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東海 日本語ネ ッ ト ワ ー ク SI G /学会事 業

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生活者日本語の指導能力の評価に関する調査研究

は じ め に

日 本 国 内 の 外 国 人 登 録 者 数 は 平 成 21 年 末 現 在 2,186,121 人 と な り 、 過 去 最 高 を 記 録 し た 前 年 と 比 べ 、 経 済 不 況 の 影 響 等 に よ り 31,305 人 減 少 し ま し た 。 し か し な が ら 、 グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 と 日 本 の 少 子 高 齢 化 の 状 況 は ま す ま す 進 む 状 況 に あ り 、 今 後 も 国 内 に 生 活 す る 外 国 に ル ー ツ を 持 つ 人 々 が ま す ま す 増 え て い く も の と 思 わ れ ま す 。

政 府 内 で の 『「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 に 対 す る 総 合 的 対 策 』( 平 成 18 年 12 月 外 国 人 労 働 者 問 題 関 係 省 庁 連 絡 会 議 ) の と り ま と め を 受 け 、 各 省 庁 に お い て も 日 本 で 暮 ら す 外 国 人 に 対 す る 施 策 が 打 ち 出 さ れ て い ま す 。 い ず れ も 外 国 人 を 地 域 社 会 の 一 員 と し て 捉 え 、 生 活 環 境 を 整 備 し て い く こ と や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 、 日 本 語 教 育 の 充 実 の 必 要 性 が 指 摘 さ れ て い ま す 。 文 化 庁 で も こ れ を 受 け 、「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 に 対 す る 日 本 語 教 育 事 業 の 推 進 と 共 に 、 平 成 19 年 7 月 に は 文 化 審 議 会 国 語 分 科 会 の 中 に 日 本 語 教 育 小 委 員 会 を 設 置 し 、日 本 語 教 育 に 関 す る 諸 問 題 が 審 議 さ れ て い ま す 。

日 本 語 教 育 小 委 員 会 に お い て は 、「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」の た め の 日 本 語 教 育 を 多 文 化 社 会 に お け る 日 本 語 教 育 と し て 捉 え 、 外 国 人 の 社 会 参 加 を 促 進 し 、 住 民 間 の 相 互 尊 重 や 共 同 参 画 意 識 を 向 上 さ せ る た め の 日 本 語 の 普 及 、 学 習 の 促 進 の 必 要 性 を 指 摘 し て い ま す 。

公 益 社 団 法 人 国 際 日 本 語 普 及 協 会 は 、1980 年 代 か ら 各 地 域 で 生 活 す る 外 国 人 に 対 す る 日 本 語 支 援 を 行 っ て い る ボ ラ ン テ ィ ア の 日 本 語 教 室 立 ち 上 げ の 協 力 、 ボ ラ ン テ ィ ア 研 修 、 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 研 修 、 多 文 化 共 生 社 会 の ま ち づ く り に 必 要 な 研 修 プ ロ グ ラ ム の 企 画 実 施 、 日 本 語 支 援 関 係 者 へ の 日 本 語 教 育 相 談 な ど を 行 っ て き ま し た 。 有 限 会 社 ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ は 1990 年 代 か ら 富 山 県 の 自 治 体 な ど の 要 請 を 受 け て 、 県 内 各 地 を 中 心 に 北 陸 で 日 本 語 ボ ラ ン テ ィ ア の 育 成 研 修 や 教 室 の 立 ち 上 げ 、 教 室 継 続 の 支 援 、 フ ォ ロ ー ア ッ プ な ど を 行 っ て き ま し た 。 現 在 、 都 道 府 県 や 政 令 指 定 都 市 、 外 国 人 集 住 都 市 な ど に お い て 、 多 文 化 共 生 の た め の ま ち づ く り や 日 本 語 教 育 の 充 実 の た め の 施 策 が 少 し ず つ と ら れ る よ う に な っ て き ま し た が 、 日 本 語 支 援 に つ い て は 、 ボ ラ ン テ ィ ア へ の 依 存 が 依 然 と 大 き く 、 ボ ラ ン テ ィ ア へ の 負 担 が 増 し て い ま す 。 多 文 化 共 生 社 会 の ま ち づ く り に 貢 献 す る 日 本 語 教 育 の 持 続 可 能 な イ ン フ ラ 整 備 が 必 要 な 状 況 に あ り ま す 。 今 回 の 調 査 研 究 は 、 地 域 の 日 本 語 教 育 に 関 わ っ て き た 、 東 京 と 富 山 を 拠 点 と す る 二 つ の 組 織 の 関 係 者 の 内 省 に よ り 、 日 本 語 教 育 の 専 門 家 た ち が 今 ま で 蓄 積 し て き た 専 門 性 が 地 域 の 日 本 語 教 育 に ど の よ う に 貢 献 す る こ と が で き る の か 、 明 示 化 す る 試 み を し ま し た 。 今 後 期 待 さ れ る 「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 に 対 す る 言 語 保 障 の イ ン フ ラ 整 備 に 少 し で も 役 立 つ こ と が で き れ ば 幸 い で す 。

平 成 23 年 3 月

公 益 社 団 法 人 国 際 日 本 語 普 及 協 会 専 務 理 事 岩 見 宮 子

(3)

目 次

平 成 22 年 度 文 化 庁 委 嘱 調 査 研 究

「 生 活 者 日 本 語 の 指 導 能 力 の 評 価 に 関 す る 調 査 研 究 」 ··· 1

1 . 調 査 研 究 組 織 ··· 1

2 . 執 筆 者 一 覧 ··· 1

3 . 協 力 者 ··· 2

4 . 研 修 講 師 ··· 2

第 1 章 問 題 の 所 在 ··· 3

1 . 1 地 域 日 本 語 教 育 を め ぐ る イ メ ー ジ ··· 3

1 . 2 社 会 型 日 本 語 教 育 の 可 能 性 ··· 4

1 . 3 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を 考 え る に あ た っ て ··· 5

[用 語 説 明] ··· 8

第 2 章 調 査 の 概 要 ··· 9

2 . 1 調 査 研 究 の 進 め 方 ··· 9

2 . 2 各 章 の 概 要 ··· 9

第 3 章 生 活 日 本 語 の 指 導 力 に 資 す る 日 本 語 教 育 一 般 の 専 門 性 ··· 14

3 . 1 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 ··· 14

3 . 1 . 1 1970年 代 の 論 議 に み ら れ る 日 本 語 教 育 の 専 門 性 ··· 14

3 . 1 . 2 留 学 生 教 育 を 主 眼 と し た 1985年 の 枠 組 み ··· 15

3 . 1 . 3 日 本 語 教 育 能 力 試 験 の 改 定 に み る 専 門 性 の 拡 充 ··· 15

3 . 2 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 新 た な 位 置 づ け ··· 16

3 . 2 . 1 教 師 研 修 の パ ラ ダ イ ム シ フ ト 後 の 専 門 性 の 位 置 づ け ··· 16

3 . 2 . 2 動 的 な 能 力 及 び そ の 研 修 ・測 定 と い う 課 題 ··· 18

3 . 2 . 3 教 師 の 成 長 過 程 で 獲 得 さ れ る 資 質 ・能 力 ··· 20

第 4 章 日 本 語 教 師 の 先 行 事 例 に み る 地 域 日 本 語 専 門 性 及 び 示 唆 ··· 25

4 . 1 外 国 人 研 修 生 に 対 す る 短 期 集 中 コ ー ス に お け る 日 本 語 指 導 ··· 25

4 . 1 . 1 コ ー ス の 特 徴 ··· 25

4 . 1 . 2 カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 ··· 26

4 . 1 . 3 分 析 ··· 26

4 . 2 条 約 難 民 に 対 す る 集 中 コ ー ス に お け る 日 本 語 指 導··· 27

4 . 2 . 1 コ ー ス の 特 徴 ··· 27

4 . 2 . 2 カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 ··· 28

(4)

報告書 目次

4 . 2 . 3 分 析 ··· 29

4 . 3 地 域 在 住 外 国 人 の た め の 初 期 指 導 教 室 ··· 30

4 . 3 . 1 コ ー ス の 特 徴 ··· 30

4 . 3 . 2 カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 ··· 31

4 . 3 . 3 分 析 ··· 32

4 . 4 再 就 職 の た め の 緊 急 日 本 語 支 援 ··· 33

4 . 4 . 1 コ ー ス の 特 徴 ··· 33

4 . 4 . 2 カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 ··· 34

4 . 4 . 3 分 析 ··· 34

4 . 4 . 4 教 師 に 必 要 な 能 力 ··· 35

4 . 5 多 文 化 共 生 推 進 研 修 員 受 け 入 れ 事 業 ··· 36

4 . 5 . 1 コ ー ス の 特 徴 ··· 36

4 . 5 . 2 カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 ··· 37

4 . 5 . 3 分 析 ··· 37

4 . 5 . 4 教 師 に 必 要 な 能 力 ··· 39

4 . 6 地 域 日 本 語 支 援 教 室 で の 初 期 指 導 ··· 39

4 . 6 . 1 学 習 者 に つ い て··· 39

4 . 6 . 2 授 業 に つ い て ··· 40

4 . 6 . 3 分 析 ··· 40

4 . 6 . 4 教 師 に 必 要 な 能 力 ··· 42

4 . 7 ま と め ··· 43

第 5 章 生 活 日 本 語 教 育 シ ス テ ム の 在 り 方 ··· 44

5 . 1 社 会 参 加 の た め の 日 本 語 教 育 ··· 44

5 . 2 過 去 の 実 践 事 例 か ら の 課 題 ··· 44

5 . 2 . 1 社 会 と の 接 点 の 希 薄 さ ··· 44

5 . 2 . 2 自 律 的 に 学 習 を 継 続 す る こ と が で き な い ··· 45

5 . 2 . 3 学 習 環 境 が 未 整 備 ··· 45

5 . 2 . 4 受 け 入 れ る 地 域 社 会 の 問 題 点 ··· 45

5 . 2 . 5 高 齢 者 の 言 語 習 得 の 問 題 と 民 族 コ ミ ュ ニ テ ィ 支 援 の 必 要 性 ··· 46

5 . 3 文 化 審 議 会 国 語 分 科 会 日 本 語 教 育 小 委 員 会 の 審 議 内 容 ··· 46

5 . 3 . 1 問 題 意 識 ··· 46

5 . 3 . 2 体 制 の 整 備 ··· 47

5 . 3 . 3 連 携 協 力 の 在 り 方 ··· 49

5 . 3 . 4 生 活 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 に 必 要 と さ れ る 機 関 及 び 人 材 と そ の 役 割 ··· 50

