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韓 国 の株式会社 にお ける経 営監督機構 につい て*

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(1)

韓 国 の株式会社 にお ける経 営監督機構 につい て*

金 知 換**

目 次

は じめ に

一 株 式 会社 におけ る経営 監督 機構 の系 譜 (1)依 用 商法上 の経 営監 督機 構

(2)1962年 新商 法上 の経 営監 督機i構 (3>1984年 改正 商法 上 の経 営監督 機構 (4)1995年 改正 商法 上 の経営 監督 機i構1 (5)1997年 改正 証券 取 引法上 の経 営監 督機 構 (6)1999年 改正 商法 上 の経営 監督 機構1 (7)2000年 改正 証券 取 引法上 の経 営監 督機構 (8)2003年 改正 証券 取引 法上 の経 営監 督機i構 二 現行 法上 の経 営監 督機 構

(1)取 締役 会制 度 (2)監 査 役 制度 (3)監 査委 員会 制度

三 経 営 監督機 構 の運 用実 態 とそ の評価 (1)社 外取 締役 制度 の運 用実 態 とそ の評価

(2)監 査役 ・監 査委 員会 制度 の運 用実 態 とそ の評価 結 びにか え て

*本 稿 は,平 成17年1月26日 本 学 法 制 研 究 会 で 行 わ れ た 発 表 原 稿 に,加 筆 ・修 正 し た も の で あ る 。

**ソ ウ ル サ イ バ ー 大 学 専 任 講 師

〔213〕

(2)

は じ め に

た だ い ま ご 紹 介 に あ ず か り ま した ソ ウ ル サ イ バ ー 大 学 の 金 知 換 で ご ざい ま す 。伝 統 あ る小 樽 商 科 大 学 で 報 告 させ て い た だ くこ とを,大 変 光 栄 に存 じます 。 ま た本 報 告 の お世 話 を して 下 さ い ま した 道 野 ・多 木 両 先 生 に,心 か ら御 礼 申 し 上 げ ま す 。

私 の 報 告 は,「 韓 国 の 株 式 会 社 に お け る経 営 監 督 機 構 に つ い て 」 で す 。 韓 日 両 国 は 同 一 の 経 営 監 督 機 構 か ら 出発 し ま したが,そ の規 整 につ い て現 在 多 少 の 差 異 が 生 じて い る と思 わ れ ます 。 日本 商 法 につ い て 私 は 未 だ 十 分 な知 識 を有 し て お り ませ ん の で,韓 日両 国 の 法 制 比 較 は 困難 で す 。 そ れ ゆ え こ こ で は主 と し て 韓 国 の株 式 会 社 に お け る経 営 監 督 機 構 につ い て,そ の規 整 及 び運 用 実 態 を紹 介 す る こ と にい た し ます 。

一 株 式会 社 に お け る経 営 監 督 機 構 の 系譜

(1)依 用 商 法 上 の 経 営 監 督 機 構

依 用 商 法 と は,韓 日併 合 後 朝 鮮 総 督 府 制 令 第7「 朝 鮮 民 事 令 」 第1条 第8号 に よ っ て 日本 商 法(明 治32年3月9日 法律 第48号)が 朝 鮮 に 施 行 さ れ た こ と で す 。 依 用 商 法 で は取 締 役 会 を 置 い て お らず,各 取 締 役 が 単 独 で 会 社 の業 務 執 行 権 ・代 表 権 を有 して い ま した(依 用 商 法261条1項)。 経 営 監 督 は監 査 役 の 職 務 で あ り,監 査 役 は 取 締 役 の 業 務 執 行 に 対 す る監 査 権 及 び 会 計 監 査 権(同 法274条) を有 して い ま し た1)。

(2)1962年 新 商 法 上 の 経 営 監 督 機 構

韓 国 は1962年 に新 商 法 を制 定 し,英 米 に倣 っ て 取 締 役 会 制 度 を導 入 し ま した 。 取 締 役 会 が 業 務 監 査 を 行 う よ う に し,従 来 の 監 査 役 は単 な る 会 計 監 査 機 関 に

1)李 範 燦 『韓 国 会 社 法 講 義 』(三 知 院,2004年)192頁 。

(3)

韓 国 の株式 会社 にお ける経営 監督 機構 につ い て 215 な っ た こ と に よ り権 限 が縮 小 しま した 。 た だ し監 査 役 選 任 の 独 立 性 を確 保 す べ く,監 査 役 選 任 決 議 で は発 行 済 株 式 総 数 の100分 の3を 超 え る株 式 を有 す る 大 株 主 は議 決 権 を 行 使 で き な い よ う に制 限 さ れ ま した(新 商 法410条,1984年 改 正 商 法409条2項)。 新 商 法 は,日 本 の 昭 和25年(1950年)改 正 商 法 の 内容 と類 似 して お りま す 。

(3)1984年 改 正 商 法 上 の経 営 監 督 機 構

1962年 新 商 法 で 採 用 さ れ た 取 締 役 会 が,経 営 監 督 機 能 を十 分 に 果 た す こ と を 期 待 され て い ま した 。 しか し取 締 役 が オ ー ナ ー に よ っ て 選 任 さ れ,加 え て取 締 役 の大 部 分 が 業 務 担 当取 締 役 や 例 え ば 工 場 長 とい っ た 使 用 人 兼 務 取 締 役 で あ っ た こ と もあ り,新 商 法 制 定 後20年 が 経 過 した に もか か わ らず 取 締 役 会 制 度 は 期 待 さ れ る役 割 を 十 分 に果 た さず,韓 国 の 企 業 風 土 に根 を下 ろ しま せ ん で した 。 そ こ で1984年 改 正 商 法 で は,従 来 か ら解 釈 上 認 め られ て き た取 締 役 に対 す る取 締 役 会 の 監 督 権 限 を 明示 す る と と も に(商 法393条2項),監 査 役 に 再 び業 務 監 査 権 を与 え ま した 。 こ こ で は監 査 役 監 査 の 実 効 性 を確 保 す べ く,以 下 の よ う な改 正 が な さ れ ま した 。 ① 監 査 役 の任 期 を1年 か ら2年 に伸 長 し(同 法410条),② 効 率 的 な監 査 を行 うべ く監 査 役 に 取 締 役 会 の 出 席 権 及 び 意 見 陳 述 権 を付 与 し(同 法391条 の2第1項),③ 取 締 役 会 議 事 録 に 記 名 捺 印 す る権 限 を 認 め ま した(同 法391条 の3第2項)。 加 え て④ 監 査 業 務 が 充 実 した もの に な る よ う に監 査 記 録 の作 成 を義 務 化 す る と と もに(同 法413条 の2),⑤ 監査 報 告 書 の 記 載 事 項 を 明 定 しま した(同 法447条 の4)。 そ の他 業 務 監 査 の 実効 性 を 高 め

るた め に,⑥ 取 締 役 の 違 法 行 為 に対 す る差 止 請 求 権 を新 設 し(同 法402条),⑦ 取 締 役 ・会 社 間 の 訴 え及 び代 表 訴 訟 に お い て会 社 代 表 権 を認 め る等 各 種 訴 え の 提 起 権 を与 え ま した(同 法394条 ・403条)。

(4)1995年 改 正 商 法 上 の経 営 監 督 機i構

1984年 改 正 商 法 で 監 査 役 制 度 の 充 実 が 図 られ ま した が,形 式 的 な もの にす ぎ

ず,実 際 に は不 十 分 な監 査 を根 絶 で き ませ ん で した 。 そ こで1995年 改 正 商 法 で

(4)

は,監 査 役 の権 限 を一 層 強 化 す る 方 向 で 改 正 が な さ れ ま した 。 もっ と も 日本 の 平 成5年(1993年)改 正 商 法 特 例 法 で 設 け られ た よ うな 監 査 役 会 制 度 は採 用 さ れ ませ ん で した 。

