理学 療 法 学 第
36
巻 第2
号62
〜
69
頁 (2009
年 )症 例 報 告
頸椎 症 性 筋 萎 縮 症
(
Keegan
型 頸 椎 症
)
に
対 す
る
運 動 療 法
の
試
み
*肩
関
節
の
解 剖
学
と
運 動 学
に
基
づ
く運
動 療
法
一
松 本
正
知
1>#加 藤
明
2)岸
田
敏 嗣
3)赤 尾
和
則
1)田 中 和
彦
4)赤
羽 根 良 和
5)近 藤 哲 士
6)要
旨【
日的
】
頸
椎
症
性
筋
萎
縮
症の治
療法
に は,
早期
に乎 術
を推
奨 す る報 告
や保
存
療 法
を第
一
選択
とす
る報
告
が あ る。保 存 療 法
に よ る改 善 例
も報 告
さ れ有 効
な 選択 肢
と考
え ら れ る が,
理学 療 法
の報 告
は少
なく
十分
なエ ビデ ン スが確
立 さ れていない状 況
に あ る。
運 動 療 法
の報 告
でも詳 細
な記 載
は なく
,
肩 関 節
の解 剖 学
や運 動
学
に基づく
運動 療 法
の報 告
は見
あ た ら ない。
これ ら を考 慮
し た 運動 療 法
の導
入に より
,
保 存 療 法
の成績
を向
上さ
せる余 地
があ
る と思
われ
,
そ
の運 動 療 法
につ い て検 討 す
る。【
方 法 】 頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症
と診 断 ま
た は疑 わ れ
た全 症 例
3
名
3
卜肢
に, It
肢
の拘 縮 を予 防 し
,
斜 面 台 を用
いた肩 甲 骨 周 駢 筋
の筋 力 維 持
に より腱
板 筋 群
が効 率
よく働 く環 境
を整 え
,
同時
に腱 板 筋 群
やー角 筋
の筋 力
を維 持
・
強 化
し 上肢
の挙
上動 作
の獲 得
を
図 る。
そ し て,障 害
さ れ た神 経
が 回復 す
ること を期 待 す
る.
:
【
結 果
】
治 療 終
了時
に は,
全 例 と も挙
上 が 可能 と
なり
,長 期 成 績
で は 日常 生 活
や社 会 生 活
に支 障
なく再 発 も認
めていな
い。【
結 論
】
本 法
は,
于 術 療
法の前 に 試 み ら れ るべ き 有効
な一
手 段
と考
え ら れ た。
キー
ワー
ド頸 椎 症 性 筋
萎
縮 症
, 運動
療
法
,長 期 成
績
は じ め に頸 椎 症
に よ る神 経 障 害
は,
感 覚 機 能
と運 動 機 能
が同 時
に障 害 さ れ
るこ とが 多
い。しか し
,特 殊 な病 態 と し
てヒ
肢
の脱 力
や筋 萎 縮 を
髢症 状
とし
,
明
らか な 感 覚 障 害
や疼
痛
がな
い か,
あ
っ ても 軽 微
な障 害 を 呈 す
るも
のを
Keegan
型 頸 椎 症
1)ま
た は頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症
2)と
いう
。本 症
の発 生 機 序 と
して,
椎 問 孔 部
での選 択 的 な前 根
の圧*
八 TrTtU of Therapcutic Exercise fQr CcrviGal SpondyEotic
Amyotrophy (1〕issociared Motor Loss}
−
Therapeutic Excrcise Based on Artieular A[Latomy and Kinematjcs−
1)桑名市民病院 整 形外科 リハ ビ リ テ
ー
ション室〔〒51ユ
ー
0819 三重県桑 名市北別所435)Masatomo
Matsumoto
,
RPT
,
KazunoriAkao
.
RPT:DeparLrncnr
of Orthopaedic Surgery Rchabilitation
,
Kuwana City Hospital2);重社 会 保 険 事 務 局
Akira Kateh
,
M :Mie Social工nsurance Bureau3 ) 国立病 院 機 構 東 名 占屋病 院 附 属リハビ リテ
ー
ション学 院理学 療 法 学 科ToshitsuSni Kishida
,
RPT: National II【〕spital Organizati〔jllHigashinagoya Hospital Rehabilitation CoLlege 4)中 部 リハ ビリ テ
ー
ショ ン 韓 門学 校Kazuhiko Tanaka
.
RPT:Chubu Rehabiliしati(,n College5) 吉田整 形 外 科 病 院
Yoshikazu Akabanc
,
RPT:Yoshida Orlhopedic Hospita]6) ホ寸瀬 病
1
筅Tetsushi Kondo
,
MD :Murasc Hosph測#
E
一
皿ail;mmtom 〔}chan @ybb.
ne.
jp
(受 付 H 2007年6月19日 /受理 目 2008年12月23H )
迫
コ):1)に よるも
の,
脊 髄 前 角 部
で の圧 迫
とそ
れに伴 う
虚 血性 障 害
2)4)に よ るも
の,
こ れ ら両者
の混 合
型の可
能性
が報 告
5>6)されてい る。G5
・
C6
レベル で の障 害
が多 く
,
肩 関節
の挙
一
L
障 害
や肘 関 節
の屈 筋
の筋 力 低 下 を訴
え
る ことが 多
い疾 患
であ
る。治 療 法
と して,
早 期
に手 術 を推 奨 す
る報 告
7>8>や保
存 療 法 を 第
・
選 択
とす
る報 告
9.
11〕 など
があ
る。保 存 療
法 を 第
一
選 択 とす
る報 告
で は,一
般
的 に3
ヶ月程 度
の頸
部 安
離,
薬 物 療 法
,
頸 椎 牽 引 を主
と す る 理 学 療 法,
装 具療
法 が 試 み られ こと が多
い。
最 近の報 告 で は,
保存 療 法
に よ る改 善例 も報 告
さ れており
12−
14」有 効
な治 療 法
と考
え
ら れ る が,
理 学 療 法 につ い て記 載 さ れている 報 告 は 少 な く, 十 分 なエ ビ デ ン ス も 得 ら れてい ない状 況 で あ る,
,
運 動 療 法
の報 告
でも筋 力 練 習
と だけ 記 載 さ
れ てい ること
が多 く
,
肩 関節
の解 剖 学
や運 動 学
に基づく運 動 療 法
の報
告
は見 あ
た らな
い 。 これ らを考 慮
し た運 動 療 法
の導 入
に よっ て, 保 存療
法の成 績 を向
F.
