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フレイル予防に向けたアクティブ・ラーニング型健康教育介入の効果

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 45 巻第 4 号 209 ∼ 217 頁(2018 フレイル予防に向けた教育介入の効果検証 年). 209. 研究論文(原著). フレイル予防に向けたアクティブ・ラーニング型 健康教育介入の効果* ─高齢者を対象としたランダム化比較試験─. 上 村 一 貴 1)# 山 田   実 2) 岡 本   啓 1). 要旨 【 目 的 】 アクティブ・ラーニング型教育介入のフレイル予防に向けた効果を検証することとした。 【方法】対象は地域在住高齢者 84 名とし,介入群と対照群にランダムに割りつけた。介入群には,週 1 回 90 分,24 週間の教育介入を行い,調査学習などを通じて健康行動を促進した。効果判定指標は,メンタ ルヘルス,身体機能,ライフスタイル関連要因,プレフレイルの有無とした。 【結果】脱落を除く 79 名を 分析対象とした。Apathy Scale,歩行速度,5 回椅子立ち座りテスト,身体活動量,食品摂取多様性得点, 健康管理に対するセルフエフィカシー得点に時間と群の有意な交互作用が認められ(p < 0.05) ,介入群で は対照群に比較して改善した。また, 介入群でのみ, プレフレイルの割合が有意に減少した。 【結論】 アクティ ブ・ラーニング型教育介入は,意欲向上,ライフスタイル変容,および身体機能改善に有効であり,フレ イル予防に寄与することが示唆された。 キーワード 身体機能,身体活動,学習,ライフスタイル,セルフエフィカシー.  フレイル発生の背景には,多面的な要因が関与する悪. はじめに. 循環が存在すると考えられる。たとえばフレイルの身体.  フレイルは,加齢に伴う機能変化や予備能力低下に. 的側面では,加齢に伴う骨格筋量の減少(サルコペニア). よって健康障害に対する脆弱性が増加した状態とされ,. や慢性的な低栄養が,身体機能低下や身体活動量減少を. 身体的問題だけでなく,精神心理的・社会的問題を含む. 引き起こし,それがまた筋量や食事量の減少を助長す. 1). 概念である 。フレイルを有する高齢者は,健常と要介. 2) る,というフレイルサイクルが提唱されている 。また,. 護状態の中間の状態にあたり,転倒,入院,基本的・手. 抑うつ症状や意欲低下のようなメンタルヘルス不調は,. 段 的 ADL の 障 害, 要 介 護, 死 亡 の リ ス ク が 増 加 す. 活動を制限し,この悪循環を加速する. る. 2‒4). 。一方でフレイルは,適切な介入によって健常へ. と改善するという可逆性を有する. 5). 。これらの背景か. 6). 。行動に対する. 意欲や動機づけの欠如は,アパシーと呼ばれる神経精神 7) 症状として抑うつと区別され,加齢に伴って増加する 。. ら,フレイルの発生・進行予防に焦点をあてた介入プロ. 近年,地域在住の健常高齢者において,アパシーが抑う. グラムは健康寿命の延伸に向けた重要な戦略として期待. つとは独立して,将来の歩行速度低下,フレイル発生,. される。. 8) 生活機能障害の危険因子であることが報告されている 。. さらに,健常高齢者のアパシーは身体活動減少や *. Effects of Health Education Intervention through Active Learning for Preventing Frailty in Older Adults: A Randomized Controlled Trial 1)富山県立大学教養教育 (〒 939‒0398 富山県射水市黒河 5180) Kazuki Uemura, PT, PhD, Hiroshi Okamoto, PhD: Department of Liberal Arts and Sciences, Toyama Prefectural University 2)筑波大学大学院人間総合科学研究科 Minoru Yamada, PT, PhD: Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba # E-mail: kuemura@pu-toyama.ac.jp (受付日 2017 年 11 月 6 日/受理日 2018 年 4 月 2 日) [J-STAGE での早期公開日 2018 年 6 月 2 日]. 9). ,フ. レイルの発生・重症化とかかわりの強い冠動脈疾患のリ スクを高めることも報告されており. 10). ,フレイルの悪. 循環をつくり出す契機となりうる危険因子であると考え られる。一方でアパシーの改善は,身体活動をはじめと した健康行動への意欲改善やライフスタイル変容に寄与 することが期待できる。これらのことから,フレイルを 予防するためには,運動・栄養だけでなく,アパシーの ような精神心理面への介入を含めた多面的なアプローチ.

