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博士(地球環境科学)中村享介 学 位 論 文 題 名

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博士(地球環境科学)中村享介

学 位 論 文 題 名

硝 酸 汚 染 地 下 水 浄 化 の た めの Cu − Pd /ゼ オライ ・トの触 媒機能

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  最 近 、 地 下 水 の 硝 酸 イ オン (N031)汚 染が 世界 中 で顕 在化 して おり 、 除去 技術 の開 発 が切 望さ れて い る。N03. は 、乳 幼児 のメ ト ヘモ グロ ビン 血症 を 引き 起こ し、 また 、 発ガ ン 性 物 質 で あ る ニ ト ロ ソ ア ミ ン が 生 成 す る な ど 人 体 に 有 害 で あ る こ と が 指 摘さ れて い る 。N03‑の 従 来 の 処 理 法 とし て微 生 物に よる 生物 処 理法 や吸 着除 去法 な どが ある が、 処 理 コ ス ト が 高 い こ と や 二 次処 理が 必 要で ある こと な どの 課題 があ る。 そ れに 対し 、固 体 触 媒 を 用 い る 除 去 法 は 安 全性 、経 済 性お よび 操作 性 など で有 利で あり 、 新し い方 法と し て 注 目 さ れ て い る 。 こ の 方 法 は 、1989年 ド イ ツ のVorlopらがPd‑Cu/AI203を 用い て実 現 し 、 注 目 を 集 め た 。 そ の 後、 地下 水 を飲 料に 用い る ケー スが 多い 欧州 の グル ープ を中 心 に 精 力 的 に 研 究 が 行 わ れ て き た が 、 副 生 す るNH3の 低 減 (WHO規 制 値0.5 ppm)に お い て 十 分 と は 言 え な い 。 本 研究 では 、 副生 成物NH3を低 減し つつN03.を 還 元除 去で きる 新 規 ゼ オ ラ イ ト 触 媒 の 探 索 を し 、 そ の 触 媒 の 活 性 サ イ ト に つ い て 考 察 を 行 な っ た 。   最 適な 担体 や 調製 法を 決定 する た め、 ゼオ ライ ト種 は ロゼ オライト(Zeolyst; SA800 m2 g‥、Tosoh; 795 m2g‥、SCJ; 586 m2g‥、.The PQ corp.ニ362 m2 g")、モルデナイト(Tosoh; 519 m2 g")、Y(CCIC; 898 m2 g")、ZSM‑5(Tosoh; 510 m2 g")を用い、カチオ ン型(Na、NH4)、イ オ ン 交 換 順 序(Pd‑+Cu、Cu→ Pd、Pd+Cu)等の 各種 条 件で 調製 した 触媒 の 硝酸 還元 反応 の 活 性 と 選 択 性 に 及 ば す 影 響 を 検 討 し た 結 果 、 同 時 交 換法(Cu+Pd)で調 製 したCu‑Pd/NH4‑

ロ ゼ オ ラ イ ト(Zeolyst)触 媒 が 、NH3生 成 量 は 最 も 低 かっ た。 さ らに 、そ の触 媒 のCu/Pd 比 と 担 持 量 の 活 性 と 選 択 性 に 対 す る 影 響 を 検 討 し た 結 果 、Cu/Pd‑2、 担 持 量 が イ オ ン 交 換 量 の48% (1.2 wt%Cu‑l.0 wt%Pd)のと きNH3生 成量 が極 小 とな り、NH3の生 成量 は 11 ppm (333K、200 pprri N03‑、H2 and C02 1.5 cm3 min.l)だった。 次に、地下水の温度 は298K以 下 で あ る た め 、 そ の 触 媒 の 低 温 で の 影 響 を 検 討 し た 。 反 応 温 度 を 低下 する こ と で 、N20が 主 に 生 成 し た が 、NH3の 生 成 量 は 大 き く 減 少 し 、3ppm(278 K)ま で 低 減 で きた 。こ の成 果 をWHOの規 制 値NH3 0.5 ppm(N03. 50 ppm,N02・ 0.1 ppm)と比較すると、

NH3の 生 成を0.6 ppm(278K,100 ppm N03‑,Conv. 50%)まで低減する ことができ、課題で あ っ たNH3規 制 値 は ほ ぼ ク リ ア ー で き た 。 ま た 、N20は 温 室 効 果 ガ ス の ー っ であ るた め 排 出 さ れ な い こ と が 望 ま れ る た め 、 反 応 後 の 気 相 に 新た な触 媒Pd/ACを 設置 した 。そ の 結果、N20は全て無害なN2に還元することができた。

