」レーニシもまた, U905 年一. νーニシ『農業問題と「マルクス批判家 Jj(ジ同腹共産党中央委員会付属マルクス= νーニシ主義研究所編集,マルクス = ν ーニシ主義研究所訳『レーユシ全集』第 5巻 ,. (4). 大月番庖, 1954 年 , 114‑115ページ〉。 (5) W マノレクヌ=エシグノレス全集J25b,8 5 2( 6 7 3 ) ページ。 (6) カクッキー,向坂逸郎訳『農業問題』上巻,岩波書庖, 1 9 4 6年 , 140‑141ページ。 Karl Kautlky, D i eA g r a r f r ' a g e ; Eine UbersicM u b ef' d i e Tende 舟z e ndef' modernen L a n d w i r ' t s c h a j ' t und d i eA g r a r t o l i t i k der S o z i a l d e m o k r ' a t i e, S t u t t g a r t,Ve r 1 agvonJ .H. W ,DietzNacht,1899,S .7 9 ..

(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑90ー. 第5 3 巻. 第 1号. 9 0. 1 9 0 7年のロ νア革命における社会民主党の農業綱領 Jにおいてi カワツキーの 主張を支持していよ; そこで次に,以上にみたよちな諸原因から, どのよろにして実際に差額地代 の第 1形態が形成されることになるかを,具体的な事例を用いて説明しておく ことにしよろ。 表. 「 ! ? B. 6 0. C. 6 0. D. 60. 自然的豊度の異なる 4種類の土地が耕作されていて (Aは最劣等地, Bはそ れよりも優等な土地, Cはさらにそれよりも俊等な土地,. Dは最優等地であ. る),各等級地の耕作面積は同じ(たとえば 1ヱーカーづっ)であると仮定され ている。また,同じ面積のいろいろに異なった土地には,同額の生産価格が要 費されるものと仮定されている(第 2欄〉。次に,同額の生産価格が要費されて いるにもかかわらず異なった分量の生産物が得られるということは,第 3欄に おいて表示されている。当然クォーター当りの個別的生産価格は違ってくるで あろろ。 A=60乙 1 9~グ, B=30ν リング, C=20ν リング, D=15V'リング。 だが,資本主義経済のもとでは, 同種の個々の商品は, 一個同ーの一般的生産 価格によって売られる。 この場合には, それは, A地の個別的生産価格クォー. 0V'リシグによって調節されるであろう (第 4欄の販完価格)0 i ター当り 6 地代 (7) ~ν ーニシ全集』第 13巻, 1 9 5 5 年 , 298ー299ページ。 (8) との表 Iとあとの表 I T,表班は,いずれもマルクスが作成したものであって『資本 rマルクスニエシグノレス全集,]25b,841( 6 6 6 ) 論』のなかに見出されるものであるが ( ページ以下),本稿では便宜上それをエシグノレスの地代表の様式 ( Wマルクス=エシグノレ ス全集~ 2 5b,9 2 3( 7 2 5 ) ページ以下〉にしたがって多少書き改めることにした。.

(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 91ー. 農業における価値規定の特殊性(1). 9 1. を生まない最劣等地の生産価格はつねに規制的市場価格である。」なぜなら,. B, C, Dといった優等地を人為的にふやすことができないために,需要をみ たすためには A地を耕作する て ,. ζ. とが必要不可欠だからである。この点、につい. レーニンは,次のようにのべている。「土地の有限性のために,. 穀物価格. は,中位の質の土地における生産条件によってではなく,最劣等の耕地におけ 也は,第 5欄 る生産条件によって決定されるよろになる。」したがって,各等級 i で示されるような収益をもたらすことになる。そこで,それぞれの収益から,. 0 ν リングを,すなわち資本家的生産の限界をなす投下資 要費された生産価格6 本と平均利潤をさし引けば,第 6闘 で 表 示 さ れ て い る よ う な 超 過 利 潤 が 生 ず る。これが第 1形態の差額地代とよばれるものである。 以上のように,第. 1形態の差額地代は, B, C, Dといった優等地と最劣等. 地 A地とがあいならんで耕作されているが,. ζ れらの優等地だけでは需要をみ. たすことができず,最劣等地の耕作が必要不可欠であるという事情のもとで, 市場価値 法則が作用するということから形成されるものである。 A. (9) ~マルクスニエシグノレス全集J 25b,849 ( 6 7 1 ) ページ。 ( 1 0 ) レーニシ『農業問題と「マルクス批判家 J J l/ーニシ全集』第 5巻 , 1 1 4ページ)。 ( 1 1 ) これを一般的に示せば,次のようになる。. r c. み種類│問問£L血盟問 l FF 万万三互‑ A B C D. P P P l P. i. Q Q' Q" Q川. P /Q P/Q P/Q P/Q. l. P /Q > くQ IP/QxQ ‑P I l'/QxQ' I l '/ QxQ' ‑P P/QxQ" IP/QxQ"‑P I P/QxQ ' "I P/QxQ川 ‑P !. 日. … … ‑. / Q〈Q + │行 Q ( ' ' ' )Q + │ I4P Q +. 差額地代は,各等級地の収益から実際に要紫した生産価格をさし引いたものに等し い。だが,̲P/QxQ'‑P=P/Q(Q'‑Q), P/QxQ"‑P=P/Q(Q"‑Q),P/QxQ川 ‑P=P/Q(Q'"‑ Q) であるから,差額地代は,優等地と最劣等地の間の生産物の差 額に,あるいは,収益の差額に等しい。あるいはまた,それは,優等地の個別的生産 価格と市場生産価格(または最劣等地の個別的生産価格〉との差額に優等地の生産量 をかけたものに等しいということもできる。 P/QXQ人 ー P= Q'(l'/Q̲P/ Q ' ), P/Qx Q"‑P=Q"(P/Q̲P/Q"),l'/QxQ川‑P=Q川(P/Q̲P/Q川〉だからである。.

