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(1)

統合報告書 2021

〒104-8285 東京都中央区新川一丁目23番1号 お問い合わせ先: コーポレートコミュニケーション部

TEL.03-3206-5109

ホームページ:https://www.nisshin-oillio.com

発行:2021年10月 この報告書は、印刷工程で有害な廃液を出さない、水なし印刷方式で印刷しています。

またインキには、揮発性有機化合物を含まない、植物性のNon-VOCインキを使用しています。

20 21

(2)

̶ 日清オイリオグループ  「統合報告書2021 」 発行にあたって ̶

日清オイリオグループでは、これまで、事業活動や

1

年間の

ESG

の取り組みを紹介する

「コーポレートレポート」

を発行してきましたが、

2021

年からは、中長期的な価値創造 戦略を財務・非財務の両面から統合的にステークホルダーの皆さまにお伝えすること を目的に

「統合報告書」

を発行することとしました。

 初の発行となる今回の

「統合報告書」

では、

2021

年度からスタートした長期ビジョン

「日清オイリオグループビジョン2030」

を中心に、当社グループが目指す姿やサステナ ビリティ実現に向けた展望などを紹介しています。

 今、地球規模での環境問題の深刻化や社会課題の累積、さらに新型コロナウイルス の世界的流行などに象徴されるように、世の中の不確実性は高まっています。それら を反映した世界的な生活行動の変容に加え、一層の多様化の進展などにより、当社グ ループを取り巻く事業環境に大きな変化が起きています。加えて、企業市民として、持 続可能な社会の実現に貢献することが今まで以上に求められています。

 このような中、

「日清オイリオグループビジョン2030」

の策定によって、“目指す姿”と

“戦略の指針”を明確にすることで、

「当社グループの持続的な成長」

「持続可能な社

会への貢献」 の実現を目指しています。

 本報告書を通じて、当社グループの成長に向けた取り組みを、皆さまにご理解いた だければ幸いです。

イントロダクション

 ・日清オイリオグループ理念体系

3

 ・日清オイリオグループの価値創造の歴史

5

 ・日清オイリオグループのプレゼンス

7

社長メッセージ

9

日清オイリオグループビジョン 2030

 ・価値創造モデル

15

 ・目指す姿の達成に向けて

17

 ・

「重点領域」

の特定プロセス

19

 ・ビジョン

2030

実現のための重点領域

21

中期経営計画

Value Up +

 ・新中期経営計画

「Value Up +」

のスタート

33

 ・成長シナリオ

35

 ・事業プロフィール

41

 ・財務担当役員メッセージ

45

成長を支える基盤

 ・研究開発

47

 ・生産構造の変革

50

 ・人材戦略

51

サステナビリティ活動

 ・環境目標

2030 52

 ・サステナビリティ担当役員メッセージ

53

 ・地球温暖化の防止

55

 ・資源循環の構築

57

 ・環境にやさしい開発の推進

58

 ・植物資源/自然保全

59

コーポレート・ガバナンス

 ・役員一覧

61

 ・役員の略歴

63

 ・コーポレート・ガバナンス

65

 ・コンプライアンス

70

 ・リスクマネジメント

71

 ・社外取締役メッセージ

72

財務ハイライト

73

会社情報

75

株式情報

76

編集方針

「統合報告書2021は、日清オイリオグループの中長期的な価値創造 について財務・非財務の両面からお伝えする媒体として発行しています。

株主・投資家を中心とするステークホルダーの皆さまに、長期的な企業 価値創造ストーリーをご理解いただければ幸いです。編集にあたっては、

国際統合報告評議会(IIRC)による「国際統合報告フレームワーク」と、

経済産業省による「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」 参考にしました。

報告対象期間

202041日〜2021331

一部に当該期間外の取り組みが含まれています。

組織・役職名は20211011日現在のものを記載しています。

報告対象範囲

日清オイリオグループ株式会社と連結子会社(国内・海外)を含むグル ープ全体を対象としています。ただし、環境パフォーマンスデータと一部 の取り組みについては、日清オイリオグループ株式会社単体を対象とし ています(報告書中での表記について、日清オイリオグループ株式会社 単体を「当社」、日清オイリオグループ株式会社と連結子会社(国内・海 外)を含むグループ全体を「当社グループ」としています)。

(3)

Vision

私たちは、“植物のチカラ

®

”と“油脂をさらに究めた強み”で、

食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。

そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人に お届けする企業グループになります。

経営理念

1.

企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献

2. 「おいしさ・健康・美」

の追求をコアコンセプトとする創造性、発展性ある事業への飽くなき探求

3.

社会の一員としての責任ある行動の徹底

コアプロミス

日清オイリオグループは、健康的で幸福な

「美しい生活」

Well-being

)を提案・創造いたします。そのた めに私たちは、無限の可能性をもつ植物資源と、最高の技術によって、あなたにとって、あったらいいなと 思う商品・サービスを市場に先駆けて創り続け、社会に貢献することを約束いたします。

コーポレートステートメント

Values

切り拓く しなやかに

真摯な姿勢 強く 究める

つながる

日 清 オイリオグル ープ 理 念 体 系

Vision

2030 年に目指す姿

Values

当社グループが目指す姿を実現するために、

社員一人ひとりが大切にし、行動の基本とすべき価値観

経営理念

(4)

