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密教研究 Vol. 1938 No. 65 003渡邊 英明「本邦傳流 諸悉曇章異本小攷 P29-59」

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一、 序 言 悉 曇 梵 語 の 字 母 字 農 を 列 ね、 字 を 生 す る 其 の 結 合 方 法 を 一 つ の 形 式 に 組 織 立 て ゝ 解 し 易 か ら し め た 音 韻 書 を 悉 曇 章 と い ふ 事 は 明 な 事 で あ る。 此 の 音 韻 書 師 ち 悉 曇 章 に 古 來 多 く の 異 本 が あ つ て、 入 唐 求 法 の 學 匠 が 各 々 の 其 の 相 承 す る 慮 に 随 つ て 請 來 し 傳 來 し て ゐ る 事 は 其 等 學 匠 の 請 來 録 や 在 唐 迭 進 録 を 見 れ ば 知 り 得 る 事 が 出 來 る の で あ る。 此 等 悉 曇 章 の 異 り は 南 天 或 は 中 天 等 と 其 の 相 承 の 異 な る に 依 つ て 自 ら 章 建 立 の 式 相 が 異 な る 虚 か ら 生 じ て 來 る も の で あ つ て、 章 其 の も の ゝ 意 義 か ら す れ ば 異 り の あ る も の で は な か ら う と 思 ふ。 山 陰 智 廣 の 悉 曇 字 記 が 請 來 さ れ、 此 の 字 記 に 所 載 の 十 八 章 の 章 式 建 立 が 阿 豊 安 然 師 に 依 つ て 喧 傳 さ れ て か ら 天 下 の 悉 曇 學 者 は 悉 曇 章 々 段 の 解 繹 は 勿 論 一 般 悉 曇 註 繹 に 於 い て も 此 の 字 記 に 依 ら ざ る も の は な い 程 で あ る。 安 然 は 悉 曇 藏 序 文 中 に ニ ハ ⋮ ⋮ 三 驚 推 字 以 掻 二 大 悉 曇 章 及 慧 遠 章一、 四 眞 實 字 以 囁 二 智 廣 字 紀 十 八 章 文一、 與 二 諸 梵 文 三 多レ 所 二 契 合一、 鯨 章 不 然 故 皆 斥レ 之。 と 述 べ て 余 の 悉 曇 章 の 字 紀 十 八 章 に 及 ば ざ る 事 を 明 し て ゐ る。 師 の 此 の 所 論 は 師 の 悉 曇 に 關 す る 著 述 の 何 れ に も 顯 揚 さ れ て ゐ る の で あ る。 如 斯 字 紀 を 何 故 に 顯 揚 し た の で あ ら う か。 此 れ に 就 い て 安 永 二 年 明 豊 の 悉 曇 要 訣 を 上 梓 す る に 當 り 其 の 前 分 に 附 し た 金 剛 峰 寺 沙 門 常 塔 の 悉 曇 要 訣 辮 言 に は、 諸 先 徳 但 山 陰 記 設 レ 砂 施 レ解、 按 二 其 所 以 噛 照 林 曾 正 入 唐 日 就 二 記 主 一學 レ 之、 復 記 二 其 所一レ 聞, 是 日 二照 林 記一、 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 二 九

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三。 本 記 素 老 婆 親 切、 始 述 二 相 承 來 由一、 又 示 二 造 章 大 都 剛 且 學 二 十 孟 或 繹一、 教 繹 二 字 母 音一、 終 具 明 二十 八 章 勲 法一、 更 註 二封 翻 字一、 初 學 階 梯 尤 便 宜 也 云 々 と 説 い て ゐ る。 此 等 ・の 理 由 は 安 然 師 を し て、 鯨 章 不 レ然 故 皆 斥レ 之、 と 迄 他 を 退 け 字 記 十 八 章 を 喧 傳 せ し め た 大 な る 原 因 で も あ り、 倫 又 未 學 を し て、 常 塔 の 辮 言 に 所 謂、 未 學 偏 信 二山 陰 一 賞 レ客 忘 レ圭、 執レ 枝 失レ 本、 堂 其 可レ 然 乎 と 歎 じ せ し め た 程、 安 然 の 所 論 に 其 の 源 底 を 窮 め す し て 因 循 的 に 萬 犬 吠 る が 如 く 雷 同 せ し め た 所 以 で も あ ら う。 二 農 字 紀 十 八 章 以 外 の 諸 悉 曇 章 は 如 斯 霜 推 的 文 字 の 羅 列 さ れ た 贋 値 な き 誹 諦 さ る 可 き も の で あ ら う か。 弘 法 大 師 御 請 來 の 悉 曇 章 而 も 此 れ を 基 本 と し 在 唐 學 習 傳 受 の 口 授 を 参 酌 し 大 成 し た と 云 は る 可 き 大 悉 曇 章 の 如 き、 爾 部 大 経 と 共 に 三 駕 の 一 と し 本 業 の 書 と し て 官 符 に 三 學 録 に 奉 詔 或 は 所 載 以 つ て 東 寺 三 業 の 學 場 に 霰 墾 し た 面 目 は 何 れ に あ る の で あ ら う か。 か ゝ る 意 味 に 於 い て 我 が 國 入 傳 の 諸 悉 曇 章 本、 或 は 先 徳 所 述 の 悉 曇 章 に 就 い て 其 の 内 容、 章 段 建 立 の 趣 旨 を 究 明 す る の も 強 ち 無 駄 な 事 で は な か ら う と 信 す る。 二、 異 本 の 請 來 の 事 歌 悉 曇 が 我 國 へ 請 來 さ れ た の は 奈 良 朝 以 前 の 留 學 曾 に 已 に あ つ た と も 謂 は れ て ゐ る。 而 し 史 實 に も 徴 し て 尤 も 信 を 置 く 可 き も の は 天 平 八 年 に 理 鏡、 吉 備 眞 人、 小 野 篁 等 と 共 に 來 朝 し た 林 邑 國 婆 羅 門 檜 正 菩 提 仙 那、 及 び 佛 哲 で あ る。 佛 哲 は 菩 提 仙 那 に 從 學 し 共 に 支 那 に 渡 り 來 朝 し 大 安 寺 に 梵 語 教 授 を な し た 人 で あ る。 彼 は 目 録 に 依 れ ば 悉 曇 章 二 巻 を 請 來 し た 事 に な つ て ゐ る。 併 し 此 の 悉 曇 章 は 彼 自 身 の 手 に 彼 の 地 の 所 傳 を 基 と し て 作 成 さ れ た も の で あ る か、 或 は 全 然 彼 地 に 傳 播 の も の を 請 來 し た の で あ る か 全 く 不 明 で あ る が 安 然 は 悉 曇 藏 巻 三 章 藻 具 闘 を 述 ぶ る 中 に 或 有 悉 曇 人 云 佛 暫 將 來 と 述 べ 其 の 内 容 を 多 少 墾 げ て ゐ る 虚 か ら す れ ば 已 に 元 慶 の 頃 不 安 朝 の 初 期 に 佛 哲 の 悉 曇 章 な る も の が あ つ た も の と 思 へ る。 而 し 此 れ も 何 人 か が 佛 哲 よ り 傳 授 の 悉 曇 章 を 記 録 し た も の で あ つ た か も 知 れ な い の で あ る。 何 れ に し て も 悉 曇 章 と し て は 我 國 最 初 の も の と 云 ひ 得 べ き も の で あ る。

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爾 來 天 台 眞 言 入 唐 の 貿 學 檜 は、 不 安 朝 初 期 密 教 請 來 の 隆 盛 と 共 に 彼 地 に 於 い て、 直 接 印 度 學 僧 か ら 或 は 間 接 支 那 學 曾 か ら 學 習 し、 相 承 し て 請 來 し た も の で あ つ て、 般 若、 寳 月、 但 羅、 宗 叡 を 悉 曇 四 家 と 云 ひ、 傳 教、 弘 法 爾 大 師 並 に 常 曉、 圓 行、 圓 仁、 恵 蓮、 圓 珍、 宗 叡 等 を 八 家 と 云 ひ 共 に 悉 曇 相 承 の 此 の 時 代 に 於 け る 代 表 で あ つ た 事 は 云 ふ ま で も な い の で あ る。 室 海 和 上 請 來 目 録 中 に は 梵 字 部 中 に 梵 字 悉 曇 章 一 巻、 論 疏 章 等 部 に 悉 曇 字 記 一 巻、 悉 曇 繹 二 巻 を 墾 げ て ゐ る ゆ 諸 阿 闇 梨 眞 言 密 教 部 類 総 録 巻 下 (八 家 秘 録 ) に は 此 の 外 に 羅 什 悉 曇 章 一 巻、 謄 波 城 悉 曇 章 一 巻 を も 墾 け て ゐ る。 安 然 は 倫 悉 曇 藏 巻 三 に は、 或 有 悉 曇 人 云 室 海 將 來 初 云 大 悉 曇 章 本 次 云 字 母 繹 義 記 と 述 べ て 大 悉 曇 章 二 巻 を も 講 來 の 如 く に 述 べ て ゐ る。 ( 八 家 秘 録 に は 海 和 上 作 と あ り ) 此 れ に 就 い て は 一 面 請 來 の 如 く 一 面 弘 法 大 師 自 作 の 如 く 安 然 自 身 其 の 何 れ に 就 い て 多 少 疑 問 の あ つ た 事 と 思 ふ の で あ る。 そ れ は 安 然 所 見 の 大 悉 曇 章 本 は 悉 曇 藏 中 に 書 せ る 如 く 大 悉 曇 章 本 と し て 次 に 字 母 繹 義 記 と あ れ ば 入 云 室 海 將 來 と あ る に 封 し て 或 は 將 來 本 で あ り 字 母 繹 義 記 と あ る か ら す れ ば 自 作 の も の で あ る 檬 に も 思 は れ る の で あ る か ら で あ る。 梵 字 悉 曇 字 母 井 繹 義 に は、 如 レ 是 有 二 二 合 三 合 四 合 之 韓 一 都 有 二 一 萬 三 千 八 百 七 十 二 字 一 此 悉 曇 章 本 有 自 然 ⋮ ⋮ と あ れ ば 請 來 の 梵 字 悉 曇 章 の 字 母 を 繹し 其 の 生 字 に 就 い て 多 少 繹 を な し た も の で あ る 事 は 明 で あ る。 今 藏 巷 三 に 次 云 二字 母 繹 義 記 一有 二 二 萬 三 千 八 百 七 十 二 字 一 と あ れ ば 梵 字 悉 曇 字 母 井 繹 義 と 字 母 繹 義 記 と は 或 は 同 本 に て 而 も 其 の 最 初 の 名 目 は 字 母 繹 義 記 で あ つ た か も 計 り が た い の で あ る。 梵 字 悉 曇 字 母 井 繹 義 の 最 後 に、 是 故 聯 爲 二 童 蒙 一 妙 二 録 斯 記 一好 學 同 志 代 二 彼 口 實 一 と あ る 當 り を 見 れ ば、 亦 多 少 其 の 間 の 漕 息 な し と も 考 へ 得 ら れ な い 事 も な い の で あ る。 大 悉 曇 章 が 御 請 來 本 で な く 大 師 の 著 作 で あ る こ と は 藏 三 に 初 云 大 悉 曇 章 本 次 云 二 字 母 繹 義 記 二 有 二 一 萬 三 千 八 百 七 十 二 字 な ど あ る に 依 つ て も 其 の 事 歌 か ら 推 察 せ ら れ る の で あ つ て、 又 此 の 事 が 大 悉 曇 章 が 梵 字 悉、 曇 章 の 檜 補 改 修 で あ り、 而 も 大 悉 曇 章 が 所 謂 梵 字 悉 曇 字 母 井 繹 義 以 後 に 著 作 さ れ た 事 を も 肯 誰 で な く と も 傍 謹 せ 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 一

