伊豆の国市斎場整備基本構想
平成27年2月
伊豆の国市
目 次
序 章 はじめに ··· 1
1.基本構想策定の目的 ···2
2.基本構想の概要 ···2
第1章 伊豆の国市の概要及び気候 ··· 3
1.伊豆の国市の概要 ···4
2.伊豆の国市の人口及び世帯数の推移 ···7
3.伊豆の国市の気候 ···8
第2章 長岡斎場の概要と火葬の状況 ··· 9
1.長岡斎場の概要 ···10
2.火葬数の推移 ··· 13
3.長岡斎場での葬送行為の状況 ··· 15
4.使われ方からみた施設の問題点 ··· 24
第3章 既存施設の建物及び設備の状況 ··· 27
1.調査概要 ··· 28
2.建物本体の状況 ··· 28
3.火葬炉設備の状況 ··· 31
4.現施設の延命化について ··· 34
第4章 必要な基数及び機能の検討 ··· 37
1.火葬炉数算定の考え方 ··· 38
2.死亡者数の推計 ··· 39
3.長岡斎場の火葬状況 ··· 42
4.必要基数と機能について ··· 46
第5章 現地建替えの可否と施設計画の方向性について ··· 47
1.現地建替えの可否について ··· 48
2.伊豆市火葬場との共同利用の検討 ··· 49
3.火葬場の周辺環境と立地について ··· 53
4.火葬場の機能と内部空間計画について ··· 58
5.関係法令について ··· 62
第6章 火葬炉設備の考え方について ··· 65
1.日本の火葬と火葬炉設備の役割 ··· 66
2.火葬炉設備に関するダイオキシン類対策 ··· 69
3.火葬炉設備に対する要求事項 ··· 71
4.火葬炉メーカー選定の考え方について ··· 73
第7章 今後の事業計画について ··· 75
1.事業スケジュールについて ··· 76
2.用地選定の考え方について ··· 78
3.施設計画の進め方について ··· 80
4.住民参加の施設計画例 ··· 81
第8章 まとめ ··· 85
1.住民意見について ··· 86
2.長岡斎場のあり方について ··· 90
アンケート結果 ··· 93
序 章 はじめに
1.基本構想策定の目的 2.基本構想の概要
序章 はじめに
1.基本構想策定の目的
伊豆の国市長岡斎場は昭和 58 年に竣工したものである。竣工後 30 年が経過しており、施 設の老朽化や狭隘がみられるとともに、火葬炉設備の老朽化への対応など、長期的な展望に 基づいた対策が求められている。
そこで、本構想では、伊豆の国市長岡斎場の今後のあり方を踏まえ、長期計画の策定とと もに今後の施設整備の方向性を導き出すことを目的とする。
2.基本構想の概要
1)伊豆の国市における将来人口及び死亡者数の予測等将来フレームの整理 ・将来人口及び死亡者数の予測を行い、将来フレームの整理を行う。
2)火葬場の機能と規模に関しての調査・研究に基づき必要な規模等の算定
・長岡斎場の使われ方の調査及び、将来の火葬需要や地域の葬送習慣を把握し、今後の 斎場(火葬場)整備に係わる必要機能及び火葬炉数などの規模や概算整備費用につい て整理を行う。
3)施設計画の方向性の検討
・求められた必要規模などの基本条件をもとに施設計画の方向性の検討を行い、構想案 を策定し、ふさわしい場所など施設整備の方向性を提示する。
4)整備の目標年度に基づき、整備事業に関する長期計画の策定
・整備の目標年度と必要な作業スケジュールを定め長期計画の策定を行う。
5)斎場(火葬場)整備に関する市民向けの講演会の開催
・市関係者及び市民に対して火葬の意味や火葬場のあり方についての講演会を開催し、
斎場(火葬場)建設について市民の認識を高めるとともに、伊豆の国市における斎場
(火葬場)のあり方について参加者らとの意見交換を行い、今後の斎場(火葬場)整 備の参考となる資料を得るものとする。
6)伊豆市火葬場の共同利用の可能性を検討
・伊豆市火葬場の共同利用にあたっての課題等を整理した上で、共同利用の可能性を検 討する。
第1章 伊豆の国市の概要及び気候
1.伊豆の国市の概要
2.伊豆の国市の人口及び世帯数の推移 3.伊豆の国市の気候
第1章 伊豆の国市の概要及び気候
1.伊豆の国市の概要
□地勢状況
伊豆の国市は、伊豆半島の北部、田方平野のほぼ中央に位置している。東は箱根山系の連 山に、西は城山、葛城山などの山々に囲まれ豊かな自然環境を保っている。平野部は南北に 狩野川が流れ、豊かな田園地帯が広がっている。また、狩野川に沿うように国道 136 号、伊 豆箱根鉄道が走り、周辺に市街地を形成している。
東京からは 100km 圏域にあり、東海道新幹線、東名高速道路を利用して 2 時間弱の所要時 間であり、首都圏とのアクセスもよく、沼津市や三島市の静岡県東部の中心地に近く、交通 の利便性に恵まれている。
経緯度
伊豆の国市役所(伊豆長岡庁舎)
東経 138 度 55 分 44 秒 北緯 35 度 01 分 40 秒 面積と範囲
面積 94.71 平方km 東西 13.5km 南北 10.4km
図 1 伊豆の国市の位置図
□沿革
古くは「伊豆国」と呼ばれ「倭名類聚抄」(930~935 年編)によると、田方郡を含み那賀、
賀茂の 3 郡、21 郷があったとされている。
明治 22 年(1889 年)の大合併で、北狩野村、田中村、韮山村、江間村、川西村の 5 村と なった。昭和 9 年(1934 年)に川西村が町制施行により伊豆長岡町となり、昭和 29 年(1954 年)には伊豆長岡町に江間村が編入している。
田中村は昭和 15 年(1940 年)に町制施行により大仁町となり、昭和 34 年(1959 年)には
大仁町に一部の北狩野村を除き編入している。
昭和 37 年(1962 年)には韮山村が町制施行により韮山町となった。
平成 17 年(2005 年)4 月 1 日に伊豆長岡町、大仁町、韮山町の 3 町が合併して伊豆の国 市となった。
図 2 伊豆の国市の沿革
□伊豆の国市の花、木 市の花「すみれ」
すみれは市内に多くの種類が自生しており、古くから市民に親しまれている。また、全国 的にも非常に珍しい種類があり、分布や生育研究において貴重なものとされている。
同じくスミレ科のパンジー、ビオラも含め、市内の花壇や各家庭において子どもからお年 寄りまでが気軽に育て、観賞することにより伊豆の国市の一体感を醸成し、また、すみれの 花いっぱいの街として新たな魅力が生み出されるようにとの願いを込めている。
市の花「あやめ」
あやめの神秘的とも言える青紫色の花びらと剣のような葉が醸し出す優雅な美しさは、
我々見る者の心を惹きつけてやまない。またあやめは、市にゆかりのあるあやめ御前や源氏 あやめ祭りとの関わりから、古くからこの地域のシンボルとして広く内外に知られてい る。
今後もその美しさが市民に潤いを与え、また、市の観光振興にも大いに役立てられるように との願いを込めている。
市の木「梛(なぎ)」
梛は古くから市内の寺社等で生育し、近年では街路樹として植えられ、美しい景観の一助
を担っている。
また、市にゆかりのある源頼朝と北条政子に関する言い伝えも残る、市民にとって関係の 深い木である。
梛は「和木」とも表されることや、葉が横に割けにくいという特徴があることから、新た に誕生した伊豆の国市が強い絆で結ばれ、未来に向けて行政と市民が一体となって発展を目 指すという願いを込めている。
2.伊豆の国市の人口及び世帯数の推移
