9 9 2 金 沢大 学 十全 医学 会 稚 誌 第9 1巻 第6 号 9 9 2‑1 0 0 6 (1 982)
ラ ッ トの
腹 膜 中 皮 細胞
の再 生
:光 学 顕 微 鏡 的 及
び電 子 顕 微 鏡 的観 察
金 沢 大 学 医学 部病理学 第一満座 ( 主任: 梶川欽 一郎 教 授)
桃 井 文 夫
(昭和5 7年1 2月7 日受付)
中皮の再 生機 序を解 明す る目 的で, ゲラ チン ー フイル ム法で ラッ トの体 壁 腹 膜に中皮の欠 損 (5 × 5 m m 2) を作 成し, その修 復 過 程を 1 〜1 4 日にわ た り光 顕 的及 び電顕 的に観 察し た▲ 中 皮 剥離 後1 日 で創 面は大食細 胞で被 覆さ れ, 2 〜 3日 後には創 緑に近 接す る既 存の中皮 細 胞の核 分裂と創 面にお け る中皮細 胞の移 植が認め ら れ た. 同 時に下 部 結 合組 織に線 推 芽細 胞の増 殖が観 察さ れ た・ 創傷7 日 以後は創 面は下 部に薄い癖痕を残し て完 全に再 生 中皮で被 覆さ れ た・ この修 復 過程に おいて・ 超 微構 造 的にも細胞 化 学的
にも大 食 細 胞又 は線 推 芽 細 胞が中 皮細 胞に転 化す ること を 示唆す る証 拠は得ら れ なか った‑ これ らの所見
から, 中皮の欠 損は創 緑か ら の中 皮細 胞の移 動 及び創 面に移 植さ れ た中 皮細 胞の増 殖によって修 復さ れ る も の と結論さ れ た.
K ey w o rds M e s othelial c e11, Rege n e r atio n, L ight mic r o s c op y,
E le ctr o n mic r o s c op y.
腹膜 表 面の創 傷は速や かに修 復さ れ ること は よく 知 ら れ て お り, これ ま での研 究で創 面は早期に大 食 細 胞 で被わ れ, 次いで再 生 中皮の被 覆で置 換さ れ ること が 明ら かにさ れ ている. し か し, 再生中皮 細 胞の起 源に
つ いて は意 見が分か れ,様々 な仮 説が提 唱さ れ ている. これ らの主 熟ま, 再 生 中 皮 細胞は他の間葉 細 胞か らの
転 化によ る という 見解と, 既 存の中 皮細 胞に由来す る という 見解に大 別さ れ る. 前 者の説の中には, 中皮 細 胞は溶 出し た大 食 細 胞か ら転 化す る という説1卜5)と,下 部 結合 組 織の線 維 芽 細胞か ら転 化す る という説6)・7)があ る. 既 存の中皮細 胞か ら中 皮が再生さ れ る と す る見解 の中では, 腹 膜の他の部 位か ら創 面に移 植さ れ た中皮 細 胞の増 殖によ る という考え が多く の支 持を得てい る8卜1 0).創 繚に近 接す る既 存の中 皮細 胞の分裂 増 殖によ
って連 続 性に中皮が再 生さ れ る可 能 性が指摘さ れて い る が, 腹 膜 創傷は非 常に速や かに修 復さ れ, し か も中 皮の再 生は創 面全 域に平 等に進 行す ること か ら1) 胡, こ の ような既 存 中 皮から の連 続性 再 生は限ら れ た範 囲に
止 ま る も の と考え ら れ ている3)・9).
これ ら の意 見の相 違の原 因のひ とつ は研 究 方法の差
に基 づ く ものと思わ れ る. た と え ば, 広く, 且つ深い 創 傷では炎症 細 胞の浸 潤や そ れに続く結 合組 織細胞の 反 応が強 く, これ ら の細 胞と再 生 中 皮細 胞との関係の 解 析は困 難にな る で あ ろ う. 又, 他の細 胞が中皮細胞
へ転 化す る か否か は超 微 構 造 的 及び細 胞化 学的特徴の 比較が有 力な手 段と な る で あ ろ う. さ らに, 中 皮の再 生が既存の中皮か ら連 続 性に行わ れ るか, あ るいは不 連 続 性に行わ れ る かについて は, 小皮 標 本や走査型電 子顕 微 鏡 (以下走査電 顛と略す) によ る創 面の細胞分 布の検 討が重 要な手 掛り を与え る で あ ろ う.
