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無理なく演奏の技術が身に付くような進度を心掛けることが求められる 一方で, ギター経験者の中には高度な演奏技術を有する生徒もおり, それらの生徒が技量を発揮できるような課題や, クラス全体の学習意欲の高揚に貢献できるような場面を設定するなどの配慮も必要になると考える 5 教材について (1) ギター

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Academic year: 2021

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- HS1 - 長期研修員B 授業研究 高等学校芸術科(音楽) 音楽Ⅰ学習指導案 指導月日 平成 24 年 12 月 20 日 所属校名 宮城県泉高等学校 氏 名 佐藤 秀樹 1 題材名「音色や奏法を工夫して表現しよう!」 2 題材の目標 (1) クラシックギターの音色や奏法の特徴に関心をもち,それらを生かして演奏する学習に主体的 に取り組む。 (2) 楽曲の音色,リズム,旋律,テクスチュアを知覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気な どを感受しながら,クラシックギターの音色や奏法の特徴を生かした音楽表現を工夫し,どのよ うに演奏するかについて表現意図をもつ。 (3) クラシックギターの音色や奏法の特徴を生かした音楽表現をするために必要な奏法や読譜な どの技能を身に付け,創造的に表す。 3 題材について 本題材は,楽曲から知覚・感受した特質や雰囲気を根拠としながら,クラシックギターでそれら にふさわしい音色や奏法を工夫し,独創性ある豊かな音楽表現を追究していく器楽の学習である。 学習指導要領「音楽Ⅰ」の内容のうち,「A表現(2)器楽」の「イ 楽器の音色や奏法の特徴を生か し,表現を工夫して演奏すること」「エ 音楽を形づくっている要素を知覚し,それらの働きを感 受して演奏すること」を扱う。なお,音楽を形づくっている要素のうち,音色,リズム,旋律,テ クスチュアを取り上げて学習する。 楽器を用いることの音楽上の特性は,声では表現し得ない多様な音色や響き,また幅広い音域が 表現可能となる点にある。個々の楽器は,それぞれの構造的特徴に基づく固有の音色をもつと同時 に,奏法によって多様に音色を変化させることができるといった特性も併せもつ。これらの器楽の 特性を生かし,楽曲の音楽的特徴を根拠としながら,表現したい音楽をイメージし,ふさわしい音 色や奏法を工夫して音楽表現する,といった一連の学習に取り組むことによって,多様な音楽表現 の在り方に対する理解を深めるとともに,創造的な表現の能力を育んでいくことができるものと考 える。 生徒が楽器の音色や響きと向き合う活動を通して,音のもつ質感を捉える力や,音楽表現を創意 工夫する力を高めていくことを期待し,本題材を設定した。 4 生徒について (第1学年 男子 20 名 女子 20 名) (1) 明朗で,物事に前向きな姿勢をもった生徒が多く,学習活動への取組も良好である。既習の題 材におけるグループ活動では,男女混合でグループを編成するなど,男女間のコミュニケーショ ンも比較的よくとれており,クラス全体の雰囲気に心地よさを感じさせる。現在,音楽関係の部 活動に所属している生徒はいないが,中学校で吹奏楽部に所属していたり,音楽教室でピアノや 電子オルガンを習っていたりと,授業外での音楽経験を有する生徒が多く,耳を十分に働かせて 音を聴き分け,音色や奏法を適切に用いた質の高い音楽表現が期待できる。その一方で,音楽を 苦手とする生徒も若干名おり,それらの生徒に対して特に支援を必要とする場面が生じることが 想定される。 (2) ギターの演奏経験について尋ねたところ,約4分の3が未経験であると回答した。一方で,ギ ターを弾くことに興味や関心があると答えた生徒は約8割に上り,関心の高さがうかがえる。多 くの生徒は,ギターを弾く活動に意欲的に取り組むと考えられるが,学習が進むにつれて,粋な イメージとは裏腹に,指が痛くなったり弦をうまく押さえられなかったりといった,想像以上の 技術的な難しさを味わうことも想定される。教材とする楽曲については,できるだけ平易で取り 組みやすいものから,ある程度音楽表現を深めることに堪えうるものまでを段階的に扱い,多少 の困難を克服しながら弾く楽しさを感じ取れるよう配慮するとともに,学習の展開にあっては,