国勢調査をもとにした、伊豆の国市と旧 3 町における人口及び世帯数の推移について図 3 に示した。
図 3 伊豆の国市と旧 3 町における人口と世帯数の推移
平成 17 年(2005 年)4 月 1 日に旧伊豆長岡町、旧大仁町、旧韮山町の 3 町が合併して伊豆 の国市となった。昭和 40 年(1965 年)の旧 3 町合わせた人口の合計は 34,443 人で、世帯数 は 7,898 世帯であった。1 世帯当たりの人数は 4.36 人であった。
人口をみると、昭和 45 年(1970 年)が 37,984 人、昭和 55 年(1980 年)が 44,046 人、平 成 2 年(1990 年)が 48,369 人、平成 7 年(1995 年)が 50,328 人と上昇を続けるが、この年 の調査をピークに減少しはじめ、平成 12 年(2000 年)に 50,062 人、3 町が合併し伊豆の国 市となった平成 17 年(2005 年)には 50,011 人、平成 22 年(2010 年)には 49,269 人となり 5 万人を割っている。
世帯数をみると、昭和 45 年が 9,487 世帯、昭和 55 年が 12,681 世帯、平成 2 年が 15,131 世帯、平成 7 年が 16,739 世帯と増加し続けてきた。また人口が減少しはじめた平成 12 年の 度調査以降も、平成 12 年が 17,429 世帯、平成 22 年が 18,742 世帯と世帯数は増加をしてい る。平成 22 年の 1 世帯当たりの人数は 2.63 人となり、世帯の小規模化が進んでいる。
伊豆の国市の統計によると、平成 26 年 7 月 1 日現在の人口は 49,958 人、世帯数は 2 万世 帯を超え 20,673 世帯となっている。人口は平成 22 年度調査より微増しているが、1 世帯当 たりの人数は 2.42 世帯となり、世帯人数は更に少なくなっている。
34,443
37,984 41,165 44,046 46,413
48,369 50,328
50,062 50,011 49,269
7,898
9,487
10,972
12,681
13,697
15,131
16,739
17,429 18,370 18,742
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000
昭和 40年
昭和 45年
昭和 50年
昭和 55年
昭和 60年
平成 2年
平成 7年
平成 12年
平成 17年
平成 22年
旧伊豆長岡町人口 旧韮山町人口 旧大仁町人口 伊豆長岡市世帯数
旧韮山町世帯数 旧大仁町世帯数 伊豆の国市総人口 伊豆の国市世帯数
(世帯)
(人)
3.伊豆の国市の気候
伊豆の国市には気象庁の観測所がないため、本市に最も近い三島特別地域気象観測所での 気象概況を表 1 に示した。
本市は、太平洋側の気候の影響から温暖な気候に恵まれ、年間を通じた平均気温は約 16℃
で、最高は 8 月の 31.3℃、最低は 1 月の 0.5℃となっている。年間の降水量は 1874.4 ㎜で、
月別の降水量をみると、最大は 9 月の 242.6 ㎜で、最少は 12 月の 54.9 ㎜となっている。
夏場は西からの風が強いが、年間を通して東南東のからの風が強くなっている。降雪は年 間を通して 2 日程度となっている。
表 1 気象概況平年値 三島(年・月ごとの値)
要素
降水量 (mm)
気温 (℃)
蒸気圧 (hPa)
相対湿度 (%)
風向・風速 (m/s)
日照時間
(時間) 大気現象
合計 平均 日最高 日最低 平均 平均 平均 最多風向 合計 雪日数 霧日数
統計期間 1981~
2010
1981~
2010
1981~
2010
1981~
2010
1981~
2010
1981~
2010
1981~
2010
1990~
2010
1981~
2010
2001~
2010
2001~
2010
資料年数 30 30 30 30 30 30 30 21 30 10 10
1 月 74.4 5.7 11.2 0.5 6.0 66 1.8 西南西 180.2 1.3 0.7
2 月 88.3 6.3 11.8 1.1 6.1 64 2.3 東南東 162.0 1.4 0.2
3 月 164.4 9.5 14.7 4.3 7.9 66 2.4 東南東 161.4 0.4 0.9
4 月 149.3 14.4 19.6 9.2 11.2 68 2.4 東南東 177.1 0 0
5 月 161.3 18.5 23.4 13.9 15.1 71 2.6 東南東 175.0 0 0.4
6 月 227.8 21.9 26.0 18.3 19.9 76 2.2 西 125.0 0 0.2
7 月 212.5 25.6 29.7 22.4 25.3 77 2.1 西 144.2 0 0.3
8 月 208.8 26.8 31.3 23.2 26.6 76 2.3 西 192.8 0 0.1
9 月 242.6 23.6 28.0 19.8 22.1 76 2.2 東南東 144.4 0 0.1
10 月 183.8 18.0 22.9 13.5 15.4 74 1.8 東南東 151.3 0 0.6
11 月 106.8 12.8 18.2 7.8 10.8 72 1.8 東南東 157.7 0 0.6
12 月 54.9 7.9 13.7 2.6 7.3 68 1.9 東南東 181.7 0.3 0.7
年 1874.4 15.9 20.9 11.4 14.5 71 2.2 東南東 1952.7 - 5.4
第2章 長岡斎場の概要と火葬の状況
1.長岡斎場の概要 2.火葬数の推移
3.長岡斎場での葬送行為の状況 4.使われ方からみた施設の問題点
第2章 長岡斎場の概要と火葬の状況
1.長岡斎場の概要
「伊豆の国市長岡斎場」は、昭和 58 年 3 月に竣工したもので、旧施設を解体し同敷地内 で建替えを行っている。火葬炉 2 基、汚物炉 1 基で供用を開始した。竣工時は、待合ホール に和室が 2 室となっていたが、待合室が狭いため平成 2 年に待合棟及び収骨室へ向かう通路 の屋根を増築している。竣工時は旧伊豆長岡町、旧韮山町、旧大仁町で構成する伊豆長岡斎 場施設組合による運営で、施設名は「伊豆長岡斎場」であったが、平成 17 年 4 月 1 日の 3 町合併により事務組合は解散し、伊豆の国市による単独施設として名称を『伊豆の国市長岡 斎場(以下「長岡斎場」とする。)』として運営を開始している。
伊豆の国市市域と長岡斎場の位置について図 4 に示した。
図 4 伊豆の国市市域と長岡斎場の位置図
長岡斎場の住所は長岡 1407-4 で、伊豆中央道長岡北IC出口近くにあり、伊豆箱根鉄道 長岡斎場
伊豆の国市役所
韮山庁舎(韮山支所)
大仁庁舎(大仁支所)
伊豆長岡駅から 3km、車で 10 分となっている。旧伊豆長岡町にあり、伊豆の国市全体では 人口が集中している平地の部分のほぼ中央に位置し、三方を山に囲まれた谷内に立地してお り、隣接して長岡中学校がある。
施設概要(現状)
1)敷地面積 2,130 ㎡
2)建築構造 鉄筋コンクリート造
3)火葬炉 台車式円型炉(前入れ後ろ出し方式) 2 基 4)汚物炉 45kg/回炉 1 基
5)施設内容 告別ホール(炉前ホール)、収骨室、待合室 1、待合室 2、事務室、トイレ