さ せ る余
地 が あ る と考
え ら れ る。
今
回我
々 は,頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症
に対
し上肢
の拘 縮 を
予防
し,
斜 面 台
を用
い た筋 力 練 習
に より体 幹
と肩 甲骨
を結
ぶ肩 甲骨 周 囲 筋
,
特
に肩 甲骨
上方
回旋 筋
の筋 力
を維 持 す
るこ とで,
腱 板 筋 群 が 効 率 よ く 働 く環 境 を 整 え た。
同 時に
,
骨 頭
の支 点 形 成 を行 う腱 板 筋 群
や挙
上運 動 を担 う
i
三角 筋
の筋
力
を
維持
・
強 化
す
る こ と で,
上肢
の挙
上動作
の獲 得
を 冂 的 と し 治療
を行
っ た。
そ して,
障
害
さ れ た神 経
が 回復
する こ と を 期待
し た。
こ
れ
らの考 え
を基
に運 動 療 法 を 施 行 し短 期
お よ び長 期
成 績
を得
たの で,
その治 療 法
と その適 応
につ い て報 告 す
る。
症例 紹 介
対 象
は,平 成
12
年
7
月
〜
平 成
14
年
10
月
の問
に,当 院
整 形 外 科 を受 診
し頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症 と診 断 ま た
は疑
わ れ た全
症 例3
名
3
上肢
と し た。
この期
間 以外
に,
これ を疑
わ れ る 症 例 は 無 かっ た。
1
.
症 例1
,
37
歳,
男 性(
職業
:自 営)
就
寝
時 に頸
か ら屑へ の激 しい痛
み が 出 現 し,
翌朝
に は 左 上肢 挙
上困 難
と なり当 院
を受 診
し た。
左頸 部
か ら左 上 腕外
側
に かけ
て のわず
か な し び れ感
以外
に目
立っ た感
覚
障害
は な く,
左 肩 関節
のMRI
検
査で も 異常
を 認 め な か っ た。 し か し,
頸 部
のMRI
検 査
に お い てC4
/℃5
,
C5
〆C6
レベ ル で の椎 間 板
の突 出
と,
左椎 問 孔
の狭 小 化
を認
め た(
図
1
症 例
1
)
eこ
れ ら
より
,
頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症
と診 断 さ
れ,
発 症 後
9
凵
より理 学 療 法 開始
とな
っ た。
2
.
症 例
2
,52
歳
,女性
(職 業
:会 社 員 )
右 肩
に重 量 物 を
のせ て運
んだ
のち右 上 肢 挙 上 困 難 とな
り
,
発 症 後
8
囗を 経 過
し当 院 受 診 と な
っ た。
受 診 時
,
感
覚 障
害
は なく腱 板 損 傷
を疑
わ れ右 肩
関節
のMRT 検
査
が施 行
さ れたが,
異 常 信 号
は認
め ら れ な かっ た。
その後
,
頸
部
のMRI
検
査 に より
C4
/C5
レベ ル に て右 優 位
,
C5
/C6
レベ ル で の左優 位
の椎 間板
の突
出 とDural
sac の 圧排
を認
め た (図
1
症例
2
) た め頸 椎
症性 筋 萎
縮 症 と 診断 さ れ
,
発 症 後
19
日
より理 学 療 法 開 始
とな
っ た。3
.
症 例
3
,
68
歳
,
男 性 (
無 職 )
自転 車 乗 申
:中
に転 倒
し頭 部 外 傷
,
左肩 打 撲
,
頸 稚 捻 挫
を受 傷 し
,
当
H
当 院 を受 診 し
た。転 倒 か ら
5
口後
に左
上肢
の挙
ヒ困難
が 出 現 し,
この 日 を 発症
日と し3
日後
に 理学 療 法
開始
と なっ た。初 期 評 価
にて ,C4
領 域
の ごく軽
度
の感 覚 鈍 麻
と三角 筋
,
腱 板 筋 群
,
上腕
二頭筋
など
C5 ・C6
レベ ル での高 度 な筋 力
低 下 を 認 め た。
これ らの 理学 所
見 を も と に,2
週間 後
に左 肩 関
節 及 び頸
部のMRI
検
査 が 施 行 さ れ た。
左 肩 関 節
のMRI
像
に おい て は,
棘 上筋
の ご く一
部
に高 信 弓
を 認 め た が,
本
症例
の責 任 病
巣 と断 定 す
る に は 至 ら な かっ た。
し か し,
頸 部
のMRI
像
に おいてC3
〆C4
,
C4
!(⊃5
,
C5
/C6
レベ ル で の変形
に よ る 左優 位
の脊 柱 管
の狭 小化
と脊 髄
σ)圧 迫 を認
め た(
図
1
症例
3
)
た め,
頸 椎 症 性 筋 萎 縮 症
と して理 学 療 法
が施 行
さ れ た。治
療 方
法
.
lr
∫
動 域 練 習
一
i
モに 肩 甲上腕
関節
の 冂∫動域
の維
持・
改 善
を 目的
に肩
関節
の可動 域 練
習を行 う
、
t健 側
の 可動 域 を 参 考
に背 臥 位
で肩 甲骨 を
ド制
して固定
し, 上 肢 下垂 位 (
以後
:1st
肢 位
)
,
肩
関
節 90
°
外
転
位
図1 頸 部 及び肩の MR [ 症例1 :頸 部C4
,
ICrj 症例3 :左 肩関 節 症例1 :頸 部C5
/℃6 症例3 :頸 祁C3
/C4
症例 2 :甄
部
C4
〆C5
.
症 例3 :頸 部
C4
,
,
C5
症 例2 :頸 部C5
/C6
症 例3
:頸 部C5
/C6
↑ に て,
所 見の認め られ た箇 所 を示 す.
64
理 学 療 法 学 第36
巻 第2
号 図2
斜 面 台 を用い た 遠 心 性 収 縮に よる筋 力 練 習 a :健 側 L肢 (左 )にて患 側 ヒ肢 (右 ) を 挙.