(2) 210. 理学療法学 第 45 巻第 4 号. により,悪循環を早期に断ち切ることが必要であると考. い 1 名(大学職員)が行った。24 週間の介入期間の前. えられる。しかし現状では,フレイルの発生・進行予防. 後に,効果判定のためのアウトカムを評価した。. を目的とした 12 件のランダム化比較試験をレビューし.  なお,本研究は,富山県立大学「人を対象とする研究」. た報告. 11). により,メンタルヘルスへの介入効果に関す. 倫理審査部会の承認を受け(番号:第 H28-11 号) ,Uni-. る結果が乏しいことが指摘されている。. versity Hospital Medical Information Network (UMIN).  フレイル予防を目的とした先行研究において,ライフ. clinical trials registry に登録して実施した(試験 ID:. スタイルの改善とその定着化を促進する目的で,教育介. UMIN000023725) 。. 入の有効性が注目されている. 11‒14). 。教育介入は,日常. 生活における健康行動獲得への寄与が期待できるが,現. 2.対象. 状では運動介入の補助的手段として用いることが多く,.  富山県射水市在住の 65 歳以上の地域在住高齢者に対. また,研究によってまちまちな方法論で利用されている. して,市が発行する広報誌を通じて研究協力の募集を. 段階である。本研究では,地域在住高齢者のフレイル予. 行った。選択基準は,1)要介護・要支援の認定を受け. 防に向けて,身体的側面のみでなく,アパシーをはじめ. ていないこと,2)基本的 ADL が自立していること,3). としたメンタルヘルスの改善や健康行動へのセルフエ. Mini-mental State Examination( 以 下,MMSE) の 得. フィカシーの向上,それに伴うライフスタイル変容を. 点が 24 点以上であり全般的な認知機能障害がないこと,. 狙った教育介入プログラムの開発をめざす。セルフエ. 4)運動の実施に制限をもたらす循環器疾患,呼吸器疾. フィカシーは,行動の遂行への自信や期待を指し. 15). ,. 患,神経疾患,整形外科疾患を有さないこと,とした。. 身体活動や食生活の改善など,フレイル予防に向けたラ. なお,本研究ではフレイル予防を主題としており,フレ. イフスタイル獲得の先行要因となる心理的因子と予想さ. イルの前段階であるプレフレイルの高齢者,または健常. れる。. 高齢者のみを対象とした。参加の意思を示した者のう.  本研究で行う教育は,知識の獲得より,フレイル予防. ち,上記の基準にあてはまり,介入前評価に参加した. に資する意欲向上を目的としたものであるため,学習者. 84 名(男性 25 名,女性 49 名,平均年齢 71.9 ± 4.5 歳). が主体的に参加し,実体験できる様式が望ましいと考え. が割りつけ対象となった。すべての対象者に対して,研. た。具体的な介入手法として,従来の一方向型の講義形. 究目的や個人情報の保護について,十分に説明したうえ. 式とは異なる学習法として教育分野で注目を集める「ア. で書面にて同意を得た。. クティブ・ラーニング」を,介護予防・健康増進に応用.  サンプルサイズの計算には検定力分析ソフトウエア. した教育介入プログラムを作成し,その効果を検証す 16). (G*Power3)を用いた. 18). 。メインアウトカムにおける,. は,前後比較デザインを用い,アク. 群(介入/対照)と時間(介入前/介入後)の二要因の. ティブ・ラーニングを取り入れた教育介入を高齢糖尿病. 交互作用の効果量を中等度(f = 0.25)とし,α エラー. 者に実施することにより,糖尿病へのヘルスリテラシー. = 0.05,β エラー = 0.20 に設定すると必要な症例数は各. が改善したとしている。