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- HS2 - 無理なく演奏の技術が身に付くような進度を心掛けることが求められる。 一方で,ギター経験者の中には高度な演奏技術を有する生徒もおり,それらの生徒が技量を発 揮できるような課題や,クラス全体の学習意欲の高揚に貢献できるような場面を設定するなどの 配慮も必要になると考える。 5 教材について (1) ギターの特性 ギターは,音高の異なる6本の弦を有することで,低音から高音までの幅広い音域をカバーす るだけでなく,複数の音の同時発音も可能である。これはすなわち,1台で旋律や伴奏などを同 時に奏でられることを意味し,更には奏法によって多彩な音色や響きを生み出すことも可能とす ることから,「小さなオーケストラ」とも称されるほどの豊かな表現力をもっている。しかしその 一方で,演奏技術的には,6本の弦を十分に押さえられるだけの手の大きさや指の力,また左右 の手で全く異なる指の動きを連携させることが求められるなど,発達段階や生徒個々の技術面で の資質と関わる。身体的な成長を遂げることによって初めて演奏が可能になるといった点を考慮 すると,高校生という発達段階はギターを学ぶ上で適切であると考える。 (2) 楽曲について【「サザエさん一家」(筒美京平作曲/植村幸一編曲)】 ギターの特性は,上記のとおり,和音(コード)演奏が可能な点にあるが,生徒の実態上,少 ない学習時間の中でその技術を習得し,演奏できる楽しさを味わうところまで到達するのはかな りの困難を伴うと考えられる。本題材における学習の主軸は,音色と奏法を生かした音楽表現を 工夫する点にあり,単音でも十分ねらいに迫っていけると考えられることから,今回の学習では 旋律や単音を主体として演奏に取り組める教材を中心に扱うこととした。主教材の「サザエさん 一家」の原曲は,広く知られている曲であり,明るく軽快な曲想に乗って楽しく演奏活動に取り 組むことができると考えられる。今回扱う楽譜のアレンジでは,第1パートはほとんどが主旋律 でやや難易度が高めであるが,第2パート・第3パートは主に伴奏(ベースやハーモニー)の担 当で比較的弾きやすく,初心者でも十分演奏可能であろうと判断し,教材として選定した。 6 指導にあたって 器楽の題材で音楽的な学びを深めていくためには,教材とする楽器の演奏技術が身に付いている ことが前提となる。今回の学習で初めてクラシックギターに触れる生徒が大半であるという実態を 踏まえ,本題材では,クラシックギターを弾くための基本的な技術を身に付ける段階と,その技術 を生かして主教材を弾き,音楽表現を工夫しながら演奏で表していく段階で学習過程を構成するこ ととした。 第1次(第1時~第3時)では,ギターの種類や構造などの知識を獲得したり,基本的な奏法を 身に付けたりする学習を扱う。学習においては,「分かる・できる」という思いが次への意欲を喚 起すると考えられることから,この段階では,ハ長調の音階構成音の運指を3つの過程に分けて数 個ずつ覚え,音階進行を基調とした平易な楽曲(「喜びの歌」「きらきら星」「メリーさんの羊」)を 弾きながら少しずつクラシックギターの演奏に慣れていくようにするなど,生徒たちが無理なく取 り組める展開を心掛けたい。 第2次(第4時~第9時)では,第1次で習得した演奏技能を生かし,音色や奏法を工夫しなが らアンサンブルの中で「サザエさん一家」を豊かに音楽表現する学習を扱う。前奏部分を中心とし て丁寧な技術の習得を促し,1人1人が弾く楽しさを感じ取りながら演奏に関わっていけるよう配 慮したい。また,音楽表現を深める学習については,音色を弾き分ける奏法を探した上で,楽曲か ら知覚・感受したことを根拠としながら,それぞれの部分や声部にふさわしい音色や奏法を選択し, 演奏で表現していく展開とした。感じ取ったことや,考えたことなどを班員同士での意見交換を通 して深めさせ,より適切な音色や奏法の選択につなげさせたい。更に,豊かな音楽表現を引き出す 手だての1つとして,班ごとに創意工夫を凝らしながら楽曲をアレンジする活動を取り入れること とした。既にギターの演奏技術をある程度身に付け,楽譜通り弾くことに物足りなさを感じる生徒 には,アレンジ部分で技量を発揮させ,充足感が味わえるよう指導していきたいと考える。

