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(1)

紙布の物理的性質

著者名(日) 田中 由里子, 大野 亮

雑誌名 共立女子大学家政学部紀要

巻 57

ページ 31‑39

発行年 2011‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1087/00002210/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

共立女子大学家政学部紀要

57

( 2 0 1

1) 

紙布の物理的性質

P h y s i c a l  p r o p e r t i e s  o f  p a p e r  f a b r i c s   田中由里子*・大野亮.

Y u r i k o  TANAKA  a n d   Ryo OHNO 

事家政学部被服学科

要旨

将来の石油・石炭代替素材として植物セルロ ースを衣料原料とする可能性について検討した。

衣料用紙布の物性を測定した結果、引張り強 度・引き裂き強度が他素材の市販布より大きく、

吸水性・水分率等の性質が優れていた。摩耗強 度・破裂強度・通気性・熱伝導性は市販布と同 程度の性能であった。剛軟度が大きくてドレー プ性に欠け、形状復元性も小さいという欠点が あった。しかし、欠点、も加工技術が開発されれ ば克服できるので、紙布の衣料素材としての可 能性は十分あるといえる。

1  緒言

歴史的衣料素材としての紙衣・紙布は、安価 で、低品質、あるいは反古紙の再利月

J

のようにみ られる。しかし、白石紙布のように製造技術の 向上により軽くて肌触りのいいものが生まれ、

独特の風合いが好まれて着用されていた1‑40

同時期の江戸中期より全国的に栽培されるよう になった綿が増産されると、紙布は影が薄くな

りながらも、大正時代まで続いて、壁紙として も利用された。

当時の紙布の用途は、「絹紙布やちぢみ紙布 は、絹・綿・毛織物・麻布に比べて軽く涼しく、

汗をよく吸い取りベタつかず、肌ざわりが柔ら かく、着心地がよいので、老人の夏衣として特

に愛用されていたといいます。諸紙布作業衣類 は、水洗いにも充分耐え、丈夫で熱射を避ける ので炎天下や麦焼きなどの作業衣に適していた ようです。また、水分を吸い上げないので水田 作業にも利用されていたそうです

J 5

と記されて いる。

現代は、エコという観点、から植物由来の衣料 素材が見直されている。紙と同じくパルプを原 料とするレーヨンは、製造工程で化学薬品を使 用するのでエコでないといわれる。しかし、問 題は製造から廃棄までの炭素の排出量、製品中 の残留化学薬品、工場排出物、等々の総合的な 視点、が大切であり、それらは技術の進歩ととも に変わるものである。

別の観点からも植物原料が模索されている。

石油・石炭資源を持たない途上国は、自国にあ る資源で衣食住を賄い、輸出して生きてゆかね ばならない。]l

CA

による「収入創出活動の事 業化支援 ーラオス森林保全・復旧計画におけ る紙布織りの事例‑

J ' ;

などはその典型例である。

どの素材が用いられるかは消費者が決めるこ とであり、結局は素材の性質であり、可能性で ある。本研究は、市販紙衣・紙布の諸物性を測 定し、他素材の織物と比較してその可能性を検 討する目的で行った。

紙衣・紙布の定義は│唆味であり、紙衣は紙の 着物を指し、紙布は紙素材を織物に織ってから 衣服に仕立てるものを指すようである。ここで

‑31

(3)

共立女 子 大学 家政学部

i

紀要

5 i

( 2 0 1 1 ) 

は通例に従って用いるが、商品名等で制色を出 すため、紙布に紙衣の言葉をあてる場合が多い。

試料と実験法

2 .  1 

試料

試料 1 (株)ユニカ製造の「紙衣(かみこ) 墨染め

F 0 2 3 1 ‑ B   2  J

は、マニラ麻

1 0 0 %

を和紙

に漉き、

3mm l

隔のテープ状に裁断して、コヨ リ状に撚った中空芯の紙糸を使用している

lにマニラ麻の断面電顕写真を示した。紙糸は

0 . 0 4 5 g / m

4 0 5

デニール、合糸数

1

、撚り方向

I~II

マニラ麻の断而電顕写真

1 0 0 0

S

である

この糸をたて糸 ‑よこ糸両方に用い、

濃い目に墨染めした平織り諸紙衣である

。布

l

125cm

、平面重

1 9 0 9 / c m 。

試料2 (株)ユニカ製造の「紙衣(かみこ) 墨染め(淡色)