アクティブ・ラーニングは,調. 群 33 名となる。10% 程度のドロップアウトを見積もり,. 査・発見学習により主体的・持続的な学びと他者との協. 目標対象者数を各群 37,計 74 名とした。. る. 。Ntiri ら. 17). 働を促進する手法であることから,知的刺激や対人交流 を通じた活動意欲の向上,ライフスタイルの変容促進が. 3.介入. 期待できる。本研究の目的は,フレイル予防に向けたア.  介入群は,週 1 回 90 分,24 週間の運動・栄養・知的. クティブ・ラーニング型健康教育介入が高齢者のメンタ. 活動による健康づくりをテーマとしたアクティブ・ラー. ルヘルス,身体機能,ライフスタイル関連要因およびフ. ニング型の健康教育プログラムを実施した。1 クラスあ. レイル尺度に及ぼす影響を,ランダム化比較試験を用い. たり,21 名とし,『①課題に関する調査・自己学習(宿. て検証することである。. 題)→教室でのグループワークによる議論と共有→③実. 対象と方法. 行計画と日常生活での実践』を一連の基本的な流れとし た。学習内容の内訳を表 1 に示す。各テーマについて健. 1.研究デザイン. 康行動の実践方法に関連する課題を提示し,各自が図.  本研究のデザインは,評価者をブラインド化するシン. 書・インターネットなどを通じて調査することを宿題と. グルブラインド・2 群間並行ランダム化比較試験を用い. した。次回の教室にて,持ち寄ったアイディアをグルー. た。対象者は,アクティブ・ラーニング型健康教育介入. プで議論し,全体で発表・共有したうえで,各自が日常. に参加する介入群と,無治療の対照群に 1:1 の割合で. 生活で実施する内容・方法を計画し,その実行状況や目. ランダムに割りつけられた。割りつけはコンピュータに. 標達成度について定期的な振り返りを行った。グループ. よる乱数発生プログラムを用いて,研究に直接関与しな. ワークは,5 ∼ 6 名の小グループで実施し,構成メンバー.

(3) フレイル予防に向けた教育介入の効果検証. 211. 表 1 アクティブ・ラーニング型教育介入プログラムのテーマと課題一覧 回. テーマ. 課題. 回. テーマ. 課題. 1. オリエンテーション. ガイダンス/アイスブレーク. 13. 食事・栄養 4. 栄養成分表示の読解・計算. 2. 運動 1. ウォーキングの実践・継続方法. 14. 運動 5. シニアのスポーツ・レクリエーション. 3. 運動 2. 冬季も屋内でできる有酸素運動の実践方法. 15. 健康情報 2. 健康情報の収集に関する基本的スキル. 4. 運動 3. 下肢の筋力トレーニングの実践方法. 16. 運動 6. 屋外ウォーキングの実践・確認. 5. 健康情報 1. 健康情報の収集に関する基本的スキル. 17. 知的活動 3. 健康に関するミニレクチャー(1 人 1 つ). 6. 食事・栄養 1. 低栄養に関する基礎知識. 18. 知的活動 4. ウォーキングマップ作成・共有. 7. 食事・栄養 2. 筋力アップを助ける食事・栄養の工夫. 19. 運動 7. 運動による心身機能への効果. 高齢期の健康問題・ 疾患. ワークショップによる情報交換(グループ 別に異なるテーマを設定して調査学習し, 発表用ポスターを作成). 8. 運動 4. 上肢・体幹の筋力トレーニングの実践方法. 20. 9. 知的活動 1. 自宅でできる脳トレの方法(共有編). 21. 10. 知的活動 2. 自宅でできる脳トレの方法(実践編). 22. 11. 食事・栄養 3. 低栄養の予防方法. 23. 運動 8. 運動習慣の継続方法. 12. リフレクション. 前半の学習と生活習慣の振り返り. 24. リフレクション. 全体の学習と生活習慣の振り返り. は 6 週間ごとに変更して,対人交流を促進した。なお,. 速度(m/ 秒)に換算した。通常歩行は,「いつも通り. 