健康保険法施行規則等の一部を改正する省令案について寄せられた御意見について
平成29年3月31日
標記について、ホームページ等を通じて意見を募集したところ、16件の御意見をいただきまし
た。お寄せいただいた御意見と、それらに対する当省の考え方について、以下のとおり取りまと
めましたので、公表いたします。なお、とりまとめの都合上、いただきました意見のうち、意見
募集の対象となる事項のみお示ししています。
今回、御意見をお寄せいただきました方の御協力に厚く御礼申し上げます。
No. 御意見の概要 御意見に関する考え方 1 元より医療費通知を送付する目的は、受診したとされる被保険者、 被扶養者が本当にその医療機関で、適正な金額を支払って受診したか を保険算定したデータのみに基づいて対象者へ送付している明細で あり、「うそいつわりありませんか」と問うためのものなので、真偽 のほどは正しいとは限りません。正しくないのが正しい判断だと思い ます。それを税の申告のエビデンスに使うという発想そのものが、い かがなものかと思います。それとスイッチOTC(12,000円以上で医療 費還付)との兼ね合わせやら関係性も非常にあいまいであり、健保等 へ特定健診の受診でもエビデンスを求めさせる方法論含めて、いった い「何を考えているのか」と思っています。 医療費通知を医療費控除に使用可能と することで医療費通知の活用機会が増 え、これにより医療費通知が持つ本来の 役割や効果を高めることも期待されま す。何卒ご理解いただきますようお願い いたします。 2 当組合における医療費通知は、以下の理由から、確定申告で医療費 控除をする方の「参考」として活用していただくため、毎年2月下旬 に1年間分を記載した紙による医療費通知を被保険者全員に対して 各々の自宅に郵送しています。 1.各自治体独自の医療助成制度の関わりから加入者が窓口で支払っ た医療費が正確に把握できない 加入者が医療機関を利用した場合の窓口負担額は、健康保険以外に 「各自治体独自の医療助成制度※」も関わってくるため、レセプト(診 療報酬明細書)からの情報だけでは正確に把握できないという問題が あります。 ※各自治体独自の医療費助成制度(例) 子ども医療費助成、障害者医療費助成・妊婦医療費助成・ひとり親 医療費助成 など 医療費助成事業を支払基金が受託している自治体については、診療 報酬明細書に公費負担が記載されますが、こうした対応をとっている 自治体は一部にとどまっているのが実情です。仮にこれを補うため、 健康保険組合が加入者が居住する全ての自治体の制度を把握し、加入 者が支払った正確な窓口負担額を医療費通知に記載することは、相当 な時間と労力を要する作業となり、現実的には困難と言わざるを得ま せん。 こうした状況を踏まえ、現状の医療費通知は、健康保険組合に請求 される診療報酬明細書の点数から自己負担額相当額(未就学児2割・ 一般3割等)を算出し、『病院の窓口で支払った額および国・地方自 治体が支払った額の合計』で記載しておりますので、医療費控除のた めの明細書として活用するのは不可能です。 2.医療費通知の対象期間が確定申告の期間に合致しない 期間を前年1月~12月に設定できれば確定申告時における医療 費通知の利用ニーズが高くなりますが、レセプトデータが2か月遅れ で健康保険組合に送られてくるため、確定申告期間に合わせて2月中 に発送するためには、前年11月までのレセプトデータで締めざるを 得ないという制約があります。仮に、前年12月のレセプトが送られ てくるのを待ってから医療費通知を作成すると、レセプトデータ取り 込み~データ編集~印刷~発送等の事務工期として約1か月強要す ることから、3月下旬の発送となり確定申告に間に合わなくなる事態 となります。 こうしたなかで、平成29年度税制改正大綱において、所得税と住 民税に係る医療費控除の申告手続きを見直して、保険者が発行する医 療費通知を明細書として添付すこと認めた場合、前述の「1か月の期 間ずれ」による申告手続き上の混乱が発生する懸念が生じます。 具体的には、被保険者がこの「1か月の期間ずれ」があることに気 1.(加入者が窓口で支払った医療費を 正確に把握できない)につきましては、 保険者に全ての医療費を調査して医療 費通知に記載していただくのではなく、 医療費控除の申告を行うご本人に、申告 の際に額を訂正していただくことで対 応する方針としています。 2.