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 二 る も の で は な か ら う か と 信 す る の で あ る。 悉 曇 章 一 巻、 曉 ⋮ 亦 大 異 文 有 瀾 脱 ( 八 家 秘 録 ) 常 曉 は 承 和 三 年 入 唐 の 勅 命 を 受 け 出 襲 せ し も 途 中 暴 風 に 逢 ひ 果 さ す し て 翌 四 年 亦 渡 航 を 果 さ す 五 年 六 月 遣 唐 使 菅 原 是 善 と 共 に 渡 航 し 楊 州 に 達 し 不 室 三 藏 の 弟 子 に し て 慧 慮 付 法 の 徒 文 蝶 (曾 傳 作 文 驚 ) に 就 い て 栖 験 寺 に 於 い て 灌 頂 を 受 け 密 教 を 學 修 し た の で あ る。 八 家 秘 録 に は 悉 曇 章 一 巻 を 記 載 し て ゐ る が、 師 の 承 和 六 年 九 月 二 日 上 表 の 講 來 目 録 に は 載 つ て 居 な い の で あ る。 悉 曇 藏 巻 三 に も、 或 有 悉 曇 人 云 常 曉 將 來 と あ れ ば 安 然 當 時 に は 常 曉 請 來 の 悉 曇 章 が 傳 本 さ れ て ゐ た も の で あ る。 師 の 請 來 録 に 載 つ て 居 な い 事 は 不 信 の 至 り で あ る が、 請 來 録 中 千 光 王 佛 威 徳 要 法 一 巻 を 初 め 其 の 他 八 部 桿 登 載 の 後 に、 所 二 受 學 一諸 尊 喩 伽 灌 頂 儀 軌 等 如 二先 渡 來 一無 レ殊 更 不 れ注 れ 之、 右 顯 密 之 法 門、 若 學 得、 若 未 二 學 得 一其 藪 不 れ 少 唯 睾レ 未 二 會 有 一耳、 と あ れ ば 前 已 に 悉 曇 章 は 請 來 さ れ て あ る 所 か ら 請 來 録 に は 除 い て 載 せ な か つ た か も 量 り 難 い の で あ る。 筒 文 中 に、 井 爲 二 文 書 一 等 と も あ れ ば 此 等 の 文 書 と 共 に 其 の 中 に 書 爲 さ れ て 請 來 し た も の で は な か ら う か と 惟 れ る の で あ る。 悉 曇 章 一 巻、 行 ⋮ 亦 異 (八 家 秘 録 ) 圓 行 は 承 和 四 年 正 月 九 日 の 實 慧 大 徳 の 上 表 に 依 り 同 年 四 月 六 日 に 常 曉 (再 度 乗 舟 ) 等 と 共 に 渡 航 し 途 中 風 に 阻 害 さ れ て 入 唐 を 果 さ す、 禦 五 年 六 月 再 び 常 曉 等 と 共 に 渡 航 入 唐 後 は 青 龍 寺 に 於 い て 義 眞 和 爾 に 就 い て 學 修 し た の で あ る が 解 義 實 に 明 噺 論 旨 搏 達 で あ つ 汽 爲 め に、 自 ら 諸 名 徳 に 迎 接 せ ら れ 大 法 の 奥 義 を 究 め て ゐ る。 承 和 六 年 十 二 月 十 九 日 上 表 の 請 來 経 佛 道 具 目 録 中 に は 梵 字 悉 曇 一 巻 を 梵 字 晋 賢 菩 薩 行 願 讃 一 巻 と 共 に、 右 二 部 錐 二先 來 一而 爲レ 用 二 詮 本 一請 來、 と 附 言 し て 墾 げ て ゐ る。 衙 同 目 録 中 に、 二 百 鯨 粒 中 天 竺 三 藏 難 陀 付 受。 菩 提 樹 葉 一 枚 有 董 中 天 竺 三 藏 難 陀 付 授。 等 と 載 せ て 居 れ ば 中 天 竺 難 陀 三 藏 よ り 佛 舎 利 や 菩 提 樹 葉 を 付 與 せ ら れ た も の で 親 し く 三 藏 に 會 つ て ゐ た 事 は 確 か で あ る が 直 接 悉 曇 を 學 ん だ か ど う か は 不 明 で あ る。 唐 梵 文 字 一 巻 や 其 の 他 に 梵 字 の 諸 経 を 請 來 し て ゐ る 事 を 見 れ ば 師 の 悉 曇 章 請 來 は 謹 本 の 爲 め 位 に と ど ま つ て ゐ た 事 だ ら う と 惟 れ る の で あ る。 安 然 悉 曇 藏 巻

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三 に は、 或 有 悉 曇 人 云 圓 行 將 來 と あ る。 圓 仁 の 入 唐 求 法 巡 禮 行 記 第 一 に は 眞 言 請 盆 圓 行 法 師、 入 二 青 龍 寺 一、 但 得 下 世 日 雇 二 廿 書 手 一宣 中 文 疏 等 上 と あ る を 見 れ ば、 只 書 爲 に 相 當 の 苦 心 を 持 ち 悉 曇 章 の 詳 細 な 研 究 に は 全 く 暇 は な か つ た 如 く で、 加 ふ る に 此 の 行 記 に 殆 ど 筆 書 通 レ 情、 筆 言 通 レ 情 筆 言 蓮レ 慰 等 と あ れ ば 入 唐 の 學 曾 唐 語 を 解 せ す 言 語 は 筆 談 の 外 全 然 不 通 で あ つ た 様 で あ る。 尚 天 竺 入 唐 の 檜 に 於 て も 此 れ と 同 様 唐 語 を 多 く 解 せ な か つ た 様 に 思 は れ る。 郎 ち 同 巡 禮 行 記 巻 三 に、 彼 寺 難 レ 有 二 西 國 櫓一 未 三 多 解 レ語 と あ り。 難 陀 三 藏 に つ い て も、 天 竺 難 陀 三 藏 不 三 多 解 二唐 語 一 と あ れ ば 此 等 の 浦 息 は 想 像 し 得 ら れ る の で あ る。 若 し 圓 行 が 難 陀 三 藏 か ら 悉 曇 を 相 承 し た と す る も、 其 れ は 恐 ら く 悉 曇 章 本 を、 輩 に 傳 授 ( 手 交 ) さ れ た 程 度 の も の と 推 察 す る の で あ る。 悉 曇 章、 仁、 安 國 寺 本 ⋮ 亦 異 ( 八 家 秘 録 ) 悉 曇 章、 仁、 全 雅 手 爲 ⋮ 亦 異 慈 豊 大 師 圓 仁 は 承 和 五 年 六 月 に 入 唐 十 四 年 九 月 所 謂 會 昌 の 難 に 遭 つ て 蹄 朝 し た も の で 往 還 合 し て 十 年 求 法 に 書 痒 し た の で あ る。 承 和 五 年 の 日 本 國 承 和 五 年 入 唐 求 法 目 録 中 に は 梵 語 難 名 一 巻 を 纂 げ、 承 和 七 年 の 慈 豊 大 師 在 唐 迭 進 録 中 に は 悉 曇 章 一 巻 と 筒 別 物 封 皮 箱 一 合 中 に 諸 梵 経 と 共 に 梵 語 雑 名 を 墾 げ て ゐ る。 師 の 所 謂 到 れ 唐 逡 於 二 揚 州 五 墓 及 長 安 等 慮 一尋レ 師 學 法 九 年 之 間 随 分 訪 求 得 者、 謹 其 色 目 如 レ 前、 謹 録 申 上 謹 言 と 識 語 あ る 最 後 の 請 來 目 録 た る 承 和 十 四 年 の 入 唐 新 求 聖 教 目 録 に は 悉 曇 章 一 巻 と 翻 梵 語 十 巻 と を 墾 げ て ゐ る。 師 の 悉 曇 受 學 の 年 代 に 就 い て は 承 和 五 年 入 唐 早 々 宗 叡 に 學 ん で ゐ る。 即 ち 日 本 國 承 和 五 年 入 唐 求 法 目 録 ( 大 唐 開 成 四 年 歳 次 己 未 四 月 世 日 ) の 最 後 に、 裳 終 南 山 宗 叡 和 倫 品 學 逼 二 先 達 一 悟 究 二 幽 致 一能 解 二 梵 漢 一 妙 閑 二 悉 曇 之 音 一爲 レ 向 二 西 天 一蹴 二 蕗 到 一圓 仁 幸 得 二 偶 謁 一受 二 學 梵 天 悉 曇 一兼 習 二 梵 漢 之 語 一 と あ り。 こ れ に 依 れ ば 宗 叡 は 相 當 梵 漢 共 に 談 じ 得 た も の ゝ 如 く、 圓 仁 は 或 は 筆 談 に 依 つ て 此 れ を 受 學 し 得 た 事 は 想 像 し 得 ら れ る。 入 唐 日 爾 淺 い 圓 仁 は 唐 語 に 達 せ す 筆 談 で あ つ た の で こ れ は 園 行 と 共 に 同 じ で あ る。 尤 も 師 が 語 音 不 同 に つ き 不 便 を 感 じ た の は 恐 ら く 開 成 五 年 三 月 仕 五 日 に 同 書 に 封 し 齊 糧 施 給 を 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 三

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 四 請 ふ た 時 で あ つ た で あ ら う。 師 ち 州 禮 行 記 巻 二 に、 右 園 仁 等 遠 渉 二 愴 波一、 投 尋 二 佛 教一、 庸 身 多 幸、 遊 到 二術 書 貴 境 一縁 逼 二 族 李 二 齊 飯 飢 乏、 語 音 不 同 無 レ 虚 二 乞 索 元伏 望 爾 書 仁 造、 施 二 給 糧 食 二、 撫 二 養 貧 檜 一 と あ る よ り す れ ば、 宗 叡 よ り 早 早 に 悉 曇 の 受 學 は 不 可 能 で あ る が 幸 ひ 宗 叡 は 筆 談 し 得 る 迄 に 漢 文 を 解 し 得 た 爲 め で あ る。 悉 曇 章 の 二 本 全 雅 手 爲 請 來 の も の は 其 の 識 語 に、 開 成 四 載 前 正 月 下 旬 於 二 揚 州 同 軌 坊 一嵩 山 院 梁 源 義 學 沙 門 全 雅 爲 二 梵 文 二傳 二 與 日 本 大 徳 圓 仁 供 奉 ⋮ ⋮ と あ り。 而 も 承 和 五 年 入 唐 求 法 目 録 最 後 に 宗 叡 綾 い て、 又 逢 二 大 唐 内 供 奉 誓 弘 阿 閣 梨 付 法 弟 子 全 雅 阿 闇 梨 一諮 二 稟 秘 法 三和 爾 感 二 乎 遠 誠 一付 以 二 秘 要 一 遽 乃 囑 授 念 諦 法 門 一 と あ れ ば、 此 の 時 に 全 雅 手 爲 の 悉 曇 章 を、 秘 要 等 と 共 に 傳 受 し た も の と 惟 ふ の で あ る。 開 成 五 年 九 月 頃 に は 巡 禮 行 記 巻 三 に、 大 安 國 寺 有 二 元 簡 阿 閣 梨 二 解 二 金 剛 界一 好 手、 兼 解 二 悉 曇 一解 レ叢、 解 レ書 二 梵 字 一 と あ れ ば、 元 簡 の 悉 曇 を 解 す る を 存 知 し て ゐ た も の で、 會 昌 二 年 二 月 に は 巡 禮 行 記 巻 三 に、 又 於 二 大 安 國 寺 元 簡 阿 闇 梨 所 一 重 審 二 決 悉 曇 章 戸 と あ る 如 く 元 簡 に つ い て 逐 に 悉 曇 章 を 審 決 し た の で あ る が、 此 の 審 決 し た 本 は 目 録 に 所 謂 悉 曇 六草 安 國 寺 本 で は な い か と 惟 ふ の で あ る。 更 に 會 昌 二 年 五 月 に は 巡 禮 行 記 巻 三 に、 五 月 十 六 日 起 首 於 二 青 龍 寺 天 竺 三 藏 寳 月 所 二 重 學 二 悉 曇 一親 口 二 受 正 音 一 と あ る 如 く、 南 天 寳 月 三 藏 に 就 い て 親 し く 悉 曇 の 口 授 を 受 け て ゐ る。 師 は 此 の 口 傳 正 音 を 在 唐 記 中 に 載 し て ゐ る。 悉 曇 藏 巻 三 に は 全 雅 悉 曇 と 述 べ て 章 段 建 立 の 大 略 を 載 せ て ゐ る。 悉 曇 章 一 巻、 題 云二 悉 雲 梵 字 一 巻 亦 異、 運 ( 八 家 秘 録 ) 慧 蓮 は 入 唐 五 家 傳 等 に 依 れ ば 承 和 九 年 大 唐 會 昌 二 年 八 月 入 唐 在 唐 五 ケ 年 其 の 間 青 龍 寺 の 義 眞 和 倫 に 秘 教 を 受 け 兼 ね て 要 望 せ し 南 岳 五 皇 之 聖 述 を 巡 禮 し、 承 和 十 四 年 大 唐 大 中 一 年 夏 六 月 に 蹄 朝 し た の で あ る。 恵 蓮 照 師 將 來 教 法 目 録 に は 悉 曇 梵 字 一 雀、 悉 曇 章 圖 一 巻、 悉 曇 記 一 巻 を 學 ぴ て ゐ る。 悉 曇 梵 字 一 巻 は 正 し く 八 家 秘 録 に よ れ ば 悉 曇 章 一 巻 と 云 へ る も の で あ る ら し い、 師 の 此 等 悉 曇 に 關 す る 受 學 に 就 い て は 不 明 で あ る が、 義 眞 和 倫 静よ り 爾 部 大 法 稟 承 の 時 共 に 受 學 し 得 た も の で あ ら う と 惟ふ。 勿 論 此 等 悉 曇 書 に つ い て は 如 何 な る も の で あ つ た か 知 る 事 は 出 來