改 正 され た監 査 役 の権 限 は以 下 の 通 りです 。 第 一 に,監 査 役 の解 任 が な さ れ る際 株 主 総 会 で 意 見 陳 述 で き る機 会 を監 査 役 に 与 え る と と も に(商 法409条 の 2),監 査 役 の任 期 を2年 か ら3年 へ 伸 張 し ま した(同 法410条)。 監 査 役 の 地 位 を 強化 す る た め で す 。 第 二 に,取 締 役 の 監 査 役 へ の報 告 義 務 を新 設 し,監 査 役 が 適 時 に監 査 す る 機 会 を確 保 しや す い よ うに し ま した(同 法412条 の2)。 第 三 に,監 査 役 に よ る 総 会 招 集 請 求 権(同 法412条 の3)・ 子 会 社 調 査 権(同 法412 条 の4)を 新 設 し,調 査 ・報 告 を行 い や す い よ う に しま した 。

(5)1997年 改 正 証 券 取 引 法 上 の 経 営 監 督 機i構

韓 国 の証 券 取 引 法 で は,「 株 券 上 場 法 人 」(証 券 取 引 法2条13項)に 対 す る特 例 規 定 が 置 か れ て い ます 。1997年 改 正 証 券 取 引 法 で は,監 査 役 の独 立性 確 保 と

監 査 の 充 実 を 図 る た め 数 種 の特 例 規 定 を新 設 し ま し た。 例 え ば 監 査 役 の 選 任 ・ 解 任 決 議 の 方 法(同 法191条 の11第1項),監 査 役 選 任 議 案 の 取 締 役 選 任 議 案 と

の 別 途 上 程(同 条2項),常 勤 監 査 役 選 任 の 強 制 ・資格 要 件 につ い て 特 例 が 設 け られ て お ります(同 法191条 の12第1項,同 法 施 行 令84条 の19)。

(6)1999年 改 正 商 法 上 の 経 営 監 督 機 構

韓 国 で は 商 法 改 正 の 度 に,経 営 監 督 の 実 効 性 を確 保 す る た め の 措 置 を と っ て き ま した が,監 査 役 制 度 は相 変 わ らず 有 名 無 実 の ま ま で した 。 こ の よ う な状 況 の 中 で1997年 に は 企 業 不 祥 事 に よ り外 国 為 替 危 機 に 陥 り ま し た(い わ ゆ る IMFシ ョ ック)。 これ を機 に大 手 企 業 集 団 の オ ー ナ ー に よ る専 断 経 営 を 牽 制 す べ く,証 券 取 引 所 が 定 め る 「 改 正 有 価 証 券 上 場 規 程 」(証 券 取 引 法88条)に よ

り社 外 取 締 役 制 度 の 強 制 的 導 入 が1998年 行 わ れ ま した2)。

2)李 範 燦i=金 知 燥 「韓 国 と 日本 に お け る 監 査 委 員 会 制 度 の 採 択 」 名 経 法 学15号249

頁(2003年)。

(5)

韓 国の株 式会 社 にお け る経 営監 督機 構 につ いて 2ヱ7

商 法 学 界 ・政 府 も,経 営 監 督 機 構 の根 本 的 な改 編 の た め の 議 論 を各 々 始 め ま した 。 民 間機i構 と して1999年3月 に発 足 した 「 企 業 支 配 構 造 改 善 委 員 会 」 が, 同 年10月 に 最 終 確 定 した 「 模 範 規 準(CodeofBestPractice)」 を企 業 は 遵 守 す べ きで あ り,同 規 準 に沿 っ た 法 整 備 を 行 う 旨,政 府 は発 表 した 。 同規 準 は, 英 米 式 の 社 外 取 締 役 ・監 査 委 員 会 制 度 を 採 用 す る よ う に勧 告 す る も の で し た3)。 これ に対 し商 法 学 者 の 間 で は,ド イ ッ型 あ るい は 日本 型 の 監 査 役 会 制 度 の採 用 を 主 張 す る 意 見 が 多 か っ た の で す4)。 こ の よ う に 両 者 の 意 見 は相 違 し て い ま したが,経 営 監 督 機 構1の透 明 性 確 保 や グ ロ ー バ ル化 とい う点 を 考 慮 し,1999 年 改 正 商 法 で は,社 外 取 締 役 ・監 査 委 員 会 制 度 を導 入 す る こ と に な り ま し た。

す な わ ち定 款 の 定 め に よ り,監 査 役 又 は 監 査 委 員 会 の 何 れ か を会 社 は選 択 す る こ とが で き,監 査 委 員 会 を設 置 す る場 合 に は,3人 以 上 の取 締 役 で 委 員 会 を構 成 し,一 定 の 欠 格 事 由 に 該 当 しな い い わ ゆ る社 外 取 締 役 が 委 員 会 委 員 の3分 の

2以 上 を 占 め る こ とが 要 求 さ れ て い ます(商 法415の2第1項 ・2項)。

(7)2000年 改 正 証 券 取 引 法 上 の経 営 監 督 機 構

2000年 改 正 証 券 取 引 法 は,株 券 上 場 法 人 で は取 締 役 の4分 の1以 上 が社 外 取 締 役 で な け れ ば な らな い と しま した(証 券 取 引 法191条 の16第1項 本 文)。 更 に 資 産 総 額 が2兆 ウ ォ ン以 上 で あ る株 券 上 場 法 人 で は,① 社 外 取 締 役 が 少 な くと も3人 以 上 で あ り,か つ 取 締 役 の 過 半 数 を 占 め る こ と(同 項 但 書 き),及 び ② 監 査 委 員 会 制 度 を採 用 す る こ とが 義 務 付 け られ ま した(同 法191条 の17第1項, 同 法 施 行 令84条 の24第1項)。 証 券 取 引 法 で も商 法 と同 様,監 査 委 員 会 委 員 の

3分 の2以 上 は 一 定 の 欠 格 事 由 に 該 当 しな い 社 外 取 締 役 で な け れ ば な り ませ ん (同 法191条 の17第2項 →54条 の6第2項1項)。 もっ と も証 券 取 引 法 上 の社 外 取 締 役 は,商 法 で い うい わ ゆ る社 外 取 締 役 と は資 格 要 件 が 異 な っ て い る の に は

3)李 範 燦 「韓 国 に お け る 会 社 法 の 最 近 の 動 向 と課 題 」 商 事1576号25頁(2000年), 王 舜 模 「韓 国 に お け る コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ン ス と商 法 の 動 向(下)」 商 事1572号26 頁(2000年)。

4)孫 珠 瑠 「 韓 国 に お け る最 近 の 株 式 会 社 法 の 改 正 とそ の 問 題 点 」 証 券 研 究 年 報15号

147頁(2000年)。

(6)

注 意 を要 しま す 。 加 え て社 外 取 締 役 の み な らず,社 外 取 締 役 で な い 監 査 委 員 会 委 員 につ い て も常 勤 監 査 役 に 関 す る 資 格 要 件 を準 用 す る よ う に して い ます(同 法191条 の17第2項 →54条 の6第3項 ・191条 の12第3項)。

日本 で は平 成14年(2002年)委 員 会 等 設 置 会 社 制 度 を新 設 した 際 に,業 務 執 行 と監 督 を分 離 す る た め に執 行 役 を置 く こ と を強 制 した の に対 し(商 特21条 の

5第1項),韓 国 で は 一 一2001年 に も続 け て 商 法 改 正 が 行 わ れ ま した が 業 務 執 行 と監 督 の 分 離 に 関 す る改 正 は行 わ れ ませ ん で した 。