(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑92ー. 第5 3 巻 第 1号. 9 2. 2 . 以上は,だが差額地代第 1形態の法則そのものにすぎないのであって,われ われはさらにそれを一層具体的に展開しなければならない。事実マルクスは, 『資本論 j のなかで,. それを次の 3つの方向において具体的に展開し,. 発展せ. しめている。 第 1に。諸等級地は最初からあいならんで耕作されていたわけではなく,ど れかの等級地からはじまって順次に他の等級地に耕作が及んでゆくのであり, とのようにして上の表に示されているような耕作状態があらわれたのである。 マルクスは, この動態的,過程的な耕作の運動からさし当りは静態的,結果的 な耕作状態をとり出し,あるいはそれを抽象的に想定した上で,差額地代の法 則そのものを引き出し,定式化したのである。だが実際には,現実は動態的, 過程的なものとしてのみ存在しているのであるから,われわれは次iC,実際の 耕作の運動をとりあげ,そのなかで理論の一層の具体化をはかるようにつとめ なければならない。すなわち差額地代が実際にはどのようにして形成されるの か,実際にはそのためにはどんな条件が必要とされるかといった問題の考察を しなければならない。そこでマルクスは,すすんでこの問題をとり扱うのであ る 。 マルクスは,現実の耕作の運動を, (1)上昇順序, (2)下降順序, (3)交錯 の場合,の 3つに大別して考察をすすめる。そしてかれは,ある場合には特別 の条件が必要とされるが,いずれの場合にも差額地代は形成されるという結論 を引き出している。 マルクスの説明は,大要以下のごとくである。 (1) 上昇 1 ] 順序の場合には,過程は Aからはじまる。最初需要が 1クォータ ー,生産量もちょうど 1クォーターであって,市場生産価格はクォーター当り. 6 0 ν リシグであった。次に,需要が 3クォーターになり,そのために市場価格 が騰貴したが,新らたにちょうど 2クォーターをもたらす B地が耕作されるに いたったとしょ打市場生産価格は再たびクォーター当り 6 0 ν リングになり, ( 1 2 ) との場合,新らたに耕作されるにいたった B地の生産量が 3クォーターかそれ以上.

(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 9 3. ‑93ー. 農業における価値規定の特殊性(1). B地には 6 0 ν リングの地代が生ずるであろう。このようにして,耕作は, C地,. D地に及んでゆき,市場生産価格は;クォーター当り 6 0 ν リングに維持されるに もかかわらず,次々に新らたな耕作地に地代が形成されることになるであろ う 。. (2) 下 降I } 民序は, D地から出発する。最初需要は 4ク 1 ーターであって, 4クォーターをもたらす D地が耕作されており,市場生産価格はクォーター当 り1 5乙/リング ( 6 0i/リング十 4クォーター)であった。次に需要が 7クォータ ーにふえたために. 3クォーターを生む C地が新らたに耕作されるようになる. 0 ν リング ( 6 0i/リン とすれば,いまや市場生産価格は C地の個別的生産価格2 グ γ3クォーター)によって調節されるようになる。そこで B地には 2 0 ν リン グの地代が生ずるであろう。同じよラに,需要が増大し C地 や D地?と耕作が広 がってゆくにつれて,市場生産価格は, 4 5乙 / 0Yグ , 6 0i/リングへとしだいに 上がってゆき~,. D : t 也の地代も 2 0 ν リングから 6 0志/リング,. さらに 1 8 0νoング. へと増加してゆくととになる。(同様に, B地の地代も増加するであろう:?. (3) 次に,最初需要が 1 0クォーターで,表 Iのような耕作状態であったが, 7クォーターに増加したとしよう。そして,従来の最劣等地 Aは 需要がさらに 1 これまでと同額の生産価格で 1 %クォーターをもたらす別の土地 Aによってお しのけられるにいたったとする。(あるいは,従来の A地の豊度がとの程度にま で改良されて高度化したと仮定してもよい。)さらに, A とBの聞に A'地が,. B とCの聞に B'地と B"地が導入されるにいたったとする。. 市場生産価格が. であって,それだけで需要を充足することができるものとすれば, A地は耕作されな くなり,市場生産価格は低下し, B地には地代が生じないととになるであるう。だか 也に地代が形成されるためには, B地の生産だけでは足りず A地の耕作が必要 ら , Br 不可欠であるという条件が必要とされる。(このような条件は!注 ( 1 6 )でのべたような 交錯の場合にも必要とされるであろう。〉マルクスは,この点l'L関して,次のようにの この場合には,土地 Aがいつまで引き続き規制j 的であるかといラことが最 べ℃いる or 優等地で生産される震にかかっているかぎりでは,最優等地で生産される穀物の価格 が規制的である。もし Bや Cや Dが需要を越えて生産するならば, Aは規制的ではな くなるであろラ。 J マルクス=エシグノレス全集 j2 5 b,8 4 9( 6 7 1 )ページ〉。 ( 1 3 )' W マルクス=エングノレス全集j 2 5 b,8 4 3 ‑ ‑ 8 4 4( 6 6 7 )ぺージ。 ( 14 )r マルクス二エシゲノレス全集 j2 5 b,8 4 2 ‑ 8 4 3( 6 6 6 ‑ ‑ 6 6 7 )ページ。. r c.

