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音楽が軽度抑うつ状態を呈する学生の心身に及ぼす影響

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Academic year: 2022

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(1)人間科学研究 Vol. 19, Supplement (2006) 修士論文要旨. 音楽が軽度抑うつ状態を呈する学生の心身に及ぼす影響 ‑Iso‑principleおよびIevel attack技法に基づく音楽を用いて‑ The Psychophysiological Effects of Listening to Music on Mild Depressive Students : The Application of Iso‑principle and Level Attack Music 藤谷. 真理(MariFujitani). 指導:野村. 忍教授. 【序論】現代社会では、生活の多様化に伴い、人々は様々な. 研究2 :音楽の反復聴取による心理的・生理的効果の検討. ストレス状態に直面するようになったが、有効な対処行動. 【問題と目的】音楽の適度な反復聴取は良い効果をもたらす. をとれない人が多く、抑うつが生じやすくなっている(阿 部、 1993)c 抑うつ状態は、古くから音楽療法の対象とされ. ことが示されている(e.g.Mull,1954)c このことから、ISO 音楽の反復聴取がもたらす効果についても検討する必要が. てきたが、治療法として確立されているとはいえない。. ある(伊藤ら、 2001)。そこで研究2では、軽度抑うつ状態. 受動的音楽療法において、聴取音楽処方の基礎理論とし. を呈する学生がISO苦楽を反復聴取することによって、ど. てあるのがAltshuler (1954)によるIso‑principle (同質. のような効果があらわれるのかを検討する。. の原理)である。これは、気分に同質な音楽がリラクセー. 【方法】実験協力者:研究1のⅠ群を、 1週間音楽を反復聴. ションの誘導に有効であるとする理論である。また、同質. 取した「反復群」、 ⅠⅠ群を、苦楽を反復聴取しなかった「非. の音楽を徐々に操作して気分や行動修正、イメージ・連想. 反復群」とした。材料: (a) POMS短縮版、 (b)非観血的. を刺激する手続きをIevel attack技法という。本研究では、. 連続血圧測定装置(Portapres Model‑ 2 ;TNO‑TPD BMI. これらの理論に基づき、漸進高揚化系列に並べられた苦楽. 社製)、 (C)使用音楽:研究1と同じ。手続き:研究1に. (以下、 ISO苦楽)を用いる。. おける1回目の調査時にプレ実験、 2回目の調査時にポス. 研究1 :音楽の継続聴取が抑うつにおける症状と認知に及. ト実験を行った.実験は、 (手前安静期: 8分‑②気分測定. ぼす影響. 1 POMS) ‑③ストレス課題期: 6分‑④気分測定2‑. 【問題と目的】抑うつ症状、抑うつ的認知に対して、一定期. ⑤音楽聴取期: 8分16秒‑⑥気分測定3‑⑦後安静期: 5. 間自宅で音楽を聴取することの効果を検証している研究は. 分、の手順で進められた。生理指標は、実験中継続して測. ない。そこで研究1では、 ISO苦楽を1週間継続して自宅. 定された。. で聴取することで、抑うつ症状と抑うつ的認知に対する効. 【結果と考察】反復群がISO音楽を反復聴取して聴き慣れた. 果が認められるかどうか、日常生活の中に苦楽を聴取する. 状態で臨んだポスト実験の音楽聴取期では、血圧がベース. 時間を習慣的に取り入れることによって、気分状態への効. ライン値により近い値まで有意に下降したことが示された。. 果があるのかどうかを検討する。. また心理指標では、活気の上昇度が有意に上がったことが. 【方法】実験協力者:軽度抑うつ状態を呈する学生22名を、. 示された。これらの結果より、 ISO音楽を反復聴取して聴. 第1週目に音楽を聴取するⅠ群目名、第2週目に音楽を聴. き慣れることによって、その音楽を聴いたときの血圧の降. 取するⅠⅠ群11名の2群に分けた。材料: (a) POMS短縮版、. 下を促進させる効果、活気の上昇を促進させ、抑うつ感を. (b) SDS、 (c)JIBT‑20、 (d)日記、 (e)使用音楽:Poulene,F.. 低減させる効果があることが示唆された。. "Trois novelettes"か. ら"No.3"、 BizetG. "Jeux d'. 【総合考察】本研究において、軽度抑うつ状態を呈する学生. enfants から"Petit mari petite femme"、 Anderson,L. "Bell of the ball"、 IbertJ. "Divertissement"か ら. がISO音楽を聴き慣れた状態で聴取することで、活気が上. "Finale"の4曲。手続き:(丑調査1 (SDS. つ改善を目標とした本研究の趣旨において、大変意義深い。. JIBT‑20) ‑. ②自宅実施期間1 ‑③調査2‑④自宅実施期間2‑⑤調査. 昇し抑うつ感が下がるという結果を得られたことは、抑う また、先行研究でISO苦楽を反復聴取することの生理的効 果を検討したものはなかったため、本研究でデータを提供. 3. 【結果と考察】群×時期の2要因分散分析の結果、抑うつ度、. し、有効性が示唆されたことは有意義であった。今後は、. 抑うつ的認知度は有意に変化しなかったことが示された。. 音楽の継続聴取の効果に関して、実験計画の改善、長期的. 気分に関しては、音楽聴取週の疲労感が低いことが示され. なフォローアップなどを考慮し、抑うつ状態の治療に音楽. た。しかし、これらの結果は、日常生活ストレツサーなど. を用いる有効性を示すさらなる検討が必要である。 なお本研究は、早稲田大学人間科学部研究倫理委員会の. 様々な要因の影響を受けていると考えられるため、結果の 信頼性を高めるためのさらなる検討が必要である。. 承認を受けて進められた。 ‑39‑.

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