(8)2003年 改 正 証 券 取 引 法 上 の 経 営 監 督 機i構

SKグ ロー バ ル 株 式 会 社 の 粉 飾 会 計 事 件5)が 社 会 問 題 化 し た た め,企 業 会 計 や 経 営 の 透 明性 を向 上 させ る た め の 方 策 が 再 び 議 論 され る よ うに な りま した 。 こ の よ う な流 れ を受 け2003年 改 正 証 券 取 引 法 で は,監 査 委 員 会 委 員 の 中 で1人 以 上 は 会 計 な い し財 務 の専 門家 を 選 任 しな け れ ば な らな い よ うに し ま した 。 こ れ は ア メ リカ の ブ ル ー リ ボ ン委 員 会(BlueRibbonCommittee)に よ る勧 告 と 軌 を 一 に して い ます6)。 加 え て監 査 委 員 会 の 代 表 者 は,社 外 取 締 役 で あ る こ と を要 求 し ま した(証 券 取 引 法191条 の17第2項 →54条 の6第2項2号 ・3号)。

5)SKグ ル ー プ の 崔 泰 源 会 長 が,①2001年 会 計 年 度 にSKグ ロ ー バ ル の 会 計 帳 簿 を 操 作 し て1兆5000億 ウ ォ ンの 粉 飾 決 算 を し た 嫌 疑,②2000年3月 出 資 総 額 制 限 制 実 施 を 前 に し て グ ル ー プ 支 配 権 を 確 保 す べ く,自 身 が 所 有 す る ウ ォ ー カ ー ヒ ル ホ テ ル 株 式 とSKC&C所 有 のSK株 式 を 等 価 交 換 して,716億 ウ ォ ン の 不 当 利 得 を 得 た と い う 嫌 疑,③SKグ ル ー プ とJPモ ル ガ ン との 問 で 締 結 さ れ たSK株 式 の 裏 面 契 約 に よ り,1,112億 ウ ォ ン の損 失 を 系 列 会 社 に 及 ぼ し た 嫌 疑 な どで 拘 束 ・ 起 訴 さ れ た 事 件 で す 。

6)ReportandRecommendationsoftheBlueRibbonCommitteeonImprovingthe EffectivenessofCorporateAuditCommittees,Feb.1999,54Bus.Law.1081‑

1082(1999).

(7)

韓 国 の株 式 会社 にお け る経営 監督 機構 につ い て 219

二 現行法上の経営監督機構

(1)取 締 役 会 制 度

取 締 役 会 は,取 締 役 の 職 務 執 行 に 関 す る 監 督 権 限 を 有 して い ま す(商 法393 条2項)。 一 部 繰 り返 し に な りま す が 株 券 上 場 法 人 の 場 合 に は取 締 役 会 の 監 督 機 能 向上 に資 す べ く,取 締 役 の4分 の1以 上 は社 外 取 締 役 で な け れ ば な りませ ん(証 券 取 引 法191条 の16第1項 本 文)。 加 え て 資 産 総 額 が2兆 ウ ォ ン以 上 で あ る 株 券 上 場 法 人 で は,社 外 取 締 役 が 少 な く と も3人 以 上 で あ り,か つ取 締 役 の 過 半 数 を 占 め な け れ ば な り ませ ん(同 項 但 書 き)。 同 法 人 で は社 外 取 締 役 は, 社 外 取 締 役 候 補 推 薦 委 員 会 で推 薦 さ れ た 社 外 取 締 役 の 中 か ら選 任 さ れ ます(同 法54条 の5第3項)。 同 委 員 会 が 社 外 取 締 役 候 補 を推 薦 す る と きは,証 券 取 引 法 第191条 の14に 定 め られ た 株 主 提 案 権 を行 使 で きる 要 件 を具 備 す る株 主 が7) 推 薦 した 社 外 取 締 役 候 補 を必 ず 含 め な け れ ば な りませ ん(同 法191条 の16第3 項 →54条 の5第3項)。

(2)監 査 役 制 度

1997年 企 業 不 祥 事 に よ り外 国 為 替 危 機iに陥 っ た に も か か わ らず,既 存 の 監 査 役 制 度 に対 す る商 法 改 正 は 行 わ れ ませ ん で した 。 な ぜ な ら英 米 型 の社 外 取 締 役 ・監 査 委 員 会 制 度 を導 入 す る こ と に よ って 問 題 点 を解 決 し よ う と した か らで す 。韓 国 で は 監 査 役 は,日 本 と異 な り完 全 に独 任 制 機 関 の た め 監 査 役 会 は な く, 数 人 の 監 査 役 が い る場 合 で も各 自単 独 で 職 務 を遂 行 し ます 。 この よ うな 相 違 点 は あ ります が,監 査 役 制 度 の 内 容 は 日本 と類 似 して い ます 。

監 査 役 は,以 下 の よ う な権 限 を有 し,義 務 を負 っ て い ます 。 権 限 に は,例 え ば 業 務 監 査 権(商 法412条1項),子 会 社 調 査 権(同 法412条 の4),取 締 役 会 出 席 ・意 見 陳 述 権(同 法391条 の2第1項),取 締 役 か ら の報 告 受 領 権(同 法412

7)6ヶ 月 前 か ら継 続 し て,株 券 上 場 法 人 又 は コ ス ダ ッ ク 登 録 法 人 の 議 決 権 の あ る発 行 済 株 式 総 数 の1,000分 の10(大 統 領 令 の 定 め る 法 人 の 場 合 に は,1,000分 の5)

以 上 に 当 た る株 式 を保 有 す る株 主 を い い ます 。

(8)

条 の2),取 締 役 の違 法 行 為 の 差 止 請 求 権(同 法402条),株 主 総 会 招 集 請 求 権(同 法412条 の3),監 査 役 解 任 に 関す る意 見 陳述 権(同 法409条 の2),会 社 代 表権

(同 法394条 ・403条),各 種 訴 権(同 法328条 ・376条 ・429条等)が あ り ます 。 義 務 に は,例 え ば 取 締 役 会 へ の報 告 義 務(同 法391条 の2第2項),監 査 記 録 の 作 成 義 務(同 法413条 の2),株 主 総 会 へ の 報 告 義 務(同 法413条),監 査 報 告 書

の作 成 ・提 出義 務(同 法447条 の4第1項)が あ ります 。

証 券 取 引 法 で も監 査 役 につ い て規 制 が な され て い ます 。 株 券 上 場 法 人 や コス ダ ック(KOSDAQ)登 録 法 人 の う ち資 産 総 額 が1,000億 ウ ォ ン以 上 で あ る法 人 は,常 勤 監 査 役 を置 か な け れ ば な らず(証 券 取 引 法191条 の12第1項),加 えて 常 勤 監 査 役 の 資格 要 件 が 厳 格 に制 限 され て い ます(同 条3項)。

(3)監 査 委 員 会 制 度

① 監 査 委 員 会 の 設 置

株 式 会 社 は 定 款 の定 め に よ っ て,監 査 役 に 代 え て監 査 委 員 会 を設 置 で き ま す(商 法415条 の2)。 た だ し証 券 取 引 法 に よれ ば,資 産 総 額 が2兆 ウ ォ ン以 上 の株 券 上 場 法 人 で は社 外 取 締 役 候 補 推 薦 委 員 会 及 び 監 査 委 員 会 の 設 置 が義 務 付 け られ て い ます(証 券 取 引 法191条 の17,同 法 施 行 令84条 の24)。 監 査 役 (会)あ る い は 委 員 会 等 設 置 会 社 と な り 監 査 委 員 会 を設 置 を す る の か が,会 社 の 規 模 に か か わ らず,会 社 の 自治 に任 さ れ て い る 日本 と は異 な っ て い ます(商 特 ユ条 の2第3項)。