5 . 4 ( 社 ) 日 本 語 教 育 学 会 の 地 域 日 本 語 教 育 シ ス テ ム··· 50

5 . 4 . 1 地 域 日 本 語 教 育 シ ス テ ム の 概 念 図 ··· 50

(5)

5 . 4 . 2 地 域 日 本 語 教 育 を 支 え る 人 材 ··· 50

5 . 5 地 域 日 本 語 教 育 専 門 家 の 人 材 育 成 と 常 勤 職 の 確 保··· 51

第 6 章 生 活 日 本 語 の 指 導 能 力 ( 指 導 者 Can-do) の 抽 出 方 法 ··· 53

6 . 1 日 本 語 教 育 の 指 導 力 と 生 活 日 本 語 の 指 導 力 ··· 53

6 . 2 社 会 型 日 本 語 教 育 の 枠 組 み ··· 53

6 . 3 生 活 日 本 語 の 指 導 力 ··· 54

6 . 3 . 1 対 話 中 心 の 活 動 を デ ザ イ ン す る 能 力 ··· 54

6 . 3 . 2 課 題 達 成 の プ ロ セ ス を 学 習 活 動 と し て デ ザ イ ン で き る 能 力 ··· 56

6 . 3 . 3 活 動 を 段 階 的 に 組 み 立 て る 能 力 ··· 58

6 . 3 . 4 学 習 環 境 を デ ザ イ ン で き る 能 力 ··· 60

6 . 3 . 5 活 動 成 果 を 社 会 型 日 本 語 教 育 の 観 点 か ら 評 価 で き る 能 力 ··· 62

6 . 4 専 門 性 の 確 立 に 必 要 な 研 修 ··· 63

第 7 章 指 導 者 の 実 践 経 験 か ら の 指 導 力 の 説 明 ・ 補 足 な ど ··· 65

7 . 1 実 践 の 概 要 ··· 65

7 . 2 第 6 章 指 導 力 枠 組 み の 説 明 、 補 足 な ど ··· 66

7 . 2 . 1 対 話 中 心 の 活 動 を デ ザ イ ン す る 能 力 に つ い て ··· 66

7 . 2 . 2 課 題 達 成 型 の プ ロ セ ス を 学 習 活 動 と し て デ ザ イ ン で き る 能 力 に つ い て ··· 68

7 . 2 . 3 活 動 を 段 階 的 に 組 み 立 て る 能 力 に つ い て ··· 72

7 . 2 . 4 学 習 環 境 を デ ザ イ ン で き る 能 力 に つ い て ··· 73

7 . 3 実 践 に 必 要 な 5 つ の 能 力 の 関 係 ··· 76

7 . 4 ま と め ··· 77

第 8 章 地 域 日 本 語 教 育 の 経 験 を 経 た 日 本 語 教 育 の 専 門 家 は 生 活 日 本 語 の 専 門 性 を ど う 捉 え て い る か ··· 78

8 . 1 ト ヤ マ ・ヤ ポ ニ カ の 概 要 ··· 78

8 . 1 . 1 ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ の 設 立 の 経 緯 と 活 動 の 概 要 ··· 78

8 . 1 . 2 ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ と 地 域 日 本 語 教 育 と の 関 わ り ··· 79

8 . 2 参 加 教 師 の 属 性··· 80

8 . 3 生 活 日 本 語 指 導 に 関 わ る ワ ー ク シ ョ ッ プ の 概 要 ··· 82

8 . 3 . 1 ワ ー ク シ ョ ッ プ 概 要 ··· 82

8 . 3 . 2 ワ ー ク シ ョ ッ プ 後 の 内 省 レ ポ ー ト ··· 82

8 . 4 内 省 レ ポ ー ト の 分 析 及 び 考 察 ··· 83

8 . 4 . 1 対 話 中 心 の 活 動 に 関 わ る ワ ー ク シ ョ ッ プ 後 の 内 省 レ ポ ー ト よ り ··· 83

8 . 4 . 2 Can-do ワ ー ク シ ョ ッ プ 後 の 内 省 レ ポ ー ト の 分 析 ··· 93

(6)

報告書 目次

8 . 5 ま と め ··· 96

[ワ ー ク シ ョ ッ プ 資 料] ··· 99

第 9 章 日 本 語 教 育 の 専 門 家 は 生 活 日 本 語 の 専 門 性 を ど う 捉 え て い る か ·· 125

9 . 1 公 益 社 団 法 人 国 際 日 本 語 普 及 協 会 (AJALT) の 概 要 ··· 125

9 . 1 . 1 公益社団法人国際日本語普及協会の設立の経緯と活動の概要 ·· 125

9 . 1 . 2 公 益 社 団 法 人 国 際 日 本 語 普 及 協 会 (AJALT) と 地 域 日 本 語 教 育 と の 関 わ り··· 125

9 . 2 参 加 教 師 の 特 性··· 127

9 . 3 参 加 教 師 の ビ リ ー フ ··· 127

9 . 4 生 活 日 本 語 指 導 に 関 わ る ワ ー ク シ ョ ッ プ の 概 要 ··· 131

9 . 5 ワ ー ク シ ョ ッ プ 1 ··· 131

9 . 5 . 1 ワ ー ク シ ョ ッ プ 1 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に お け る 発 言 ··· 131

9 . 5 . 2 ワ ー ク シ ョ ッ プ 1 内 省 レ ポ ー ト ··· 135

9 . 6 ワ ー ク シ ョ ッ プ 2 ··· 139

9 . 6 . 1 ワ ー ク シ ョ ッ プ 2 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に お け る 発 言 ··· 139

9 . 6 . 2 ワ ー ク シ ョ ッ プ 2 内 省 レ ポ ー ト ··· 143

9 . 7 ワ ー ク シ ョ ッ プ 3 ··· 149

9 . 8 ま と め ··· 153

第 10 章 提 言 ··· 156

10. 1 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 ··· 156

10. 2 社 会 型 日 本 語 教 育 と 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 比 較 ··· 157

10. 3 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 育 成 に 向 け て ··· 159

巻 末 資 料 生 活 日 本 語 指 導 者 Can-doリ ス ト ··· 163

(7)

平 成 22 年 度 文 化 庁 委 嘱 調 査 研 究

「 生 活 者 日 本 語 の 指 導 能 力 の 評 価 に 関 す る 調 査 研 究 」

1 . 調 査 研 究 組 織

1 ) 企 画 ・ 分 析 班 業 務 担 当 責 任 者 品 田 潤 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )

東 京 富 山

岩 見 宮 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 中 河 和 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 品 田 潤 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 高 畠 智 美 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 樋 口 博 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 田 上 栄 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 水 野 晴 美 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 松 岡 裕 見 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 吉 田 依 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )

2 ) 調 査 班

東 京 富 山

品 田 潤 子 ( 業 務 担 当 責 任 者 ) 中 河 和 子 ( 業 務 担 当 責 任 者 ) 栗 田 恵 美 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )中 野 香 保 里 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 澤 根 玲 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 高 畠 智 美 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 新 野 佳 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 田 上 栄 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 藤 原 未 雪 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 永 山 香 織 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ )

松 岡 裕 見 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 要 門 美 規 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ )

2 . 執 筆 者 一 覧

は じ め に 岩 見 宮 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 1 章 中 河 和 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 2 章 品 田 潤 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 3 章 水 野 晴 美 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )

4 章 品 田 潤 子( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )樋 口 博( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 永 山 香 織 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 田 上 栄 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 要 門 美 規 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ )

5 章 岩 見 宮 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 6 章 品 田 潤 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 7 章 田 上 栄 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ ) 8 章 高 畠 智 美 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ )

9 章 吉 田 依 子 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 樋 口 博 ( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 ) 10 章 中 河 和 子 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ )

巻 末 資 料 松 岡 裕 見 子( ト ヤ マ・ヤ ポ ニ カ )品 田 潤 子( 国 際 日 本 語 普 及 協 会 )

(8)

報告書 文化庁委嘱調査研究

3 . 協 力 者

近 藤 彩 ( 政 策 研 究 大 学 院 大 学 )

4 . 研 修 講 師

島 田 徳 子 ( 国 際 交 流 基 金 日 本 語 国 際 セ ン タ ー ) 森 本 由 佳 子 ( 国 際 交 流 基 金 日 本 語 国 際 セ ン タ ー ) 土 井 佳 彦 ( 名 古 屋 大 学 留 学 生 セ ン タ ー ・ と よ た 日 本 語 学 支 援 シ ス テ ム シ ス テ ム ・ コ ー デ ィ ネ ー タ ー ) 米 勢 治 子 ( 東 海 日 本 語 ネ ッ ト ワ ー ク 副 代 表 )

以 上

(9)

