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IDE Updates -- 研究所の取り組みをご紹介します

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Academic year: 2022

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IDE Updates ‑‑ 研究所の取り組みをご紹介します

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アジ研ワールド・トレンド

巻 245

ページ 72‑72

発行年 2016‑02

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00039644

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IDE Updates

研究所の取り組みをご紹介します

アジ研ワールド・トレンド No.245(2016. 3)  

72

勢: ナーを開催

  二〇一五年一一月、ミャンマーで総選挙が実施され、アウンサンスーチー党首が率いる最大野党の国民民主連盟(NLD)が大勝しました。アジア最後のフロンティアとも称されるミャンマーにおいて軍事政権が敗北したことのインパクトは極めて大きく、スーチー氏率いるNLDが安定した政権を運営することができるか、経済政策はどのように変わるのか、といったことは、国際的にも大きな関心事となっています。

  二〇一五年一二月四日、アジア経済研究所は、関心が高いミャンマー情勢について、総選挙を詳細に分析し今後の展望を明らかにすることを目的として、「ポスト軍政ミャンマーの第二局 面:二〇一五年総選挙の結果を読む」と題するセミナーを開催しました。  今回の選挙では、与党の連邦団結発展党(USDP)がここ数年の経済成長の成果を強調するのに対し、NLDは民主化の実現、公正で平等な制度の構築を訴える構図でした。これに対し国民は、半世紀におよぶ国軍支配からの脱却という変化を求めました。その結果、NLDが圧勝し、人民院、民族院の両院においてNLDが過半数を獲得しました。絶大なるスーチー人気が今回のNLDの地滑り的勝利に繋がりました。実際、各選挙区でのNLDの選挙キャンペーンは、政策を訴えるのではなく、政党とスーチー氏を前面に押し出す戦略を採っており、これが奏功したと分析されています。

  議会において軍人枠の議席が四分の一残っているとはいえ、NLDの一強他弱の勢力図に変わりはなく、NLDによる議会運営は安定するのではないかと予測する向きがあります。確かに、議会の過半数を確保しているNLDはあらゆる法律を通すことができ、国防予算についても決定権を持つことになります。一方、議会の四分の一を占める軍人議員は憲法改正の拒否権を持つことから、NLDとしてもすぐに憲法改正に着手するのは困難であり、当面NLDは、政権の安定のために軍との対立を避けるとみられています。しかし、自身の年齢から考えて、スーチー氏が任期となっている五年以内に憲法改正(=非民主的条項の改正)に動く可能性があります。そうなった場合、軍との対立は避けられず、政治的な安定のためには、慎重な舵取りが求められることになります。

  経済政策については、テインセイン政権がは じめた対外開放、経済自由化路線は継承されるものと考えられます。しかし、半世紀にわたって軍事政権が続いてきたミャンマーにおいては、政権担当者としてのNLDの経験不足、知識不足には懸念も残り、経済運営が滞る可能性もあります。また、スーチー氏が「above the Presi-dent 」と発言するなど、スーチー氏への過度な権力集中を懸念する声も聞こえます。政権の担い手としての経験不足に加えて、大統領とは別の人間が政権を動かそうとすれば、意思決定に混乱が生じる危険があります。さらに、少数民族問題を抱えるミャンマーにおいて、少数民族の権利をいかに担保するかは、社会の安定に直結します。  このように、大勝を果たしたNLDの先行きは決して楽観できるものではありません。アセアン経済共同体(AEC)の発足、世界の成長エンジンであるアジアを構成する一員としてのミャンマーへの期待は、国際的にも高まっています。この期待に応えるためにも、NLD新政権は経済成長と社会的安定の両方を達成する必要があります。  アジア経済研究所では、より詳細なミャンマー選挙の分析を「情勢分析レポート」として刊行予定です。また、今回の選挙分析以外にも、ミャンマーに関する多くの分析、書籍、論文があります。詳しくは、アジア経済研究所ホームページ(http://www.ide.go.jp/Japanese/index.html)をご覧下さい。(文責:研究マネジメント職  片岡真輝)

セミナーの様子

参照

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