空 港 整 備 基 本 計 画
( 中 間 報 告 )
− 概
要
版
−
[岩国飛行場イメージ図]平成18年2月
岩国基地民間空港再開事業推進協議会
(山口県・岩国市)
「 空 港 整 備 基 本 計 画 ( 中 間 報 告 ) 」 の 発 表 に あ た っ て
山 口 県 及 び 岩 国 市 で は 、 平 成 1 3 年 度 か ら 3 年 間 、 米 軍 岩 国 基 地 に お け る 民 間 空 港 再 開 の 可 能 性 に つ い て 調 査 研 究 を 行 い 、 そ の 後 、 日 米 合 同 委 員 会 の 下 の 施 設 調 整 部 会 に お い て 日 米 協 議 が 開 始 さ れ た こ と や 岩 国 基 地 沖 合 移 設 事 業 の 進 捗 状 況 な ど を 踏 ま え 、 平 成 1 6 年 度 か ら 「 岩 国 基 地 民 間 空 港 再 開 事 業 推 進 協 議 会 」 を 設 置 し 、、 事 業 実 施 を 前 提 と し た 「 空 港 整 備 基 本 計 画 」 の 策 定 に 取 組 ん で ま い り ま し た 。 ご 案 内 の と お り 、 民 間 空 港 再 開 に つ い て の 日 米 協 議 に つ い て は 、 昨 年 1 0 月 に 日 米 合 同 委 員 会 の 合 意 と し て 、 1 日 4 往 復 の 民 間 航 空 機 の 運 航 が 確 認 さ れ 、 民 間 空 港 再 開 に 向 け て 大 き な 前 進 が あ り ま し た が 、 民 間 航 空 機 の 運 航 た め の 施 設 の 詳 細 に つ い て は 、 引 き 続 き 施 設 調 整 部 会 に お い て 調 整 す る こ と と さ れ ま し た 。 こ の た め 「 空 港 整 備 基 本 計 画 」 を 構 成 す る 最 も 重 要 な 要 素 で あ る 民 航 タ ー ミ ナ、 ル 施 設 の 位 置 等 が 定 ま ら ず 、 現 時 点 で は 基 本 計 画 の 成 案 を 得 る こ と が で き な い 状 況 に あ り ま す 。 国 に 対 し て は 、 引 き 続 き 精 力 的 に 日 米 協 議 を 重 ね 、 一 日 も 早 く 施 設 調 整 部 会 に お け る 調 整 を 完 了 さ れ る よ う 強 く 求 め る と こ ろ で あ り ま す 。 し か し な が ら 、 民 間 航 空 機 の 運 航 便 数 が 確 定 し た こ と に よ り 、 空 港 再 開 に 向 け て 着 実 な 一 歩 を 踏 み 出 し た こ と は 紛 れ も な い 事 実 で あ り ま す こ と か ら 、 こ の た び 、 一 、 、 日 4 往 復 の 民 間 航 空 機 の 就 航 を 前 提 に こ れ ま で の 協 議 会 の 作 業 状 況 を 取 り ま と め 「 空 港 整 備 基 本 計 画 ( 中 間 報 告 」 を お 示 し す る こ と に し ま し た 。) も と よ り 、 空 港 整 備 基 本 計 画 は 、 今 後 の 日 米 協 議 の 状 況 や 関 係 機 関 等 と の 協 議 ・ 調 整 等 を 踏 ま え 、 引 き 続 き 内 容 の 追 加 や 補 正 を 行 っ て 成 案 と す る こ と と し て お り ま す が 、 県 及 び 市 に お き ま し て は 、 当 面 、 こ の 「 中 間 報 告 」 を 基 に 、 財 源 確 保 や 役 割 分 担 等 に つ い て 調 整 を 行 っ て ま い り た い と 考 え て お り ま す 。 ま た 、 長 年 に わ た り 、 民 間 空 港 再 開 を 推 進 さ れ て 来 ら れ た 皆 様 方 に は 、 こ の 「 中 間 報 告 」 に よ っ て 、 民 間 空 港 再 開 が 現 実 の も の と し て 視 野 に 入 っ て き た こ と を 実 感 、 、 。 し て い た だ き よ り 一 層 再 開 推 進 運 動 に お 力 添 え を い た だ け れ ば 幸 い で あ り ま す 岩 国 基 地 民 間 空 港 再 開 事 業 推 進 協 議 会 に お い て は 、 地 元 の 皆 様 の 長 年 の 悲 願 で あ る 民 間 空 港 再 開 実 現 に む け て 、 引 き 続 き 、 空 港 整 備 基 本 計 画 の 策 定 を 進 め て 参 り ま す の で 、 皆 様 の 御 理 解 と 御 支 援 を お 願 い い た し ま す 。 平 成 1 8 年 2 月 岩 国 基 地 民 間 空 港 再 開 事 業 推 進 協 議 会 会 長 山 口 県 副 知 事 綿 屋 滋 二目
次
1第1章
岩国基地民間空港再開の必要性
11
民間空港再開の必要性とこれまでの取組
1 (1)岩国地域を取り巻く地域の現況 2 (2)空港再開による高速交通ネットワーク形成の必要性 2 (3)空港再開の位置付け 3 (4)これまでの取組 3 (5)今後の取組 42
航空需要予測(岩国∼東京)
4 (1)航空旅客需要予測 5 (2)航空貨物需要予測 5 (3)需要予測のまとめ 63
民間空港再開による効果
6 (1)空港空白地域の解消 6 (2)地域振興への寄与 6 (3)航空新規需要の獲得 7 (4)経済波及効果(金銭的評価と人的評価) 94
費用便益分析
10第2章
民間空港再開のための基本的事項
101
岩国基地の空港施設
10 (1)岩国基地の現状 10 (2)岩国基地沖合移設に係る空港施設計画 102
岩国基地飛行場の民間利用
10 (1)飛行場基本施設(滑走路及び着陸帯) 11 (2)制限表面 11 (3)運航基準 11 (4)管制方式 11 (5)運航手続き 11 (6)民間航空機の就航に必要な施設 12第3章
民間航空機就航に伴う諸条件
121
空域条件
12 (1)岩国基地周辺の障害物件に関する検討の概要 12 (2)沖合移設後の新滑走路に係る制限表面の状況14
2
気象条件
14 (1)気象の概況 14 (2)気象条件 14 (3)予想就航率 153
環境条件
15 (1)民間航空機の離着陸騒音の影響 18 (2)民間航空機の誘導路走行中の騒音影響 18 (3)民間航空機の大気質への影響 19 (4)民航ターミナル地域の供用による影響 19 (5)生態系への影響 19 (6)建設工事中の環境影響見通し 23第4章
民航ターミナル地域施設計画
231
民航ターミナル地域の概要
23 (1)民航ターミナル地域 23 (2)民航ターミナル地域の整備において留意すべき事項 232
計画基礎数値の設定
23 (1)年間旅客数の設定 23 (2)機材別日便数の設定 23 (3)年間貨物取扱量の設定 243
施設規模の算定
254
民航ターミナル地域の位置及び施設の配置
25 (1)民航ターミナル地域の位置 26 (2)民航ターミナル地域の施設の配置 27第5章
航空保安施設計画
271
基本的な考え方
272
必要な航空保安施設について
27 (1)航空保安無線施設 27 (2)航空灯火 29 (3)飛行場標識施設 303
航空保安施設の追加設置施設のまとめ
31
第6章
民間航空機の運航条件
311
民間航空機の運航に関係する基準
31 (1)運航基準 31 (2)管制方式 31 (3)運航手続き 312
米国基準(FAA TERPS:ターミナル空域計器飛行方式基準) による検討結果
31 (1)計器進入方式の検討 32 (2)計器出発方式の検討 32 (3)飛行経路 34第7章
交通アクセス
341
旅客需要
34 (1)旅客需要予想エリア 34 (2)交通手段別旅客数 352
道路網
35 (1)予想交通量 35 (2)道路整備 36 (3)所要時間の比較 403
公共交通機関
40 (1)JR等の状況 41 (2)JR駅からの経路 43第8章
再開に必要な事業費の概算
431
概算事業費
432
整備工事期間
433
今後の取組
