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水まわりの修理サービスのトラブル多発!~広告を見て呼んだら、思いもかけない請求が~

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Academic year: 2021

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記者説明会資料 2008 年1月9日 国民生活センター相談調査部 水まわりの修理サービスのトラブル多発! ~広告を見て呼んだら、思いもかけない請求が~ キッチンや風呂、トイレなどの水まわりには、蛇口などの水漏れや詰まりといったトラ ブルが生じることが少なくない。トラブルが起こった際には、投込広告やチラシ、電話帳 広告などを見て「低料金」と思って業者を呼ぶことが多いが、こうした緊急時の要請に応 じて来訪した業者との間で料金やサービス内容に関する苦情が相次いでいる。 チラシなどの広告を見て業者を呼んだ水まわりの修理サービスについて、全国の消費生 活センターに寄せられた相談件数は、2006 年度には 1,104 件、2007 年度には 795 件(前年 同期の件数は 522 件で、前年同期比 273 件(52.3%)増加)となっており、年々増加傾向に ある(図1参照)。 水まわりのトラブルは消費者が誰でも巻き込まれる可能性があり、被害の未然防止・拡 大防止を目的とした情報提供を行うこととした。 1.相談件数 図1 年度別相談件数 件数 度 2007 年 12 月 10 日までのPIO-NET入力分。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・ 608 665 842 795 795 952 1,104 522 0 200 400 600 800 1000 1200 2002 2003 2004 2005 2006 2007 年 ※ システム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消 費生活に関する情報を蓄積しているデータベースのこと。

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2.契約当事者の属性 契約当事者の年代別割合 N=4,592・2002 年度~2007 年度分) 契約当事者を年代別にみると、50 歳代が最も多くなっているが、30 歳代から 80 歳代以 上 .契約購入金額 契約購入金額の金額別割合 N=4,347・2002 年度~2007 年度分) 契約購入金額をみると、5万円未満の契約が全体の 35%以上を占めている。契約金額の 平 図2 ( (不明・無回答を除く) までの幅広い年代が当事者となっている。男女別では、女性が 69.4%を占めている。 10歳代 20歳代 254件 (5.5%) 30件(0.7%) 80歳代以上 419件(9.1%) 30歳代 621件 (13.5%) 70歳代 841件 (18.3%) 40歳代 724件 (15.8%) 60歳代 800件 (17.4%) 50歳代 903件 (19.7%) 3 図3 ( (不明・無回答を除く) 1万円未満 274件(5.9%) 500万円以上 500万円未満 167件(3.6%) 4件(0.1%) 100万円未満 229件(5.0%) 5万円未満 1,362件 (29.5%) 50万円未満 1,142件 (24.7%) 10万円未満 1,443件(31.2%) 均は約 18 万円となっており、契約金額が 500 万円以上の高額なケースが見られる。しか し、これらは水まわりの修理サービスをきっかけに次々と台所などのリフォーム工事を勧 められたものである。

