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博 士 ( 医 学 ) 藤 野 賢 治 学位論文題名 Characteristics of patients who developed radiation pneumonitis requlrlngSteroidtherapyafter StereotaCtiCirradiationforlungtumorS.

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 藤 野 賢 治      学位論文題名

Characteristics of patients who developed radiation     pneumonitis requlrlngSteroidtherapyafter     StereotaCtiCirradiationforlungtumorS .

(肺癌定位放射線治療後にステロイド治療を必要とした患者の特徴)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

    

「目的」

  I

期肺癌に対する定位放射線治療は、今後根治的な肺癌治療になり得る治療として期 待されている。肺癌の放射線治療時に最も問題となる有害反応は、頻度は少ないものの ステロイド内服を必要とするような有症状の放射線性肺臓炎である。一般的な放射線治 療後の放射線性肺臓炎ではRisk factor として治療前の呼吸機能や腫瘍体積といった患者 側の素因と、放射線治療の総線量や1 回線量、V20 く20Gy 以上の放射線が照射された肺体 積の全肺に対するパーセンテージ)、生物学的等価線量くBiological Equivalent Dose:

BED)

が知られている。これらが、定位放射線治療でも放射線性肺臓炎のRisk Factor であるか否かは重要な情報であるが、いままで単施設でのデータでは同有害事象の頻度 が少なく、明らかにされてこなかった。今回我々は、I 期肺癌に対する定位放射線治療 を 行 っ て い る 全 国 多 施 設 の デ ー タ を 集 約 し 、 こ の 問 題 に っ い て 検 討 し た 。

    

「対象と方法」

  

患 者母集団は

1996

年 から

2002

年まで 、

5

つの施設で定位放射線治療を受けた156 人 の末梢型I 期非小細胞肺癌患者。この患者のうち、

12

人が治療後に放射線性肺臓炎と診 断され、ステロイド内服治療を受けていヽたくRP group) 。比較対象群として、残り144 人 の患者から、

31

人を無作為抽出したくcontroD 。RP group の性別は男性8 人、女性4 人。

年 齢 は

56‑82

歳 で中 央 値

72

歳。 臨 床 病期 は

TINOMO

stageIA6

人 、

T2NOMO

stage IB6

人で あ る。 腫 瘍最 大 径は12 ‑ 46mm で中央値

32mm

。 対照群の性 別は男性

22

人 、 女 性

9

人 。 年 齢は

49‑87

歳 で中 央値

76

歳。臨 床病期は

stageIA18

人、

stageIB13

人 。 腫 瘍最大径は

14 ‑ 58mm

で中央値

30mm

。治療前呼吸機能検査がされていた患者におい て肺活量、一秒率を比較し、放射線治療の因子としては、

1

回線量、総線量、BED 、V20 を比較した。BED は

nd{l+d(Q

/ロ))で定義され、n は治療回数、

d

は1 日の線量である。

肺の

a

/ロは一般的に用いられている2 とした。また、酸素が必要になる重篤な有害事象

の頻度を調査した。

(2)

    「結果J 治療前の患者因子

  RP groupとcontrolと で は 背景 因 子と し て 、性別 、年齢、 腫瘍最大径 には、い ずれも 有意差が なかった 。治療前呼 吸機能検 査は、肺 活量(%VC)はRP groupが45.4‑153%で中 央値は79.1%(N〓6)、controlが60.0‑119%で中央値は92.6%(N〓26)であり、有意差を認 め な か っ た(p=0.3087)。1秒 率(FEV1,O% ) はRP groupが56.6‑83.9% で 中 央 値 は 73.6%(N〓6)、controlが28.1‑100%で中央値64.5%(N=26)であり、有意差は認められな かった(p=0.4840)。

  RP groupで は 定 位 放 射線 治 療 前か ら 酸素 療 法 を必 要 とし て い た患 者 が3人い た が 、 controlで は1人 であ っ た 。こ の4人 の患 者 の うち、 定位放射線 治療後に 酸素増量 が必要 にな っ た患 者 は いなかっ た。定位 放射線治 療前に酸素 療法を必 要としな かったの に、治 療 後 必 要 に な っ た 患 者 はRP groupの 中 に1名 認 め ら れ 、そ の 頻 度は 患 者 母集 団156人 中1人(全体の0.6%)であった。