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- HS3 - 7 自己の研修課題との関連 「生徒が思いや意図をもち,豊かに音楽表現する授業づくり -音楽的な感受を深める学習活動 の工夫を通して-」という研修テーマに対して,第Ⅲ期では表現領域の学習の目標である「豊かな 音楽表現」に結実させる指導の手だてを研究していきたい。器楽の題材は,とかく楽器の音を出す 技能の習得に終始し,旋律らしく音が並んだだけで満足してしまいがちである。生徒が,楽器の音 色や奏法を楽曲の中でどのように使い分けるかを考え,演奏として実現することを主体的に求める 態度の育成をもって研修課題に対する取組としたい。 思いや意図を演奏に結び付け,豊かに音楽表現させるための具体の手だてとして,以下の3つを 考えた。 (1) 基礎的・基本的技能を定着させる指導計画の構成 器楽では,豊かに音楽表現するための前提として,まず適切に音を出す技能の習得が求められ る。平易な曲の反復練習などを通してクラシックギターの演奏に慣れさせ,運指などの基礎的・ 基本的な技能の定着を図る学習段階を重視する。 (2) 様々な音色や奏法を,楽曲の音楽表現に生かす学習過程の構成 器楽における豊かな音楽表現は,多彩な音色や奏法によって実現するとの視点に立ち,ギター の様々な弾き方による音色の違いを感じ取らせた上で,扱う楽曲から知覚・感受したことを根拠 としながら,各部分や各声部でどんな音色や奏法を用いるのがふさわしいかを思考・判断し,音 楽表現するような一連の学習過程を構成する。 (3) アレンジを施した音楽表現 各グループの演奏が,独創性や個性のある豊かな音楽表現となるよう,楽曲の知覚・感受を基 に表現意図をもち,自己のイメージをさらに豊かに表現できるようにアレンジする学習活動を取 り入れる。 8 題材の評価規準 音楽への関心・意欲・態度 音楽表現の創意工夫 音楽表現の技能 ①クラシックギターの音色や奏法 の特徴に関心をもっている。 ②「サザエさん一家」をクラシッ クギターで演奏することに関心 をもっている。 ③クラシックギターの音色や奏法 の特徴を生かして演奏する学習 に主体的に取り組んでいる。 ①「サザエさん一家」の音色,リズム,旋 律,テクスチュアを知覚し,それらの働 きが生み出す特質や雰囲気などを感受し ながら,クラシックギターの音色や奏法 を工夫している。 ②クラシックギターの音色や奏法の特徴を 生かした音楽表現を工夫し,どのように 演奏するかについて表現意図をもってい る。 ①クラシックギターの基本的 な奏法を身に付けて演奏し ている。 ②クラシックギターの音色や 奏法の特徴を生かした音楽 表現をするために必要な奏 法や読譜などの技能を身に 付け,創造的に表している。 9 題材の指導と評価の計画(9時間扱い) 次 時 間 ◆ねらい ・主な学習活動 評価規準・〈評価方法〉 音楽への 関心・意欲・態度 音楽表現の 創意工夫 音楽表現の 技能 第 一 次 1 ◆各種ギターの音色の聴き比べや,演奏家によるクラシックギター演奏の映像の視聴を通して,クラシ ックギターの音色や奏法の特徴に関心をもつ。 ・ギターの種類や,それぞれの構造,発音の 仕組みなどを理解し,それらが生み出す音 色の特徴を感じ取る。 ・クラシックギターの取り扱いの留意点を理 解する。 ・クラシックギター演奏の映像を視聴し, 様々な奏法があることに気付くとともに, それらと音色との関わりを聴き取る。 ① クラシックギ ターの音色や 奏法の特徴に 関心をもって いる。〈観察〉