本 研 究はこれ らの諸 点を考 慮し て,W at te r sら8 )のゲ ラ テンーフイル ム法に従って腹 膜 中 皮の みを剥 離し, 光学 顕 微 鏡 (以下 光 顕と略す), 透 過 型 電子顕微鏡 似 下 透過 電 顕と略す), 走 査電 顕な ど, 様々 な観 察手段を 併用 し, 中皮 細 胞の再 生 機 序を解 明し よ う と試み たも のである.
M e s othelial R ege n e r atio n of the Rat Pe rito n e u m : Ligh t a nd Ele ctr o n M ic r o s c oplC o bs e rv atio n. Fu mio M o m o n oi, Depa rtm e nt of Path olog y (Ⅰ),(D ir e cto r ‥P r of・ K・ Kaji・ k a w a), Scho ol of M edicin e
, K a n a z a w a U niv e r sit y・
..: .∴
・∴
..‑
‥
腹 膜 中皮 細 胞の再 生 9 9 3
材 料 及 び方 法 Spr agu e
‑ Da wley 系ラット( 体重2 0 0g) を塩 酸ケ タミ ン(「ケ タ ラー ル→三共) の麻酔 下で開 腹し, 体 壁 瞑膜に5m m 平 方の ゲ ラ テンー フイル ム (日本アップ ジヨン社)を10 秒間 貼 布 後 除去す ること に よって中 皮 を剥離し て創 傷を作 成し た・ 剥離 後1 , 2, 3, 4,
5, 7, 9 ,1 4 日に組織を切 出し た・ 腹部 切 開の み を 行った も の を対 照と し た・
1) 透過 電顕 的 観 察: 細 切し た組 織を 2・5 % グルタ
ールアルデヒド(0.1 M カコ ジル酸ソ ー ダ緩 衝 軌 pH 7.4) で 40C, 60 分間 固 定後, さ らに2 % オスミ ウム酸
(0.1 M カコ ジル酸ソー ダ緩 衝 液, pH 7・4) で 40C,
90 分間 固定し た. 試 料はエタ ノ ー ル系 列で脱 水し,
E P O E 81 2 に包埋 し た.超 薄 切 片はダイ ヤモ ンド ナ イフ を用いL K B ウルト ラ トー ム で作 製し,酢 酸ウ ラニ ール・ 硝酸鉛の 二重 染 色を行った.超薄 切 片は 日立H ‑5 0 0 型 電子顕微鏡を用い直 接倍率1,2 0 0〜1 5,0 0 0倍で撮影し た.
2) 走 査電 顕 的観 察: 創傷 後1 , 2, 3, 4 日 の材 料をダルク ー ルアルデヒド・ オスミ ウム酸の重 固 定を 行い, 酢 酸イソア ミルで置 換, 臨 界 点 乾燥 後, 金 一パ
ラ ジウム蒸 着を施し た. 試 料は 日立H F S ‑2形 電 界 放 射型走査電子顕 微 鏡を使用 し,直接 倍 率2 0 〜1 0,0 0 0倍 で撮影し た.
3) 光 顕的 観察:1 0 % 中性ホ ルマリンで固 定さ れ た 組織をパラフ ィ ン切 片と し, H ・ E, V a n G ie s o n 及び 鍍鍍染色を施し た.
4) ゲ ラ テン【 フイル ム剥 離標 本 ( 以 下剥 離 標 本と 略す) :創 傷後2, 3, 4 日 の材 料か ら T s uts u mi らの
方法1 1)に準じて次の よ う に剥 離標 本を作 製し た.1 5 m m
平方の ゲ ラ テンーフイル ム (日本アップ ジヨ ン社) を 創傷を含む腹 膜 面に約1 0 秒 間密 着 圧迫し,フイル ム面
に細胞を貼布さ せ た. フイル ムは 1 0% 中 性ホルマリン で固定し, フイ ルム自 身の染 色性を防ぐ た め市販の セ
ロテー プ を貼 布し, 鉄へ マト キシリンで染 色し た. こ
のよ う な方法で作 製さ れ た 正常 腹膜 標 本には紡錘 形の
中皮細胞の敷石状の配 列が観察さ れ,中 皮のe n fa c e観
察に有効で あ ること が確か め ら れ た.