運動習慣に関しては,活動量計を配布し,セルフ・モニ. の速さ」,最大歩行は「できるだけ速く」と教示した。. タリングを実施させた。学習課題の設定,学習時間にお. 筋力の指標として握力および 5 回椅子立ち座りテストを. ける進行,学習・情報収集に関するアドバイスなどを含. 測定した。5 回椅子立ち座りテストは,椅子座位から 5. むファシリテーターの役割を理学療法士や体育学の専門. 回の連続した立ち座り動作をなるべく速く繰り返し,動. 家が担当した。ファシリテーターは,グループワークの. 作開始から 5 回の立ち上がり動作終了後の完全立位まで. 後に情報を統合して全体に共有し,対象者が誤った情. の所要時間をストップウォッチにて計測した. 報,偏った情報を集積した際には,正しい情報へ修正・. は,スメドレー式握力計(竹井機器工業,T.K.K.5401). 誘導した。なお,対照群へは特に介入を行わなかった。. を用い,立位にて利き手で測定した。これらの身体機能. 24). 。握力. は,事前に測定方法についてトレーニングを受けた 2 名 4.アウトカム. の理学療法士によって測定された。.  アウトカムは,メインアウトカムであるアパシーを含. 3)ライフスタイル. むメンタルヘルス,身体機能,ライフスタイルおよびフ.  ライフスタイルとその関連因子として,身体活動,食. レイル尺度とした。. 習慣,それらの先行要因となるセルフエフィカシーの評. 1)メンタルヘルス. 価を行った。身体活動は,二重標識水法との比較により.  メインアウトカムとして,アパシーの症状を Apathy. 妥当性が確認されている. 19). 25). ,3 軸加速度センサー内蔵. を用いて評価した。Apathy Scale は,全 14 項. 型活動量計(パナソニック,EW-NK52)を用いて評価. 目の質問について 4 件法(0 ∼ 3)で聴取し,それらの. した。対象者に,活動量計を腰部に装着した状態で 14. 合 計 点(42 点 満 点 ) を 求 め る。 ま た, 抑 う つ 症 状 を. 日間日常生活を送ってもらい,郵送にて回収した。調査. Scale. 20). によ. 期間中,対象者自身が歩数などのデータが確認できない. り評価した。GDS-15 は,15 項目の質問について, 「は. よう,活動量計の表示をブラインド化した。1 日あたり. い・いいえ」の 2 件法で聴取し,それらの合計点(15. の平均歩数およびエクササイズ(以下,Ex)を算出し. 点満点)を求める。いずれの指標も点数が高いほど症状. た。Ex は,3 メッツ以上の身体活動の強度(メッツ). が強いことを示す。なお,アパシーは「感情,情動,興. と実施時間(時)の積であり,1 週間の合計値として表. 味,関心の欠如と行動に対する動機づけの欠如」と定義. される. Geriatric Depression Scale-15(以下,GDS-15). され. 21). ,抑うつと合併することもあるが,独立した症. 状として区別され. 22). ,Apathy Scale が 16 点以上の場. 合にアパシーありとして判定される. 23). 。. 26). 。3 メッツ以上の身体活動のみを反映するこ. とから,歩数とは異なり,身体活動の量のみでなく強度 の要素を評価可能な指標である。  食習慣については,食品摂取多様性評価票を用いて,. 2)身体機能. 過去 1 週間の 10 食品群(肉類,魚介類,卵,牛乳,大.  歩行の指標として通常・最大歩行速度を測定した。測. 豆製品,緑黄色野菜,海藻類,果物,芋類,および油脂. 定区間は 5 m とし,前後に 3 m ずつの予備路を設けた. 類)の摂取頻度を,「3.ほとんど毎日食べる」,「2.2. 歩行路で,ストップウォッチにより所要時間を計測して. 日に 1 回食べる」,「1.週に 1 ∼ 2 回食べる」 ,「0.ほと.