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- HS4 - 2 ・ 3 ◆音階や平易な楽曲の演奏を通して,クラシックギターの基本的な奏法を身に付ける。 ・クラシックギターを演奏するための基礎知 識(楽器の構え,弦の名称,フレットなど) を理解する。 ・ハ長調の音階構成音の運指を把握し,指使 いを工夫しながら音階を弾く。 ・平易な楽曲(歓喜の歌,きらきら星,メリ ーさんの羊など)を弾きながら,美しい音 色や響き,フレーズ感などをつくり出す奏 法を試行錯誤する。 ①クラシックギ ターの基本的 な奏法を身に 付けて演奏し ている。〈観察〉 第 二 次 4 ・ 5 ◆クラシックギターの音色や奏法を工夫しながら「サザエさん一家」を音楽表現する。 ・「サザエさん一家」の曲中にある主なフレ ーズを演奏する。 ・奏法を工夫しながら,担当する声部を練習 する。 ・学級全体で合奏し,各声部の音の関わり方 や重なり方などを把握する。 ・グループ毎にアンサンブルを試みる。 ②「サザエさん一 家」をクラシッ クギターで演 奏することに 関心をもって いる。〈観察〉 6 ( 本 時 ) ◆「サザエさん一家」の音色,リズム,旋律,テクスチュアを知覚し,それらの働きが生み出す特質や 雰囲気などを感受しながら,クラシックギターの音色や奏法を工夫する。 ・「サザエさん一家」のリズム,旋律,テク スチュアが生み出す特質や雰囲気を知 覚・感受してグループ毎に〈ワークシート〉 に記入したり,クラス全体で共有したりす る。(※ワークシートは資料1を参照) ・クラシックギターの試奏や,教師の範奏の 視聴を通して,音色の違いを弾き分けるた めの奏法を見付け,〈ワークシート〉に記 入する。 ・「サザエさん一家」から知覚・感受したこ とを根拠として,楽曲中の各部分や各声部 でどんな音色や奏法を用いるのがふさわ しいかを考え,選択する。 ・選択した音色や奏法で曲中の各部分や各声 部を弾き分けながら,個人で練習したり, グループで合奏練習したりする。 ①「サザエさん一 家」の音色,リ ズム,旋律,テ クスチュアを 知覚し,それら の働きが生み 出す特質や雰 囲気などを感 受しながら,ク ラシックギタ ーの音色や奏 法を工夫して いる。〈ワーク シート〉〈観察〉 7 ◆「サザエさん一家」にアレンジを加えながら,クラシックギターの音色や奏法の特徴を生かした音楽 表現を工夫し,どのように演奏するかについて表現意図をもつ。 ・「サザエさん一家」が更に豊かな音楽表現 となるよう,音色,リズム,旋律,テクス チュアなどの音楽を形づくっている要素 を変化させ,創意工夫を加えながらアレン ジする。 ・通常の「サザエさん一家」とアレンジを加 えたものとの曲想の違いを表現できるよ う,クラシックギターの音色や奏法,音楽 表現などを工夫し,グループで合奏練習す る。 ② クラシックギ ターの音色や 奏法の特徴を 生かした音楽 表現を工夫し どのように演 奏するかにつ いて表現意図 を も っ て い る。〈ワークシ ート〉〈観察〉