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な い の で あ る。 悉 曇 章 圖 一 巻 は 秘 録 に 捏 葉 経 十 四 音 七 曇 章 一 巻 運、 又 云 二悉 曇 章 圖 一 巻 一 と あ れ ば、 捏 繋 経 十 四 音 に 就 て 圖 表 し た も の で あ つ た 事 は、 推 察 し 得 ら る る の で あ る。 悉 曇 章 一 巻 珍、 初 持 二 曉 本 一 入 唐、 遇 一般 若 三 藏 一 漏 二 天 竺 一 以 等 前 曉 本 一随 二二 蒋 説 一更 加二 多 章 二 ⋮⋮ 亦 大 異 ( 八 家 秘 録 ) 圓 珍 智 謹 大 師 は 敬 光 の 唐 房 行 雁 録 中 奪 通 の 大 師 年 譜 に 依 れ ば、 仁 壽 三 年 八 月 年 四 十 歳 に て 入 唐 し、 天 安 二 年 六 月 年 四 十 五 歳 に 館 朝 し て ゐ る。 在 唐 往 還 共 に 凡 六 年 間、 他 の 入 唐 諸 師 に も 塘 し て 求 法 受 學 に 力 を 致 し て 居 る。 智 謹 大 師 請 來 目 録 に は、 大 捏 契 経 文 字 品 悉 曇 章 二 本 爾 巻、 天 台 悉 淡 章 一 巻 と を 墾 げ て ゐ る。 師 の 在 唐 受 學 の 悉 曇 受 學 の 師 に 就 い て は、 同 目 録 に 中 天 竺 大 那 蘭 陀 寺 三 藏 曼 索 悉 恒 羅 梵 爽 一、 大 那 蘭 陀 寺 佛 殿 前 貝 多 樹 皮 梵 爽 一、 熟 銅 五 股 小 金 剛 杵 一 只 有 二 指 環 一 右 三 事 拉 是 婆 羅 門 三 藏 從 二 西 天 佛 國 一 將 到 二 大 唐 一⋮ ⋮ 圓 珍 繰 到 三 漏 州 一 見 二 三 藏 和 筒 一蒙レ 授 二 悉 曇 章 一 兼 付 二 三 種 法 信 一 ⋮ ⋮ と あ れ ば、 婆 羅 門 三 藏 に つ い て 悉 曇 章 を 受 學 し、 二 梵 爽 と 五 鈷 金 剛 杵 一 口 を 付 與 せ ら れ た 事 は 明 で あ る。 奪 通 の 年 譜 中 に は 此 の 事 に 就 い て 次 の 如 く 述 べ て ゐ る。 師 ち 遇 二中 天 竺 大 那 蘭 陀 寺 三 藏 般 若 恒 羅 一、 學 二梵 字 悉 曇 章 一 兼 受 二曼 蘇 室 利 秘 法 等 一、 因 寄 二 與 師 曼 索 悉 恒 羅 梵 爽 貝 多 樹 皮 梵 爽 敦 描銅 五 鈷 小 金 剛 杵 一 只 一⋮ と あ る。 四 家 悉 曇 の 安 然 の 記 に は 圓 珍 の 悉 曇 受 學 三 藏 を 天 竺 般 若 多 羅 難 陀 三 藏 と 述 べ て ゐ る。 此 等 を 綜 合 し て み る と、 圓 珍 は 中 天 竺 大 那 蘭 陀 寺 三 藏 曼 索 惑 恒 羅 三 藏、 婆 羅 門 三 藏、 中 天 竺 大 那 蘭 陀 寺 三 藏 般 若 恒 羅 三 藏、 天 竺 般 若 多 羅 難 陀 三 藏 よ り 悉 曇 を 受 學 し た 事 に な る。 而 し 此 等 の 諸 三 藏 中 に 於 い て、 園 珍 自 身 明 言 し て ゐ る の は 婆 羅 門 三 藏 の み で あ る。 中 天 竺 大 那 蘭 陀 寺 三 藏 曼 索 悉 但 羅 梵 爽 と あ る 如 く、 曼 索 悉 但 羅 は 佛 殿 前 貝 多 樹 皮 梵 爽 と 同 じ く、 那 蘭 陀 寺 の 曼 索 悉 但 羅 三 藏 所 傳 或 は 所 持 で あ つ た 梵 爽 に 付 し 九 名 前 で、 圓 珍 自 身 受 學 の 梵 檜 で は な か つ 九 の で あ ら う と 惟 ふ。 曾 傳 中 の 般 若 恒 羅 は 般 若 と 曼 索 悉 恒 羅 の 恒 羅 の 二 人 で、 四 家 悉 曇 に 云 ふ 多 羅 も 但 羅 と 同 人 を 指 し た も の と 惟 へ る。 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 五

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 六 四 家 悉 曇 に は 般 若 多 羅 難 陀 と 云 つ て ゐ み が 此 れ も 恐 ら く 般 若、 多 羅、 難 陀 と 三 人 の 名 前 で あ る と 惟 は れ る。 此 慮 に 所 謂 般 若 と は 何 人 な る か、 若 し 室 海 受 學 の 農 泉 寺 の 般 若 と す れ ば、 園 珍 封 面 の 時 は 少 く と も 七 十 有 餓 歳 の 高 齢 で あ る か ら 或 は 残 し て ゐ た の で は な か ら う か (印 度 人 は 各 國 入 種 に 比 し て 短 命 な る 故 に )。 難 陀 は 圓 仁 巡 禮 行 記 に 依 れ ば、 西 國 北 天 竺 三 藏 難 陀 と あ つ て 中 天 竺 の 人 で は な く、 筒 圓 珍 自 身 の 行 記 に も 其 の 名 を 見 受 け な い の で あ る。 此 等 の 事 状 か ら す れ ば 圓 珍 は 三 人 の 婆 羅 門 三 藏 に 會 つ て 悉 曇 章 や 三 種 法 信 を 付 受 し た も の で あ つ た と 信 す る。 若 し 櫓 傳 等 に あ る が 如 き 諸 師 よ り 受 學 し た も の と す れ ば、 行 記 に 其 等 の 諸 師 に 封 し 倫 静相 當 の 受 學 事 歌 が 記 さ れ ね ば な ら ぬ と 信 す る。 安 然 や 曾 通 等 の 曾 傳 中 の 諸 師 は 曼 索 悉 恨 羅 や 圓 仁 が 難 陀 に 會 つ た 事、 圓 行 が 難 陀 か ら 梵 爽 を 講 來 し た 事 駄 を 混 同 し、 或 は 敷 衙 し た も の で あ ら う と 惟 ふ の で あ る。 今 此 慮 に 多 少 其 の 間 の 事 歌 の 見 る 可 き も の ゝ あ る の は 般 若 の 事 で あ る。 元 慶 六 年 七 月 十 五 日 に 智 慧 輪 三 藏 に 迭 つ た、 上 智 慧 輪 三 藏 決 疑 表 と い 諭 も の が あ る。 こ れ に 依 る と 圓 珍 は 智 慧 輪 三 藏 に 逢 つ た 事 に な つ て ゐ る。 智 慧 輪 (す な ま ふ ) は 般 若 所 迦 羅 な れ ば 或 は 此 の 般 若 ( 智 慧 輪 ) が 曾 傳 諸 師 の 般 若 と 同 人 に は あ ら ざ る か、 師 ち 智 慧 輪 を 般 若 と 指 し た も の で は な か ら う か と 惟 ふ の で あ る。 そ し て 圓 珍 受 學 の 般 若 は 寧 ろ 塞 海 受 學 の 農 泉 寺 の 般 若 よ り も 智 慧 輪 の 般 若 と な す 方 が 多 少 其 の 事 歌 に 於 い て 適 當 で あ る か の 檬 に 信 す る の で あ る。 圓 珍 は 正 し く 般 若 研 迦 羅 に 逢 ひ 親 し く 受 學 し た も の で あ ら う か。 此 の 事 は 師 の 請 來 目 録 等 に 於 て も 別 に 徴 す べ き も の は な い。 只 上 智 慧 輪 三 藏 決 疑 表 を 眞 な り と す れ ば 大 中 九 年 冬 至 日 面 □ ( 承 敏 ) ⋮ ⋮ 圓 珍 甲 午 之 春 ( 生 年 弘 仁 五 年 甲 午 を 云 ふ ) 今 六 十 九、 再 観 難 期 ⋮ ⋮ と あ り。 帥 ち 元 慶 六 年 ( 中 和 二 年 ) 年 六 十 九 に し て 再 び 観 ゆ る の 期 し 難 き を 述 べ、 大 中 九 年 郎 ち 二 十 八 年 以 前 入 唐 後 三 ヶ 年 目 に 面 承 し た と 感 慨 深 く 述 べ て ゐ る と こ ろ か ら す れ ば、 讐 へ 講 來 録 等 に 其 の 徴 す る も の な く と も、 蓋 し 信 を 於 い て 可 な り と 惟 ふ。 曾 通 の 年 譜 に は 此 の 事 情 を 次 の 様 に 述 べ て ゐ る。