日 清オイリオグループ の 価 値 創 造 の 歴 史

次の 100 年へ 新会社としての出発

新事業展開期 事業基盤拡充期

創業期 1907

大倉喜八郎(左)、

松下久治郎(右)が 日清豆粕製造(株)創立

1918

日清製油(株)へ社名変更 1924

日本初のサラダ油を 発売

1951

業界で初の食用油 ギフトセット発売

1959 研究所設立 1963

横浜磯子工場の操業開始

1973

ファインケミカル事業に本格参入 1980

マヨネーズタイプ調味料 日清マヨドレ発売 1992

日清キャノーラ油発売 1995

和弘食品(株)と資本業務提携 1996

BOSCO オリーブオイル 発売

2002

日清製油(株)、リノール油脂(株)、

ニッコー製油(株)が経営統合、

日清オイリオグループが誕生 2003

特定保健用食品 ヘルシーリセッタ発売 2005

マレーシアの Intercontinental Specialty Fats に資本参加 2007

創立 100 周年

(株)ピエトロと資本業務提携 2009

大東カカオ(株)に資本参加

2010

日清 MCT オイル発売 2011

スペインの Industrial Quimica Lasem に資本参加

2015

フレッシュキープボトルの発売 2024

日清サラダ油発売 100 周年

植物由来で高品質な化粧品原料 を提供

コレステロール、卵アレルギーを 気にされる方もマヨネーズタイプ の調味料を食べられるように 揚げ物品質の向上に寄与 オリーブ油の普及・定着化に

寄与

食用油でできる健康貢献を考えた、

特定保健用食品

トクホ」 の商品発売により、

体脂肪やコレステロールが気になる方にも食 用油を楽しんでいただけるように

フレッシュな食用油を“かけて楽しむ”

という新たな食べ方の提案を通じて、

おいしさのワンランクアップとともに

手軽に栄養成分を摂取していただけるように お中元、お歳暮文化の普

及に寄与

大量生産により、サラダ油 を手に届きやすく

野菜の生食文化の普及に 寄与

沿

2020 2000 2010

1990 1980

1970 1960

1950

1907 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020

1950 1907

当社グループは

110

年以上にわたり、社会と共有できる価値を創造してきました。植物油のリーディングカンパ ニーとして“植物のチカラ

®

”によって創造した価値を、食卓から工場までの多様な販売チャネルを通じてお届け することで、健康的で幸福な

「美しい生活」

Well-being

)に貢献する。この姿勢は今も、これからも変わること はありません。

売上高推移

3,363 億円

(2020年度)

1907- 1945- 1970- 2000- 2010-

(年度)

(5)

私たちは、植物油のリーディングカンパニーとして、家庭用食用油をはじめとして、外食・中食産業向けの業務 用食用油、食品メーカー向けなどの加工用原料、化粧品原料や医薬品原料などの分野に向けて油脂をお届け してきました。“植物のチカラ

®

”によって油脂の可能性を最大限に引き出し、社会に貢献することを使命に、国 内からグローバルへと事業を展開しています。

日 清 オイリオグル ープ の プレゼンス

主要拠点数(連結)

7 か国 21

主な生産拠点

欧州

2 か国 2

アジア

4 か国 77

日本

12

事業別売上高規模・構成比( 2020 年度・連結)

商品流通国数(連結)

68 か国

食エネルギー供給

2020 年度・連結)

日本の食の約 7 %

エネルギーを提供

当社グループが製造し、

日本国内に提供している食品と、

ミールから育てられた肉類の 合計エネルギー量

公開した特許件数

2020 年度・単体)

74

生産拠点数

2021 3 月時点連結)

6 か国 9 13 拠点

パーム油認証油割合

2020 1 12 月調達分・連結)

46.9 %

油脂

2,692 億円

80.0%

その他

29 億円

0.9%

ファインケミカル

142 億円

4.2%

3,363 億円

加工食品・素材

500 億円

14.9%

Intercontinental Specialty Fats

PT Indoagri Daitocacao Industrial Quimica Lasem

名古屋工場 横浜磯子工場

水島工場

堺工場

(6)

日清オイリオグループ株式会社 代表取締役社長

久野 貴久

“植物のチカラ ® ”と

“油脂をさらに究めた強み”で、

“生きるエネルギー”を

すべての人にお届けします。

本社ガーデン前にて撮影

「日清オイリオグループビジョン 2030 策定

当社グループは、2021年度より、2030年に向けた長期ビ ジョン「日清オイリオグループビジョン2030(以下:ビジョン 2030)」と、その最初の4か年の取り組みとなる新たな中期 経営計画「Value Up +」をスタートさせました。「ビジョン 2030」策定の目的は、当社グループの「目指す姿」と「戦略 の指針」を長期的な視座で共有し、当社グループの持続的な 成長と持続可能な社会への貢献を実現することにあります。

 「ビジョン2030」策定の背景は主に2つあります。1つ目は、

社会課題を念頭に置き、戦略を打ち立てることが企業にとっ て必要であると考えたからです。地球規模での環境問題の 深刻化や社会課題の累積、また新型コロナウイルス感染症 の世界的拡大に象徴されるように、これまで以上に将来の不 確実性は高まっています。これらに伴う世界的な消費や生活 行動の変容に加え、一層の多様化の進展などにより、当社グ ループを取り巻く事業環境も大きく変化しています。持続可 能な社会の実現なくして、当社グループの事業活動は成り立 たず、そして社会からも企業市民として、持続可能な社会の実 現に貢献することがこれまで以上に求められています。

 2つ目は、当社グループが持続的に成長するうえでも、長 期的な視座が必要であることです。大きな環境変化や新た な潮流の中で、これまでと同じような中期経営計画の積み上 げだけで対処していくのは難しく、当社グループがどのような 存在になりたいのか、社会に対してどのような価値を創造し ていきたいのか、という目標を長期的な視座に立って明確に することが必要です。長期的に当社グループが目指す姿から バックキャストする形で成長していこうと考えました。

・2030年に目指す姿

「ビジョン2030」の策定にあたり、約20年前に策定した当社グ ループの理念体系を改めて確認しました。経営理念やコアプ ロミス、コーポレートステートメントである“植物のチカラ®”は、