『 ( )』 「 」 、 、 ※ 空港整備基本計画 中間報告 には上記のほかに 第9章 空港建設計画資料 があり 平面計画 排水流域、附帯施設計画、舗装基本計画及び駐車場計画の区分ごとに設計基準等を掲載していますが、 技術的な内容で、記述が詳細なため、この概要版では省略しています。第 1 章 岩国基地民間空港再開の必要性
1 民間空港再開の必要性とこれまでの取組
(1)岩国地域を取り巻く地域の現況 ア 岩国市の概況 ・山口県の東玄関:山陽自動車道岩国インターチェンジ、山陽新幹線新岩国駅を有 する岩国広域生活圏の中心都市 ・人口は約10 万3千人(2005年国勢調査〔速報値〕)の工業・観光都市 工 業:隣接の由宇町、和木町、広島県大竹市と一帯となって、石油化学・製紙・ 繊維などの企業集積 観 光:名勝錦帯橋(日本三名橋、日本三奇橋)のほか、近隣には世界文化遺産 厳島神社(宮島)などがあり、関東方面からの来客者が多い ・岩国市を含む岩国地域8市町村:平成18 年3月 20 日に合併 (参考)新岩国市(予定)人口:149.7 千人(2005年国勢調査〔速報値〕) イ 交通ネットワークの状況 ・鉄 道:山陽新幹線、山陽本線、岩徳線及び錦川清流線 ※JR 広島駅∼岩国駅間:5∼8本/時間、所要時間35分(快速電車) ・周辺地域からのバス路線:徳山駅∼岩国駅 広島バスセンター∼岩国駅…高速バス(所要時間 1 時間余) ・道路交通:山陽自動車道のインターチェンジへのアクセス道路と市街地の幹線道 路が慢性的な渋滞状況にあり、幹線道路やバイパス道路等の整備を推 進する必要がある。 ・海上交通:岩国港∼松山(三津浜)4往復、岩国港∼柱島4往復 ・空 港:100km 圏内に空港を有しない空の空白地帯 (近隣空港との道路距離:広島空港…約100km、山口宇部空港…約 120km) ウ 岩国基地の状況 (基地の歴史) ・昭和13 年:旧日本海軍の航空基地 ⇒ 昭和 27 年:米軍への提供施設 ⇒ 昭和 33 年:米海兵隊の駐留基地 ・昭和27 年:民間空港として開港。国際空港としても指定 ⇒ 昭和39 年の路線変更以降は定期便の就航なし(広島空港等の代替飛行場) (基地の現状) ・面積:約574ha(自衛隊共同使用区域約 343ha、自衛隊専用区域約3ha を含む) ・基地人口:米軍約5,350 人(家族等含む)、自衛隊約 1,570 人(隊員) ・国が滑走路沖合移設事業を実施中 ・市民団体によるチャーター便の運航:過去3回(近年は平成11 年9月)実施 1(2)空港再開による高速交通ネットワーク形成の必要性 ・山口県東部地域と広島県西部地域から東京への所要時間は4時間超 ・JR岩国駅から直行バスで5 分程度の至近距離(国内有数) ・高速交通ネットワークの形成により、岩国・柳井地域のみならず、県東部地域の 産業の振興や特性を活かした街づくりに大きく寄与 (3)空港再開の位置付け 県及び岩国市の計画では、次のように位置づけている。 ア やまぐち未来デザイン21(県計画) 「陸・海・空の総合交通ネットワーク整備プロジェクト」の重点事業として推進 イ 岩国市総合計画 「山口県東部地域の一層の発展を図るため岩国基地の民間空港早期再開を、県及び 関係団体と一体となって推進する」としている。 ウ 新市建設計画 「元気な産業づくりプロジェクト」の中で、「岩国基地民間空港再開等による新産業 の創出」を掲げる。具体的には、 ・岩国基地の平和利用と地域の航空需要に対応するため、関係機関と連携を図り、 軍民共用の民間空港の早期再開を目指すこと ・各種支援制度を充実することにより、空港関連産業をはじめとする新産業の創 出を促進し、地域経済の活性化を図ること としている。 2
(4)これまでの取組 年月日 主な取組 平成 6 年 3 月 県が山口県東部空港問題専門委員会を設置 平成 8 年 7 月 23 日 岩国市長が7 万人の署名を添えて県知事に陳情 平成10 年 4 月 30 日 県知事が「今後、岩国基地の民間活用の可能性について、東部空港 構想とは切り離して、検討していきたい」と発表(東部空港構想凍結) 平成10 年 7 月 22 日 岩国空港早期再開推進協議会(会長:岩国商工会議所会頭(当時))設立 平成12 年 5 月 23 日 岩国広域圏の1市7町1 村及び柳井広域圏の 1 市 7 町の首長、議長 を会員とする岩国基地民間空港早期再開期成同盟会(会長:岩国市 長)設立 ※平成14 年から県知事が会長 平成12 年 5 月∼ (現在も継続) 県知事、岩国市長、岩国空港早期再開推進協議会会長等で国等に対 して「岩国基地民間空港早期再開の実現」を要望 平成15 年 2 月 6 日 日米合同委員会において、岩国基地の軍民共用化について施設調整 部会で協議されることが決定 平成15 年 2 月 20 日 第1回施設調整部会が開催される 平成15 年 7 月 9 日 第2 回施設調整部会が開催される 平成15 年7月 18 日 国から、将来の計画のために利用可能性のある場所として現滑走路 北側の区域が示される 平成17 年 7 月 15 日 第3 回施設調整部会が開催される 平成17 年 10 月 28 日 岩国飛行場の民間空港再開に関する日米合同委員会合意 (抜粋)米軍の運用上の所要を損なわない限りにおいて、1日4往復の民間 航空機の運航が認められることが日米両政府間で確認された。また、か かる民間航空機の運航のための施設の必要性等の詳細については、日米 合同委員会の下での施設調整部会において調整することとなった。 軍 民 共 用 化 に 向 け た 日米間協議の状況 (5)今後の取組
岩国基地の民間空港再開は、移設後の米軍基地滑走路を利用するものであることか ら、県及び岩国市においては、当該事業の進捗や米軍の運用面等との調整を図りなが ら、沖合移設事業完了後には速やかに民間空港再開が実現できるよう取り組んでいく こととしている。 ※岩国基地沖合移設事業予定工期:平成8∼20 年度 3
2 航空需要予測(岩国∼東京)
平成17 年 10 月 28 日の日米合同委員会合意において1日4往復(8便)の民間航空 機の運航が確認されたことから、航空路線は地元要望が強い東京便とした。 (1)航空旅客需要予測 ア 需要予測エリア(便宜上、旧市町村名を使用) 下表の1∼7の地域で検討した結果、着色部の地域から需要が発生 注:図中の数字は、本検討で用いる各地域の番号である。 ※ なお、図中における各市町村の合併状況は以下のとおりである。 岩国地域;岩国市、由宇町、玖珂町、本郷村、周東町、錦町、美川町、美和町、⇒H18.3.20 合併;岩国市 柳井地域;柳井市、大畠町⇒柳井市(H17.2.21) ・ 久賀町、大島町、東和町、橘町⇒周防大島町(H16.10.1) 下松地域;光市、大和町⇒光市(H16.10.4) ・ 熊毛町⇒周南市(H15.4.21) 徳山地域;徳山市、新南陽市、鹿野町⇒周南市(H15.4.21) 防府地域;徳地町⇒山口市(H17.10.1) 山口地域;山口市、秋穂町、小郡町⇒山口市(H17.10.1) 宮島地域;廿日市市、佐伯町、吉和村⇒廿日市市(H15.3.1) ・ 廿日市市、宮島町、大野町⇒廿日市市(H17.11.3) 湯来町⇒広島市(H17.4.25) No . 地域名(代表地) 市町村内訳(旧市町村名) 1 岩国 岩国市、和木町、由宇町、玖珂町、本郷村、周東町、錦町、美川町、美和町 2 柳井 柳井市、久賀町、大島町、東和町、橘町、大畠町、上関町、田布施町、平生町 3 下松 下松市、光市、大和町、熊毛町 4 徳山 徳山市、新南陽市、鹿野町 5 防府 防府市、徳地町 6 山口 山口市、秋穂町、小郡町、美東町、秋芳町、阿東町 7 宮島 大竹市、廿日市市、佐伯町、吉和村、宮島町、大野町、湯来町 4イ 年次別の航空需要と機材構成 (単位:千人/年) 年度 2010 2015 2020 2025 地域NO. 地域名 平成22 平成27 平成32 平成37 (参考) 航空分担率 1 岩国 155.9 157.1 158.1 158.9 96.58 2 柳井 40.2 40.5 40.8 41.0 91.94 3 下松 80.2 80.8 81.3 81.8 52.46 4 徳山 59.0 59.4 59.8 60.1 18.73 5 防府 0.0 0.0 0.0 0.0 0.00 6 山口 0.0 0.0 0.0 0.0 0.00 7 宮島 95.1 100.0 105.2 110.5 69.29 計 430.5 437.9 445.2 452.3 これに基づく機材の構成は、下表のとおり (2)航空貨物需要予測 上記の機材構成から予測される貨物需要は下表のとおり (単位:千トン/年) 路線 機材 便数 中型ジェット機 3往復(6 便) 東京 小型ジェット機 1往復(2 便) 2010 2015 2020 2025 年度 平成22 平成27 平成32 平成37 貨物量 1.89 1.89 1.89 1.89 (3)需要予測のまとめ (単位 旅客:千人/年、貨物:千トン/年) 2010 2015 2020 2025 区分/年度 平成22 平成27 平成32 平成37 航 空 旅 客 430.5 437.9 445.2 452.3 航 空 貨 物 1.89 1.89 1.89 1.89 5
