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水問題とカトマンズの暮らし 

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Academic year: 2022

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水問題とカトマンズの暮らし 

  千葉工業大学 学生会員 舩田 美潮 

指導教授 正会員 大迫 健一  1.はじめに 

発展途上国での急激な人口増加は世界的に問題になっている。ネ パールでも人口増加率(2001)は 2.24%となり人口増加は問題である。

なかでも首都のカトマンズは 4.67%となっている。因みに日本は 0.29%

と比較するまでもない。この人口増加の原因として、地方から都市部へ の出稼ぎや出生率(ネパールは女性一人あたり 4.1 人)の増加が考えら れる。カトマンズのようなライフラインの整備されていない街に人口が急 激に増加すると、様々な問題が出てくる。(図1)本研究では河川や水 道の水質を明確にすることを目的とし、ネパール、カトマンズの実体を 調査する事とする。 

2.カトマンズの現状 

カトマンズ市内は水が不足している。日本よりもはるかに水が豊富な 国であるのにも関わらず水不足になってしまう原因として1)水道の水源 は、カトマンズ盆地をとり囲む山の谷川の水と盆地内の深層地下水であ る。そのため周囲の山地からの谷川を水源にしている。しかし、流域が 狭く水量に限度があり、2)季節変動も大きい。特に乾季は河川の水が 著しく減少してしまう。3)地下水位は年々低下していることが知られて いる。4)古い送水管の送水中の漏水によるロスが考えられ、5)水道は 頻繁に断水する。更に水質悪化の要因として、水道が断水すると送水 管は負圧になる。古い送水管は負圧になると地下水(人間の屎尿、廃 棄物などで汚染されている)が流入しやすくなってしまう。よって送水管 内は汚染されてしまう。様々な悪循環で水に悪影響を与え、カト マンズで暮らす人々にも伝染病の原因となり衛生的に良いことで はない。そして、河川敷での火葬、廃棄物や屎尿が河川へ投棄 されるため、その水質は非常に悪いものとなっている。ネパール ではゴミ問題も深刻化している。ゴミが不法に投棄されれば地下 水にも影響を及ぼす。現に人々はみかんの皮を捨てるようにビニ ールの袋を公共の場所に惜しみなく捨ててしまう。この要因として 1)カースト制度により道端のゴミを拾うことに大きな抵抗を持った 人が多い。2)最新の文明の利器の輸入。つまり、自動車も来な いような山の中でも飛行機は来る。テレビ放送がなくても映画が

見られてしまう。文明の利器は自然にかえらずただのゴミとなってしまうことに国民の理解が希薄である。 

 

キーワード:カトマンズ、水質、人口増加 

連絡先(住所:千葉県習志野市津田沼 2-17-1 電話:047-478-0451)

図2 深井戸の地下水位の変動(カトマンズ 1990)

図 1 人口増加とその影響 

ホームレスや都市犯罪の増加  環境破壊や汚染 

経済的なゆとりがない  居住施設の不足  衛生状態の悪化 

公共サービスが整っていない  急激な都市の人口増加 

写真1 ドービ川 

(2)

3.調査方法

日本とネパールの水質を調べ、調査項目:COD(化学的酸素 要求量)、アンモニウム、硝酸、亜硝酸、リン酸のパックテスト(共 立理化学研究所:川の水調査セット)を用いて調査を行う。パック テストの測定範囲は、COD:0〜8 mg/ℓの 5 段階、アンモニウム:

0.2〜10mg/ℓの 6 段階、硝酸:1〜45 mg/ℓの 6 段階、亜硝酸:

0.02〜1 mg/ℓの 6 段階、リン酸:0.05〜2 mg/ℓの 6 段階である。

測定箇所は日本:河川(都川)、ミネラルウォーター(市販の水)、

水 道 水 ( 習 志 野 市 の 水 道 水 ) 、 ネ パ ー ル : 河 川 ( DHOBI  KHOLA(ドービ川)写真1)ミネラルウォーター(市販の水)、水道 水(カトマンズ盆地内)とした。 

4.調査結果

ミネラルウォーター(表1):市販の水であるにもかかわらず、ど ちらもアンモニウムが少し大きいことが気になる。これは再調査の 必要がある。また、日本のミネラルウォーターにおいてリン酸も再 調査による検討が必要である。 

水道水(表2):ネパールの COD が高いことを見ると、送水管 に汚染された地下水が流入したことが考えられる。日本でのリン 酸、アンモニアの値が大きいのは、測定中にミスをした可能性が ある。 

河川(表3):都川とドービ川は規模が異なるので比較するに は困難だが、河川の比較として調査した。ネパールの河川は COD、リン酸、アンモニウムが非常に大きな値であった。リン酸の 結果から河川には生活排水や屎尿等が含まれていることがわか る。アンモニウムが大きい原因として工業排水や田畑の肥料が 影響している。また、日本の河川において硝酸の高い原因も調 査する必要がある。 

5.今後の展望 

 今回の調査はパックテストということもあり調査過程において測 定のミスがいくつか考えられ、測定値においても確かな値ではな いといえる。よって、日本の河川においてパックテストの精度の

調査をし、更に計測器の精度もあげ、河川、水道、地下水の調査を行う。また現地で手に入る材料を用い水質改善対 策に役立てるシステムの提案をする。住民意識の調査にはアンケートを用いて行い、水質が汚染されていることを理 解する。そして住民が改善できる策を考えてもらい、なぜ水が汚染されてしまうのかを住民の立場で理解してもらえる ようにする。 

6.参考文献 

1)半谷高久・小倉紀雄 第3版 水質調査法 丸善株式会社 平成 12 年 P77〜111  2)(社)日本ネパール協会 ネパールを知るための 60 章 (株)明石書店 2003 P37〜40  3)国際協力事業団 JICA ネパール国別援助研究会報告書〜貧困と紛争を越えて〜 2003  4)石井 溥 もっと知りたいネパール (株)弘文堂 平成 6 年 P114〜121 

写真 2 水質調査 

 mg/ℓ 日本 ネパール  COD 0 2  硝酸 NO3 1 1  亜硝酸 NO 0 0.02  リン酸 PO 0.2 0.05  アンモニウム NH 0.2 0.5 

 mg/ℓ 日本 ネパール  COD 3 8 以上  硝酸 NO3 2 2  亜硝酸 NO 0 0.02  リン酸 PO 0.5 0.5  アンモニウム NH 1 0.2 

 mg/ℓ 日本 ネパール  COD 3 8 以上  硝酸 NO3 10 1  亜硝酸 NO 0.2 0.02  リン酸 PO 0.2 2  アンモニウム NH 0.2 10 

表1 ミネラルウォーター 

表2 水道水 

表3 河川 

参照

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