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冬 師 見 二 大 興 豊 呈 寸 三 藏 智 慧 輪 一受 二 爾 部 秘 旨 一、 兼 授 二 新 課 持 念 経 法 一、 輪 不 室 之 三 世 也、 又 拝 二 僻 本 師 謂 二 全 利 街 一 將 レ 出 二 長 安 一、 是 時 全 師 親 賜 二 大 日 経 義 繹 一 本 一、 十 二 月 十 七 日 ⋮ ⋮ と。 此 れ は 圓 珍 の 決 疑 表 を 敷 術 し た も の で あ る 事 は、 そ れ を 護 諦 す れ ば 明 な 事 で、 十 二 月 十 七 日 は 決 疑 表 の 冬 至 日 を 曾 通 が 恐 ら く 該 當 せ し め た も の で あ ら う と 信 す る。 是 れ に 依 つ て 観 る と、 圓 珍 が 面 受 し た の は 婆 羅 門 三 藏 と 智 慧 輪 ( 般 若 云 々 は 兎 も 角 ) と で あ つ て、 曼 索 悉 但 羅 三 藏 や 難 陀 三 藏 や 多 羅 三 藏 等 か ら 悉 曇 を 受 學 し た と 云 ふ の は、 容 易 に 信 じ 難 い 事 の 様 に 思 は れ る の で あ る。 尤 も 決 疑 表 の 中 に 於 て も、 次 の 様 な 個 所 は 智 慧 輪 と 圓 珍 と の 面 受 は、 一 面 全 然 な か つ た も の で あ る と も 思 は し む る も の で あ る が、 郎 ち 圓 珍 言、 青 龍 全 和 上 尋 常 賛 □ ( 決 敏 ) 疑 我 興 善 大 師 二 日、 興 善 三 藏 和 上 非 常 會 議、 此 経 論 之 江 海、 梵 文 之 山 岳、 我 九 州 無 レ 有 レ 讐 者、 小 師 仰 二 徳 心 中 一、 切 求 二 参 観 決 疑 一 縁 二 衣 糎 蓋 一 忙 出 二 上 都 一干 レ 今 爲 レ悔、 更 不 レ 可レ 及、 圓 珍 不レ 會 二 唐 言 一⋮ ⋮ 而 し 此 れ に 依 つ て 一 都 に 面 受 な し と す る の は 早 計 で は な い か と 思 は れ る。 不 レ 會 二 唐 言 一 と 云 へ る 當 り は、 一 度 の 入 唐 に て は 未 だ 充 分 に 唐 言 を 會 談 す る だ け に、 至 つ て 居 ら な い と 云 ふ 事 歌 も 察 せ ら れ る の で あ つ て、 か ゝ る 鮎 或 は 師 の 述 作 な る 入 唐 求 法 の 諸 記 録 を 観 て も、 只 悉 曇 章 等 を 受 授 し 允 と 簡 軍 に 述 べ あ る よ り す れ ば、 後 世 の 圓 珍 曾 傳 に あ る が 如 き、 梵 學 修 授 の 實 歌 に は 立 至 つ て 居 ら な か つ た も の と 信 す る の が 妥 當 で は な い か と 思 ふ の で あ る。 次 に 一 考 す べ き は 安 然 所 依 の 十 八 章 悉 曇 章 に 就 い て で あ る。 此 の 十 八 章 悉 曇 章 は 八 家 秘 録 に 南 天 竺 般 若 菩 提 悉 曇 十 八 章 安 然 嫁 二字 記 一方 具 出 二 諸 章 字 一 在 二 中 院 一 大 悉 曇 章 十 八 章 安 然 豫 二 字 記 一 唯 出 二 諸 轄 頭 一 上 二 大 江 君 一 と あ り。 悉 曇 八 家 請 來 井 本 朝 諸 製 作 見 定 目 録 に は 大 悉 曇 章 十 八 章 安 然、 嫁 二 字 記 元錐 二 十 八 章 字 母 二 上 二大 江 君 一 南 天 竺 般 若 菩 提 悉 曇 一 十 八 章 安 然 檬 二字 記 元方 出 二 諸 章 宇 一 在 二 中 院 一 と あ る。 ( 尤 も 八 家 秘 録 の 元 慶 九 年 本 に は 安 然 依 二 字 記 一 録 上 二中 院 一 と あ り、 仁 和 本 に は 上 二 中 院 一が 在 二 中 院 一 と あ る が 恐 ら く 上 二 中 院 一が 正 し く、 元 慶 寺 観 中 院 遍 昭 に 上 つ 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 七

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 八 た も の と 思 は れ る。 ) 即 ち 安 然 は 悉 曇 字 記 に 依 つ て 字 記 の 十 八 章 の 諸 韓 の 頭 字 を の み 書 し、 大 江 君 或 は 遍 照 に 上 つ た の で あ る。 此 れ に 依 つ て 観 れ ば 今 日 流 布 の 十 八 章 悉 曇 章 は、 安 然 の 字 記 に 依 つ て 梵 字 の み 書 出 し た も の で あ る 事 は 明 で あ る。 而 ら ば 此 の 安 然 所 記 の 十 八 章 悉 曇 章 の 所 依 で あ つ た 悉 曇 字 記 は、 三 農 如 何 な る 事 献 に 依 つ て 何 時 誰 人 に 依 つ て 請 來 せ ら れ た も の で あ ら う か。 八 家 秘 録 に は 七 曇 字 紀 二 巻 海 と あ り、 悉 曇 八 家 講 來 井 本 朝 諸 製 作 見 定 目 録 に は、 悉 曇 字 記 海、 題 云 二 悉 曇 字 記 一 述 べ て ゐ る。 高 組 の 請 來 録 に は 悉 曇 字 記 一 巻 と 書 し て、 共 に 其 の 字 記 の 作 者 名 を 墾 げ て ゐ な い の で あ る。 元 來 高 租 の 請 來 し た 此 の 悉 曇 字 記 を 智 廣 の 字 記 と 解 繹 し て ゐ る が、 此 れ は 創 學 抄 に 或 云 恵 果 受 智 廣 授 大 師、 或 云 大 師 直 受 智 廣、 な ど と も あ る に 依 つ て 想 像 的 に 解 繹 さ れ た も の で、 實 際 に 於 い て は 高 租 の 悉 曇 字 記 相 傳 に 就 い て は、 智 廣 が 受 學 し た と 云 ふ 般 若 菩 提 と 智 廣 等 と の 關 係 は、 共 に 禽 充 分 研 究 す べ き 餓 地 が あ る の で あ る。 若 し 高 租 が 智 廣 の 字 記 を 見 た と す れ ば、 已 に 十 八 章 も 具 足 建 立 さ れ て ゐ る の に、 何 故 に 綴 字 法 に 於 い て 梵 字 悉 曇 章 の 外 に、 十 八 章 建 立 の 綴 字 法 を 多 少 な り と も 囁 取 せ な か つ た の で あ ら う か。 梵 字 悉 曇 章 も 大 悉 曇 章 も 全 然 此 れ を 揺 取 せ な い の み な ら す、 吾 々 は 高 組 の 悉 曇 に 於 い て 全 然 十 八 章 の 名 目 さ へ 見 出 し 得 な い の で あ る。 し て 見 る と 高 租 の 悉 曇 字 記 は 輩 な る 悉 曇 聲 字 を 記 し た 庵 の で、 請 來 録 に 並 ん で 悉 曇 繹 一 巻 と あ る が、 此 の 所 謂 悉 曇 字 記 を 繹 し た も の が 恐 ら く 悉 曇 繹 一 巻 で は な か つ た ら う か と も 想 像 す る の で あ る。 此 等 高 組 御 請 來 の 事 歌 を 見 れ ば、 山 陰 の 字 記 は 高 組 蹄 國 よ り も 以 後 に 請 來 さ れ た も の で あ る 事 も 想 像 し 得 ら る る の で あ る。 高 租 御 請 來 の 悉 曇 字 記 を 山 陰 智 廣 の も の で 怨 い と す れ ば、 此 の 字 記 は 誰 人 が 請 來 し た も の で あ ら う か。 創 學 紗 中 に は、 高 野 東 照 院 字 記 奥 書 云、 或 字 記 云、 仲 字 記 最 後 入 唐 沙 門 照 念 律 師 之 相 從 作 者 智 廣 所 傳 受 也 と あ る。 照 念 は 血 脈 類 聚 記 等 に 依 れ ば、 宗 叡 に 随 從 し て 共 に 入 唐 求 法 し た 人 で あ る か ら、 或 は 相 共 に 二 人 は 作 者 智 廣 に 受 學 し 請 來 し た か も 計 り 難 い の で あ る、 而 し 宗 叡 の 請 來 録 に も

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な く 勿 論 灘 念 に 於 い て は 全 然 知 り 難 い の で あ る。 元 慶 四 年 に は 安 然 の 悉 曇 藏 が 成 り、 此 の 中 に 十 八 章 に 就 い て 論 じ て ゐ る か ら、 已 に 山 陰 字 記 の 存 在 し て を つ た 事 は 明 で あ る。 圓 珍 は 悉 曇 章 一 巻 十 八 章 者 此 土 不 具 と 元 慶 六 年 七 月 智 慧 輪 へ 迭 つ た、 上 智 慧 輪 三 藏 決 疑 表 の 中 に 述 べ て ゐ る が、 而 し 圓 珍 も 十 八 章 云 々 と 云 ふ 以 上 は、 已 に 悉 曇 章 の 章 段 に 就 い て 山 陰 字 記 を 讃 ん で ゐ 弛 も の か、 十 八 章 段 と な る 可 き も の ゝ あ る 事 は 充 分 了 知 し て ゐ た も の で あ ら う。 安 然 が 字 記 か ら 十 八 章 の 頭 字 を 書 出 し、 十 八 章 双 紙 を 造 つ て 大 江 君 や 遍 照 に 上 つ た 事 を、 記 し た の は 元 慶 九 年 或 は 仁 和 元 年 に 成 つ た 八 家 秘 録 中 に あ る の で あ る か ら、 十 八 章 悉 曇 章 が 全 く な つ た の は、 悉 曇 藏 の 成 つ た 元 慶 四 年 か ら 仁 和 元 年 に 至 る 凡 七 ヶ 年 程 の 間 で あ る と 言 つ て よ い の で あ る。 而 も 此 の 間 元 慶 六 年 に 圓 珍 が 十 八 章 者 此 土 不 具 と 述 べ て、 智 慧 輪 に 決 を 請 ふ た の は 如 何 な る 理 由 で あ る の か、 恐 ら く 此 れ は 悉 曇 字 記 や 或 は 悉 曇 藏 に 於 い て 十 八 章 な る 可 き 事 は 了 知 し て ゐ て も、 諸 悉 曇 章 本 の 如 く 十 八 章 段 の 悉 曇 章 ( 双 紙 的 の も の ) と し て 請 來 さ れ た も の で な か つ た 事 を 疑 念 し た 爲 め で あ ら う と 惟 ふ の で あ る。 安 然 は 已 に 講 來 さ れ た 諸 悉 曇 章 本 を 参 酌 し て 字 記 の 十 八 章 段 建 立 を 主 膿 と し て、 悉 曇 十 八 章 を 成 し た も の で あ る と 信 す る。 山 陰 字 記 の 請 來 は 以 上 の 事 状 を 綜 合 し て、 恐 ら く 揮 念 當 り の 請 來 で は な か ら う か と 推 察 す る の で あ る。 以 上 に 於 い て 諸 悉 曇 章 の 請 來 事 歌 を 述 べ た の で あ る が、 悉 曇 章 と し て は 大 罷 此 の 程 度 で あ つ た か と 察 す る の で あ る。 悉 曇 其 の も の ゝ 請 來 に 於 い て は、 筒 未 だ 述 ぶ 可 き 事 が 多 々 あ る の で あ る。 繹 林 寺 の 宗 叡 の 如 き も 悉 曇 章 を 講 來 し た 事 に は な つ て ゐ な い が、 悉 曇 を 傳 來 し た 事 は、 其 の 著 述 等 に 於 い て も 知 る 事 が 出 來 得 る の で あ る。 今 は 略 す る 事 に す る。 三、 諸 悉 曇 章 本 の 内 容 A 佛 哲 悉 曇 章 佛 哲 の 悉 曇 章 が 徳 川 時 代 頃 迄 相 傳 せ ら れ て ゐ た 事 は、 先 賢 の 悉 曇 註 繹 書 を 繕 け ば、 章 中 の 梵 字 が 顯 墾 さ れ て ゐ る 慮 か ら し て 了 解 出 來 る の で あ る。 此 等 の 註 繹 書 に 掲 げ 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 三 九

