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細胞および

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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 藤 井 英 彦

学 位 論 文 題 名

細胞およびDNA の電気泳動に関する研究

〜自動細胞電気泳動装置の開発ならびに単色ラベルによるDNA 塩基配列決定〜

学位論文内容の要旨

序言

  電気泳動法は生 化学やバイオテク丿ロジ―において最も頻繁に使用される分析技術のーっであるが 自動化は遅れてい る。特にその検出・測定方式は電気泳動分析に特有の課題が多く、従来あまり研究 され て こな かっ た。 本論 文 は、 筆者 によ る細胞亀気泳動 (第I部)およびDNAシーケン シング竃気 泳動(第u部)の検 出・測定法にっいてのさま ざまの提案と、実験によるその有効性の検証とをまと めたものである。

第I部自動細胞電気泳動装置の開発

第1章研究の背景と目的

  細胞を適 当な電解質溶液中に懸濁さ せ、これに亀界をかけると、細胞は表面のゼー夕電位に比例し た速度で移載げる。このときの細胞の速度を811j定するのが細脆摺巨気泳重ケ法である。この方法は表面電 荷の探索や 臨床診断等に応用されてい るが、その測定は大部分手動で行われているのが実情である。

自動測定の 試みとしてはレーザ・ドッ プラ一法、画像処理法、回転格子型空間フイルタ法があるが十 分な研究と はいえナょい。第I部では、筆者が臨床応用を目的に開発した自動細胞亀気泳動装置にっい て述べる。

第2章測定原理

  本章では開発した装置 の光学系と信号処理系にっいて述べた。測定法は静止格子型空間フイルタ法 である。この方法の特長 は、光学系の安定性が非常に良いことと、光源がコヒーレントでなくてもよ いことである。光源には 初めて半導体レーザを使用、ビームを絞る事によって測定視野を狭くし、泳 動管内の速度分布に起因 するスペクトルの広がりを防いでいる。また、細胞電気泳動で初めて、フー リエ 変換 式の デ ジタ ルフ イル タ を採 用、 外来 およ び デー 夕処 理由 来の ノ イズ を除 去し て いる。

第3章泳動セル

  泳動セルでは、泳動電流のジ ュール熱による対流発生と電匳部での電気分解による泡発生による泳 動 の乱れを防ぐため、電極をセロハン膜によって仕切り、また泳動管内径をO. 7mmと細くしている。

その結果、0.  17Mの燐酸バッファー(導亀率17. 6mS/cm)に38V/cmまでの電位勾配をかけることが出来 た。

第4章測定 結果および応用

  本章で は測定結果を示した。まず、 本装置での各種粒子の損掟値を手動装置の測定値と比べると、

極めて良 い一致を示した。また、混合 物の泳動ではピークの分離や、混合比を変化させた場合の平均 値の直線 的な推移が確認された。

  本装置 は開発後、いくっかの研究室 で応用研究に用いられた。この中で、細胞アフイノフォレシス

、坑血清 作用下のヒト赤血球の泳動、 微小変化型ネフローゼ患者の血清の研究、腎移植患者の血清成 分の分析 の研究等の成果が上がってい る。

第5章 では第I部で 得られた結果を要約した。

第II部単色ラベルによるDNA塩基配列決定

(2)

第1章研究の背景と目的

  DNAの 塩基配 列を決定 する方 法とし て、現 在広く 用いら れてい るのは サンガ一法とよばれるもの で、これはその最終閏緒でアクリルアミドゲル電気泳動の泳動パターンを超高感度で検出することを 必要とする。この検出には、従来ラジオアイソトープ法が用いられてきたが、これを、被曝のナょいレ ーザ螢光式に代え、さらにサンプル投入後の泳動・バンド検出・配列決定までを自動化したものが螢 光DNAシーケンサである。

  螢 光DNAシ ーケ ン サ は その 方 式 に よっ て 「4色 素1泳 動 路法 」 と 「1色 素4泳動 路 法 」 の2つ に 分け ること ができ る。こ のうち 、1色素4泳動路 式は、(1)高感度、(2)泳動しながらのサンガーフラ グメントの観察が可能、という特長を持つ。しかし、(i)泳動ゲルの幅が約4倍必要なため光学系の 設計 が難し い、(ii)泳動 路間の 移動度 差によ る誤差を 生ずる 恐れが ある、 という 欠点が ある。