加 え て 日本 で は委 員 会 等 設 置 会 社 を選 択 した 場 合 に は,指 名 委 員 会 ・監 査 委 員 会 ・報 酬 委 員 会 ・執 行 役 す べ て が 必 要 機 関 とさ れ るの に対 し(商 特21条 の5第1項),韓 国 で は取 締 役 内 部 に 設 け られ る各 種 委 員 会 の種 類 や 設 置 如 何 は 会 社 の 自治 に任 さ れ て い ます(商 法393条 の2)。 も っ と も監 査 委 員 会 に つ い て の み 明 定 され て い ます 。

更 に 日本 で は 委 員 会 等 設 置 会 社 の 取 締 役 は,原 則 と して 業 務 執 行 をす る こ

とが で きな い の に対 し(商 特21条 の6第2項),韓 国 で は 監 査 委 員 会 を設 置

す る 会 社 で も取 締 役 は 業 務 執 行 を担 当 しま す 。 要 す る に 監 督 機 関 と業 務 執 行

(9)

韓 国の株 式会社 にお け る経 営 監督機 構 につ いて 22ヱ 機 関 を 日本 で は分 離 しよ う と した の に対 し,韓 国 で は監 査 委 員 会 を 設 置 す る 場 合 で も監 督 機 関 と業 務 執 行 機 関 は分 離 さ れ ませ ん で した 。

② 監 査 委 員 会 の組 織

監 査 委 員 会 は韓 日 と も,3人 以 上 の 取 締 役 で構成 さ れ る 点 で は共 通 して い ます(韓 国 商 法415条 の2第2項,日 本 商 特21条 の8第5項)。 しか し監 査 委 員 会 を組 織 す る取 締 役 の うち,社 外 取 締 役 の 占め る割 合 が 彼 我 で異 な りま す 。

日本 で は過 半 数 で犀 る の に対 し(商 特21条 の8第4項),韓 国 で は3分 の2 以 上 が 要 求 され て い ます(商 法415条 の2第2項,証 券 取 引 法191条 の17第2 項 →54条 の6第2項1号)。

商 法 で い わ ゆ る社 外 取 締 役 と は,次 の① 〜 ⑦ の 事 由 い ず れ に も該 当 しな い 者 で す 。 つ ま り下 記 事 由 は,社 外 取 締 役 の 欠 格 事 由 で す 。 ① 会 社 の業 務 を担 当 す る取 締 役 ・被 用 者,又 は 選 任 さ れ た 日か ら遡 っ て2年 以 内 に業 務 を担 当 した 取 締 役 ・被 用 者 で あ っ た 者,② 最 大 株 主 が 自然 人 で あ る場 合 に は,当 該 株 主 本 人,そ の 配 偶 者 及 び 直系 尊 属 ・卑 属,③ 最 大 株 主 が 法 人 で あ る場 合 に は,そ の法 人 の 取 締 役 ・監 査 役 ・被 用 者,④ 取 締 役 の 配 偶 者 及 び 直 系 尊 属 ・ 卑 属,⑤ 会 社 の 親 会 社 又 は子 会 社 の 取 締 役 ・監 査 役 ・被 用 者,⑥ 会 社 と取 引 関係 な ど重 要 な利 害 関 係 に あ る 法 人 の取 締 役 ・監 査 役 ・被 用 者,⑦ 会 社 の 取 締 役 ・被 用 者 が 取 締 役 で あ る他 の 会 社 の取 締 役 ・監 査 役 ・被 用 者 で す(商 法 415条 の2第2項)。

これ とは 別 に証 券 取 引 法 は,監 査 委 員 会 を組 織 す る社 外 取 締 役 の 資 格 要 件 を 商 法 よ りも厳 格 に 定 め て い る だ け で は な く(証 券 取 引 法54条 の5第4項), 社 外 取 締 役 で は な い 監 査 委 員 会 委 員 の欠 格 事 由 を も明 定 して い ます(同 法191 条 の17第2項 →54条 の6第3項 ・191条 の12第3項)。

③ 監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 ・解 任

商 法 で は 監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 につ い て は明 文 の 規 定 が あ りませ んが,一 一 取 締 役 の 過 半 数 が 出 席 し

,出 席 取 締 役 の過 半 数 に よ る 取 締 役 会 の 決

(10)

議(商 法391条1項)で 行 わ れ る と解 され て い ます 。 解 任 に つ い て は取 締 役 会 の決 議(取 締 役 総 数 の3分 の2以 上 に よ る決 議)に よ る 旨 が 明 定 され て い ます(同 法415条 の2第3項)。 こ れ に対 し証 券 取 引 法 は,監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 ・解 任 権 限 を株 主 総 会 に 与 え て い ま す(証 券 取 引 法191条 の11第1項, 同 法191条 の17第2項 →54条 の6第6項 → 商 法409条2項 参 照)。 日本 と比 較

し て特 徴 的 で あ る の は,監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 ・解 任 に 際 して の 議 決 権 制 限 で す 。 す な わ ち最 大 株 主 及 び 大 統 領 令 で 定 め る そ の 他 特 殊 関 係 人 が,議 決 権 の あ る 発 行 済 株 式 総 数 の100分 の3(定 款 で そ の 割 合 を よ り低 く定 め た場 合 に は,そ の 割 合 に よ ります)を 超 え て株 券 上 場 法 人 又 は コ ス ダ ック登 録 法 人 の株 式 を所 有 す る場 合 に は,そ の 超 過 す る株 式 に 関 し て は社 外 取 締 役 で な い 監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 ・解 任 に つ い て 議 決 権 を行 使 す る こ とが で き ませ ん (証券 取 引 法191条 の11第1項)。 社 外 取 締 役 で あ る 監 査 委 員 会 委 員 の 選 任 に つ い て も,同 じ く議 決 権 制 限 が 明 定 さ れ て い ます(同 法191条 の17第2項 →54 条 の6第6項 → 商 法409条2項)。

④ 監 査 委 員 会 委 員 の 任 期

監 査 委 員 会 委 員 の任 期 に 関す る明 文 の 規 定 が な い 点 で 韓 日は 共 通 して い ま す 。 日本 で は取 締 役 の 任 期 は 一 般 に は2年 を超 え る こ と は で き ませ ん が(商 256条1項 ・3項),委 員 会 等 設 置 会 社 で は 取 締 役 の任 期 は就 任 後1年 以 内 の 最 終 の 決 算 期 に 関す る 定 時 総 会 の 終 結 の 時 まで です(商 特21条 の6第1項)。

そ うす る と監 査 委 員 会 を組 織 す る取 締 役(監 査 委 員)の 任 期 も,取 締 役 の任 期 に よ っ て 制 約 を受 け て1年 に な ります 。 取 締 役 の任 期 が1年 に 短 縮 され て い る趣 旨 は,概 ね 次 の よ う に説 明 さ れ ます 。 利 益 処 分 案 な い し損 失 処 理 案 を 決 定 す る権 限 が 総 会 か ら取 締 役 会 に 移 っ た た め(同21条 の31第1項),当 該 決 定 を通 じて 定 時 総 会 ご とに取 締 役 が 株 主 の 信 任 を 受 け る こ とが で きな く な ります 。 そ れ ゆ え取 締 役 の 選 任 を通 じて,株 主 の信 任 を毎 年 受 け る と い う趣 旨 で す8)。

韓 国 で も取 締 役 の任 期 に よっ て,監 査 委 員 会 委 員 の任 期 は 制 約 を受 け ます 。

(11)

韓 国の株 式会 社 にお け る経 営監 督機 構 につ いて 223 す な わ ち 商 法 上 取 締 役 の任 期 は3年 を超 え る こ と は で き ませ ん の で(商 法383 条2項),監 査 委 員 会 委 員 の 任 期 も3年 を超 え る こ とは で き な い わ け で す 。