今の時代においても当社グループの存在意義をよく表してお り、特に、“植物のチカラ®”は当社グループにとっての価値創造

の源泉を表す言葉として、今後も大切にしていくこととしました。

そのうえで、「ビジョン2030」では、当社グループの中核の強み

(コアコンピタンス)が油脂であることを明確にし、この強みを さらに磨き上げ、成長の原動力としていきたいと考えています。

(7)

性化していて初めて「BtoBtoC」が形成できてくると思ってい ます。「BtoBtoC」の成果を出していくには、まず「BtoC」と

「BtoB」の強化が大前提となります。

 「収益性向上」については、将来コスト、社会的コストも反 映した販売価格形成や、製品ポートフォリオ改革、さらなるコ スト構造改革、サプライチェーン効率化に徹底して取り組みま す。また、積極的な投資により収益力を強化する一方で資産 の有効活用と圧縮、最適な資本構成の追求を通じてROEを 向上したいと考えています。

 「基盤強化」としては、持続的な成長と競争優位性の確保 に向けて、「研究開発」「人材戦略」「生産構造の変革」につい て重点的に取り組みを進めます。

 まず「研究開発」においては、「ビジョン2030」で設定した 各重点領域における共有価値を起点にして、中長期視点の 技術開発をベースとしたお客さまのニーズや市場、トレンド に合わせた商品・サービス開発を進め、新たな価値を創造し ていきます。

 例えば、重点領域「すべての人の健康」においては、共有 価値を「脂質栄養の知見を軸とした商品・サービスの提供に より、健康寿命の延伸に貢献する」とし、健康課題の改善に

・基本方針“もっとお客さまの近く”

「ビジョン2030」の基本方針は、「これまでより“もっとお客さ まの近く”でビジネスを展開する」ことです。お客さまとは、既 存顧客だけでなく将来顧客も含まれます。お客さまは、当社 グループにとって、社会との最も大きな接点となる存在です。

社会課題解決の大部分がお客さまとの取引やソリューション の提供を通して実現されるものです。つまり“もっとお客さま の近く”に行かないと当社グループの命題である社会課題解 決にはつながらないのです。当社グループのコアコンピタン スである油脂を究め、マーケット起点で社会課題やトレンド・

新潮流を捉えたうえで、油脂のソリューションを提供していく ことが目指す姿の実現につながるのです。

・新たな事業単位

「ビジョン2030」のスタートに伴い、価値創造を実現する新 たな事業単位を「油脂」「加工食品・素材」「ファインケミカル」

に変更しました。油脂事業は、加工油脂も含めて油脂に関す る事業をひとつにまとめることで、コアコンピタンスの油脂を さらに磨き、当社グループ全体の推進エンジンとします。その うえで、チョコレート用油脂をはじめとしたスペシャリティファッ トの市場において世界でトップレベルの企業グループ入りを 果たすことを目指します。加工食品・素材事業は、アプリケー ション技術や食品の開発力を磨き、食品としてのおいしさや 健康において共感を生む価値を創造していきます。また、当 社グループが持つチョコレート、調味料、大豆などの食品素 材やMCT(中鎖脂肪酸)を中心とする機能素材を体系化し、

食の潮流の変化を捉えて、市場ニーズに迅速に応えていきま す。これらの取り組みにより油脂の価値を高める好循環サイ クルを作っていきます。ファインケミカル事業は、エステル合 成技術の優位性を活かし、化粧品油剤のリーディングカンパ ニーとなり、世界での存在感を強めるとともに、環境・衛生に 関するビジネスにおいて、植物資源を活用した新たな価値の 創出に挑戦していきます。

・成長シナリオ(売上拡大・収益性向上・基盤強化)

「ビジョン2030」では、「売上拡大」と「収益性向上」、そして「基 盤強化」を成長シナリオの重点ポイントとしています。

 まず「売上拡大」を成長シナリオのメインに据えています。当 社グループが創出する価値の総和を示すのが売上高であり、

収益の源泉もまた売上高であるためです。「BtoC」「BtoB」  そして改めて、“植物のチカラ®”によってもたらされるもの、

つまり社会課題解決のために当社グループが油脂を究めて 提供できる商品・サービスの価値は何かということを考える と、それは“生きるエネルギー”だということに行き着きました。

油脂の価値は、人が生きるために必要な密度の高い根源的 なエネルギーであり、おいしい食事で人を笑顔に、栄養機能 で人を健康に、美を演出し活力を与える無限の可能性を秘 めたエネルギーでもあります。油脂の根源的なエネルギーと 独自の多様な価値を持つエネルギーに加え、油脂と相乗効 果を発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギー を“生きるエネルギー”と位置づけました。

 油脂という素材は、他の食品との親和性が良く、油脂を 扱っているからこそ、当社グループは生活を支えるあらゆる チャネルのお客さまとの接点を持っています。こういった強み を活かして、他の食品メーカーや素材メーカーなどが参画し、

共に新たな価値を創造できる仕組みとして、食の新たな機能 を生み出すプラットフォームの役割を担っていくことで、“生 きるエネルギー”を一人でも多くの人にお届けする、そういう 役割を果たす企業グループになっていくことを目指していき ます。

 そのうえで、2030年に目指す事業規模としては、売上高 5,000億円、営業利益300億円、ROE 8.0%以上という目標 を掲げ、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業へ と飛躍し、価値創造の領域を広げていきます。

・6つの重点領域(CSV目標)

「ビジョン2030」では、今後当社グループが注力していく6つ の重点領域を設定しました。設定にあたっては、国内および グローバルで今後予想される社会動向から、機会とリスクを 洗い出しました。さらに、現在数多くある社会課題を、社会か ら求められるニーズの大きさと、当社グループの事業として の重要性の両面から評価・選定し、総合的に検討しました。

