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二次高調波発振を用いた高周波パルスジャイロトロ ンの開発

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Academic year: 2021

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二次高調波発振を用いた高周波パルスジャイロトロ ンの開発

著者 小笠原 慎也, 斉藤 輝雄, 立松 芳典, 藤井 彰仁,  山田 尚輝, 小川 勇, 出原 敏孝, 野竹 隆志, 久保 伸, 下妻 隆, 田中 謙治, 西浦 政樹

雑誌名 遠赤外領域開発研究

巻 11

ページ 7‑11

発行年 2010‑07

URL http://hdl.handle.net/10098/2732

(2)

二次高調波発振を用いた

高周波パルスジャイロトロンの開発

Development of high-frequency pulse gyrotron

at the second harmonic oscillation

小笠原慎弥1、斉藤輝雄1、立松芳典1、藤井彰仁1、山田尚輝1、小川勇1、出原敏孝1、 野竹孝志2、久保伸3、下妻隆3、田中謙治3、西浦正樹3V. N. Manuilov4

S. Ogasawara1, T. Saito1, Y. Tatematsu1, A. Fujii1, N.Yamada1, I. Ogawa1, T. Idehara1, T. Notake2, S. Kubo3, T. Shimozuma3, K. Tanaka3, M. Nishiura3, V. N. Manuilov4

1福井大学遠赤外領域開発研究センター

2理化学研究所、3核融合科学研究所、4ニジニノブゴロド州立大学

1 FIR FU, University of Fukui, 3-9-1 Bunkyo, Fukui-shi, 910-8507, Japan

2 Tera-Photonics Laboratory, RIKEN, 519-1399, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 980-0845, Japan

3 National Institute for Fusion Science, 322-6 Oroshi-cho, Toki-shi, 509-5292, Japan

4 Nizhny Novgorod State University, Nizhny Novgorod, 603600, Russia

Abstract

Researches of gyrotron development have so far progressed toward obtaining high frequency and high power radiations. High frequency gyrotrons have been developed for many applications. We are developing a high power pulse gyrotron in the sub terahertz frequency range as a power source of collective Thomson scattering (CTS) diagnostics on the Large Helical Device (LHD) in National Institute for Fusion Science. For this purpose, a gyrotron in a high frequency of 350 - 400 GHz with a power level of 100 kW is desired. We have realized oscillation around 50 kW in this frequency range at second harmonic with a gyrotron of demountable type. Following this gyrotron, a sealed-off type gyrotron was manufactured.

Experiment with the new gyrotron in now ongoing.

研究報告1

(3)

1 世界の2次高調波動作ジャイロトロンの 開発状況[3]

1. これまでのパルスジャイロトロンの開発状況と今後の課題

福井大学遠赤外領域開発研究センターでは、核融合プラズマにおける共同トムソン

散乱(CTS)計測用のプローブビーム源への応用を目指し、高周波・高出力パルスジ ャイロトロンの開発を行っている。対象実機として核融合科学研究所にある大型ヘリ カル装置(LHD)想定し、実用化を目指している[1]。図1に開発目標と、現在までの 二次高調波動作ジャイロトロンの開発状況を示す。LHDでのCTS計測用の光源とし て求められる条件は、周波数350~400 GHz、出力100 kWである。当センターでは、

これまでに二次高調波動作を用いて、周波数350 GHz、出力52 kW(TE6,5モード)及 び周波数390 GHz、出力37 kW(TE8,5

モード)の発振を達成した[2]。しか し、現時点で出力100 kWには至って いない。実用化のための課題として、

100 kW級の発振の達成と、出力をガ

ウスビームに変換するための内蔵モ ードコンバータの製作が挙げられる。

それらとともに、ジャイロトロン管 内の真空を破ることなく運搬ができ るように改善を行う必要がある。そ こで従来の組み立て管ではなく、新 しく封じ切りのジャイロトロン管を 製作し、封じ切りの効果を検証した。

2.封じ切りジャイロトロン管の製作

これまでのパルスジャイロトロン管は図2(a)のような組み立て管であり、各パーツ はボルトを用いてフランジ結合させていた。またジャイロトロン管内の排気は外付け のターボ分子ポンプで行っていた。しかし、正確な組み立て精度が要求されるジャイ ロトロンにおいて、フランジ結合でそれを満たすのは容易ではない。またジャイロト ロンの運搬を想定したとき、組み立て方式ではジャイロトロン管を一度解体しなけれ ばならないが、再組み立てを行ったとき真空度と組み立て精度を再現できなくなる可 能性が十分にある。そこで図2(b)のような封じ切り方式のジャイロトロン管を新しく 製作した。ジャイロトロン管を封じ切りにすることにより、真空度と組み立て精度の 向上が期待され、解体せずに運搬することが可能である。ジャイロトロン管内の排気 は小型のイオンポンプで行う。