⑤ 監 査 委 員 会 の 運 営

監 査 委 員 会 は会 議 体 の形 式 で 権 限 を行 使 す る た め,決 定 は で き ます が そ の 内 容 を 実 行 に移 す こ と に は 適 し ませ ん 。そ の た め 代 表 委 員 が 選 定 され ます(商 法415条 の2第4項)。 株 券 上 場 法 人 で あ れ ば,監 査 委 員 会 の代 表 者 は社 外 取 締 役 で な け れ ば な りませ ん(証 券 取 引 法191条 の17第2項 →54条 の6第2項

3号)。

監 査 委 員 会 は取 締 役 の職 務 執 行 を監 査 す る た め に,い つ で も会 社 の業 務 ・ 財 産 状 態 を 調 査 で き ます 。 監 査 に際 して 取 締 役 の 説 明 が 必 要 な 場 合 もあ りえ

ます 。 そ こで 監 査 委 員 会 は い つ で も取 締 役 に対 して 営 業 に 関 す る報 告 を要 求 で き る こ とが 明 定 され て い ま す(商 法415条 の2第6項 →412条)。 これ ら は 日本 に お け る の と類 似 して い ます が(商 特21条 の10第1項),報 告 を要 求 で き る相 手 方 は 日本 の場 合 よ り文 言 上 は狭 くな っ て い ます 。

取 締 役 会 と監 査 委 員 会 は 緊密 な 提 携 を 図 る必 要 が あ り,監 査 委 員 会 は あ く まで も取 締 役 会 の 内 部 機 関 で す 。 そ れ ゆ え監 査 委 員 会 で 決 議 され た 事 項 は 取 締 役 に通 知 され ます(商 法393条 の2第4項)。 取 締 役 会 と監 査 委 員 会 の 関 係 に つ い て見 る と 日本 は 韓 国 よ り,監 査 委 員 会 を取 締 役 会 か ら一 層 独 立 した機 関 と して扱 っ て い る と思 い ま す 。 日本 で は 監 査 委 員 会 の 決 定 を,取 締 役 会 が 覆 す こ とは で きな い と解 され て い る の が そ の 証 左 で す9)。 こ れ に 対 し韓 国 で は 委 員 会 一 般 につ い て,委 員 会 が 決 議 した 事 項 に つ い て 改 め て取 締 役 会 は 決 議 で き る 旨 明 定 さ れ て い ます(商 法393条 の2第4項)。 こ の規 定 を監 査 委 員 会 に も準 用 で き る の か 否 か に つ い て は,学 説 が 分 か れ て い ま す 。 確 か に準 用

8)江 頭 憲 治 郎 『 株 式 会 社 ・有 限 会 社 法 』(有 斐 閣,第4版,平 成17年)457頁,近 藤 光 男=志 谷 匡 史 『改 正 株 式 会 社 法II』(弘 文 堂,平 成14年)293頁 。

9)龍 田 節 『 会 社 法 』(有 斐 閣,第10版,平 成17年)117頁 。

(12)

を否 定 す る見 解 もあ り ます が10),監 査 委 員 会 も委 員 会 の1つ で あ り,ま た 監 査 委 員 会 の決 議 事 項 を取 締 役 会 が 再 度 決 議 で き な い と定 め る規 定 もあ りま せ ん の で,監 査 委 員 会 の 決 議 事 項 を取 締 役 会 で 覆 す こ とは 不 可 能 で は な い と 解 せ ま す 。 こ の 点 で は立 法 論 と して は 日本 の よ う に,監 査 委 員 会 の 決 定 を尊 重 す る こ とが よ り望 ま しい と思 い ま す 。

監 査 委 員 会 が 活 動 す る に 際 し,費 用 の 支 出 を 要 す る場 合 もあ りえ ます 。 韓 国 で は会 社 の 費 用 で,外 部 の専 門 家 に助 力 を求 め る こ とが で き ます(商 法415 条 の2第5項)。 日本 で は 監 査 に 必 要 な 費 用 の 確 保 を よ り強 力 に保 障 して い ます 。 す な わ ち監 査 委 員 は 職 務 の 執 行 につ い て 会 社 に対 し,費 用 の前 払 い ・ 支 出 費 用 の 償 還 ・債 務 の 弁 済 を請 求 す る こ と が 認 め られ て い ます(商 特21条 の9第4項)。 韓 国 で も 日本 の 態 度 を参 考 に して 監 査 費 用 の確 保 を よ り積 極 的 に保 障 す る こ とが 望 ま しい と考 え ま す 。 そ うす る と監 査 を受 け る取 締 役 か らの 独 立 性 が よ り高 ま る こ とで し ょ う。

監 査 委 員 会 は取 締 役 会 内 の 委 員 会 の1つ で あ る た め,監 査 委 員 会 の 運 営 に 関 わ る 事 項 に つ い て は委 員 会 一 般 の 運 営 に つ い て 定 め る 商 法393条 の2第5 項 が 適 用 され,取 締 役 会 に つ い て 定 め る規 定 が 準 用 され る こ と に な り ます 。

⑥ 監 査 委 員 会 の権 限

監 査 委 員 会 を設 置 す る場 合 に は,従 来 の 監 査 役 を併 せ て置 くこ と は で き ま せ ん(商 法415条 の2第6項)。 監 査 役 の 有 す る権 限 を監 査 委 員 会 に も付 与 す べ く,監 査 役 に 関 す る規 定 を監 査 委 員 会 に 準 用 して い ます(同 法415条 の2 第6項)。 例 え ば 子 会 社 調 査 権(同 法412条 の4第1項),取 締 役 に よ る報 告 の 受 領 権(同 法412条 の2),臨 時 総 会 招 集 請 求 権(同 法412条 の3第2項 →366 条2項),取 締 役 ・会 社 間 の 訴 え に お け る 会 社 代 表 権(同 法394条 第1項), 違 法 行 為 差 止 請 求 権(同 法402条)で す 。

日本 に お い て も監 査 委 員 会 の 権 限 につ い て は,原 則 的 と して 監 査 役(会)

10)鄭 東 潤,"量 苛 碧 召 入團 廻 司 刈 王 潮 司 斗 翌"「 杢}を」(2002.2),15〜16尋.

(13)

韓 国 の株 式 会社 にお け る経営 監督 機構 につ い て 225 に 関 す る規 定 に倣 っ て い ます 。例 え ば① 取 締 役 ・執 行 役 の 職 務 執 行 の監 査(商 特21条 の8第2項1号),② 株 主 総 会 に提 出 す る 会 計 監 査 人 の 選 任 ・解 任 ・ 不 再 任 に 関 す る 議 案 内 容 の 決 定(同 項2号),③ 監 査 委 員 会 が 指 名 す る監 査 委 員 に よ る取 締 役 ・執 行 役 ・使 用 人 に対 す る 報 告 請 求 権 な い し会 社 の 業 務 ・ 財 産 調 査 権(同21条 の10第1項),④ 同 監 査 委 員 に よ る子 会 社 ・連 結 子 会 社 に対 す る 報 告 請 求 権 な い し会 社 の 業 務 ・財 産 調 査 権(同 条2項),⑤ 同 監 査 委 員 に よ る 取 締 役 会 招 集 請 求 権(同21条 の9第2項),⑥ 同 監 査 委 員 に よ る 取 締 役 ・執 行 役 と会 社 間 の 訴 え に お け る会 社 代 表 権(た だ し監 査 委 員 が 訴 え の 当事 者 で あ る場 合 に は,取 締 役 会 又 は株 主 総 会 が 定 め る 者 が 会 社 を代 表 し ます 。 同21条 の10第6項2号)で す 。 も っ と も,緊 急 性 を要 し,あ る い は各 監 査 委 員 が 合 理 的 に 行 動 で き る事 項 で あ る取 締 役 会 に対 す る報 告 義 務 ・違 法 行 為 差 止 請 求 権 は(商 特21条 の10第4項 ・5項)監 査 委 員 会 で は な く