5) 酵素 細胞 化 学 的観 察: 創傷 後1 , 2 , 3, 4 日 の組織を Ka r n o v sky 固 定 液で固 定し, Vibr ato me で 20 0 〜3 0 0FL に薄切し,Go m o ri法1 2)によ る酸性ホ ス ファ ター ゼ反応,勝田 らの方 法1 3)によ るペルオ キシダー ゼ反 応を行い, 上記と同様な方 法で電 顕 試 料を作 製し た.
6) 貪食実 験: ミリ ポ アフィルター で炉 過した India n
ink(Pelika n 社)2 ml を創傷2 時 間後に腹 腔 内に注 射 し, 1, 2 , 3, 4 , 5 , 7, 9 , 1 4 日 の間 隔で組 織
を採 取し, 上記の方 法で光顕用組 織切 片 及び電顕用超 薄 切 片を作 製し た.
結 果
Ⅰ 肉眼所見
中皮 剥離1 日目で は創 面は白 色に混 濁し, 透 明滑 沢 な 正常 腹膜 面と明 瞭に境さ れ る. そ の後4 日目ま で創 面の混 濁は増 加す る が, 5 日以 後か ら徐々に混 濁は減 少し 14 日 で は 正常 腹膜の外 観に回復し た. 4 日目ま で 極く少 量の透明な腹 水が認め ら れ た が, 5 日以後は ほ と ん ど消失し, 又, 腹 膜の癒 着は全く認め ら れ な か っ た.
ⅠⅠ 正常腹 膜の構 造 正常 状 態の腹 膜は光顕 的に は,
一層の扁平な中皮 珊
胞で被わ れ, そ の直 下に結 合組 織の薄 層を隔て て弾 力 板が認め ら れ る. 弾 力板と腹 筋と の間は撤 密な線 推性 結 合 組織で占め ら れ る. 線 維 束の間に長い細胞 突 起を 延ば し た線 推 芽細 胞が散 在し, 腹 筋の近くには毛 細 血 管が配 列す る.
透 過 電 顕で は. 中 皮細 胞は腹 膜 表 面を被覆す る屑平 な細 胞と し て認め ら れ, 細 胞は 互に tigh tju n ctio n 又 は デス モソ ー ム によって接 着す る. 細 胞の自 由表 面は は梶棒 状の微絨 毛が認め ら れ, 基底面は連 続性の基 底 膜で包ま れ る. 細 胞 小 器 官の特 徴は比 較 的乏し く, 断 片状の粗面 小 胞体, ゴ ルジ装 置, 糸粒 体 及び小 胞が認 め ら れ る. 時に, 多 房体が認め ら れ る が de n s ebody 型
のリ ソゾー ムは ほ と ん ど存 在し ない. 核は輪郭の不 整 な楕 円形を呈し, クロ マチンは少ない. ペ ルオ キシダ
ーゼ活 性は陰性で あ る.
中 皮細 胞の基 底膜の下には, mi c r o飢ril と少 数の細
い膠 原線 椎を含む結合 粗 織が存 在し, 下 部の線 維性 結 合組 織との間は弾 力線 維によって境さ れ る. 弾 力線 推 は腹膜 表 面に平 行に走る板 状の配 列を 示 す が, 所々に fe n e str atio n が存 在す る. 弾 力 線 維の周 囲は mic r o一
丘bril で包ま れ る. 弾力 板と申皮との間には遊 離状の細 胞は認め ら れ ない.
弾力 板の下 郡は膠 原綿 推 束で満た さ れ, 線 維 束の間
には, 線 推芽 細 胞が介在す る. 線 推 芽細 胞は粗 面 小胞 体が豊寓で, 樹 枝 状の細 長い細胞 突 起を線推 束の間に 延ば し ている. 腹筋の近くには毛 細 血管が配 列し, リ
ン パ管も か な り多く認め ら れ る.
走 査 電頗では中 皮細 胞は密に配 列し た多 角形細 胞と し て認め ら れ, 表 面には剛 直性 徴 絨毛 の密 生が観 察さ れ る.
