社会科教育環境としての地域経済の役割と教育支援IT対策
山中守
TheRolesofRegionalEconomyandSupportingITSystems intheEducationalEnvironmentofaSociety
Mamoru YAMANAKA (ReceivedOctoberl,2003)
ThisresearchanalyzesUiepatternsofeducationalpracticesatelementaryschoolsandseveralfactorsthat createdisparitympatternsonaregionalscaleandbetweenmdividualschools、TTleanalysiswasconductedby usmgsyntheticmdexestodescribethesocialecononucparameters(Z3inan).nlemainsyntheticmdexwas
derivedfiomtheprincipalcomponentana]リノsisandwasusedtodescribethequalitativescaleofthesocial economylYlemultivaliateanalysis,whichinfluencesthevariationsmthesocialeconomicscale,revealedthe existenceofcircumferentialmdustriesthatCansupportregionaleducationandthelevelofpoliticalsupportfOr theeducationalsystem,whiChareverysignificantparameters・Theresultsshowedthatdisparityisexpandingm depopulatedareasbecausetheeconomicscaleisdiminishedandcircumferentialmdustriesalegenerany lacking・Thedisparitymeducationalenvironments,howeverbisreducedacrossbroadareasandamongschools wherethereispoUticalsupportbyusmgthemternetmedium.
IKeywMls:Educationalenvironment,DisparitylSOcialeconomiCscale,Principalcomponentanalysis.
●このような現状を改善するための教育支援としての
Ⅱ対策の重要性を明らかにする.
なお本研究の基礎となった調査は,2002年度文部科 学省地域貢献特別支援事業の助成金で実施した.
1.緒
■--、地域産業の発展は地域住民の生活を豊かにするのみ でなく,地域の将来を担う子供たちの教育環境として 重要な役割を担っている').その代表的教育が社会科
見学や体験学習である2).しかし,地域産業と学校教
育との連携の重要性は指摘されてはいるが,その現実 は様々な制限要因により期待通りの教育効果が発揮さ れていないのが実態である.・社会の動きに敏感である べき社会科見学と地域経済との関連性についての実態 調査および既存の研究は皆無に等しい6
本研究では,地域産業と学校教育をつなぐ重要な役 割を果たしている社会科見学の実態調査を実施し(熊 本県の全部の小学校495校を対象に実施),その結果 を基にして,地域経済格差が与える社会科教育環境へ の影響について分析した.特に社会科見学の教育効果 が十分に発揮されていない原因として,経済学の観点 から,社会科見学にともなう取引費用3)の問題(適切 な社会科見学先施設の情報収集と選定作業に必要な費 用,目的地までの移動費用の負担増など)の深刻さと,
2.社会の見える教育環境と人間力
情報通信技術(IT)の進歩と普及により社会経済構 造は急速な変革を遂げている.世界経済の構造変革に 影響されて日本経済の産業構造も激変している.この 変革に対応できるか否か,企業は苦汁の選択を余儀な くされている゛このように社会科教育が対象にしてい る産業社会の構造はダイナミックに変革している.
社会科教育は社会の動きと直接に関連しており,地 域経済と密接に結びついている.地域経済は世界経済 の構造変革の影響を受けて激変しており,それを教材 の一部とする社会科教育も対応が迫られている.つま り経済構造の変革を反映する社会科教育環境が必要で ある.その具体的な教育の一つが社会科見学である.
 ̄方,教育においては1990年代末から学力低下や
熊本大学教育学部社会科教育専修経済学研究室
(107)
蔦本県には小学校が495校ある。全小学校にアン ケート用紙を郵送した.調査の実施期間は2002年11 月~2003年1月である.アンケート用紙の回収の過 程では,未回収の小学校に対して再度調査協力依頼文 とアンケート用紙を再郵送して協力を依頼した.最終 的にはアンケート回収率は100%であった
学習意欲の低下が問題になっている.しかし,子ども たちは社会経済構造が急激に変化する環境のもとで,
社会を構成し運営するとともに,自立した1人の人間 として力強く生きていくための総合的な力を養うこと が求められている.つまり人間力という用語でも説明・
されている(内閣府,2003).