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四。 て あ る の は 輩 に 文 字 異 形 の 正 謹、 或 は 傍 謹 の 爲 め に 章 中 の 文 字 の み を 揚 け て ゐ る の で あ つ て、 章 其 の も の ゝ 内 容 に 至 つ て は 殆 ん ど 知 る 事 は 出 來 得 な い の で あ る。 今 日 尤 も 其 の 章 段 組 織 を 察 知 す る 事 の 出 來 得 る も の は、 安 然 の 悉 曇 藏 巻 三 章 藻 具 闘 中 に 於 い て " あ る。 こ れ も 多 少 其 の 章 の 初 め の 方、 編 命 句 を 載 せ て ゐ る 當 り と 各 章 段 の 頭 字 を 二 字 つ つ 載 せ て 十 四 章 と な る 可 き 事 を 墾 け て ゐ る 程 度 で、 章 段 全 般 の 内 容 に 至 つ て は 知 る 事 は 出 來 得 な い の で あ る。 而 し 十 八 章 建 立 を 眞 向 に 振 騎 し た 安 然 が、 他 の 異 な る 章 段 建 立 に 封 し て 何 程 の 容 赦 が あ ら う 筈 は な く、 相 容 れ ざ る 慮 は 必 す 揚 げ、 筆 諒 論 難 す れ ば 他 の 個 虚 に 於 て は 恐 ら く 十 八 章 建 立 の 内 容 に 相 似 の も の が あ つ た と 信 じ、 て よ か ら う。 悉 曇 藏 の 記 す る に 随 つ て 其 の 大 綱 を 畢 げ て 見 れ ば 次 の 様 で あ る。 悉 曇 藏 に は 所 載 な け れ 共、 寂 嚴 ( 二 三 六 二 -二 四 三 二 ) の 大 悉 曇 章 稽 古 録 ( 延 享 五 年 刊 ) に は、 佛 哲 本 初 云 二 悉 曇 阿 乞 又 洛 三 と 述 べ て あ れ ば、 恐 ら く あ つ た も の で あ ら う と 思 は れ る。 次 に 蹄 命 句 す ま み れ は あ て く と あ り、 次 に 閃 等 の 十 六 韻 字 摩 多 を 載 せ、 次 に 斎 確 等 の 五 五 句 の 農 文 を 揚 け、 次 に 遍 口 の 口 等 を 載 せ、 次 に 各 章 の 生 字 の 頭 字 二 字 づ ゝ を 載 せ、 此 の 各 々 の 頭 を 三 十 四 字 に 加 へ て 各 亦 十 二 字 を 生 す る も の で あ つ た 事 を 述 べ て ゐ る。 第 一 章 は 蚤 章、 第 二 み 章、 第 三 て 章、 第 四 費 章、 第 五 な 章、 第 六 ま 章、 第 七 な 章、 第 八 歪 章、 第 九 矛 章、 第 十 み 章、 第 十 元 な 章、 第 十 二 悪 章、 第 十 三 奮 章 で あ る。 章 段 の 藪 に 就 い て 合 十 四 章、 十 四 章 中 各 有 二 當 髄 重 農 一 亦 生 二 十 二 一 と 藏 に 抄 文 を 掲 げ て ゐ る が、 生 字 の 頭 字 は 十 三 ( 原 本 ) 字 な る 故 に 生 字 章 藪 は 十 三 章 で、 此 慮 に 十 四 章 と 云 へ る の は 恐 ら く 摩 多 農 文 を 一 章 と し て 藪 へ た も の と 思 へ る。 此 れ に 封 し 安 然 は、 今 見 悪 等 字 非 二 文 字 一 也、 而 編 爲 レ章 又 於 二 重 膿 一 生 二 十 二 字 一 未レ 合 二 梵 文 一 此 十 四 章 比 二 十 八 章 二只 是 初 八 章 也 唯 剰 二 な 漆 な ま て 等 五 章 一而 閾 二 第 九 已 下 十 章一。 と 述 べ て 輩 に 十 八 章 に 封 比 し て 黍、 等 五 字 の 剰 り た る 理 由 を 揚 け て ゐ な い の で あ る。 元 來 五 句 字 の 最 終 の 宇 中 み な 二 字 及 び 遍 口 字 の 中 の な と ひ で の 四 字 が 十 八 章 の 正 章 建 立 に 關 與 し て ゐ る 事 は、 此 等 の 字 が 清 濁 未 分 の 字 と し て 充 分 韻 に 類 す る 功 能

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が あ る も の と し て、 能 合 重 成 字 と し て 依 用 さ れ た も の で、 随 つ て 他 の び 等 建 及 び 遍 口 字 の ま ひ み そ 字 が 共 に 能 合 重 成 字 と し て 依 用 さ る 可 き も の で あ り 乍 ら び 篭 楼 字 は 外 面 常 に 濁 音 に 使 用 さ れ ま ひ み そ は 外 面 常 に 清 音 に 使 用 さ る る に 依 つ て の 理 由 か ら、 一 慮 直 接 正 章 に 關 與 せ ざ る も の と 云 は ゞ 清 濁 麓 顯 内 相 外 相 の 相 異 に 就 い て 分 別 さ れ た も の ゝ 様 で あ る ( 本 誌 第 五 十 二 號 ﹁ 悉 曇 梵 語 初 學 者 の 爲 め に ﹂ )。 今 佛 哲 本 に 於 い て は か ゝ る 分 別 を 慶 し、 其 等 の 相 異 の 理 由 か ら 離 れ て 能 合 重 成 字 と な る 可 き 正 當 な 理 由 に 依 つ て 箸 述 二 字 も 正 章 に 關 與 し て、 共 に な 章 漆 章 を 建 立 し て ゐ る の で あ る。 愚 章 は 悉 曇 字 記 十 八 章 本 に 於 て は 第 十 七 章 の 難 畳 章 に 馬 す る 一 頭 字 と し て 墾 げ て ゐ る の で あ る が、 佛 哲 本 に は 二 合 二 類 を 顯 す 一 章 と し て 此 れ を 墾 げ て ゐ る の で あ る。 此 の 二 合 二 類 に 就 い て 寂 嚴 の 大 悉 曇 章 稽 古 録 に は 玖 多 波 那 萌 記 ( 梵 字 悉 曇 章 妙 ) の 上 字 下 / 下 下 字 昇レ 上 の 二 字 合 類 の 相 を 塞 げ て ゐ る。 佛 哲 本 は 一 章 と し て な 章 を 建 立 し、 十 八 章 本 は 一 章 中 の 一 字 と し て 墾 げ た 慮 に 其 の 異 り が あ る の で あ る。 ま 章 に 就 い て 安 然 は 非 二 文 字 一 と 述 べ て ゐ る が 藏 三 の 最 後 に 於 て は、 三 合 中 亦 有 二 も 字 一 と 読 い て 師 自 身 が 迷 盲 の 無 分 別 に 困 惑 さ れ て ゐ る の で あ る。 佛 哲 本 は 属 字 を 以 つ て 異 重 の 上 下 中 間 に 合 す る 三 字 を 参 互 に 韓 加 す る 生 字 の 例 と し 一 章 と し て 暴 げ た も の で あ る。 安 然 は 大 師 の 大 悉 曇 章 を 藏 三 に 繹 す る 中 に 於 い て 此 の 理 の 存 す る 事 を 述 べ て ゐ る が、 非 二 丈 字 一 と さ へ 誤 謬 し た 師 の 解 繹 に は 爾 理 を 書 さ ざ る 黙 が あ る 様 に 思 は れ る の で あ る。 薪 章 に 於 い て 安 然 は、 而 な ( 恐 ら く 奮 字 歎 ) 一 字 尋 れ 之 無 突、 と 述 べ て ゐ る が 葡 字 は 司 字 を 諸 字 の 上 下 に 合 成 す る 二 類 の 中 に 存 し て ゐ る の で あ つ て 恐 ら く 安 然 所 覧 の 本 に 脱 落 せ る も の と 思 ふ の で あ る。 此 章 に 至 つ て は 他 の 諸 悉 曇 章 に も 殆 ん ど 無 い 様 に 見 受 け る。 此 れ も 三 合 の 形 を 暴 け て 生 字 の 例 と し た も の で あ ら う が、 寧 ろ 佛 哲 本 は ま 章 と 並 べ 建 立 し て 諸 悉 曇 章 本 通 じ て 昂 字 に 遍 口 の と ひ で 字 等 を 順 次 付 し て 立 章 す る 如 く、 第 十 二 章 に 悪 章 を、 第 十 三 章 に 蒲 章 を、 第 十 四 章 に 湧 章 を、 第 十 五 章 に み 章 を と 商 と ひ で な な 等 の 順 次 に 随 つ て 建 立 立 章 さ る 可 き 章 段 の 組 織 の も の に な り 得 可 き も の で は な か つ 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 一

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 二 た か と 想 像 す る の で あ る。 十 八 章 々 段 の 立 前 か ら の み 観 た 安 然 師 も 多 少 偏 見 の 難 は 発 れ 得 ま い と 思 ふ の で あ る、 而 し 此 章 本 も 十 八 章 建 立 様 式 と 同 類 で あ る 事 は 云 ふ ま で も な い の で あ る。 安 然 師 の 檬 に 削 二 な み れ て ま 等 孟 章 一 と 特 に 十 八 章 建 立 の み を 所 依 と し て 論 難 し な く と も よ か ら う か と 信 す る。 B 大 師 請 來 梵 字 悉 曇 章 弘 法 大 師 御 請 來 の 梵 字 悉 曇 章 に 就 い て 寂 嚴 ( 二 三 六 二 -二 四 三 一 ) の 梵 字 悉 曇 章 稽 古 録 ( 延 享 五 年 刊 )が あ り、 等 室 ( 二 四 六 三-二 五 一 七 ) の 梵 字 悉 曇 章 椎 輪 ( 文 化 三 年 刊 )が あ る。 大 悉 曇 章 に 就 い て は 史寂 嚴 の 大 悉 曇 章 稽 古 録、 観 理 房 快 澄 文 政 二 年 閣 筆 の 梵 字 大 悉 曇 章 建 立 記 等 が あ る。 筒 梵 字 悉 曇 章 並 大 悉 曇 章 に 就 い て 頼 寳 ( 一 九 三 六-一 九 九。 ) は 大 悉 曇 章 勘 註 を 著 し て ゐ る。 安 然 は 悉 曇 藏 巷 三 に 於 い て 大 悉 曇 章 に 就 い て 其 の 大 略 を 評 繹 し て ゐ る。 而 し 吾 々 の 注 意 す べ き 事 は 安 然 所 見 の 大 悉 曇 章 本 と 現 存 の 大 悉 曇 章 と の 同 不 同 に 就 い て で あ る。 一 の 古 版 本 の 凡 例 (弘 法 大 師 全 集 第 七、 二 三 五 頁 参 照 ) に も、 安 然 所 覧 之 本 封 二 考 此 本 一有 二不レ 同 者 一此 是 本 亦 有 二異 本 二 敏 と 述 べ て ゐ る。 今 此 慮 に は 梵 字 悉 曇 章 は 享 保 十 九 年 東 寺 観 智 院 賢 賀 の 版 本 に 依 り、 大 悉 曇 章 本 は 弘 法 大 師 全 集 本 に 依 つ て 其 の 内 容 の 大 方 を 究 め た い と 思 ふ の で あ る。 梵 字 悉 曇 章 は 最 初 に 蹄 敬 の 句 な み み な お て ひ で と あ り、 次 に 摩 多 字 母 閃 響 等 の 十 二 字 を 明 し、 次 に 農 文 字 母 す は 等 の で 字 を 除 き 三 十 四 字 を 揚 げ、 次 に 暑 等 の 四 文 を 揚 げ て ゐ る の で あ る。 摩 多 農 文 及 び 四 文 の 五 十 字 の 字 様 並 に 音 註 は 殆 ん ど 金 剛 頂 経 繹 字 母 品 に 相 似 て ゐ る の で あ つ て、 四 文 を 農 文 の 後 に 置 く 事 は 浬 葉 経 説 と 同 様 で あ る。 次 に 輩 字 の 韓 生 と し て す な 等 の 十 二 生 字 を 一 行 の み 出 し 他 の 此 れ に 順 す 可 き 事 を 顯 示 し て ゐ る。 次 に は 二 合 字 で あ る が 此 れ に 三 十 四 字 を 上 下 に 互 に 相 合 す る も の と、 み 字 を 三 十 四 字 の 上 に 合 す も の と、 字 農 を 並 合 す る も の と の 三 類 を 睾 げ て ゐ る の で あ る。 師 ち 一 の 場 合 は 歪 の 如 く 自 農 二 合 で あ り、 な 以 下 は 他 を 上 に 合 し、 下 に 合 す る の 二 類 を 示 し て ゐ る。 二 の 場 合 は あ 字 の 合 字 韓 生 で あ る が 此 は 十 八 章 建 立 の 字 記 に は 全 く 読 か ざ る 所 で あ つ て、 閃 字 は 元 來 能 生