上述のよ う に, 腹 膜は弾 力 板を境と し て, そ の内 層 と下 層で は構 造 的に異っている ので, 本論 文で は, 弾 力板よ り内層を腹 膜 固有 層, 下層を腹 膜下 層と呼び分
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け て記載す る.
Ⅱl 腹 膜の修 復 1 . 光 顕 的 所見 1 ‑ 2 日:
露 出した腹 膜 固 有 層の表 面は大食 細 胞で被わ れ,所々 大 食 細 胞, 好 中球, 線維 素か ら成る溶 出物が付 着す る・ 大 食細 胞にはInd ian ink の貪食を認め ること が で き る.
腹 膜 下 層で は腹 筋に近 接す る毛 細 血 管の周 囲に少 数の
大食 細 胞と好 中球の浸 潤が認め ら れ, 線 維 芽 細 胞は軽 度の増 殖を 示 す.
剥 離 標本で は創傷2 日 で創 面は多 数の大 食 細 胞で被 わ れ, 創緑の中皮細 胞の配 列は不 規 則と な り, 多数の 核分 裂が認め ら れ る(F ig.1) . 被 覆は その間に侵入 す る中皮 細胞によって不規 則に分 断さ れ る.
3 ‑ 4 日:
腹 膜 固 有 層は細 胞 増殖によっ て肥 厚す る. 構 成 細 胞 の大 部 分は India n ink の貪食を示さ ない紡 錘 形 細 胞 で, Indi an ink を摂 取し た大食 細 胞は腹 膜 固 有 層の深 部に集 在す る(F ig.2). 腹膜 下 層で は大 食 細 胞の浸 潤 と線 推 芽 細 胞の増 殖が認め ら れ, 緑 綬 芽 細 胞は腹膜 固 有 層に侵入 す る.
剥 離標 本で は創 面の大部分は中 皮細 胞で被わ れ, そ の中に大 食 細 胞が付 着し た創 面が島状に残っ ている.
Fig.1. Gelatin ‑fi lm stripp ing pr epa r atio n fr o m the w o u nd m a rgin at2 days afte r m e s otheliu m ‑ r e m o v al, Sho wing mito s e s of the m e s othelial
c ells.Ir o n he m ato xylin stain. ×9 0 0.
F ig.2. Ce ntr al pa rt of a w o u nd at 3 days・ T he s u rfa c e c ells fo r T n a d is c o ntin u o u s laye r・ T he
u nde rlying c o n n e ctiv e tis s u e c o ntain s n u m e r o u s c ellula r c o mpo n e nts,in clud ing India n ink‑
phago cy tiz ed m a c r ophage s(a r r o w s). H.E. ×9 0 0.
‡
tt■ t
腹膜 中皮 細胞の再 生 9 9 5
Fig.3・ Gelatin一色Im strip ping pr epa r atio n fr o m the c e ntr al pa rt of a w o u nd at 3 days・ M a c r o‑ phage ‑ C O V e r ed a r e a s a r e s e e n a sir r egul a rislets
betw e e n r ege n e r ating m e s othelial c e11s・ A r r o w
indic ate s mito sis of a m e s othelial c ell. Ir o n
he m ato xylin stain. ×4 5 0・
中皮細胞には所々核 分 裂が認め ら れ る(F ig.3). 中皮 細胞が別線か ら求 心 性に創 面を被 覆す ること を 示唆す る所見は認め ら れ ない.
5 ‑ 6 日:
腹膜 固有層の増殖 細 胞は減 少す る. 表 面は 一 列に並 ぶ扁平な細胞の被 覆があり, 下 部には紡 錘 形 細 胞が平 行に配 列し,好 餌線 推の増 加が認め ら れ る.Ind ia nink を摂 取す る大食 細 胞は腹 膜 固有 層深部に散 在 性に認め ら れ るにすぎない. 腹 膜 下 層で は線維 芽 細 胞の増 殖は
なお続いている が, 大 食細 胞は減 少す る.
7 ‑ 9 日:
創面は完 全に一 層の中 皮細 胞で被 覆さ れ, 腹 膜 固有 層に軽度の膠 原 線 維の増加が認め られ る.少 数の Ind ia n
ink の貪食を 示 す大 食細 胞が散在す る.腹 膜 下 層の線 維 芽細胞は減 少す る.