3 民間空港再開による効果
(1)空港空白地域の解消 100㎞圏内に空港を有しない空港空白地域の解消が図られる。 (2)地域振興への寄与 岩国・柳井地域のみならず、県東部地域の産業の振興や特性を活かした街づくりに大きく寄 与する。 (3)航空新規需要の獲得 東京への移動において鉄道を利用していた旅客が、岩国基地の民間空港再開により航空にシ フトし、新規の需要を獲得できる。 ここでは、岩国基地を利用できる場合(With)と利用できない場合(Without)の鉄道利用 者の差をもって新規需要と想定した。 鉄道利用者 754 千人(2010 年) 鉄道利用者 380 千人(2010 年) 航空利用者 (他空港経由) 航空利用者(岩国基地経由) 431 千人(2010 年) 航空利用者(他空港経由) 地域間の総移動者数 (Without) (With) 新規需要 374 千人(2010 年) 他空港から転換 57 千人(2010 年) 新規需要は、岩国基地を利用する可能性があると推計された地域(岩国、柳井、下松、徳山、 宮島の各ゾーン)の合計で、40万人程度の新規需要を獲得 岩国基地の民間空港再開に伴い創出される航空利用者の新規需要 単位:千人/年 年度 Without の 鉄道旅客 ア With の 鉄道旅客 イ 新規需要 (ア−イ) 2010(平成 22) 753.9 379.8 374.1 2015(27) 764.6 → 384.4 380.2 2020(32) 775.2 388.9 386.2 2025(37) 785.0 393.0 391.9 6(参考)鉄道旅客の算出(2010年度) 単位:%、千人/年 Without With 地域名 旅客流動量 JR分担率 鉄道旅客 JR分担率 鉄道旅客 岩国 161.4 85.85 138.56 3.42 5.52 柳井 43.8 89.06 39.01 8.06 3.53 下松 153.0 98.32 150.43 47.54 72.74 徳山 314.8 97.99 308.47 81.27 255.84 宮島 137.3 85.52 117.42 30.71 42.16 計 810.3 753.89 379.79 (4)経済波及効果(金銭的評価と人的評価) ア 数値でみる経済効果 「(ア)航空輸送により直接発生する経済効果」と「(イ)周辺地域に発生する経済効果」 に分け、その内訳を整理した。 (「空港整備事業の費用対効果分析マニュアル ver.3」(国土交通省航空局)に従い、空港供用後に発生す る「施設効果」とし、建設段階等に発生する「事業効果」は含めないこととする。) (ア)民間空港再開に伴う航空輸送により直接発生する経済効果(2010 年度) (金銭的評価) 1)旅客輸送時間短縮効果 利用者便益 1,209 百万円 2)航空貨物輸送時間短縮効果 航空貨物輸送時間短縮効果の便益 63 百万円 計 1,272 百万円 (人的評価) ア)空港関連事業者への効果 航空会社 新規需要の獲得 37 万人 イ)空港関連事業者への効果 航空関連事業者アクセス事業注 利用者数 18 万人 注:ここに示した値は、バス、タクシー、レンタカー事業の利用者の和である。 7
(イ)民間空港再開により周辺地域に発生する経済効果(2010 年度) (金銭的評価) 3)空港関連事業者への効果 ターミナル会社 458 百万円 4)空港関連事業者への効果 地上支援業務関連 100 百万円 5)空港関連事業者への効果 航空関連事業者アクセス事業注 1 122 百万円 6)空港関連事業者への効果 地元自治体 30 百万円 7)交流人口拡大がもたらす効果 産業の活性化 出荷額の増加 1,789 百万円 ※ 岩国市の工業製品出荷額注 2223,307 百万円の 0.8% 8)交流人口拡大がもたらす効果 地元での消費額の増大 675 百万円 ※ 岩国市の小売業販売額注 3117,091 百万円の 0.6% 計 3,174 百万円 ※ 岩国市の小売業販売額 117,091 百万円の 2.7% (人的評価) ウ)空港関連事業者への効果 空港各施設(例:ターミナルビル会社) 就業者数 223 人 エ)交流人口拡大がもたらす効果 従業員数の拡大 152 人 計 375 人 ※ 岩国市の従業者数 注449,063 人の 0.8% 注:1.ここに示した値は、バス、タクシー、レンタカー事業の収入(効果)の和である。 2.工業製品出荷額は、2003(平成 15)年工業統計調査(経済産業省)に示された従業員 4 人以上の事業所における値である。 3.小売業販売額は、2002(平成 14)年商業統計調査(経済産業省)における年間販売額であ る。 4. 従業者数は、2001(平成 13)年事業所、企業統計調査(総務省)における値である。 8
イ 数値で表していない経済効果 下記の項目については、現時点において数値的な効果を試算することが困難であるが、本 表の事項も加算すると経済効果は前項よりもさらに大きなものとなる。 効果の種類 大分類 中分類 直接効果 空港関連事業者への効果 1)旅客運送管理会社 2)地上支援機器(GSE)関連 3)航空貨物取扱業者 4)空輸型産品の創造 5)空輸型産業の誘致 6)航空機整備会社 間接効果 交流人口拡大が ア)文化振興 もたらす効果 イ)情報発信の促進 物流機能充実に伴う効果 ウ)航空便へのシフト エ)空輸による商品の高付加価値化 周辺地域生活改善効果 オ)余暇時間の増加 カ)コミュニティの形成 キ)文化レベルの向上 ク)雇用の拡大
4 費用便益分析
下表のとおり 50 年(+供用開始までの建設期間)の間で評価した場合、空港再開による利用 者の時間短縮効果等及び施設管理者等が得られる便益の総額が、供用までに要する費用及び供用 開始後に発生する改良・再投資費の総額を上回り、空港再開事業が社会経済的にみて効果がある と判断される。 費用対便益表 項 目 内 容 便益(B) 402 億円 利用者便益 22,882 百万円 供給者便益 12,024 百万円 残存価格 5,326 百万円 費用(事業費) (C) 105 億円 工事費(土木、建築、その他工事、調査設計 費)及び用地費 8,176 百万円 改良、再投資 2,305 百万円 純現在価格〔(NPV (B)−(C)〕 298 億円 (B-C)≧0 の場合、効果がある 費用便益比〔CBR (B)/(C)〕 3.8 (B/C)≧1 の場合、効果がある 評価指標 経済的内部収益率〔EIRR〕 17% 4%(社会的割引率)より高い場合、効果がある (注)(B):「便益の割引後の現在価値総額」、(C):「費用の割引後の現在価値総額」 9第2章 民間空港再開のための基本的事項
1 岩国基地の空港施設