(医療費通知の期間が確定申告の対 象期間と合致しない)につきましては、 期間のずれについて、申告手続の際に、 ご指摘のような混乱がなるべく起きな いよう、丁寧な周知広報をしていきたい と考えています。 3.(システム改修費用は厚生労働省で 負担していただきたい)につきまして は、保険者の方々のご負担が過重になら ないよう、厚生労働省でも対応を前向き に検討したいと考えています。が付かず、医療費通知をそのまま添付した場合は、前々年12月の医 療費が確定申告の対象とならないため、その分が減額されるととも に、前年12月の医療費の領収書を別途添付するのを忘れると、前年 中に支払った医療費よりも少ない金額での申告となり、このことが原 因で再度確定申告をやり直す等の混乱や苦情に発展することが懸念 されます。 当健康保険組合のように、確定申告時期に合わせて医療費通知を発 行している健康保険組合は他にも相当数あると思われるため、このよ うな「1か月の期間ずれ」による申告手続き上の混乱が多くの健康保 険組合で頻発するのは必至と言わざるを得ません。 以上、上記1および2の理由から、医療費通知を確定申告の医療費 明細として活用するのは再考を要するものと思料します。 3.医療費通知作成システムのプログラム改修費用の取り扱い 上記の問題点や混乱要因を踏まえてもなお、健康保険法施行規則を 改正して医療費通知の様式について所要の整備を行うに至った場合 は、医療費通知作成システムのプログラム改修費用が発生することに なりますが、これについては、国の政策によるシステム変更であるこ とから、厚生労働省でご負担いただくよう強く要望いたします。 3 ○ 医療費通知の項目として規定するものの中に「支払った医療費の 額」とあるが、これは医療費総額(10割分)を指すのか、それと も自己負担分(1割~3割)を指すのか。 保険者では医療費総額(10割分)しか把握できず、自己負担分 は把握できない(診療報酬明細書等には載っていない。また、医療 機関窓口で未納にしている可能性もあるし、各市町村で行っている 医療費助成や難病対策等をすべては把握できていない。)。そのた め保険者は医療費総額(10割分)を医療費通知に記載するしかな いが、それで医療費控除の申告に使用できるのか疑問である。 だからといって自己負担分(1割~3割)を記載することも、先 述の理由から必ずしも正確でなく保険者としては自信がない情報 であり、医療費控除の申告に使用されることに抵抗がある。 ○ 施行日が平成30年1月1日となっており、これは平成29年中 の所得に対する確定申告、つまり平成29年1月~12月に支払っ た医療費を対象とすることを意識していると思われるが、保険者の 中には、医療費通知を年数回に分けて、施行日前に平成29年にか かる分を一部送付しているところもある。そうすると平成29年中 の所得に対する確定申告には残りの一部の月分しか使用できない がそれでよいか。それとも平成30年中の所得に対する確定申告か ら対象にしているのか。 ○ 12月診療分の診療報酬明細書等は2月にならないと保険者に は届かず、そこから医療費通知を作成しても確定申告の時期に送付 が間に合わないと思われる。そうすると国民は(10月くらいから) 12月に支払った医療費については、医療費通知によらず領収書で 申告するしかないと思うが、かえって手間になるのではないか。 1つ目の○につきましては、自己負担分 を記載していただくことを想定してい ます。 2つ目の○につきましては、今般の税制 改正は、平成29年中の所得に対する確 定申告から対象になります。施行日前に 出された医療費通知についても、今回省 令に規定した項目が記載されている等 の条件を満たせば、施行日以後の確定申 告に使えるようにする方針ですが、保険 者や加入者の皆様に混乱が起きないよ う、丁寧な周知広報をしていきたいと考 えています。 3つ目の○につきましては、ご指摘の通 り医療費通知が間に合わない月分につ いては領収書に基づき申告していただ くことになります。 4 1.医療費通知の記載項目「支払った医療費の額」とは、患者本人が 医療機関の窓口で支払った額なのか、保険者が医療機関に支払った 額のどちらか。 2.医療費控除は、患者が医療機関で自己負担分を支払ったことが前 提となる。しかし、保険者は、レセプトを見て患者が医療機関で自 己負担を払い未納がないことを確認できない。医療費控除は、未払 いがあっても医療費控除の対象となるように変更するのか。 3.概要には記載はないが、この医療費通知は番号制度におけるマイ ナポータルを利用しての配信を前提としているのか。 