数学 2・数学演習 2 No.5 2005.10.27
1.2.2 逆関数の微分 担当:市原
¶ 逆関数 ³
関数 y = f(x) の値域のどの値 b に対しても f(a) = b となる a がただ一つ存在する とき, 対応 b 7→ a で決まる関数を, もとの関数 y = f (x) の逆関数といい, y = f − 1 (x) で表す.
ここで, f − 1 の右肩の小さい「− 1」は「マイナスいち」ではなく, 逆関数を表す記 号で「インバース」(inverse) とよむ.
µ ´
定理 11 (逆関数の性質) 関数 y = f(x) が逆関数 y = f −1 (x) を持つとき次が成り 立つ.
(1) y = f(x) の定義域のどの値 a に対し ても, f − 1 (f(a)) = a
y = f(x) の値域のどの値 b に対して も, f (f − 1 (b)) = b
(2) y = f (x) のグラフと y = f − 1 (x) の グラフは直線 y = x に関して線対称 となる.
y = f ( x ) y = f ( x ) - 1
c
c f ( c ) x
y
y = x
f - 1 ( c )
定理 12 (逆関数の導関数) 微分可能関数 y = f(x) の導関数 y = f 0 (x) がどこで も 0 でないとき,
逆関数 x = f − 1 (y) は微分可能であり, その導関数は x 0 = 1
f 0 (y) となる.
例題 14 次の関数の逆関数を求めなさい. また逆関数の導関数を利用し, 微分しなさい.
(1) y = √
3x
(2) y = x − 2 x + 1
(3) y = e x
12
p
O y x
p
p 3 2 - p 2 - p 2
Figure 3: 三角関数の逆関数の存在範囲
逆三角関数
¶ ³
(1) 閉区間 [ − π 2 , π 2 ] において, y = sin x は逆関数をもち, これを x = arcsin y と かく.
(2) 閉区間 [0, π] において, y = cos x は逆関数をもち, これを x = arccos y とかく.
(3) 開区間 ( − π 2 , π 2 ) において, y = tan x は逆関数をもち, これを x = arctan y と かく.
これらの逆関数を総称して逆三角関数 a とよぶ.
a
arcsin, arccos, arctan
はそれぞれarcsine, arccosine, arctangent
の略で,アークサイン, アー クコサイン,アークタンジェントと読む.µ ´
O x
y _ _ p 2
- _ _ p 2 y = a r c t a n x
O x
y
- 1
1
_ _ p 2
- _ _ p 2
y = a r c s i n x O x
y p 1
- 1
y = a r c c o s x
Figure 4: 逆三角関数のグラフ
例題 15 arcsin
√ 3
2 , arccos( − 1), arctan (
− 1
√ 3 )
の値は各々いくらですか?
13
定理 13 ( 逆三角関数の導関数 ) y = arcsin x の導関数は y = 1
√ 1 − x 2 , y = arccos x の導関数は y = − 1
√ 1 − x 2
y = arctan x の導関数は y = 1 1 + x 2
例題 16 次の関数を微分しなさい.
(1) y = arcsin(2x − 1)
(2) y = arccos √ 1 − x 2
¶ 初等関数 ³
これまでに登場した多項式関数, 指数関数, 対数関数, 三角関数, 逆三角関数を総称 して初等関数とよぶ. ただし, 初等関数とは「やさしい関数」という意味ではなく,
「基本となる関数」ということである.
µ ´
14
数学 2・数学演習 2 No.5 2005.10.27
1.2.2 逆関数の微分 担当:市原
問題
11
次の関数を微分しなさい. (1) y = arcsin(x + 5)
(2) y = x arccos(3x − 2)
(3) y = arctan 2 (7x + 3)
(4) y = x arctan x
(5) y = arcsin(x 2 )
(6) y = (x arcsin x) 2
問題