F
.
させ る.
1):患 側 ヒ肢 を 叮 能 な 限 り挙ヒさせ る.
c :両 ヂ を 離 して も健 側と同 程 度に挙 ヒ位 保 持 が 可 能 な 斜 面 台 の角 度 を設 定 する.
d
:大 結 節がposte rol it teral passを通るよ うに,
挙 上 したL
肢 を 肩 関 節外 転・
外旋 位と し,
前 腕回外・
肘 関節 を 軽 度屈曲 に て 目 的 とする筋が遠 心 性 収 縮 する ように ユ0
秒 程 度の時 間をか け て ゆ
っ
く
りと ド制させる.
e・
f
:鏡に て腕や肩の動 き を患 昔 本人 に確認 さ せ,
下制 時の肩甲上 腕 リ ズムに左右 差 が 無い よ う に 配慮し た
,
(
以後
:2nd
肢 位 )
,
肩
関節
90
°
屈 曲{
1ン:(
以後
:3rd
肢
位
) に て外 旋
・
内 旋
の他
動 運動
を 行い,
その後 肩
甲 骨を
固定
せ ず 屈山
・
外
転・
filiJk
の他 動
運動
を行
っ た。
肘 関節
に も)1]’
動 域練
習 を行
っ た。
斜 面 台 を 用い た 筋 力 練 習
(
図2
)斜 面
台
を 用い肩 甲
骨の 上方
回旋
筋 や 腱 板 筋群
, 三角 筋
に 対 し筋 力
の維 持
・
強化
を 目的
に 遠心 性 収
縮 に よ る筋 力
練 習 を 行 う。
斜 面 台
ヒに背 臥 位
と し,
斜 面 台
の角 度
を徐
々 に あげ
て いき
,
健 側
上肢
に て 患 側 卜肢
を可 能
な 限り挙
上 さ せ る。
両手
を離
して も健 側 と 同 程 度に挙
上位
保 持 が 可 能 な角
度 を設 定 す
る。 この斜 面台
の角 度
にて,
大結 節
がp
stero−
lateral
pass を 通 る よう
に,
挙
上 し た 上肢
を肩 関 節 外
転・
外 旋 位 と し,
前 腕 回外
・
肘 関 節 を 軽 度屈
曲に て目 的 とする筋
が 遠 心 性収
縮 す る よう
に10
秒 程 度の時問
を か けて ゆっく り
と ド制
させ る。
これ を20
回程 度 健
側 と 同程 度
の肩 甲
上腕
リズム で行 え
る よう
になっ た時 点
で,
斜
面 台の角 度 を 増 してい き 新 たに挙
上 位 保 持の限界
と なる角
度 を 設定
し,
同様
の練 習
を 行っ た。
斜
面台
の角 度
が,
80°
に達
した ら 同様
の練
習 を 改位
にて行
っ た、
、 ま た,
斜
面台
の角 度
が40
°
以 ヒで は,
鏡
を用いて腕
や肩
の動 きを患 者 本 人
に確 認 さ
せ,
ド制 時
の肩 甲
L
腕
リ ズム に左 右 差
が 生 じ ない よ う 配 慮 し た、
、
挙
上練
習挙
上練
習
は,
健
側 と 同様
の肩 甲
上腕
リ ズム を獲 得
す
る こと を 目 的 に行 う
tt・ン:位 にて
の運 動 が 可 能 と なっ てか ら
行
っ た.
の運
動
が 立位
で可 能
で あ れ ば,
卜肢
の挙
トは可 能
と なっ てい ること が多
かっ た が,
不
可能
な場
合 は,
斜
面台
を 用い肩
関 節
を外
旋
し た 状態
か らposterolateral pass を 爪 いて,
肩 甲
上腕
リズムに差
が見
ら れな
い角 度
で外 転 挙
上の練 習
を行
っ た/
t挙
上回 数
の増 加
に伴
い,
健 側
と患 側
との肩 甲
上腕
リ ズム に差
が見
られ た時 点
で,
練 習
は中 止
し た。ま
た,
立 位
での挙
上練 習
で は,
筋 力
の 回復
に伴
い左 右
に同
じ重 さ
の重 錘
バ ンドを 装 着 し
,
リ ズムに左 右 差
が生
じ ない よう
に留 意
しつ つ負 荷
量 を増 加
させ てい っ た。
その
他
頸 部
の安 静 を
目的 とす
るソ フ ト カラー
な ど
の使 用
は,
医 師の 指 示 に 従っ た。
投
薬
は,
内 服
に てビ タ ミンBl2
製 剤
や 血管
拡張 薬
の 処方
が な さ れ た。
治 療 経 過
お よ び結 果
症
例
ユ〜
3
の初期 評 価
及 び,
治 療 終 了 時
の評 価
を表
1
へ示 す
。
1
呷
ヨ
走
f
歹叮
1
理学 療 法 開 始 時 所 見
:主訴
は,
左
ヒ肢
の挙
.
ヒ困 難
であ り
,
痛
み の訴 え
は無
かっ た。頸 部
,
肩 関 節
とも
に 可動 域 制 限
を
認めず 感 覚 障 害
は,
左
C4
〜
C5
領 域
にわず
か な しび れ感
を認
め たが,
触 覚
・
痛 覚
とも
に健
側 との差
を認
め な かっ た.
上腕
二頭 筋
の腱
反射
は,
健
側 に 比べ低
下 し て お り,Morley
test
は 陰 性 で 胸 郭 出 口 部 での腕
神 経叢
の圧痛
やquadrilateral space の 圧 痛 も 認め ら れ な かっ た。
徒于 筋 力 検 査
(
MMT
)
で は頸 部
・
肩 甲帯
の筋 力 低
ドを認
め ず,
左
肩 関 節の屈 曲・
伸 展・
外 転・
外 旋 が 著 明 に 低 下 してお り,
挙
上 は不 能
であっ た。 左肘 関 節
の屈 曲
や前 腕
同外
は3
レベ ルで あり
,C5 ・C6
レベ ルでの筋 力 低
.