(4) 212. 理学療法学 第 45 巻第 4 号. 図 1 ランダム化比較試験のフロー. んど食べない」の 4 件法で調査した 27)。その合計点で. 行った。また,アパシーの有症率,プレフレイルの割合. 表される食品摂取頻度スコア(30 点満点),および「3.. については,McNemar 検定を用いて介入前後の比較を. ほとんど毎日食べる」のみを 1 点,それ以外を 0 点とす る食品摂取の多様性得点(10 点満点)を算出した。また, 健康管理に対するセルフエフィカシー尺度. 行 っ た。 以 上 の 統 計 解 析 に は IBM SPSS Statistics (Ver.22)を用い,有意水準は 5% とした。. 28). を用いて,. 運動・身体活動および日常生活における健康行動全般 (食事,運動,精神的安定,保健行動の 4 領域)に関す. 結   果  研究参加に同意した 90 名のうち,循環器疾患(2 名) ,. る自己効力感を評価した。. 整形外科疾患(1 名) ,認知機能障害(1 名) ,体調不良. 4)フレイル尺度. による介入前評価への不参加(2 名)の理由により,6.  フレイルの判定には,Fried らが身体的要因を中心に. 名が除外された(図 1)。84 名の対象者が,介入群 42 名. 開発した Cardiovascular Health Study(CHS)の尺度. と対照群 42 名にランダムに割りつけられた。介入期間. に準じて,国内の大規模コホート研究で適用された基. 中,介入群のうち 2 名,対照群のうち 3 名が脱落し,介. 準. 29). を用いた。すなわち,①体重減少,②活力低下,. ③活動量低下,④筋力低下,⑤歩行速度低下の 5 項目に. 入後の評価を完遂した 79 名が分析対象となった。介入 開始前の時点において,2 群間の年齢,性別,教育歴,. よって構成され,3 項目以上該当でフレイル,1 ∼ 2 項. MMSE,BMI,服薬数に有意な差は認められなかった. 目でプレフレイルと判定するものである。なお,本研究. (表 2)。介入群の平均出席率は,90.2%であった。介入. ではフレイルを対象に含まないため,プレフレイルの割. 期間中における有害事象として,介入群で 6 名(15%),. 合をアウトカムとした。. 対照群で 6 名(15.3%)が日常生活中に転倒し,対照群 の 1 名は膝関節内骨折を生じた。入院などの重篤な有害. 5.統計解析. 事象,および教室時間中の事故は発生しなかった。 2.  統計処理として,対応のない t 検定および x 検定を. 1)メンタルヘルス. 用いて,介入前における各群の基本的な対象者特性を比.  介入効果判定のための分散分析の結果を表 3 に示す。. 較した。効果判定には,分割プロットデザインによる二. Apathy Scale は有意な交互作用がみられ(F = 4.09, p. 元配置分散分析を用いて,群(介入/対照)と時間(介. = 0.047) ,介入群でのみ,介入前後で有意に減少してい. 入前/介入後)の二要因の交互作用を検討し,その効果. た(p < 0.001) 。介入前においてアパシー有症率は,介. 2. 量(Partial η )を算出した。分散分析により交互作用. 入群で 32.5%(13 名) ,対照群で 33.3%(13 名)であった。. が得られた場合,Bonferroni 法を用いた多重比較検定を. 介入群では,介入後に 17.5%(7 名)となり,アパシー.

(5) フレイル予防に向けた教育介入の効果検証. 213. 表 2 介入前における各群の対象者特性(最終分析対象者). 年齢(歳) 性別(男 / 女,名) 教育歴(年) Mini-Mental State Examination(点). 介入群 (n = 40). 対照群 (n = 39). p値. 72.1 ± 4.5 (65 ‒ 83). 71.5 ± 4.4 (65 ‒ 85). 0.55. 12/28. 12/27. 0.94. 12.9 ± 1.9. 12.8 ± 1.9. 0.81. a. 28.2 ± 1.7. 27.7 ± 1.9. 0.25. 2. 23.1 ± 2.8. 