第 1 章 問 題 の 所 在

本 章 で は 、地 域 日 本 語 教 育 を め ぐ る 問 題 の 所 在 を 明 ら か に し 、社 会 型 日 本 語 教 育 を 提 唱 し そ の 可 能 性 を 示 す 。本 報 告 書 の 最 終 の 目 的 は 、社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を Can-do の 形 式 で 記 述 す る こ と で 、そ の 具 現 化 に 貢 献 す る こ と で あ る 。

1 . 1 地 域 日 本 語 教 育 を め ぐ る イ メ ー ジ

生 活 者 と し て の 外 国 人( 以 下 、外 国 人 )と は 、だ れ も が 持 っ て い る「 生 活 」 と い う 側 面 に 着 目 し て 、我 が 国 に お い て 日 常 的 な 生 活 を 営 む す べ て の 外 国 人 を 指 す も ので 、 生 活 日 本 語 は 、 そ の 外 国 人 が 生 活 を 営 む 上 で 使 用 す る 日 本 語 で あ ろ う 。

日 本 語 教 育 や 外 国 人 問 題 は 、ま だ マ イ ナ ー な 社 会 問 題 で あ る が 、外 国 人 を 取 り 巻 く 社 会 的 な 要 請 と 、日 本 語 教 育 関 係 者 の 問 題 意 識 の 向 上 に よ っ て 、少 し ず つ メ ジ ャ ー 化 し つ つ あ る 。こ の よ う な 過 渡 期 に は 、少 し く 興 味 を 持 ち 始 め て く れ た 行 政 関 係 者 や 一 般 の 人 た ち の 間 で 、用 語 が 一 人 歩 き す る 危 険 性 は 大 い に あ り 、 用 語 を 整 え て い く こ と が 急 務 で あ る 。

今 で は そ ん な 人 は 、そ う 多 く は な い か も し れ な い が 、生 活 者 の 生 活 日 本 語 を ど う 向 上 さ せ て い く か 、そ の 教 育 シ ス テ ム を ど う 整 備 し て い く か 、と い う 問 い が あ る と き 、そ れ は 各 地 域 に あ る ボ ラ ン テ ィ ア 中 心 に 活 動 し て い る 日 本 語 教 室 に 来 る 外 国 人 と 、支 援 者 と そ の 関 係 者 の 問 題 だ と 、ま だ 無 条 件 に 考 え る 人 が い る 。一 方 、こ れ は 裏 表 の 考 え 方 な の だ が 、も し 国 や 自 治 体 に 十 分 な 予 算 が あ れ ば 、生 活 者 の 日 本 語 の 特 に 初 期 指 導 は 、大 学 の 留 学 生 セ ン タ ー や 、 日 本 語 学 校 な ど に 勤 務 で き る 素 養 の あ る 、い わ ゆ る 従 来 、日 本 語 教 育 専 門 家 と 呼 ば れ て い る 人 達 に 任 せ る の が 理 想 だ と 考 え る 人 も い る 。

近 年 、学 校 型 日 本 語 教 育 と 地 域 型 日 本 語 教 育 と い う 分 け ら れ 方 が 多 く さ れ る こ と は 事 実 で あ り 、地 域「 型 」日 本 語 教 育 や 地 域 日 本 語 教 育 の 意 味 す る こ と に も 多 義 性 が あ る 。地 域「 型 」日 本 語 教 育 に 関 し て 言 え ば 、こ の 呼 び 方 が 広 く 使 用 さ れ る き っ か け に な っ た の は 尾 崎 (2004) だ と 記 憶 し て い る 。 尾 崎 は 、多 く の 地 域 の 日 本 語 教 室 と 、日 本 語 学 校 ・ 留 学 生 セ ン タ ー( 以 下 、学 校 )を 比 較 し て 、学 習 者 と 教 授 者 に「 契 約 」と「 選 抜 」が あ る か な い か の 学 習 参 加 条 件 の 大 き な 差 異 に 注 目 し 、地 域 型 日 本 語 教 育 と 学 校 型 日 本 語 教 育 に 大 別 し 、 混 沌 と し た 日 本 語 教 育 の 状 況 を 整 理 し た 。 し か し 読 者 に よ っ て は 、 地 域 型 日 本 語 教 育 と 学 校 型 日 本 語 教 育 で は 、さ ま ざ ま 決 定 的 に 違 い 、め ざ す も の も 違 う と い う 読 み 違 い が さ れ た と い う 懸 念 も あ る 。尾 崎 は め ざ す も の は 同 じ だ が 、 学 習 者 の 参 加 条 件 や 学 習 環 境 な ど が 違 う だ け だ と 言 っ て い る 。 地 域 の 日 本 語 教 室 で 行 わ れ る 日 本 語 支 援 や 日 本 語 教 育 は 、日 本 語 教 育 関 係 者 の 間 で 、 さ ま ざ ま な 捉 え 方 を さ れ て き た 。 た と え ば 、1990 年 代 に 、 地 域

(10)
(11)

国 内 で さ ま ざ ま に 先 進 的 な 生 活 日 本 語 教 育 を 試 行 し て き た 実 践 者・研 究 者 は 、概 ね こ の よ う な シ ス テ ム 図 を 想 定 し て い た の で は な い だ ろ う か 。た だ し 、 そ の 具 体 的 な 手 法 は 模 索 中 で あ る の で 、す べ て の 日 本 語 教 育 専 門 家 に 現 在 そ の 専 門 性 が あ る と は 言 え な い 。

宇 佐 美 (2010) で は 、 外 国 人 が 日 本 社 会 で 行 う 可 能 性 の あ る 行 動 の 内 の

「 生 活 そ の も の に 結 び つ い た 行 動 で 、日 本 社 会 で 生 き て い る 以 上 だ れ も が 行 う 可 能 性 の あ る 行 動 」 に は 、2 段 階 ( 生 活 サ バ イ バ ル 型 ・ 生 活 密 接 交 流 型 ) が あ り 、後 者 は 単 純 に 教 材 カ リ キ ュ ラ ム が で き に く い も の と し て い る 。生 活 密 接 交 流 型 の 行 動 は 、彼 ら が 社 会 成 員 と な る こ と を 促 す 重 要 な も の で あ る が 、 そ れ ら は ( 教 室 と い う リ ア リ テ ィ の な い 場 所 で の 学 習 よ り )、 周 囲 の 人 々 と 関 わ り 、社 会 活 動 を し て い く こ と で 学 習 さ れ る の が 適 当 で は な い か と 示 唆 さ れ る 分 析 結 果 を 出 し て い る 。生 活 日 本 語 が 、地 域 社 会 を 基 盤 に し て 行 わ れ る こ と が 適 当 で あ る こ と は 、2000 年 か ら の 短 い 期 間 で あ る が 、 富 山 県 を 中 心 に 生 活 日 本 語 教 育 を さ ま ざ ま 試 行 し て き た 経 験 か ら も 確 信 し て い る 。

生 活 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 目 的 は 「 外 国 人 が 社 会 参 加 を す る 力 を つ け る 」教 育 で あ り 、方 法 は 、そ の 社 会 参 加 の 過 程 で 起 こ る 言 語 的 困 難 を 始 め と し た 、さ ま ざ ま な 問 題 解 決 の 方 法 を 日 本 人 が 外 国 人 に 一 方 向 に 伝 授 す る の で は な く 、日 本 人 と 外 国 人 双 方 が 関 わ る 共 有 問 題 と し て 学 習 し て い く と い う こ と に 尽 き る と 、筆 者 ら は 考 え る 。そ う で あ れ ば 生 活 日 本 語 の 教 育 は 、地 域 社 会 と 密 着 し 生 活 を 基 盤 と し て 日 本 語 学 習 を 位 置 づ け る 「 社 会 型 日 本 語 教 育 」

( 石 井 1997)と い う 呼 び 名 が 適 当 だ ろ う 。生 活 日 本 語 教 育 を 社 会 型 日 本 語 教 育 と し て 、そ の 方 法・内 容・指 導 の 専 門 性 を 追 求 し て い く べ き だ と 考 え る 。 生 活 日 本 語 は 、す べ て の 外 国 人 が 生 活 の 現 場 で 使 用 す る 日 本 語 で あ る 。に も か か わ ら ず 、例 え ば 留 学 生 教 育 は 、こ の 社 会 型 日 本 語 教 育 と は 無 縁 だ と イ メ ー ジ さ れ が ち で あ る 。し か し 、ア カ デ ミ ッ ク な 研 究 学 問 は 英 語 で や り 、日 本 語 が 必 要 な の は 、学 生 生 活 も 含 め た 地 域 生 活 で あ る 医 学・工 学 系 の 学 生 に は 、現 在 も 広 く 用 い ら れ て い る 文 型 積 み 上 げ よ り 、社 会 型 日 本 語 教 育 の ア プ ロ ー チ が 、よ り 有 用 で は な い か と 考 え る 。問 題 に な っ て く る の は 、彼 ら の 学 習 環 境 だ ろ う 。今 ま で 厚 遇 と 考 え ら れ て い た 留 学 生 の 学 習 環 境 が 、実 は 教 室 と い う 閉 じ た 空 間・時 間 に 閉 じ 込 め ら れ て い る 不 遇 の 場 と 気 づ く べ き で あ る 。 こ の よ う に 社 会 型 日 本 語 教 育 は 、生 活 日 本 語 教 育 と し て 考 え た 場 合 、そ の ア プ ロ ー チ 、 シ ス テ ム は 、 学 校 教 育 に も 大 き く 示 唆 を 与 え る と 言 え る 。

1 . 3 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を 考 え る に あ た っ て

そ の 社 会 型 日 本 語 教 育 の シ ス テ ム を 遂 行 さ せ る に あ た っ て 、従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 は 、ど の よ う な 位 置 づ け で 必 要 な の か 、ま た さ ら に ど の よ う な 資 質 が 必 要 な の か を 、 本 調 査 で 考 え て い く 。