ド
が 認 め ら れ たuMRI検
査 か ら は,
C3
/C4
レベ ルで の脊
髄 に対 す
る 圧迫
は認
め ら れず
,
C4
/C5 ・C5
/C6
レベ ル で の椎 間
板の突 出 と椎 問孔
の狭 小 化
と が認
め ら れ,
明
ら か な 起 点 も存 在 し た た め,
C4
,
IC5・
C5
/C6
レベ ル で の発 症 後早
期の 前根
症 状 で あ る と 推察
さ れ た。
肩
関節
のJOA
score は,
56
点
で あっ たu 理学 療 法
t
日 目 :可動
域制
限を
認めず
,
斜 面 台
の角 度
が60
°
で挙
ヒ位 を 保 持 する こ とが 可 能であ り,
痛み な どの 問 題 も な く ゆっ くり
と 下 制 する こ と がで き た。
5
分 間
で 10 回程 度 行 う
こ とがで き,
疲 労
の訴え
と 下 制 に と も なう
肩 甲上腕 リズ ムの左
右差
が 出 現 して きた た め,
初 日の治療 を終 ゴ
と し た。以
後
,
叮動
域練 習
を継 続
して行
い,
斜 面 台
の角 度
や練
表1 理学 療 法 開 始 時と終 ゴ峙の所 見の変 化 症 例i 理学 療 法開 始時
終
r
時
症 例2 理学療 法 開始時終
r
時 右 僧帽 筋 上 部線 維 無し に突っ 張 り感 症 例3
現学 療 法 開 始 時 終 了 時 疼 痛 II丁動 域i
問[SR 感 覚障害 表 在感覚 し び れ感 無し 無し 左右差 無し 無し 無し 無し 左右差 無 し 左 右 差 無 しC4
〜
C5
領 域に極
無し 僅 か な し び れ 感健
反射 (
ヒ腕二頭筋)
低 卜
.
Morley
teSt 陰 性 腕 神 経 叢の圧痛 無しQuadrilatcra
且space の圧 痛無し
MMT
肩 関 節 屈 曲 外 転.
仲展外
旋 肘 関節 屈曲 伸 展 前 腕 同 内 何 外JOA
score 治 療 終 ∫後1
年のJOA
score 治 療 期 間 (発 症 後 ) 且11135536
5
左右
差 無し 陰性 無し 無し4
4
4
4
4 5 5 497100 無し 左 右 差懸
し 陰 性 無 し 無し111145539
5
無し 左 右 差 無 し無
し 左肩か ら 凵腕外 但rl 無し 部の打 撲に よ る安 静 時 痛と夜 問痛 無しC4
領 域の 極 軽 度 の鈍 麻 無し 左右
差無し低 下 陰性 陰 性 無し 無し 無し
5
i
b 5 5 5 5 5100100OOOO24536
2
無 し 左 右 差 無 し無
し左
石差無
し 陰性 鮭し 無し4444555550
90
9
週8
ケ月1e
ケ月 習 回数
を適
宜増 加
さ せ てい っ た。
治 療 頻 度
は,
週に3
〜
4
回であ
った
。
理学 療 法
開始
よ り3
週
:斜 面 台 を 用
いず
,
立位
に て挙
上 位 か らの ド制 が 可 能 と な り,
肩 関 節の 外 転 や 屈 山 も 健 側 と1
司程 度
に 可能
と なっ た。
これ 以
降
,
週に1
回 程度
し か来 院
で きず
,
自
宅で の ト レー
ニ ング と して立位
で の挙
L
練 習
を指 導
し た。
理 学 療 法 終 了 時 所 見
:発 症 後
9
週
で,
肩 関 節
1
出曲
・
伸
展・
外
転・
外 旋
のMMT
が4
レベ ル に回復
し,
しびれ感
も消
失
し た。
患
者
本 人
が杜 会
復
帰
可能
と判断
さ れたため 治療
を終
了 し た.
この時 点
での,
JOA
score は,97
点
で あ り減 点 項 目 は,
筋 力 及 び 持 久 力 に よ る もの であっ た。
ま た,
治 療 終 了 後
1
年
を経
過 した時 点
でJOA
scorc は,
ユ00
点
と なり発 症
か ら5
年
以E.
経 過
し た時 点
でも
,H
常
及
び社 会
生活
において支 障
は認
め られて い ない、,
2
.
症 例
2
理学 療 法 開 始 時 所 見
:屯訴
は,
右
.
ヒ肢
の挙
L
困 難
であり
,
右 僧 帽 筋 部
に突
っ張 り感
を訴 え
る の み で頸 部
,
肩 関 節
と も に 可動
域制
限 は認
め ら れず
,
し び れ感
や 鈍麻
な どの感
覚 障 害 も 認 め ら れ な かっ た。
上 腕 二頭 筋の 腱 反 射 は 健 側 との差 を
認めず
,
Morley
Lest は陰性
で あ り, 胸郭 出
ll
部
で の腕 神 経 叢
の圧 痛
やquadrilateral
spaco の圧痛 も認
め ら れ なかっ た,
、
MMT
で は頸 部
や肩 甲 帯
.
の筋 力低
下 を 認 め な かっ た が,
右 肩 関 節 屈 山・
仲 展・
外 転・
外
旋 に 著明 な低
ドを
認め,
挙
上 は不.
tt]’
能
であ
っ た。
右
肘 関節
の屈曲
や前 腕
回外 も
3 〜4
と低
.
ド し てい た。
重 量 物 を右 肩
で かつ い で運 んだ
という起 点
とMRI
像 か らC4
!C5
レ ベ ル で の右 優 位の 椎 間 板の 突 出 とDural
sac の圧排
を認
め た こ と より
,
発
症後 〒期
のC4
・’C5
レベ ル で の前 根
症状
で ある と推 察
さ れ た。
肩 関 節
のJOA
score は,
59
点
であっ た。
理 学 療 法
lH
目
:可 動 域 制 限 を認
めず
,
斜 面 台
の角 度
が35
°
で挙 ヒ位 を 保持
する こ とが 可能
で あっ た ため,
この角 度
に て練
習
を施 行
し た.
15
同の くり
返 し が 可能
で あ り,
肩 甲.