F0260 ・ B2  J

は、たて糸綿糸、

よこ糸上記と同じマニラ麻

1 0 0 %

を和紙に漉き、

3m l 1 1 1

隔・

5 m 1 1 11

闘のこより中空芯の紙糸を交 互に使用した

試 料

3

(有)笑こころ (えこころ)製造の

「和の布る(わのふる

) J

は、たて糸オーガニッ ク茶新~60%、よこ糸マニラ麻布l紙40%混合の蜂 巣 織 り (ワッフル織り)浴

m

タオルである

2

に蜂巣織りの表面写真を示した。

試料

4

(株)ダブルエイチ‑ピー製造の 「天 然竹繊維

TAKE MARU HAND TOWEL J

は、 基布綿糸平織り

30%

、たてパイル糸竹繊維原料 のレ

ヨン

70%

の混合布によるハンドタオルで ある

。図 3

に竹繊維原料レーヨンの断而電顕写 真を示した。また、図

4

に基布とパイルがみえ

る織り表面写真を示した

試料

5 I

丹波ちりめん紙布つづれ干fj揚げ(高 麗納戸青みの H音い灰青緑)

J

は、 たて糸絹、 よ こ糸網

+

和紙(原料格)である

。図 5

に綱たて 糸の断面電顕写真を示した。図

6

に織物表面写 真を示した

よこの太い糸が格和紙である

表 1に紙布試;jGIの構造および切断特性を記 した。

図 2 浴用タオル蜂巣織りの~<~市写真

マ‑..=::・脚掬鵬、弓ず竺』

F A

r  . .  

‑・ ・・ 圃

3

竹繊維原料レーヨンの断

T

町立顕写真

1 0 0 0

3 2  

(4)

紙布の物理1

!

f1lJ性質

, i ! n 1  

益 型2

."'3 m

4

t "

5

平面撤 g/m1 208.

229.6  207.0 

5

1

1 . 7  

130.0  揮さ 111m 0.50 

0 . 7 6  

1.41

( 2 . 0 0

) 2.03(

3 . 0 0

)  0.52  見かけ比重/cc 0.416  0.302  0.14

0.

2

52 

0 . 2 5

1  克明'"・.

2 7

.

19.1  9.

1

6

.

1

5

.

含宜率

7 2 . 3  8 0 . 9  

90.

7  84

.0 

84

.1 

瞬間

タナ15

7

..

I  9

11..

1γ

2 2

..

5 I 297..

0  28

タテ1

8

..

25

1

8

..

0 14

子ヨコ.

0 20

.

0  8

7.

7

.

4 9 4

.

1 8 0 3

.

7 1 0

8

7

.

0  580

.2 2

5

1.

2 1

93.

3  3 3

.

7  1 7

5.7  よ盟 ke:/c

9

.

8 0  

12.

3 0   1 6

.92  11.

5 0  

4.

9 4   9

.

9 6   l

切断伸び 32.0 

3 9

.

14.

28.

12.4 

2

1.

l

紙布の構造および切断特性

2 .  2 

実験法

2 .  2 .  1 

引張り強度

1 4

ハンドタオルの恭布とパイルがみえる織り表而写 糸および布の引張り試験は、(株)オリエン

1 5

綱たて糸の断而電顕写真

1 0 0 0 倍

6 I

丹波ちりめん紙布つづれ;

f W

揚 げ

J

織物表1m写真、

よこの太い糸が椅和紙

テック製の万能引張り試験器

RTAIOO

で測定し た。糸

布ともに試験長

10cm

、 引 張 り 速 度

5 cm / min  (50% / min)

であった。試験布の大き さはたて

1 0cm

、よこ

5cm

で、あった。

2 .  2 .  2 

引き裂き強度

引き裂き強度は、(株)大栄科学精 器 製 作 所 製のエレメンドルフ引き裂き強さ

i U U

定装置で測 定した。試験布は長さ

10cm

、│陥6

. 3cm

の大きさ で採取し、装置に取り付けた。

2 .   2 .  3 

摩耗強度

摩耗強度は、(株)大栄科学精器製作所製の カストム式摩耗試験機で平面摩耗強さを測定し た。電気接点による停止と、目視による開口を 較べると、電気接点の方が回数が少し大きい