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4.相談事例 (1)広告表示と比べ高額になった事例 載された「水漏れ修理 基本料金 3,000 円~」 な の金額よりも高額に】 修理を依頼した。来 訪 事例2:簡単な風呂場の排水管の詰まりの修理で高額な請求】 と書かれた投込広告で 見 者:60 歳代 男性 給与生活者 契約金額:約 65,000 円) 2)十分な説明をせず、想定外の作業を行った事例 、原因や状況を十分説明されず、 と 漏れ修理のはずが了解なく浴室のタイルを剥がして帰った業者】 当 投込広告やチラシ、電話帳広告などに記 どの表示から、低料金で済むと思って修理を依頼したところ思いがけない高額請求を受 けたという相談が数多く寄せられている。 【事例1:蛇口の交換が必要と言われ、広告 電話帳広告に掲載されていた業者に電話し、台所の蛇口の水漏れ した作業担当者は蛇口の交換が必要と言ったが、料金は説明しなかった。広告には「基 本料金 3,000 円」と記載されていたのに、作業終了後に示された金額はその 18 倍以上だ った。内訳を見ると、単水栓はホームセンターでは 1,200 円程度で販売されていたが、 業者の単水栓の請求金額は 25,000 円であった。全体として高額すぎると思うので支払い たくない。 (契約当事者:50 歳代 女性 無職 契約金額:約 55,000 円) 【 風呂場の排水管が詰まったので、「下水の詰まり 5,000 円~」 た業者に電話した。来訪した作業担当者が薬剤とポンプ使用で直れば 65,000 円だと言 うので、高いとは思ったがやむなく承諾した。作業は 15 分程度で終わり、簡単な作業に 見えたので 65,000 円は高額すぎると言ったところ、作業担当者は「作業時間は料金には 無関係。詰まりは直ったのだから料金を支払え」などと言った。納得できず業者の広告 に記載されていた番号に電話しても、「料金は作業担当者が決めるのでこちらではわから ない。作業担当者と話をするように」と言うだけだった。その後、作業担当者から電話 があったが、威迫的な態度で一方的な主張を繰り返し、交渉にならない。高額すぎると 思うので支払いたくない。 (契約当事 ( 水漏れや詰まりの修理を依頼するため業者を呼んだが にかく設備を交換しなければならないと告げられ、高額な契約をしてしまったという相 談も寄せられている。また、消費者が作業に不満を述べると作業途中で帰ってしまうとい うケースも見られる。 【事例3:シャワーの水 折込広告で見た業者に浴室シャワーの水漏れ修理を依頼したところ、来訪した作業担 者は調査工事が必要と言い、立ち会った両親の了解も得ずに突然シャワー周辺の壁や 床のタイルを剥がし始めた。驚いて、自分が作業の中止を求めたところ、壁や床からタ イルを剥がした状態のまま放置して帰ってしまった。作業担当者は、帰り際、自分が気 づかないうちに母に「この件に関し今後一切異議申立をしない」という書面に署名させ ていた。 (契約当事者:70 歳代 男性 無職 契約金額:0円) (相談者:50 歳代 男性 給与生活者)

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【事例4:水漏れ修理を依頼したのに高額なリフォーム工事に】 込広告と一緒に配布さ れ 3)業者の説明不足や威迫的な態度に問題があった事例 者と直接話すように言われる こ を依頼した。来訪した作 業 額:約 25 万円) 事例6:高額な料金の振込をせずにいたところ脅すような電話がかかってきた】 金の こ 台所、洗面所、風呂場の蛇口が水漏れしていたので、新聞の折 家の中に貼っておいたシールに掲載されている番号に電話して業者を呼んだ。来訪し た作業担当者は、「壁の中に水が漏れてしみこんでいる」「何箇所も不具合がある」と 水道管全部の工事が必要だと言った。付随する台所のシンク等も替えた方がよいと言わ れ、結局 640 万円もの大掛かりな工事契約をしてしまった。後日、金額に納得できず再 見積りを依頼し値下げしてもらったが、やはり水漏れ工事だけでよかったので、解約し たい。 (契約当事者:50 歳代 女性 自営・自由業 契約金額:約 640 万円) ( 消費者が事業者の電話窓口に苦情を申し出ても、作業担当 とが多い。苦情を申し出たところ、威迫的な態度で請求されたために怖くなって業者に 言われるまま高額の料金を支払ってしまったという事例も見られる。 【事例5:便器の交換が必要と言われたトイレの詰まり修理】 トイレが詰まったので電話帳広告で探した業者に電話し修理 担当者は、便器の状態を見て「これは便器を取り替える必要がある」と言った。なぜ 取り替えなければならないのかたずねると、「尿酸が詰まっているので便器を取り替える しかない」と説明されすぐに取り替えられてしまった。3日後にまた詰まったため業者 に電話したところ、別の人が来て、ラバーカップで吸い上げただけですぐに直った。便 器の交換は必要なかったと思うので、業者に苦情を申し出たところ「交換は必要だった」 「素人が何を言うか」等と強い口調で言われ取り合ってもらえない。 (契約当事者:60 歳代 男性 無職 契約金 【 トイレが詰まったので、投込広告で見た業者に来訪を依頼した。作業担当者は料 とは何も言わず作業を始めたが、なかなか直らなかった。作業担当者は高圧洗浄をし ないと直らないと言い、その時初めて料金は 13 万円になると言われた。作業終了後に夫 が帰宅し、高額なので適正金額かどうか確認した後に支払いたいと申し出た。その場で は頭金として3万円を支払い、帰ってもらった。その後、何日か家を空けていた間に「逃 げられた人は一人もいない」「水道が止まっちゃうので早く連絡を」などと脅すような電 話があった。電話の直後に水が出なくなったことから、業者が自宅まで来て水道の元栓 を閉めた疑いもある。業者が信用できないし、あと 10 万円も支払う必要があるとは思え ない。 (契約当事者:30 歳代 女性 家事従事者 契約金額:約 13 万円)