(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑94ー. 第5 3巻 第 1号. 9 4. 騰貴し, Ai 也の個別的生産価格(クオ ーター当り 4 5乙/リング〉によっ℃決定さ l. れるよろになるとすれば. A'以上の諸優等地には, 表 Eで示された額の差額. ( 1 5 ). 地代が生ずる。この場合には,明らかに,上昇順序と下降順序とが同時にあら われたのである。マルクスのいう交錯の場合である。「豊度の高いほうの土地か ら低いほうの土地への進行と,低いほうの土地から高いほうの土地への進行と が,同時に行なわれたであろう。土地 A 'は Aよりも豊度が高いが,. これまで. 耕作されていた B, C, Dよりも低い。また B' ,B " v 土A, A' , Bよりも豊度 が高いが, C, Dよりも低い。だから,進行の順序は交錯しているであろう。. Aなどに比べて絶対的に豊度の低い土地に向かつては進まなかったであろろ. 一 一一品一七トトUU. が,これまで豊度が最も高かった土地種類 Cや Dに比べれば相対的に豊度の低 い土地に向かつては進んだであろう。他方,絶対的に豊度の高い土地に向かつ ては進まなかったであろうが,. しかし,これまで豊度の最も低かった A地に比. べれば,または A とB とに比べれば,相対的に豊度の高い土地に向かつては進 んだであろう。」. o. 目印必的問間一純一. 一収作一一一. 1ノ 一 一 一. 一. 一. 一一. 一一. 一. E 一lli‑‑一 一. 一. 一 佃 シ 一 555 [一売り一 4 4 4 4 4 4 4 原作一一一. :一物一一一一. 4 Z. あ一一一. 格つ一一一 価ン一 0 0 0 0 0 0 0. 生作一一一. AUAJFD. 類一一. 土↑一. 雌一. ( 1 5 ) r マルクスニエシグノレス全集 j 2 5 b,844‑846( 6 6 8 ‑ ‑ 6 6 9 ) ぺ ージ。 ( 1 6 ) W マルクス=エシグノレス全集 J2 5 b,8 4 5( 6 6 8 ) ページ。 なお,交錯の場合には,マルクスのあげているような表 Eのほかに別の様式もあり l. 得るであろう。最劣等地と最優等地の聞に中間的な等級地が引き入れられた場合に は,優等地からこの中間地への下降と劣等地から中間地への上昇が同時にあらわれた のであって,これが表 Eの場合である。しかし,反対に,あとになって D地よりもさ.

(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 9 5. ‑95‑. 農業における価値規定の特殊性(1). 等級の異なる土地がある場合に,つねに最優等地がまず耕作され,. しだいに. より劣等な土地に移ってゆくといろ下降順序だけが行なわれるようにみえる が,実際にはそうではなくて上昇順序とか交錯の場合も生ずるのは,. マルクス. によれば,具体的には,位置,農業の化学的および機械的発展,土地所有など の要因のためである。 位置。たとえ豊度のよい土地とわるい土地が存在していても,位置がよいた めにまず豊度のわるい土地が選択され,あとで,位置の点ではわるいが豊度の よい土地に移行することがあり得る。「さらに,差額地代のこれらの 2つの違っ た原因である豊度と位置とは反対の方向に作用するとともありうるということ は,明らかである。ある土地が位置は非常によいが豊度は非常に低いというこ ともありうるし,またその逆の場合もありうる。この事情は重要である。なぜ ならば,それは,与えられた一国の土地を開墾する場合に良いほうの土地から 悪いほうの土地に進むこともあれば反対に進むとともありうるのはなぜか,と いうことを証明してくれるからである。」マルクスは,別のところでは,次のよ ろにものべ℃いる。「市場価格の上昇は・・・・・これまではその位置のために 競争から除外されていた豊度のより高い土地を耕作圏内に引き入れることがで さる・・・・・市場価格が上がらなくても,位置は交通機関の改良によっ亡よ り優良な土地を競争仲間に入れることができるのであって,それはわれわれが 北アメリカの大草原諸州で大規模に見るところである。また,旧文明諸国でも ころいうことは絶えず起きている。といっても,植民地の場合と同じ程度に起 きるわけではなし植民地では,クェークフィー Jレドも正しく言っているよう ( 1 8 ). i{:"位置が決定的である。」. らに優等な土地と A地よりもさらに劣等な土地とが同時に耕作されるよラになったと すれば,やはり, D地から優等な土地への上昇と A地から劣等な土地への下降とが同 時に進行したとみなされるべきであって,交錯の場合のもう 1つの様式をなしてい る。要するに,マルクスのあげ℃いる一連の表は,決してあり得るすべて の場合をつ くしているわけではない,といラことである。 ( 1 7 ) r マルクスニエシグノレス全集]25b,839 (663‑664) ページ。 ( 18 ) ~マルクスニエシグノレス全集 J 25b,9 8 6 ‑ ‑ 9 8 7( 7 7 7 ) ページ。 ω.

(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑ 96ー. 9 6. 第53{s第 1号. 農業の化学的および機械的発展。いろいろな土地の聞の自然的豊度が人為的 にかわり得るのであるから,最初に豊度のよい土地が選ばれたとしても,あと。 になって劣等な土地の豊度がもとの優等地にくらべてもよくなったとすれば, 次にはこの豊度の高くなった土地に移ることになり得ょう〉マルクスは,この点 について次のようにものべている。「自然科学や農学の発達につれて土地の豊度 も変わってくる。なぜならば,それにつれて,土地の諸要素をすぐに利用可能 なものにすることのできる手段が変わってくるからである。このよ ラにして, l. 以前は劣等地とみなされていたプランスやイングランド東部諸州の緩い質の土 地が近ごろでは一級地に上がってきたのである・・・・・他方では,その化学 組成のために劣等地とみなされていたのではなしただある種の機械的物理的 障害によって耕作を妨げられていただけの土地も,この障害を克服する手段が 発見されさえすれば,優良地に転化させられるのである。」 土地所有。古い国では,国有地や共有地などの形で土地の広大な部分が耕作 から遠ぎけられており,ただ偶然的にすこしづっ種々の豊度をもった土地が耕 作に出されている。「古い文明諸国では!どの国でも古い歴史的な伝統的な関係 のために,たとえば国有地や共同体所有地などの形でまったく偶然的に大き危 地域が耕作から遠ざけられていたのであるが,これらの地域はただ少しづっ耕 作にはいってくるだけである。このような土地が耕作されるようになる順序. 1 ;. は,その質によるのでもなしまったく外的な事情によって定まるのである〈. ( 1 9 ) r マルクスニエングノレス全集j 2 5 b,8 4 0( 6 6 4 ‑ 6 6 5 ) ページ。 ( 2 0 ) Wマルクスニエシグノレス全集J2 5 b,9 8 7( 7 7 8 ) ペ ージ。 ( 2 1 ) r マルクスニエシグノレス全集,]2 5 b,987‑988( 7 7 8 ) ページ。 なお,大内力氏は,理論的には下向順序に限定して差額地代を展開すべきであると している。「差額地代を抽象的・理論的に考えるばあいには,下向序列において考える のがとうぜんだということのいみもおのずから明らかになるであろう。というのは, すでに明らかにしたように,下向序列において考えるならば,われわれはいわば無条 件的に地代の成立を論証することができる。けだし,豊穣な土地から豊穣でない土地 への移行ということは,そのなかに,とうぜん豊穣な土地がすでに耕作されつくして おり,したがってそこに資本の独占を成立せしめつつ,より豊穣でない土地へと耕作 がすすんでいっているととを含蓄しているからである・・・・・/・・・上向序列を 考え,しかもつねにより豊穣な土地へと緋墳がひるがってゆくものと考えれば,それ だけではわれわれはけっし℃地代の成立を論託しえないのである。われわれはべつに, t.