14日:
腹膜は ほ と ん ど 正常 構 造に回復す る. 腹 膜は扁 平な 中皮細 胞で被覆さ れ創 傷の痕 跡は ほ と ん ど確 認で き な いが, よ く注 意す る と, 中皮 下に膠 原線 推の増 加が残
っている所がある.
2 . 電 顕 的所 見 1‑ 2 日:
中皮の欠 損 部には基 底 膜が露 出し, 腹 膜 固 有 層には 軽 度の水 腫と少 数の好 中球の浸潤が認め ら れ る。 露 出 し た基底 膜の表 面は渉 出細 胞が付 着 する. 溶 出細 胞の 大 部 分は大 食 細 胞である が, 少 数の好 中 球と肥 満細 胞 が混 在し て お り, 中皮 細 胞も散 在性に認め ら れ る.
大 食細 胞は クロ マチンの粗 大な陥凹 のある核を有し,
細 胞 表面に多 数の細偽 足を出し, 広い原 形 質に は小 胞 及 び空胞が多く, 酸 性ホス フ ァター ゼ が陽性の リ ソゾ
ー ムが認め ら れ る.粗 面小 脇 体の発育の程 度は様々で,
数 層に並 ぷ細 管 状 粗面 小 胞 体が認め ら れ ること がある.
ゴルジ装 置は中等 度に発 育し層板と小 脇で構成さ れ る.
ペ ルオ キシダー ゼ活 性が核 膜, 粗 面小 胞 体, 原 形 質 頼 粒 及び リ ソゾー ム に証 明さ れ る細 胞と, 原 形質 顆 粒や リ ソ ゾームの みに証 明さ れ る細 胞が混 在 する(Fig.4).
中皮 細 胞は原 形 質を延 ばし て創 面に付 着し, 遊 離 面
には微 絨 毛が認め ら れ る. 基底膜の形成は不 完全で あ る(Fig.5). 核の輪 郭は不 整で クロ マチンは微 細であ る. 時々核 小 体が み ら れ る. 正常の中 皮細 胞に比べて 粗 面 小胞 体と ゴルジ装 置の発育が良 好で, しばし ば多 房 体が認め ら れ る. 原 形質 周辺に マイ クロ フィ ラ メン
トが集在す る.
ペ ルオ キシダー ゼ反 応は陰性である.
リ ソゾー ムは乏し く, 酸性フ ォ ス フ ァター ゼ反 応は ゴ ルジ装 置及 び多 房 体に証 明さ れ る. 創緑で は中皮 細 胞 に時々核 分裂が認め ら れ,細 胞 間の結合が ゆ る く な り,
腹 腔 内への剥 離が認め ら れ る (Fig.6, 7).
腹 膜 下 層には軽 度の水 腫と, 好 中 球や大 食細 胞の浸 潤が認め ら れ る. 線 推 芽 細胞は軽 度の増 殖を 示 し, 弾 力 板の間 隙か ら腹 膜 固 有 層へ侵入 す る像に遭 遇す る
(F ig.5).
走 査電 顕で は創 面に多数の大食 細 胞の付 着が認め ら れ る. 大食 細 胞は中 皮細 胞よ り小さ く, 丸み を帯び,
細 胞 表 面にう ねった ひ だ状の細 偽足が認め ら れ る. 創 緑の中 皮細 胞は配 列が乱れ る が, 多数の微 絨 毛を持つ 大型の扁 平な細 胞と し て大 食 細 胞と容 易に区別さ れ る (F ig.8).創 中央 部にも大 食 細胞の間に原形 質を延 ば し た中皮 細 胞が散在 性に認め ら れ る(Fig.9).
3 ‑ 4 日:
この時期で は光顕 的に観 察さ れ る ように, 著 明な細 胞 増 殖の た め腹 膜 固 有 層の細胞の構 成は複 雑と な る.
主要な増殖 細 胞は中 皮細 胞, 大食 細 胞及び緑 綬 芽細 胞 である.
創 面は大 食 細 胞 及び中皮 細 胞で被わ れ る が, 中 皮細 胞の占め る割 合が増 加す る. これ は走 査 電顕によって も確か め ら れ る(Fig.1 0). 中皮 細胞は隣 接す る大 食種