個 々 の監 査 委 員 の権 限 と さ れ て い ます11)。

三 経営監督機構の運用実態とその評価

(1)社 外 取 締 役 制 度 の 運 用 実 態 と その 評 価12)

社 外 取 締 役 制 度 の 運 用 実 態 は 原 則 と して,株 券 上 場 法 人 及 び コス ダ ック 登 録 法 人(以 下,両 者 を併 せ て 「 公 開 法 人 」 とい い ます)に つ い て,2004年9月8

日韓 国 上 場 会 社 協 議 会 が 分 析 した 資 料 に依 拠 します13)。

〈 表1>に よ る と,社 外 取 締 役 制 度 に 関 す る 分 析 対 象 会 社 数 は,2003年1,166 社,2004年1,216社 で す 。

11)森 本 滋 「委 員 会 等 設 置 会 社 制 度 の 理 念 と機 能(中)監 査 委 員 会 と監 査 役 制 度 の 比 較 を 中 心 に 」 商 事1667号15頁(2003年)。

12)こ れ 以 前 の 実 態 調 査 に つ い て は,李=金 ・前 掲 注(2)228‑235頁 。

13)新 規 上 場 法 人,協 会 登 録 法 人,会 社 整 理 手 続 開 始 法 人,証 券 ・不 動 産 投 資 会 社,

資 産 総 額1,000億 ウ ォ ン 未 満 で あ る コ ス ダ ッ ク 登 録 法 人 な ど,社 外 取 締 役 選 任 義

務 が 法 定 さ れ て な い 会 社 の う ち社 外 取 締 役 を 選 任 して な い 会 社 は,本 稿 で の 考 察

対 象 か ら 除 外 し ま した 。

(14)

〈 表1社 外取 締 役制 度 に関 す る分 析対 象会社 〉

区 分 2004年9月 2003年9月

全 体 分析 対象社 対象 除外社 全 体 分析 対象社 対象 除外社

株券上場法 人(社) 674 648 26 687 650 37

コス ダ ック登 録 法 人(社) 883 568 315 868 516 352

1,557 1,216 341 1,555 1,166 389

〈 表2社 外 取締 役 数〉

区 分 株券上場法人 コ ス ダ ック 登 録 法 人 計

2004 2003 2004 2003 2004 2003

対象会社(社) 648 650 568 516 1,216 1,166

社外取締役(人) 1,416 1,402 813 746 2,229 2,148

社外取締役/社(人) 2.19 2.16 1.43 1.45 1.83 1.84

<表2>に よ る と,社 外 取 締 役 の 数 は2003年 よ り81人 増 え て2,229人 で(重 複 して 選 任 され た 者 を 除 くと2,084人),1社 当 りの社 外 取 締 役 数 は前 年 の1.84 人 とほ ぼ 同 じで1.83人 で す 。 内 訳 をみ る と株 券 上 場 法 人 で は2003年 よ り0.03人 増 え て2.19人 で あ る の に対 し,コ ス ダ ック登 録 法 人 で は 前 年 よ り0.02人 減 少 し て1.43人 で す 。 公 開 法 人 で は,社 外 取 締 役 を取 締 役 総 数 の4分 の1以 上 設 置 す る こ とが 義 務 付 け られ て い る 点 に 照 ら し合 わ せ て 考 え る と(上 記 「 二 」(1)), 社 外 取 締 役 の 数 は そ れ ほ ど多 くな い と思 わ れ ます 。

〈 表3社 外 取締 役 の分 布〉

区 分

社外取締役

1人 2人 3人 4人 5人 以 上 計

(社) 構 成比

(%) (社) 構 成比

(%) (社) 構成 比

(%) (社) 構 成比

(%) (社) 構 成比

(%) (社) 構 成比

(%) 株券上場法人

224 34.6 262 40.4 85 13.1 40 6.2 37 5.7 64 100.0

コスダ ック登録 法人

382 67.3 141 24.8 36 6.3 5 0.9 4 0.7 568 100.0

606 49.8 403 33.1 121 10.0 45 3.7 41 3.4 1,216 100.0

(15)

韓 国の株 式会 社 にお け る経 営監 督機 構 につ いて 227

〈 表3>に よ る と,2004年 で は社 外 取 締 役 が2人 以 下 で あ る会 社 の割 合 は, 分 析 対 象 社 の82.9%(1,009社)で,前 年 の82.8%(966社)に 比 べ て微 増 して い ます 。社 外 取 締 役 が3人 い る会 社 の 割 合 は10%(121社)で,前 年10.3%(120 社)に 比 べ て微 減 して い ます 。

株 券 上 場 法 人 の み に つ い て み る と,社 外 取 締 役 が2人 い る会 社 の割 合 が 分 析 対 象 社 の40.4%(262社)と 最 も高 くな っ て い ま す が,社 外 取 締 役 が3人 以 上 い る 会 社 の割 合 も増 加 しつ つ あ ります 。

〈 表4職 業別 分布 〉

区 分

株 券上場法人 コ ス ダ ック登 録 法 人 計

人 数 構成比

(%) 人 数 構成 比

(%) 人 数 構 成比(%)

2004 2003

会社 経営者 640 45.2

337

41.5 977 43.8 46.4

大学教授 303 21.4 187 23.0 490 22.0 20.2

弁護士

152

10.7 80 9.8 232 10.4 9.9

会計士 ・税理士 101 7.1 81 10.0 182 8.2 8.2

公 務員 38

2.7

19 2.3

57

2.6 2.4

研 究員 31 2.2

7

0.9 38 1.7 2.7

マ ス コ ミ

17 1.2 15 1.8 32 1.4 1.6

その他 134 9.5 87 10.7 221 9.9 8.7

計 1,416 100.0 813 100.0 2,229 100.0 100.0

〈 表4>は 社 外 取 締 役 の 職 業 別 分 布 図 で す 。 社 外 取 締 役 の うち 会 社 経 営 者 が 977人(43.8%)で 最 も 多 く,次 い で 大 学 教 授490人(22。0%),弁 護 士232人

(10.4%)の 順 に な っ て い ます 。 大 学 教 授 が 占 め る 割 合 が 前 年 よ り増 加 した の に 対 し(20.2%か ら22.0%),会 社 経 営 者 の 割 合 は 前 年 よ り減 少 し て い ま す

(46.4%か ら43.8%)。

株 券 上 場 法 人 で は会 社 経 営 者,大 学 教 授,弁 護 士,公 認 会 計 士 ・税 理 士 の 順

に な っ て い る の に対 し,コ ス ダ ッ ク登 録 法 人 で は会 社 経 営 者,大 学 教 授,公 認

会 計 士 ・税 理 士,弁 護 士 の 順 に な っ て い ます 。

(16)

〈 表5社 外 取 締役 の任 期〉

任 期

株券上場法人 コス ダ ッ ク 登 録 法 人 計

人 数 構 成 比

(%) 人 数 構 成比

(%) 人 数 構 成比(%)

2004 2003

1年 133 9.4 37 4.6 170 7.6 8.6

2年 204 14.4 73 9.0 277 12.4 12.2

3年 1,079 76.2 674 82.9 1,753 78.6 75.5

未 記 載

29 3.6 29 1.3 3.7

1,416 100.0 813 100.0 2,229 100.0 100.0

〈 表5>に よ る と,任 期 が1年 で あ る社 外 取 締 役 の 割 合 が 前 年 の8.6%か ら 7.6%に 減 少 した の に 対 し,任 期 が3年 で あ る割 合 は75.5%か ら78.6%に 増 加