前 掲 の シ ス テ ム 図 (2008) で は 、 外 国 人 参 加 者 ( 学 習 者 と も 言 え る ) と

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報告書 第1章

日 本 人 参 加 者 を 中 心 に 、こ の シ ス テ ム を 維 持 す る コ ー デ ィ ネ ー タ ー と い う 専 門 家 が い る 。こ れ ら の 対 話 の 場 を 機 能 さ せ 、地 域 日 本 語 教 育 全 体 を 維 持・促 進 さ せ る コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 役 割 名 称 は い く つ か あ る が 、最 も 細 か く 分 け た も の は 、 米 勢 (2009) に よ る 日 本 語 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 、 教 室 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 、 シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 3 つ で あ る 。

本 報 告 で は 、シ ス テ ム を 機 能 さ せ る こ れ ら の す べ て の 専 門 性 に 言 及 す る こ と に な る が 、シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー に つ い て は 、言 及 が 薄 く な る 。な ぜ な ら 、調 査 し た 二 つ の 機 関 の 日 本 語 教 育 専 門 家 の 内 の 、地 域 実 践 経 験 者 の 方 の 実 践 体 験 に 、 シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー 的 な も の が 少 な い か ら で あ る 。 な お 、本 調 査 で は 、上 記 の「 日 本 語 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 」を「 日 本 語 活 動 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 」と 呼 ぶ こ と に す る 。こ の 名 称 の 方 が 、そ の 職 務 の 内 容 を よ り 具 体 的 に 示 せ る と 考 え る か ら で あ る 。

『「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 標 準 的 な カ リ キ ュ ラ ム 案 に つ い て 』 参 照 。

言 語 権 は 大 き く 二 つ に 分 け ら れ る 。「 参 入 側 が 、 受 け 入 れ 社 会 の 言 語 を 学 習 す る 権 利 」 と 「 参 入 側 が 、 自 身 の 母 語 を 保 持 ・ 継 承 す る 権 利 」 で あ る 。

石 井 (1997) は 、 日 本 語 教 育 は 「 日 本 語 学 習 を 主 目 的 と す る 学 校 型 日 本 語 学 習 か ら 、 地 域 社 会 と 密 着 し 生 活 を 基 盤 と し て 日 本 語 学 習 を 位 置 づ け る 社 会 型 日 本 語 学 習 へ と 広 が り を 見 せ て き て い る 」 と 述 べ て い る 。

筆 者 ら の 実 践 経 験 で は 、 シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー 的 業 務 は 、 ほ と ん ど な さ れ て い な い か 、 ま た は 地 域 の 国 際 交 流 協 会 の 担 当 者 や 、 意 識 が 高 く 能 力 が あ る ボ ラ ン テ ィ ア リ ー ダ ー が 行 っ て い る 現 状 が あ る 。

シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 専 門 性 が 、 日 本 語 活 動 コ ー デ ィ ネ ー タ ー や 教 室 コ ー デ ィ ネ ー タ ー に 比 べ て 、 従 来 の 日 本 語 教 育 専 門 性 と 比 較 的 遠 い 所 に 位 置 す る の で は と い う の が 、 実 践 経 験 上 の 実 感 で は あ る が 、 こ れ も 今 後 検 証 を 要 す る 。 将 来 的 に は 、 自 治 体 や 国 際 交 流 協 会 の 担 当 者 を 中 心 に シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー の ポ ス ト を 置 く べ き と 考 え て い る 。 言 い か え れ ば 、 今 後 の 国 際 交 流 協 会 の 担 当 者 の 選 抜 に は 、 シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 素 養 が あ る も の が 選 ば れ る べ き だ と 考 え る 。

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参 考 文 献

石 井 恵 理 子(1997)「 国 内 の 日 本 語 教 育 の 動 向 と 今 後 の 課 題 」『 日 本 語 教 育 』94 号 日 本 語 教 育 学 会

宇 佐 美 洋 (2010)「 『 外 国 人 が 日 本 で 行 う 行 動 』 再 分 類 に 基 づ く 提 言 - 『 生 活 日 本 語 』 フ レ ー ム ワ ー ク 作 り に 向 け て - 」『「 生 活 の た め の 日 本 語 」 に 関 す る 基 盤 的 研 究 : 段 階 的 発 達 の 支 援 を め ざ し て 』 平 成 20 年 度 ~23 年 度 科 学 研 究 費 補 助 金( 基 盤 研 究(B))研 究 成 果 報 告 書・中 間 報 告 研 究 代 表 者 金 田 智 子 尾 崎 明 人 (2004)「 地 域 型 日 本 語 教 育 の 方 法 論 試 案 」 小 山 悟 ・ 大 友 可 能 子 ・ 野

原 美 和 子 編 『 言 語 と 教 育 - 日 本 語 を 対 象 と し て 』 く ろ し お 出 版

日 本 語 教 育 学 会 編(2007)「 地 域 日 本 語 教 育 シ ス テ ム 作 り プ ロ ジ ェ ク ト 」『 平 成 19 年 度 文 化 庁 日 本 語 教 育 研 究 委 嘱 外 国 人 に 対 す る 実 践 的 な 日 本 語 教 育 の 研 究 開 発 』

文 化 審 議 会 国 語 分 科 会 編 (2010)『 「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 標 準 的 な カ リ キ ュ ラ ム 案 に つ い て 』

米 勢 治 子 (2009)「 コ ー デ ィ ネ ー タ の 必 要 性 と 人 材 育 成 の 課 題 ~ 育 成 主 体 の 視 点 か ら ~ 」『 こ れ か ら の 地 域 日 本 語 教 育 を 考 え る 』パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 2

「 地 域 日 本 語 支 援 に か か わ る 人 材 を ど う 育 て る か 」 資 料 集 文 部 科 学 省 委 託 浜 松 学 院 大 学 ・ 多 文 化 共 生 社 会 の 構 築 に 資 す る 日 本 語 教 員 養 成 プ ロ グ ラ ム シ ン ポ ジ ウ ム / 社 団 法 人 日 本 語 教 育 学 会 ・ 多 文 化 共 生 社 会 に お け る 日 本 語 教 育 研 究 会 第 6 回 研 究 会

Tove Skutnabb-Kangas(1990)Language Literacy and Minorities :Minority Rights Group Report, Public Interest Pubn

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報告書 第1章 第1節

[用 語 説 明 ]

● 生 活 日 本 語

「 生 活 者 と し て の 外 国 人 」 の 学 習 対 象 と な る 日 本 語

● 社 会 型 日 本 語 教 育

学 習 者 が 地 域 社 会 に 参 加 し て い く プ ロ セ ス で 日 本 語 が 学 べ る よ う に デ ザ イ ン さ れ た 日 本 語 教 育

● 生 活 日 本 語 の 指 導 力

社 会 型 日 本 語 教 育 と し て 実 践 さ れ る 指 導 力 を コ ー デ ィ ネ ー ト 力 と し て 捉 え る

● 生 活 日 本 語 の 指 導 者

社 会 型 日 本 語 教 育 を 実 践 、 促 進 す る こ と が で き る コ ー デ ィ ネ ー タ ー

● シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー

地 域 の 事 情 に 合 っ た 地 域 日 本 語 教 育 の シ ス テ ム を 構 築 し 、継 続 的 運 営 を 図 る 役 割 を 担 う

● 教 室 コ ー デ ィ ネ ー タ ー

地 域 の 事 情 に 合 っ た 教 室 を 立 ち 上 げ 、 継 続 的 運 営 を 図 る 役 割 を 担 う

● 日 本 語 活 動 コ ー デ ィ ネ ー タ ー

教 室 の 目 的 に 適 し た 活 動 を 提 案 、 計 画 し 、 円 滑 に 実 施 す る 役 割 を 担 う

● 学 習 者

社 会 型 日 本 語 教 育 を 行 う 日 本 語 教 室 で 、活 動 に 参 加 し て い る 外 国 人 を 指 す 。 日 本 語 を 学 ぶ と い う 側 面 が 薄 れ 、社 会 参 加 の た め に 支 援 者 と 対 等 な 立 場 で 活 動 を 行 う 外 国 人 の 場 合 も 、 便 宜 上 学 習 者 と 呼 ぶ

● 支 援 者

社 会 型 日 本 語 教 育 を 行 う 教 室 で 、学 習 者 と 共 に 活 動 し 、さ ま ざ ま な 支 援 を す る ボ ラ ン テ ィ ア を 指 す 。日 本 人 だ け で な く 外 国 人 が 支 援 者 に な る こ と も あ る

● 参 加 者

社 会 型 日 本 語 教 育 を 行 う 教 室 で 、活 動 に 参 加 し て い る 学 習 者 と 支 援 者 を 指 す

● 協 力 者

社 会 型 日 本 語 教 育 を 行 う 教 室 で 、活 動 に 協 力 す る 専 門 職( 例 え ば 防 災 訓 練 を す る 時 の 消 防 士 、子 育 て 相 談 出 前 講 座 の 保 健 師 )や 地 域 の 住 民 等 を 指 す

● 関 係 者

教 室 の 立 ち 上 げ や 、 主 催 、 援 助 を 行 う 行 政 関 係 者

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第 2 章 調 査 の 概 要

本 調 査 研 究 で は 、 社 会 型 日 本 語 教 育 を 具 現 す る 指 導 力 、 す な わ ち 生 活 日 本 語 の 指 導 力 を 可 視 化 す る た め 、 そ の 指 導 力 を 指 導 者 の Can-do と し て 具 体 的 に 記 述 す る 。 調 査 研 究 は 次 の よ う な 順 序 で 進 め る 。

2 . 1 調 査 研 究 の 進 め 方

(1) 日 本 語 教 育 に お け る 専 門 性 の 確 立 と 教 師 教 育 の 内 容 の 変 遷 を 文 献 か ら 概 観 し 、日 本 語 教 育 に 既 に 存 在 し て い た 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を 探 る 。( 第 3 章 )