単に社会的課題を抜き出して対応するのではなく、当社グ ループの存在意義と合致させて取り組むことで、持続的な成 長を実現していくことが、当社らしい共有価値の創造(CSV) であり、これを成長ドライバーにしていきます。それぞれの重 点領域では、目標とする指標としてCSV目標を設定して、毎年 取り組みの進捗をトレースしていきます。

「BtoBtoC」それぞれの領域において戦略と目標を掲げました。

 ホームユースが中心の「BtoC」においては、生活者視点で の課題解決、満足度向上により、引き続き家庭用マーケット の拡大を図ります。そのために、これまで培ってきた流通の 皆さまとの強い関係性や企画力をさらに強化しながら、生活 者視点でのニーズの理解や脂質栄養の情報発信、共感が得 られる商品開発を進めていきます。

 外食・中食・加工用向け食用油やチョコレート用油脂など が中心となる「BtoB」においては、ユーザーサポート機能の 拡充により、ユーザーの課題解決、さらに共創による価値創 造を志向していきます。M&Aを含めた投資も積極的に進め、

国内およびグローバル市場において売上拡大を目指します。

 そして「BtoBtoC」は、マーケットを起点に他社と一緒に なって新たな価値を創造する領域です。当社グループが主体 的に、もしくは参画的に、加工食品メーカーや流通の皆さま とともに新たな商品・サービスで価値を共創することで、売 上拡大を図ります。例えば、MCTでは、脂肪燃焼体質(ケトン 体質)への転換やフレイル予防といった視点で新たな取り組 みを進めています。ただし「BtoBtoC」は、単独ではなかな か成立していきません。基本的には「BtoC」と「BtoB」が活

6 つ の 重 点 領 域 を 通じて

当 社らしい 共 有 価 値 を 創 造します。

(8)

新中期経営計画Value Up +

・前中期経営計画の振り返り

2017〜2020年度の前中期経営計画「OilliO Value Up 2020」では、汎用素材型ビジネスにおける収益構造の変革 や効率化を通じた安定収益の獲得と付加価値型ビジネスに よる成長の実現に取り組み、経営目標に掲げた連結営業利 益130億円を2019年度に1年前倒しで達成するなど、成果を 積み上げてきました。

 「OilliO Value Up 2020」の主な成果としては、付加価値 商品の構成比率向上といった商品ポートフォリオの改善や、

「BtoB」におけるニーズ協働発掘型営業の実践、ユーザーサ ポート機能の発揮によるソリューション力の向上、さらにはグ ローバルにおける新たなサプライチェーンネットワークの構築 などです。また、継続的なコストダウン、エネルギーネットワー クの構築によるCO2排出量削減、製油産業の将来を見据えた アライアンスについても成果となります

 一方、主な課題として、まず、ヘルスサイエンス領域におけ る新事業展開で十分な成果が出ていない点があげられます。

また、海外拠点の安定稼働や生産能力の拡充も課題といえ ます。そして、最も大きな課題は、収益性向上です。収益率・

営業利益の絶対額は、過去3〜4年ごとに見ると確実に増加 していますが、まだ不十分だと思っています。株式市場から比 較的利益のボラティリティが高いと見られていることからも、改 善に向けた取り組みを進めていく必要があると考えています。

エネルギーネットワークについてはP.55、将来を見据えたアライアンスについて P.41をご覧ください。

Value Up +」の位置づけ

「Value Up +」では、「ビジョン2030」の考え方に沿った戦略 を実行していきます。目指す姿や基本方針の“もっとお客さま

ESG の強化

当社の事業の起点となる資本は、植物資源である大豆や菜 種・パームであり、環境への取り組みは、事業そのものの持 続性に直結します。当社グループは、「環境目標2030」を策 定し、地球環境を次世代に引き継ぐために未来を見据えて挑 戦していきます。「ビジョン2030」と「環境目標2030」で設定 した方向性や目標は一致しており、「環境目標2030」の実現 は、当社グループの持続的な成長シナリオのひとつとして不 可欠なものと考えています。

 社会価値は、言い換えれば、当社グループの社会における 存在意義であると思います。「ビジョン2030」で設定した6つ の重点領域は、それぞれに独立して取り組んでいくということ ではなく、当社グループが社会に対してどのような価値を創造 していきたいのか、という視点で、それぞれを組み合わせて取 り組んでいくことが重要です。コアコンピタンスである油脂を 用いてどのように社会に貢献できるかということが、当社グルー プの存在意義であり、社会価値です。重点領域において社会 課題を解決していくことが存在意義につながると考えています。

 そして、コーポレート・ガバナンスの基本的な目的は、当社 グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上だと思 いますが、それは特定のステークホルダーにとってだけのも のではなく、多様なステークホルダーにとっての持続性や企 業価値の向上であり、ステークホルダーとの協働によって達 成していくものだと考えています。つまりVisionや目標、計画 といったものを共有するとともに、その確からしさを強めてい く仕組みの強化が重要になります。そして私たちは、それらに 対する説明力を高めていくことも必要になります。今般、

Visionの策定と同時に、従業員の一人ひとりが行動の基本 にすべき価値観であるValuesを策定しました。2030年に目 指す姿を成し遂げるための道標としていきます。

 当社グループは、「ビジョン2030」で掲げた6つの重点領 域での共有価値の創造を具体的な施策に落とし込み、この 10年で必ず成し遂げていきます。また「育てるビジョン」とし て、さらなる高みを目指し、必要に応じてCSV目標などは見直 していきたいと考えています。ステークホルダーの皆さまにお かれましては、今後とも、一層のご理解とご支援を賜りますよ うお願い申し上げます。