(1)岩国基地の現状 ・ 面積 約5,742千㎡ ・ 使用形態 米軍、自衛隊 ・ 基地の基本施設 滑走路長2,440m×60m、誘導路幅員 22.9m、15.2m、水上飛行場・飛行艇陸揚場 水上滑走路(2,438m×3本) ・ 航空機の運航に係る確認事項 安全上許す限り工場及び市街地の上空を飛行しない ・ 制限表面上の抵触物件 滑走路北の化学工場・パルプ工場の煙突群等 ・ 民間機の利用実績 米軍家族等の輸送、チャーター便 ・ その他 ・年間離着陸回数(米軍・自衛隊の計):約54,000 回(平成 15 年) ・岩国基地東側海域が地位協定に伴う提供区域(船舶航行禁止区域、漁船操業禁 止区域)として制限を受けている (2)岩国基地沖合移設に係る空港施設計画 米軍岩国基地の東側海面を埋立て、現在の滑走路を約1km 沖合に移設するもので、 国が事業主体となって、現在、工事が進められている。 《埋立面積》約213ha 《移設する滑走路》長さ2,440m×幅 60m 1 本(現在の滑走路と同じ規模) 《実施主体》国(防衛施設庁) 《総事業費》約2,400 億円 《予定工期》平成8∼20 年度2 岩国基地飛行場の民間利用
(1)飛行場基本施設(滑走路及び着陸帯) 海面埋立によって東側の沖合約1,000mに平行移動する滑走路及び着陸帯の規模は 下記のとおりである。 長さ 2,440m 10 滑走路の規模 幅 60m長さ 2,560m 11 着陸帯の規模 幅 450m 上記のとおり、滑走路の長さが2000m以上確保されていることから、中小型 ジェット機の就航が可能である。 なお、国土交通省航空局「空港土木施設設計基準」では、国内線の大型ジェット 機対応では「原則として2500mの滑走路長を確保するものとする」としている が、これまで岩国市の市民団体によるB747型機によるチャーターフライトの実 施や米軍の大型機チャーター機による人員の移送も実施されていることから、大型 ジェット機の利用も可能と考えられる。 (2)制限表面 沖合移設後の滑走路に関しては障害物はないものと考えられる。 (3)運航基準 民間航空機の航行方法は、米軍、防衛施設庁、国土交通省等において調整される。 (4)管制方式 岩国飛行場においては、飛行場管制、進入管制、レーダー進入管制、着陸誘導管 制等の航空保安業務をすべて米軍が実施している。したがって、岩国飛行場に離着 陸する民間航空機も、米軍の管制方式基準が適用されるものと考えられる。 (5)運航手続き 岩国飛行場におけるフライトプラン等の運航手続きは、米軍を通じて行われるも のと考えられる。 (6)民間航空機の就航に必要な施設 軍用基地に民間航空機が就航するためには、離発着の安全性や定時性が確保され ることが必要である。このため、今後、国内の民間空港を整備する際の基準である 国土交通省航空局基準と同水準の機能を確保するよう関係機関と協議するとともに、 米軍の運用との調整を図るため民間航空機の円滑な離発着を確保するための追加施 設の整備が必要となることも考えられる。 また、旅客の乗降、貨物の積み卸し等のために新たに民間航空機専用の空港ター ミナル地域を整備する必要があるとともに、セキュリティを確保するための場周フ ェンスを設置する。また、三沢飛行場のように、電動ゲート等の設置を求められる ことも想定される。
12
第3章 民間航空機就航に伴う諸条件
1 空域条件
民間航空機の運航に伴う制限表面の障害物件について、以下に示す制限表面を想定し て検討を進めた結果、沖合移設後の滑走路については支障物件が存在しないことが確認 された。 (1)岩国基地周辺の障害物件に関する検討の概要 岩国基地は、米軍が管理する軍用の飛行場であるため、航空法は適用されておらず制 限表面に関する告示も行われていない。 このため、ICAO 基準に準拠して制限表面を設定し、支障物件を検討した。 ※ICAO:国際民間航空機関のこと。国際民間航空等に係る基準等が定められている。 (2)沖合移設後の新滑走路に係る制限表面の状況 ア 制限表面の概況:図の実線に示すとおり。 イ 障害物件の状況 沖合移設後の新滑走路に対する制限表面は、現滑走路の東側約 1,000m に平行移 動する。 この結果、現滑走路の進入表面及び転移表面下の障害物件(煙突及びプラント) は、新滑走路に係る西側水平表面内に位置するが、いずれも水平表面に突出しない。 また、現滑走路の西側水平表面内における工場内の煙突と、障害地形となってい る2箇所の丘陵地は、移設後の新滑走路に係る水平表面の範囲外に位置することに なる。 (注)現滑走路については、岩国日米協議会での確認事項として、飛行の安全上許す限り工場及 び市街地の上空を飛行しないとされている。2 気象条件
(1)気象の概況 瀬戸内海地方特有の温暖な気候で、全国的にみて年間降水量はやや少なめ、日照 時間はやや多めである。 (2)気象条件 風向分布 北側および西北西から南西側には山地があるため、年間 を通して西寄りの風と北風は吹きにくい。また、北西か ら北北西側(錦川沿い)、北北東から南南西側(広島湾 から安芸灘)は開けているため、年間を通して夏期は南 寄りの風、その他の季節は北西寄りまたは北北東寄りの 風が卓越している。 ウインドカバレッジ(※1) (20kt(ノット)未満) 全方向で各月、四季、全年ともほぼ 99%以上と極めて 良好である。12 月における南南東の風は季節風の影響 で他方位よりやや低率である。 雲高統計量 (シーリング(※2)5/8 以上) 3カ年15,271 回中、周回進入高度未満でのシーリング が40回(0.26%)と少なく、鉛直視程は極めて良好で ある。 視程統計量(※3) ・ILS 進入視程未満:43 回(0.3%) ・周回進入視程未満:601 回(3.9%) ※1:年間の風向、風速を考慮し、横風の影響を受けず離着陸できる確率を表したもの。ジェット機の横風制 限風速の目安値は20kt 未満とされている。 ※2:シーリングとは、雲底高度のことで、航空機の離着陸に重要な要素となる。 ※3:視程とは、遠方の物質の識別程度のこと (3)予想就航率 ア ILS 進入時(条件:視程…800m 以上、雲高 200ft 以上) 各月、四季、全年とも 99%以上と極めて良好 イ 周回進入時(条件:視程…3,200m 以上、雲高 600ft 以上) 月別では92.65∼98.85%で、全年では 95.95%と良好 ・月 別:4月、6月が92%台とやや低い。8月、9月が 98%台とやや高い ・季節別:春期…94.06%とやや低い。秋期…97.93%と高い ※周回進入時の就航率は、雲高・視程とも ILS 進入時条件より厳しいため、全体的に低率となる。 【期間:平成2年∼平成4年、7時∼21時】 視程(m) 雲高(ft) 横風(kt) 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 春期 夏期 秋期 冬期 全年 800以上 200以上 20未満 99.92 100.00 99.61 99.84 99.92 100.00 99.85 99.62 99.83 99.92 99.60 100.00 99.78 99.82 99.78 99.97 99.84 3,200以上 600以上 20未満 96.52 94.12 94.27 92.93 94.96 92.65 96.46 98.85 98.21 97.85 97.74 96.62 94.06 96.04 97.93 95.80 95.95 (注) 1.ILS進入不可条件(視程800m未満・雲高200ft未満) 2.周回進入不可条件(視程3,200m未満・雲高600ft未満) 3.横風制限風速(20kt未満:ジェット機目安値) 条 件 別 予 想 就 航 率 (注)「立地可能性調査(その2)報告書−航空気象調査編−」(平成6年3月)による。 ※調査対象期間:平成2年1月1日∼平成4年12 月 31 日(3カ年 全日7時∼21 時) 143 環境条件