人間力を育成するための教育施策として,「社会の 見える教育環境の構築」が提案されている(内閣府,
2003).具体的には,現実の社会で大人がどのように 生き,そこでは何力泌要とぎれるのかを見せることに よって,学ぶことの意義を子どもたちに伝えるような 教育環境をつくることである.そのためには学校と企 業などの連携による社会科見学・体験の場の提供や関 連資料の公開,さらに子どもたちの質疑を通じた情報 提供を積極的に行うことが必要である.
実際の社会の動きを見る社会科見学による教育効果 は評価されているが,それを実施するためには様々な 問題に直面しているのが現実であり,内閣府が提案し ている「社会の見える教育環境の構築」のためには社 会科見学の現状分析力泌要である.
本研究では,社会科見学の現状分析を通して,理想 (期待)と現実との間の隔たりを具体的に明らかにし たい.ざらに,社会科見学の実態調査をもとにして,
社会科教育環境としての地域経済の役割とその課題を 明らかにし,その対策としての教育支援の在り方を
Ⅱ活用の観点から分析する.
4.社会科見学の教育効果
社会科見学の教育効果については,アンケート調査 の中で自由記載形式により実施した.具体的な教育効 果を記載した小学校は調査対象495校中415校 (83.8%)であった.なお,残りの小学校80校は本項 目について無記入であった.
この結果から,社会科見学は教育効果の観点から十 分に評価されていることが明らかになった.教育効果 の主な内容は以下の通りである.①実際に見たり触っ たりすること(五感を使って)で興味,関心,感動,
知識,理解が深まる(百聞は一見にしかず).このよ うに社会科への関心が高まるという指摘が圧倒的に多 かった.このつぎに,②新しい疑問などが見つかり 追求意欲の高まりや学習の発展につながる,という指 摘である.
このように社会科見学の教育効果に対する評価はか なり高いという実態が明らかになった.しかし,実施 状況を分析すると様々な問題点が浮かび上がってくる.
つまり,アンケート調査の結果から明らかに教育効果 は高く評価されているが,その評価の高さの中に期待 感も反映きれていると解釈するのが現実的であると考
えている 3.社会科見学の実態調査の方法
社会科見学の実態を明らかにするために熊本県の全 小学校(495校)を対象にしてアンケート調査を実施 した.本研究では社会科見学先の中に,実地見学,校 外学習,見学旅行などを含め,修学旅行は除外した.
なお,社会科見学という語句をアンケート調査で使 用するに当たり,教育現場での認知度を確認した.事 前に小学校でヒアリング調査を実施した.その結果,
社会科見学という語句の認知度には問題があることが 判明したので,アンケート調査では正確性を期すため に,実地見学,校外学習,見学旅行などの説明文を追 加して実施した.
アンケート用紙には,2001年度および2002年度に 社会科見学の対象学年である3~6学年で実施した社 会科見学の内容,つまり見学したすべての施設名,所 在地,学校からの距離,移動手段(徒歩,バスなど)釦 生徒1人当たり費用などを記載してもらった.ざらに,、
社会科見学の効果と問題点(担当教師の悩みも含め て)を自由に記入してもらった。
5.社会科見学先の現状分析
アンケート調査票に記載されている社会科見学先の 施設などは多種多様であったので,教育的観点から社 会科見学の内容を吟味して,つぎのような産業分類に 再集計した.なお,市役所・役場,環境センター,博 物館,消防署など公共的な性格が強い施設にも多くの 小学校が訪問していることがアンケート調査票に記載 されていたが,本稿の分析目的から下記の産業4)に限 定して集計し分析した.
A:製造業分野:(A1)食料品分野としては,牛乳,
果汁,乳酸,茶,コーラ,酒,製粉,大豆,麺,パン,
水産(かまぼこjちくわ,のりなど),漬物,ハム,
蜂蜜外菓子,調味料(みそ鉈醤油)などの製造工場で
ある.(A2)自動車・機械分野としては 自動車((
イク)組立,機械部品,金属,ゴムなどの工場である.
1A3)電子・情報分野としては,半導体肌情報通信機
器などの工場である.(A4)その他製造業分野としは,
製紙,製材,窒素,柚脂,製薬,窯業,畳,紡績,タ オル,竹細工などの工場であるb
B:流通分野:(B1)大型量販店などでスーパーマー ケットも含まれる.(B2)流通センターとしては,卸
市場,材木市場などである.