つながる商品を開発するとともに、脂質の健康情報を発信す るなど、現状を維持していくのではなく、新たな領域における 取り組みを各重点領域で進めていきます。

 「人材戦略」としては、成長に向けた積極的な人材投資に より、事業の飛躍的な拡大につなげる組織能力を強化・開発 していきます。イノベーションを生み出す活力に満ち溢れた組 織づくりに向けて、個々の能力や資質を組織として最大限活 かす戦略的かつキメ細かな人材マネジメント体制を構築しま す。また、働きがいのある会社・職場づくりとして、社員との エンゲージメント向上に向けた制度や環境づくり、働きがい につながる役割、成果、専門性などを重視した処遇制度への 移行を進めていきます。

 「生産構造の変革」としては、国内の4拠点とIntercontinental Specialty Fatsの5拠点で、拠点ごとに強みの発揮と、一体 運営による総合力の強化を両立し、次世代型生産構造への 変革を図ります。例えば、名古屋工場については、ICT技術を 活用したスマートファクトリー化、堺工場については、再生可 能エネルギー100%を実現するサステナビリティセンター化 に着手するなど、拠点独自の強みと特色を発揮し、これらを グループ全体に横展開することで、2030年に向けた次世代 型生産構造への変革を進めていきます。

の近くへ“を実現するためには、「OilliO Value Up 2020」で 大切にしてきた「Marketing」「Technology」「Globalization」 を引き続き追求し、それをさらに深化させていくということが 重要であると考えました。だからこそ、名称も「Value Up +」 にしています。この3つをさらに深化させることで、価値を生 み出す仕掛けを作り、強みである油脂を究め、そしてビジネ ス領域の拡大を実現していきます。

 「Marketing」において、これまで当社グループの営業活 動は、卸店や量販店などの流通の皆さまとの強い関係性を活 かした企画・販売が中心でした。「Value Up +」では、流通の 皆さまとの関係性を大事にしながら、その先にいる生活者の 皆さまへ力点をシフトしていきます。それが強みである流通の 皆さまとの関係性をさらに強化することに結びつくと考えてい ます。機能性素材マーケティングについては、例えばMCTの 栄養研究などで得たエビデンスをもとに、生活者の皆さまに 必要とされるストーリーを描き、プロモーションすることによっ て市場を創造していくことをパートナーである加工食品メー カーや流通の皆さまとともに進めていきます。「Marketing」 をこれまで以上に生活者視点で進めることで、お届けする商 品・サービスに新たな付加価値をプラスし、パートナー企業と 新たな事業領域を開拓していきます。

 「Marketing」で捉えた環境変化や機会を、研究・開発・

生産により商品・サービスの形に具現化していくのが

「Technology」です。まず「ビジョン2030」でコアコンピタン スと定めた油脂の領域での研究・開発により、健康やおいし さの面で価値向上を目指します。また、油脂に関する技術力 や原料のサステナビリティをグローバルトップレベルに深化 させることを目指します。

  新 たなビジ ネス 領 域 獲 得 や 拡 大 戦 略 を実 現 する

「Globalization」については、コアコンピタンスである油脂 を強みにグローバルトップの油脂ソリューション企業へ飛躍す るため、ターゲットエリアを東南アジア・中国、欧州、北米とし、

注力する領域をフードサービス分野、チョコレート・製菓・製 パン分野、化粧品分野、健康・栄養機能分野と定めました。グ ローバルな成長への道筋をつけるためには事業基盤の確立と サプライチェーンの確立が重要であり、まずは、「OilliO Value Up 2020」で投資を進めてきた海外拠点の安定稼働とさらな る拡大戦略を実現する生産能力の増強、サステナブルな原料 の追求を進めます。そして、ユーザーサポート機能の体制・拠 点を整えてプレゼンスを獲得していくとともに、事業強化を目

多 様 なス テークホ ル ダーとの

協 働 によって C S V 目 標 を

実 現します。

(9)

価値創造モデル

健康的で幸福な

「美しい生活」 ( Well-being )の創造

ビジネスモデル

商品・サービスの価値

(Output)

社会にもたらす価値

(Outcome)

“植物のチカラ ® による価値創造

安全・安心のブランド力 流通との強い関係性 流通への企画・販売力

食卓から工場までの多様な販売チャネル ニーズ協働発掘型営業

課題解決できる技術力・アプリケーション力

持続可能な原材料調達網

安定供給を実現する生産・物流体制

競争優位を

支える強み

油脂と、油脂の強みを活かした領域で新しい価値を創造 コアコンピタンスは油脂

生きるエネルギー

油脂は生きるために必要なエネルギーである

おいしい食事で人を笑顔に、栄養機能で人を健康に、美を演出し活力を与える 無限の可能性を秘めたエネルギーでもある

すべての人の健康 おいしさ、美のある

豊かな生活

地球環境を 次世代のために

食のバリューチェーン への貢献

信頼でつながる サプライチェーン

人材の多様性と 働きがい

サステナビリティの実現

企業価値の追求と、その最大化を通じた 人々・社会・経済の発展への貢献

非財務価値

脂質栄養による健康寿命の延伸

おいしさと美の追求で人々の生活の質を向上

温室効果ガスの排出量の削減

ソリューションの提案と価値の共創で食品 産業の発展に貢献

環境と人権に配慮した持続可能な原料調達 と安定供給

多様性を持つ社員の能力を引き出し、働き がいを向上

財務価値

売上高 5,000

億円

営業利益 300

億円

経営資源の 再投入

 強みをさらに強化する         ための投資 2,000 億円( 2030 年まで)

人的資本

• 専門人材獲得

• 多様性の質・量の強化

自然資本

• 植物資源の持続可能性強化

知的資本

• 脂質栄養の探求

• マーケティング強化

製造資本

• 環境対応設備への変革

• スモールマス対応設備

社会関係資本

• 共創の基盤となる ネットワークの強化 インプット

ROE 8.0

%以上

当社グループは、植物資源を起点とした事業活動、すなわち“植物のチカラ®”による価値創造によって、6つの重点領域を通 じて「おいしさ」「健康」「美」の多様な価値を持つ“生きるエネルギー”を生み出していきます。そして、この“生きるエネルギー”

