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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名 鶴永 陽子

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Academic year: 2021

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(様式第9号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 鶴永 陽子

審 査 委 員

主 査 板村 裕之 ◯ 副 査 太田 勝巳 ◯ 副 査 田邉 賢二 ◯ 副 査 山内 直樹 ◯ 副 査 中村 守彦 ◯

題 目 果樹を用いた健康茶の製造方法と機能性成分含量に関する研究

審査結果の要旨(2,000字以内)

本研究は,県内未利用資源であるカキおよびヤマモモの葉を用いた高機能健康茶の開発を目的とし,

以下のことを明らかにした.

1. 採取時期および新梢長が柿葉および新梢の機能性および機能性成分含量に及ぼす影響 島根県におけるカキ‘西条’の栽培面積は国内最大であるが,生産者の高齢化が加速する中で放任園 が増加し,深刻な問題となっている.また,アスコルビン酸およびポリフェノールに富む葉は,有用 資源にも関わらず放置・廃棄されており,その有効活用が望まれている.そこで,著者らは柿葉茶へ の利用を検討した.

まず,機能性および機能性成分含量の高い柿葉茶原料を得るための手段として,採取時期がそれらに 与える影響について検討した.その結果,アスコルビン酸(T-AsA)含量とポリフェノール含量は 6 月か ら 7 月の含量がもっとも高く,それぞれ 3,700 mg/100 gDW,16,100 mg/100 gDW(アストラガリン相 当量)であった.また,イソケルシトリン,アストラガリン含量は 5 月葉が最も高く,それぞれ 480,

520 mg/100 g DW で,その後新梢長の急激な伸長に伴い6月には激減した.

次に,新梢長を指標として,機能性成分含量の高い柿葉を採取するための方法を検討した.その結 果,T-AsA 含量は,長い新梢の葉が非常に高く,新梢部にも多く含まれていた.また,イソケルシトリ ン,アストラガリンおよび総ポリフェノール含量は,短い新梢から採取した葉が高く,新梢は少なか った.

また,カキ‘西条’の成葉は柿葉茶や健康食品素材として使用されているが,不定芽の利用はほとん どない.そこで,圃場で栽培された樹から採取した成葉(M-leaves: Mature-leaves),不定芽(A-shoots)

および前年に伸びた枝を水に挿して得られた新梢(T-shoots)における T-AsA 含量とポリフェノール含 量を比較した.その結果,T-AsA 含量は,M-leaves が最も高かった.一方,可溶性ポリフェノール含 量は,M-leaves と A-shoots が高く,T-shoots の含量は著しく低かった.柿葉の主要フラボノイドで あるイソケルシトリンおよびアストラガリン含量も同様の結果だった.

2. 製造方法が柿葉茶の機能性および機能性成分含量に及ぼす影響

カキ‘西条’の生育途中の若い葉(5月葉)と成葉(6月葉)を用いて製茶試験を行い,蒸熱加熱処 理が製造工程中および保存中における柿葉茶の機能性成分含量に与える影響について検討した.

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その結果,5月葉と6月葉では,T-AsA 含量を保持するための蒸熱処理時間が異なり,前者は5分間 で,後者は 10 分間処理が最も優れた T-AsA 含量保持効果を示した.

3. ヤマモモ葉のラジカル捕捉活性

ヤマモモの葉は,島根県が実施した共同研究により強いヒアルロニダーゼ阻害活性,抗インフルエン ザウィルス活性,ACE 阻害活性などを有することが確認された.しかし,これまでヤマモモ葉が食品 として利用されることはほとんどなく,剪定時に生じる葉は,廃棄物として処理されていた.そこで,

それらの有効利用として健康茶への利用を考え,ヤマモモ葉のラジカル捕捉活性を熱水抽出,エタノ ール抽出で評価したところ,著しく高い活性を有することが明らかとなった.また,採取時期がラジ カル捕捉活性に及ぼす影響について検討したところ,7月採取葉の活性値が最も高かった.また,果 実生産期における雌雄別のラジカル捕捉活性は,雄株葉が雌株葉の 1.6 倍であった.

4. 製造方法がヤマモモ葉茶の機能性成分含量に及ぼす影響

ヤマモモ葉を用いて製茶試験を行い,製造方法の違いによる機能性成分含量およびラジカル捕捉活性 の差異を検討した.その結果,目的とする成分により,適切なヤマモモ葉茶の製造方法は異なり,T-AsA 含量,ミリシトリン含量を高く維持するためには,蒸熱処理を1分間行うことで,低コストな機械乾 燥法でも凍結乾燥法に近い含量を保持できることが明らかとなった.また,総ポリフェノール含量,

ラジカル捕捉活性の高いヤマモモ葉茶を製造するためには,蒸熱処理を行わずに機械乾燥すれば良い ことが判明した.また,市販健康茶との比較により,ヤマモモ葉茶のラジカル捕捉活性は,非常に高 いレベルであることが明らかとなった.

本研究で著者らは,島根県内で未利用資源として扱われていたカキおよびヤマモモ葉について,機能 性および機能性成分含量が高い時期等を検討し,また製造工程および保存中においてそれらの成分を 保持できる製造方法を明らかにすることで,高機能健康茶の製造技術を明らかにした.現在,本研究 成果を活用した柿葉茶およびヤマモモ葉茶が島根県内数箇所で製造・販売されている.

参照

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