理由は、摩擦点に布屑 等が溜まるためである

そこで、

1 0

回ごとに布屑を適宜吹き飛ばしなが

ら目視で閉口する回数を求めた。

2 .  2 .   4 

破裂強度

破裂強度は、(株)大栄科学精器製作所製の ミュ

レン型破裂強度試験機で測定した。

2 .   2 .  5 

通気度

通気 度は、(株)カト

テック製の通気性試 験 機

KES ‑ F8  ‑AP 1

で測定

した。

試験布は直径

4cm

の円で、分解能0.02mmHgで・あった。

‑ 3 3 ‑

(5)

Jt\i: 女子大学家政学部紀~

5 7

トj}

( 2 0 1 1  )  2 .   2 .   6 

剛軟度

剛軟度は、(株)大栄科学精器製作所製のス ライド法試験機で測定した。試験布は

2x  1 5 c n i  

の大きさで、

5cm

突き出したときのたわみ量 から剛軟度を求めた。

2 .   2 .   7 

熱伝導率

熱伝導率は、(株)カトーテック製のKES‑F

7

サーモラボ(精密迅速熱物性

i l l U

定装置)で測 定した。試験布の大きさは

5x 5  c n i

であった。

2 .   2 .   8 

吸水性

吸水性は、(株)大栄科学精器製作所製のパ イレック法吸水性試験器で測定した。試験布は、

2 . 5  x  2 0 c n i

の大きさであり、

1 0

分後の吸水高さ を測定した。

2 .   2 .   9 

水分率

水分率は、デシケータ中で各湿度に調湿した 約

1g

の試験布を、

1 0 5 . C

の真空恒温乾燥機で 乾燥する前後の重さを量って求めた。環境湿度

100%

の結果が、ケースに付着する水分を吸収 するため、誤差が大きかった。

結果と検討

3 .   1 

切断強度

7

に紙布試料と綿デニムのたて引張り切断 強度を較べて示した7‑10。試料4ハンドタオル 以外は丈夫な綿デニムと同程度の引張り強度が あり、実用に耐えることがわかる。この大きな 強度は、紙布原料の多くがマニラ麻を使用して いるためである。「マニラ麻の繊維は植物繊維 としては最も強靭なものの

1

つである。またマ ニラ麻は水に浮き、太陽光や風雨などに対しで も非常に高い耐久性を示す。ロープをはじめ、

高級な紙(紙幣や封筒)、織物などに用いられ ているj とされる。紙で織られた布というと新 聞紙ほどの強さをイメージするが、実際は非常 に強靭なものである。

切断

N '

ぴは、織り構造等によって制御できる

25 

EO

¥E Mm M

m

8 3

一 陣 一 冊

. + ' "   . + 4   . + " . J   . 

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. + "   ̲   " p "

よ)1‑ ,")1

サ サ サ 寸 寸

a

、 少 々

/̲t//Y‑~.グぷ ....  ,j.'"  .9‑.'  試料名

l羽7紙布試料と綿デニムのたて引張り切断強度

ので、ここでは検討しない。

3 .   2 

引き裂き強度

8

に紙布試料

l

および

2

と市販布の引き裂 き強度を示した。試料

2

のたてデータが無いが、

糸が滑り伸張変形して完全には切れなかったた めである。たて試料はたて綿糸が切れるはずだ が、引き裂き中にたて綿糸がよこ紙糸と清って 移動し、幅

5mm

のよこ紙糸が切断しないで残 っている。切断エネルギーが糸聞の滑りエネル ギーになって、切れない状態である。

6100g

以 上の強度があると推定される。これを含めて、

紙布の引き裂き強度は市販布の大きいものに相 当し、釘等に引っかけて瞬間的に引張られると きの強度は十分にあるといえる。被服着用時に は引張りより引き裂きによって破れる場合が多 いので、実用性能として大切である。

たて綿糸一よこ紙糸の組み合わせの場合、糸 聞の滑りが大きいため切断しにくいが、糸聞に 隙聞が生じて透いて見える状態となるので、長 期間の使用で隙聞がどのように拡大するのか問 題となるであろう。

‑34‑

(6)