L
腕 リ ズムに左
右 差 が出
現 し て き た た め 初 日の 治 療 を 終 ゴ と し た。
理学 療 法
3H
目:斜 面 台
の角 度
が35
°
で挙
L
位 保 持
と下
制
が20
回
以E
可 能
と なっ た た め,
斜 面 台
の角 度
を40
°
と し た。
以後
,
叮動
域練 習
と筋 力 練 習
を継 続
して行
い,
斜 而 台
の角 度
や練 習 回 数
を適 宜 増 加 さ
せてい っ た。治療
頻 度
は,
週
に3
〜
4
回
であ
っ た。
理学 療 法
開始
より約
6
週 :肩
関節
の屈 山
・
外 転
・
f
申展 筋
力 も
3
レベ ル に回復
し,
健 側
と同程 度
の挙
上が可 能
とな
っ た。
以後
,
職 業 復 帰
し 週 に1
回
程度
の通院
と なっ た た め,
自 宅での トレー
ニ ング と して立 位での 挙 上 練 習 を 指導
し た。
理学 療 法 開 始
より約
16
週
:肩 関 節
の屈 曲
・
外 転
・
伸 展
筋 力
も4
レベ ル にLfil
復
し た た め,
兎 錘 を 用い た挙
上練 習
を 自 主 トレー
ニ ン グ と し た。
66
理 学療 法学 第36
巻 第2
号理 学 療 法 終
r
時 所 見
:発 症 後
8
ヶ月
を経 過
し,
筋 力
は5
レベ ル
,
JOA
$coreも
IOO
点
とな り
,
患 者 本 人
が,
社 会
生
活
や 日常
生活
に問
題が ない と判 断
され た た め治 療 を 終
了 し た。
治 療 終
了後
1
年 を経 過
し た時 点
でも肩
関節
の機 能
は維
持
さ れ て おり
,
発 症 か ら5
年
を経 過
し た時 点
で も 日常 及
び 社会
生活
に支 障
は認
め ら れてい ない。
3.
症 例
3
理 学 療 法 開始 時 所 見
:頸 部
の安 静 を 目的
にソ フト
カラー
が処 方
さ れ ていた。
主訴
は,
左
肘の屈曲
困 難 と左
上 肢の挙
上困 難
で あっ た。
頸 部
に痛
みの訴
え は無 く
,
左肩
か ら 上 腕外
側部
の打 撲
に よ る安 静
時痛
と夜
間痛
を 認 め た が,
運動 時 痛
は認
め な かっ た。
叮動
域 は,
肩 関節
に制 限
を認
め ず
,
頸 部
は安 静 目的
にソ フト
カ ラー
を装 着 し
て いた た め測 定 を行
わ なか っ た。感 覚 障 害
は左
C
・1
領 域
に ごく軽
度
の鈍 麻 を
認め た。
卜腕
二頭筋
の 腱 反射
は健 側 に 比べ低
「し てい る が,Morley
test
は陰性
で胸 郭 出
口部
での腕
神 経 叢の圧 痛 も 認 め ら れ な かっ た。
ま た,
腱 板 や 頸 部,
quadrilateral
space の圧痛 も認
め な かっ た。MMT
で は 左肩 関節
に おい て,
屈 曲
・
伸 展
・
外 転
・
外 旋 時
に腱板 筋
群や 三角 筋
の筋 収 縮
を触 知 す
る ことが できず
,
挙
上は不可 能
であ
っ たc左 肘 関 節
の1
出曲 が
2
,
前 腕 回 外
は3
であ
っ た。
頸 部
は安 静 を 目的
に測 定 を行 わ な
かっ た.
肩 関節
のJOA
score は26
点
であ
っ た。
以 上の結
果
を 受
け て,左 肩
お よ び頸
部のMRI
検 査
を行 う
こと
と なっ た。
理学
療
法
1
日 凵 :斜
而台
の角
度 を 上 昇 さ せて の筋
丿」練習
は不 可能
であ
っ た た め,
ロ∫
動 域
の維 持
を行
っ た。治 療 頻
度
は,
週
に3
〜
4
回
で あっ た。理 学 療 法 開 始
より
2
週
:頸 部
の ソ フト
カ ラー
が除 去
さ れ,
こ の時 点
での頸 部
や肩 甲 帯
の可動 域 制
限 と筋 力低
下 は認
め ら れ な かっ た。
頸 部 と
肩
関 節のMRI
検 査
が行
わ れ た。
肩 関 節 に おい てご く・
部 高信
号 を 認 め た もの の,
本
症 状 を 呈す
る 腱板
の大 断 裂
と は考
え
ら れず
,
理学
所
見 や 頸部
のMRI
像
に おい てC3
/C4,
C4
!C5
,
C5
/C6
レ ベ ルで の変 形に よ る 脊柱 管
の狭
小化
と脊 髄
の圧 迫 を認
め たこ と か ら,
前 根
の圧迫
か,
脊 髄 前 角 部
で の圧 迫も
しく
は,
混 合
型に よ るも
の か 明 ら か な 障害 部
位 を 推察 す
る こと は不
吁 能で あっ た が,頸 椎
症 性筋 萎
縮 症 と して治 療
を行
う
こ と と なっ た。
理学 療
法 開始
より約
4
週 :腱 板筋
群 に筋 収
縮 を 認 め た た め,
斜
面台
で の練
習 を試
み た。
斜
面 台の角
度 が25°
での挙
ヒ位 保 持
がロ∫能
で,
痛
みを伴
わず
ゆっく り
と 下制 す
る こと がで き た た め斜
・
面 台
で の練 習
を開
始 し た。
理学 療 法
開始
より約
9
週 :斜
面台
45
’
で の挙
卜位 保 持
,
下 制の練 習 が 可能
となっ た。
理 学 療 法
開始
より
ユ3
週 :肩
関節
の筋 力 も
3
レベ ル と なり
,
健 側
と同程 度
の挙
ヒが可 能
と なっ た。
患者
の都
合に より週
に1
回 程 度
の通 院
とな
っ た ため,
自宅
で の トレー
ニ ン グ と して立位
での挙
上練 習 を指 導 した
。
理学 療 法 終
r
時 所 見
:発 症 後
10 ヶ月を経
過 し,筋 力
は4
レベ ル と な りJOA
score も95
点
と なっ たu患 者 本
人 が,
凵常
生 活
に問
題 は ない と判 断
さ れ た た め治療
を終 了
と し た。
治 療 終 了 後
1
年
を経 過
し た時 点
でJOA
score は ⊥00
点
とな
っ ており
,
発
症後
3
年
を経 過
し た時 点
でも 日
常
生活
に おい て支 障
は認
め られ ていない。
考 察本
法
は 上 肢の 拘 縮 を 予 防 し,
斜
而 台 を 用い た 筋 力 練 習 に より肩 甲 骨 周 囲 筋
の筋
ノ丿を維 持 す
る こ とで,
腱板 筋 群
を効 率
よ く働
か せる環 境
を 整 える。
同 時
に腱板 筋 群
や三角 筋
の筋 力
を維 持
・
強 化
する こ とで,
上肢
の挙
E.
