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「ラインホールド・ニーバーの恩寵論 : 救済恩寵と一般恩寵の弁証法的関係」報告(2014年度第3回人文科学研究会 : ラインホールド・ニーバー研究会) 利用統計を見る

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「ラインホールド・ニーバーの恩寵論 : 救済恩寵 と一般恩寵の弁証法的関係」報告(2014年度第3回 人文科学研究会 : ラインホールド・ニーバー研究 会)

著者 柳田 洋夫

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

巻 Vol.24

号 No.3

ページ 54‑54

URL http://id.nii.ac.jp/1477/00002792/

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Title

「ラインホールド・ニーバーの恩寵論 : 救済恩寵と一般恩寵の弁証法的 関係」報告(2014年度第

3

回人文科学研究会 : ラインホールド・ニーバ ー研究会)

Author(s)

柳田, 洋夫

Citation

聖学院大学総合研究所

Newsletter

, Vol.24No.3, 2015.3 :54-54

URL

http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=5271

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository and academic archiVE

(3)

54

 2015年 1 月19日(月)、聖学院新館集会室にて、

2014年度第 3 回人文科学研究会(ラインホールド・

ニーバー研究会)が開催され、五十嵐成見氏(日 本キリスト教団花小金井教会牧師)によって、「ラ インホールド・ニーバーの恩寵論~救済恩寵と一 般恩寵の弁証法的関係~」というテーマで発題が なされた。

 まず、これまでの研究においては、人間におけ る「不可能」としての罪と同程度に、人間の「可 能性」としての恩寵についてのニーバーの強調が やや軽視され、彼の恩寵論を体系的に論じたもの が少なかったこと、さらに、人間に内在する「一 般恩寵」(common grace)をニーバーが重視して いたことが見過ごされてきたことが指摘された。

また、弟リチャード・ニーバーとの対話が、その 恩寵理解を深める契機になったという。

 以上のことをふまえて、ニーバーにおける恩寵

(特殊恩寵)と一般恩寵との関係性を明らかにする ことによってニーバーの恩寵論が包括的に理解さ れるべきであることについての主張と考察がなさ れた。まず、その一般恩寵論はニーバーの後期に 集中しているが、関心そのものは初期から存在し ていたことが明らかにされた。そして、恩寵(特 殊恩寵)について、神話的象徴としての恩寵、「力」

そして「赦し」としての恩寵と両者の弁証法的緊 張関係という側面から分析がなされた。次に、一 般恩寵について、人間の自由による他者への庇護 の感覚と「不安なる良心」、人間的生によって形成 される自己追求と自己犠牲が混合し合った愛、そ して、人間のコモンセンスによって形成されてき た歴史的所産(デモクラシー)という諸観点から 考察がなされた。たとえば、アメリカン・デモク ラシーは一般恩寵論的な影響によって歴史的に形 成されてきたものであるという。

 最後に、恩寵と一般恩寵との弁証法的緊張関係 について、ニーバーにとって、一般恩寵には有用 性はあるが、それのみでは、人間の自己偶像化・

傲慢・責任逃避の罪を免れないのであり、ゆえに、

一般恩寵は、神の恩寵によって贖われる必要があ るものであったことが指摘された。また、罪の限 界の認識をもたらす「赦しとしての恩寵」、悔い改 めと赦しを自覚しつつ、責任的自己を生きるため の「力としての恩寵」の重要性も明らかにされた。

 発題をめぐっての質疑応答においては、特に、

デモクラシー、コモンセンス、キリスト教的リア リズムという視点から、マックス・ヴェーバーや アダム・スミス、さらに宗教をめぐる言論の自由 という現代的問題にまで広がる活発な発言と討議 がなされ、たいへん有意義な研究会となった。

(文責:柳田洋夫 [やなぎだ・ひろお] 聖学院大学 人文学部日本文化学科准教授・チャプレン)

2014 年度第 3 回人文科学研究会

〜ラインホールド・ニーバー研究会〜

「ラインホールド・ニーバーの恩寵論〜救済恩寵と一般恩寵の弁証法的関係〜」報告

報 告

上段左:五十嵐成見牧師(発題者)

上段右:髙橋義文教授、下段:会場風景

参照

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