1.につきましては、患者本人が医療機 関の窓口で支払った額を想定していま す。 2.につきましては、未払い分は従来通 り医療費控除の対象にはなりません。未 払い分がある場合は、医療費控除の申告 を行うご本人に、申告の際に額を訂正し ていただくことで対応する方針として います。 3.につきましては、今般の省令改正で は、医療費通知をマイナポータルを利用 して配信することを前提としているわ けではありませんが、マイナポータルを 活用して医療費控除の申告手続ができ るようにすることも念頭に置いていま す。 5 1.医療費通知に記載する項目と、確定申告イータックスの医療費控 除入力項目とが一致していない。イータックスの入力項目に「治療 内容、医薬品名」がある。しかし、医療費通知の記載項目にはこの 項目がない。税担当部門と協議をしているのか。 2.医療費控除は、1月から12月診療分について申告を行うが、医 療費通知で申告するとなると、2月の確定申告開始までに12月診 療分の通知が間に合わない恐れがあるのではないか。12月診療の 1.につきましては、本改正省令で規定 する項目については、税担当部門と協議 済みです。必要なシステム改修について は、今後行っていく予定です。 2.につきましては、確定申告開始まで に間に合わない月分の医療費に関する 医療費控除の申告については、医療費通
レセプトが保険者に到着するのが2月となるため。 さらに、柔道整復療養費など紙の申請書の場合はさらに通知まで 時間を要するのではないか。 知ではなく、領収書に基づき申告してい ただくことになります。 6 控除申告は従来通り領収書の提示あるいは添付で十分であり、医療 費通知の様式を定めることに反対する。 医療費通知の趣旨は、1自分の医療費を認識して節減につなげる、 2領収書と突き合わせて不正請求発見であり、そのためには領収証の 保存が前提である。 領収証の発行体制は医療機関等で既にできており、発行は無料であ るから、被保険者等の負担にならない。その上にシステム改修費用や 発行費用をかけて医療費通知の様式を変更するのは、全体でみれば、 医療機関の領収書発行コストと二重になり、無駄なこととなる。 控除申告は保険適用以外も対象となることから、医療通知で網羅で きない部分が残り、申告者にとって中途半端なことになりかねない し、保険者にとっては業務が煩雑となる可能性が大である。 以上のように医療費通知発行の趣旨から外れる上に、控除申告用に 医療費通知作成発行することが保険者の実質的義務となる可能性が 高い今回の改正に反対する。 ご指摘の通り、医療費通知に記載されな い医療費については領収書に基づき申 告していただくことになりますが、医療 費通知を医療費控除に使用可能とする ことで医療費通知の活用機会が増え、こ れにより医療費通知が持つ本来の役割 や効果を高めることも期待されます。何 卒ご理解いただきますようお願いいた します。 7 確定申告は、暦年単位での提出を行うことになると思いますが、12 月診療分(1月に支払基金から請求される)レセプトを、確定申告の 時期である2月中旬に間に合うように通知するのは、困難と思われま す。 通知を年1回とした場合、前々年12月診療分~前年11月診療分を2 月中旬に間に合うように通知するのでも問題ないでしょうか。 また、この場合、確定申告する方は、前年1月~前年11月診療分は 医療費通知を添付し、前年12月診療分は医療機関発行の領収書を添付 するという整理でよろしいでしょうか。 今回の省令改正により、通知の回数や、 通知の対象となる月についての取扱い を変更する予定はありませんが、保険者 の皆様におかれては、医療費通知を活用 して医療費控除の申告をされる方の利 便性を考慮して対応いただきますよう お願いいたします。なお、後段の医療費 控除の申告の仕方につきましては、その 他の制約条件を無視すれば、前年12月 診療分は領収書に基づき申告していた だくことになります。 8 1.「医療費通知の項目として規定するもの」にかかる意見 ●「支払った医療費の額」は、受診者が医療機関等窓口で実際に支 払った一部負担金等を指すのか、健康保険組合等が支払った診療 報酬を指すのかが明確に表現されていない。 ●「支払った医療費の額」は、受診者が医療機関等窓口で実際に支 払った一部負担金等を指していることとする場合の問題点につ いて (1) 医療機関等が発行した領収書の自己負担額とレセプトから計 算した自己負担額に相当額の乖離が生じることが多々あるが、そ の場合にレセプトから計算した(医療費通知)自己負担額で医療 費控除の計算を行ってよいものか? → レセプトから計算した自己負担額の方が高い場合 (2) 地方自治体の医療費助成を受けており、医療機関等の窓口負 担が無い場合でもレセプトから判断できないケースがあるが(医 療費助成実施自治体が支払基金と契約を交わしておらず現物給 付を行っているケース等)、医療費通知には窓口負担が有るもの として掲載せざるを得ない。その金額で医療費控除の計算を行う のか? 2.レセプトを元にした「医療費通知」を医療費控除の申告資料とす ることにかかる意見 (1) レセプトは、医療機関等が医療保険者へ「診療報酬」を請求す るための明細書に過ぎず、受診者が「自己負担額」を実際に医療機 関等で支払ったかどうかを正しく確認するものには成り得ない。 (2) レセプトから計算した自己負担額は、領収書の金額と一致する とは限らない。(医療機関等の計算誤りにより受診者へ不足額を請 求せず、レセプトから計算した自己負担額と差異が見受けられるこ とも多い) (3) レセプトから計算した自己負担額が、実際には医療機関等で1 円も払っていないケースもある。(自治体の医療費助成を受けてい る場合等) (4) 12月診療分を医療費通知へ掲載し加入者へ渡せるのは、最短で も3月中旬となる。(当年度の申告時期に間に合わない) (5) レセプトが月遅れ請求や、資格誤り等となり、医療費通知への 掲載が数カ月~1年程度遅れることは頻繁にある。(当年度の申告 時期に間に合わない) (6) 医療費通知の本来の目的は、受診者への「コスト意識の喚起」 「不正請求の確認」であり、医療費控除申告が目的ではない。健保 組合に対し不必要な問い合わせが増えることが想定され、不信感を 植え付ける恐れも懸念される。 (7) 今まで、医療費控除の申告時に、医療機関等の領収書を確認書 類としていた意味であるとか、レセプトの流れや現場の実際を理解 1.につきましては、「支払った医療費 の額」は、受診者が医療機関等の窓口で 実際に支払った一部負担金等を指しま す。 なお、医療費通知の金額と実際に窓口で 支払った金額が異なる場合には、医療費 控除の申告を行う際に、申告される方 に、実際に支払った額に訂正して申告し ていただくことになります。 2.につきましては、医療費通知を医療 費控除に使用可能とすることで医療費 通知の活用機会が増え、これにより医療 費通知が持つ本来の役割や効果を高め ることも期待されますので、何卒ご理解 いただきますようお願いいたします。
したうえで、仕組みを再考すべきではないのか。 以上のことから、領収書の代わりに医療費通知でも可とすること は、現行以上に医療費控除申告の正確性を欠くものであり、適正処理 に逆行しているものである。また、税金の無駄遣い(不適正な還付) を更に助長することは否めない。 9 北九州市では、支払基金に医療費助成事業を業務委託していませ ん。 そのため、公費を受けて医療費が免除になっている方も医療費通知 欄の「公費で支払った額」には載らず、「あなたが支払った額」に載 るため実際に支払った医療費とは異なります。 医療費通知のみでの医療費控除の申請は正しく確認できるのでし ょうか。 ご指摘のケースについては、医療費控除 の申告を行う際に、申告される方に、実 際に支払った額に訂正して申告してい ただくことになります。 10 1 各通知項目について ① 診療を受けた年月 現在は、各組合において通知する年月を決めている(毎月・2月~ 翌年1月の1年・特定の数月等)が、税法上必要とされるのは、1月 から12月までの1年分である。税制に合わせることを必須とした場 合、組合側のシステム改修等が生じることとなるため、対応するため のコスト負担が組合側へ生じないよう配慮いただきたい。また、還付 申告は1月から可能であるが、レセプト事務の関係上、組合より通知 できるのは翌年3月以降となるため、確定申告の時期に間に合わない 場合が想定されることから、時期等の運用面については十分検討のう え調整いただきたい。 ② 病院、診療所、薬局等の名称 昭和60年4月30日通知「健康保険組合における医療費通知の適 切な実施について」により、「疾病名並びに疾病名の特定化につなが る薬剤名及び診療科名等を通知しないこと」とされており、現在は各 組合の判断により運用しているが、今般省令化される項目が必須事項 となれば、当該通知は廃止されるという認識で齟齬はないか。 ③ 支払った医療費の額 本会としては、以下の理由等により、実際に被保険者等が支払った 医療費の額は正確に把握できないと考えている。 ・ 現行の医療費通知においては、例えば「10円未満四捨五入」 等の端数処理が運用上行われていることがあること ・ 減額査定が行われることがあること (また、医療機関からの再審査依頼等により金額の変更があるこ と) ・ 医療機関側のミス等により、領収書金額とレセプトの内容が相 違する場合があること ・ 公費等の負担がある場合があること また、以下の点について整理する必要があると考えている。 ・ 柔道整復療養費・治療用装具に係る自己負担分金額の取扱い ・ 付加給付があった場合の取扱い ・ 月遅れ請求分が生じた場合の取扱い 以上のことについて整理した結果、システム改修する必要が生じた 場合は、対応するためのコスト負担が組合側へ生じないよう配慮いた だきたい。 2 その他意見 ① 実行上の義務化 今般の改正においては、医療費通知を行うこと自体が法令上義務化 されるものではないと聞いているが、一方、予算編成通知(平成28年 12月22日)により、保険給付適正化の観点から医療費通知について積 極的に行うこととされており、実施していない場合は監査時において 指導が行われているものと認識している。 当該通知により実行上義務付けている取扱いについて変更しない 場合は、実行上、省令化された事項を含む医療費通知が義務付けられ ることとなるため、当該改正により生じるコストが組合側へ生じない よう配慮いただく必要がある。 仮に当該通知を廃止せず、医療費通知を義務化するのであれば、省 令上義務を明確にした上で、国の負担により実施すべきではないか。 ② 省令に規定される事項以外の事項 今般の改正案では、6項目を規定しているが、その他運用上必須と される項目はないという認識でよいか。仮に、理事長印の押印(印影) を必須とされるようなことがあると、システム及び事務運用に与える 影響が大きいため、省令事項以外のものが必須とされることの無いよ うにしていただきたい。 1①につきましては、システム改修の費 用に関しては保険者の方々のご負担が 過重にならないよう、厚生労働省でも対 応を前向きに検討したいと考えていま す。確定申告の時期に間に合わない月分 の医療費につきましては、領収書に基づ き申告していただくことになります。 ②につきましては、今回の省令改正に伴 い、当該通知については改正する方向で 検討いたします。 ③につきましては、基本的には、医療費 控除の申告を行う際に、申告される方 に、実際に支払った額に訂正して申告し ていただくことになります。なお、各ケ ースの詳細な取扱いについては、保険者 や加入者の皆様に混乱が起きないよう、 今後、丁寧な周知広報をしていきたいと 考えています。また、システム改修の費 用に関しては、①と同様です。 2①につきましては、医療費通知を行う こと自体を法令上義務付けるものでは なく、医療費通知の記載事項についても 「標準とする」ものであり、義務付ける ものではありません。また、予算編成通 知については、被保険者などが受診した 際の医療費の実情を理解してもらうと ともに、健康に対する理解を深め、結果 的に組合の健全な運営に資することか ら、医療費通知について、積極的に取り 組む旨の記載をしております。なお、シ ステム改修の費用に関しては、1①と③ と同様です。 ②につきましては、現時点では省令事項 以外のものを必須とする考えはありま せん。なお、医療費通知を医療費控除の 申告に使えるようになることに伴う留 意点等を別途お示しする予定としてお り、当該留意事項等を医療費通知の欄外 に記載又は医療費通知とともに加入者 に配付する等の対応をしていただく必 要があるものと考えています。 ③につきましては、システム改修の費用 に関しては、保険者の方々のご負担が過 重にならないよう、厚生労働省でも対応 を前向きに検討したいと考えています。 ④につきましては、今回の省令改正によ り、被保険者分に被扶養者分もまとめて 医療費通知を作成する等の現行の運用 を変更していただく必要はありません。