動 作
の獲 得 を 図 る
と とも
に,
神 経 が
回復 す
ること を期 待 す
るも
のであ
る。
1.
治
療法
と
その ポ イン ト肩 甲
一
卜腕 関 節での nl’
動 域の維 持・
改 善 と して,
本 症 は筋 力
の回 復
に長 期 間
を要 す
るこ とが多
い疾 患
であ り
,
そ
の間
に 生 じ る肩 甲
上腕 関 節
の拘 縮
に より
二次 的 な機 能 障
害
を 呈す
る ことも少 な く
ない 。従
っ て,筋 力
が 回復 す
るま
で の可動 域 維 持
は重 要 な治 療 内容
といえ
る、具 体 的
には,
肩 甲 骨 を 固 定
しlst
肢 位
,
2nd
肢 位
,
3rd
肢位
での他 動 内
外旋
運動
と, その後
の屈 曲
・
外
転
・
伸 展 方
向
へ の他動
運動
で あ る。
そ れ ぞ れの肢 位
での外
旋
・
内 旋
運動
に より
,
outer muscle やinner
muscle の伸 張 性 を維 持 し
,
主に1st
肢 位
で の外 旋
にて鳥
ロヒ腕 靱
帯
や上・
中 関 節
上腕 靱 帯
と前 方
の関節 包 を
,
内旋
にて後
方
の関 節 包 を
,
2nd
肢 位
で の外 旋
に て前
下 関節
卜腕 靱 帯
と 前
下方
の関 節 包 を
,
3rd
肢 位
での内 旋
に て後
ド関節
上腕
靱帯
や後
ド方
の関節 包
の伸 張性
の維 持
を 図っ た。
次
に 斜 面 台 を使
用 して, 肩甲
骨の上 方 回 旋筋
や 腱板
筋 群,
三角 筋
に対
して挙
.
E
位
で の保 持 練 習
と遠 心 性 収 縮
を 用いた筋 力 練 習
を行 う
。
患 側 上 肢の保
持
練 習 は,
健 側 と 同程 度
の挙
上位
を獲 得
す
る た めに行
い,
斜 而 台
の角 度
の上昇
に伴
い,
そ
の角 度
で上肢
を保 持 す
る こ とで目的
とす
る筋
へ の負 荷 量 を
調節
し,
挙
上位
で の筋 力 維 持
・
強化
を行
っ た。
遠
心性 収 縮
を用
いた筋 力 練 習
で は,
三原
15)や浅 野
15) らに よると,
体 幹 と房 甲 骨 を 結ぶ 肩 甲 骨 周 囲 筋の機 能 低 下 は,
腱 板 機 能の低 下 を招
き,
この機 能 を 高 め る に は 肩甲 胸 郭 関 節 機 能 を改 善 す
る事
が重 要
であ
る と述
べ てい る、
、
特
に,
同
.一
挙
.
ヒ位
を保
つ た めの腱 板 筋 群
や三角 筋
の筋
力 は,
肩 甲
骨の ヒ方
同旋
位 が 下方
回 旋位
に比べ 小 さく
てす むこ とを 指 摘 してお り,C5 ・C6
レベ ル の 筋 力 低 下 を主 症 状
とす
る 本疾 患
に とっ て,
肩
甲骨
L
方
回旋
の主 動
作 筋
である僧 帽 筋
と前 鋸 筋
の筋 力 維 持
は,
非 常
に重要
で屑 甲
∠ ∠Qt Rl
=
WXslnQt 十DXeesQd 十S× cosQs 脚 下 wR2
=−
WXsinQt ÷DXoesQd ÷SXcosQs図
3
本 法の 特徴 (文 献ユ6
)よ り 引 用 ) 腱板 筋力 (
S
),
三角筋筋力 (
D
)
,
ヒ肢 重 量 (W
)
と し,
これ ら に よって 生 じ る 合力
をR1
とR2
とす
る.
肩「「[骨下方
回旋位
で は,
骨 頭は関 節窩
に攴え ら れず
下 垂し た状態
であり
,
Rl
と同等
の合
力 を得
る に は より大 きなS
とD が 必用となる,
つ まり,
ヒ方回旋 位よりも 腱板 筋 群に 大 き な負 担を強いること と な る.
あ
る と考
え ら れ た(
図
3
)
。そ して
,
対 象
とす
る筋
は本 疾 患
と異
なる が,
高 柳
⊥7) ら は,
膝
の伸 筋
と屈 筋
に遠 心性
の筋 力 練 習
を行
わせ る こ とで,
伸 筋
・
屈 筋
とも
にほ とん どの角 速 度
で求 心 性 筋 力
が増 加
し,
筋 力 増 加 率
でも遠 心 性 収
縮の方
が高
かっ た と報 告
して い る。
ま
た,Ryan18
)ら も
, ハ ム ス ト リン グ ス に対 す
る遠 心 性 筋 力 練
習の検 討
で,
求
心性
・
遠 心 性 筋 力
と も に 筋 力の増 大 が 見 ら れ た と してい る。
さ ら に,
支 点形
成 を 凵 的 とす
る 腱板 機 能
を考 慮 す
れ ば,
速い筋 収 縮
も 必要
と な ること が予 想
さ れ る。
Kellis
⊥9}ら に よ れ ば,
遠
心 性 収 縮
を用
いた筋 力 練 習
で速度特 異 性
はみ ら れ な かっ た との報 告 もあ り
,
我
々は遠 心 性
の筋 力 練 習 を選 択 し
た。ま
た,
TingZe
)ら
や皆 川
2/)らは,
腱 板 断 裂
Iljに おい て 上腕
二頭 筋 長
頭 が 腱板 機 能
を代 償 す
る重要
な役 割 を担
っ てい る と報 告
し て おり
,
上腕
二頭筋
長頭
が有 効
に働
く よう
前 腕
回外
・
肘
関節 軽 度 屈 曲 位 と
し,
肩 関節 外 旋 位
に て大
結節
がposterolateral
pass
を 通 る よう
に,
挙
上位
より下 制
さ せ た。
これ らの
筋 力 練 習
に際
して は,
鏡
を川
い たり
,
患 肢
の 下制 時
の肩 甲
上腕
リ ズムが
,
健 側
と同
じにな
る よう斜 面
台
の角 度 を 設 定 す
る こ とで,
outer muscle とinner
muscle の
協
調性
の ある筋 収 縮 を期 待
した。
よっ て,
腱 板筋 群
や.