(男・女・多目的)、駐車場(32 台収容)
図 5 長岡斎場竣工当時配置図
図 6 長岡斎場竣工当時平面図 火葬棟
待合棟
駐車場
収骨室
作業室 告別ホール
事務室
待合ホール 車寄
和室
図 7 長岡斎場増築後配置図 既設火葬棟
既設待合棟
増築待合棟 駐車場 増築通路部屋根
増築通路部屋根
2.火葬数の推移
平成 17 年度から平成 25 年度までの火葬数の推移を表 2 に胎児と体の一部を除いた火葬数 を図 8 に示した。
表 2 長岡斎場における年間火葬数の推移
大人 小人
(12 歳未満) 胎児 その他
(体一部) 計
平成 17 年度
市内 405 3 10 26 444
市外 69 0 4 2 75
計 474 3 14 28 519
平成 18 年度
市内 398 4 8 14 424
市外 102 2 9 2 115
計 500 6 17 16 539
平成 19 年度
市内 444 2 7 7 460
市外 98 0 4 1 103
計 543 2 11 8 563
平成 20 年度
市内 465 0 6 12 483
市外 66 0 6 0 72
計 531 0 12 12 555
平成 21 年度
市内 431 1 12 7 451
市外 50 0 2 2 54
計 481 1 14 9 505
平成 22 年度
市内 458 2 4 17 481
市外 55 0 13 3 71
計 513 2 17 20 552
平成 23 年度
市内 433 1 17 20 451
市外 50 1 8 14 73
計 483 2 18 21 524
平成 24 年度
市内 517 0 5 3 525
市外 48 0 7 2 57
計 565 0 12 5 582
平成 25 年度
市内 502 1 3 13 519
市外 54 1 4 5 64
計 556 2 7 18 583
図 8 長岡斎場における年間火葬数の推移(胎児と体の一部を除く)
408 402 446 465 432 460 434
517 503 69 104
98 66
50 55
51
48 55 477 506
545 531
482
515
485
565 558
0 100 200 300 400 500 600
平成17 年度
平成18 年度
平成19 年度
平成20 年度
平成21 年度
平成22 年度
平成23 年度
平成24 年度
平成25 年度 市内 市外 計 線形 (計)
(件)
市内の件数をみると、平成 17 年度が 408 件、平成 18 年度が 402 件、平成 19 年度が 446 件、平成 20 年度が 465 件、平成 21 年度が 432 件、平成 22 年度が 460 件、平成 23 年度が 434 件、平成 24 年度が 517 件、平成 25 年度が 502 件となっており、年度により多少の増減はあ るが、年々増加の傾向にある。
市外の件数をみると、平成 17 年度が 69 件、平成 18 年度が 104 件、平成 19 年度が 98 件、
平成 20 年度が 66 件、平成 21 年度が 50 件、平成 22 年度が 55 件、平成 23 年度が 51 件、平 成 24 年度が 48 件、平成 25 年度が 55 件となっており、平成 18 年度と平成 19 年度が 100 件 前後みられたが、それ以外の年度は 50 件前後となっている。
合計の件数をみると、平成 17 年度が 477 件、平成 18 年度が 506 件、平成 19 年度が 545 件、平成 20 年度が 531 件、平成 21 年度が 482 件、平成 22 年度が 515 件、平成 23 年度が 485 件、平成 24 年度が 565 件、平成 25 年度が 558 件となっており、年度により多少の増減はあ るが、年々増加の傾向にある。
3.長岡斎場での葬送行為の状況
1)調査目的
対象地域の葬送行為の特性を把握するとともに、既存施設の課題等を明らかにし、基本計 画に必要な基礎資料を得ることを目的とし、長岡斎場の使われ方について現地調査を行った。
2)調査概要
長岡斎場内での葬送行為の状況を把握するため、火葬の受付開始の 9 時から終了までの間 とし、会葬者の入場から退場までの動きを観察するとともに、葬送行為の内容や人数を把握 するため、一集団ごとに下記の内容について観察・記録を行った。
①会葬者集団の人数と構成 ②葬送行為の状況
③火葬の状況
④葬送行為の経過時間 ⑤駐車場の状況
3)調査日
調査は 6 月 20 日(金)に実施した。
4)調査結果
調査当日の故人の概要と火葬受付け時間を表 3 に示した。
表 3 長岡斎場の調査時の故人の概要と火葬受付時間 葬家名 故人の性別、年齢 火葬受付時間 1 H家 男性(77 歳) 12:00 2 N家 男性(75 歳) 13:00
長岡斎場の火葬受付時間は、①9:00、②10:00、③12:00、④13:00、⑤15:00 で、受 入れは同時間帯 1 件までとなっており、1 日最大 5 件の受入れとなっている。
(受付時間は、平成 26 年 4 月 1 日より変更されている)
火葬予約は市役所環境政策課にて電話で受付を行っている。
調査日当日は、2 件の火葬が行われた。長岡斎場には葬儀式場が設置されていないため、
民間の葬儀式場にて葬儀・告別式を行い、長岡斎場では火葬のみが行われていた。
火葬受付時間は 12:00 と、13:00 で、性別は男性 2 名で、年齢はそれぞれ 70 歳代であっ た。
①会葬者集団と葬列車両の構成
調査時の告別及び見送り時の各葬家の会葬者集団の構成と葬列車両の構成を表 4 に示した。
表 4 長岡斎場の調査時の告別・見送り時の会葬者集団と葬列車両の構成
葬家名 会葬者集団の構成 葬列車両の構成
1 H 家 会葬者 58 名、僧侶 1 名、計 59 名と 葬儀業者 2 名、組内の女性数名
洋型霊柩車 1 台、僧侶乗用車1台、
マイクロバス 1 台、乗用車 22 台 2 N 家 会葬者 60 名、僧侶 1 名、計 61 名と
葬儀業者 2~3 名、組内の女性 3 名
洋型霊柩車 1 台、僧侶乗用車 1 台、
乗用車 27 台
葬儀の流れをみると、9:00 などの早い時間に火葬を行い、火葬終了後に、葬儀・告別式 を行ういわゆる骨葬のケースもみられるが、最近は、葬儀・告別式を民間の葬儀式場で行っ た後、火葬を行うケースが増えている。一方では、火葬終了後に、そのまま会葬者が墓地へ 向かい、その日の内に納骨するケースは減ってきている。
会葬者の構成をみると、当日の 2 件の会葬者数は 58 名と 60 名であり、両家とも会葬者数 は多く、2 件とも僧侶を帯同していた。
火葬の間には、待合室で食事をすることが多いため、仕出し業者が早めに来て待合室の準 備を行い、それに、隣組内の女性が準備を手伝っていた。準備の状況を写真 1・2 に示した。
葬列車両の構成をみると、1 件目は霊柩車を先頭にマイクロバス 1 台と乗用車で到着し、2 件目は霊柩車を先頭にマイクロバスを利用せずに乗用車だけで到着した。霊柩車は 2 件とも 洋型霊柩車を使用していた。
なお、1 件目は火葬終了後に、マイクロバスでそのまま墓地に向かう流れであった。
僧侶は、自身が運転する乗用車で、霊柩車や会葬者よりも先に到着し、炉前ホール入口で 会葬者の到着を待っていた。その後、炉前ホールでの読経、焼香が終了すると火葬終了を待 たずに帰っていた。
