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多自由度超音波モータの実用設計と非線形逆モデルを用いた駆動制御

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Academic year: 2021

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多自由度超音波モータの実用設計と非線形逆モデルを用いた駆動制御

竹 村 研治郎

論 文 の 内 容 の 要 旨

アクチュエータは機械システムに運動を生成するための重要な機能要素であるため、その性能が システム全体の性能に及ぼす影響が極めて大きい。また、近年、機械システムに求められる運動自 由度が増加しているため、実用的な多自由度アクチュエータを提案し、実用化に向けた研究を行う ことが望まれている。以上より、本研究は多自由度超音波モータの実用設計および駆動制御を行う ことを目的とする。具体的課題は(1)複数の非相似形固有振動モードが縮退する振動子の詳細設計、

(2)駆動特性把握のための数値解析法の確立、(3)冗長非線形特性を考慮した駆動制御法の確立であ る。以下に本論文の概要を示す。

第1章に、本研究の背景、目的、および関連技術の現状を示した。

第2章では、多自由度超音波モータの駆動原理を提案するとともにモータを開発した結果につい て述べた。まず、単一振動子の振動方向が直交し、かつ縮退する3つの固有振動モードを利用する ことによって、球状回転子を直交する3軸回りに駆動することが可能な多自由度超音波モータの駆 動原理を提案した。また、上記の駆動方式を実現する実用的振動子の設計条件を明らかにした上で、

有限要素法を用いて振動子の詳細設計を行った。これより、振動方向が直交する2つの曲げ振動2次 モードと縦振動1次モードた縮退する円柱状振動子と、これに接触する球状回転子から成る多自由 度超音波モータを設計した。さらに、実際に振動子を製作することによって、回転子に多自由度運 動を発生できることを確認し、モータの基本特性を実験的に明らかにした。

第3章では、多自由度超音波モータの駆動特性を明らかにするための数値解析法について述べた。

はじめに、振動子・回転子接触部における摩擦力を考慮して、組み合わせる振動のパラメータと駆 動状態に関する順モデルを提案した。本モデルは、振動子・回転子接触部の構造および振動1周期 の時間を空間的および時間的に離散化した数値解析モデルである。接触点における摩擦力ベクトル を定義することによって、上記3つの振動を任意の振幅および位相で組み合わせたときの回転子の 駆動状態を推定した。順モデルを用いて数値解析を行った結果、計測が困難な任意軸回りのモータ 特性を推定できることを確認した。さらに、超音波モータの進行波型および走在波型の駆動方式に 加えて、両者の中間的な特徴を持つ駆動方式における振動子・回転子間の接触状態を明らかにした。

つぎに、各振動のパラメータと冗長・非線形な駆動特性に関する逆モデルを提案した。本モデルで は、超音波モータの性能に関する知見を反映したニューラルネットワークを用いることによって冗 長性および非線形性を処理している。構築した逆モデルによって、回転子を所望の回転軸回りに駆 動するための各振動の振幅および位相を求めることができる。

(2)

第4章では、本モータの駆動制御法について述べた。はじめに、2つの制御法を提案した。一方は、

独立な自由度に村する線形制御を重畳し、回転子の多自由度駆動制御を実現する手法である。もう 一方は、冗長・非線形逆モデルを用いて回転子の多自由度運動を制御する手法である。回転子出力 軸位置のステップ応答に関する数値シミュレーションによって両制御法の性能を比較した。その結 果、前者は出力軸位置を空間的に把握できないため、出力軸先端が目標位置に向かう最短軌道から 外れるのに村し、後者はそれが可能であるため、最短軌道上を運動することを明らかにした。また、

逆モデルを用いた制御手法を製作したモータに適用し、駆動制御実験を行った。その結果、回転子 から伸ばした出力軸先端の位置制御および軌道追従制御が可能であることを確認した。

最後に、本研究の結論を第5章に述べた。

以上

参照

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