が社会課題を解決し、健康的で幸福な美しい生活(Well-being)を創造します。これがサステナビリティの実現につながると ともに、一方で次なる成長のための植物資源の循環や技術の進化を可能とする資本を生み出します。再度投入された資本 は、コアコンピタンスである油脂をさらに磨き、社会課題を解決する“生きるエネルギー”をさらに生み出します。このプロセス の循環を通じて、持続的な成長を続けていきます。

(10)

目指す姿の達成に向けて

2017 2020 年度

事業構造改革を継承しつつ、

より成長路線に軸足を移す

2021 2024 年度

もっとお客さまの近くで、

多様な価値を創造し続ける 企業グループに変革する

新中期経営計画

前中期経営計画

日清オイリオグループビジョン 2030

6 つの重点領域

当社グループは、社会課題の解決を通じた、多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとするとの考えのもと、将来 にわたって持続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献するため、長期的な視点で「2030年に目指す姿」と「戦略の指 針」を示すことを目的に「日清オイリオグループビジョン2030(以下、ビジョン2030)」を策定しました。また、「ビジョン2030」 の実現に向けた最初の4年間の具体的な成長戦略として、2021年度から新中期経営計画「Value Up +」がスタートしました。

• 当社グループはコアコンピタンスである「油脂」をさらに究めていく。

• これからは「油脂」を素材として提供するだけでなく、「当社が持つ強みを活かし、他の食品メーカーや素材 メーカーなどが参画し、共に新たな価値を創造できる仕組み」として、食の新たな機能を生み出すプラット フォームの役割を担っていく。

• 油脂の価値は、人が生きるために必要な密度の高い根源的なエネルギーである。また、おいしい食事で人 を笑顔に、栄養機能で人を健康に、美を演出し活力を与える無限の可能性を秘めたエネルギーでもある。

• 私たちは、油脂の根源的なエネルギーや独自の多様な価値を持つエネルギーに加え、油脂と相乗効果を 発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギーを“生きるエネルギー”と位置づける。

• そして“生きるエネルギー”を一人でも多くの人にお届けする、そういう役割を果たす企業グループになる。

2030年度

売上高 5,000 億円 営業利益 300 億円 ROE 8.0 %以上 海外売上高比率 30 %以上

、“植物 ” “油脂 強 ” 、

食 新 機能 生 出 役割 担

多様 価値 創造 、“生

企業

目指す事業規模

すべての人の健康

人材マネジメント おいしさ、美のある豊かな生活

食のバリューチェーンへの貢献

地球環境 信頼でつながるサプライチェーン

2020年度 実績 2016年度比 営業利益 123

億円

+21

億円

ROE 6.5% +0.2p

EPS成長率 5.8%

営業キャッ シュフロー

551

億円

20172020年度 4年間の累計)

2024年度(計画) 増減

売上高 4,000

億円 年平均成長率

4.4%

営業利益 170

億円 年平均成長率

8.4%

ROE 8.0% +1.5p

2020年度比)

営業キャッ シュフロー

700

億円

20212024年度 4年間の累計)

+149

億円

(前中計比)

March 28, 2017 

2020   

The Nisshin OilliO Group, Ltd. 

    Fiscal 2017–Fiscal 2020 Four­Year Medium­term Management Plan 

Takao Imamura  President and Representative Director 

The Nisshin OilliO Group, Ltd. 

(11)

今後予測される社会動向を分析し、当社における機会とリスクを抽出 グローバル

持続可能な食糧生産への要求 新興国での食肉・嗜好品・化粧品需要の

増加

デジタルテクノロジーの発達 環境問題の深刻化

新型感染症の発生による行動変容

日本 少子高齢化の進展 生産年齢人口の減少 生活者の食スタイルの変化

−孤食の増加、嗜好の多様化

社会課題:SDGs(国連)、食品産業戦略(農林水産省)、未来投資戦略(内閣府)、企業行動憲章(経団連)より抽出

・森林保護

・気候変動への対策

・デジタル活用によるイノベーション

・栄養不足解消

・商品による健康・美容の増進

・持続可能な食糧生産

・持続可能なエネルギー

・デジタル活用による健康寿命延伸

・災害や廃棄物による悪影響削減

・水質改善、海洋汚染防止

働き方改革

・人権尊重

・ダイバーシティ推進

・商品によるおいしさ・利便性向上

・商品・サービスの新たな価値訴求

・日本品質による海外進出

・物流等インフラ強化

・廃棄物発生防止・資源活用

当社グループの事業として今後やっていきたいか、やっていくべきか

機会 リスク

健康寿命延伸ニーズの高まり 健康目的の油脂の積極摂取の増加 健康に関するビッグデータの充実 生活者の新たな食スタイルでの市場拡大 新興国の発展による新たな市場拡大 環境配慮型ビジネスへの評価の高まり AIIoT等を活用した商品・サービスの充実

顧客とのダイレクトな接点によるビジネスチャンス

健康をターゲットにする競争の激化 健康意識や食スタイルの変化による油脂離れ

持続可能性に欠けた原料を扱うことによるレピュテーションリスク 気候変動による原料の安定調達および原料・エネルギーの コスト上昇リスク

環境問題の深刻化による災害の激甚化 人材獲得不足による競争力の低下

未知のウイルスによる行動制限など想定を超えた経済の低迷

「重点領域」の特定プロセス

重点領域 パーパス 共有価値 CSV目標 2024年度

目標値 2030年度 目標値 すべての人の

健康

人生100年時代を支える心身の

健康に貢献します ・脂質栄養の知見を軸とした商品・サービスの提供により、健康寿命の延伸に貢献します

・多様なライフステージにおいて健康とエネルギーを生むヘルスサイエンス商品の伸長率(2019年度比) 130% 200%

・脂質栄養の知見を活かした健康課題の改善につながる商品を開発します

・脂質の健康情報についての提供人数(2021年度からの累計) 累計3,000万人 累計1億人 おいしさ、

美のある 豊かな生活

「おいしさ」「美」の追求を通じ て、より豊かな生活の実現に貢 献します

おいしさ「美」をもたらす油脂を商品・サービスとして提供し、人々の「生活の質」(QOL)