  一方 、従来 開発さ れたDNAシ ーケン サをそ の光学 系より みると 、走査 型、ガルバノミラーによる 表面 入射型 、ゲル 側方人 射型、 の3っに 分類でき る。このうち、走査系はS/Nとゲルの大きさの自由 度の 点で、1色素法 シーケ ンサに は最も 適してい るが、 光軸ズ レがお きやすいという問題がある。

  筆者 は、上 記の背 景に鑑 み、1色 素4泳動 路法を もとに 、新し く(a)走査光学系用の自動光軸調整 機構 と(b)泳動 路間の 移動度差を補正するアルゴリズムを考案し、それによって上記法の問題点を解 決し た。ま た、筆 者はこ れら(a),(b)を搭載 したDNAシ ーケン サを開 発し、良好な配列決定成績を 得た 。筆者 は更に 、(a)に多少の変更を加えることで、これが螢光性のガラスに対しても使用できる ことを確かめた。

第2章走査光学系における光軸の自動調整

  本章では筆者の考案した光軸自動調整機構について述べた。この光学系では、励起光を偏向させる ミラーをコンピュータにより移動可能なように作られている。動作は、走査を止め励起光を動かして その時の検出器の出カをみると、光軸がー致したときには光電子増倍管の出カが極大になることを利 用、泳動前に走査の数点でこの極大にあたる励起光位置を検出、泳動中はこの値に従い走査に同期し て励起光を動かすことで光軸ズレを防ぐもめである。

  考案 した光 学系を 用いて 、螢光DNAプライ マーの 泳動信 号を受 信した 実験で は、220mmの走査幅 に対して、光軸ズレを防ぎ、信号強度を一定にできた。

第3章泳動路間の移動度差の補正

  本章 では筆 者の考 案した 泳動路間の移動度差補正のアルゴリズムにっいて述べた。原理は短いDN Aバン ドの出現時刻のズレを利用して、泳動路間の移動度差を較正するもので、その特徴は一旦計算 した較正係数で実際の信号を較正してみて矛盾の有無をチェックするルーチンを持っていることであ る。

  この アルゴリズムを、M13mp18のシーケンシング信号に適用した結果、補正前に存在したピークの 重ナょりが、補正後ではきれいに分離された。また、さまざまのゲル位置に投入した多くのサンプルで の補正結果では平均誤読率が1/5以下に減少した。

第4章開発したDNA塩基配列決定装置の概要

  本章 では前 記の光 学系と ァルゴ リズム を搭載 したDNAシーケンサにっいて述べた。このシーケン サは1色素法の特長であるサンプル濃縮無しの前処理や泳動中のバンド確認などの性能を示し、同時 に走 査光学系の特長である薄いゲルが使えることによる塩基長450程度までの生信号バンドの分離を 示した。また、このシーケンサで投入量換算O.5ロg (0.2pmol)のM13mp18をT7で前処理したものを分 析したところ500塩基J以上、投入量換算0.Zロg(0. llpmol)のプラスミドpUC18をTthでサイクル′シー ケンシングしたところ400塩基以ヒまで正解であった。

第6章で は第u部 の結果を要約した。

鑓 → ‐ ‐ 五 小 口 ロ 口

  本 論 文 全 体 と し て 威 ; 果 を要 約 した 。

(3)

   学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主 査    教 授    加 茂 直 樹 副 査    教 授    栗 原 堅 三 副 査    教 授    大 塚 栄 子 副 査    助 教授    三 宅 教尚

学 位 論 文 題 名

   細 胞 お よ び DNA の 電 気 泳 動 に 関 す る 研 究 自動細胞電気泳動装置の開発ならびに単色ラベルによる     DNA 塩基配列決

     電気泳動分析法は生化学、バイオテクノロジー、臨床 検査等において最も頻繁に使用される分析技術のーっであ るが、測定方式に依存する特有の問題がありヽ従来研究が なされてなく自動化が遅れている。DNA シーケンシング 電気泳動の自動化は現在必要とされているものであり、診 断に細胞電気泳動を用いることが学問上有効であるが自動 化が出来ないため、診断の実用化出来ないでいる。本論文 は細胞電気泳動とDNA シーケンシング電気泳動の自動化 に向けて研究を行なったものである。

     本論文は3 部からなる200 ベージの論文である。第1 部

は細胞電気泳動装置の開発を取り扱っている。細胞を適当

(4)