紙:,{Jiの物理的性質

6000 

5000 

4000 

3曲。

曲蕗

町、

2000 

10凹

{ ι

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ら ん ら

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1:!f" 

9..//  鼠科名

l

1 8

; ( I i

試料Iおよび

2

と市版布の引き裂き強度

3 .   3 

摩耗強度

9

に試料

l

2

5

と市販布の平而

i

摩耗強 度を示した。市販布の平面摩耗強度はキュプラ

1400 

1200 

10

凹 凹

仰 山 朝 町 一 模 世 回 同 町

400 

200 

・t ポ昼~.,

: 3 8'メザタ;, , ‑ j

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1 "   +"ぷ;/

試料名

1 9

; ( I i

tH

、2、5と市販

; ( I i

の平函摩耗強度

3 .   4 

破裂強度

1 0

に試料布

4

組と市販布の破裂強度を示し た 。 市 販 布 の 破 裂 強 度 は 、 キ ュ プ ラ 羽 二 重 の 羽二重の

1 0

聞から綿デニム

1 3 . 5

オンスの

1 2 0 2

5 . 5 5

からお

i i

デニムの

2 4 . 3 7 k g / c

ばまで分布する。

まで広く分布するのに対し、紙布は

50‑70

回に 紙布は

8 . 5 5 ‑ 1 6 . 2 5 k g / c n i

で、市販布と

l i l J

じ位で 集中する。綿ブロードの

8 0

闘よりはやや小さい あり、不織布の

4 . 8 6

より大きい。紙糸に撚りを が、キュプラ羽二重の

1 0

回より大きい。 かけ、織り構造にしたため強度が増加lしたと考 摩耗強度は、繊維の摩耗特性と布の構成に依 えられる。通常の着用で破裂することはないか 存する。ナイロン、ポリエステル、ビニロンな ら、この性質は膝抜け・肘抜け等を予

j W J

すると どの合成繊維は摩耗強度が大きく、アセテート、 き援則される。紙布の破裂強度は市販布と同じ レーヨンは小さい。ゴムのような柔軟さをもっ

合成繊維の摩耗強度が大きく、セルロース系の 使い繊維のそれは小さい。紙はセルロースであ るため摩耗強度が小さい。摩耗強度は布の耐久 的性能の一つで、紙布を実用とするとき大切で、

ある。この欠点を改良するには、綿ビロードの ような起毛構造とすべきである。起毛構造は摩 耗強度増大のほかに、保温性の向上にも寄与す る。

レベルだが、硬いため元の形状に戻りにくい。

破裂した後の紙布の形状は、破裂時の球形をほ ぼ保っていて、平而には戻らない。形状安定性 は審美的要素から重要であり、紙布の大きな欠 点といえる。これを克服するには、糸および織 り構造に柔軟さを付与することが必要となる。

‑35‑

(7)

W 会 開 W W F

> 1 < " "  

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, v 

へ 必F J h

1<.' 

...,~,.+"

試料名

1 0

紙布試料

4

種と市販布の破裂強度

3 .   5 

通気性

1 1

に試料布

5

種と市販布の通気度を示した。

市販布の通気度は、綿デニム

1 3 . 5

オンスの

5 . 2

か ら綿さらしの

2 2 4 c n i/  c n i  s e c

まで分布する。紙布 は

2 8

.l

‑ 2 0 8 . 3 c n i / c n i s e c

の←範囲にあって、市販布 とほぼ同じである。紙布は含気率が大きく、孔 が布の表裏に貫通しているから通気度も大きい と予測された。紙布試料

3

は含気率

9 0 ̲ 7 %

で通 気度

2 0 8 . 3 c n i / c n i s e c

と大きいが、綿さらしとほ ぼ同じである。ほかの紙布試料も市販布と同じ レベルである。したがって、紙布の通気度は市 販布と同じで、内着にも外衣にも使用できると いえる。

布の通気性は、保温性や透湿性と関連が大き く、保健衛生的性能として重要であるが、紙布 のそれは市販布と同レベルにあるといえる。

N もか戦争?治会余念 ω ! 潟ゲ

説先 4 4 争争以ハシ弐

ややぶ、

d e  

ノクF v

誌料名

図11紙布試料5種と市販布の通気度

3 .   6 

剛軟性

~O/"

