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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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別紙1

論文審査の結果の要旨

報告番号

3250 石井 俊一

論文審査担当者

主査 藤田 健一 教授 副査 石野 敬子 教授 副査 小濱 孝士 准教授

論文題名:Reactive sulfur species inhibit the migration of PDGF-treated vascular smooth muscle cells by blocking the reactive oxygen species -regulated Akt signaling pathway.( 血小板由来増殖因子による血管平滑筋細胞遊走における活性硫黄の 役割と抑制のメカニズム)

掲載雑誌名(巻・号・頁・掲載年):Free Radical Researchに掲載予定

本研究は、血小板由来増殖因子(PDGF)により調節されている血管内皮細胞の遊走に 対して、細胞内の活性硫黄分子がどのような影響するのかについて調べたものである。

本研究ではまず、活性硫黄分子のドナー分子の添加によりPDGF刺激による血管内皮細胞 の遊走が抑制されることを見出した。続いて行われた、本現象の機序の解明研究におい て、(1)血管内皮細胞の遊走を調整するセカンドメッセンジャーである活性酸素のPDGF 依存的な産生は、活性硫黄により抑制されること、しかしながら(2)その抑制はPDGF- NADPHオキシダーゼを介した経路とは無関係であること、を見出した。さらに、(3)

PDGF受容体経路の活性化によるAkt/Erkのリン酸化が、活性硫黄により抑制されること、

(4)PDGF-Akt経路に依存すると考えられている、vinculinやpaxillinの血管内皮細胞 リーディングエッジへの移動を介した接着班の形成が、活性硫黄により抑制されるこ と、を明らかにした。細胞の遊走は接着班の形成により起こる。したがって、活性硫黄 による血管内皮細胞遊走の抑制は、PDGF-Akt経路の抑制による接着班形成の阻害、およ びPDGF依存的な活性酸素の産生抑制によるものと結論付けられた。これらの研究成果 は、活性硫黄分子によるPDGF依存的な血管内皮細胞遊走の抑制機序の一端を解明したも のであり、今後、動脈硬化症などの血管平滑筋細胞に関連した疾患のメカニズム解明に も応用し得るものと考えられた。

以上のことから、本論文は本学大学院学位論文(博士)審査基準を満たしており、学位論 文に値すると判断した。

(主査が記載)

参照

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