一方、封じ切りの効果を検証するために、電子銃は組み立て管で使われたものと同 じ電子軌道設計である[4]。しかし、電子銃の絶縁セラミック部は大気側沿面放電を 抑制するために外形を波状にし、ビーム電流増大時の高電圧運転に耐えられるように 改良されている。

(4)

共振器も封じ切りの効果を検証するために組み立て管と同じ設計値のものを使用 した。共振器の動作モード選定は非常に重要である。固有値が孤立しているモードは モード競合を起こす可能性が低く、動作モードに適している。図3からわかるように、

二次高調波TE6,5モードとTE8,5モードは隣り合うモードから十分に離れている。また、

これらのモードは基本波の発振モードからも十分に離れている。以上のことからTE6,5

モードと TE8,5 モードを動作モードに選び、それらのモードに対して共振器設計を最 適化した。共振器半径は2.99 mm、共振器長は12 mm 、ビーム半径は1.9 mm、共振 周波数は TE6,5モードで350.2 GHz、TE8,5モードで392.5 GHzである。

3.封じ切りジャイロトロンの初期実験結果

2009年末から封じ切り管の実験を開始した。カソード電圧 50 kV、ビーム電流 7 A での、共振器中心での磁場に対する発振強度の依存性を図 4に示す。発振強度は焦電 型検出器を用いて計測した。図4(a)は焦電型検出器のみを用いて計測した波形であり、

図 4(b)は焦電型検出器の前にハイパスフィルター(HPF)を挿入して計測した波形で ある。HPFのカットオフ周波数は308 GHzである。図4からわかるように、磁場 6.74 T

2 (a)組み立て管 (b)封じ切り管

Ωc c

10 11 12 13 14 15

20 22 24 26 28 30

TE651 TE851

3 各モードの固有値の関係

上が二次高調波動作、下が基本波動作での各モードの固 有値の関係を表す。

(5)

と7.57 Tで二次高調波と思われる発振を確認した。これらの磁場でファブリ・ペロー 干渉計を用いた周波数計測を行った。図5にその結果を示す。磁場6.74 T及び磁場7.57 Tで周波数計測を行ったところ、周波数350 GHz と393 GHz の単独発振を確認した。

これはTE6,5モード及びTE8,5 モードの共振周波数とほぼ一致する。

また二次高調波単独発振を確認した磁場で出力計測を行った。出力計測には水負荷 を用いた。図6にTE6,5モードの発振出力のカソード電圧依存性を示す。四角のプロッ トは封じ切り管での発振出力であり、丸のプロットは組み立て管での発振出力である。

図6からわかるように、カソード電圧50 kV において、封じ切り管の発振出力は組み 立て管の発振出力より高い値を記録した。出力が向上した原因として、封じ切りによ る真空度と組み立て精度の向上が考えられる。現在、より高電圧、高ビーム電流で実 験を行っている。

4 共振器中心での磁場に対する発 振強度の依存性 この時、カソ ード電圧50 kV、ビーム電流7 A 補助磁場コイル電流139 Aであ る。 (a) HPFなし、 (b) HPF ありでの計測結果。

5 (a)6.74 T(b)7.57 Tにおける信号 強度のファブリ・ペロー干渉計メ ッシュ間距離依存性。

(6)

4.まとめ

封じ切りのジャイロトロン管を製作し、発振実験を行った。新封じ切り管の初期実

験では、 TE6,5モードとTE8,5 モードの二次高調波単独発振を確認した。またカソード 電圧 50kV での発振出力は、組み立て管より高い値を記録した。発振出力が向上した 要因として、封じ切りによる真空度や組み立て精度の向上の可能性がある。今後はさ らなる高電圧、高ビーム電流で実験を行い高出力発振の確認を目指す。

参考文献

[1]M. Nishiura et al., Rev. Sci. Instrum. 79, 10E731 (2008).

[2]T. Notake et al., Phys. Rev. Lett. 103, 225002 (2009).

[3]M. Thumm, Wissenschaftliche Berichte FZKA7392,(2008).

Research report of Research Center, Karlsruhe University

[4]V. N. Manuilov et al., Int. J. Infrared and Milli. Waves 27, 1103 (2008).

0 10 20 30 40 50

30 40 50 60 70

Demountable Ib11A Sealed-off Ib7A

P o w e r ( k W )

Vk(kV)

6 発振出力のカソード電圧依存性

図中の値は出力窓や水負荷容器での反射を考慮している。

図  1    世界の2次高調波動作ジャイロトロンの    開発状況 [3]  1.  これまでのパルスジャイロトロンの開発状況と今後の課題         福井大学遠赤外領域開発研究センターでは、核融合プラズマにおける共同トムソン散乱(CTS )計測用のプローブビーム源への応用を目指し、高周波・高出力パルスジャイロトロンの開発を行っている。対象実機として核融合科学研究所にある大型ヘリカル装置(LHD)想定し、実用化を目指している[1]。図1に開発目標と、現在までの二次高調波動作ジャイロトロンの開発状況を示

参照

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