1 2

に試料

2

4

5

と市販布の剛軟度

G

を 示した。測定できない試料はカールが激しいな

どである。紙布試料は市販布より剛軟度が大き い。タオル地以外の紙布は、硬いためドレープ 性が悪く、いわゆる紙のようなドレープ形状と なる。また、アイロンがけすると生地がカール しやすい性質がある。剛軟度が大きいことや、

カールは実用上大きな欠点である。紙布の強度 を減らしてもいいので、むしろ剛軟度を小さく

して柔軟性をもたせたほうが衣料用には適する。

綿デニムのストーンウォッシュ加工などを応用 することができる。

‑36‑

(8)

厚さ mm

113 紙布試rlと市販布の厚さと熱伝導卒、・紙布、 O

市販布

0.5 

2.U 

• 。

。 。

• •

0 ∞

0 0 0  

紙;(Iiの物:fH!的性質

。瓜J020

0002

0.0凹 叩 0.0  0018

(UOOZEO)¥E

時骨唱接

3.0 

0.5 

ι

ι

シ ん シ

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ψ

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/ !  

令 令 令 dO がぶ〆十〆

試料名

2.0  2.5 

15 

1 .0 

︒制緩歪

3 .   8 

吸水性

1 4

に紙布試料と市販布のl脱水高さを示した。

T l f

販布の吸水性:をパイレック法で比l院すると、

羊毛モスリンの

Ocm

からアクリルモスリンの

8 . 3 c m

まで分布する。羊毛はキューティクルの 披水性が吸水性を

J g

くしている原因であり、例 外である。ポリエステルタフタのl.l

cm

が最小 と見るべきである。紙布の吸水性は、試料

1

2

Ocm‑

試料

5

10.5cm

の範囲にある。試 料

1

2

は、紙布に湿潤強度をもたせるため接 水加工が施してあり、吸水性

Ocm

となった。

その他の紙布は市販布の大きい値に匹敵して、

l

吸水性が良い。

1

吸水性が良いと、汗を吸収して

!

L

表面を低温度に保ち、サラリとした

J J J L

触りを 生む。

湿潤強度のための援水加工は、現状では紙布 の欠点を補うためであるが、加工技術が進歩す れば無用となるであろう。あるいは外衣は援水 )JII工し、内着は加工しなくて良い性質のもので ある。したがって、紙布の決定的な欠陥とはい えない。

37‑

l112;(1)試料2、4、5と市版;(Ijの附l軟度G

3 .   7 

熱伝導性

1 3

に試料布と市販布の!早さと熱伝導率の関 係 を 示 し た 。 市 販 布 の 熱 伝 導 率

O

は、毛布

0 . 0 0 0 1 0

から綿布

0 . 0 0 01 9 c a l  /  (cm .  s e c ‑ O c  

)まで 分布する。紙布・は試料

3

0.0001144‑

試料

5

0 . 0 0 0 1 5 8 5 c a l /(cm' s e c '   O c  

)の範囲にあり、

市販イ

t '

とほぼ同じである。紙布試料

3

は厚さ 1.

41mm

に対して熱伝導率

0 . 0 0 0 1 1 4 4 c a l /(cm'  s e c ‑ O c )

と小さいが、合気率が

9 0 . 7 %

と大きい構 造のためである。用途はタオルや夜具地であり、

通気性も大きいため衣料には適さない。紙布の 熱伝導性が市販:;(13とほぼ同じであることは、衣 料にとって最も大切な保温性能があることから、

紙布が実

J H

できることを意味する。

(9)

J t

立女子大学家政学唱紀要n

5 7

( 2 0 1 1 )   1 2 . 0  

43 

起 耗 望 基 6 . 0  

1 1  

4 . 0  

2 . 0  

骨 : : ‑ . * ' "   . * ' ! > ' t . * ' , " ‑ .

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4

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s〆 P

1Yl"

、 ャ

.. 