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の 根 本 で あ つ て 所 生 の 相 の あ る 可 き も の で な し と さ れ て ゐ る の で あ る が、 大 師 相 承 に 深 旨 の あ つ た も の で 大 日 経 第 二 入 曼 茶 羅 具 縁 眞 言 品 第 二 之 鯨 中 に 云 何 眞 言 教 法 謂 阿 あ 字 門 二 切 諸 法 本 不 生 故 迦 品 字 門 ⋮ ⋮ と 云 ひ 大 師 又 十 住 心 論 に 此 れ を 繹 す る 中 に 於 い て 云 何 眞 言 教 法 謂 な み あ す な み て 乃 至 で ひ み そ 等 字 爲 二 本 母 一 各 各 字 有 二 十 二 韓 生 字 一 此 各 各 十 二 爲 レ 本 有 二 一 合 二 合 三 合 四 合 等 増 加 字 ⋮ ⋮ と 述 べ ら れ て ゐ る が、 か ゝ る 深 旨 に 依 つ て 建 立 さ れ た も の で は な か ら う か と 信 す る。 三 の 場 合 帥 ち 字 農 を 並 合 す る も の に 二 類 を 立 章 し て ゐ る。 第 一 は 肉 字 の 並 合 師 ち で 形 に て 第 二 は 双 珊 等 の 如 く 農 文 の 並 合 等 で あ つ て、 而 も 此 の 中 に は 十 八 章 建 立 に で ひ ふ す み し 等 を 能 合 字 と し て 立 章 す る 如 く、 引 こ 可 の 四 字 を 能 合 字 と し て 立 章 す べ き 事 を も 示 し て ゐ る の で あ る。 次 は 三 合 字 で あ る。 此 の 三 合 字 に 二 類 あ り て 第 一 は 型 字 三 合 字 で あ り、 こ れ に 閃 字 自 農 の 三 合 師 ち 凋蓑、 自 重 の 閃 字 の 上 下 中 間 に 議 等 の 三 十 四 字 を 合 成 す る 棄 等、 農 文 の 當 農 重 に 爆 字 を 上 中 下 に 合 成 す る 棊 等 の 三 種 あ り。 第 二 に は 農 文 の 三 合 成 字 に て 此 れ に 属 字 自 農 の 三 合 成 字 師 ち 黍、 自 重 の あ 字 の 上 中 下 に 珂 等 の 三 十 三 字 を 合 成 す る 譲 等 の 二 種 類 が 墾 げ ら れ て ゐ る の で あ る。 次 に 四 合 字 で あ る が 此 れ に 又 二 類 あ り て、 第 一 は 扇 等 自 重 の 四 合 師 ち 黍 等、 第 二 は 自 農 三 合 成 字 に 他 の 一 字 を 上 下 に 合 成 す る さ翁 等 の 二 種 類 で あ る。 此 等 一 二 三 四 合 成 の 生 字 を 七 巻 に 別 ち、 更 ら に 此 れ を 上 下 二 巻 に 識 別 し て ゐ る の で あ つ て 爾 己 上 七 巻 と あ る 以 下 に て 密 ひ 毫 健 堀 已 上 大 悉 曇 已 出 私 記 と 書 し て 二 二 三 四 合 の 諸 字 を 載 せ 四 合 字 の 十 二 韓 生 を 多 少 載 し て を り、 最 後 に 各 巻 の 生 字 の 惣 教 等 を も 書 し て ゐ る が、 此 れ に も 脱 落 が あ つ て 恐 ら く 原 本 は 已 上 七 巻 迄 で あ つ て、 其 れ 以 下 は 後 人 が 全 巻 の 農 載 を 二 見 に 便 ぜ ん が 爲 め に 附 加 し た も の で あ る と 思. 両 の で あ る。 而 も 此 の 附 加 し た 入 は 此 の 章 本 が 梵 字 悉 曇 章 本 か 或 は 大 悉 曇 章 本 で あ る の か 全 然 識 別 が な か つ た と 見 え て 大 悉 曇 と 書 し て ゐ る。 而 し 此 の 識 別 は 輩 に 爾 本 の 匿 別 で は な く、 無 量 廣 大 な る 意 味 で 大 悉 曇 と 書 し た も の で あ つ た か も 計 り 難 い が、 恐 ら く 其 の 文 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 三

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 四 意 か ら し て 前 者 で あ つ た ら う と 信 す る の で あ る。 此 章 本 の 合 成 字 を 其 の 頭 字 の 所 生 に 随 つ て 全 農 を 顯 示 し て み る な ら ば 其 の 字 数 十 一 萬 一 千 四 百 計 四 字 と 後 人 附 加 の 総 計 に 述 べ ら れ て ゐ る。 悉 曇 章 建 立 梵 字 の 無 壷 な る 實 に 遺 憾 な く 示 し て ゐ る も の と 思 は れ る。 か ゝ る 生 字 の 頭 字 の み を 墾 け て ゐ る 此 章 本 で あ れ ば 参 少 其 の 間 に 於 い て 脱 落 或 は 頭 字 の 前 後 雑 齪 等 の 難 は 発 れ 難 い も の で あ る と 云 は ね ば な ら ぬ の で あ る。 玖 多 波 那 繭 記 ( 梵 字 悉 曇 章 中 紗 ) に は 或 左 字 移 右 右 字 越レ 左、 或 上 字 下 レ 下 下 字 昇 レ 上、 或 内 字 出 レ 外 外 字 入 レ 内、 或 一 上 重 レ爾 爾 上 重レ 雨、 或 一 上 重 レ 一二 三 上 重 レ 一、 或 爾 鮒 加 レ 一 一 側 加レ 三、 片 見 爲 レ 首 片 見 爲 レ 尾、 片 見 爲 レ内 片 見 爲 レ 外、 と 述 べ て ゐ る が、 此 の 事 駄 は 恐 ら く 此 章 本 の 合 成 生 字 の 事 歌 を、 適 切 に 述 べ て ゐ る も の で は な い か と、 推 察 す る の で あ る。 大 悉 曇 章 は 大 師 の 御 作 目 録 に 於 い て も 所 載 の も の は 二 三 に と ど ま つ て を り 其 の 巻 数 に 於 て も 或 は 一 巻 と 云 ひ 或 は 二 巻 と 墾 げ て ゐ る。 而 し 何 れ に 於 て も 安 然 の 八 家 秘 録 に 海 和 上 作 と 云 へ る に 依 る も の で あ る 事 は 明 で あ る。 安 然 悉 曇 藏 巻 五 に、 室 海 和 上 之 傳 並 有 二 口 受 二難 レ載 二文 書 三 云 々 と あ れ ば 此 の 章 本 は 前 梵 字 悉 曇 章 本 に 大 唐 傳 來 の 口 傳 を 加 附 し 爾 本 を 互 顯 し 彼 此 詳 略 し た も の で あ ら う。 最 初 に 佛 哲 本 と 同 じ く 個 ぐ 型 昏 趣 と 載 せ 次 に 蹄 敬 の 句 イ ヰ み な 言 司 個 く と 載 せ、 次 に 型 等 の 摩 多 を 墾 げ て ゐ る。 前 梵 字 は 悉 曇 章 本 に 浬 葉 経 読 と 同 様 に 四 文 の 配 置 を 農 文 の 後 に 加 へ た の で あ つ た が 此 本 に て は 特 に よ 字 の 次 に 此 れ を 加 へ て ゐ る の で あ る が 此 れ は 梵 字 悉 曇 字 母 並 繹 義 と 同 じ く 金 剛 頂 経 読 に 依 れ る も の で 浬 葉 経 読 を 金 剛 頂 経 説 に な し た 事 は 大 師 が 密 宗 所 依 の 経 典 に 依 つ て 政 攣 し た も の で、 實 に 此 の 一 事 が 大 悉 曇 章 を 大 師 の 御 作 と す る に 確 謹 と な る 可 き も の で は な か ら う か と 信 す る の で あ る。 最 初 に 昂 字 の 十 二 韓 生 を 墾 け 輩 字 の 所 生 の 例 を 示 し、 次 に 垂 轟 等 の 二 合 二 類 の 合 成 の 建 立 を 墾 げ て ゐ る が 殆 ん ど 此 れ は 梵 字 悉 曇 章 所 載 の も の に 等 し く 其 の 間 字 形 に 於 い て 或 は 多 少 異 字 を 用 ひ 別 農 字 を 用 ひ て ゐ る 貼 も あ る が 勿 論 其 の 義 趣 に 於 て は 攣 る 事 な く 建 立 の 式 相 に 於 て も

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亦 憂 る 事 は な い の で あ る。 而 し 此 腱 に 注 意 す 可 き 事 は 此 二 合 字 を 本 末 爾 巻 に 亙 つ て 畢 け る に 際 し て 本 巻 の 最 後 に 當 然 あ る 可 き な へ 誉 の 三 字 を 末 巻 の 最 初 に 特 に 纂 け て ゐ る 馳 で あ る。 此 の 事 に 就 い て 大 悉 曇 稽 古 録 に は 右 三 字 自 二 上 巻 一來 恐 有 二 深 旨 在 一學 者 更 詳 と 述 べ、 梵 字 大 悉 曇 章 建 立 記 に は、 私 云 此 末 中 第 三 十 三 章 初 出 二 啓 乗 き 三 字 一 但 於 二梵 章 ニ(梵 字 悉 曇 章 )屡 二 第 二 十 二 章 終 一然 今 於 二 大 章 一 ( 大 悉 曇 章 ) 末 巻 最 初 出レ 之 不 レ 知 二 其 所 由 一蓋 此 原 本 二 巻 別 爲 二 二 巻 一故 爲 レ顯 二 其 起 蓋 二如 レ 斯 敏 后 賢 考 訂 二 正 之 一 と 述 べ、 安 然 悉 曇 藏 巻 三 に は 此 本 末 爾 巻 の 擁 屡 の 鮎 を 次 の 如 く 述 べ て ゐ る。 部 ち 次 合 二 諸 字 下 一寛 乃 至 合 二 哺 字 一寛 云 二 大 悉 曇 章 本 一次 云 一三 大 悉 曇 章 末 二 本 末 都 合 一 萬 六 千 五 百 五 十 字 此 巷 有 ニ 八 千 六 百 四 字 二 次 安 二 わ 字 一又 從 二 姓 字 一如 レ 前 自 農 重 成 合 二 諸 字 下 一 と。 安 然 所 覧 の 本 に は 末 巻 の 最 初 に わ 字 が あ り、 而 も 直 に 蛇 字 (の 字 ) の 自 農 重 成 字 が あ つ た 事 に な り、 本 巻 最 後 は 諸 字 の 下 に 哺 字 (の 字 ) が 合 成 し 寛 つ て ゐ る 事 に な つ て ゐ る。 こ れ に 依 つ て 見 れ ば 弘 法 大 師 全 集 所 載 の 現 流 古 版 本 も 快 澄 及 び 寂 嚴 所 覧 の 本 も、 共 に 安 然 所 覧 本 と 已 に 異 本 で あ る 事 に な る の で あ る。 思 ふ に 此 れ は 後 世 何 人 か に 依 つ て 本 末 二 巻 を 爾 巻 に 全 く 切 離 し て 二 本 と な し た 時、 上 巻 と 下 巻 と の 合 成 の 連 絡 を 一 見 に 知 ち ん が 爲 め の 便 宜 に な さ れ た も の で は な か ら う か と 信 す る。 次 に 三 合 字 で あ る が 最 初 に 自 農 三 合 字 郎 ち 黍 等 を 纂 け て ゐ る。 こ れ も 梵 字 悉 曇 章 の 如 き 繁 を 避 け て 五 五 句 の 首 と 尾 の 二 字 宛 を 載 せ 而 も 此 の 中 に 於 い て す らのひ 二 字 は 写 行 に 囁 し て 除 き 專 ら 簡 に 其 の 要 を 蓋 さ ん と し て ゐ る。 遍 口 に 於 て は 八 字 中 前 の 司 と 後 の 二 字 の 凋 砺 の 自 農 三 合 の み を 載 せ て 他 の 中 間 の 四 字 ひ で み 叫 は 是 れ を 略 し て ゐ る の で あ つ て 實 に 要 を 得 た も の と 知 る 可 き で あ る。 安 然 は 此 の 深 旨 を 察 せ す し て か 脱 落 錯 誤 自 顯 と 誹 誘 し て ゐ る が 當 を 得 た 言 で あ ら う か。 次 に 三 合 字 中 自 重 字 の 上 下 中 間 に 昂 を 合 成 し て 所 生 す る 字 農 を 墾 げ て ゐ る。 次 に は 三 合 字 中 二 箇 の 品 字 を 以 つ て 諸 異 重 の 上 中 下 に 合 成 す る 三 合 異 重 所 生 の 字 農 を 墾 け て ゐ る。 次 に 一 箇 の 閃 字 を 以 つ て 8 等 の 自 重 字 の 上 中 下 に 合 成 し て 所 生 す る も の を 墓 け て ゐ る。 此 腱 に 附 言 す べ き は 此 の 大 悉 曇 章 本 に も 梵 字 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 五