し,社 外 取 締 役 の 任 期 が 伸 張 す る傾 向 が 見 受 け られ ます 。株 券 上 場 法 人 で は, コス ダ ッ ク登 録 法 人 と比 べ て 任 期 が1年 で あ る社 外 取 締 役 の 割 合 が2倍 以 上 を 占 め て い ます 。 これ は,社 外 取 締 役 の 任 期 を1年 にす る 銀 行 が 多 い か らです 。

〈 表6社 外取 締役 の 兼職 状況〉

兼 職 状 況 社外取締役数

増 減

2004 2003

株 券上 場 法人2社 兼職(人) 94 86 +8

コス ダ ック登録 法 人2社 兼 職(人) 17 15 +2

株 券上 場 法人 ・コス ダ ック登 録 法人 各1社 兼 職(人) 34 38 +4

145 139 +6

〈 表6>は,社 外 取 締 役 の 兼 職 状 況 で す 。 現 行 法 で は社 外 取 締 役 は,2社 以 内 で あ れ ば 公 開 法 人 の社 外 取 締 役 を兼 職 で き ます 。 社 外 取 締 役145人 が 兼 職 し

て い ます が,前 年 と比 べ て6人 増 加 して い ま す 。

(17)

韓 国 の株式 会社 にお ける経営 監督 機構 につい て

〈 表7社 外取 締役 の推 薦方 法14)〉

229

区 分 構 成比(%)

最 大 株主 ・主 要株 主推 薦 76.0

少数株主推薦 0.8

債権者推薦 5.9

機関投資家推薦 0.2

その他 17.1

100.0

〈 表7>は,社 外 取 締 役 の 推 薦 方 法 に つ い て で す 。社 外 取 締 役 は,最 大 株 主 ・ 主 要 株 主 に よ っ て76.0%が 推 薦 さ れ て お り,少 数 株 主 に よ る推 薦 は わず か0.8%

に過 ぎな い こ とが 明 らか に な っ て い ます 。 社 外 取 締 役 とい え ど も,実 際 上 は こ の よ う に 大 株 主 の 意 向 に沿 っ て 推 薦 され る状 態 か ら抜 け 出 せ て い な い こ とが 示 唆 さ れ て い ます 。

〈 表8社 外 取締 役 の取締 役会 出席 率 と議 案賛成 率15)〉

取締 役会 出席 率(%) 議案 賛成 率(%) そ の他 の会社 業務 参加 率(%)

66.0 99.3 6.2

〈 表8>に よ る と,社 外 取 締 役 の取 締 役 会 の 出 席 率 は66.0%,議 案 賛 成 率 は 99.3%と な っ て お ります 。 議 案 賛 成 率 が ほ ぼ100%に 近 い とい う状 況 は,社 外 取 締 役 の 多 くは大 株 主 の推 薦 に よ っ て 選任 さ れ る と と も に,社 外 取 締 役 に充 分 な 情 報 が提 供 さ れ て い な い こ と に よ る もの と思 わ れ ます 。 社 外 取 締 役 も,そ れ 以 外 の取 締 役 と同様 挙 手 して執 行 部 に賛 成 す る役 割 の み を担 っ て い る とい う実

14)"ス}豆:甘 『 穿唱(辺 ズ1明 二 チ呈 フ 肩杢1盈 司 ヨ註入}(2001.122{]ILg71謝 孟こ)"「 ノ8Vx.V」(2003.

2),37尋.

15)"ス ト豆:甘 を 咽eJ7](召 ス1HnこF呈 杢1印 三 益入}(秀 週 ブ1謝 杢 潮 豆 三 ス}豆)"(2000.11.

29).

(18)

態 が 浮 き彫 りに な っ て い ます 。

(2)監 査 役 ・監 査 委 員 会 制 度 の 運 用 実 態 と そ の 評 価

監 査 役 ・監 査 委 員 会 の 運 用 実 態 は 原 則 と し て,12月 決 算 の株 券 上 場 法 人570 社 を対 象 に,監 査 役 ・監 査 委 員 会 の状 況 を韓 国 上 場 会 社 協 議 会 が 前 年 と比 較 ・ 分 析 して,雑 誌 『 上 場(杢}を)』2004年5月 号 に掲 載 した 資 料 に依 拠 します 。

〈 表9監 査役 ・監 査 委員会 の設 置 状況〉

区 分

2004年 2003年

会 社 数 構 成 比(%) 会 社 数 構 成 比(%)

監査役設置会社 466 81.8 470 82.3

監査委員会設置会社 104 18.2 101 17.7

570 100.0 571 100.0

〈表9>に よ る と,分 析 対 象 で あ る 株 券 上 場 会 社570社 の う ち,466社(81.8%) が 監 査 役 を 設 置 し て お り,104社(18.2%)が 監 査 委 員 会 を 設 置 し て い ま す 。

〈 表10勤 務 状 態別 に みた監 査役 の状 況〉

区 分

2004年 2003年

人 数 構 成 比(%) 人 数 構 成比(%)

常 勤 監 査役(1社 当 た り平 均) 363

(0.78) 60.3

366

(0.77) 59.8 非 常 勤 監査 役(1社 当 た り平 均)

239

(0。51)

39.7 246

(0.52) 40.2

計(1社 当 た り平 均) 602

(1.29) 100.0

612

(1.29) 100.0

<表10>に よ る と,監 査 役 設 置 会 社466社 の 監 査 役 総 数 は602人 で す 。 この う

ち常 勤 監査 役 は363人 で60.3%を 占 め て お り,非 常 勤 監 査 役 は239人 で39.7%を

(19)

韓 国 の株 式 会社 にお ける経営 監督 機構 につ い て 23ヱ 占 め て い ます 。1社 当 た り平 均 で 監査 役 は1.29人 で あ り,そ の 内訳 を見 る と常 勤 監 査 役 は平 均0。78人,非 常 勤 監 査 役 数 は平 均0.51人 で す 。

〈 表11類 型別 監 査役 設置 状況〉

区 分 常勤 ・非 常勤 監査 役数 会社数 構 成 比

(%)

常 勤 監 査 役 の み を 置 い て いる会社(247社)

常 勤監 査役3人 1 0.2

常 勤監 査役2人 11 2.4

常 勤監 査役1人 235 50.4

常 勤 監 査 役,非 常 勤 監 査 の両 者 を 置 い て い る会社(102社)

常勤 監 査役2人,非 常勤 監査 役1人 1 0.2 常勤 監 査役1人,非 常勤 監査 役2人 4 0.9 常勤 監 査役1人,非 常勤 監査 役1人 97 20.8 非 常 勤 監 査 役 の み を

置 い て い る会 社(117 社)

非常 勤 監査 役3人 1 0.2

非常 勤 監査 役2人 14 3.0

非常 勤 監査 役1人 102 21.9

466 100.0

〈 表11>は,監 査 役 の勤 務 状 態 別 に 会 社 を 区 分 し た もの で す 。 監 査 役 を設 置 す る466社 の うち,複 数 の 監 査 役 を置 い て い る会 社 は129社(27.7%)で す 。 こ の う ち常 勤 監 査 ・非 常 勤 監 査 役 を各1人 置 い て い る会 社 は97社 で あ り,複 数 の 監 査 役 を 置 い て い る 会 社 の75.2%を 占 め 最 も多 く な っ て い ます 。 常 勤 監 査 役 を 2人 以 上 置 い て い る 会 社 は13社 で あ り,複 数 の 監 査 役 を 置 い て い る 会 社 の 10.1%に 達 し て い ます 。