   な電解質溶液に懸濁し電界をかけると、細胞はある速度で    泳動する。泳動速度は細胞表面の荷電状態を反映するので、

   表面電荷の探索や臨床診断に用いられている。この測定は    大部分手動で行なわれており、大変な労カであるふ第 1 章    はこのような研究の背景と過去の自動化の試みを総括して    いる。申請者は目的を臨床応用に限り、自動化を試みる事    とした。このためには、( 1 )リンガー液のような高伝導    度の電 解質溶 液中 で測定 できることが必要、( 2) 自動的    に泳動速度が算出できることは必要であるが、電気浸透流    による補正を行なった真の値は必要ではなく、正常細胞と    ガン細胞との相対値を知ることが出来れば十分であること、

     (3 )取り扱いが容易なこと等を考慮しなければならな    い。第 2 章 と 3 章で は、申 請者の考案した測定原理および    泳動セルにっいて述べている。第 4 章において、満足すべ    き実験結果が得られた事を報告している。本装置の開発後、

   いくっかの研究室で応用研究がなされている。第 5 章では    第1 部の要約である。

     第 2 部 は 単 色 ラ ベ ル 法 に よ る DNA 塩 基 配 列 の 自 動 決

,定装置に関するものである。螢光シークエンサはその方式

   に よ っ て「 4 色 素 1 泳 動 路法 」 と 「 1 色素 4 泳 動路 法」の

  2 っ に 分 ける こ と が 出 来る 。 1 色 素 4 泳動 路 法 は、( 1 )

   高感度、( 2 )泳動しながらのサンガーフラグメントの観

   察が可能という利点を持つ。しかしながら、( 1 )泳動ゲ

(5)

ル の 幅 が 4 色 素 1 泳 勁 路 法 に比 べ て、 約4 倍 必要 で ある た め、光学系の設 計が難しい、泳勁路間の移勁度差による誤 差生 じる恐 れがある、という欠 点を持っ。第1 章で、申請 者は こ のよ うな 研 究の 背景 を 述ベ 、1 色 素 4 泳 動路法に内 在する欠点を克 服するためには、どのような改良が必要か を考 察して いる。それらは、( 1 )走査光 学系用の自動光 軸調 整機構 の導入と(2 )泳動路間の移動 度の差を補正す るア ルゴリ ズムの確立であると の結論となった。 第2 章で は、申請者の考 案した光軸の自動調節機構にっいて述べて ある 。第3 章は泳動路間 の移動度の差を補 正するアルゴリ ズム に つい て述 べ てい る。 第 4 章 でt ま 、第2 、 3 章 でのべ た 光 学 系 と ア ル ゴ リ ズ ムを 搭載 し たDNA シ ーク エ ンサ に っい て述べ ている。1 色 素法の特長である サンプル濃縮な しの前処理や泳 動中のバンド確認可能などの性能を示し、

同時に走査光学 系の特長である薄いゲルが使えることによ る塩基長450 程度以下までの生信号分離能を示した。また、

このシーケンサで投入量換算0 .5   彫g (0 .2 prriol )の.

M13mp18 をT7 で前処理をし たものを分析したところ500 塩基

以上 、投入 量換算0 . 2 ルg ( O .  11  pmol )のプラ スミド

pUC18 をTth でサイクルシーケ ングしたことろ400 残基以上

ま で 正 解 で あ っ た 。 多 数の DNA の塩 基 配列 を決 定 する た

めには大きな泳 動板が必要であり、ソーダガラスを使用せ

ざるを得なぃが 、ガラスが螢光を発する事が妨害すること

(6)

が 予想され る。ところが、第 2 章で述べた 光軸調整機構に 若 干の改良を加える 事で、ソーダガラスでも十分検出でき る こ とを 第5 章 で示 し てい る。 実 験に よると、M13mp18 を T7 処 理 し た 場 合 で t ま 2 〜 3 彫 g に 、 pUC18 を Tth 処 理 ( サ イ ク ルシ ーク エ ンス )し た 場合 では 1 彫 g に、 それぞれ鋳 型 量を増加すること によって、サンプル濃縮なしに塩基長 300 以上のDNA バンド信号が得られた。

     第3 部は 成果の要約である。 このように、申請 者は表 題 の電気泳動法に於 て、検出・測定法にっいて様々な提案 を行ない、実験によってその有効性を検証したものであり、

博 士 ( 薬 学 ) を 授 与 す る に 十 分 で あ る と 認 め た 。

参照

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