(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 農業における価値規定の特殊性(1). 97. ‑97‑. 第 2に 。 わ れ わ れ は , 差 額 地 代 法 則 の 解 明 に 際 し て , A ,B,C ,D と い っ た 各既耕地の豊度は,. したがってまたとれらの土地の閣での豊度の相対的な相違. モれにもかかわらず優等地には,社会的需要にたいする相対的な関係からいえば,せ まい限度があり,劣等地の耕作が不可欠であることを,そのたびに仮定しなければな らない・・・・歴史的事実としては,このような仮定がじつは与えられた事実として 存在していた・・・・けれども,そのような歴史的事実が,すぐ理論の前提として与 えられていいものかどうかは問題であろう。抽象化された原理論のなかでも,むろん 一方におい℃は人口が増大し,農産物にたいす喝る社会的需要が増加してゆくことは, とうぜんに前提されなければならない。また他方では,土地の自然的条件には差があ り,一定の条件の土地には限度があるということも,いっぱん的に前提され tいると みていいであろう。こうした前提をふまえて考えるときには,さきにもふれたように, 優等地がまず限度につきあたり,ついでより優良でない土地に耕作がひろがってゆく という下向序列がとうぜん考えられることになるであろラ。それならば,右のような 前提だけでとうぜんに考えられる過程であるし,また差額地代の成立はそれによっ℃ 無条件的に論証できる・・・・・上向序列のなかで,差額地代の成立の必然性を論証 するということは,抽象的・原理的に規定された世界のなかでは図難なのであり,い わばより具体的な,膝史的に与えられた事実を密輸入しなければしえないことだとい 9 5 8 年 , 66‑6 わなければならない。 J(大内力『地代と土地所有 J東京大学出版会, 1 8 ページ)。日高普氏もほぼ向じ趣旨のことをのべ,大内氏の見解を支持している(日高 9 6 2年 , 5 1ページ〉。 晋『地代論研究』時潮社,1 た Lかに上昇順序 C地代が生ずるには,マルクスがのべているように一定の条件が 必要であるし,このような条件は『資本論』のような抽象理論にとっては偶然的であ る。他方,下降順序ではこのような条件は必要でない。しかし,ーたび下降順序を前 挺すれば地代は無条件に生ずるとしても,モもそも下降順序が行なわれるようになる こと自体,複雑な諸条件を必要とするのであって, 資本論』にとっては偶然的なもの としてあらわれる。いかにも優等地と劣等地が併存している場合に,まず優等地が耕 作され,それが耕作されつくすと劣等地に移行せさ、るを得ないようにみえるが,その 間に劣等地がこの優等地以上に改良されると,上昇 1 ) 鼠序が行なわれるであろう。だか ら,偶然的なものは一切抽象理論でとり扱うわけにはいかないとなれば,下│簿順序で さえとりあげることができないという結論になるであろう。 そもそも,マルクスは具体的な動態的,過程的な耕作の運動から静態的,結果的な 耕作状態をとり出し,抽象的に差額地代の法則そのものを規定したあと,次にふたた び具体的な耕作運動をとりあげ, ζ の法則がいかにして具体的に実現され執行される かについて考察するのである。この展開の仕方は 弁証法的であり必然的である。たし かに,多様な耕作の運動のどれがおこるかは偶然的であるが,このような性質のもの を抽象理論でとり扱うことは決して不都合ではないであろう。たとえば, 資本論Jの 0 主主では,需給変動に伴なう市場価格の運動がとり入れられて価値 第 3部第 2篇の第 1 マルクスコエシグノレス全集』第25 巻 論のより一層の具体的な展開がなされているが 第 1分冊, 1 9 6 6 年 , 2 18 ( 18 2 ) ページ以下),かかる展開の仕方は必然的なものであ る。しかもその際,需要が供給を乙えて市場価格が上る場合や反対の場合にわけて考 察されているが,このうちのどの場合が生ずるかは,非常に複雑な事情によるもので あって,そこではまったく偶然的なことがらでしかないのである。. r. I. r. a.

(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑98ー. 9 8. 第53 巻 第 1号. へは一定不変であると想定した。しかし,既耕地の豊度もその相対的な相違とい うことも決して固定的なものではないのであって,すでにのべたととからもわ かるように,可変的なものである。. 日般に,農業の化学的および機械的発展に. ともなって劣等地も優等地も豊度が高度化してゆくであろろ。しかも普通は, この傾向は優等地ほど強く進行するであろろ。そこでわれわれは,既耕地の豊 度が全般的に,ーせいに向上した場合に,. しかもそれがとくに優等地において. みられたとした場合に,差額地代は実際にどのような運動をするかといった問 題について考察しなければならない。マルクスは, w 資本論』においてこの問題 についての研究を行なろことによって,差額地代第 1形態の理論をさらにより 一層具体的に展開し,発展せしめたのである。. 一 一. マルクスは次のよろに説明する。あいかわらず A, B, C, Dの 4等級の土. 地が耕作されるが,すべての土地の豊度がーせいに高度化したために,しかも とくにより優等な土地ほど高度化したために,従来と同額の生産価格を要費す るにもかかわらず,各地の生産量がそれぞれ 2クォータ. 4クォーター. 7. クォーター, 1 0クオ ータ ーになるとする。. ン一. 代) 一 グ 一. 地収一. 益金. o. ︑︐一 nunu. /一 収(一. 肪似一一. 価ン一 0 0 0 0. E. 格 の 一. 表. 物一一. オ 一. 点 ノ 一. 産二 2 4 7 m. 60. 生ク一. 価シ一. 60. 格 め 一. 市一 A. t. l. 150. 一. 240. そこで,この生産の増大に応じて需要も増大し,クォーター当りの市場生産 ( 2 2 ) この点について,マルクスは次のようにのべている。「・・・・・農業で行なわれる 改良が巡った土地種類に不均等に作用し,この場合には最良の土地種類 Gや Dにたい. しては Aや Bにたいし℃よりも大きく作用するということである。これまでの経験が C rマルク 示したととろでは,反対の場合も起こりうるとはいえ,これが通例である。 J 6 6 9 )ページ)。 ス=エシグノレス全集 j25b,847 ( ( 2 3 ) r マルクス二エシグノレス全集~ 25b,846 ( 6 6 9 ) ページ。.