これ に対 し常 勤 あ るい は非 常 勤 か に か か わ らず,監 査 役 を1人 しか 置 い て い

な い 会 社 が337社 に の ぼ っ て い ま す 。 こ の う ち 非 常 勤 監 査 役1人 の み を 置 い て

い る会 社 が102社 に もの ぼ っ て い ます が,こ の よ う な 会 社 で 監 査 役 監 査 を 適 切

に 行 え る の か は疑 問 で す 。

(20)

〈 表12監 査委 員会 設置 状況〉

監 査 委員 会設 置 義務 付 け に よる区分

2004年 2003年

会 社 数 構 成比(%) 会 社 数 構 成比(%)

義務的設置会社 61 58.7 65 64.4

任意設置会社 43 41.3 36 35.6

104 100.0 101 100.0

<表12>に よ る と,監 査 委 員 会 を設 置 して い る104社 の う ち証 券 取 引 法 で 設 置 が 義 務 付 け られ て い る会 社 が61社(58.7%)で あ り,任 意 に監 査 委 員 会 を 設 置 して い る 会 社 が43社(41.3%)と な っ て い ま す 。 任 意 設 置 会 社 が 占 め る割 合 は 前 年 の35.6%か ら41.3%に 増 え て い ます 。

しか し 〈 表9>が 示 して い る よ う に,監 査 役 設 置 会 社 の 占 め る割 合 が81.8%

で あ る の に 対 し,監 査 委 員 会 設 置 会 社 の 占 め る 割 合 は18.2%と,監 査 委 員 会 そ の もの の利 用 が 未 だ低 位 で あ る こ とを考 慮 す る と,任 意 に 設 置 して い る 割 合 は 微 々 た る もの で あ る とい え ます 。

〈 表13勤 務状 態別 に みた監 査委 員会 委 員の状 況〉

区 分

2004年 2003年

人 数 構 成 比(%) 人 数 構 成 比(%)

常 勤 監査 委 員 会 委 員 (1社 当 た り平 均)

35

(0.34) 10.4

35

(0.34) 10.9 非 常 勤 監査 委 員 会 委員

(1社 当 た り平 均)

302

(2.90) 89.6

287

(2.84) 89.1

計(1社 当 た り平 均) 337

(3.24) 100.0

321

(3,18) 100.0

〈 表13>は,監 査 委 員 会 委 員 の 勤 務 状 態 が,常 勤 あ るい は非 常 勤 で あ る の か

に 関 す る もの で す 。監 査 委 員 会 設 置 会 社104社 の 監 査 委 員 会 委 員 総 数 は337人 で,

1社 当 た り平 均 す る と3.24人 で す 。337人 の 監 査 委 員 会 委 員 の う ち,常 勤 は35

(21)

韓 国の株 式会 社 にお け る経 営 監督機 構 につ いて 233 人(1社 当 た り平 均0.34人),非 常 勤 は302人(1社 当 た り平 均2.90人)で す 。

監 査 委 員 会 設 置 会 社104社 の うち35社(33.7%)の み が,常 勤 の 監 査 委 員 会 委 員 を置 い て お り,他 の3分 の2(69社)は,非 常 勤 の社 外 取 締 役 を 中 心 に し て 監 査 委 員 会 を運 営 し て い ます 。 常 勤 の 者 が お らず,非 常 勤 の 社 外 取 締 役 の み で 適 切 に 監査 を遂 行 で き る の か 疑 問 で す 。

監 査 委 員 会 設 置 会 社104社 の う ち,監 査 委 員 会 委 員 が3人 の 会 社 が86社 (82.7%),4人 の 会 社 が14社(13.5%),5人 の 会 社 が3社(2.9%)で あ り, 6人 を選 任 した 会 社 は1社(ウ リ金 融 持 株 ㈱)の み で す 。

結 び に か えて

以 上,韓 国 の株 式 会 社 にお け る 経 営 監 督 機 構 につ い て 発 表 させ て い た だ き ま した 。 発 表 に 際 して個 々 の 問 題 点 に若 干 触 れ ま した が,最 後 に 結 び に代 え て, 以 下 の 点 を特 に 問 題 点 と し て指 摘 して お きた い と思 い ます 。

まず,社 外 取 締 役 の 運 用 実 態 か ら看 取 で き る点 で す 。 例 え ば① 社 外 取 締 役 が 大 株 主 に よ っ て 選 任 さ れ て い る とい う実 態,②82.9%の 会 社 で社 外 取 締 役 を2 人 以 下 しか 置 い て い な い 点,③ 取 締 役 会 で の社 外 取 締 役 の 議 案 賛 成 率 が99.3%

に も達 して い る 点 で す 。 社 外 取 締 役 が 大 株 主 か ら の独 立 性 を確 保 し,そ の 上 で 会 社 運 営 に 関 す る 十 分 な情 報 を獲i得 し,積 極 的 に会 社 の 運 営 に参 加 で きる 制 度 的 枠 組 み や,そ れ を支 え る企 業 文 化 を形 作 っ て い くこ とが 肝 要 で あ る と思 い ま す 。

次 い で,監 査 制 度 の 運 用 実 態 か ら看 取 で き る 点 で す 。 分 析 対 象 で あ る570社 の う ち監 査 委 員 会 を設 置 して い る会 社 は104社 の み で あ り,81.8%を 占 め る466 社 は従 来 の 監 査 役 制 度 を依 然 と して採 用 して い ます 。 更 に 監 査 役 設 置 会 社 の う

ち,監 査 役 を1人 の み しか も非 常 勤 の 者 を置 い て い る 会 社 が102社 あ り,監 査

役 設 置 会 社 の21.9%を 占 め て い ま す 。IMFシ ョ ック(1997年)の 原 因 の一 端 が,

既 存 の 監査 役 制 度 が 十 分 に 機 能 して い なか っ た 点 に もあ る とす れ ば,実 際 に は

十 分 に利 用 さ れ て い な い監 査 委 員 会 制 度 を新 設 した の み で は,韓 国 商 法 は十 分

(22)

な 改 善 策 を講 じた とは 言 い 難 い の は な い で し ょ うか 。 監 査 委 員 会 は歴 史 も浅 く, 制 度 そ の もの が 韓 国 に 定 着 す る の か 否 か も定 か で は な く,実 験 的 な性 格 もあ る た め,既 存 の 監 査 役 制 度 に対 す る対 策 も併 せ て 構 築 す べ き で あ る と考 え て い ま す 。

最 後 に,監 査 委 員 会 の 制 度 面 で も改 善 の 余 地 が あ る と思 い ます 。 最 も根 本 的 な こ と は,監 査 委 員 会 設 置 会 社 で も業 務 執 行 を実 行 に 移 す 機 関 と意 思 決 定 ・監 督 機 関 で あ る取 締 役 会 が 分 離 さ れ て い な い 点 で す 。 これ に よ り 自己 「 監 督 」 に 陥 り ます の で,適 切 に 監 督 す る こ と は期 待 し え な い の で は な い で し ょ うか 。 加 え て 監査 委 員 会 設 置 会 社 で 他 の委 員 会 を設 置 す る の か 否 か は,商 法 で は会 社 の 自治 に任 せ られ て い ま す が,監 査 委 員 会 は 指 名 委 員 会 ・報 酬 委 員 会 と と も に有 機 的 に 監 督 機 能 を遂 行 して こ そ,本 来 の機 能 を発 揮 で き る こ とが 広 く知 られ て お りま す 。 しれ み れ ば指 名 委 員 会 ・監 査 委 員 会 ・報 酬 委 員 会 を1セ ッ トと して 設 置 す る 方 向 で 立 法 す べ きで は な い で し ょ うか16)。

長 時 間 に わ た りご静 聴 い た だ き,あ りが と う ご ざ い ま した。

16)李=金 ・前 掲 注(2)227頁 。

参照

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