(1)民間航空機の離着陸騒音の影響 ア 航空機騒音に係る環境基準について 岩国飛行場に近接する地域は、Ⅱ類型(75WECPNL 以下)の指定区域(図 3-3-1) ※WECPNL:「うるささ指数」とも呼ばれ、音の大きさの感じ方が回数や昼と夜では異なる ことを考慮した評価量で、一般の騒音の大きさを表す騒音レベルとは異なる。 イ 評価条件の設定 民間航空機の離発着に係る騒音の影響について、次の条件で検討した。 (ア)運航機材 中型ジェット機としてB767-300、小型ジェット機として B737-400 を選定 (イ)仮想ダイヤ ・ 深夜早朝便(22 時から翌朝 7 時)はない ・ 夜間(19 時以降)に離着陸各々1 便づつ(東京便)を運航 ・ 他は昼間の時間帯に運航 (ウ)飛行経路 離陸、着陸とも直線経路を飛行する条件を設定 (エ)滑走路利用比率 飛行場の風向状況から、全体の8割が、南側から着陸し北側に向かって出発 する飛行方式となるものと仮定 ウ WECPNL コンターによる評価 図3-3-2 のとおり、環境基準として目安となる WECPNL75 のラインは、海上ま たは岩国基地内にある。 したがって、沖合移設後の滑走路において民間ジェット旅客機のみを対象とし、 機材、便数等を仮定した条件での予測レベルでは、基地周辺の市街地または工場地 帯へは、うるささの点では影響はほとんどない。また、現在の基地周辺における航 空機騒音観測地点において観測されるWECPNL 評価上特に問題となるものではな いと考えられる。 15図3-3-1 航空機騒音環境基準類型指定図
図3-3-2 WECPNL コンター図
(2)民間航空機の誘導路走行中の騒音影響 ア 誘導路等走行中の騒音影響 誘導路走行中の騒音を予測するモデルが存在しないことから、他空港におい て騒音レベルの実測を行い、その距離減衰傾向から騒音予測を行う。 実測は大阪国際空港で行い、航空機の位置を確認しながら騒音を計測するこ とにより、音源と受音点との距離と騒音レベルの関係を求める。 イ 影響範囲と評価 仮に誘導路騒音を WECPNL 単位で表現するとすれば、大阪国際空港におけ る誘導路走行中の航空機騒音(B767)測定結果から類推したピークレベル及び 1 日 8 便の環境基準値 75WECPNL ラインは誘導路の周囲 30m 程度と推測され、 周辺地域との離隔距離を考慮すれば環境基準の維持に全く支障ないものと考え られる。 (3)民間航空機の大気質への影響 国際基準(ICAO 第 16 付属書)で排出量の測定及び計算方法が定められている。 ア 評価手法 大気質については、民航機からの大気汚染物質排出量と背後圏からの大気汚 染物質排出量を比較することにより評価する。 イ 環境影響項目の選定 窒素酸化物 (「飛行場及びその施設の設置又は変更の事業に係る環境影響項目並びに当該項目に係る 調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のため の措置に関する指針等を定める省令」の標準項目) ウ 航空機の運航に伴う排出量と環境への影響 民間航空機の運航に伴う排出量をICAO 第 16 付属書での基礎データを使用し て算出すると、以下のとおり32.3t/年となる。 岩国市における窒素酸化物の最近の年平均総排出量は約3,000t(出典:平成17 年版 岩国市の環境白書参考資料集)であることから、民航機の就航が及ぼす影響は 小さいと考えられる。 民間航空機の窒素酸化物排出量 (単位:kg/機) ・年間排出量:32.3t/年({26.09(kg/機)×3(往復)+10.24(kg/機)×1(往復)}×365(日)÷1,000(kg/t) 運航モード 所要時間(分) 中型ジェット機 小型ジェット機 地上走行・アイドリング時 26.0 2.84 1.46 Take-off 1.2 9.80 3.58 離陸・上昇時 Climb 2.0 10.38 4.07 進入着陸時 3.5 3.07 1.13 合 計 − 26.09 10.24 18
(4)民航ターミナル地域の供用による影響 ア 航空機支援施設 (ア)大気質 GSE(航空機地上支援機材)車両は、航空機の到着・出発の前後に活動する が、駐機場が一般住宅から離れていること、日当たり4回の活動であることから、 排気ガスによる大気質への影響は小さいものと考えられる。 (イ)水質 エプロンにおける油分排水発生の可能性は小さいものと考えられるが、オイル トラップを設置し河川等への排出防止を行う。 (ウ)騒音・振動 一般的にGSE 車両は、それほどの大型機材ではなく、基地周辺に大きな騒音 や振動を発生するものではない。 イ ターミナル施設 (ア)大気質 旅客ターミナルビル等は、通常の商業用ビルと同様に、大気質に影響を与える ような設備を必要としない。 (イ)水質 民航ターミナル地域の候補地周辺は、現在公共下水道の認可対象区域となって いないが、民間空港諸施設の整備(建設・運用)に際しては、建築基準法及び水 質汚濁防止法等に基づき排水処理を行うことから周辺地域への影響は発生しな いと考えられる。 (ウ)騒音・振動 大気質と同様に、民航用ターミナル施設として特別に騒音・振動を発するよう な機能は計画されない。 (5)生態系への影響 民間ジェット機の就航は、航空機の性能、運用の形態等において現在の軍用機を 中心とした実態とそれほど変わるものではない。日当たり8便程度では、生態系に 影響するほどには状況の変化はないと考えられる。 (6)建設工事中の環境影響見通し 民航ターミナル地域が特定されていない時点での検討であることから、類似例と してエプロン3 バースの計画規模の「百里飛行場民間共用化事業に係る環境影響評 価準備書」(平成15 年 12 月;国土交通省関東地方整備局・東京航空局。以下「百里環境影響評 価書」)を引用して概略の検討を行う。(検討項目は、前記(3)の省令に定められている標 準項目) 19
ア 騒音 (ア)環境保全目標 特定建設作業騒音に係る環境保全の基準又は目標 基 準 値 85dB (イ)影響予測及び評価 百里飛行場での予測結果によれば、敷地境界付近では80dB 程度と予測された。 百里では2,700m 滑走路の新設が含まれており、岩国の民航ターミナル地域は 整備面積から推定すれば百里の10 分の 1 程度の工事規模であることから、建設 工事中の騒音が周辺の生活環境に及ぼす影響は小さいものと考えられる。 イ 振動 (ア)環境保全目標 特定建設作業振動に係る環境保全の基準又は目標 基 準 値 75dB (イ)影響予測及び評価 百里飛行場での予測結果によれば敷地境界で60dB 程度となり、環境保全目標 の75dB を下回っていることから、民航ターミナル地域の建設作業振動の影響の 程度は小さいものと考えられる。 なお、施工に関しては、振動のより小さい工法や建設機械の選定等の対策を実 施することにより、一層の環境影響の低減が図られる。 ウ 大気質 (ア)評価手法 現段階では建設機械等から排出される大気汚染物質排出量と背後圏から排出 される大気汚染物質の排出量の比較を行い評価する。 (イ)環境影響評価項目の選定 建設工事中では、窒素酸化物及び粉じん等の2 項目。 ただし、粉じん等については、降下ばいじんに係る参考値とし、環境保全目標 を10.0t/平方 km/月(「面整備事業環境影響技術マニュアル[Ⅱ]」(建設省都市局 都市計画課監修、平成 11 年)と設定。 (ウ)影響予測及び評価 (窒素酸化物) 百里飛行場民間共用化事業での大気汚染物質排出量は、連続する12 ヶ月の排 出量が最大となる時期で計算した結果、窒素酸化物の排出量は年間39.4t である ことに対し、民航ターミナル地域の整備面積は百里の10 分の 1 程度の規模であ ることから、岩国市からの総排出量約3,000t/年に比較し環境に及ぼす影響は小 さいものと考えられる。 20
(粉じん等) 「百里環境影響評価書」では、降下ばいじんの発生工事として表土除去(土砂 掘削)及び路床工(路床安定処理)の2 工種とし、基準降下ばいじん量を工種別 にそれぞれ1,500、4,200t/平方 km/ユニット、拡散を表す係数をそれぞれ 1.7、 1.6 と設定。その結果、工事実施区域境界付近における1ヶ月あたりの降下ばい じん量は最大でも0.1t/平方 km/月と予測。 民航ターミナル地域は整備面積から推定すれば百里の10 分の 1 程度の工事規 模であることから、降下ばいじん量も10 分の 1 になると推定される。この数値 は、粉じん等に係る環境保全の基準又は目標である10.0t/平方 km/月を大幅に下 回っており、環境影響の程度は小さいものと考えられる。 エ 水質 (ア)環境保全目標 図3-3-1に岩国市における環境基準の類型指定状況を示す。 (イ)環境予測及び評価 工事中の水質に及ぼす影響としては、工事の実施に伴う一時的な影響として の降雨による濁水の発生が考えられる。 「百里環境影響評価書」では浮遊物質の予測結果は25mg/L(10mm/h 降雨時) であり、民航ターミナル地域は整備面積から推定すれば百里の10 分の 1 程度 の工事規模であり、適切な濁水処理施設又は沈砂池等の整備により、工事中に おける水質に及ぼす影響は十分に制御できるものと考えられる。 21