(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑99‑. 農業におげる価値規定の特殊性(1). 9 9. 価格が最劣等地 A地の個別的生産価格(ク才ーター当り 3 0i/リング)によって 調節されるとすれば, B, C, Dには,. それぞれ 6 0 ν リング,. 1 5 0 ν リング,. 2 4 0乙/リングの地代が生ずるととになるであろろ。市場生産価格は,. もとの水. 準(クォーター当り 6 0 ν リング)の半分に低下するが, B, C, Dの各地の地 代額は明らかにもとの大きさにくらべてそれぞれ増大している。このように, 既耕地の豊度が絶対的に,一せいに高度化したために市場生産価格は低下する のであるが,より優等な土地ほど豊度が高度化するとすれば,いいかえれば, 劣等地の豊度にくらべて優等地の豊度が相対的に大きくなるとすれば,俊等地 の差額地代は増大することになるのである。 ところで,マルクスによる以上の第 1と第 2の方向での具体化とそとでの結 論は,経済理論,. とくに地代理論の発展史においてまわめて重要な意義をもっ. ている。そこでついでに,こ の点について簡単にのべておくことにしよう。 i. リカードォは,差額地代をいろいろな土地の豊度の差から説明し,等量の資 本を充用することによって得られる生産物の差額であると規定しているが, ルクスによれば,これは正しい。また,. マ. リカードォは,豊度の不等を減少させ. るものは地代を減少させ,その不等を増大させるものは地代を増大させる傾向 をもっているとのべているが,これも正しし、。しかし,土地の豊度はつねに低 ( 2 4 ) w.マルクスニエングノレス全集~ 25b,847 (669‑670) ページ。 ( 2 5 ) r ・・・・地代は"常に 2つの等量の資本労働を投下することによって収めらるる 収穫の差額・・・・j(リカードォ,小泉信三訳『緩済学及び課税の原理』上巻,岩波 番庖, 1 9 5 2 年 , 6 1ページ。 D avidR i c a r d o,P r i n c i t l e sofP o l i t i c a lEconomyand T a x a t i o n,e d " ~y Go仰 e r, Bohn'sStandardLibrary,London,1 9 2 4,p.48. 以 1( 4 8 ) ページと略記)である。 下 , w原理J上巻, 6 ( 2 6 ) Wマルクス二エシグノレス全集 J25b,837 ( 6 6 2 ) ページ。 マルクスは, リカードォのこの定義に対して,正確には, 同じ面積の土地で」とつ rマルクスニエシグノレス全集J2 5b,837 ( 6 6 2 ) け加えるべきであったとのべている ( ぺー ジ)。 ( 2 7 ) r マルクスニエシグノレス全集 J25b,838 ( 6 6 3 ) ページ。 なお,この点に関するリカ ード 1 の一文は,以下のごとくである。「同じ土地若しく は新なる土地に投下せられた資本部分から取得せられる収穫量の不同を減少せしむる ものは,必ず地代を下降せしむる傾去があり,また苛もこの不同を増大せしむるもの は,必然反対の傾向を生じ,これを勝良せしむる傾きがある。j(~原理』上巻, 7 4( 61 ) ページ〉。 i. r. J. l.

(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑‑100‑. 第5 3 巻 第 1号. 1 0 0. 下してゆき,つまり農業はつねに退歩の一途をたどり,したがって市場価格が つねに!路貴してゆくことを前提としてのみ差額地代は形成されるとしている点 で♂〉リカードォは完全に誤まっている。現実には,下降j 肺 の ほ か に 上 昇j 順 序があり得るしラ土地の豊度が全般的に高度イじすることもある。それ故にまた, 市場価格は騰貴するだけでなく,不変のとさもあれば低下することもあり得 る。だが,このような場合でさえも差額地代は存在して L、るし,増大さえして いる。すなわち差額地代は,実際には農業の発渓・進歩と矛盾することなしに 存在し℃おり,さらには増大さえしているのである。かくし"{,. リカードォの. 理論は,かかる歴史的現実を説明することはできない。そこでマルクスは,基 本的にはリカードォの差額地代法則を受けつぎながら,その一面i 性を打破し, それを歴史的現実に調和する方向において発展せしめたのであって,ここにわ れわれは,上記の具体的展開のもつ巨大な理論的意義を見出すのである。ここ で,やや長文になるが,マノレクスの次の一文を引用しておくことにしよろ。「こ れによって,クエストやマノレサスやリカードォではまだ一面的に見られる差額 地 代 の 第 1のまちがった前提,すなわち,差額地代は必然的にますます劣等な 土地への進行または絶えず、低下して行く農業豊度を前提するということは,な ( 2 8 ) リカードォによれば,社会の進歩に伴なって,増加する人口を扶養するためには, 穀物の生産をふやす必要があるが,そのためには,ますますより劣等な土地を耕作閥 内に引き入れざるを得ない。すなわちかれは,農業というものは退歩してゆかざるを 得ない産業であると考える。モし tリカード才は,このような前提のもとでのみ差額 地代は生ずるものと考えるのであるぶ「若しも凡ての土地が同じ性質を有し,その量は 無限で,その質は均一であったなら,それが特殊の位置の利便を有せぬ限れその利 用に対しては同等の代僚の求めらるべき答はない。されは土地の使用に対して抑も地 代なるものが支払はれるのは,ーに土地が量において無限ならず,質において均一な らず,而して人口が増加し‑C,品質が劣るか, 或は位霞の比較的便利ならざる土地が, 〆耕作に召集されることにのみよるのである。社会の発途上に於て,第 2級の塗度を有 する土地が耕作せらるるに至るときは,地代は直ちに第 1級地に始まれその地代額 は,この両地の品質の差異に依存するであろう。/・。・・・人口増加の歩一歩と共 lZ:,一国はその食物供給を産出し得んが為に,必ず品質劣等の土地に頼ることを食余儀 なくせられ,それと共に凡てのより肥沃なる土地の地代は騰貴するであるラ。 J( r原 理J上巻, 59‑60( 4 6 ‑ 4 7 ) ページ〉。 なお,第 2形態の差額地代が追加投資の生産性がだんだんに低下してゆくととを前 提として生ずるというジカード式の所説については, r 原理』上巻, 6 1( 4 8 )ページを P. 参照。.