C:情報分野:(C)新聞・放送としては,放送局,
新聞社などである.
ゼニ圭二麓雲享鐘鏡菫堯苣徽鰯二
産業分野の中で多い順に示すと,①製造業分野(A1)
は327校(66.1%),②大型量販店(B1)は261校 52.7%),③新聞・放送分野(C)は114校(23.0%),
④自動車・機械分野(A2)は86校(17.4%),⑤流通 ンター(B2)は76校(154%),⑥その他製造業分 野(M)は75校(15.3%),⑦電子・情報分野(A3)
は59校(11.9%)である.
次に,上で集計した産業分野を1分野とすれは,各 小学校は社会科見学として,何分野の学習を実施して いるのか集計した.この観点からの集計結果から,ど のくらい多様な産業分野について学習しているのか,
その実態を把握することができる.
上記の集計基準で最も多い産業分野の数は7分野で あるが,実際に実施した結果をみると6分野の社会科 見学が最も多く,そこには2つの小学校が該当した
(0.4%).5分野を見学した小学校は13校(2.6%),4 分野は43校(8.7%),3分野は101校(20.4%),2分 野は151校(30.5%),1分野は144校(29.1%)であっ た.なお,市役所や消防署などの見学のみで上記の産 業分類に該当する産業については見学していない小学
』枝が41校(8.3%)あった.
以上の結果,2つの産業分野を見学している小学校
が最も多く,次が1つの産業分野であり,産業分野が 2つ以下の小学校の累積比率は67.9%も占めている.
このように社会科見学先として採用されている産業分 野の種類は比較的少ないのが実態である.この原因に ついて次節で分析する.
る市町村(ただし,熊本県には国立大学の附属小学校 があり,これも含めた)の産業構造や人口構成など社 会経済的要因の違いが社会科見学の実施状況や内容に 影響していると考えられるからである.
市町村の社会経済的環境を把握するために表1に示 すように社会的分野から,年少人口比率,生産年齢比 率,老年人口比率,人口密度,人口増減率,へき地指 定校率の6指標,経済的分野から1人当たり所得,各一 産業別の就業者比率など17指標,合計23指標を選ん だ.これらの指標をもとにしてJ各市町村の特性を捉 えるのであるが,23指標についてそれぞれ検討しても,
総合的な特徴について分析するときには評価軸が多す ぎて混乱して整理できなくなる.このような分析に適 した統計手法として多変量解析の1手法である主成分 分析5)が有効である〆
表1主成分分析による社会経済的環寛総合指標
指標 第1主成分
年少人口(O~14歳)比率 生産年齢人口(15~64歳)比率 老年人口(65歳以上)比率 人口密度
人口増減率(1995~2000年 へき地指定校率(%)
0.4329 0.8584 -0.8579 07560 0.7116 -0.4958
社会的指標
I
一人当たり市町村民所得(円)
第1次産業就業者比率(%)
第2次産業就業者比率(%)
第3次産業就業者比率(%)
29960740671277180●.●●0000一
農業
産慧菫 業H;k業
裂建設業 業製造業
者電気・ガス・水道業
簔濤菫:臆飲食店
勇金融・保険業~
 ̄不動産業 サービス業 公務
-0.6033 -0.3756 -0.1844 -0.2709 -0.3986 0.3978 0.3188 0.3911 0.8255 0.8727 08436 0.5966 -0.0870
経済的指標
主成分分析はp個の特性値x,,x2,…,x,のもつ情 報を、個(m<p)の総合特性値Z1,Z,…,ZmQに 要約する手法である.このZ,を第1主成分,Zを第2 主成分,Z、を第m主成分と呼ぶ.総合特性値を求め るときには,つぎの2つの条件を満足すること力泌要 である.①総合特性値ZI,Z,…,Z風の相互の相関係数 はゼロである.②ZIの分散は特性値X,,X2,…,X,
のあらゆる1次式のもつ分散のうち最大である.Zの 分散はz,と無相関なあらゆる1次式の中で最大である.