(2) 日 本 語 教 育 で こ れ ま で に 実 施 さ れ た 社 会 型 日 本 語 教 育 と 共 通 す る 実 践 例 を 示 す 。( 第 4 章 )

(3) 日 本 語 教 育 に お け る 生 活 者 と し て の 外 国 人 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 実 施 事 例 と こ の 分 野 に 関 す る 調 査 研 究 を 概 観 す る 。( 第 5 章 )

(4) こ れ ま で の 実 践 例 、 調 査 研 究 、 提 言 を も と に 、 社 会 型 日 本 語 教 育 の 実 践 に 必 要 な 指 導 者 の 能 力 の 枠 組 み と 、 研 修 が 必 要 な 分 野 を 示 す 。( 第 6 章 ) (5) 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 家 に 対 し て 、 社 会 型 日 本 語 教 育 の 指 導 者 と し て の

能 力 を 獲 得 す る た め に 必 要 と 思 わ れ る 研 修 を 行 う 。 研 修 は 、 地 域 日 本 語 教 育 の 経 験 を 持 つ 専 門 家 グ ル ー プ と そ う で な い 専 門 家 グ ル ー プ に 分 け て 実 施 す る 。 (6) 研 修 後 、 内 容 に 関 す る 議 論 、 研 修 を 受 け て の 内 省 を 言 語 化 し た も の を デ ー

タ と し て 、 社 会 型 日 本 語 教 育 に 必 要 な 指 導 者 の 能 力 の 枠 組 み の 検 証 を 試 み 、 考 察 を 行 う 。

(7) 地 域 日 本 語 教 育 の 経 験 を 持 つ 専 門 家 グ ル ー プ は 、 そ の 実 践 経 験 に 基 づ い て (5)で 示 し た 枠 組 み を 精 緻 化 す る 。( 第 7 章 )

ま た 、(5)で 示 し た 枠 組 み に つ い て 、特 に ど の よ う な 能 力 を 重 要 だ と 捉 え て い る の か を 明 ら か に す る 。( 第 8 章 )

(8) 地 域 日 本 語 教 育 の 経 験 を 持 た な い 専 門 家 グ ル ー プ は 、 そ の 立 場 か ら 、(5) で 示 し た 枠 組 み と 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を 比 較 し 、 共 通 点 と 相 違 点 を 明 ら か に す る 。( 第 9 章 )

(9) 生 活 日 本 語 の 指 導 能 力 に 関 す る 提 言 を 述 べ る 。( 第 10 章 )

(10) 生 活 日 本 語 の 指 導 者 に 必 要 な 能 力 を 具 体 的 に 記 述 す る 。( 巻 末 資 料 )

2 . 2 各 章 の 概 要

以 下 に 各 章 の 概 要 を 述 べ る 。

【 第 3 章 】

第 3 章 で は 、 日 本 語 教 育 に お い て 、 専 門 性 が ど の よ う に 確 立 し 、 教 師 教 育 が 行 わ れ て き た か 、 と い う こ と に つ い て 概 観 す る 。

日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 変 遷 を 辿 る と 、70年 代 の 日 本 語 教 育 そ の も の の 専 門 性

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報告書 第2章

の 創 出 期 を 経 て 、80 年 代 に 学 習 者 の 増 加 に 伴 い 専 門 性 が 確 立 し 、教 育 能 力 検 定 試 験 の シ ラ バ ス が 整 備 さ れ 、標 準 化 さ れ た 。90 年 代 に 入 る と 、学 習 者 が 多 様 化 し 、 そ れ に 伴 い 教 育 内 容 も 多 様 化 す る 。 そ の 流 れ の 中 で 教 師 教 育 に お い て も 、 実 践 能 力 、 自 己 成 長 力 が 注 目 さ れ る よ う に な っ た 。 近 年 は 、 従 来 の 狭 義 の 専 門 性 を 超 え る 幅 広 い 資 質 ・能 力 が 求 め ら れ る よ う に な り 、そ の 中 に は 、生 活 日 本 語 の 教 育 が 行 わ れ る 地 域 の 日 本 語 支 援 現 場 に 資 す る 、 応 用 可 能 な 要 素 が あ る 。 日 本 語 教 育 の 専 門 性 と 生 活 日 本 語 の 指 導 力 と の 関 連 を 改 め て 検 討 す る こ と で 、 両 者 の 共 通 点 と 相 違 点 と が 明 ら か に な る で あ ろ う 。

【 第 4 章 】

第 4 章 で は 、 ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ と AJALT の 実 践 事 例 の 中 か ら 、 地 域 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 明 確 化 に 資 す る も の と し て 以 下 の 6 例 を 提 示 し 、 社 会 型 日 本 語 教 育 と の 共 通 点 、 相 違 点 を 分 析 、 考 察 す る 。

実 践 事 例 1 : 外 国 人 研 修 生 に 対 す る 短 期 集 中 コ ー ス に お け る 日 本 語 指 導

(AJALT)

実 践 事 例 2 : 条 約 難 民 に 対 す る 集 中 コ ー ス に お け る 日 本 語 指 導 (AJALT) 実 践 事 例 3 : 地 域 在 住 外 国 人 の た め の 初 期 指 導 教 室 (AJALT)

実 践 事 例 4 : 再 就 職 の た め の 緊 急 日 本 語 支 援 ( ヤ ポ ニ カ ) 実 践 事 例 5 : 多 文 化 共 生 推 進 研 修 員 受 け 入 れ 事 業 ( ヤ ポ ニ カ ) 実 践 事 例 6 : 地 域 日 本 語 支 援 教 室 で の 初 期 指 導 ( ヤ ポ ニ カ )

事 例 1 及 び 2 は 、 日 本 語 教 育 専 門 機 関 が 実 施 、 ま た は そ の 所 属 教 師 が 主 体 と な っ て 行 っ た 実 践 例 で あ り 、 3 及 び 4 は 日 本 語 教 育 専 門 機 関 が 地 域 社 会 の 支 援 者 と 協 働 し て 行 っ た 実 践 例 で あ る 。 ま た 実 践 事 例 6 は 、 地 域 社 会 が 主 体 と な っ て 運 営 さ れ て い る 日 本 語 教 室 で の 実 践 例 で あ る 。

【 第 5 章 】

第 5 章 で は 、 日 本 語 教 育 に お け る 生 活 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 を 概 観 し 、 教 育 シ ス テ ム の 在 り 方 と 必 要 な 人 材 育 成 の 在 り 方 に つ い て ま と め る 。

ま ず 、 こ れ ま で の 定 住 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 実 践 例 と し て 、 イ ン ド シ ナ 難 民 に 対 す る 取 り 組 み か ら 課 題 を 抽 出 し 、① 社 会 と の 接 点 が 希 薄 な こ と ② 自 律 的 、 継 続 的 に 学 習 し て い く こ と が で き な い こ と ③ 教 材 、 教 師 、 学 習 内 容 等 の リ ソ ー ス の 不 足 や 学 習 場 所 や 評 価 シ ス テ ム 等 の 学 習 環 境 の 未 整 備 ④ 受 け 入 れ 社 会 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 問 題 点 を 指 摘 し た 。 次 に 、 日 本 語 教 育 学 会 の 調 査 報 告 書 に 基 づ く 地 域 日 本 語 教 育 シ ス テ ム と 地 域 日 本 語 教 育 を 支 え る 人 材 と し て シ ス テ ム コ ー デ ィ ネ ー タ ー と 日 本 語 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 役 割 に つ い て 紹 介 し た 。 ま た 、 文 化 審 議 会 国 語 分 科 会 の 日 本 語 教 育 小 委 員 会 設 立 の 背 景 と 問 題 意 識 、 同 委 員 会 に お け る 審 議 の 経 過 内 容 か ら 、 生 活 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 シ ス テ ム の 体 制 整 備 と 関 係 諸 機 関 の 連 携 協 力 の 目 的 、 さ ら に 日 本 語 教 育 小 委 員 会 か ら 発 表 さ れ

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た 「 生 活 者 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 標 準 的 カ リ キ ュ ラ ム 案 」 の 目 的 、 目 標 及 び そ の 根 底 を な す 言 語 学 習 観 を 紹 介 し た 。 最 後 に 、 地 域 の 日 本 語 教 育 専 門 家 の 人 材 育 成 の 在 り 方 と そ れ を 支 え る 社 会 的 基 盤 に つ い て 述 べ た 。

【 第 6 章 】

第 6 章 で は 、 第 3 章 か ら 第 5 章 で 概 観 し た 日 本 語 教 育 に お け る 地 域 日 本 語 教 育 の 実 践 例 、 研 究 、 提 言 を も と に 、 社 会 型 日 本 語 教 育 を 目 指 す 生 活 日 本 語 の 指 導 力 の 枠 組 み を 提 案 し 、 必 要 と さ れ る 能 力 を 記 述 す る 。 枠 組 み は 次 の 5 つ の 観 点 か ら 記 述 し た 。

・ 対 話 中 心 の 活 動 ・ 課 題 遂 行 型 の 活 動

・ 活 動 中 心 の 言 語 学 習 の 段 階 性 ・ 学 習 環 境 デ ザ イ ン

・ 社 会 型 日 本 語 教 育 の 評 価 の 在 り 方

本 調 査 研 究 で は 、 日 本 語 教 育 の 専 門 家 に 対 し て 、 上 記 の 枠 組 み で 指 導 力 を 発 揮 す る た め に 必 要 と 考 え る 次 の 3 種 類 の ワ ー ク シ ョ ッ プ を 行 っ た 。