放射線治療の因子

  V20(% )は 、RP groupが7‑18%で 中 央値8% (N=7) 、controlが2‑16%で 中央値は 7%(N=18)であり、有意差は認められなかった(p:O.15)。また、isocenterとPTV辺縁そ れ ぞ れ の 、 総 線 量 及 び1回 線 量、BEDにつ い て 比較 し た。isocenterで は 、 総線 量 はRP groupが40‑75Gyで 中 央 値48Gy、controlが40‑72.5Gyで 中 央 値60Gyで あ り 、 有 意 差 は認 め られ な か った(p=0.7452)。1回 線 量 はRP groupが3‑15 Gyで中 央 値6Gy、control が3‑15 Gyで 中央 値7.5 Gyで あ り、 有 意 差は 認 め られ な かっ た (p=0.4628)。BEDはRP groupが165‑382.5( お で 中 央 値290 Gy、controlが165〜510Gyで 中 央 値 は290 Gy であ り 、有 意 差 は認 め ら れな か った(p=0.0986)。同 様にPTV辺縁で の線量は 、総線量 が RP groupが38〜71Gyで 中 央 値46 Gy、controlが32〜63 Gyで 中 央 値48( お で あ り 、 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た(p=0.9676)。1回 線 量 はRP groupが3‑15Gyで 中央 値6Gy、 controlが3‑15Gyで 中 央 値7.5Gyであ り 、有 意 差は認 められな かった(p=0.3573)。BED はRP groupが152‑343Gyで 中 央 値231Gy、controlが148‑463Gyで 中 央 値231Gyで あり、有意差は認められなかった(p=0.1014)。

    「 考察」

  Grahamら は 一 般的 放 射線 治 療にお いて、V20く22%では放射 線性肺臓 炎の予測 頻度が O% であると 報告して いるが、 今回の調 査では22%を 超える患 者が1名も いなかっ たのに 全 体の7.6%の患者がステロイド治療を必要としていた。この原因として考えられるのは、

Grahamら の研 究 ではV20く22% の患者の 患者数が 少なかった ことによ る統計学 的な理由 も 否 定 でき な いが 、 定 位放 射 線治療 のBEDが一般放 射線治療 に比して 大きいか らかもし れ ず、今回 の研究で 、定位放 射線治療 ではV20く22%を 安全と考えることはできないこと が 示された 。一方、 手術不能 例が対象 となってき た定位放 射線治療 では呼吸 機能の悪 い 患 者が多い が、治療 前の肺活 量や一秒 率が低いこ とが必ず しもステ ロイドを 必要とす る 放 射線肺臓 炎の危険 因子とは 言えない こと、酸素 を新たに 必要とした症例は0.6%であっ

468

(3)

たことは、低肺機能でも定位放射線治療の適応が十分あり得ることを示唆している。

    

「結論」

  

今回の研究では、放射線治療前の

1

秒率や肺活量の呼吸機能検査や、V20 (%)、BED 、1 回線量、PTV 辺縁線量の体積線量統計ではI 期非小細胞肺癌の定位放射線治療後の放射 線性肺臓炎に韜いてステロイド治療を必要とするか否かにっいて予見できないことが分 かった。今後、同治療の適応基準の設定においてはこれらのことに注意を払うと同時に、

さらに研究を重ねて、肺臓炎の危険因子の解明を進めるべきである。同治療の重篤な放

射線性肺臓炎の発生頻度は1 %以下と低く、低肺機能患者への安全性が改めて示された。

(4)

学位 論文審査の要旨

     学位論文題名

Characteristics of patients who developed radiation     pneumonitis requlrlngSteroidtherapyafter     StereotaCtiCirradiationforlungtun10rS ・

( 肺 癌 定 位 放 射 線 治 療 後 に ス テ ロ イ ド 治 療 を 必 要 と し た 患 者 の 特 徴 )

肺癌に 対する 定位放射 線治療 は、根治 的な肺癌 の治療 法として期待される治療である。

肺癌の放射線治療時に最も問題となる有害反応は、頻度は少ないもののステ口イド内服を 必要とするような有症状の放射線性肺臓炎である。一般的な放射線治療後の放射線性肺臓 炎ではRisk factorとして治療前の呼吸機能や腫瘍体積とし〕った患者側の素因と、放射線治 療の総 線量や1回線 量、V20(20Gy以上の放射線が照射された肺体積の全肺に対するパーセ ンテージ)、生物学的等価線量(Biological Equivalent Dose: BED)が知られている。これら が、定位放射線治療でも放射線性肺臓炎の危険因子であるか否かは重要な情報であるが、