葬儀業者も霊柩車の到着より 1 時間ほど早く斎場に到着し、手続きや待合室の準備を行い、
会葬者の到着を待っていた。霊柩車が到着すると、駐車場内が会葬者の車で混雑するため車 の誘導を行っていた。
写真 1 仕出し業者が 1 時間ほど前に到着する 写真 2 待合室では食事の準備が行われる
②葬送行為の状況
調査を行った 2 件の火葬について、斎場内での葬送行為の流れと時間を表 5 に示した。
また、到着から見送り、告別(焼香)、待合、拾骨、退場までの流れは次のようになってい る。
表 5 長岡斎場の調査日の各会葬者集団における葬送行為と時間
葬送行為 H家 N家
火葬予約時間 12:00 13:00
霊柩車が到着した時刻 11:40 12:39
会葬者が到着した時刻 11:34 12:35~46
棺が告別場所(炉前ホール)に安置された時刻 11:41 12:42 最後の人が炉前ホールに入場した時刻 11:46 12:46 耐火台車に柩を乗せ替えた時刻(火葬炉に棺を納めた時刻) 11:48 12:49
係員が焼香を指示した時刻 11:49 12:49
最後の人が焼香を終了した時刻 11:54 12:54 最初の人が火葬炉前(炉前ホール)を退室した時刻 11:50 12:50 最初の人が待合室に入った(炉前を退場した)時刻 11:50 12:51 最後の人が待合室に入った(炉前を退場した)時刻 11:58 12:58 炉から焼骨を引き出した時刻 13:11 14:20 焼骨を収骨室に移動した時刻 13:16 14:25 係員が拾骨の案内をした時刻 13:17 14:25 最初の人が収骨室に入室した時刻 13:17 14:26 最後の人が待合室を出た時刻 13:20 14:28 最初の人が拾骨を始めた時刻 13:18 14:26
焼骨を全部拾い終えた時刻 13:27 14:40
最後の人が収骨室を退室した時刻 13:29 14:41
最後の人が退場した時刻 13:32 14:50
□到着から見送り・告別
到着時の状態を図 9 に示した。敷地が狭いため、運転手は霊柩車を転回させバックで炉前 ホール前の車寄せに駐車し、別の車で到着する喪主を待っていた。
図 9 車寄せに霊柩車が停車し親族数人で柩を運ぶ
マイクロバス
霊柩車 柩
霊柩車はバックで止め、
柩は親族が炉前まで運ぶ 告別ホール
待合ホール 収骨室
事務室
待合室では食事の 準備が行われる
告別ホールの状態を図 10 に示した。霊柩車が到着すると、柩運搬車が無いため、会葬者の 中の親族男性 6~7 名で霊柩車から柩を人力で運びだし、火葬炉化粧扉前に置かれた台車運搬 車まで運び、火葬用耐火台車上に柩を安置する。その後、火葬場の職員が喪主より遺影・位 牌を、葬儀業者より花と一膳飯を預かり、火葬炉化粧扉横に用意した焼香台にセットする。
喪主と親族を中心に最後のお別れを行い喪主と親族と僧侶が柩の回りに並び、柩の蓋を閉 め職員が柩を火葬炉に納める。火葬炉の化粧扉を閉めた後に焼香台を化粧扉の前へ移動し焼 香を開始する。僧侶の読経と共に喪主・親族に続いて会葬者が焼香を行う。調査日は 2 件と も会葬者が多いため、最後のお別れを遠慮する会葬者もみられた。長岡斎場では、柩を火葬 炉に納めた後に僧侶の読経・焼香などの告別行為をゆっくり行う風習があり、焼香が終わっ た会葬者から待合室へと誘導されていた。
焼香に並ぶ列は炉前ホールに入りきれず、車寄せから屋根の無い道路にまで列をなし、風 雪雨などの際の会葬者は大変であると思われる。待合室への出入り口は 1 ヵ所で、通路が狭 いため、焼香待ちの列が並ぶ入口からも移動しており、非常に混雑していた。
告別の進行と誘導は火葬場の職員と葬儀業者が協力して行っていたが、増設した待合室は 炉前ホールからは場所が分かりづらい為、別の喪家の待合室に迷い込んでしまう会葬者も見 受けられた。火葬中は位牌や遺影が告別ホールの焼香台に置いたままとなっており、プライ バシーが保たれていない。見送りから焼香・告別の状況を写真 3~6 に示した。
図 10 告別ホールでの告別の様子
写真 3 炉前に台車運搬車と火葬用耐火台車をセット 写真 4 告別ホールで焼香の準備をする職員 祭壇
柩 を 火 葬 炉 に 納 め た 後 、 僧 侶 の 読 経 が 行 わ れ 、 会 葬 者 に よ る 焼 香 が 行われる
告 別 ホ ー ル に 入 り き れない人は、車寄せで 待っている人もいる 柩
僧侶
告別ホールの椅子に 座る人や、待合室に 向かう人もいる 収骨室
作業室
事務室
待合ホール 台車運搬車
焼 香 待 ち の 列 が 並 ぶ 入 口 か ら も 焼 香 を 終 え た 人 が 出入りするため、入口周り は混雑がみられる
写真 5 告別ホールに入りきれず車寄せで待つ会葬者 写真 6 炉前に祭壇を移動し次の火葬準備が進む
□待合の状況
会葬者は待合室で火葬終了まで待つが、待合室へ行かず告別ホールの椅子にずっと座り続 ける親族や、火葬の様子を炉前へ見に来る会葬者が見受けられた。
葬儀業者らが斎場に備え付けのポットと茶碗を借り、用意したお弁当、飲み物(アルコー ル類も)と簡単なおつまみで食事の準備をしていた。
この日は会葬者が多い為、お弁当を各席に並べたり、お茶などの用意に約 1 時間ほどかか っていた。また組内の女性は告別には参加せずに待合室で、準備や会葬者の接待を手伝って いた。待合室には他の会葬者と別に組内席がセットされていた。
トイレは収骨室に向かう外廊下にあり、待合室のガラスの扉からトイレへ行く会葬者が見 えてしまう事や、屋外に面しているため清潔さを保つことや寒暖への配慮が不足している。
また身障者対応トイレも後付で設置されているが、会葬者の数に比較して もトイレの数が 少なく、この日も外で並んで待っている会葬者も見受けられた。
□拾骨の状況
拾骨の準備からの状況を図 11 に示した。収骨室は 1 室となっている。
喪主は特に焼骨の確認は行わない。火葬が終了し炉内冷却が終了すると、火葬炉が前入れ 後ろ出しというめずらしい方式である為、職員は炉裏で焼骨の整骨を行い、収骨トレーに全 部移してから収骨室に移動する。収骨室では事前に葬祭業者から預かった骨壺と、遺影・位 牌・一膳飯を炉前ホールから移動してセットする。拾骨の準備の状況を写真 7・8 に示した。
拾骨の案内は、拾骨の準備に忙しい火葬場の職員に代わり、葬儀業者が炉裏へ確認に来て から待合室の会葬者へと伝えた後、会葬者が収骨室に移動していた。
拾骨は、会葬者が揃うと職員の説明の後喪主から行う。会葬者全員が二人一組になって拾 骨を行い、最後に職員により頭蓋骨の一部が骨壺に納められた。拾骨が終わった会葬者から 収骨室を後にし、告別ホールや通路で喪主が拾骨を終えて戻って来るのを待っている。建物 が狭いため、屋根のない屋外で待つ会葬者もみられた。
次の火葬のため、職員は直ぐに炉前と炉内・焼香台の清掃を行い、火葬の準備を行ってい た。葬儀業者は、焼香台に供えていた花を束ね会葬者持ち帰り用に準備していた。会葬者は 帰り際に花束を選んで持ち帰っていた。
小さな施設であるが収骨室が火葬炉の裏側にあるなど会葬者の動線が分かりにくく、会葬
者もどうしていいのか分からなかったり、不慣れな葬儀業者だと大勢の会葬者を統率するの に時間がかかったりと混乱が見られた。
図 11 拾骨の準備と拾骨の状況
写真 7 収骨室に骨壺を移動し拾骨の準備を行う 写真 8 耐火台車を引出し焼骨を収骨トレーに移す