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 六 悉 曇 章 本 と 同 じ く 閃 字 の 合 字 韓 生 の あ る に 拘 ら す 二 合 字 に 於 け る 或 は 並 字 に 於 け ゐ そ れ の な い 事 で あ る。 恐 ら く 諸 悉 曇 章 本 に も 閃 字 の 合 字 韓 生 は 無 き 爲 め、 前 述 の 如 き 環 字 の 深 旨 あ る 事 は 大 師 の み 特 に 講 來 な る が 爲 め に 此 章 編 述 に 當 つ て 除 い た も の と 思 は れ る。 特 に 此 の 章 本 に 三 合 字 の み に 限 つ て 此 れ を 用 ひ た の は、 二 合 字 に 比 し て 實 際 上 三 合 字 に よ り 多 く 存 す る 所 以 の 理 由 か ら で あ ら う と 想 像 す る の で あ る。 特 別 に 此 の 三 合 字 の 場 合 に 置 い た 大 師 の 編 述 の 苦 心 は 想 像 以 上 の も の で あ る 事 を 察 し ね ば な ら ぬ の で は あ る ま い か。 此 の 型 字 所 合 の 諸 字 に も 二 三 方 式 に 合 は ざ る も の も あ る が、 此 れ は 直 に 了 解 出 來 る も の で あ る か ら、 恐 ら く 爲 誤 で あ る 事 は 云 ふ ま で も な い 様 で あ る。 次 に 異 字 互 合 の 三 合 字 で あ る が 此 の 中 に は 斎 字 を 以 つ て 諸 異 重 の 上 中 下 に 合 成 し て 所 生 す る 字 と 同 字 の も の が あ る が、 此 の 場 合 は 一 切 字 互 に 合 成 す る 所 謂 能 合 所 合 必 し も 一 定 の 攣 化 を 守 ら す、 上 下 韓 換 し て 千 態 萬 歌 流 派 無 蓋 を 顯 す も の で、 決 し て 前 述 の も の と 錯 雑 す べ き も の で は な い の で あ る。 次 に 四 合 字 で あ る が 此 れ に な ひ ま で の 爾 々 相 合 と 黍 桑 の 三 二 相 合 と 異 字 四 合 郎 ち 二 切 字 の 互 に 合 す る 例 へ ば 勒 字 等 の 如 き で あ る。 以 上 が 大 悉 曇 章 本 の 生 字 の 大 略 で あ つ て、 字 歎一 萬 六 千 五 百 五 十 字 其 の 間 多 少 の 爲 誤 も あ る が、 此 等 は 恐 ら く 後 人 の 不 明 の 至 す も の で あ る か と 思 ふ。 安 然 悉 曇 藏 に 依 る に 已 に 此 の 時 代 に 傳 爲 の 本 も あ つ た と 見 え て、 師 の 評 註 に 今 見 某 誤 可 レ作 レ某 と あ り。 或 は 見 多 二 疑 字 元斜 酌 可 レ 除 と あ れ 共、 此 等 の 誤 謬 脱 落 は 前 述 の 如 く 何 れ も 其 の 生 字 合 法 の 式 相 か ら 考 へ 至 れ ば、 庸 凡 の 者 と 錐 も 決 し 得 る も の に て、 此 れ を 以 つ て 作 者 大 師 の 誤 り と な す は 不 明 の 極 る も の と 云 ふ 可 き で は な か ら う か。 安 然 は 此 の 章 本 の 所 生 字 を 以 つ て 輩 に 暗 推 の 字 と 評 す、 反 つ て 師 の 此 の 言 は 無 法 に は 非 ら ざ る か。 安 然 所 豊 本 に は 四 合 字 の 次 に 遇 ( 娑 婆 摩 羅 ) の 十 二 韓 生 字、 次 に 嬰 (婆 摩 娑 羅 ) の 十 二 韓 生 字 を 墾 け て ゐ る。 此 の 事 は 寂 嚴 及 び 快 澄 所 覧 本 も 無 つ た と 見 え て 其 の 註 繹 書 に 載 せ て ゐ な い 様 で あ る。 古 版 本 (弘 法 大 師 全 集 所 載 ) の 巻

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首 凡 例 と 墾 ぐ る 中 に は、 此 本 之 次 載 二 二 三 梵 章 一 共 牧 爲 二 一 巻 一亦 有 レ 之 先 師 賢 寳 以 爲 二 別 巻 一今 亦 随レ 之 耳 と あ る が、 恐 ら く 二 三 梵 章 と は 此 の 爾 十 二 韓 生 字 の 事 で は な か つ た の で は な か ら う か。 安 然 は 此 の 十 二 韓 生 字 に 就 い て 藏 三 大 悉 曇 章 を 繹 す る 最 後 に 近 き 所 に、 今 見 二 最 初 軍 章 三 已 出 二 迦 字 十 二 韓 字 一亦 出 二 乞 又 十 二 韓 字 二 最 後 四 合 結 出 二 瀧 蹟 摩 羅 二 番 十 二 韓 字 一 欲レ 令 三 中 間 軍 字 二 合 三 合 四 合 皆 成 二 十 二 韓 元故 と 述 ぺ て ゐ る が、 此 れ は 作 者 の 淵 旨 を 良 く 汲 め る も の で あ つ て、 章 本 と し て も 此 の 言 の 如 く、 此 の 章 本 の 梵 字 韓 生 の 軌 法 か ら し て、 師 所 覧 本 の 方 が 良 い 様 に 思 は れ る の で あ る。 弘 法 大 師 請 來 の 悉 曇 章 と し て 此 の 爾 本 の 外 に 前 述 の 如 く 八 家 秘 録 に は 録 外 の も の と し て 羅 什 悉 曇 章 一 巻、 謄 波 城 悉 曇 章 一 巻 が 各 々 あ る。 此 の 二 巻 は 共 に 大 師 の 御 請 來 録 に も 無 く 又 安 然 自 身 も 八 家 秘 録 に 載 せ 乍 ら 悉 曇 藏 に は 全 然 此 れ を 墾 け て を ら ぬ 様 に 思 は れ る。 こ れ は 恐 ら く 安 然 當 時 に 於 い て 已 に 失 本 で あ つ た も の で あ ら う。 而 し 羅 什 悉 曇 章 に 就 い て は 宗 叡 請 來 に て 羅 什 翻 課 の 浬 彙 経 悉 談 章 と い ふ も の が 一 巻 あ る ひ 西 山 安 樂 寺 行 願 ( 二 四 一。 頃 ) は 其 の 著 註 梵 字 次 第 記 に 附 録 と し て 此 の 悉 曇 章 を 塞 げ て ゐ る。 比 叡 山 東 塔 南 漢 藏 實 露 藏 本 の 窮 本 に は 奥 書 に、 本 云 感 通 三 年 十 月 世 日 於 明 州 開 元 寺 就 和 上 姓 馬 氏 爲 之 と あ り 宗 叡 入 唐 の 年 で あ れ ば 此 れ は 正 し く 宗 叡 請 來 本 に し て、 弘 法 大 師 講 來 の 羅 什 悉 曇 章 と は 全 然 別 の も の で あ る 事 が 略 ぼ 察 せ ら れ る の で あ る。 實 難 も 此 の 爾 者 に は 多 少 迷 が あ つ た と 見 え て 同 爲 本 の 奥 書 に 照 林 録 云 浬 葉 経 悉 談 章 一 巻 羅 什 三 藏 翻、 課 紙 九 張 八 家 秘 皿録 云 羅 什 悉 臼雲 立 早 一 巻 海 錐、 外 大 浬 葉 経 如 來 性 品 十 四 者 義 二 巻 羅 什、 仁、 叡、 是 爾 本 然 一 巷 著 二 朱 詠 一 爲 レ 別 と 私 に 其 の 疑 念 を 顯 し て ゐ る の で あ る。 し て 見 る と 吾 々 は 今 日 此 の 録 外 の 大 師 講 來 の 二 悉 曇 章 本 は 其 の 如 何 を 窺 ふ 事 は 殆 ん ど 出 來 得 な い も の で あ る と 思 ふ。 C、 常 曉 請 來 悉 曇 章 此 の 章 本 に 就 い て 悉 曇 藏 巻 三 に 立 章 の 大 略 を 睾 け て ゐ る。 師 ち 初 に 蹄 敬 句 解 潤 副 逡 お 司 そ 斜 密 と 載 せ、 次 に 閃 等 の 五 十 字 母 が あ り 第 一 章 は 蚤 字 の 所 生、 第 二 章 悪 字 の 所 生、 第 三 章 尋 字 の 所 生、 第 四 章 費 字 所 生、 第 五 章 登 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 七