図3-4-3 (1) 利用者の利便性向上 a. 空港空白地域の解消 岩国市を中心とする当該地域の空のアクセスは、道路距離で約100km 弱にある 広島空港と約120km 隔たった山口宇部空港に依存し、いわゆる 100km 圏内に空 港を有しない空の空白地帯となっているため、空の交通整備による東京と地方の同 時性の確保を図る必要がある。 図3-3-1 水質汚濁に係る環境基準の類型指定状況 22
第4章 民航ターミナル地域施設計画
1 民航ターミナル地域の概要
(1)民航ターミナル地域 岩国基地における民間航空機の離発着は沖合移設後の基地滑走路等を使用するが、旅客 の乗降、貨物の積み卸し等のために新たに民間航空機専用の空港ターミナル地域を整備す る必要があり、本空港整備基本計画においては、これを「民航ターミナル地域」としてい る。 民航ターミナル地域の用地は供用開始から少なくとも10年間は対応可能な規模とし、 施設は、人、貨物、航空機、車両の円滑な動線に基づき各施設が複合して機能を発揮する ことによって、安全で効率的な航空機の運航が図られるように配置する必要がある。 (2)民航ターミナル地域の整備において留意すべき事項 軍民共用の飛行場であるため、各種の条件が想定され、特にセキュリティの確保は米軍 が求める大きな要素である。このため、民航ターミナル地域と基地との境界にはフェンス を設置し、民航エプロンと基地側誘導路との境界部に民間航空機出入用のゲート等を設け ることが求められることも想定される。 (三沢飛行場では、民航エプロンから取付誘導路への出入口部に電動ゲートを設置)2 計画基礎数値の設定
(1)年間旅客数の設定 航空局の「空港施設計画参考資料」によれば、用地の計画容量の設定の目安として、供 用開始から少なくとも10年間は対応可能な容量とすることが望ましいとされている。 このため、本計画における民航ターミナル地域施設計画の策定にあたっては、上記の目 安を参考としつつ、供用開始からおおむね10年後の平成32年(2020年)の航空需 要予測値の年間旅客数である445.2千人を設定する。 (2)機材別日便数の設定 このたび、日米合意により運航便数(1日4往復(8便))が確認されたため、この便 数を前提に、需要予測を満足する機材構成として、中型6便、小型2便と設定。 (3)年間貨物取扱量の設定 1,890t 〔((中型機6便×20t)+(小型機 2 便×5t))×0.03979(重量ロードファクター)×365 日〕 233 施設規模の算定
前項で設定した計画基礎数値を基に、所要規模を算定した。 算定方法は、航空局の「空港施設計画参考資料」に準拠したが、エプロンスポット数に ついては必要最小限の規模を設定した。 民航ターミナル地域の計画規模一覧(施設・用地) 施 設 分 類 施 設 規 模 備 考 エプロンスポット数 中型ジェット機 2 間口:59.5m(A300,B767等) 合 計 2 エプロン面積 16,065㎡ 間口119m、奥行135m GSE置場 旅客地区面積 870㎡ 貨物地区面積 890㎡ 合 計 1,760㎡ 旅客ターミナルビル 用地面積 8,060㎡ 貨物ターミナルビル 用地面積 2,750㎡ 駐車場 用地面積 12,600㎡ 駐車台数:360台 航空機燃料給油施設 用地面積 3,150㎡ 管理施設 用地面積 2,400㎡ 注)1 民航ターミナル地域の用地面積としては、上表のほかに、エプロン周辺用地19,000 ㎡や構内 道路用地12,000 ㎡(いずれも概算値)などが必要となる。 また、上記施設の実際の配置は、用地の規模や形状、施設の配置上の制約等により修正を必要 とする。 2 管理施設用地面積には救急医療用搬送車用地面積を含むものとする。 244 民航ターミナル地域の位置及び施設の配置
(1)民航ターミナル地域の位置 民航ターミナル地域の位置については、JR 岩国駅との距離や交通アクセスの利便性 などを勘案し、また、平成15年7月に岩国市し尿処理施設移転先予定地の変更の際、 国から「現滑走路の北端先は将来の計画のために利用可能性のある場所」として説明さ れたことを踏まえ、現滑走路の北側地区を候補地(下図)として計画しているが、今後、 1日4往復の民間航空機の運航を前提とした民間空港施設の建設場所に係る日米間の調 整により、決定されることになる。 なお、新滑走路までの航空機の地上走行距離は、新滑走路北側端部まで1,000m 程度、 同南側端部まで3,500m 程度となるが、その距離は、米軍基地と共用する三沢飛行場と同 等(同西側端部までは約3,500m)であり、羽田空港等の複数滑走路を有する大規模空港 においては同等以上の移動距離となる場合もある。 旭広場 (国有地) 滑走路末端 旭町三丁目 今津川 N 出典:岩国市都市計画図 25(2)民航ターミナル地域の施設の配置 民航ターミナル地域の各施設の配置は、今後日米協議で決定される民航ターミナル の用地の規模や形状によって計画することとなるが、主要施設の配置をイメージした モデル図を下記のとおり示す。 これにより、各施設の基本的構造等の検討を行うが、日米間で民航ターミナル地域 の用地に係る諸事項が決定された段階で、実地に即した具体的な施設配置を計画する 必要がある。 (注)① あくまでもモデル図であるので、用地の状況によって変更する。 ② 空港公園については、今後、日米間で決定される民航ターミナル地域の位置や 形状により整備の必要性を検討する。 26
27
第5章 航空保安施設計画
1 基本的な考え方
岩国飛行場の航空保安業務は米軍が行っていることから、米海軍基準及び米国連邦航空 局(FAA)基準に従って整備されるものと考えられるが、民間航空機の運航に当たって必 要となる施設について、以下のとおり国土交通省航空局の設置基準等に準拠して検討した。 今後、米軍、防衛施設庁、航空局等と調整を図った上で、設置を必要とする施設を選定 することになる。2 必要な航空保安施設について
(1)航空保安無線施設 ア 設置基準及び種類 <航空法施行規則第97 条に定められた航空保安無線施設の種類> ・NDB(無指向性無線標識施設) ・レンジ *1 ・Z マーカー *1 ・VOR(超短波全方向式無線標識施設) ・タカン(極超短波全方向方位距離測定装置) ・ILS(計器着陸用施設) ・DME(距離測定装置) ・ロランA *1 *1;現在国際標準から外されており我が国でも使用されなくなっている。 イ 必要性の検討 アのうちILS、VOR は新設し、タカンは既存施設を活用し、それ以外については設 置の必要はない(計器飛行の方式設定に影響しないため)と判断。 (2)航空灯火 ア 設置基準及び種類 <航空法施行規則第117 条、陸上飛行場の場合は第 1∼2 表が該当。> (ア) 設置を必要とする灯火 ・飛行場灯台(ABN) ・誘導路灯(TWYL) ・風向灯(WDIL) ・進入灯(PALS) ・進入角指示灯(PAPI) ・滑走路灯(REDL) ・滑走路末端灯(RTHL)(イ)当該飛行場の立地条件等の観点から航空機の離陸又は着陸の安全を確保するた め必要と認められる場合に設置する灯火 ・誘導路中心線灯(TWCL/TCLL) ・停止線灯(STBL) ・滑走路警戒灯(RGL) ・中間待機位置灯(IHPL) ・誘導案内灯(TXGS) ・着陸方向指示灯(LDI) ・旋回灯(CGL) ・進入灯台(ALB) ・進入路指示灯(AGL /RLLS) ・滑走路末端補助灯(WBAR) ・滑走路末端識別灯(RWYTIL) ・滑走路中心線灯(RCLL/RWCL) ・接地帯灯(RTZL) ・滑走路距離灯(RDML/DML) ・過走帯灯(ORL/STWL) ・離陸目標灯(AMI) ◇ 補助飛行場灯台・転回灯・指向信号灯・禁止区域灯・非常用滑走路灯;ターニング パッド部・エプロン・タワーや工事中に要する灯火であり、検討の対象外とした。 ◇ 駐機位置指示灯;地上誘導員等の運用形態により別途設置の必要性を判断する。 イ 必要性の検討 (ア) 上記アの(ア)について 全て設置が必要な飛行場灯火と判断する。これらの灯火のうち、風向灯以外は既 存施設を活用する。 (イ) 上記アの(イ)について 【設置基準により設置が必要と判断される灯火】 誘導路中心線灯、誘導案内灯、滑走路末端補助灯、滑走路中心線灯、接地帯灯、 滑走路距離灯、過走帯灯 しかし、滑走路中心線灯は他の共用飛行場で設置されていない例もあり、 滑走路距離灯で代替可能であることから、検討の対象外とした。なお、これ らの灯火の内、既存施設を活用する誘導案内灯、滑走路末端補助灯、滑走路 距離灯及び過走帯灯以外は新設するものとした。 【状況により設置が望ましい灯火】 旋回灯 【設置の必要性が低いと判断される灯火】 停止線灯 RVR550m 未満となる最低気象状態頻度が少ないと 28 滑走路警戒灯 想定できるため