③火葬の状況
調査日の火葬の状況について表 6 に示した。
火葬炉 2 基に対して、2 件の火葬であった。汚物炉が 1 基あるがほとんど使用していない。
火葬の際は、再燃焼バーナーと主燃焼バーナーが同時に点火され、点火から約 10 分で再 燃焼バーナーを消している。火葬時間はH家が 75 分、N家が 70 分で、平均は 72.5 分であっ た。冷却時間は両方とも 10 分であった。点火から冷却終了までの総時間は、H家が 85 分、
N家が 80 分で、平均は 82.5 分であった。
事務室 職員
祭壇 作 業 室 で 焼 骨 の 整 理 が 行 わ れ 収 骨 ト レーに移される
骨 壺は予め 用意し 火 葬 が終了す ると職 員 が 位牌と遺 影を告 別 ホールから運ぶ
告別ホール
職員の説明に基 づき拾骨を行う
葬 儀 業 者 が 拾 骨 の 案 内 を し て 会 葬者を誘導する 会 葬者は喪 主や親 族 が 拾骨を終 えるま で 車 寄せ周辺 で待っ て いる
拾 骨が終わ ると裏 側 の 通路を通 り車寄 せ 方向へ向かう
台車運搬車 職員 収骨トレー
表 6 長岡斎場の調査日の火葬の状況と時間
H家 N家 平均
火葬予約時間 12:00 13:00 - 使用火葬炉 2 号炉 1 号炉 -
性別 男 男 -
年齢 77 歳 75 歳 - 再燃焼炉点火 11:45 12:50 - 主燃焼炉点火 11:45 12:50 - 再燃焼炉消化 11:55 12:57 - 主燃焼炉消化 13:00 14:10 - 冷却終了時間 13:10 14:20 - 火葬時間(分) 75 70 72.5 冷却時間(分) 10 10 10.0 冷却までの総時間(分) 85 80 82.5
④葬送行為の経過時間
長岡斎場の調査日の各葬送行為の経過時間を表 7 に示した。
表 7 長岡斎場の調査日の各葬送行為の時間
葬送行為 H家 N家 平均
炉前見送り時間(分) 7 3 5.0 告別時間(分) 5 6 5.5 待合時間(分) 90 97 93.5 拾骨時間(分) 9 15 12.0 最初の到着から最後の退場時間(分) 118 135 126.5
各葬送行為の時間をみると、読経、焼香の前に柩を火葬炉に納めるため、炉前の見送り時 間はH家が 7 分でN家が 3 分となっており平均すると 5 分であった。
H家は親族と会葬者全員が見送りを行っていたが、N家は駐車場の混雑による喪主到着の 遅れや葬儀業者の仕切りの悪さによる告別ホール内の混雑から、見送りを辞退する会葬者が 多く、見送りの時間に差が出たものと思われる。告別時間はH家が 5 分でN家が 6 分で平均 すると 5.5 分であった。調査した 2 例は会葬者数がほぼ同数であったため告別時間の差異は なかったが、告別時間の長短は会葬者の数が影響するものと思われる。
待合時間はH家が 90 分でN家が 97 分であった。平均は 93.5 分であった。待合時間は火葬 時間による影響が大きいが、N家の方が火葬時間は短かったにもかかわらず待合時間が長か った。理由として拾骨までの準備がN家の方が長かったことがあげられる。
拾骨時間の平均は 12.0 分で、H家は 9 分で、N家は 15 分であった。
斎場に最初に到着してから、拾骨を終えて退場するまでの時間はH家が 118 分でN家が 135 分であった。平均すると 126.5 分であった。N家は拾骨までの準備時間と拾骨時間が長かっ
たことも影響しているが、駐車場が足りず会葬者が車を止めるのに手間取り、会葬者の集合 が遅れたことも滞在時間が長くなった理由としてあげられる。
⑤駐車場の状況
長岡斎場への来場方法としては、マイクロバスを利用する場合や、マイクロバスを利用せ ずに会葬者がそれぞれ乗用車で訪れるケースもある。駐車場には乗用車 32 台分の駐車スペー スがあるが、1 時間間隔で火葬を受け入れる時間帯は、2 件の火葬が重なることもあるため、
駐車スペースは不足している。
乗用車の利用の場合、複数の会葬者が 1 台の乗用車に乗車してくるのではなく、会葬者が それぞれ乗用車を利用してくる。1 件の火葬だけなら何とか全車が駐車場に停められるが、2 件の火葬が重なると駐車場が直ぐに一杯になってしまう。
調査当日は、1 件目はマイクロバスを利用していたが、乗用車で訪れた会葬者も多く、駐 車場がほぼ一杯となった。2 件目の会葬者が到着しはじめると駐車場は直ぐに一杯になり、
駐車できない乗用車が進入路入口の道路まで繋がった。葬儀業者が案内誘導し坂下の斎場入 口まで車を縦列駐車させたが、それでも駐車できない乗用車もみられた。近くの公園に乗用 車を止めた会葬者もあった。その後 1 件目の火葬のマイクロバスを移動させ、何とか数台は 駐車することができた。
斎場利用者の内、旧大仁町からの利用者は霊柩車とマイクロバス 1 台の組合せが多いが、
旧韮山町、旧長岡町など近隣からの利用者は乗用車での来場が殆どとなるため、駐車スペー スは常時余裕がない状態となっている。駐車場の混雑状況を写真 9~12 に示した。
写真 9 1 組目の会葬者で駐車場はほぼ一杯に 写真 10 2 組目が到着し直ぐに駐車スペースが無くなる
写真 11、写真 12 駐車場に止められずあふれた乗用車が進入路入口まで連なる
当日は、進入路沿の工場への荷卸しのトラックが停車していたことも、車の往来の妨げに なっていた。
車寄せも狭く更にロータリーが無いこともあり、霊柩車やマイクロバスを回転させるのに も苦労していた。マイクロバスが 1 台駐車できるスペースはあるが、2 件の火葬が重なると 駐車場に止められない乗用車がでてきてしまう。マイクロバスを何度も切り替えを行ないな がら移動させ乗用車の駐車スペースを確保していた。
敷地内に納まりきれない場合は、進入路の路側帯に縦列駐車するため近隣の工場からのク レームがみられたり、乗用車を駐車するのに時間がかかることにより、葬送行為の開始時間 への影響もみられていた。駐車台数は完全に不足していた。
4.使われ方からみた施設の問題点
1)長岡斎場における使われ方からみた問題点
今回の使われ方からみた長岡斎場の問題点や課題を次に示した。
①駐車場
・会葬者が多い割には駐車スペースが少ない。会葬者それぞれが自家用車を運転して来場す るケースが増えていることもあり、2 件の火葬が重なった場合は完全に駐車場が不足する。
・駐車できない車が進入路に繋がるが、進入路沿いには工場があるため荷卸しのトラックが 停車していることもある。進入路が狭く両方向からの行き違いが出来ず、駐車スペースを 探す車で更に大渋滞を引き起こすことがある。
・会葬者が多い場合、駐車に時間がかかり葬送行為の進行に影響を及ぼしている。駐車場が 満車の場合は、駐車場への案内誘導のための人員が必要となる。
②車寄せ及び入口部分
・霊柩車は車寄せにバックで駐車するため、柩は雨に濡れることはないが、車寄せにマイク ロバスを停車させるスペースが無く、雨天時は会葬者には傘が必要となる。
・焼香の際、告別ホールに入りきれない会葬者が車寄せなどに溢れている。冬場は寒かった り、風雨が強い時などは濡れる可能性がある。
・焼香を終えた人が待合室に向かうために車寄せを通ることもあり、焼香に並ぶ人と会葬者 の動線が輻輳してしまう。
・拾骨を終えた会葬者が車寄せ辺りで喪主が戻ってくるのを待っている。車寄せ部分は焼香 で並ぶ人と斎場から退場する会葬者が入り混じることがある。