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5.苦情から見た問題点 金ではサービスを受けられない った価格表示と、割引サービ ス 請してい る (2)作業内容について事前に説明されない 状況を正確に把握した上で原因を検討し、 検 き 3)高圧的な態度で接する業者も な説明をしないまま、威迫するような態度で高額 な (4)業者の苦情対応が不十分 供している業者の中には、広告に表示されているフリ ー ※ 修理サービスで頻繁に行われるコマ、パッキン等の給水用具の部品の取替えやポンプ等での吸引 た事業者でな け (1)広告に書かれた料 チラシ等の広告には、「水漏れ修理 3,000 円~」とい (「広告提示により 2,000 円割引」など)が付いていることが多い。しかし、現場で 提示される料金は広告に表示された金額とはかけ離れて高額になることが多い(事例 1、2)。また、作業終了後に渡される請求書では「出張費」や「作業点検費」などが 計上されており、このことは広告に書かれていない場合が見受けられる。 消費者は広告から数千円程度の低料金という印象を受けて業者の来訪を要 ため、現場で高額な料金の支払いを求められることになるとは思いもよらない。 業者によって行われる作業自体が、現場の 討結果に応じた適切な修理等の作業が行われたかどうか疑わしいケース(事例3)、 あるいは原因や作業内容について適切な説明が行われていないケースが見受けられる。 適切な作業が行われたかどうか疑わしい場合でも、作業前の状態を再現することがで ないため、消費者側でそれを検証することは困難である。 ( 作業担当者が消費者に対する十分 金額を提示するケースが見受けられる(事例5)。また、苦情を申し出た際に、消費 者の話を聞かず高圧的な対応をされるケースも見受けられる。 水まわりの修理サービスを提 ダイヤルに電話があると、消費者宅の近くで営業している作業担当者に連絡し消費 者宅を訪問させるシステムを取るところがある。このような業者の実態については、 消費者側からわからないことも多い(※)。また、消費者からの苦情に対応するスタッ フがいないというケースも見られる。消費者に知らされているのは広告に書かれたフ リーダイヤルだけで、その番号に電話しても満足な対応がなされなかったり、「作業担 当者と話をするように」と取り合ってくれないことがある(事例2)。家の中に入って 作業をした人と直接話をすることに対して不安を覚え、苦情を申し出ること自体を諦 める場合もあると考えられる。 作業や水道管等に対する薬剤使用については、水道管に直接触れるものではないので、特別な資格 は不要であり、誰でも行うことができる。事業者の登録制度のようなものもない。 ただし、上水道工事については、水道事業者(市町村の水道局等)から指定を受け れば行うことができないという条例を定めている地方公共団体が多い。こうした条例がある場合、

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指定事業者以外の事業者による工事は、給水停止・工事のやり直し等を命じられることがある。ま た、下水道工事についても、地方公共団体の条例がある場合には、条例に基づく指定を受けた指定 事業者でなければ工事を行うことができない。 5)解決が困難な場合がある 話で業者に来訪を要請し、作業の結果、依頼した修理 自 態度に断りきれなかったケース(事例2)や、水漏れによる 被 センターによるあっせんを望 ま ( 修理のために消費者が自ら電 体は問題なく完了している場合は、特定商取引法の適用対象外となりクーリング・ オフはできないと考えられる。しかし、水漏れを修理してもらうだけのつもりだった のにトイレや浴室のリフォームをすることになってしまったというケースのように、 来訪要請の目的から外れるような内容の契約(事例3、事例4)であれば、特定商取 引法の適用対象になるとも考えられる。しかし、法定書面が交付されておらず、本来 クーリング・オフが認められるべきであるのに業者がクーリング・オフを認めないケ ースもある(事例4)。 また、業者の高圧的な 害が拡大した場合を考えて断りたくても断れなかったという消費者の心理につけ込 むようなこともあること(事例4)から、消費者契約法や特定商取引法による取消し が主張できると思われる場合もある。しかし、消費者対応が不十分な業者が多いこと から、消費者が苦情を申し出た時のみならず、消費生活センターがあっせんしようと しても、話し合いができないケースも見受けられる。 相談者が業者の高圧的な態度に恐怖を覚え、消費生活 なかったり、業者が「詰まりは直っている」などと主張し、既にサービスを提供し たことを理由に対応せず、相談者が何らかの負担をせざるを得なかったケースもあり、 トラブルの解決を図ることは困難な場合も多い。