③ マイナポータルとの関係 マイナンバー制度におけるマイナポータル上で医療費通知を取扱 うことの検討が進められていると認識している。 また、パブコメ資料において 「② 電子情報処理組織を使用して確 定申告を行った際に、医療保険者から通知を受けた医療費通知情報で その医療保険者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書が付 されたものを医療費の明細書として送信した場合における当該医療 費通知情報に係る医療費の領収書」とある。 現在、Web上で医療費通知を実施している組合があるが、電子署名 は通常実施していないため、対応するためにはシステム改修等が生じ ることとなる。 また、Web上で医療費通知を実施していない組合も多 数あり、新たに対応することが困難な組合もある。 仮に、e-tax利用 のために医療費通知を電子化し、電子署名等を付すことが必須となる のであれば、そのコストは国に負担していただく必要がある。 国の 負担が困難であれば、電子化等は任意の対応であることを貴省及び国 税庁からも明確にして周知いただきたい。 ④ 医療費通知の世帯単位記載 現在、多くの組合において、被保険者分に被扶養者分もまとめて医 療費通知を作成し、通知しているという実態がある。 当該取扱いに ついて、税の申告手続上問題はないという認識で差し支えないか。 保 険者側の運用に支障が生じないよう、国税庁等関係機関と事前に確 認・調整を図っていただきたい。 11 医療費通知は、被保険者に医療費の実態を知ってもらうことや医療 機関からの請求誤り防止等を目的として、診療報酬明細書の情報を基 に作成されるものです。 この度の改正は、医療費控除の適用を受けるため確定申告書に添付 する医療費の明細書として保険者が作成する医療費通知の情報を使 用できるようにする趣旨での改正ですが、医療費通知に支払った額の 証明としての「支払った医療費の額」を記載することは不適切である と思われます。 まず、1つめの理由として正確な本人支払額が把握できないことで す。 診療報酬明細書には本人支払額の記載がなく、「支払った医療費の 額」を記載しようとすれば負担割合を使った計算上の額とならざるを 得ませんが、実際の支払い額と計算額が一致しない場合が多々ありま す。例えば、細かいものでは、窓口支払い額の端数処理により同一月 に複数回受診したときに不一致になるものや、電話再診等で本人徴収 を行わなかったものなど。大きなものでは、医療機関の請求誤り、請 求遅れ、審査による点数変更などです。 次に、2つめの理由として、2月中旬から3月中旬の確定申告時期 までに前年1年分にかかる医療費通知を行うことがスケジュール的 に困難なことです。 医療機関からの請求は、診療月の翌月10日までに審査支払機関へ 行われますが、保険者に届くのはさらにその翌月になります。12月 診療分であれば、保険者に情報が届くのは最短でも2月上旬です。そ こから医療費通知を作成して送付する場合、確定申告時期の始まりに は当然間に合いませんが、終了までに間に合わせるのも厳しいと思わ れます。また、医療機関からの請求が翌月10日までに間に合わなか った場合や、点検で疑義が発見されたものについても医療費通知には 記載されません。 最後に、3つ目の理由として、医療費通知を実施する保険者によっ て、送付対象、送付時期、対象診療月が異なることです。 現状では、保険者にとって医療費通知の実施は義務ではなく、実施 している場合においても、必ずしも1年分を網羅しているとは限ら ず、資格喪失者も含めた被保険者全員に送付しているとも限りませ ん。なお、2つ目の理由とも関連しますが、確定申告時期までに前1 年の診療分について通知するように対応させて行くとすれば、保険者 の事務及び経費負担が大きくなると考えられます。 以上のとおり、医療費通知書では、被保険者が支払った医療費の額 を正確に記載できないことから「支払った医療費の額」の証明にはな り得ず、項目として規定することについては慎重な判断が必要と考え られます。 1つ目の点につきましては、基本的に は、医療費控除の申告を行う際に、申告 される方に、実際に支払った額に訂正し て申告していただくことになります。 2つ目の点につきましては、確定申告開 始までに間に合わない月分の医療費に 関する医療費控除の申告については、医 療費通知ではなく、領収書に基づき申告 していただくことになります。 3つ目の点につきましては、今回の省令 改正は送付対象や送付時期、対象診療月 について変更を加えるものではありま せんが、保険者の皆様におかれては、医 療費通知を活用して医療費控除の申告 をされる方の利便性を考慮して対応い ただきますようお願いいたします。ま た、確定申告開始までに間に合わない月 分の医療費に関する医療費控除の申告 については、医療費通知ではなく、領収 書に基づき申告していただくことにな ります。 12 <意見> 医療保険者から交付を受けた医療費通知書等に次の記載を要望す る。 1.療養費、移送費、出産育児一時金、家族療養費、高額療養費等の 給付額及びその対象とした医療費 <理由> 今回の省令改正は、現行の医療費通知を 医療費控除の申告手続に活用できるよ うにするために省令上規定を設けたも のであり、医療費通知自体の趣旨や構造 に制度上変更を加えたりそれを強制し たりする趣旨の改正ではありません。何