③告別ホール
・会葬者が多い割には告別ホールが狭いこともあり、焼香に並ぶ会葬者が告別ホールに入り きれず車寄せまで並ぶこともある。入口の扉が開けっ放しとなり冬場は寒くなることが予 想される。
・焼香を終えた会葬者が、待合室に向かえばよいのかそのまま炉前ホールに残ればよいのか 分からずその場でうろうろしており、告別ホール内で混乱がみられていた。
・火葬中も待合室ではなく告別ホール内の椅子に座り待っている会葬者もおり、告別ホール に近い待合室の別の会葬者と入り混じっていた。
④待合室及びトイレ
・増築した待合室の場所が分かりにくく、どこを通って行ったら良いか分からない会葬者も 多かった。
・増築した待合室に向かう通路は、外廊下のため、風雨が強い時など濡れる可能性がある。
・増築した待合室へは喫煙コーナーを通らないと移動できない様になっており、喫煙しない 人にとっては迷惑となっている。
・トイレが外から入る形式のため冬場は寒く、また汚れた靴で入ったり風雨が吹き込むため 汚れやすい。
・トイレの数が足りない。
④収骨室
・焼骨を後から出す方式の火葬炉で作業室の裏側に収骨室があるため、収骨室の場所が分か りにくく葬儀業者の案内誘導が必要である。拾骨を終え退出する会葬者の動線はまた別に なるため、会葬者の動線が更に分かりにくくなっている。
・収骨室が狭いため収骨室に入りきれない会葬者は外廊下で待つことになる。冬場は寒く 、 風雨が強い場合は濡れる可能性がある。
・拾骨を終えた会葬者が待つスペースが無いため、拾骨後は建物の外を通り車寄せに移動し ていた。雨天時は濡れることになる。
⑥施設全体
・建物内に会葬者が溜まる場所もなく、駐車できるスペースも少ないため、火葬が 2 件重な った場合は、車や会葬者の動線が輻輳し、葬送行為の進行に影響を及ぼしている。また会 葬者が入り混じるなど個別化が図られていない。
・建物はコンパクトな設計ではあるが、一筆書きの動線となっており、また増築箇所がある ため、会葬者にとっては動線が分かりにくく職員か葬儀業者の案内誘導が必要である。
・待合室は増築したため、部屋数、大きさとも問題はないが、会葬者が多いため、告別ホー ルや収骨室など各部屋は全体的に狭い。部屋に入りきれない会葬者が建物の外にあふれ、
雨天時には会葬者が濡れる可能性もある。
第3章 既存施設の建物及び設備の状況
1.調査概要
2.建物本体の状況 3.火葬炉設備の状況
4.現施設の延命化について
第3章 既存施設の建物及び設備の状況
1.調査概要
今回、建物外部の仕上げの状況、建物内部の仕上げや各種設備の状況、火葬炉設備の状況 について、目視による調査を行った。
2.建物本体の状況
建物本体は鉄筋コンクリート造であるが、外部廊下など一部増築した部分については鉄骨 造やアルミ製となっている平屋建てである。
建物関係の最近の主な補修経歴を表 8 に示した。
表 8 建物関係の主な補修経歴
年度 工事名 金額
平成 18 年度 斎場内通路及び玄関滑止工事 745,500 円
待合室畳表交換 151,200 円
平成 19 年度 支障木材伐採業務 317,100 円
玄関ホール照明工事 565,950 円
平成 20 年度 外廊下鉄骨塗装等建物補修工事 571,200 円
平成 22 年度 漏電遮断機交換他修理 94,185 円
非常用自家発電機修繕 77,700 円
平成 24 年度 照明設備改修工事 997,500 円
斎場駐車場案内看板設置工事 199,500 円
平成 25 年度 待合室等修繕工事(合計) 204,955 円
非常用自家発電機修繕 87,150 円
平成 18 年度以降の建物の補修状況をみると、大規模改修工事は行われておらず、軽微な 補修がその都度行われている。
建物を目視で確認した結果、火葬棟部分と待合棟部分の接点となる柱があるが、その柱回 りの壁のひび割れが特に目立った。車寄せの屋根があるが、1 本の柱を中心に火葬棟と待合 棟が接続されるような構造になっている。(図 12)
建物の平面形態や壁の配置のバランスをみると、この柱を中心に建物全体のねじれが生じ やすくなっている。また、この柱の四方は開口部が多い場所で壁が少ないこともあり、この 柱周りに歪が生じ、その結果、写真 13・14 に示すような、壁に大きなひび割れが生じてい るものと思われる。また写真 15~18 に示すように、火葬棟の壁や車寄せ部分の屋根にも大 きなひび割れが見られた。
長岡斎場は昭和 58 年 3 月の竣工である。昭和 56 年 6 月 1 日以降に建築確認が行われた建 物は、耐震性能に関する一定の強度を持つものと見なされている。より具体的には、「震度 5
強程度の地震ではほとんど損傷しない建物であること」、「震度 6 強から 7 に達する程度の地 震で倒壊・崩壊しない建物であること」が求められている。
「耐震基準」とは、建物が地震の震動に耐え得る能力を定めるものである。日本では、関 東大震災の翌年、大正 13 年 (1924 年)に施行された。その後、昭和 56 年 (1981 年)に耐震 基準が大きく改正され、「新耐震基準」が誕生した。
長岡斎場は、時期的にみて新耐震基準による設計であると思われる。しかし、建物形状か らみると、火葬棟と待合棟は一体の建物となっているが、1 本の柱を中心に火葬棟と待合棟 が配置される平面となっていて、火葬棟と待合棟は車寄せの屋根でも接続されているが、地 震の際、火葬棟と待合棟が別々に揺れるような構造になっており、壁の配置を考えても耐震 的には優れた設計にはなっていないものと思われる。
また、地盤等の敷地条件や、屋上部分の防水は確認していないため、不明である。
図 12 ひび割れの位置
写真 13 告別ホール部分の壁のひび割れ 写真 14 待合ホール部分の壁のひび割れ この柱に応力
が集中する
写真 15 写真 16
写真 18 写真 17
写真 13.14
和室 車寄
待合ホール 事務室
告別ホール 作業室
収骨室
写真 15 待合室部分の外壁のひび割れ 写真 16 車寄せ部分のひび割れ
写真 17 収骨室にあるポンプ室扉周りのひび割れ 写真 18 作業室内の壁のひび割れ
3.火葬炉設備の状況
1)火葬炉設備の概要
火葬炉設備は、火葬炉が 2 基、汚物炉 1 基の計 3 基である。再燃焼室付台車式寝棺炉とな っており、火葬炉前の前室の設置はない。柩を載せた耐火台車は炉前ホールから納め、焼骨 はバーナー側から引き出す、前入れ後ろ出し方式である。
火葬炉設備概要
火葬炉 2 基(再燃焼室付台車式寝棺炉)
汚物炉 1 基(固定床炉)
使用燃料 灯油(サービスタンクから自然落下による供給)
バーナー 主燃焼バーナー及び再燃焼バーナーともガンタイプバーナー 排気方式 エゼクター排気方式
排気系列 1炉1系列
使用燃料は主燃及び再燃とも灯油を使用している。主燃焼バーナー及び再燃焼バーナーは 油圧噴霧式のガンタイプバーナーを使用している。再燃焼バーナーは 1 炉に 2 台が設置され ている。オイルサービスタンクからバーナーへの燃料供給は自然落下で行っている。
排気方式は、1炉1系列によるエゼクター排気方式となっており、排ガス冷却装置や集塵 装置は設置されておらず、比較的高温のまま排ガスが排気される。エゼクター排気用ファン は排気能力アップのため、交換されている。