・ 対 話 中 心 の 活 動 の 理 念 の 紹 介 と 具 体 的 な 進 め 方 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ ・ 課 題 達 成 型 の 言 語 学 習 の デ ザ イ ン に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ

・ 教 室 に お け る コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 役 割 に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ

ワ ー ク シ ョ ッ プ の 目 的 は 、 ワ ー ク シ ョ ッ プ に 参 加 し た 日 本 語 教 育 専 門 家 に よ る デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、 内 省 を 、 文 字 化 し た も の を デ ー タ と し て 、 彼 ら が 生 活 日 本 語 の 指 導 力 の 枠 組 み を ど の よ う に 受 け 止 め 、 こ れ を 実 践 し て い く た め に 何 が 必 要 と 考 え て い る の か を 知 る こ と で あ る 。 こ れ に よ り 、 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 と 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 関 係 を 考 察 す る 。

【 第 7 章 】

第 6 章 で は 、 社 会 型 日 本 語 教 育 の 指 導 力 の 能 力 記 述 を 、 学 習 理 論 や 地 域 日 本 語 教 育 で の こ れ ま で の 提 言 や 知 見 か ら 、 い わ ば ト ッ プ ダ ウ ン に 行 っ た 。 第 7 章 で は そ れ を 、 地 域 で 社 会 型 日 本 語 教 育 の 実 践 を し た 専 門 家 の 経 験 ・ 視 点 か ら ボ ト ム ア ッ プ 的 に 精 緻 に す る こ と を 試 み る 。

上 述 の ワ ー ク シ ョ ッ プ で の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン の す べ て の 音 声 記 録 を 文 字 化 し た も の を 、 コ ー デ ィ ン グ し 、 そ こ か ら 浮 か び 上 が っ た 「 指 導 力 」 を も と に 、 第 6 章 の 能 力 記 述 に 補 足 ・ 説 明 を 加 え た 。

【 第 8 章 】

第 8 章 で は 、 地 域 日 本 語 教 育 で 社 会 型 日 本 語 教 育 の 実 践 経 験 を 持 つ 日 本 語 教 育 の 専 門 家 ( ト ヤ マ ・ ヤ ポ ニ カ の 所 属 教 師 ) に 対 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、 内 省 デ ー タ も と に 、 第 6 章 で 述 べ た 社 会 型 日 本 語 教 育 の 枠 組 み に

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報告書 第2章

つ い て 彼 ら が ど の よ う に 考 え て い る か 考 察 す る 。 次 が そ の 結 果 で あ る 。

対 話 中 心 の 活 動 に つ い て は 、 ワ ー ク シ ョ ッ プ で 提 示 さ れ た 理 念 や 手 法 を 基 本 的 に 肯 定 的 に 捉 え 、 共 感 し て い る 。 そ の 活 動 に 関 し て は 、 参 加 者 相 互 の 対 話 を 深 め る よ う な 活 動 の 進 行 や 働 き か け が 重 要 だ と 考 え て い る 。 ま た 、 言 語 構 造 の 扱 い に 関 し て 、 ワ ー ク シ ョ ッ プ に お い て 活 発 な 議 論 が な さ れ 、 初 期 段 階 で 日 本 語 の 基 本 的 な 構 造 を 整 理 す る こ と は 重 要 で あ り 、 そ れ を 参 加 者 相 互 の 対 話 や 関 係 性 を 損 な う こ と な く 行 う に は 専 門 性 が 必 要 だ と 考 え て い る 。 更 に 、 生 活 日 本 語 の 指 導 に は 、 個 々 の 活 動 の 促 進 だ け で な く 幅 広 い 専 門 性 が 求 め ら れ る 。 特 に 重 要 な の は 、 地 域 に 密 着 し た 教 室 を 、 教 室 の 主 体 と し て の 自 覚 を 持 っ て 担 う 人 材 の 育 成 で あ る 。 そ の た め に も 、 専 門 家 は 教 室 に 関 わ る 人 々 と の 関 係 作 り や 教 室 内 の 人 間 関 係 の 調 整 を 行 う 必 要 が あ る 。 ま た 、 教 室 の 目 的 と し て 地 域 作 り を 視 野 に 入 れ た と き 、 教 室 を 外 部 と つ な ぐ 役 割 も 専 門 家 に は 求 め ら れ る 。

課 題 達 成 型 の 活 動 に 関 し て も 、 そ の 目 的 や 方 法 に は 、 基 本 的 に 肯 定 し 、 共 感 し て い る 。 そ の 上 で 、 課 題 分 析 や Can-do を ど う 活 動 に 落 と し 込 み 、 地 域 日 本 語 教 育 に 活 か し て い く か と い う こ と を 、 今 後 検 討 し て い く べ き 問 題 点 と し て 挙 げ て い た 。 そ の 方 策 の 一 つ と し て 、 相 互 理 解 の 観 点 か ら は 、 外 国 人 参 加 者 と 日 本 人 参 加 者 の 協 働 に よ る 課 題 の 発 見 や Can-do 作 り が あ る が 、課 題 分 析 、Can-do 作 り 、 教 室 活 動 化 、 す べ て に お い て 専 門 性 が 必 要 と さ れ る 。 両 者 に よ る 協 働 を 効 果 的 な も の に す る た め に は 、 専 門 家 の サ ポ ー ト や 働 き か け が 重 要 で あ る 。

【 第 9 章 】

第 9 章 で は 、 社 会 人 等 を 対 象 と し た 生 活 日 本 語 の 指 導 経 験 は あ る が 、 地 域 社 会 と 連 携 し た 社 会 型 日 本 語 の 経 験 が あ ま り な い 日 本 語 教 育 の 専 門 家(AJALT の 所 属 教 師 )に 対 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、内 省 デ ー タ を も と に 、 第 6 章 で 述 べ た 社 会 型 日 本 語 教 育 の 枠 組 み に つ い て 彼 ら が ど の よ う に 考 え て い る か 考 察 す る 。 次 が そ の 結 果 で あ る 。

対 話 中 心 の 活 動 の 目 的 や 理 念 は 理 解 で き る が 、具 体 的 な イ メ ー ジ が わ か な い 、 そ の 活 動 だ け で 日 本 語 力 が 向 上 す る の か 不 安 だ と い う 戸 惑 い が 見 ら れ た 。 そ の 背 景 に 効 率 の よ い 学 習 を 重 視 す る ビ リ ー フ 、 日 本 語 力 向 上 に 対 す る 責 任 感 の 影 響 が 見 ら れ た 。 課 題 遂 行 型 に 関 し て は 、 評 価 基 準 の 共 有 に 不 安 を 感 じ る が 、 教 師 間 で 新 し い 共 通 言 語 と な る 可 能 性 と し て 意 義 を 感 じ て い る 。

【 第 10 章 】

第 10 章 で は 、 本 調 査 研 究 に よ り 明 ら か に な っ た 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性 と 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 共 通 点 と 相 違 点 を 示 す 。 そ し て 、 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 を 持 つ 人 材 を 「 ど こ で 」「 ど の よ う に 」 育 成 す べ き か 提 言 す る 。

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【 巻 末 資 料 】

本 調 査 報 告 書 は 、 本 調 査 研 究 で 可 視 化 を 試 み た 社 会 型 日 本 語 教 育 の 専 門 性 、 す な わ ち 生 活 日 本 語 の 指 導 力 を 具 体 的 に 記 述 し た 「 生 活 日 本 語 指 導 者 Can-do リ ス ト 」 を 巻 末 に 掲 載 す る 。

「 指 導 者 Can-do リ ス ト 」 は A と B を 作 成 し 、 A で は 、 教 室 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 、 日 本 語 活 動 コ ー デ ィ ネ ー タ ー そ れ ぞ れ の 能 力 の 全 体 像 を 示 す 。 B で は 、 社 会 型 日 本 語 教 育 を 行 う 地 域 日 本 語 支 援 教 室 の シ ス テ ム の モ デ ル と と も に 、 リ ス ト A の 一 部 を 、 実 際 の 作 業 手 順 に 留 意 し て よ り 具 体 化 し た も の を 示 す 。

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報告書 第3章

第 3 章 生 活 日 本 語 の 指 導 力 に 資 す る 日 本 語 教 育 一 般 の 専 門 性 3 . 1 従 来 の 日 本 語 教 育 の 専 門 性

本 章 で は 、 日 本 語 教 育 一 般 の 専 門 性 が 、 こ れ ま で ど の よ う に 捉 え ら れ て き た か を 概 観 す る 。日 本 語 教 育 の 専 門 性 に つ い て の 公 的 な 論 議 が 盛 ん に な っ た の は 、 1970 年 代 で あ る 。そ の 背 景 に は 、日 本 語 教 育 の 対 象 が 、か つ て 日 本 研 究 家 や 宣 教 師 の よ う に 限 定 さ れ て い た 時 代 か ら 、 ビ ジ ネ ス パ ー ソ ン が 増 加 し は じ め 、 さ ら に 留 学 生 の 急 増 が 予 測 さ れ は じ め た 事 情 が あ る 。 教 員 養 成 の た め に 日 本 語 教 育 の 専 門 性 が 記 述 さ れ た こ と は 、 そ の 頃 と し て は 画 期 的 で あ っ た が 、 当 初 は 、 日 本 語 教 育 上 の 専 門 知 識 及 び 指 導 技 術 に 焦 点 が 絞 ら れ 、 現 在 か ら み れ ば か な り 限 定 さ れ た 枠 組 み と な っ て い た 。