22.5 ± 3.1. 0.36. 服薬数(個). 2.1 ± 2.6. 1.6 ± 1.6. 0.38. 31. 23. 0.08a. BMI(kg/m ). プレフレイル(名). 数値は平均値 ± 標準偏差(最小値−最大値),または人数を記載. 対応のない t 検定,または a: x2 検定.. 表 3 アウトカムの介入前後の比較 介入前 平均値±標準偏差. 介入後. 主効果(時間). 交互作用(群×時間). 平均値±標準偏差. F値. p値. 効果量. F値. p値. 効果量. 10.00. <0.001. 0.115. 4.09. 0.047. 0.050. 1.33. 0.253. 0.017. 0.82. 0.369. 0.011. 3.25. 0.075. 0.041. 16.24. <0.001. 0.174. 0.17. 0.682. 0.002. 4.19. 0.044. 0.052. 18.53. <0.001. 0.196. 28.27. <0.001. 0.271. 1.05. 0.310. 0.013. 2.91. 0.092. 0.036. 42.80. <0.001. 0.360. 13.82. <0.001. 0.154. 17.59. <0.001. 0.188. 8.23. 0.005. 0.098. 6.45. 0.013. 0.077. 13.07. <0.001. 0.145. 5.06. 0.027. 0.062. 5.06. 0.027. 0.062. 11.24. 0.001. 0.127. 6.08. 0.016. 0.073. メンタルヘルス  Apathy Scale. 介入. 12.6 ± 5.8. 9.8 ± 6.0. 対照. 11.9 ± 5.5. 11.3 ± 5.0. 介入. 3.6 ± 2.5. 3.2 ± 2.7. 対照. 2.7 ± 2.5. 2.7 ± 2.2.  通常歩行速度(m/ 秒) 介入. 1.38 ± 0.19. 1.51 ± 0.22. 対照. 1.45 ± 0.24. 1.39 ± 0.23.  最大歩行速度(m/ 秒) 介入. 1.95 ± 0.29. 2.00 ± 0.26. 対照. 1.96 ± 0.30. 1.90 ± 0.27. 介入. 8.1 ± 2.3. 6.2 ± 1.5. 対照. 8.1 ± 2.1. 8.3 ± 2.1.  GDS-15. 身体機能. 5 回椅子立ち座り テスト(秒)  握力(kg). 介入. 27.8 ± 5.4. 28.7 ± 6.3. 対照. 30.0 ± 7.5. 29.8 ± 8.0. 介入. 3,990 ± 2,113. 6,472 ± 4,055. 対照. ライフスタイル  歩数(歩 / 日). 4,671 ± 1,964. 5,354 ± 2,135.  Ex(メッツ・時/週) 介入. 13.8 ± 9.2. 23.2 ± 18.7. 対照. 15.1 ± 8.9. 16.9 ± 10.1. 介入. 21.6 ± 4.6. 24.0 ± 3.6. 対照. 21.4 ± 3.8. 20.9 ± 4.4.  食品摂取頻度スコア.  食品摂取多様性得点. 健康管理に対するセ ルフエフィカシー. 介入. 4.8 ± 2.5. 5.7 ± 2.2. 対照. 4.2 ± 2.1. 4.2 ± 2.3. 介入. 45.0 ± 8.1. 49.3 ± 7.1. 対照. 43.9 ± 6.2. 44.6 ± 7.3. 数値は平均値±標準偏差を記載. 分割プロットデザインによる二元配置分散分析,効果量:Partial η 2 GDS-15, Geriatric Depression Scale-15. 有所見者の有意な減少を示した(p = 0.031) 。一方で対. 2)身体機能. 照群は,介入後も 25.6%(10 名)と有意な変化はみられ.  通常歩行速度は有意な交互作用がみられ(F = 16.24, p. なかった(p = 0.45) 。GDS-15 は,交互作用を認めなかっ. < 0.001) ,介入群でのみ,介入前後で有意に増加してい. た(F = 0.82, p = 0.369) 。. た(p < 0.001) 。また,介入後の介入群の通常歩行速度.