保守点検、耐火台車の交換や耐火物の積み替えなど炉内の補修については定期的に行われ ている。火葬炉設備関係の主な補修経歴について表 9 に示した。
表 9 火葬炉設備関係の主な補修経歴
年度 工事名 金額
平成 18 年度 火葬炉修繕 1,171,500 円
平成 19 年度 火葬炉修繕 2,047,500 円
平成 20 年度 火葬炉修繕 1,249,500 円
平成 21 年度 火葬炉修繕 1,050,000 円
火葬炉台車等修繕 1,102,500 円
平成 23 年度 機器類修繕 2,171,400 円
火葬炉耐火台車修繕 672,000 円
平成 24 年度 機器類修繕 3,538,500 円
主燃バーナー修繕他 139,125 円
平成 25 年度
温度センサー工事 73,500 円
地下灯油タンク空気抜きパイプ支柱修繕 54,600 円
機器類修繕 2,033,000 円
業務用真空掃除機修繕 29,400 円
平成 18 年以降の状況をみると、耐火物の補修工事は毎年行われているが、その他にも補修
工事箇所が増えてきている。
火葬炉設備の状況を写真 19~26 に示した。
写真 19 作業室(火葬炉主燃焼炉部分) 写真 20 作業室(火葬炉再燃焼部分)
写真 21 主燃焼バーナー及び操作盤 写真 22 再燃焼炉とエゼクター排気装置
写真 23 火葬炉設備主燃焼バーナー周り 写真 24 火葬炉設備再燃焼バーナー周り
写真 25 バーナー側より火葬炉内部 写真 26 台車運搬車と耐火台車
2)火葬炉の運転状況
告別ホールの台車運搬車上に火葬用の耐火台車を引き出し、耐火台車上に柩を会葬者らが 載せた後、火葬炉に耐火台車ごと柩を職員が納める。電動化はされていない。
火葬炉の操作方法は、柩を炉内に納めた後、再燃焼バーナーと主燃焼バーナーを同時に点 火する。点火後 10 分程度で再燃焼室内の温度が 820℃になり、その時点で再燃焼バーナーを 消火している。
エゼクター排気であるため、排気能力が弱く、火葬時間も 70 分程度と長めである。写真 27 に示したが火葬初期には発煙がみられる。
火葬が終了すると、前室がないため火葬炉内で耐火台車の冷却を 10 分間行う。バーナー側 から耐火台車を引き出し、作業室内で焼骨を収骨トレーに移す作業が行われる。
写真 27 排気筒、火葬初期には発煙がみられる
3)火葬炉設備の問題点
前入れ後ろ出し方式がこの火葬炉の特徴である。火葬終了後、後ろ(バーナー側)から 耐 火台車を引出し、告別ホール(炉前ホール)の混雑を無くすことが目的となっている。その ため、火葬炉には前室(冷却室)が設置されていない。前室が無いことは、柩を火葬炉に収 める際、炉内が直接見えたり、冷却時間が長くなるという弊害をおこす。また設備の電動化 が進んでおらず、耐火台車の出し入れは手動で行っているため、職員の負担が大きい。
拾骨の準備は炉裏の狭い作業室で行っており、作業している横で火葬炉が稼働している場 合もあり、十分な室温調整ができず、夏場の作業は特に大変である。また粉塵が舞うような 環境の中で清掃も行っているため、作業環境の改善が必要である。
運転状況の表示は、アナログ式の炉圧と再燃焼室の温度表示のみである。炉内内部にセラ ミックが貼られていないため燃焼効率が悪く、管理体制や省エネ対策が不十分である。
また火葬炉の間隔も狭いため、十分なメンテナンススペースもなく、保守管理には好まし くない状況となっている。
集塵装置が設置されておらず、「ダイオキシン類の削減対策指針」(火葬場から排出される ダイオキシン削減対策検討会 平成 12 年 3 月)に対応した設備となっていない。火葬初期に は発煙もみられるが、排ガスの測定が実施されていないため、排出基準への適合は不明であ る。
4.現施設の延命化について
1)長岡斎場の機能面と構造面からみた課題
長岡斎場は建設後 30 年が経過し、機能面と構造面から主に次の問題点を抱えている。
①機能面
・会葬者が多い割には各部屋の規模が小さく、人が溜まるようなホールも無いため告別ホ ールや収骨室に納まりきれず、建物外に会葬者が溢れてしまう。
・増築された待合室の場所が分かりにくく、更に会葬者の動線が一筆書きであるため、案 内誘導がないと分かりにくい。また、会葬者の通路は外部空間となっており風雨の影響 を受ける。
・車寄せが狭いため霊柩車やマイクロバスの回転スペースが無く、会葬者の駐車スペース も不足している。
②構造面
・建物のねじれが生じやすい平面構成で、1 本の柱に応力が集中しやすいこともあり、耐 震上問題がある。建物自体に多くのひび割れが見られる。
・火葬炉設備は集塵装置の設置が無いことをはじめとし、現在の基準を満たしておらず、
火葬時間も長い。
2)現施設の延命化について
建物自体の延命化のためには、一般的には屋上の防水工事や外壁の補修、建物の機械設備 等の更新が行われる。しかし、このような修繕を行えば建物自体を持たせることは出来るが、
使い勝手は変わらず、結果費用をかけても会葬者の不満は解消されることはない。また耐震 性も向上もしない。現施設を火葬場として延命化させるためには、機能面と構造面の両方の 課題を解決する必要がある。
①機能面の課題解決の方法
機能面での課題解決として、ソフト面とハード面での対処方法がある。会葬者の輻輳を避 けるためには、ソフト面として受入れ時間を見直したり、会葬者数の制限や乗用車の台数制 限など運営の仕方を見直す方法もあるが、葬送行為に制限を設けることに対する市民からの 不満は高くなることが予想される。
ハード面として建物の大規模改修で対応する方法もあるが、不足している機能を満足させ るには、建物の増築場所と駐車場の増設場所が必要となる。現状でも車寄せや駐車スペース が不足していることもあり、敷地を拡張しなければ建物の増築場所も駐車場用地も確保でき ない状況である。しかし工場が隣接し谷地にある現在の敷地の拡張は難しい。
②構造面の課題解決方法
構造面の課題解決として、耐震性能を上げることが求められる。火葬場は災害時にも機能
しなければならず、高い耐震性が要求される。現施設は耐力壁バランスが悪いため、応力が 一本の柱に集中しないようにし、耐力壁をバランスよく配置する必要がある。しかし耐震壁 の追加などの耐震補強を行った場合は、開口部が減る場合があり、会葬者の移動の妨げにな るなど使い勝手への影響も考えられる。
火葬炉設備も大規模改修が必要である。建物内には火葬炉本体を入替え、バグフィルター など集塵装置の設置スペースは無い。火葬作業室裏手の収骨室を解体しそこに集塵装置を設 置した場合は、炉前ホールで拾骨を行うことになり、火葬スケジュールに影響を及ぼし、よ り会葬者や車両が輻輳することになる。
建物修繕だけでは求められる機能を充実させるのは難しく、課題を満足させるためには大 規模改修が必要であるが、敷地の状況からみて建物の増築や駐車場の増設は難しい状況であ る。
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和 40 年 3 月 31 日大蔵省令第 15 号)に よると、火葬設備の耐用年数は 16 年、建物は 38 年とされる。長岡斎場は火葬炉に関しては 既に耐用年数を超えており、建物についても耐用年数が近づいてきている。
実際の建替え事例をみると、耐用年数に達していなくても要求される機能を満たしていな いなど、現状のまま使うには不便が多く建替えたほうが合理的であると判断された場合など は、建物の耐用年数を待たずに建替えることも多い。