そ の 後 、2000 年 に 向 け て 、日 本 語 教 育 を 取 り 巻 く 社 会 情 勢 が 変 化 し 、指 導 対 象 が さ ら な る 多 様 化 を み る 中 で 、 専 門 性 の 枠 組 み は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 核 と し た 、 社 会 ・ 文 化 ・ 地 域 、 及 び 言 語 ― 社 会 、 言 語 ― 心 理 、 言 語 ― 教 育 間 の 有 機 的 な 相 互 関 連 へ と 、 領 域 の 拡 大 と 質 的 な 変 化 を 遂 げ た 。 こ の 間 に 、 教 師 研 修 の 在 り 方 も 、「 教 師 ト レ ー ニ ン グ 」か ら「 教 師 の 成 長 」へ と 転 換 し た が 、そ う し た パ ラ ダ イ ム シ フ ト を 背 景 に 、 日 本 語 教 育 の 専 門 性 は 、 人 間 性 、 自 己 教 育 力 と い っ た 、 さ ら な る 視 野 の 広 が り の 中 に 位 置 づ け ら れ る よ う に な っ た 。

以 下 、 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 変 遷 を 辿 り 、 そ の 中 か ら 、 生 活 日 本 語 の 指 導 力 に 資 す る も の が あ る か ど う か を 検 討 す る 。

3 . 1 . 1 1970年 代 の 論 議 に み ら れ る 日 本 語 教 育 の 専 門 性

日 本 語 教 育 の 専 門 性 に つ い て の 公 的 な 論 議 は 1970 年 代 に さ か の ぼ り 、1976 年 に は 、文 化 庁 の 日 本 語 教 育 推 進 対 策 調 査 会 が 、表 1 の 通 り 、「 日 本 語 教 員 に 期 待 さ れ る 能 力 の 具 体 的 内 容 」 を ま と め て い る 。

今 や 古 典 的 な 資 料 で あ る が 、 こ こ で は 、「 日 本 語 能 力 」「 言 語 に 関 す る 知 識 ・

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能 力 」「 日 本 人 の 言 語 生 活 ・言 語 行 動 の 特 色 に 関 す る 知 識 」「 日 本 語 の 教 授 に 関 す る 知 識 ・ 能 力 」「 そ の 他 日 本 語 教 育 の 背 景 を な す 事 項 に つ い て の 知 識 ・理 解 」 の 5 つ が 主 軸 と な っ て い た 。

3 . 1 . 2 留 学 生 教 育 を 主 眼 と し た 1985年 の 枠 組 み

1983年 の 留 学 生 10万 人 受 け 入 れ 計 画 の 発 表 を 受 け 、21 世 紀 初 頭 に 向 け て の 留 学 生 急 増 の 予 測 の も と に 、 日 本 語 教 員 の 数 と 質 と の 充 実 が 急 務 と な っ た 。 そ れ ま で 漠 然 と し て い た 養 成 の 教 育 内 容 及 び 水 準 を 明 確 に す る た め に 、1985年 に 文 部 省 の 日 本 語 教 育 施 策 の 推 進 に 関 す る 調 査 研 究 会 が 、「 日 本 語 教 員 の 養 成 等 に つ い て 」 を ま と め た 。 こ の 中 に 示 さ れ た 「 日 本 語 教 員 の た め の 標 準 的 な 教 育 内 容 」は 、前 述 3 .1 .1 の 具 体 的 内 容 を 基 礎 と し て 、「 日 本 語 の 構 造 に 関 す る 体 系 的 、 具 体 的 な 知 識 」「 日 本 人 の 言 語 生 活 に 関 す る 知 識 ・能 力 」「 日 本 事 情 」「 言 語 学 的 知 識 ・能 力 」「 日 本 語 の 教 授 に 関 す る 知 識 ・能 力 」を 問 う も の で あ る 。1976 年 の 資 料 に 照 ら す と 、 日 本 語 能 力 及 び 外 国 語 能 力 の 二 項 目 が 抜 け て い る が 、 水 谷(2000)は 、そ う し た 言 語 運 用 能 力 が 大 学 の 教 育 課 程 の 中 で 自 然 に 培 わ れ る も の と 考 え ら れ た 結 果 で あ る と 、 そ の 経 緯 を 振 り 返 る 。

当 初 は 、 こ の “ 標 準 的 な 教 育 内 容 ” を 参 照 し つ つ 、 現 場 に 即 し た 教 員 養 成 カ リ キ ュ ラ ム が 組 め る よ う 、 各 機 関 の 裁 量 が 前 提 と さ れ た が 、 現 実 に は こ の 枠 組 み を 反 映 し た 日 本 語 教 育 能 力 検 定 試 験( 財 団 法 人 日 本 国 際 教 育 協 会 、1988 年 初 回 )の 実 施 に よ り 、以 後 し ば ら く は 、そ れ が 専 門 性 の 大 き な 指 標 と な っ て い く 。 そ の シ ラ バ ス に は 、 日 本 語 学 、 言 語 学 、 対 照 言 語 学 、 社 会 言 語 学 、 日 本 語 史 、 日 本 の 言 語 生 活 、 日 本 の 歴 史 ・地 理 ・ 政 治 ・社 会 等 々 に 関 す る 概 論 と 各 論 に つ い て 詳 細 な 項 目 が 挙 げ ら れ て い る が 、 い ず れ も 学 問 的 知 識 を 問 う も の で あ る 。 ま た 、教 授 法 、教 育 教 材 ・教 具 論 、評 価 法 等 に 関 す る 項 目 、実 習 に つ い て は コ ー ス デ ザ イ ン 及 び 教 案 作 成 と 教 材 選 定 に 関 す る 項 目 が あ り 、 教 授 技 術 に 関 し て も 知 識 が 問 わ れ た 。

3 . 1 . 3 日 本 語 教 育 能 力 試 験 の 改 定 に み る 専 門 性 の 拡 充

そ の 後 10 年 あ ま り の 間 に 社 会 情 勢 は 大 き く 変 わ り 、 日 本 語 学 習 者 と そ の ニ ー ズ は 多 様 化 の 一 途 を 辿 っ た 。留 学 生 教 育 担 当 教 員 中 心 の 画 一 的 な シ ラ バ ス は 、 技 術 研 修 生 の 受 け 入 れ 、 出 入 国 管 理 法 の 改 正 に よ る 日 系 就 労 者 の 急 増 、 親 に 伴 わ れ て 来 日 す る 年 少 者 な ど 、 新 た な 日 本 語 教 育 現 場 の 実 態 と は 隔 た る も の と な っ た 。 時 代 の 要 請 に 応 え て 、 文 化 庁 の 日 本 語 教 員 の 養 成 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 は 、「 日 本 語 教 育 の た め の 教 員 養 成 に つ い て 」(2000年 )の 中 で 、新 し い 枠 組 み を 打 ち 出 し た 。こ れ に よ り 、2003 年 に は 従 来 の 日 本 語 教 育 能 力 試 験 の シ ラ バ ス も 大 き く 改 定 さ れ た 。本 章 末 に そ の シ ラ バ ス を 掲 載 す る が 、1985年 の“ 標 準 的 な 教 育 内 容 ” を も 吸 収 し た 上 で 、 領 域 が 一 挙 に 広 が り 、 出 題 項 目 も 著 し く 多 岐 に わ た る よ う に な っ て い る 。

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報告書 第3章

そ の 中 に は 、 日 本 で 生 活 す る 外 国 人 へ の 日 本 語 教 育 が 当 時 、 大 き な 課 題 と な り つ つ あ っ た こ と を 背 景 に 、「 地 域 の 日 本 語 教 育 」も 一 項 目 と し て 明 確 に 位 置 づ け ら れ て い る 。 今 日 、 地 域 の 日 本 語 教 育 を 論 じ る 際 に 、 従 来 の 日 本 語 の 構 造 や 体 系 、 そ の 教 授 技 術 な ど に 限 ら れ て い た 専 門 性 の 枠 を 出 て 、 必 ず 取 り 上 げ ら れ る 、異 文 化 適 応 、カ ウ ン セ リ ン グ 、異 文 化 ト レ ー ニ ン グ 、文 化 摩 擦 、エ ポ ケ ー 、 対 人 関 係 構 築 ・維 持 な ど の 要 素 も 既 に 、 細 目 と し て 明 記 さ れ て い る 。

何 よ り も 注 目 さ れ る の が 、そ の 質 的 な 変 化 で あ る 。 “ 新 し い 教 育 内 容 ”で は 、

「 日 本 語 教 育 と は 、 広 い 意 味 で 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン そ の も の で あ り 、 教 授 者 と 学 習 者 と が 固 定 的 な 関 係 で は な く 、 相 互 に 学 び 、 教 え 合 う 実 際 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 と 考 え 」「 こ の よ う な 包 括 的 概 念 と し て の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 核 と し て 」、社 会・文 化・地 域 、及 び 言 語 ― 社 会 間 、言 語 ― 心 理 間・言 語 ― 教 育 間 の 有 機 的 な 関 連 に 重 き を 置 い て い る ( 図 1 参 照 )

< 図 1 > ( 日 本 語 教 員 の 養 成 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 、P9)

日 本 語 教 育 を コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 そ の も の と 考 え 、 教 授 者 ― 学 習 者 の 関 係 を 、 学 び 、 教 え 合 う 相 互 的 な 人 間 同 士 の 関 係 と 捉 え 直 し た 新 た な 視 点 は 、 今 日 、 地 域 に お い て 、 支 援 者 と 学 習 者 と が と も に 社 会 の 一 員 と し て 対 等 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を し て い こ う と す る 姿 勢 に も 通 じ る も の で あ る 。

3 . 2 日 本 語 教 育 の 専 門 性 の 新 た な 位 置 づ け

3 . 2 . 1 教 師 研 修 の パ ラ ダ イ ム シ フ ト 後 の 専 門 性 の 位 置 づ け

上 記 と 並 行 し て 、 教 員 研 修 自 体 も 、 従 来 の “ 教 師 ト レ ー ニ ン グ ” か ら “ 教 師 の 成 長 ” へ と パ ラ ダ イ ム シ フ ト を 遂 げ た 。 岡 崎 ・岡 崎 (1997) が 、 そ の 趣 旨 を 次 の よ う に 述 べ て い る 。