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- HS5 - 8 ・ 9 ◆クラシックギターの音色や奏法の特徴を生かして,「サザエさん一家」を創造的に演奏表現する。 ・グループ毎に,各部分や各声部における音 色や奏法の使い方,アレンジの工夫点など を述べた上で「サザエさん一家」を創造的 に演奏表現する。また,それぞれのグルー プの表現の工夫(奏法,アレンジ等)が生 み出しているよさや美しさ,味わいなどを 聴き取ってワークシートに書く。 ③ クラシックギ ターの音色や 奏法の特徴を 生かして演奏 する学習に主 体的に取り組 んでいる。 〈ワークシー ト〉〈観察〉 ②クラシックギ ターの音色や 奏法の特徴を 生かした音楽 表現をするた めに必要な奏 法や読譜など の技能を身に 付け,創造的に 表 し て い る 。 〈演奏発表〉 10 本時の指導(第6時) (1) 本時のねらい 「サザエさん一家」の音色,リズム,旋律,テクスチュアを知覚し,それらの働きが生み出す 特質や雰囲気などを感受しながら,クラシックギターの音色や奏法を工夫する。 (2) 本時の指導にあたって 本時は,「サザエさん一家」から知覚した特質や感受した雰囲気と,クラシックギターの様々な 音色や奏法を照らし合わせながら,楽曲の各部分や各声部をどのような音色や奏法で表現するか を考え,その構想を演奏として表せるようにしていくことが学習課題となる。 楽曲の知覚・感受の場面では,その内容が音色や奏法の使い分けを考える際の手掛かりとなる よう,特にリズムとテクスチュアが大きく変化していることを知覚させ,それぞれの部分の音楽 的な特徴を感じ取らせることに重点を置いて展開したい。また,ギターの音色と奏法との関わり を感じ取らせる場面では,音色のイメージを与え,イメージに合った音色を生み出す弾き方を探 させたり,教師の範奏を視聴させたりしながら,音色と奏法の関係に気付かせていきたい。楽曲 中のそれぞれの部分でどの音色や奏法を使うかについて考えさせる場面では,知覚した内容と音 楽から感受したことを根拠にして,明確な選択をしていくよう促したい。 本時の学習展開は,主にグループによる活動で進め,深めるよう構成した。音楽から感じ取っ たことや考えたことなどを伝え合う言語活動を通して,グループの音楽表現が深まっていくよう, 生徒たちの様子をよく観察しながら学習を支援することを心掛けたい。 (3) 本時の指導過程(55 分) 学習活動 形態 指導・支援上の留意点 評価規準 導 入 ( 10 ) 1 ギター,足台などを 準備する。 2 「サザエさん一家」 で各自が担当する声部 の運指を確認・練習し た後,クラス全体で合 奏する。 3 本時の課題を把握す る。 個人 個人 ↓ 一斉 一斉 ・班ごとに集まって着席させ る。 ・机間支援し,スムーズに弾 いていない生徒にはその要 因を助言し,改善を促す。 ・本時の課題を黒板に掲示し て共通理解を図り,全員が 課題意識をもって本時の学 習活動に取り組めるように する。