第4章 必要な基数及び機能の検討
1.火葬炉数算定の考え方 2.死亡者数の推計
3.長岡斎場の火葬状況 4.必要基数と機能について
第4章 必要な基数及び機能の検討
1.火葬炉数算定の考え方
火葬場は重要な生活に関わる都市施設として都市計画決定の対象施設に位置付けられてい るにもかかわらず、その建設、運営は地方自治体に任されており、国からの施設整備に関す る直接の補助金はない。そのため、施設内容、建築、設備、火葬炉設備について、全く基準 のない施設である。
一般的に火葬場の規模は、火葬炉数で表現されている。都市計画決定の内容は敷地面積と 火葬炉数であり、火葬能力が重要な決定内容となっている。しかし、基準となる正式な火葬 炉数の算定式がないのが現状である。
火葬能力は火葬炉数と火葬炉の回転数がもとになる。火葬場内での葬送行為がスムーズに 行えなければ、火葬炉数を増やしても、実際の火葬能力は増えないことになる。火葬場建設 時にあらかじめ火葬炉の増設スペースが設置されていて、そこに火葬炉を増設したとしても、
間取り上対応できなければ火葬受入件数は増えないこともある。
火葬炉数の算定方法は一般的に次のように求められる。施設利用時点での対象圏域内死亡 者と火葬状況を基礎に、推計したピーク時の死亡者数から、火葬が集中した時の一日当りの 火葬件数をはじき出す。それをもとに、火葬炉の運転計画から必要炉数を算出するが、火葬 の受入れの仕方や火葬炉の使い方など火葬場の運営プログラムと密接な関係がある。
扱うことができる火葬数は、建物の間取りにも大きく影響する。想定した火葬受入数に対 して、火葬を受け入れる時間帯と受入時間の間隔から同時間帯での同時受入数を導き出す。
そして同時受付け数に対応させるように、建物の間取りを組み立てていく事になる。
2.死亡者数の推計
1)伊豆の国市における将来人口の推計値
国勢調査によると、伊豆の国市の平成 22 年(2010 年)における総人口は 49,269 人である。
国立社会保障・人口問題研究所*(以下:人口問題研究所)の伊豆の国市の人口推計の結果 を表 10 にと図 13 に示した。
表 10 伊豆の国市における階層別にみた将来推計人口(単位:人)
(国立社会保障・人口問題研究所推計)
(実績値)
男女計 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
(平成22年) (平成27年) (平成32年) (平成37年) (平成42年) (平成47年) (平成52年)
総数 49,269 47,903 46,186 44,123 41,832 39,420 36,988
~14歳
(年少人口) 6,393 5,792 5,131 4,573 4,084 3,776 3,561
15~64歳
(生産年齢人口) 30,119 27,283 25,500 24,221 22,786 20,910 18,643
65歳~
(高齢人口) 12,758 14,828 15,555 15,329 14,962 14,734 14,784
高齢化率 25.9% 31.0% 33.7% 34.7% 35.8% 37.4% 40.0%
75歳以上人口 5,973 6,899 8,010 9,426 9,670 9,162 8,712
75歳以上割合 12.1% 14.4% 17.3% 21.4% 23.1% 23.2% 23.6%
推計値
(国立社会保障・人口問題研究所推計)
図 13 伊豆の国市における将来推計人口
伊豆の国市の平成 22 年(2010 年)における総人口は 49,269 人である。
推計値をみると、平成 27 年(2015 年)が 47,903 人、平成 32 年(2020 年)が 46,186 人、
6,393 5,792 5,131 4,573 4,084 3,776 3,561
30,119
27,283
25,500
24,221 22,786
20,910
18,643 12,758
14,828
15,555
15,329
14,962
14,734
14,784 49,269
47,903
46,186
44,123
41,832
39,420
36,988
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
~14歳
(年少人口)
15~64歳
(生産年齢人口)
65歳~
(高齢人口)
人
推計値
平成 37 年(2025 年)が 44,123 人、平成 42 年(2030 年)が 41,832 人、平成 47 年(2035 年)
が 39,420 人、平成 52 年(2040 年)が 36,988 人と年々減少している。それに伴い 14 歳以下 の年少人口及び 15~64 歳の生産年齢人口も減少していく。65 歳以上の高齢人口は増加する が、平成 32 年(2020 年)以降は減少となる。
しかし、高齢化率は年々増加することになる。平成 22 年(2010 年)の 65 歳以上の高齢人 口は 12,758 人で、高齢化率は 25.9%であった。推計値をみると、平成 27 年(2015 年)が 14,828 人で 31.0%、平成 32 年(2020 年)が 15,555 人で 33.7%となり高齢人口の数は最高 になる。平成 37 年(2025 年)が 15,329 人で 33.1%と高齢者数は減少するが、全体の人口が 減少しているため、高齢化率は増加していくことになる。平成 42 年(2030 年)が 14,962 人 で 35.8%、平成 47 年(2035 年)が 14,734 人で 37.4%、平成 52 年(2040 年)が 14,784 人 で 40.0%となる。
75 歳以上についてみると、平成 22 年(2010 年)が 5,973 人で割合は 12.1%であった。推 計値をみると、人数は年々増加しており、比率も高くなっている。平成 27 年(2015 年)が 6,899 人で 14.4%、平成 32 年(2020 年)が 8,010 人で 17.3%、平成 37 年(2025 年)が 9,426 人で 21.4%、平成 42 年(2030 年)が 9,670 人で 23.1%となり、これ以降、人数は減少する が、割合は高くなる。平成 47 年(2035 年)が 9,162 人で 23.2%、平成 52 年(2040 年)が 8,712 人で 23.6%となる。
2)死亡者数の推計
人口問題研究所の推計データ及び 5 年間の生存率をもとにしてもとめた死亡者数の推 計を図 14 に示した。
国立社会保障・人口問題研究所の推計値及び生存率をもとに計算 図 14 伊豆の国市における死亡者数の推計値(5 年間の平均値)
638
676 705 724 728
686
0 100 200 300 400 500 600 700 800
2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
90歳以上 85~89歳 80~84歳 75~79歳 70~74歳 65~69歳 60~64歳 55~59歳 50~54歳 45~49歳 40~44歳 35~39歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳
(人)