(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 0 1. 農業における価値規定の特殊性(1). ‑101‑. くなる。差額地代は,すでに見たよろに,ますます優等な土地に進んで行く場 合にも生ずることがありうる。それは,以前の劣等地に代わってそれよりも優 良な土地が最下位を占める場合にも生じうる。それは,農業のいっそろの進歩 と結ひついているとともありうる。差額地代の条件はただ土地穏類の不等性だ けである。生産性の発展が考察にはいるかぎりでは,差額地代は,総耕地の絶 対的豊度の上昇がこの不等性を解消させないで,. この不等性をひどくするか,. または元のままにしておくか,またはただ減らずにすぎないということを前提 世紀の初めから半ばまで, するのである。 /18. イギリスでは,. 金または銀の価. 格の低落にもかかわらず,穀物価格の不断の低下があり,それと同時に(この 時期の全体を見れば〉地代も地代総額も耕作地面積も農業生産も人口も増大し た 。 こ の こ と は , 表 Iが 上 昇 順 序 で の 表 Eと組み合わされたものに対応、する。 といっても,最劣等地 A が改良されるかまたは穀物耕作から排除されるという 場 合 の こ と で あ る 。 と は い え , そ れ は , 土 地 Aが 別 の 農 業 的 目 的 や 工 業 的 目 的 に利用されなかったということを意味しているのではない。/ 1 9世 紀 の 初 め か. 815 年までは,穀物価格が絶えず上がり,それと同時に地代も地 ら・・・・・ 1 代総額も耕作地面積も農業生産も人口も絶えず増大した。これは下降順序での 表 Iに 対 応 す る ・ ・ ・ ・ ・ / ペ テ ィ や ダ ヴ ィ ナ ン ト の 時 代 に は 改 良 や 開 墾 に つ いて農村民や土地所有者の苦情が現われ,俊等地での地代の低下が見られ,地 代を生む土地の拡大による地代総額の増大が見られた。」. ( 2 9 ). r マルクス=エシグノレス全集~ 2 5 b,850‑851 ( 6 7 2 ‑ 6 7 3 ) ページ。 8 5 1年 1月 7日付のエシグノレスあて書簡のなかで,差額地代論 すでにマルクスは, 1 の主要な問題について次のようにのべている。「・・・やはり主要な問題は,地代の法 員Ijを農業一般の生産性の進歩と矛盾しないように調整するということである。ただこ れによっ℃のみ,一方では歴史上の諸事実を説明することができ,他方では単に人間 だけでなく土地にも及ぶマノレサス的劣等化理論が排除されることになる。 J( rマルク 7 巻 , 1 9 7 1 年 , 1 4 2( 1 5 8 ) ページ)。 スニエシゲノレス全集』第2 なお,小川浩八郎氏は,綿密な文献的研究にもとづいて, 1 8 4 4 年から 1 8 5 1年にかけ てマルクス主義的差額地代理論が生成するとともに,まだ完成までにはいたっ℃いな いが一応の確立がみられたことを明らかにしている。すなわち氏は,エシグノレスの ,マルクスの『経済学・哲学草稿.1, r 哲学の貧困 Jなと においてソ 『経済学批判大綱 J カード 1的理論に対する批判が崩芽的にあらわれ, 1 8 5 1 年 1月 7日付エングノレスあ℃ の書簡においてリカードォ理論からの解放と後年の『資本論』に結実するマルクス主.

(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑102‑. 第5 3巻 第 1号. 102. 第 3に 。 差 額 地 代 法 則 の 把 握 に 際 し て , わ れ わ れ は , 各 等 級 地 の 耕 作 面 積 は 同 じ で あ る ( た と え ば 1エ ー カ ー 〉 と 仮 定 し , ま た 各 地 の 面 積 は そ れ 以 上 に ふ えないとしたが,もちろんこれはたんなる抽象でしかない。実際は,各等級地 の面積は不同であり,. しかも拡張するにとができる。マルクスは,このよろな. 場合をも考察することによって理論のさらにより一周の具体化をはかるととも に,平均地代および地代率という概念を導びき出している。 マルクスは,耕作面積のたんなる拡張を,次の 3つ の 場 合 に 区 分 す る 。 均 等 ), も つ ば ら 劣 等 地 で 行 な わ れ る 場 合 ( 表 1b ),反対 に 行 な わ れ る 場 合 ( 表 1a にもつばら優等地で行なわれる場合(表. I J ! ? ;か れ は , も と の 表 I とこれらの. 表とを比較分析して,次のよろな結論を引き出している。. 表 「一一-l~副詞震度fJíi*I~ 菅豆一売{ffiî;絡限. 問種類1(: ーヵ )I( ぷリシ )I(~: ‑)[(アシ. I. A B. 1 1. C. 1. ID I. 1. I I I. 盃1 1 省一可平扇面夜I 百花弔. ) I ( i( I ) リン. 5 0 5 0. 1 2. 60 60. 6 0 1 2 0. 50. 3. 6 0. 1 8 0. 4. I 60. 240. I 50 I. 1 )(%) 1. 手リン)i(アシ. 1. i. 0. I. 60 I. 0 0 6 0 I 120!. 120 I 1 2 0 I 240 I. I 180 I 180. お. oI. l 日比止~I_=o I I I36O Io 9I1 8 o 義的差額地代理論の基本的諸命題の基本的確立がみられた,としている(小川浩八郎 『経済学と地代理論』青木書庖, 年 4ページ以下)。 年の上の書簡では,まだマルクス主義的差額地代理論に関する基本 たしかに, 1851 的な命題の基本的確立が示されているだけで,のちの『資本論』で展開されたような 理論が完成した形で与えられているわけではない。たとえば{差額地代第 1形態につ いていえば,土地豊皮の全般的な高度化のもとで差額地代がどのような運動をするか } 原序や下降)1員序や交錯の場合とい といったようなことがのべられ℃いるだけで,上昇I った耕作の運動のなかで実際にどのようにして差額地代が生ずるかといったような問 題は具体的に考察されていない。また,向上番簡では,差額地代第 2形態についても 具体的な展開は行なわれていない。 ( 3 0 ) この表 Iから表 Icまでは, W ' 資本論Jに見出されるものであるが,便宜上様式や数 字に若干の修正を加えることにした。なおこれらの表では平均利潤率は20%と仮定さ れている。したがって第 5欄の販売価格は容易に産出することがでさる。たとえば, 5 0i/リシグ十 5 0 ν リシグ XO,, 2 )‑7 1 表 Iの場合, 議劣等地 A地の個別的生産価格=( クォーター =60乙ノリシグとなる。. 1 9 7 9.