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教 師 養 成 や 研 修 に あ た っ て 、 こ れ ま で 良 い と さ れ て き た 教 え 方 の モ デ ル を 出 発 点 と し な が ら も 、 そ れ を 素 材 に < い つ 、 つ ま り ど の よ う な 学 習 者 の タ イ プ や レ ベ ル 、 ニ ー ズ に 対 し て 、 ま た ど ん な 問 題 が あ る 場 合 に > 、 < な ぜ 、 つ ま り ど の よ う な 原 則 や 理 念 に 基 づ い て > 教 え る か と い う こ と を 、 自 分 な り に 考 え て い く 姿 勢 を 養 い 、 そ れ ら を 実 践 し 、 そ の 結 果 を 観 察 し 改 善 し て い く よ う な 成 長 を 作 り 出 し て い く 。

学 習 者 の 個 別 の 状 況 と 向 か い 合 い 、 そ れ を 見 極 め て 、 脱 文 脈 的 な 指 導 を 、 よ り 状 況 に 即 し た も の へ と 改 善 し て い く 姿 勢 、 努 力 が 重 視 さ れ る よ う に な り 、 自 己 教 育 力 が 、 日 本 語 教 師 の 重 要 な 資 質 と さ れ た 。

従 来 の 専 門 性 の 捉 え 方 自 体 に も 新 た な 光 が 当 て ら れ 、 横 溝 (2002) は 、「 日 本 語 教 師 に と っ て 必 要 な 資 質 は 、「 人 間 性 」「 専 門 性 」「 自 己 教 育 力 」 の 3 本 の 柱 で 構 成 さ れ る と 考 え ら れ る 」と 述 べ 、「 現 場 で 必 要 と さ れ る 資 質 」に「 重 要 度 に し た が っ て 」「 専 門 性 > 人 間 性 > 自 己 教 育 力 」 と い う 優 先 順 位 を つ け て い る 。 言 い 換 え れ ば 、 日 本 語 教 師 で あ る 以 上 、 土 台 と し て 必 要 不 可 欠 な 狭 義 の 専 門 性 を 有 す る こ と は 自 明 の 理 で あ り 、 そ れ を 超 え て 、 人 間 性 や 自 己 教 育 力 を 含 め た 資 質 ・能 力 の 総 体 が 求 め ら れ は じ め た こ と に な る 。

ま た 、こ の 動 向 と 相 前 後 し て 、縫 部(2001,2010)が 、日 本 語 教 師 の 専 門 性 を ホ リ ス テ ィ ッ ク に 捉 え る 立 場 を と り 、 専 門 性 を “ リ ー ダ ー シ ッ プ ” と 言 い 換 え て い る 。 そ し て そ れ を 、 教 室 で の 「 目 標 達 成 機 能 」 を 学 習 指 導 と い う 目 的 を 達 成 す る 教 師 の 指 導 性( ① 目 標 言 語・目 標 言 語 に 関 す る 専 門 的 知 識 ・技 能 と ② 教 授 法 、 指 導 法 の 理 論 と 授 業 実 践 能 力 か ら 成 る ) と し 、 そ れ を 有 効 に 働 か せ る た め の「 集 団 維 持 機 能 」( ③ 教 室 経 営 の 力 量 と ④ カ ウ ン セ リ ン グ・マ イ ン ド か ら 成 る ) と の 相 互 作 用 と し て 捉 え て い る 。 と く に 「 集 団 維 持 機 能 」 が 重 視 さ れ て い る が 、 学 習 効 果 を 上 げ る 「 リ ア ル ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ( 現 実 の 場 面 に お い て 自 己 に と っ て 真 実 で 、意 味 の あ る 重 要 な こ と を 目 標 言 語 で 交 換 し あ う こ と )」を 可 能 に す る 、自 己 開 示 、共 有 、受 容 、支 持 、協 同 的 意 図 に よ る 学 習 集 団 の 整 備 、 心 理 的 環 境 作 り の 大 切 さ を 説 い て い る 。

以 下 、 そ う し た 総 体 と し て の 日 本 語 教 師 の 資 質 ・ 能 力 が 、 具 体 的 に は ど の よ う に 構 成 さ れ る の か を み て い き た い 。 文 化 庁 の 委 嘱 を 受 け て 実 践 能 力 研 究 委 員 会 が 2004 年 に ま と め た 「 日 本 語 教 員 養 成 に お け る 実 践 能 力 の 育 成 及 び 評 価 に か か わ る 基 礎 的 調 査 研 究 」 に み ら れ る 資 質 ・能 力 に つ い て の 記 述 を 参 照 す る 。 2004 年 の こ の 報 告 書 で は 、調 査 研 究 の 一 環 と し て 、日 本 語 教 師 の 実 践 能 力 を 測 る 試 験 開 発 の た め に 、改 定 後 の 現 行 日 本 語 教 育 能 力 検 定 試 験 で 測 定 可 能 な 資 質 ・ 能 力 の 範 囲 が 明 ら か に さ れ た 。 ま ず 、 当 時 の 教 育 及 び 言 語 教 育 の 先 行 研 究 で 取 り 上 げ ら れ て い た 、教 師 の 資 質・能 力 の 再 分 類 が 試 み ら れ た が 、そ れ に よ る と 、 日 本 語 教 師 と し て 備 え る べ き 資 質 ・ 能 力 の 総 体 は 下 記 の 項 目 を 合 わ せ た も の と な っ て い る 。

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報告書 第3章

1 人 間 性

2 専 門 性 ① 言 語 能 力( 目 標 言 語 ・外 国 語・母 語 の 能 力 ) ② 知 識 ③ 教 育 技 術

3 人 間 性 を ベ ー ス に 発 揮 さ れ る 専 門 性 4 自 己 教 育 力

3 . 2 . 2 動 的 な 能 力 及 び そ の 研 修 ・ 測 定 と い う 課 題

上 記 の 調 査 研 究 の 結 果 で は 、再 分 類 さ れ た 資 質 ・能 力 の う ち 、現 行 の 日 本 語 教 育 能 力 検 定 試 験 で 測 定 可 能 な 範 囲 は 2 ② の 知 識 に と ど ま り 、 2 ③ の 教 育 技 術 に、 関 す る 知 識、 、 、 、 、

、 3 の 人 間 性 を ベ ー ス に 発 揮 さ れ る 専 門 性 に 関 す る 知 識、 、 、 、 、 、

、 い ず れ も 知 識 に 限 定 す れ ば 、 適 切 な 筆 記 試 験 の 開 発 に よ っ て 測 定 が 可 能 と さ れ て い る 。 そ の ほ か の 要 素 に つ い て は 、 例 え ば 、 4 自 己 教 育 力 は 面 接 試 験 及 び 長 期 研 修 シ ス テ ム 、 2 ③ 教 育 技 術 そ の も の、 、 、 、

と 3 人 間 性 を ベ ー ス に 発 揮 さ れ る 専 門 性 そ の も、 、 、 の、

は 模 擬 授 業 及 び Performance-based Assessment、 ま た 、 2 ① の 言 語 能 力 は 外 国 語 能 力 試 験 、 母 語 能 力 試 験 な ど が 整 っ て い れ ば 、 測 定 可 能 と 述 べ て い る 。 ま た 、1 人 間 性 に つ い て は 、面 接 試 験 と い う 方 策 は あ る も の の 測 定 困 難 で あ り 、 測 る こ と 自 体 の 意 味 も 明 ら か に な っ て い な い と い う コ メ ン ト が 付 さ れ て い る 。 つ ま り 、日 本 語 教 師 に 求 め ら れ る 資 質 ・能 力 の 総 体 は 、一 回 性 の 筆 記 試 験 で 測 定 可 能 な 静 的 な“ 知 識 ”と 、そ れ で は 測 定 で き な い 動 的 な“ 能 力 ”と か ら 成 り 、 後 者 を い か に し て 養 い 、 ま た 測 る か と い う こ と が そ れ 以 降 の 大 き な 課 題 と も な っ た 。 上 記 の 調 査 研 究 は 、 そ う し た 動 的 な 能 力 に つ い て 、 そ れ ま で の 先 行 研 究 か ら 詳 細 で 多 岐 に わ た る 記 述 を 拾 い あ げ て い る が 、 以 下 、 そ れ ら を 簡 略 に 整 理 し て み る 。

1 人 間 性

教 育 、 英 語 教 育 、 日 本 語 教 育 、 外 国 語 教 育 の 先 行 研 究 の 記 述 か ら 整 理 さ れ た 人 間 性 と は 、 次 の よ う な 要 素 の 総 称 で あ る 。 す な わ ち 、 学 習 者 へ の 思 い や り 、 親 切 さ 、 暖 か さ 、 人 と の 調 和 、 情 緒 の 安 定 、 豊 か な 感 性 、 意 欲 、熱 意 、覇 気 、公 平 さ 、人 間 や 人 生 を 楽 し む 態 度 、気 さ く さ 、明 る さ 、 豊 か な 表 情 、信 頼 性 、誠 実 さ 、倫 理 性 、柔 軟 性 、国 際 感 覚 、異 文 化 受 容 、 自 己 受 容 、 教 師 と い う 職 業 へ の 情 熱 、 根 気 強 さ 、 創 造 性 等 。

2 専 門 性

専 門 性 の う ち 、 ② 知 識 は 動 的 な 能 力 に は 属 さ ず 、 ま た 、 前 述 の 通 り 、 新 旧 の 日 本 語 教 育 能 力 試 験 の 出 題 項 目 と 重 な る た め 、 こ こ で は 、 ① 言 語 能 力 と ③ 教 授 技 術 の み を 取 り 上 げ る 。

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