k
腕
.
顕筋
な ど に個
別の筋 力 練
習 は施 行
し な か っ た。
挙 上 練 習 に 際 して も,
健 側 と 同 様の肩 甲L
腕 リズ ムの獲 得
を 日的
に,
肩 甲骨
の上方
回旋
が不
足 し ないよう
に行
っ た。
練 習 岡 数や下 制 を 行 う 時 間につ いては,
臨 床 上の経 験 か ら 設定
し た。2
.
症例
を 通 して当 院
では,
頸 椎
症性 筋 萎
縮 症 に対
し保 存
療法
が第
一
選 択 と な る。
特 に今
回 経 験 し た3
症 例 は, いず
れ も 症 状 を招 来 す
る起 点
が存 在
しており発 症 後 早 期
と考 え
ら れ た た め保 存 療 法
が選 択 され
た。小
川22〕 らの報 告
に よ れ ば,
発
症か ら治 療 開 始 ま
で の期 間
は不明
であ
る が,
保 存 療 法
でMMT
が2
段 階
以上 回復 す
る こ と はな く
,
MMT
が2
以
下のも
の は比 較 的 早 期
の手
術 療 法の適 応
であ る とさ れて い る。
し か し,
我々 の結
果 に おいては,MMT
で2
段
階 以 上の改
藩
が 見 ら れ て お り,3
年
以 上の 長期 成
績
か ら み て も,
再獲 得
し た筋
力 の低 下 は 認 め ら れず
再 発 も な かっ たこ と か ら,
過 去の報
告
に 反 して有 効
な手 段
であ
っ た とい える。肩 関節
の筋 力
の回復
には,
肩 甲帯
の筋 力 維 持
に よる肩
甲胸 郭 関 節
の機 能 維 持
,
筋 力 低 下
を起
こ した筋
の残
さ れ た神 経 系
の適 応
に よ るも
のや筋 肥 大
に よ るも
の,
軸 索 変
性
の改 善 等
によ る神 経 機 能
の回復
が関 与
し,MMT
で2
段
階以 上 回復
す
る可能
性
は十分
にある と考
え ら れた。
3
.
適 応
最後
に本 法
の適 応で あ る が,
保 存 療 法
を第
一
選 択
とす
る報 告
では,
3
ヶ月 科 度
の保 存 療 法
を行
い改 善
が見
ら れ な かっ た症 例
に対
し手 術 療 法
が選 択
さ れる こ と が多
い。6
ヶ月 以
F.
の罹 病 期 間
で は保 存 療 法
による改 善
が不 良
であ
っ た との報 告
劃 鉗 や,
罹 病 期 間 が
3 〜
ユ2
ヶ月 程
度
の手 術
例は良 好
で あっ た と の報 告
10)25−
30) が散
見 さ れ る。
そ し て, 我々 の結 果 か らも治 療 開
始後
3
ヶ月
を 経 過 し た時 点
で,MMT
は3
レ ベ ル以 上 に 回復
して い たこ と か ら,
罹 病 期 間 が 短い 症 例 に は 保 存 療 法 を3
ヶ月 程 度 施行
し,
罹 病
期
間 が 長い症 例 に対
し て は保
存
療 法
の実施
期
間 を あ る 程 度定
め,
改 善
し な かっ た症
例に対 して手
術療
法 を 選 択 す る などの対 処 を 考 え るべ き と 思 わ れ た。
結 論本 法
は,
特 別
な技 術
や器 具
を 必 要 とせず
,
どの施 設に おい て もμ∫能で あ り, 手 術療 法
を 選 択 す る前
に 試 み られ るべ き保 存
療法
の有
効 な一
手 段 で あ る と 考 え ら れ た。
し かし
,
漫 然
と長 期 間
の保 存 療 法
を行 う
の で はな く
,.・
定
68
理学 療 法 学@
第36
巻翕信2
.}の
期間
を定め て
行 うべ き で あ る と 思 われ
る 。ま
た ,
後 の 課題と
し て
,木 法 の
有効 性 につい
て 症 例 数を 重
検討 す る 必 要が
あ ると 考え
れ
た
。謝 辞
: 稿を
終え
る
に あ た
り ,本 研
究に ご 協
J
ク
き ま し
た患者 様
に 心 より感
謝
い
たします 。 ま
た, 稿作成に
際 し ご尽 力 賜
りま
した 碧 南市 民
病院の
理 学法 士 ,
浅
野 昭裕 先 生 ,
そし
て ,英文 要 旨
の適
切な
ご導
と こ 校 閲を賜 りましたNew Age EnglishSchoo
C
田 代r恵先生と MaryJ
Thompson
先 生に
心り 感 謝い
します。 文 献 1)Kecgan JJ:The cause of dissociated molor
loss
in thc upper extremity wizh cervicalspondylosis
.J
NeLlrosurg
23
528 −
536 ,1965
,
2
)祖 父 江 逸郎, 加 藤 寿雄
・:
頸部 脊 椎症 性ミ
エ ロ パ チ ー の 臨床像と病型一頸部脊椎症性筋萎縮症Ccrval
spQndylotic amyDtrophy の提唱とCranda ]稗
atzdorf
の病型
分
類
の 問題点を中心
として.