(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 0 3. 農業における価値規定の特殊性(1). ‑103‑. ーイ空時司閉伊地寸F cm 厄l. i l ; l : ; ; [ : l j j J 3 i d l i l1 i. 咽!竺喧喧開暦日開23. L : J i l l j l j i l i j l i j h : j l i. 一 一 一. 表. 1c. し. γD. 何世間山mpp 、今15 リ 11(~哲也T. 第 1に,いずれの場合においても,総耕作函積の増大と投下資本総額の増大 に伴なって地代の総額は増大している。. ( 3 1 ). W マルクスニエシグノレス全集.~. 2 5 b,8 3 7( 6 7 7 ) ページ。.

(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 0 4. 第5 3巻 第 1号. ‑104. 第 2に,各等級地ごとにみた平均地代(地代額÷耕作函積〉と地代率(地代 額」投下資本額〉は,どの表をみてももとの表 Iの場合と同じである。どの等 級地においても,耕作面積の拡張にちょろど比例し℃地代額も投下資本額も増 大しているからである。 第 3に,だが,総平均地代(t也代の合計?耕作面積の合計〕と総地代率(地 代の合計十投下資本の合計)の運動の仕方は る。総平均地代と総地代率は,. 3つの場合において異なってい. 表 Iaの場合にはもとと変っていない(すなわ. ち表 Iでは 9 0 ν リングと 180%であり,. 表 Iaでも 9 0乙/リングと 180%である。). これに対して,表 Ibではいずれも表 Iにくらべて減少(それぞれ. 4 05'的し, グと 1. 7 0乙/リン. 反対に表 I cではいずれも表 Iにくらべて増大(それぞれ,. 1 4 4乙/リングと 240%) している。 第 4I t : . ,. 表 Ibと表 I cとを比較してみると,. 市場生産価格もまったく同じであるのに対して,. 総耕作面積も投下資本総額も 表 1cの方が総耕作面積にお. いてしめる優等地の割合が大きしこれに伴なって総平均地代も地代総額も大 きくなっている。このことは,差額地代が土地豊度の不等によって規定されて いるのではなくて,あたかもその絶対的な豊度によって規定されて生ずるとい う誤まった考え方を生み出す。差額地代の法則は否定されるかのようにみえて くるのである。「このよろにして,地代は,豊度の差の割合によってではなく絶 対的な豊度によって規定されているかのように見え, したがって差額地代の法 則は揚棄されるかのように見える。」. 3 . 以上が,マルクス主義に おける差額地代第 1形態論の主内容である。すなわ l. ち,差額地代法則そのものの定式とその具体的諮展開である。 ところで,われわれが,本稿においてとくに考察しなければならない問題は,. e i nf a l s c h e rs o z i a l e rW e r t )といわれるものに いわゆる「虚偽の社会的価値 J( ( 3 2 ) ~マルクス=エシゲノレス全集j 2 5 b,8 5 7( 6 7 7 )ぺージ。 ( 3 3 ) ~.マルクス二エシグノレス全集 j 2 5 b,8 5 5 ‑ 8 5 8( 6 7 6 ‑ 6 7 8 ) ぺージ。 ( 3 4 ). W マルクス二エシグルス全集j2 5 b,8 6 0( 6 7 9 ‑ 6 8 0 )ぺージ。 l.

(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑105‑. 農業における価値規定の特殊性(1). 1 0 5. 関してである。 マルクスは,差額地代第 1形態と関連して,この「虚偽の社. 周知のように,. 会的価値 Jといろものをもち出している。すなわちかれは,次のようにのべて いる。 「差額地代一般について言っておきたいのは,市場価値がし、つでも生産物量 の総生産価格を越えているということである。たとえば表 Iをとってみよう。. 1 0クォーターの総生産物が 600ν リングで売られるのは. 1クォーター当たり. 6 0i/リングという Aの生産価格によって市場価格が規定されているからであ る。と乙ろが,現実の生産価格は次のとおりである。. A. 1クォータ ー =60ν リング. B. 2. 1 1. =60. 11. 1. 1 1. =30. 1 1. C 3. 1 1. =60. 1 1. 1. ノ/. =20. / ノ. 4. 1 1. =60. λr. 1. ノ γ. =15. 1 1. D. l. 1 0クォータ ‑=240i/リング. 1クォータ ‑=60ν リング. 1クォーター =24ν リング. 1 0クォーターの現実の生産価格は 2 4 0 ν ソシグである。それが6 0 0 ν リングで 売られる。つまり 250%高すぎる価格で売られる。 1クォーター当たりの現実 の平均価格は 2 4 ν リングである。市場価格は 6 0 ν リングであり,. やはり 250%. 高すぎる。 ζ れは,資本主義的生産様式の基礎の上で競争の媒介によって実現される市. 場価値による規定である。この規定は,ある虚偽の社会的価値を生みだす。こ れは,土地生産物が従わされる市場価値の法則から生ずる。生産物の, したが ってまた土地生産物の,市場価値の規定は,社会的に無意識に無意図に行なわ れる行為だとはいえ. 1つの社会的行為であって,この行為は必然的に生産物. の交換価値にもとづくもので,土地やその豊度の相違にもとづくものではな い。社会の資本主義的形態が廃止されて紅会が意識的な計画的な結合体として 組織されているものと考えてみれば, 1 0クォーターは, 240ν リングに含まれ ているのと同じ置の独立な労働時聞を表わしているであろう。したがって,社 会はこの土地生産物を,それに含まれている現実の労働時間の 2倍半で買い取.