医療費の支出に基因して支給を受ける保険金、高額療養費等は、支 給対象となった医療費から個別対応で控除し、当該医療費を超える保 険金等は他の医療費から控除しない。そのため、医療費から控除すべ き高額療養費等の給付額とその対象となった医療費を明確にする必 要がある。(所得税法73条、所得税法基本通達73-8) 2.年末時点で未払医療費は医療費控除の対象としない旨 <理由> 医療費控除の対象となる「その年中に支払った当該医療費」とは、 その年中に現実に支払った医療費をいい、未払となっている医療費は 現実に支払われるまでは控除の対象とならない。医療保険者は医療機 関からの診療報酬の請求に基づき治療の事実は確認できるが、実際に 個人負担分の医療費が支払われたか確認できない。そのため、医療保 険者から交付を受けた医療費通知書等に基づき医療費控除を適用す る場合には、未払医療費も医療費控除の対象とする可能性があり、未 払医療費については医療費控除の適用を行わないよう注意喚起が必 要である。(所得税法73条、所得税法基本通達73-2) 医療費控除に関するコンプライアンス維持のため未払医療費等の 捕捉する制度構築の検討が必要である。 卒ご理解いただきますようお願いいた します。 2については、医療費通知に未払医療費 が含まれている場合には、医療費控除の 申告を行う際に、申告を行うご本人に額 を訂正していただくことで対応する方 針としています。またこの場合におい て、混乱がなるべく起きないよう丁寧な 周知広報をしていきたいと考えていま す。 13 ■要 望■ レセプトの「負担金額」欄に患者支払額(窓口負担額)の記載を必 須とする仕組みに変更していただきたい。 1.内容 医療費通知の項目として規定するものとしての項目の中に、 『支払った医療費の額』 の項目があるが、その場合レセプト上に、実際の窓口負担額(=病院 の領収額)を記載していただかないことには、正しい金額を記載でき ない。 2.現状 レセプトの「負担金額」欄は、通常無記入となっている。 負担金は「請求点数」欄記載の点数より、保険者が算出している。 3.要望の理由 1)総医療費×負担割合が計算上の自己負担となるが、医療機関は、 端数処理が統一されておらず誤差が生じる。 2)複数の公費医療を受けている場合等、公費によって限度額も違い、 レセプトの記載も分かりにくく、患者の窓口支払額が判別しにくい 場合があるため、各機関(自治体・医療機関)へ確認しないと、実 際の支払額が不明な場合がある。 3)自治体の助成の条件(年齢、負担上限額、精算方法)が自治体ご とで定められており、社会保険支払基金と受託契約していない自治 体は特に患者の実際の窓口支払額が把握できない状態のため、医療 費通知の窓口支払額が実際の支払額と相違する場合がある。 4)東京都は、医療機関と直接契約することで、医療証を県外受診で あっても利用できる仕組みがあるが、この情報もレセプトには記載 されないため、レセプトの窓口支払額と実際の窓口支払額と誤差が 生じる。 4.効果 レセプトの「負担金額」に窓口負担額の記載が必須となれば、患者・ 保険者だけでなく、税所轄部門にとっても大きな効果が見込まれる。 1)医療費通知に正しい窓口負担額を記載できることとなり適正な税 申告が可能となる。 2)今後展開予定のマイナポータル上での医療費情報通知の適正にも つながる。 3)上記「要望理由」に記載した実情により発生している保険給付金 (高額療養費等)の重複支払い、ならびに発生した際の返還請求処 理等の問題が解消される。 今回の省令改正は、現行の医療費通知を 医療費控除の申告手続に活用できるよ うにするために省令上規定を設けたも のであり、医療費通知自体の趣旨や構造 に制度上変更を加えたりそれを強制し たりする趣旨の改正ではありません。何 卒ご理解いただきますようお願いいた します。