の向上に貢献します

・食卓に「おいしさ」を提供し、豊かな生活に貢献するブランドを磨き上げます

・食での「おいしさ」「美」を追求する商品を創出します

・美を実現する商品の伸長率(2019年度比) 120% 200%

地球環境 地球環境を次世代に引き継ぐた めに未来を見据えて挑戦します

・温室効果ガスの排出を削減するとともに、気候変動が当社グループに与える影響を低減し

・資源は有限であるとの認識のもと、循環型社会を実現しますます

・環境負荷の少ない容器・包装を開発し続けます

・環境課題解決型ビジネスにより、商品・サービスを通じて社会に貢献します

Scope1、2におけるCO2排出量削減(2016年度比) 8% 31%

Scope3におけるCO2排出量削減 2021年度公開予定

・プラスチック容器・包装の削減および資源循環を推進します

・植物資源を活用した、環境にポジティブインパクトを与える商品・サービスを開発します

食のバリュー チェーンへの 貢献

お客さまと共に技術・商品・サー ビスを磨き、お客さまが創造する 価値を高めます

・油脂とミールを安定的に供給し、国内食品産業および畜産業の発展に貢献します

・油脂を中心に植物資源の新たな機能や用途をお客さまと作り上げ、ソリューションを広げ ていきます

・油脂の機能を最大限に活用し、食べられる食品が捨てられることを防ぎます

・植物資源を新しい消費志向や食糧の安定供給を満たすために活用します

・国内における食エネルギーの安定供給(国内の総エネルギーに占める割合) 6%以上 6%以上

130% 150%

・グループのユーザーサポート件数増加率(2019年度比)

信頼でつながる サプライチェーン

誠実さを大切に、強く、しなやか なサプライチェーンを構築します

・環境と人権に配慮した調達を実施します

・世界的に油脂需要が拡大する中で、ネットワークを活用した安定的な調達を継続します

・社会全体のインフラである物流の持続可能性の取り組みを続けます

・油脂メーカーの責任として、安全で安心な製品をお届けします

・パーム油認証油の割合 100% 100%

RSPOのSG認証油の割合 50%

・農園までのトレーサビリティ把握 パーム油100% パーム核油100%

・大豆の持続可能性を高める取り組みを推進します

・持続可能なカカオを調達します

・共同輸配送のカバー率(面積比率) 50% 50%

人材 マネジメント

多様な人材の働きがいを高め、

組織能力を向上し、イノベー ションを起こします

・多様な人材がその能力を十分に発揮できる職場環境、制度を提供し、社員の働きがいを向 上させます

・すべての従業員の人権が尊重され、グループの一員として活躍できる企業文化を作ります

・すべてのステークホルダーから信頼される企業グループであり続けるため、実効性のある グループ経営体制を整備します

・従業員の「働きがい」を感じる人の割合 70% 80%

・女性管理職比率 8% 20%

「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、当社グループが注力すべき6つの重点領域を定めました。

重点領域における課題解決を通じた社会との共有価値の創造(CSV)を成長ドライバーとしていきます。

① 執行役員を中心としたプロジェクトメンバーにより、2030年に予想される社会動向から、当社グループにおける機会とリスクを分析し ました。一方、SDGsなどを参照し、数ある社会課題の中から、当社グループの価値創造に影響を及ぼしそうな約40項目について、「社 会から求められるニーズの大きさ」「当社グループの事業としてやっていきたいか」の二軸で評価し、18項目の「重要となる社会課題」

を抽出しました。

② そのうえで「重要となる社会課題」について、リスクと機会や、当社グループの強みなどを総合的に判断し、項目を集約して6つの重点 領域とCSV目標の案を設定しました。

③ 社外の専門家からのアドバイス、社外取締役とのディスカッション、サステナビリティ委員会や経営会議での複数回の審議を経て、取 締役会にて決議しました。

6つの重点領域と       CSV目標を設定

重要となる社会課題

(12)

当社グループは、長年植物油脂を研究し、その栄養としての価値と加工技術を高め続け、おいしい食品や安全で 高品質な素材として提供することができます。ライフステージや健康状態にあった

「おいしい食事」

「食生活、

食習慣」 の提案を通じ、生涯にわたり、活力のある健康的な生活に貢献します。

CSV 目標達成に向けて

脂質および植物たんぱくの健康効果 を検証し、幅広く社会に発信

私は現在MCTの継続した摂取が日常活動時の脂肪の燃焼を高 める機能について、臨床試験を活用したエビデンスの取得に注 力しています。油脂は私たちが日々食している基礎調味料であ り、ここに「情報」という付加価値をつけることで多くの方の健康

に貢献できる可能性を秘めています。科学的に証明した効果を、

分かりやすく説明することで世の中に定着させたいと考えています。

 すべての人の健康に貢献するためには、脂質の健康情報について消費者の皆さまへ分かりやすくお伝えするこ とはもちろん、商品を通じて効果を実感していただくとともに、継続的に使用していただく仕掛けづくりが重要だと 考えています。そのためにも、他部門や社外との連携を深め、新しい情報発信の手段なども積極的に取り入れな がら、油脂の魅力を分かりやすく、楽しく、消費者の皆さまへお伝えしていきます。また、健康課題の解決には食生 活と併せて日常活動などの習慣も重要です。食習慣にとどまらず、健康的な生活習慣を後押しし、健康寿命の延 伸に貢献できるような研究に取り組んでいきます。