(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 0 6. 第5 3 巻 第 1号. ‑.106ー. りはしないであろう。したがってまた土地所有者といろ階級の基礎はなくなっ てしまうであろう。それは外国からの輸入によって生産物が同じ金額だけ安く なるのとまったく同じに作用するであろう。それだから,一一現在の生産様式 は維持されるとするが,差額地代は国家のものになると前提して一一一他の諸事 情ーが変わらなければ土地生産物の価格は同じままであろ. h と言うのは正しい. としても,結合体が資本主義的生産にとって代わっ℃も生産物の価値は同じま まであろろ,と言うのはまちがいである。同じ種類の諸商品の市場価格は同じ だといちことは,資本主義的生産様式の基礎の上で,また一般に個々人のあいだ の商品交換にもとづく生産の基礎の上で,価値の社会的な性格がつらぬかれる 仕方である。消費者として見た社会が土地生産物のために過多に支払うもの, それは土地生産での社会の労働時聞の実現のマイナスをなすのであるが,それ が今て守は社会の一部分にとっての,土地所有者にとっての,プラスをなすので ある。 J 実際に要費した生産価格は,. 各地それぞれ 6 0 ν リングであり,. 総計では2 4 0. i /l 日ングである。クオーター当りでは, A=60乙/リング, B=30乙/リング,. c. =20ν リング, D=15i/リンクゃになる。だから,もしも生産物がこの実際の個 別的生産価格通りに売られるならば,実現される価格の総額は 2 40ν リングと /9ング, B = なり(実現される価格は, A=60i/リング x1クォーター =60i. 3 0i/リシグ X2クォーター =60i/リシグ, C=20乙/リシグ X3クォータ ‑=60 νリシグ,. D=15i/リング x4クォーター =60i/リングで, 総計では. 2 4 0 νリ. 40i/リングと一致する。しかし, シグとなる入実際に要費した生産価格の総計 2 資本主義社会では,個々の生産者ごとに個別的生産価格が違っていても,市場 価値法則の支配のために,一個同ーの市場生産価格で売られる。ここでは,す でにみた 2つの原因の存在のために,市場価格がもっとも高い A地のクォータ ー当り 6 0i/リングで決定され,どの等級地の生産物もこの水準!で、売られる。か くして,. 市場生産価格の総額は,. 6 0乙 /0ング Xl0クォータ ‑=600乙 / 9ングに. ( 3 5 ) r マルクス二エシゲノレス全集 j2 5 b,8 5 1 ‑ 8 5 3( 6 7 3 ‑ 6 7 4 )ページ。.

(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 0 7. 農業における価値規定の特殊性(1). ‑107ー. なる。明らかに,それは実際に要費した生産価格の総計 2 4 0i/リングを 3 6 0 νリ シグも上まわっている。そこでマルクスは,己の超過分を「虚偽の社会的価値」 とよんだのである O そして,マルクスによれば,乙の超過分だけ土地生産物 l 土 高く売られ,その分だけ消費者としてみた社会は損失をこうむっているのであ り,資本主義経済の廃止によって市場価値法則が支配しなくなれば, ιのよう な. r J,#f.偽の材会的価値」はなくなってしまい,一方でのわり高と他方での損失. といったようなこともなくなっ亡しまうであろうといろのである。 だが,この「虚偽の社会的価値目│といちものについては,第 2次大戦前から 活発な論争が展開されてきており,しかもいまなお給着をみるにいたっていな いのである。資本主義経済の廃止とともに市場価値法則が支配しなくなれば, ζ. の「虚偽の柏会的価値」が消滅するといろ点に関してはむろん異論のないと. ころである。志識的で計画的な結合体としての社会形態に移行し,各地の生産 物がその実際の個別的生産価格にもとづいて評価され社会に引さとられること になれば,実現される価格の総額は,現実に要賀した生産価格の総額に一致す ることになるからである(むろん実際には,生産物は間接的に νリング(価格) によってではなく,直接的に労働時聞によって評価され引きとられるよろにな るのであるが。 H虚偽の社会的価値」についてとくに意見がわかれているのは, この 3 6 0乙/リングに相当する超過利潤,. すなわち剰余価値の部分が農業以外の. 部門で生産されて流通の迂路を通して農業内部に流入してきたものであるの か,反対に農業内部において生産されたものであるのか,といった点をめぐっ てであり,さらにはこれと関連して,マルクスがなぜ,いかなる意味において ,この超過部分を「虚偽の社会的価値目│と名づけたのか,といった点に関して である。この点に関して,第 2次大戦前から活発な論争が展開されているので あり,いまなお結着をみるにいたっていないというわけである。 そこで本稿では,われわれなりに この問題への接近を試みてみることにした i. いと思うのである。すでにわれわれは,理論経済学ばかりでなく農業経済学に おいてもきわめて重要な意義をもっているという見地から,別の機会に,この 問題についての考察を試みたことがあるが,そこでは農業経済学の課題や方法.

(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑108‑‑. 第5 3 巻 第 1号. 1 0 8. などについての考察が主要なテーマをなしていて,この問題はごく簡単にしか 言及されていなしゼ〉本稿では,やや立ち入ってーーしかも叙述の仕方にも改善 を加えた上でーーとの問題への接近を試みることにしたいと思ろのである。 まずはじめに, i 虚偽の社会的価値」に関する小見を提示し、次に,代表的で 主要な諸見解をとりあげ,それらに含まれている基本的な論点を分析・検討す ることにしよろ。. ( 3 6 ) 拙著『農業経済学の体系』文民堂, 1 9 7 8 年 。 ( 3 7 ) r 虚偽の社会的価値」をめくる論争史の詳細については,向坂逸郎『地代論研究』 9 4 8 年,山田勝次郎『地代論』岩波書庖, 1 9 5 7 年,弁上周八『地代の理論』 改造社, 1 9 6 3 年,tJ;.どを参照。 理論社, 1.

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参照

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