今 まで 単 施 設で の デ ータ で は 同 有害 事 象 の頻 度 が 少な く 、 明ら か に され て いない 。 肺癌定位放射線治療後にステロイド内服治療を必要とするような有症状の放射線性肺臓炎 患者の 背景因 子と治療 内容の 因子における特徴を、I期肺癌に対する定位放射線治療を実 施している全国の代表的な五施設のデータを集約し検討した。

対 象は1996年 か ら2002年ま で、五つ の施設 で定位放 射線治 療を受け た156人 の末梢 型I 期非小細胞肺癌患者。その中から治療後に放射線性肺臓炎でステ口イド治療を必要とした 12人(RP group)と残り144人の患者から31人を無作為抽出して対象群(control)として比較 検討した。患者の背景因子や治療前呼吸機能検査、放射線治療の因子を比較した。検定に は、Mann‑WhitneyのU検定を用いた。

RP groupとcontrolとでは背景因子として、性別、年齢、腫瘍最大径には、いずれも有意・

差が認められなかった。治療前呼吸機能検査は、肺活量(%VC)、1秒率(FEV1′FVC)、一酸化 炭素肺拡散能力(Dlco)ともに有意差は認められなかった。RP groupでは定位放射線治療前 から酸 素療法 を必要と してい た患者が3人で 、controlでは1人であった。この4人の患者 のうち、定位放射線治療後に酸素増量が必要になった患者はいなかった。定位放射線治療 前に酸 素療法 を必要と しなか ったのに、治療後必要になった患者はRP groupの中に1名認     ‑ 470―

西

(5)

められ、その頻度は患者母集団156人中1人(全体の0.6%)であった。放射線治療の因子と して 、V20(%) 、isocenterとPTV辺 縁それ ぞれの、 総線量及 び1回線量、BEDについて比 較した。いずれにおいても明らかな有意差は認められなかった。

Grahamら は一般的 放射線治 療にお いて、V20く22% では放射 線性肺臓炎の予測頻度が0% であ ると報 告してい るが、今 回の調 査ではV20が22% を超える 患者が1名もいなかったの に全 体の7.6%の患 者がステ 口イド 治療を必要とした。この原因として考えられるのは、

Grahamら の研究で はV20く22%の患 者の患者数が少なかったことによる統計学的な理由も 否定できないが、定位放射線治療のBEDが一般放射線治療に比して大きいからと考えられ、ヽ 今回の研究で、定位放射線治療ではV20く22%を安全と考えることはできないことが示され た。 一方、 治療前の肺活量や一秒率が低いことが必ずしもステロイドを必要とする放射線 肺臓炎の危険因子とは言えないこと、酸素を新たに必要とした症例は0.6%であったことは、

低 肺 機 能 で も 定 位 放 射 線 治 療 の 適 応 が 十 分 あ り 得 る こ と を 示 唆 し て い る 。 定位放射線治療後の肺臓炎における特異的危険因子を明らかにすることは出来なかったが、

一般 的な放 射線治療後の肺臓炎の危険因子と同一でなく、ステロイド治療を必要とするか 否かについて予見できないことが示された。また、重篤な肺臓炎の発生頻度は1%以下と低 く、低肺機能患者への安全性が示された。

口頭 発表に 際し、副査の玉木教授から比較対照群を無作為抽出した理由と、肺の亜区域に よる 肺臓炎 の重傷度の違いについて、次いで主査の西村教授からステ口イド投与の基準に つい てと、 治療前呼吸機能検査における拘束性障害、閉塞性障害の障害別呼吸機能評価に つい て、最 後に副査の白土教授から、定位放射線治療の適応についてと、今回用いた以外 の肺 臓炎の 評価基準について質問がなされた。いずれの質問に対しても、申請者は研究結 果や文献的知識により、概ね適切な回答を行った。

この 論文は 従来の一般的放射線治療後の放射線性肺臓炎と定位放射線治療後の放射線性肺 臓炎 の危険 因子について検討した初めての報告であり、それらの危険因子が同一ではない こと を示し た。今後の肺癌定位放射線治療の副作用低減と適応拡大との重要な基礎データ となることが評価された。

審査 員一同 は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併 せ 申 請者 が 博 士( 医 学 )の 学 位 を 受け る の に十 分 な 資格 を 有 する も の と判 定 し た。

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参照

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