課題解決に向けた具体的取り組み

お客さまの健康のために脂質栄養に関する 商品・サービスの幅を広げ、多様な選択肢 を分かりやすい情報とともに提供する

油脂の単位当たりのカロリーの高さを活用 し、高齢者の栄養状態を改善する、少量で エネルギーを摂取できるおいしい製品を開 発し、販売する

植物油脂に関する正しい知識を発信し続け、

植物油脂のポジティブなイメージへの変換を さらに進める

お客さまの栄養の過不足や偏りを防ぎ、最 適な量や種類の脂質を摂取できるよう、パー ソナライズされた食生活の提案を行う

社会環境・社会課題

日本国内では、高齢化の進展に伴い低栄 養・認知症患者等が増加し、医療費が増大

グローバルでは、過剰栄養による生活習慣 病が増加する国と、乳幼児の栄養不足が 深刻化する国が存在

健康に関する情報の氾濫と消費者の混乱

当社グループへの影響

病気を未然に防ぐため

「食」

の果たす役割が 増大し、ビジネス機会が広がる

過剰栄養を防ぐため、油脂の摂取を抑制する ようになる

情報過多により、商品の価値がお客さまに正 しく伝わらない

お客さまの共感が得られる、分かりやすい情 報提供により、お客さまにとって最適な商品 の選択が可能になる

ビジョン 2030 実現のための重点領域

重 点 領 域 ① すべての人の健康

人生 100 年時代を支える心身の健康に貢献します

リスク  機会

共有価値

脂質栄養の知見を軸とした商品・サービスの提供により、健康寿命の延伸に貢献します

CSV目標

多様なライフステージにおいて健康とエネルギーを生むヘルスサイエンス 商品の伸長率(

2019

年度比) :

200%

脂質栄養の知見を活かした健康課題の改善につながる商品の開発

脂質の健康情報についての提供人数(

2021

年度からの累計) :

1

億人

中央研究所 研究第7

辻野 祥伍

数値は2030年度目標値

(13)

「おいしさ」

「美」

は、個人の価値観を構成する大切な要素であり、この価値観を満たすことは、人々が幸せな 生活を送ることにつながります。

「おいしさ」

「美」

の追求を通じて、人々のクオリティー・オブ・ライフ(

QOL

)を 高め、社会と共有できる価値を創造することで、生活をより豊かにし続けます。

CSV 目標達成に向けて

「おいしさ」 「美」 の追求によって 価値ある商品を開発

家庭用食用油の開発や販売促進企画の立案に携わっています。

市場動向やマーケティング調査などからお客さまのニーズやイン サイトを捉え、中央研究所や営業部門などの社内各部門と連携 して、商品のコンセプト立案から容器デザインの選定、販売促進 までを行っています。商品が店舗の棚に並んだ時に、お客さまに

「使ってみたい、買ってみたい」と思ってもらえるような商品づくりを心がけています。

 重点領域の「おいしさ、美のある豊かな生活」は、商品開発の根本になる考え方だと捉えています。食は生きる ために必要なことですが、そこにおいしさが加わると幸せな気持ちを生むと思います。商品開発を通じて「おいし さ」と「美」を追求することで、お客さまに食べる幸せや豊かさを提供していきます。特に、現在「味つけオイル」とい う新しいカテゴリーの創造に力を入れており、油の「おいしさ価値」をさらに高めていけるよう、日々奮闘しています。

 今後も時代の変化やお客さまのニーズを捉え、既存ブランドの改善や、当社グループだからこそできるメニュー 提案などを通じて、お客さまの近くに寄り添う商品づくりを実現していきたいです。

課題解決に向けた具体的取り組み

油脂を活用した素材を

「おいしく」

する調理 法や、豊かな食卓、集う機会を提案し、豊か さを感じる食シーンを広げる

幅広い食品に活用されている油脂の特性 を活かした、油脂ならではの他の素材との 共創による味づくりを行い、新しい価値を 創出する

ナチュラルな製法やオーガニック素材を用 いた食品や、安全で高品質、機能的な化粧 品用の油剤などの開発を進める

チョコレートや大豆などの素材が持つおい しさを最大限に引き出し、お客さまが求める 味づくりを行う

社会環境・社会課題

日本においては、孤食の増加や調理時間の 減少、嗜好の多様化等、生活者の食スタイ ルが変化

グローバルでは、中間所得層が増加する地 域において嗜好品や化粧品の需要が増加

• COVID-19

の影響により、外食機会が減少、

一方で内食需要が増加・定着するなど食 シーンが変化

当社グループへの影響

家庭における油脂の代表的な使用方法である

「揚げる」

調理が減少する

家庭/個人によって、油脂の使用方法が多様 化してくる

グローバルでチョコレートや化粧品原料の需 要が増加し、ビジネス機会へとつながる

食シーンが変化することで業態別の油脂需 要の変動が起きる

リスク  機会

共有価値

CSV目標

食卓に

「おいしさ」

を提供し、豊かな生活に貢献するブランドの磨き上げ

食での

「おいしさ」

「美」

を追求する商品の創出

美を実現する商品の伸長率(

2019

年度比) :

200%

• 「おいしさ」

「美」

をもたらす油脂を商品・サービスとして提供し、人々の

「生活の質」

QOL

)の向上に

貢献します

商品戦略部 ホームユース課

山口 夏実

数値は2030年度目標値

ビジョン 2030 実現のための重点領域

重 点 領 域 ② おいしさ、美のある豊かな生活

「おいしさ」と「美」の追求を通じて、より豊かな生活の実現に貢献します

参照

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