試料名

1 4

紙布試料と市販布の吸水高さ

3 .   9 

水分率

1 5

に紙布

4

種の等温収着

1 1 1 1

線を示した。図 中の番号は試料番号である。紙布の水分率は環 境湿度

65%

6‑11%

であり、同じセルロース 繊維の綿やレーヨンと同じ範聞である。試料

4

の竹原料のレーヨンは、湿度

65%

で水分率

11%

とやや大きいが、パルプ原料のレーヨン・キュ プラも水分率

12‑14%

であり、同程度である。

したがって、紙布を着用すると不感蒸世の状態 では綿・レーヨンと同じような吸湿性となり、

快適な衣服内気候となる。

35 

3 0  

2 5  

' "   2 0   Æ~

時 ~

1 5

1 0  

20  40  60  80  1 0 0   1 2 0  

濁 境 湿 度 首

RH

図1

5紙布試料 4

積の等j品収着

1 1 1 1

線、数字は試料番号

3 .   1 0  

植物セルロースの利用法の検討 植物セルロースの衣料素材としての利用法に はつぎの

3

法がある。

抄紙して和紙を作るーテープ状に切断し て撚りをかけてこよりにする一布に織る

水中で腐食させて繊維素成分を採取す

る一麻紡績するー布に織る

繊維素成分を採取するー化学薬品で溶解 してレーヨンあるいはテンセルなどに紡糸 する一布に織る

本研究の紙布試料

1

2

3

5

は利用法の

1

であり、紙布試料

4

は利用法

3

である。

利用法の

1

はいわゆる紙衣・紙布であり、紙 的性質が強く表れる。紙布に柔軟さを付与すれ ば衣料としての用途が広がる。

利用法の

2

は麻紡績であり、日本では亜麻と 苧麻が衣料用に製造されている。マニラ麻も同 じ方法で紡績できるが、組類に用いられる。マ ニラ麻を細織化する技術が│刻発できれば、衣料 用となる。

利用法の

3

は、木材パルプ原料のレーヨンや テンセルとして販売されている。竹やケナフの 成長が早いため、木材パルプに替わる材料とし て利用され初めている。この技術は工業的に確 立されていて、安価に大量に安定して原料が入

‑38‑

(10)

1 1 i

の物理的性質

手できれば

' 1 : ‑

践で、きる。

いずれの利月W~ も長短があって、きわめて少 量の

I m

,'u',しか流通していない。本研究は紙布の 可能性を検討したが、不織布を含めれば膨大な 衣料素材が存在して、石油・石炭資源が枯渇し でも卜分

I U j

えるとみられることから、継続した 研究の必要性がみとめられる。

まとめ

紙イliの物型1

[

(1向性質を測定した結果、引張り強 度・引き裂き強度が他素材の市販:

. ( I i

より大きく、

吸水性・水分率等の性質が優れていた。摩耗強 度・破裂強度・通気性・熱伝導性は

I l i 版 ‑ 1 l i

l ' i J

程度の性能であった。剛軟度が大きくてドレー プ性に欠け、形状復元性も小さいという欠点が あった。紙布がこれらの性質を持つことから、

緒言でワ│川した「江戸時代の紙布の

J I J

J

のよ うに!日いられたといえる。しかし、欠点も加工 技術がI

J

日発されれば克服できるので、紙:.(Iiの衣 料素材としての

1 1 ] "

能性は十分あるといえる。

‑39 

引用文献

1 )   W i k i p e d i a   ( 1

石和紙

2 )片倉信光著

r ' 1

1石和紙紙布紙衣」慶友社、=

1 9 8 8  

)大道弘雄若「紙衣」リーチ書宿、

1 9 5 5 4 

)辻合喜代太郎著「丹波木綿諾」衣生活研

究会、

1 9 6 7

)池IJJl

9

]美

h t t p : / / w w w I 5 . p l a l a . o

r.

j p / t e o r i ‑ s h i f u / s u b 7 . h t m  

)国際協

) J

研究「事例研究収入創出活動の 事業化支援 ーラオス森林保全・復

I L I

計 画における紙布織りの事例一

J Vo

.l

2 0

N o 1  

(通巻

3 9 0 ‑ )

2 0 0 4

4

*市販荷iのデータは研究室測定の値を

' 1 '

として、以ドの文献を参照した。

7)石川欣造編「新被)取材料学」同文書│位、

1 9 9 9  

)石川欣造編「被)JI~材料実験書」同文書:院、

2 0 0 5  

)繊維学会編「繊維物理学」丸善、

1 9 6 2 1 0 )

東洋精機製作所 ユニバーサルウェアテ

スター説明書、

N O . 8 8 2

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