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全 訂 版 の 序

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Academic year: 2021

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全 訂 版 の 序

本書の初版が出版されたのは昭和 35 年であるから,その後約 20 年を経過 したことになるが,その間幸いにも大方の好評を博して版を重ねる乙と 27 版 l と及んだ.

爾来今日までに,誤植などの小訂正を行ったのみで,大幅な改訂を行う機会 がなかった.乙れは,一つには本書の内容がどく基礎的な理論の解説であった ためでもある.しかし,最近数年の聞に世界の情勢は大きく変化し,わが国を 含めた世界各国では諸量の単位を在来の各種単位系から新国際単位系 ( S I ) I と 統ーされるととになり, わが国でもすでにその移行期に入っている. とのた め,理工学書に引用されている数値の単位は,すべて S I 単位に改訂する必要 に迫られてきた.

本書も,乙の機会 lζSI 単位による全訂版を出版して,その中に使用する数 式および諸量の単位を S I 化すると同時に, 内容も大幅に刷新するととにし,

章,節の増補と入れ換え,内容記事の取捨選択などを行った.

その主なものを特記すると,第 1 章では,最近における温度の定義定点、の更 改 l と伴う三重点、や実用温度目盛の説明と, S I 単位に関する説明を補足した.

有効エネルギ ζ l 関する旧版の第 5 章は,エクセルギの乙とを補足して第 1 0 章 に移したが,とれは読者の理解を容易にするためである.また,ガス(第 3 章) と蒸気(第 6 章,第 7 章)の混合物である湿り空気に関する章を新設して第 8 章とした.さらに,第 9 章(燃焼) ζ I 大気汚染公害に関する節,第 1 1 章(ガ スサイクル) ζ I スターリングサイクル ζ l 関する節,第 1 2 章(蒸気サイクル) に冷凍機および熱ポンプ,ガスの液化などのサイクルに関する節を新設した.

同時にまた,全面的 ζ i 内容の刷新と説明文を平易にして,読者が読み易くかっ 理解し易いように配慮した.

以上のように,この全訂版は理論式と諸量の S I 化を行うと同時に,内容の

i

刷新,充実を行ったもので,学生諸君並びに技術者諸氏の工業熱力学 ζ l 関する

(2)

lV 

教科書または参考書として役立つ乙とを期待してやまない.

終りに,本書を草するに当り,参考にした多くの著書や文献の著者 l と対して 探甚の謝意を表し,併せて本書の出版 ζ l 対してど援助を賜った書謄裳華房の関 係諸氏 l と厚くお礼申し上げる.

昭和 5 6 年 3 月

著 者 谷 下 市 松

(3)

本書は日本機械学会発行機械工学講座「熱力学.J (上巻, 下巻)を改訂増補したもの で,同学会の講座発行中止の方針により,書感裳華房より書名も「工業熱力学.J (基礎編,

応用編)として出版される

ζ

とになったものである.旧著が出版されて以来満

10

年を関 し,内容的 i とも検討すべき時機に到達したので,との機会!r:全面的に内容の更新を行い,

旧著の章の順序も多少入れ換えて,基礎編と応用編とに分割した

本書の基礎編は 1 2 章よりなり,工業熱力学の基礎的知識を一通り網擢して,新制大学 の 2‑3年生を対象として書かれたものである.つまり,との基礎編は,新制大学におい て修むべき基礎科目としての工業熱力学の内容を備えている積りである.

本書を執筆するに当り留意した点は,初学者にも解り易いように記述すると共I r :,また 必要なととは相当深いととろまで解説するように努めたととである.また,各章の終り I r : 演習問題を載せて,学修者の演練 I r:便ならしめである.ゆえに,本書は工業方面の学生諸 君の教科書または参考書として適当であるのみならず,現場技術者Ir:対しでも好伴侶とな

るであろう.

工業熱力学においては,数値計算を行って必要とする最後の数値を求めると

ζ

ろまで行 わねばならないから,使用する単位が当然問題になってくる

. ζ

の分野においても,将来 は国際的な

MKSA

単位を採用することになると思うが,しかしいま直ちに乙の単位を採 用する乙とは尚早であると思うから,本書では従来通り工学単位を使用するととにした.

ただし,従来の重量キログラムは,質量キログラムと混同するおそれがあるので, kp  ( キ ロポンド)の記号を使用した.との記号はメートル単位を採用する諸国,たとえばドイツ などで,すでに採用されている.

本書の内容は著者自身の業績も多少含まれているが,その多くは幾多の先人の業績を書

き速ねたものであるととはもちろんである.したがって,本書の執筆に際しては,内外の

多数の著書および研究論文を参考にした.乙れらの多くの著者I r:対し,乙乙で深甚の謝意

を表明する次第である.また,本書の内容に種々不備の点もある乙とと思うが,読者諸氏

より御叱正を受ければ幸である.

(4)

Vl 

本書の出版 I C 当つては,裳華房吉野元章氏の一方ならぬ御援助 l とあずかった. とと I C 心から感謝の意を表する.

昭和 35年8月

著 者 誌

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