中間待機位置灯 該当する誘導路交差点がないため 着陸方向指示灯 29 進入灯台 進入路指示灯 他の航空灯火の設置により必要ないため 滑走路末端識別灯 離陸目標灯 なお、民航専用新設部分(エプロン・誘導路)には、誘導路灯、誘導路中心線灯、誘 導案内灯を設置するとともに、エプロン照明灯を設置。 (3)飛行場標識施設 <航空法施行規則第79 条第 1 項第 9 号に定められた飛行場標識施設> ・飛行場名標識 ・(滑走路)指示標識 ・滑走路中心線標識 ・滑走路末端標識 ・滑走路中央標識 ・接地点標識 ・接地帯標識 ・滑走路縁標識 ・過走帯標識 ・誘導路中心線標識 ・(誘導路)停止位置標識 ・(誘導路)停止位置案内標識 ・誘導路縁標識 ・風向指示器 ◇積雪離着陸区域標識;積雪時において滑走路の境界が明確でない場合に限るため、検 討の対象外とした。 飛行場名標識と滑走路中央標識以外は全て設置が必要と判断。(飛行場名標識:運航安全 上設置されなくても支障がないこと、又、他の共用飛行場で設置されていない場合もある。滑走路中 央標識:滑走路距離灯が設置されていると考えられるため、設置する必要がない) これらの飛行場標識のうち、 接地点標識は新設する。また、停止位置案内標識につ いては、誘導案内灯が設置できない場合には設置が望ましいため、誘導案内灯の設置状 況に応じて調整が必要となるが、それ以外は既存施設を活用する。 中間待機位置標識は航空法施行規則に規定はないが、誘導路の停止位置標識とは別に、 その必要性と設置位置について運航関係者と協議し、決定する。 民航専用新設部分(エプロン・誘導路)には、エプロン標識、誘導路中心線標識、(誘導 路)停止位置標識、誘導路縁標識を設置する。
30
3 航空保安施設の追加設置施設のまとめ
民航機の運航のために新たに設置が必要な航空保安施設は下表のとおり。 民航機運航のために新たに設置する航空保安施設 LLZ(ローカライザー) GS (グライドスロープ) ILS T-DME(ターミナル用距離測定装置)(注)ILS 施設の構成要素 RVR(滑走路視距離観測装置)(注)気象施設であるが、ILS の運用に必要な施設 〔無線施設〕 VOR(超短波全方向式無線標識施設)*VORTAC(ボルタック)として運用 風向灯 誘導路中心線灯 接地帯灯 〔航空灯火〕 旋回灯 接地点標識 〔飛行場標識〕 停止位置案内標識 (注)・ 上記以外の必要最低限の民航用航空保安施設は、既存施設として追加の設置が必要なしと判断している。 ・ 民航専用新設部分(エプロン・誘導路)のエプロン照明灯及び標識等は、同等の空港で通常設置されている程度の 施設を整備する。第6章 民間航空機の運航条件
1 民間航空機の運航に関係する基準
(1)運航基準国内における米軍飛行場の航行方法(計器進入・出発方式等)は公示されていない。 航行方法の設定基準は民間航空用及び軍用航空用を統一した米国連邦航空局(FAA) の基準「United states standard for terminal instrument procedures/TERPS タープス」 が考えられるが、民間航空機の航行方法は、米軍、防衛施設庁、国土交通省等と調整の うえ決定される。 (2)管制方式 岩国飛行場においては、飛行場管制業務、進入管制業務、レーダー進入管制業務、着 陸誘導管制業務等をすべて米軍が実施している。したがって、岩国飛行場に離着陸する 民間航空機も、米軍の管制方式基準が適用されるものと考えられる。 (3)運航手続き 岩国飛行場におけるフライトプラン等の運航手続きは、米軍を通じて行われるものと 考えられる。
2 米国基準(FAA TERPS:ターミナル空域計器飛行方式基準) による検討結果
(1)計器進入方式の検討 岩国飛行場への進入方式としては、空港監視レーダー(ASR)を利用したレーダー 進入方式が基本となると考えられる。レーダー進入管制は米軍が実施し運用条件等が公 表されていないため、進入経路等の詳細は今後の調整事項となるが、FAA TERPS 基準に 基づいて、ILS 進入方式、VOR/DME 進入方式について検討した。 計器進入方式設定可能性の検討結果 滑走路運用方向 方 式 設定可否 備 考 ILS 進入方式 ○ 飛行場の南側から進入する方式 障害物がなく、通常の条件で設定可 能(進入角 3 度) 決心高度 208ft 飛行視程 800m RWY02(南側から 着陸) VOR/DME 進入方式 ○ 飛行場の南側から進入する方式 障害物がなく、良好な降下率で設定 可能 最低降下高度 320ft 飛行視程 1600m 31ILS 進入方式の周 回進入 ○ ILS 進入方式に引き続く周回進入飛 行(滑走路の東側に限定)により RWY20 に着陸 最低降下高度 560ft 飛行視程 2800m RWY20(北側から 着陸) VOR/DME 進入方式 の周回進入 ○ VOR/DME 進入方式に引き続く周回進 入飛行(滑走路の東側に限定)によ り RWY20 に着陸 最低降下高度 560ft 飛行視程 2800m (2)計器出発方式の検討 北向き離陸、南向き離陸ともに、離陸後、東向きに旋回するパターンをとり、直接松 山に向かうように飛行すると想定。 計器出発方式設定可能性の検討結果 滑走路運用方向 方 式 設定可否 備 考 RWY02(北側への 離陸) 右旋回離陸方式 ○ VOR の設置が必要 阿多田島の山(灯台)が障害物とな り、上昇率の指定(1/20 以上の上昇) が必要 最低気象条件:雲高 200ft 視程 800m RWY20(南側への 離陸) 左旋回離陸方式 ○ VOR の設置が必要 障害物はなし 最低気象条件:雲高 0ft 視程 600m (3)飛行経路 岩国飛行場を発着する民間航空機の飛行経路は、空域を管理する米軍が設定すること となる。(1)(2)で検討した計器進入方式及び計器出発方式による飛行経路を次図に示す。 32
第7章 交通アクセス
1 旅客需要
(1)旅客需要予想エリア(着色部の地域)(再掲。便宜上、旧市町村名を使用) (2)交通手段別旅客数 交通手段 分担率 (%) ピーク時旅客者数(人) 備考 路線バス 17.1 77 全てJR岩国駅からの利用とする 貸切バス 12.2 55 48 JR岩国駅からの利用とする タクシ− 15.7 23 岩国市及び周辺地域から利用とする 自家用車 53.1 239 その他 1.9 9 計 100.0 451 出・入り合計 ※ピーク時旅客者数:旅客人数が時間当り最大となる人数で、年間旅客数と航空機発着便数によるピーク時集 中率から算出された人数(旅客者の送迎者は算入されない)。 ※分担率:岩国飛行場と類似の空港例がないため、近傍事例として山口宇部空港の交通分担率を参照した。 ※タクシー利用者:JR 岩国駅からの利用者と岩国市及び周辺地域からの利用者を細分して予測した。 3435
2 道路網