.臨整外I
F999
一
ユ006 , ⊥975
.3
) 太田 寛, 小野 啓 郎他 :頚椎
症
に伴う解 離性のL肢運動麻
り卑.臣
話整タF:
ll24
−1
】32
, 1975 , 4)柳務,加藤寿雄・他:Cervical
spoytolic
annyotro
−phy
の臨床
特徴.臨床
経
16
:520
−528
.
⊥ 976 .5
)伊 藤 達雄 , 辻 陽雄・他:椎
疾患にお けるDissociated
Moter L〔 >ss
(ke
an
)の臨床
的検討,
H整会誌5
F
135
−
151
,1980
. 6 )野1. [ 耕司,飯田寛和 ・他:頚 椎に
よるdissociatedmotor
loss
syndorome
手術例の
討. 臨 整 外
19
:417
−424
,⊥984
.7
)加 藤義
, 伊
藤達
雄 :キ
ーガン
型麻痺
の臨床
症
状と病態,
脊 椎 脊 髄
6
:93
− 98 , !993
.8
)石陽 浩,佐 藤光三・
他
:頸椎症性
筋萎縮症.
形外 科 48 ;
1449
−1452 ,1997 . 9)山 本直也, 伊藤達 雄:Diss
iated
motor
亅oss (cervicalspondylotic
amyo
oplly )
の
態.整 ・ 災 外39
:103107
. 1996 .10
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型の近位上肢
運動麻辣
に
する保 存療
法 .整
・ 災 外39
:131 −137
,1996
. ll)鎧 芳 ,奥村潤.・郎:頚椎症
性筋萎縮
症.MB
匚hop
lO
(6 )
: 2]5
−223
, 1997 、2
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対する保存
療法の
限界
.
運動療 法と
物 理療法/
8
:83
,2007
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・C6
髄 節の 頌椎症
性筋 萎縮症
に
対 す る 予 後予測 電気生理
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:S835
,2006
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,宮 本
裕史・
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性
筋萎縮症 に
対す
る保存
@
11勺治療の成
績と予後予
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脊 髄 病 学会
雑 誌17
:529
,200
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井廣明
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安定化 機 構 . 関 節外 科16
(12
) :31 −
38
.1
7
.16
) 浅 野昭
裕: 健板 断 裂 保 存 例 に 対する 運 動療法
.整 形
外 科 運動
療法ナ ビゲーシ
ョン
上肢
」整形外科
リハビリテ
ーシ@
ョン学会(編), メジカルビュ
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specificity
ofconce
ric
and eccePtric strangth trainingQf
knee ex匚ensor
@and
且ex
s,
J Phys
Ther
Sci
7:57
−63,1995. 18
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, MagidowP
D
et al.
l
Vclocity−specific andmode
. spccific effeczs of ccntric
Lsokine しic training ofthe
hzm − strings ,J
Orthop
Sports
Pltys Theri3
: 3339,亅991. 19)Kellis E , Bnltzoulos
V :[sokinetic ecceni .riccrcise .
Sports
Mcd
19:202
−222 ,1995 . 20)Ting A, Jobe, et
al
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anaiysis
of the laLer− al bicepsin
sulders
with rotatorff
tcars
.OrLhop
Trans
ll :7
.1987 .2
ユ
) 皆 川洋 至, 井樋 栄二・他
:ヒ
肢
挙
ヒ 時 にけ る上
腕
二頭筋 の筋活
動につ
いて一腱板
列肩と 健常肩
の対
.比..
,
関節外科
・14
(10
) :1
|24
,1995
.22
>小
川 潤,
里見和彦・
:頚椎
症性筋
萎縮
症
の 病態
と
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:7
−231
,1996
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萎縮症 の治 療成績
と 予 後 予 測 因 子 . 凵 本整形 外科学会雑誌7
FS121
,2005
.24 )
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椎症性筋
萎縮症(K
gan 型頸椎症)の手術的治 療と術後成
績
.整・災外39
:139
−⊥45 .1996 .25
)Morl
K,rnamoto
T, et al,:Cervical spondy ⊥oric anly−
otroph@treated
by
anterior
decompression
−
thre
(≧cas
reporzs
−.
Neurol
MedChir
46
:6
−
370
,2006
.26 )
近藤
哲 士, 笠井 裕.
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木「難を
主訴とした
椎症性
筋
萎
縮症
に対
す
る手術
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79
:Sl21
,
2005
.
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症 性筋萎 縮 症 手 術 例 の検討 .整 形 外 科と 災 害外 科
45
:7107M
.1996
.<Abstract>
A
Titial
ofTherapeutic
Exercise
for
Cervical
Spondylotic
Amyotrophy
(Dissociated
Motor
Loss)
-Therapeutic
Exercise
Based
onArticular
Anatomy
and)vlasaLomo
)vlATSUMOTO,
RPT
KazLinori
AKAO,
RPT
Dapartment
ofOrthopaedie
Surgery
Rehabilitation,
Kuwana
City
HbspitaZ
iXkira
KATOII,
MD
Mie
Social
Insurance
Bureau
Toshitsugu
KISHIDA,
RPT
NtLtionag
Hbepital
Organixation
Higashinagoya
Hbspital
RehabiZitation
Collage
Kazuhiko
TANAKA,
RPT
Chubu
RehabiZitation
Collage
Yoshikazu
AKABANE,
RPT
M)shida
Orthopedic
Hospital
Tetsushi
KONDO,
MD
Murase
Hospitat
Purpose:
In
the trcatment ofCervical
sl)ondylozic ain},otrophy(CSA).
there are reports to use aconservative trcatment and to recommend a surgical operation.
According
to the conscrvativetreatment,
eases ofimprovement
were a]so reported andLhis
was considered an effectix,etreatment.
W'
hereas,
there werefe-'
reported cases concerningphysical
iherapy,
andit
appears that not enou.v.hevidence
has
been
given.
Having
no record ofthe
details
invo[ved
ill
therapeutic
exercises, we wereunable
to
find
reportsbased
on shoulderjoint
anatomy andkinematics.
Consequently,
it
was thoughtthat
the
resutts of eonservatix,etreatment
have
]ert
some roomfor
irnprovement
tointroduce
rherapeutic exercises considering
the
shoulderjoint
anatomy andkinematics.
Tharefore
we eonsiderthe treatment