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- HS6 - 展 開 ( 40 ) 4 「サザエさん一家」 のリズム,旋律,テク スチュアが生み出す特 質や雰囲気をグループ で知覚・感受して〈ワ ークシート〉に記入し たり,クラス全体で共 有したりする。 5 クラシックギターの 演奏や,教師の範奏の 視聴を通して,音色の 違いを弾き分けるため の奏法を見付け,〈ワー クシート〉に記入する。 6 「サザエさん一家」 の各部分や各声部でど んな音色や奏法を用い るのがふさわしいかを 考え,選択する。 7 選択した音色や奏法 で曲中の各部分や各声 部を弾き分けながら, 個人で練習したり,グ ループで合奏練習した りする。 グループ ↓ 一斉 グループ グループ 個人 グループ ・楽曲中の各部分における特 徴的な要素を中心に知覚・感 受させるよう努め,時間をか けすぎないように留意する。 ・つまずきの見られるグルー プに対しては,知覚するポイ ントを示して感受させるよ うにする。 ・考えられる運指を例示した 上で取り組ませる。 ・つまずきの見られるグルー プに対しては,いくつかの弾 き方を実演して見せ,比較し ながら奏法を見付けさせる ようにする。 ・展開の4で知覚・感受した ことを根拠としながら選ば せるようにする。 ・机間支援しながら,選択し た音色や奏法を演奏として 実現できているかを確認し, 表現意図と実際の音色や奏 法が異なっている場合は助 言によって気付きを促す。 ・「サザエさん一家」 の音色,リズム, 旋律,テクスチュ アを知覚し,それ らの 働きが生み 出す 特質や雰囲 気な どを感受し ながら,クラシッ クギ ターの音色 や奏 法を工夫し ている。 ま と め ( 5 分 ) 8 本時の学習成果を確 認しながら「サザエさ ん一家」を合奏する。 9 ギター,足台などを 片付ける。 一斉 個人 ・音色や奏法に意識を集中し やすくするために,テンポ設 定に留意して演奏すること を心掛けさせる。 11 本時の評価 観点 評価規準 「十分満足できる」状況(A)と判断する基準 音 楽 表 現 の 創 意 工 夫 「サザエさん一家」の音色,リ ズム,旋律,テクスチュアを知 覚し,それらの働きが生み出す 特質や雰囲気などを感受しな がら,クラシックギターの音色 や奏法を工夫している。 「サザエさん一家」から知覚・感受した,音楽のま とまりごとの特質や雰囲気を踏まえて,旋律や伴奏 (ベースやハーモニー)などの役割にふさわしい音 色を使い分けようと考えたり,リズムや旋律の特徴 に応じた奏法を使い分けようと試みたりしているな どの工夫が見られる。

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- HS7 - 12 実践を終えて ○ 楽曲の特徴を知覚・感受する場面では,多くのグループが部分ごとの雰囲気(1~8小節目は 陽気で軽快な感じ,9~26 節目は音がつながって流れていく感じ,44 小節目以降は終わりに向 かって盛り上がっていく感じ,など)やその音楽的要因を的確に捉えることができた(図1参照)。 図1 ワークシートにおける生徒の記述 ○ 音色と奏法の関わりについても,それぞれの音色を生み出す奏法を主体的に見付け出すことが できていた。 ○ 音色や奏法に関する学習を経験したことで,演奏に対する意識が高まり,音色や奏法を明確に 使い分けて弾こうとする姿が見られるようになった。 ▲ 本時は音楽表現を深めることをねらいとした授業であったが,生徒は楽曲の特徴を知覚・感受 したり音楽表現を創意工夫したりすることよりも,楽曲を弾く練習をしたい欲求の方が強く,本 題の学習にはあまり集中できない様子がうかがえた。ギターを持っていると,どうしても弾く練 習の方に意識が向いてしまいがちになるため,生徒の思考の流れを音楽表現の創意工夫へと導く 工夫が必要である。 ▲ 授業実践では,演奏家によるクラシックギター演奏の映像の視聴を通して,それぞれの音色を 生み出す弾き方を見付けさせようとしたが,指の動きが速すぎて指先の繊細な使い方がよく見え ず,ほとんどの生徒が音色と奏法との関わりを感じ取ることができなかった。そこで,本指導案 ではそれぞれの音色を生み出す弾き方を教師の範奏から見付けさせるように修正した。

(8)

- HS8 - 資料1

参照

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