(1)予想交通量 民間空港再開に伴い新たに発生する交通量(ピーク日出入台数):2,077台 (1,484人(ピーク日旅客数)×1.4台/人(ピーク日1人当たり出入港台数)) (2)道路整備 ア 幹線道路の整備 (ア)開港時整備終了事業 路線 番号 路線名 事業名 箇所名 供用予定 年度 ○A 花岡拡幅(国道 2 号) 道路改築事業(直轄) 周南市峠 ∼下松市南花岡6 H16 年度 全線供用 ○B 柳井バイパス(国道188 号) 道路改築事業(直轄) 柳井市柳井稲積 ∼柳井市南町 3 H19 年度 暫定供用 ① (主)岩国大竹線 道路改良事業(山口県) 岩国市関戸 ∼岩国市関が浜 H17 年度 ② (−)藤生停車場錦帯橋線 道路改良事業(山口県) 岩国市平田 H17 年度 ③ 岩国南バイパス(国道188 号) 道路改築事業(直轄) 岩国市山手町 ∼岩国市藤生町 H19 年度 暫定供用 ④ (都)元町錦見線 街路事業(岩国市) 岩国市山手町 H19 年度 暫定供用 ⑤ (都)牛野谷線 街路事業(山口県) 岩国市牛野谷 ∼岩国市平田 H19 年度 ⑥ (都)門前線 街路事業(山口県) 岩国市門前町 ∼岩国市門前町3 H20 年度 ⑦ (都)昭和町藤生線 街路事業(岩国市) 岩国市車町 H19 年度 (注)(主):主要県道、(一):一般県道、(都)都市計画道路のこと (イ)将来(開港後)整備終了事業 ⑧岩国港臨港道路 ⑨岩国・大竹道路(国道2号のバイパス)−広島県西部からの所要時間が大幅に短縮 ⑩(一)牛野谷尾津線 ⑪(主)岩国大竹線 (ウ)整備予定図及び開港時の飛行場までのルート 図7−1、図7−2のとおり イ 飛行場周辺道路の整備 幹線道路から民航ターミナル地域へは、都市計画道路・昭和町藤生線の旭町 交差点から市道旭町19号線により進入することになるため、開港時までに次 の整備を行う。(図7−3のとおり) (ア)昭和町藤生線と市道旭町 19 号線との交差部の改良 昭和町藤生線の岩国方面から市道旭町 19 号線への路線バス等の左折進入を円 滑にするための隅切りを行う。 (イ)基地北ゲート付近のクランク部の改良 線形改良及び拡幅整備(歩道を設置)を行い、バス等の離合をスムーズにす るとともに、地域住民や道路利用者等の安全性と利便性の向上を図る。36 (ウ)民航ターミナル地域への進入道路の整備 民航ターミナル地域への進入道路として、今後、AルートまたはBルートを 選択した上で、整備する。 (3)所要時間の比較 ア 一般道利用 以下のとおり、60分内外で各地域から飛行場に到着することができる。この時 間は、飛行場までの所要時間として約70%の住民が許容する到達時間である。 (平成 14 年度 中国地方整備局実施「山口県の道路整備に関する住民アンケート」結果) (単位:分) 地域名 路線名 H17 現在 開港時 開港後 備 考 玖珂町 26 22 22 光 市 59 55 55 下松市 59 55 55 徳山市 国道2 号 (上り) 68 64 64 和木町 22 22 5 区間距離で按分 大竹市 34 34 14 宮島口 53 53 33 廿日市市 国道2 号 (下り) 61 61 41 錦 町 国道187 号 60 56 56 由宇町 25 21 21 岩国南バイパスによる短縮効果 柳井市 49 44 44 田布施町 国道188 号 59 54 54 イ 高速道利用 (単位:分) 地域名 利用IC H17 現在 開港時 開港後 備 考 徳山市 徳山東∼岩国 56 52 52 料金(片道):1,150 円 下松市 徳山東∼岩国 51 47 47 料金(片道):1,150 円 廿日市市 廿日市∼大竹 50 50 30 料金(片道): 700 円
図 7-道 路 整備予定図(岩国周辺) 1 37
図7-2 開港時アクセスルート図
図7−3 飛行場周辺道路の整備
40
3 公共交通機関
(1)JR等の状況 ア 路線の状況 路線名 旧市町村名 ①JR山陽本線 大竹市,大野町,宮島町,廿日市市 ②JR山陽本線 由宇町,大畠町,柳井市,田布施町,大和町,光市,下松市,徳山市 ③JR岩徳線 玖珂町,周東町,熊毛町,下松市,徳山市 ④JR山陽新幹線 徳山市 ⑤錦川清流線 錦町,美川町 イ JR岩国駅の発着状況(上記アの①∼③、⑤。平成 17 年 3 月状況) 路 線 名 JR岩国駅 着 JR岩国駅 発 (下り:広島方面⇒岩国駅着) 各駅停車のほか快速列車も運行されており、 5∼8 本/時間と便数が多い。 (7 時台は 3 本/時間の運行) ・普通列車 10∼15 分程度の間隔で運行 ・快速列車 15∼60 分程度の間隔で運行 ※快速(シティーライナー):35 分程度 (上り:岩国駅発⇒広島方面) 岩国駅始発も多数運行されており、快速列車 も含めて、4∼7 本/時間と便数が多い。 (20 時台は 2 本/時間の運行) ・普通列車 10∼15 分程度の間隔で運行 ・快速列車 20∼60 分程度の間隔で運行 JR山陽本線(広島方面) (注)ここでは、旅客需要対象エリアの駅全てに停車するものを普通列車とし、それ以外を快速列車 (一部の駅を通過)とする。 JR山陽本線(徳山方面) (上り:徳山方面⇒岩国駅着) ・普通列車 2 本/時間(約 30 分間隔) ・快速列車 7 時台に 1 本運行(通勤用) (7 時台・19 時台は 3 本/時間の運行) (下り:岩国駅発⇒徳山方面) ・普通列車 2 本/時間(約 30 分間隔) ・快速列車 19 時台に 1 本運行(通勤用) (7 時台は 1 本/時間の運行) JR岩徳線(徳山方面) (上り:徳山駅発⇒岩国駅着) 1 本/時間が運行されているが、10 時・13 時台の到着便は運行していない。 (下り:岩国駅発⇒徳山駅着) 1 本/時間が運行されているが、10 時・14 時台の出発便は運行していない。 錦川清流線(錦町方面) (上り:錦町駅発⇒岩国駅着) 1 本/時間が運行されているが、12 時台の到 着便は運行していない。 土曜・休日は 11 時・14 時台の到着便も運休 となる。 (下り:岩国駅発⇒錦町駅着) 1 本/時間が運行されているが、8時・12 時台の出発便は運行されていない。 土曜・休日は 11 時・14 時台の出発便も運休 となる。 ウ JR新岩国駅の発着状況(上記アの④) 1時間に 2 本程度が運行されている(徳山駅∼新岩国駅:約 15 分前後) (新岩国駅から市内へは錦川清流線・路線バスまたはタクシーを利用することになるが、市内への所 要時間は乗り継ぎ時間を考慮すると 30 分以上必要)エ 需要エリアの各駅からの所要時間と費用 新幹線 山陽本線 岩徳線 錦川清流乗継時間 (※1)連絡バス 合計 新幹線 山陽本線 岩徳線 錦川清流 連絡バス (※2) 合計 由 宇 16 10 5 31 320 200 520 快速利用 玖 珂 26 10 5 41 320 200 520 柳 井 33 10 5 48 570 200 770 田布施 43 10 5 58 650 200 850 光 58 10 5 73 950 200 1,150 下 松 63 10 5 78 1,110 200 1,310 徳 山 73 10 5 88 950 200 1,150 徳 山 71 10 5 86 950 200 1,150 徳 山 15 20 35 70 1,780 640 2,420 大 竹 5 10 5 20 180 200 380 宮島口 19 10 5 34 320 200 520 廿日市 27 10 5 42 480 200 680 (広 島) 48 10 5 63 740 200 940 (広 島) 35 10 5 50 740 200 940 シティーライナー 錦 町 60 10 5 75 1,110 200 1,310 南 桑 40 10 5 55 770 200 970 美川町 ※1.アクセス路線における乗継時間(軌道系→連絡バス)は一律10分とする。 ※2.路線バスの運賃は現行料金ベースでは160円程度と試算されるが、計画案での設定運賃は200円で費用算出を行なう。 備考 各駅からの所要時間と費用 路線(所要時間)分 路線(費用)円 発駅 (2)JR駅からの経路 ア JR岩国駅からの経路 (ア)JR岩国駅の現状 JR岩国駅には、西口(表口)と東口があるが飛行場への交通は、次の理由により 西口を利用する。 ・バス乗降設備が整備されている。 ・西口と東口から飛行場までの距離差は 0.5km程度 (西口∼飛行場:2.7km(三笠橋経由)程度。所要時間にほとんど差がない) ・東口は営業時間に制限がある。(常設の改札口でない) ・駅からの乗り継ぎ機能(バス・タクシー)を分散しない。 41