(6) 214. 理学療法学 第 45 巻第 4 号. は,対照群に比較して有意に大きかった(p = 0.023) 。. が認められたことから,アクティブ・ラーニング型教育. 最大歩行は有意な交互作用がみられたが(F = 4.19, p =. 介入により物事への興味・関心や行動に対する動機づけ. 0.044),多重比較では有意な差を認めなかった。5 回椅. を改善する効果が示された。調査学習による知的能動性. 子立ち座りテストについても,有意な交互作用がみられ. の促進,グループディスカッションなどを通じた対人交. (F = 28.27, p < 0.001) ,介入群でのみ,介入前後で有意. 流による刺激,健康行動の実践による達成感などが意欲. に所要時間が短縮していた(p < 0.001) 。また,介入後. 向上に作用した可能性が考えられた。地域在住高齢者の. の介入群の所要時間は,対照群に比較して有意に短かっ. アパシーは活動量の低下やフレイルの危険因子. た(p < 0.001) 。握力は,交互作用を認めなかった(F. るだけでなく,抑うつとは独立して,QOL を低下さ. = 2.91, p = 0.092) 。. せ. 3)ライフスタイル. とされる。地域在住の一般高齢者を対象にしている本研.  歩数および Ex の身体活動指標には,有意な交互作用. 究において約 3 割がアパシー有所見と判定されることか. がみられ(F = 13.82, p < 0.001; F = 8.23, p = 0.005) ,. らも介護予防のための取り組みにおいてターゲットにす. いずれの値も介入群でのみ介入前後で有意に増加してい. べき重要な心理指標といえる。これまでに初期のアルツ. た(p < 0.001; p < 0.001) 。食品摂取頻度スコアおよび. ハイマー型認知症患者を対象としたランダム化比較試験. 食品摂取多様性得点の食習慣指標は,有意な交互作用が. により,4 週間の認知トレーニングによりアパシー症状. みられ(F = 5.06, p = 0.027; F = 5.67, p = 0.020) ,いず. が減少したことが報告されている. れの値も介入群でのみ介入前後で有意に増加していた. 齢者を対象にアパシーをアウトカムとした介入研究はな. (p = 0.002; p < 0.001) 。また,介入後の食品摂取頻度ス. く,本研究は,地域在住高齢者のアパシー症状の改善効. コアおよび食品摂取多様性得点は,対照群に比較して有. 果,およびその方法を示したはじめての研究である。一. 意に高かった(p < 0.001; p = 0.001) 。健康管理に対す. 方,GDS には介入による効果は認められなかった。本. るセルフエフィカシーは有意な交互作用がみられ(F =. 研究のプログラムが抑うつ気分や不安の解消よりも,意. 6.08, p = 0.016) ,介入群でのみ,介入前後で有意に増加. 欲向上や健康への能動的姿勢の獲得をターゲットにして. していた(p < 0.001) 。また,介入後のセルフエフィカ. 作成していること,一般高齢者を対象としているため,. シーは,対照群に比較して有意に大きかった(p = 0.005) 。. もともと抑うつ症状が少なかったことがその理由として. 4)フレイル尺度. 考えられる。.  介入前においてプレフレイルの該当者は,介入群で.  身体機能のうち,歩行速度および下肢筋力指標である. 31 名(77.5%),対照群で 23 名(58.9%)であった。介. 5 回椅子立ち座りテストに有意な改善が認められた。サ. 入群では,介入後に 23 名(57.5%)となり,プレフレイ. ルコペニアに関連した筋力低下や歩行能力の低下は,フ. ルの有意な減少を示した(p = 0.008) 。一方で対照群は,. レイルの主要な構成因子であることから,これらの身体. 介入後も 26 名(66.7%)と有意な変化はみられなかった. 機能改善はフレイル予防に寄与する効果と考えられた。. 8). であ. 30). ,軽度認知障害から認知症への移行を予測する 31). 32). 。しかし,一般高. 地域在住高齢者に複合的運動介入を週 2 回・12 週間行っ. (p = 0.508). た研究によると,通常歩行速度は 0.08 m/ 秒(5.8%),5. 考   察. 回椅子立ち座りテストは 2.9 秒(23.3%)の改善が得ら 33). 。また,Nicholson ら 34)は,週 2 回,26 週間の.  本研究では,フレイル予防に向けたアクティブ・ラー. れた. ニング型健康教育介入の効果をランダム化比較試験によ. 2 レジスタンストレーニングの効果量(Partial η )につ. り検証した。その結果,介入によってアパシー,歩行速. いて,通常歩行速度で 0.08,下肢筋力で 0.11 であった. 度,5 回椅子立ち座りテスト,身体活動量(歩数・Ex),. としている。本研究における介入群の通常歩行速度は. 食品摂取多様性・頻度,セルフエフィカシーの改善,お. 2 ,5 回椅子立ち座 0.13 m/ 秒(9.4%, Partial η = 0.174). よびプレフレイルの割合減少の効果が得られることが明. 2 りテストは 1.9 秒(23.4%, Partial η = 0.271)の改善が. らかになった。介入群の出席率は 90.2%であり,プロト. みられ,先行研究の機能回復トレーニングと同等の効果. コル完遂率も 95.2% で,フレイルの予防を目的とした過. が得られた。. 12)14). に比較して高かった。介入に起因す.  ライフスタイル要因のうち,歩数に加え,強度の要素. ると考えられる重篤な有害事象も発生しなかったことか. を含む Ex が増加した。中強度以上の身体活動を増やす. ら,本研究で用いた教育介入は,介入による健康被害の. ことが,サルコペニアの予防に有効であるとされる. 危険性が少なく,高齢者にとって受け入れやすい方法. ウォーキングの実施方法やフォームについて学び,身体. で,ライフスタイルの変容,心身機能の改善効果が得ら. 活動の「強度」にも意識を向けたことが Ex の向上に寄. れるプログラムと考えられた。. 与した可能性が考えられた。また,一般的な行動変容技.  メインアウトカムである Apathy Scale に有意な減少. 法を用いた先行研究によると,1 日の平均歩数の増加率. 去の介入研究. 35). 。.