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 八 字 所 生、 第 六 章 琉 字 所 生、 第 七 章 気 字 所 生、 第 八 章 詮 字 所 生、 第 九 章 蚕 字 所 生、 第 十 章 議 字 所 生、 第 十 二 章 訴 字 所 生 字 と 十 一 章 を 塞 け 各 章 の 下 に 多 少 所 生 の 字 を 載 せ て ゐ る。 此 等 の 所 生 字 の 中 に は 鼠 脱 多 く 蹄 敬 句 中 凋 費 を 頚 才 と 誤 つ て ゐ る 事 を 述 べ 立 章 の 頭 字 及 び 立 章 の 順 位 に あ つ て も 前 後 無 次 第 の 如 き 燗 脱 が あ り 或 三 章 の 所 生 字 を 他 の 章 の 頭 字 に な し て ゐ る 等 の 如 き も あ る の で あ つ て、 安 然 は 此 の 瀾 脱 に 就 い て、 今 尋 二類 例 二爲 二 十 二 立早 一⋮ ⋮ 多 少 脱 落 之 字 可 下縁 二字 母 一尋 上之 と 述 べ、 第 五 章 矛 頭 字 以 下 第 六 章 に は 第 七 章 頭 字 の 喬 字 で あ り、 第 六 章 頭 字 現 字 は 舜 字 の 誤 り に て 第 七 章 頭 字 と な る 可 き で あ り、 第 八 章 は 歯 頭 字、 第 九 章 は 縫 字、 第 十 章 は 垂 字、 第 十 一 章 翫 字 に 各 な る 可 き で あ る 事 を 顯 示 し て ゐ る。 安 然 は 只 に 十 八 章 本 を 所 依 と し て ゐ る 爲 め に 多 少 其 慮 に 無 理 な と こ ろ も あ る。 例 へ ば 墨 蚕 の 頭 字 立 章 の 如 き は 農 文 配 列 の 順 位 か ら す れ ば、 能 合 字 と し て 齪 の 頭 字 立 章 の 先 に 位 す 可 き も の で は な か ら う か と 思 は れ る。 常 曉 の 此 章 本 の 請 來 の 事 は 師 の 請 來 録 に も な い の で あ つ て、 師 の 入 唐 以 來 安 然 の 悉 曇 藏 の 成 る 元 慶 四 年 迄 凡 四 十 三 年 の 間 に 此 の 如 く 瀾 脱 の あ る 事 は、 常 曉 の 請 來 と し て も 輩 に 入 唐 受 學 の 節 忽 卒 の 間 に あ つ た も の で、 師 自 身 も 恐 ら く 未 再 治 の ま ゝ 請 來 し、 而 も 此 れ が 其 の ま、 流 布 さ れ て ゐ た も の と 信 す る。 師 が 眞 に 再 治 し た も の と す れ ば、 僅 か 四 十 年 間 に か ゝ る 雑 鰍 は な か つ た も の と 思 は れ る。 師 の 請 來 録 に 載 せ ざ る 事 も、 師 に と つ て は か、 る 重 要 な も の と は 思 ひ 至 ら な か つ た も の で、 師 の 悉 曇 受 學 も 實 に 思 ひ 牛 に 過 ぐ る も の が あ る の で あ る。 D、 圓 行 請 來 悉 曇 章 圓 行 の 悉 曇 章 は 初 に て 悉 く 曇 閃 阿 奇 乞 又 番 洛 と あ り、 次 に な 那 ま 摩 み 薩 す 鷲 お 若 て 野、 次 に ひ 悉 武く 曇 と あ り、 次 に な 阿 酷 阿 引 等 の 十 六 宇、 次 に す 迦 は 怯 等 の 三 十 四 字、 次 に す み ぐ み ぐ ま ( ま 敏 ) 歪 ぐ み れ 蛋 の 十 一 頭 字 を 出 し 十 一 章 を 建 立 し、 而 も 此 の 各 章 段 の 終 にの 字 を 安 じ て ゐ た 事 を 藏 三 に は 抄 述 し て ゐ る。 此 の 章 本 に 於 て は 歪 字 を 墾 ぴ 立 章 し て を れ 共 馨 字 の 立 章 を 除 い て ゐ る。 此 れ は 當 然 あ る 可 き 章 で あ つ て、 蛋

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字 の 立 章 も 佛 哲 本 の 如 く 十 八 章 本 の 第 十 七 難 豊 章 に あ る 一 字 を 一 章 と し て 建 立 し た の で あ り、 蛋 も 常 曉 本 と 等 し く、 十 八 章 本 の 第 十 五 異 章 の 最 初 の 一 字 奮 字 を 二 章 と し て 建 立 し た も の で あ つ て 別 意 の 存 す る も の で は な い。 而 共 安 然 は 比 二十 八 章 一只 是 初 八 章 也 唯 剰 二 歪 奮 翫 等 三 章 二而 無 二 後 十 章 二也 と 述 べ て 共 に 立 章 の 三 字 に 非 ざ る 事 を 付 言 し て ゐ る の で あ る。 E、 圓 仁 請 來 悉 曇 章 圓 仁 慈 豊 の 請 來 悉 曇 章 に は 前 述 の 如 く 全 雅 和 上 傳 與 本 と 大 安 國 寺 元 簡 傳 與 の 大 安 國 寺 本 と あ る。 此 れ に 青 龍 寺 に 於 い て 寳 月 三 藏 親 受 の 口 傳 と 師 の 悉 曇 學 は 他 の 諸 師 に 比 し て 可 成 の 精 細 を 極 め て ゐ る も の と 言 つ て よ い。 現 存 す る 章 本 と し て は 全 雅 傳 與 本 が あ る。 天 明 七 年 如 來 藏 本 を 以 つ て 爲 し 東 寺 槻 智 院 本 を 以 つ て 校 合 し た 台 嶺 實 籔 師 の 爲 本 に 依 つ て 見 れ ば 悉 曇 藏 に 其 の 大 略 を 墾 け て ゐ る も の と 其 の 内 容 に 於 い て 殆 ん ど 攣 り が な い。 最 初 に 大 日 経 巻 五 字 輪 品 第 十 の 中 な 都 増 刈 な す 育 却 紳 以 下 全 文 を 揚 け 次 に あ な 割 み 魚 才 す 育 却 閃 わ 弓 み 宅 判 望 す 恋 ぐ 却 み わ 罫 賢 み 跡 却 ご 尋 丞 で と 載 せ て ゐ る。 此 の 三 句 最 後 字 は 胎 藏 界 三 部 の 種 子、 郎 ち 佛 部 の 種 子 騨、 蓮 華 部 の 種 子 凋、 金 剛 部 の 種 子 ご 字 を 各 の 揚 げ た も の に て 所 謂 三 部 蹄 命 眞 言 を 登 載 し た も の と 信 す る。 次 に 可 割 増 す 言 司 そ 斜 倍 こ 慈 と 一 切 智 梵 章 に 蹄 敬 し て 聖 の 加 被 を 講 け 此 章 を 流 布 せ ん と し て 魔 事 な か ら ん 事 を 所 り 次 に 正 し く 悉 駄 と し て な ま 等 の 摩 多 農 文 五 十 二 字 を 載 せ て ゐ る。 特 に 注 意 す べ き は 此 の 農 文 の 五 五 句 の 中 に 於 い て 第 五 句 字 皆 共 に 浬 葉 貼 を 附 し で 添 透 蒸 神 と 爲 し て ゐ る 事 で あ る。 遍 口 聲 の 奇 字 に 於 い て も 舜 字 と 浬 葉 鮎 を 附 し て ゐ る。 こ れ に 就 い て 藏 三 に は ⋮ ⋮ 皆 剰 二・・ 鮎 一 並 可レ 除 也、 と 塞 け て 浬 彙 鮎 を 除 去 す べ き を 述 べ て ゐ る。 此 の 安 然 の 見 解 は 一 往 の 義 で あ つ て、 再 往 此 れ に は 大 日 経 所 載 梵 字 の 深 旨 を 特 に 引 用 せ ん が 爲 め に 附 與 し 弛 も の で は な か ら う か と 信 す る。 大 日 経 に は 五 々 句 の 第 五 字 ど 等 墜 可 潤 に 就 い て 短 字 ぞ 予 み 可 み 長 黙 の び 添 硫 岬 尋、 塞 鮎 の さ 添 朔 し み、 捏 葉 字 の て で 可 ま の 四 種 を 他 の 字 農 と 別 に 揚 け て ゐ る の で あ つ て、 此 の 全 雅 悉 曇 本 最 初 に 三 部 の 種 子 に 浬 葉 鮎 を 附 し 次 に 五 々 句 本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 四 九

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本 邦 傳 流 諸 悉 曇 章 異 本 小 孜 五〇 の 第 五 字 を 除 い た 二 十 字 に 共 に 浬 葉 鮎 を 附 し て ゐ る も の を 載 せ て ゐ る を 襯 れ ば 特 に 浬 葉 究 寛 の 勝 理 極 果 を 悉 曇 に 依 つ て 顯 示 せ ん が 爲 め の 勝 因 に 依 れ る も の で 五 句 の 後 に 位 す る 慮 か ら 農 文 の 最 後 舜 字 等 と 共 に 特 に 浬 葉 瀦 を 附 し た も の と 推 察 せ ら れ 得 る の で あ つ て 寧 ろ 安 然 の 言 は 何 分 輕 率 で は な か つ た か と 思 は れ る の で あ る。 章 段 建 立 に 就 い て 第 二 に 昂 等 三 十 四 字 の 十 二 韓 生 を 載 せ、 第 二 翻 襲 生 一 切 義 と し て 沓 章、 第 三 翻 雑 入 種 智 義 と し て ぐ 章、 第 四 翻 二 合 入 字 本 義 と し て 舌 章、 第 五 翻 遍 求 次 位 義 と し て ぜ 章、 第 六 翻 入 二 切 音 義 と し て 委 章、 第 七 翻 韓 韓 入 漸 廣 義 と し て 再 章、 第 八 翻 盤 初 句 義 と し て 薮 章、 第 九 翻 漸 韓 相 因 義 と し て 季 章、 第 十 翻 勝 蔓 漸 近 菩 提 義 と し て 舜 章、 第 十 二 翻 獲 生 種 智 牙 義 と し て 嵩 章、 第 十 二 翻 韓 韓 義 生 趣 成 就 味 義 ( 東 寺 本 義 味 也 ) と し て 麓 章、 第 十 三 翻 成 一 切 菩 提 義 脱 を 載 せ て ゐ る の で あ る。 此 の 十 二 義 に 就 い て 見 る に 最 初 の 昂 章 に 其 の 義 が 記 せ ら れ す 而 も 第 十 三 章 に は 翻 成 二 切 菩 提 義 脱 と し て 如 何 な る 立 章 で あ る の か 梵 字 も 載 せ す 只 に 脱 の 二 字 の み こ れ を 注 し て ゐ る の で あ る が、 恐 ら く 此 れ は 各 章 の 終 り に 此 の 義。 か 附 せ ら れ た も の で 例 へ ば 第 二 翻 襲 生 一 切 義 に 於 い て は 第 一 の 韻 章 の 章 の 終 り に 獲 生 二 切 義 は 有 る 可 き も の で あ り、 第 二 翻 は 次 章 郎 ち る 章 の 章 段 の 順 位 を 示 す も の で あ つ て 第 二 翻 と 獲 生 二 . 切 義 と は 全 く 別 の も の で あ る 様 に 思 へ る。 次 の 章 に 於 い て も 同 様 に て 第 三 翻 は 第 三 章 の 章 段 の 順 位 を 示 し、 第 二 章 の 章 義 が 雑 入 種 智 義 と な る 可 き も の で 以 下 各 章 段 順 位 章 義 第 十 二 章 に 至 る ま で か く な る 可 き も の で 最 後 に 至 り 成 二 切 菩 提 義 は 矢 張 り 第 十 二 章 の 章 義 で あ り 第 十 三 翻 は 筒 次 章 を 示 さ ん が 爲 め の も の で あ る と 思 は れ る。 脱 字 二 字 は 第 十 三 翻 の 立 章 を 脱 す る の 意 味 を 有 す る 註 と 信 す 可 き も の で あ る。 而 る に 第 十 二 章 の 韓 生 字 最 後 の 檬 字 の (東 寺 後 に 己 に 此 の 梵 章 終 れ る を 示 せ る で ま す み な ひ 夜 み 々 本 煮 肉 ) 関 個 窃 の 文 の 存 す る 事 で あ る。 已 に 此 の 文 の 存 す る 已 上 第 十 三 翻 脆 を 書 せ る は 如 何 な る 事 を 示 せ る も の で あ ら う か。 安 然 所 覧 本 己 に 如 斯 章 の 農 裁 で あ つ た の か 藏 三 に ⋮ ⋮ ⋮ 次 有 二 二 十 二 章 二 帥 十 二 義 毎 レ 至 二 章 終 一可 レ着 二 其 義 一而 着 二 二 章 已 下 毎 章 之 初 一至 二 第 十 三 一注 レ 脱 誤 突 若 不 レ 爾 者 其

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  第二項  性別死産牽

III.2 Polynomial majorants and minorants for the Heaviside indicator function 78 III.3 Polynomial majorants and minorants for the stop-loss function 79 III.4 The

191 IV.5.1 Analytical structure of the stop-loss ordered minimal distribution 191 IV.5.2 Comparisons with the Chebyshev-Markov extremal random variables 194 IV.5.3 Small

代表研究者 小川 莞生 共同研究者 岡本 将駒、深津 雪葉、村上