6.地域経済構造格差の影響(その1)
小学校が実施している社会科見学の産業分野の種類
は比較的限定されている現状が実態調査から明らかに
なったので,その要因について考えてみたい.まず第
1の要因として)各小学校が立地している市町村の社
会経済的環境を考える.つまり,小学校を設置してい
表2社会経済的環境レベルと見学先産業分野数
(該当小学校数)
以下同様.第1主成分Ziは(1)式のように,もとの 指標X,,X2,…,X,のウエイト付き1次式で表される.
なお,第1主成分Z,の係数11i(i=1,2,…,p)は(2)
式の条件のもとでZ1の分散が最大になるように決め る.第2主成分以下も同様にして決まる.
小学校が立地する社会経済的環境レベル IⅡⅢⅣV計
O5l43l2ll0 見学先産業分野数
2 13 1
4 1 4 0
2
00 31401
11 22
11 16
8 24 11
27 2
Z,=1,lx,+l12X2+…+1,pXp
12z=12lx,+L2x2+…+12,xp
151144 30
30 32 30
22 32 48
32 19
…(1)
20OiO1278、441
Zk=1klxl+Lx2+…+lkpxp
●●●
Z、=1m,X,+lm2X2+…+LnpXp
学校数63133」0210295495 注:Iは農山村地域~Vは都市地域の特性である。
熊本県の全小学校495校を社会経済的環境のレベル により5段階(レベルI~v)に分類した.レベルI は農村的社会経済構造の特性が強いところであり,一‘
方,レベルvは都市的社会経済構造の特性力攝も強い 市町村である.集計の結果,レベルIに該当する小学 校は63校(7.3%),レベルⅡは133校(26.9%),レ ベルmは102校(20.6%),レベルⅣは102校
(20.6%),レベルVは95校(19.2%)である.
レベルI~vに分類される小学校の社会科見学の産 業分野の数をみると,現実にはかなりのばらつきがあ るがJ各レベルの代表的な産業分野の数を算出して図.
示したのが,図’である.社会経済的環境と社会科見 ただし,
1k12+11.2+・:.+1kp?=1,(k=1,2,…,、)…(2)
主成分分析の結果は表1に示すとおりである.第1 主成分の主成分負荷量が大きな指標は,金融・保険業 (0.8727ハ生産年齢人口比率(0.8584),不動産業 (0.8436),卸売・小売業・飲食店(0.8255),第3次産 業就業者比率(0.8206),1人当たり所得(0.7602),人 口密度(0.7560),人口増減率(0.7116)などの諸指 標である.
一方,マイナス符号の指標をみると,老年人口比率 (-0.8579),第1次産業就業者比率(-0.7779),農 業就業者比率(-06033)などである.
以上の主成分負荷量の傾向から,第1主成分が大き な値を示す市町村は,人口が集積しており,第3次産 業への就業者比率が高く,1人当たり所得も高いとい う特性がある.一方,第1主成分が小さな市町村は,
農業主体の産業構造で,高齢化している.このように 主成分分析で抽出した第1主成分は市町村の都市的社 会経済構造と農村的社会経済構造を示す主要軸,つま り社会経済的環境を示す総合指標として意味づけでき る、.
なお〆本節での主要な分析目的は地域の社会経済構 造を示す総合指標の作成であり,第2主成分以下に,
いても検討することは可能であるが〆第1主成分の解 釈の結果,第1主成分は総合指標として満足できる内 容であるので第1主成分のみを採用した.第1主成分 の固有値は8.5559で寄与率は37.2%である.’
次に,第1主成分で示した市町村の社会経済的環境 総合指標と,各小学校が実施している社会科見学の産 業分野の数(産業分野数は実態調査結果からつぎの7 分野に整理したか食料品,自動車・機械,電子・情報,
その他製造業,大型量販店,物流センター,新聞・放 送の7分野である)とをクロス集計したのが表2であ
る.
4321
見学先産業分野数
U4X+Z、444
0
-4‐6 11
社会経済的寡t境レベル(第1主成分)
図1社会経済環境レベルと見学先産業分野数
学先の産業分野の数との間には明確な関連性がある つまり,社会経済的環境が恵まれている小学校ほど,
社会科見学で多くの産業分野を実際に見学し体験して いることを意味している.これは小学校が社会科見学 を実施するときに,地場産業が社会科教育環境として 重要な役割を果たしていることを意味している.しか し,社会経済的環境レベルが各同一レベルであっても,
各小学校が見学している産業分野の数はかなりのばら
つきがあり,小学校間での格差が大きい.つぎにこの 点について検討する.