  硝酸還元反応(333K,200 ppni N03‑,24h,H2 and C02 l.5cm3 min.l)後のCu‑Pdノロゼオライ ト をXRD、EDX、SEM、STEMで 分 析 し た 結 果 、5nm程 度 のCu‑Pd合 金 粒 子 が ゼ オ ラ イ ト の外 表面 に形 成 する こと が分 かっ た 。外 表面 に合 金粒 子 が生 成したが 、細孔内Cu、Pdイオ ン の 硝 酸 還 元 反 応 の 活 性 に対 する 影 響は 否定 でき な いた め、 この 触媒 の 活性 サイ トの 検 討を 行な った 。 外表 面合 金粒 子の 成 長過 程と 活性 の経 時 変化 との関連 や、ゼオライト細孔 径(0.7 nm)より大きな分子サイズ(1.5 nm)を持つ溶剤(Et4N‑Br/acetonitorile)によって外表面合 金粒 子の みを 選 択的 に溶 解す る処 理 を行 い触 媒活 性と の 関連 を検討し た結果、粒子の生成 に伴 って 活性 は 増加し、また、粒子の溶出量 に従って活性は低下したこ とから、外表面に存 在す る合 金粒 子 が反 応活 性サ イト と して 支配 的で ある こ とを 明らかに した。さらに、外表 面 粒 子 の 生 成 過 程 に つ い て の 検 討 を 行 な っ た 。 硝 酸 還 元 反 応 前 後 の 表 面 のCu、Pd原 子 濃 度 をXPSに よ っ て 解 析 し た 結 果 、 反 応 後 に は 表 面 金属 濃度 は大 きく 増 加し てい た。 そ

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して、イオン交換率がほば100%の触媒を用いて硝酸還元反応を行い、その反応後の触 媒の溶解処理を行なった結果、比表面積値と外表面積値から考えられる外表面に存在す るイオン量以上の金属量が検出された。これらのことから、細孔内はCu、Pdイオンのり ザーバーとして機能し、これらイオンが外表面に移動して合金粒子を形成することを明らか にした。

  以上、本研究は、Cu‑Pdノロゼオライト触媒が硝酸イオンを高選択的に還元無害化できるこ と、さらに、ゼオライト外表面に形成された合金微粒子上で反応が進行することを示したも ので、新規である。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

硝酸汚染地下水浄化のための Cu − Pd /ゼオライトの触媒機能

     硝酸イオンく N03 ―)による地下水汚染が顕在化している。固体触媒法によるN03 ―還 元が有望視されているが、NH3 の副生が大きな問題である。本研究では、究極的にはNH3 を 副生しなぃN03 ―還元浄化触媒の開発を目的としている。そのために、イオン交換体のゼオ ライト を担体 とするCu‑Pd/ ゼオライ ト触媒の 探索とその触媒上での活性サイトの解明を 行った。

     ゼオ ライトの 種類およ びカチ オン型な らぴに触媒調製条件を系統的に調べた結果、

NH4 型p ゼオライトから出発し、Cu 、 Pd の同時イオン交換で調製した1.2wt %Cu‑l.Owt %Pd/p ゼオラ イト触 媒が、最もNH3 生成が少なぃ優れた触媒特性を有することを見出した。さら に、反 応温度 依存性を調べたところ、低温で反応を行うほどNH3 の生成が抑制されること が分かった。最適触媒および最適反応条件下で、NH3 の生成を0.6 ppm にまで抑制すること に成功した(100 ppm N03 ―、50 % ‑conversion ,278 K) 。この値は、WHO の規制値(NH3 濃度 0.5 ppm) に切 迫するものである。この条件で生成したN20 は、反応器気相出口に設置した Pd/ 活 性 炭 触 媒 に よ る 、 反 応 残 留 水 素 に よ り 完 全 に N2 へ と 転 換 で き た 。      硝酸還元反応後のゼオライト外表面には、 5 nm 程度の微粒子の生成が確認された。ま た、種 々の物 理化学的手法により、この微粒子がCu‑Pd 合金からなっていることが分かっ た。外表面粒子の生成量と触媒活性の時間変化測定ならぴに外表面微粒子溶解実験により、

ゼオライト外表面のCu‑Pd 微粒子が硝酸還元反応の活性サイトであることを明らかにした。

さらに、この微粒子は、ゼオライト細孔内に存在したCu イオン、Pd イオンが還元された後、

細 孔 外 表 面 へ と 移 動 し Cu‑Pd 合 金 微 粒 子 を 形 成 す る こ と 突 き 止 め た 。      以上 、本研究 は、Cu‑Pd/p ゼオラ イト触 媒が水中 N03 ―をN2 へと高選択的に還元無害

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明 夫

博 志

夫 一

克 敏

   

文 隆

津 原

村 月

田 谷

授 授

授 授

授 授

   

   

(4)

化できることを示したものである 。また、ゼオライト外表面に存在するCu‑Pd 合金微粒子 が本反応の活性サイ卜であることを明らかにした。審査員一同は、これらの成果を高く評 価するとともに、研究者として誠実かっ熱心であり、大学院博士課程における研鑽や修得 単位などもあわせ、申請者が博士(地球環境科学)の学位を受けるのに充分な資格を有す るものと判定した。

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