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6.消費者へのアドバイス 1)広告に表示された価格だけで済むとは限らない 広告では、「基本料金」といった形での価格表示しかされていないことが多い。見積書 を見ると、「出張費」や「交通費」が加算されている場合や、さまざまな作業や部品の代 金が追加で発生している場合もあり、広告に表示された金額だけで済むとは限らない。 広告を見ただけで、低料金で済むと考えないこと。電話の際に、来訪だけでもお金がか かるのか、作業はだいたいいくらになるのかなどをしっかり確認しておきたい。 (2)サービス内容や料金等が把握できる業者を選ぶ 24 時間・全国エリア対応の業者や、日中・一定地域のみ対応の業者など様々な業者が あるが、あらかじめサービス内容や質、料金、営業時間、緊急時の対応などを把握し、 連絡できるようにしておいたほうがよい。地方公共団体では、上水道・下水道の工事に ついて指定業者制を採用しているところが多い。指定業者になるためには一定の基準を 満たしている必要があるため、指定業者であるかどうかということも業者選びの一つの 参考になろう。(例えば、東京都水道局のウェブサイト(※)には指定業者一覧が掲載されている。そ の他多くの地方公共団体にも同様の掲載がある。)※http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/index.html ( (3)当初依頼した目的と異なることを勧められても、すぐに決めない 修理を依頼した業者から、設備を交換しなければ直らないと言われた場合であっても すぐに契約せず、まず応急処置を求めること。目的と異なることを勧められた場合、他 業者にも聞いてみるなど一旦冷静になって考えたほうがよい。例えば、トイレが詰まっ た場合に、便器の交換が必要となることは考えにくい。業者の説明を十分に聞き、納得 した上で契約するかどうか決めたほうがよい。 (4)元栓・止水栓の場所を確認しておくなど、緊急の場合に備えておく 水道の水漏れの際は、被害を最小限に留めるためにまず水を止める必要がある。トイ レ、台所、浴場、洗濯機などの止水栓の位置をあらかじめ確認しておき、緊急の場合に も慌てず対処できるようにしておくこと。止水栓が見当たらない場合は、全体の止水栓 が水道メーター付近にあるのでその位置・締め方を確認しておくこと(【参考資料】参照)。 (5)トラブルの際は消費生活センターに相談する 業者のサービス内容や請求内容に納得できない場合には、消費生活センターへ相談す ること。 情報提供先 経済産業省商務情報政策局消費経済政策課 経済産業省商務情報政策局消費経済対策課 警察庁生活安全局生活環境課経済対策室 公正取引委員会景品表示監視室 [問い合わせ先] 相談調査部 電話 03-3446-0999(相談受付)

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【参考資料】 器具 ○ 合 )にま すと閉まり、左にまわすと開きます。(ハンドル式もあります) 水周り器具によく見られる止水栓 壁 は 止 の止水栓、および家屋の止水栓の止め方 器具の止水栓の位置と閉め方 水まわりの器具にはたいてい止水栓というバルブが付いています。(単水栓や一部の混 栓には止水栓がありません)止水栓は、マイナスドライバーで、右(時計まわり わ 付き水栓の止水栓は、器具本体と壁の間にある脚部についています。洗面台の止水栓 、洗面器やカウンター下にあります。 洗面台の止水栓の位置 壁付き水栓の止水栓位置と閉め方 ハンドル付の止水栓の例 水栓の例

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○家屋の水道の元栓の位置と閉め方 器具に止水栓が付いていない場合や位置がわからない場合は、家屋全体の水道の元栓で まわすと閉まり、反対に左にまわすと開きます。水道 メ 意ください。 ・ 水を止めます。右(時計まわり)に ーターの近くに付いていますが、場所や形は建物の種類や新旧によって異なりますので ご注意下さい。 また、排水栓が近い場合もありますので閉め間違いのないようご注 戸建て住宅 宅地内の地面にあります。 戸建て住宅の水道の元栓の位置と閉め方 戸建て住宅の元栓の例 ト、マンション等) パートの場合は戸建て住宅と同じく敷地内の地面、マンションの場合は玄関横のパイプ ャフト(PS)内にあるものが多く見られ ・ 集合住宅(アパー ア シ ます。 マンションの水道の元栓の位置と閉め方 に当センターで作成) マンションの止水栓の例 (TOTO 水彩プラザ広島の HP を基

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参照

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