的に社会科見学先の産業分野の数が2分野以内と比較 的少ないのは費用と時間の悩みであり,これは教育行 政の予算の制約の問題とカリキュラムの制約から外出 する時間の確保が難しくなっている現実問題に起因し ているといえる。つまり教育行政の問題が原因である.
第2に,産業構造と密接に関連している社会科見学 に適した産業や施設の有無と交通手段の違いが大きな 格差要因になっている.
第3に,同じ社会経済的環境にもかかわらず,社会 科見学先の産業分野の数に大きな格差が発生している のは,担当教師の社会科見学に対する認識や積極性に 影響されていると考えられる.アンケート調査と同時 に10校に対してヒアリング調査も実施したが,担当 教師の認識に大きな差があると感じた.
7.地域経済構造格差の影響(その2)
表2に示すように,レベルIの農村地域であるため
に見学先となる地場産業力沙ない環境の小学校でも,
見学先の産業分野の数がOから4分野までの差が存在 している.,レベルVにおいても都市的な影響が強くて 産業構造は見学に適しているが〆見学した産業分野の 数はO~6分野まで差がある.このような実態から社 会経済的環境の格差の要因の他にも格差要因が存在し ていると考えられる.この課題への接近として,アン ケート調査の中で記載された調査項目,つまり社会科 見学の担当教師の`悩みの記載をもとに分析を進めた.
社会経済的環境総合指標(第1主成分)をもとにし て,都市部と郡部との小学校に分類.して,社会科見学
担当教師の悩みを整理したのが表3である.
最初に全体的にみると,担当教師の最も多い悩みは 交通費が高いことである(53.3%).つぎに時間がか かりすぎることである(41.4%).このように費用と 時間の悩みが深刻であり,社会科見学を実施する上で の制限要因になっていることがわかる.
さらに都市部と郡部とに分けて比較すると,郡部の 小学校の担当教師の方が多く悩んでいる問題は,適切 な場所が近くにない(比率の差:11.1%).つぎは交 通手段の確保が難しい(比率の差:7.1%)である.
つまり,社会経済的環境に恵まれていない小学校が抱 えている具体的な悩みは〉適切な社会科見学の施設が 近くになく,外出するにも交通手段が不便であるとい
う問題である.
このような分析結果から判断すると,第1に,全体
8.教育環境格差の是正とⅢ政策 一教育支援Ⅲ対策の評価方法の提起一 1)Ⅱ対策効果の評価基準
地域経済を総合的にとらえた地域産業構造の特性は,
その地域に立地する小学校の社会科教育環境として重 要な役割を担っていることを確認したしかし,現実 には社会科見学を対象にして分析した結果,小学校間 と地域間においてかなりの格差が発生しているが,全 体的には満足のいく効果は発揮されていないのが現実 である.その主な原因は政策的要因(予算と時間の制 約),地域的要因(施設不足,交通手段の不備),人的 要因(教師の認識格差)にある.社会科教育環境を充 実させるには,種々の方法が考えられるが,本節では
Ⅱ社会の進展を背景とした教育支援対策を考えたい.
具体的には,情報通信ネットワークを活用した社会科
見学の事前・事後学習のための情報収集による教育効 果の向上策である.
表3社会科見学実施にともなう小学校教師の悩み・問題点
全地域都市近郊地域農山村地域地域格差 該当校数比率該当校数比率該当校数比率比率の差 交通費が高し】
時間がかかる 交通手段確保が困難
日程調整が困難 打合せ交渉で苦労 適切な場所がない 安全対策に苦労 期待した効果がない 引率教師が少ない 目的意識が不明確
53.3 41.4 18.9 16.4 15.2 11.6 10.9 9.6 6.3 5.3
nM而閲肌仙蛆細茄Ⅲ
21 911409844430444122111155.4 40.2 16.3 17.5 15.9 7.6 11.2 9.6 5.6 5.6
49.7 43.4 23.4 14.5 13.8 18.6 10.3 9.7 7.6 4.8
5.7
-3.2
-7.1 3.0 2.1 -111 0.8 -0.1 -2.0 0.8
2341075417763222111