(7) フレイル予防に向けた教育介入の効果検証 ‒38). は 7 ∼ 54% であった 36. 215. 。一方本研究では 62% の増. りつけにより両群のフレイル状態を統制した介入試験を. 加が得られ,従来の介入と同等以上の効果がみられた。. 行うことが望ましい。介入前時点でのアパシー・抑うつ.  食習慣については,食品摂取の多様性改善効果を確認. 症状の強さが結果に影響を及ぼす可能性も考えられ,メ. した。低栄養に関する基礎知識,特にフレイル予防のた. ンタルヘルス不調を有する高齢者を抽出して対象にした. めのたんぱく質摂取の重要性について学んだことが影響. 場合の効果や,より適切な介入のための改善点について. していることが考えられた。たんぱく質の摂取不足がフ. 検討する必要がある。一方で,本研究の強みは,ランダ. レイル発生のリスクを増大させることがコホート研究に. ム化比較試験のデザインを用いて,身体・心理・ライフ. 39). 。本研究で用いた食品摂取多様. スタイルのように様々な側面から介入効果を評価してい. 性評価票の半数の項目がたんぱく質を多く含む食品と. ることである。メンタルヘルスや健康行動の改善を実証. なっており,これらの食習慣の改善が筋力向上やフレイ. したことで,教育による身体機能向上が説明可能とな. ル予防に寄与する可能性が考えられた。. り,介入効果の妥当性が支持された。. より報告されている.  本研究では教育介入に重点を置いたため,従来のフレ イル高齢者への介入研究. 11). のように,教室時間中にお. 結   論. ける積極的なトレーニングや栄養補助サプリメントの付.  本研究では,精神心理的側面からのフレイル予防を狙. 与は実施しなかった。そのため,身体活動や食行動の実. いとしたアクティブ・ラーニング型健康教育介入の効果. 践は,介入時間以外の日常生活における個人の努力に委. を,ランダム化比較試験により検証した。その結果,介. ねられたが,アクティブ・ラーニングによって健康行動. 入群ではアパシー(意欲低下),歩行速度,下肢筋力指. への意欲やセルフエフィカシーが高まり,ライフスタイ. 標,身体活動量,食品摂取多様性,健康管理に対するセ. ルが改善したことが身体機能やフレイル尺度の改善に作. ルフエフィカシーが対照群に比べて改善し,プレフレイ. 用したものと考えられ,精神心理的側面からのフレイル. ルに該当する割合が減少した。介入内容に機能回復ト. 予防の有効性を支持する結果となった。また,自覚的な. レーニングを含まない場合でも,アクティブ・ラーニン. 身体機能改善や定期的な振り返りによる達成感が,さら. グを用いた教育によって意欲やセルフエフィカシーが改. に意欲やセルフエフィカシーを高め,ライフスタイル改. 善することで,ライフスタイル変容とそれに伴う身体機. 善を促進する,というようなフレイル予防の好循環が生. 能やフレイル尺度の改善効果が得られることが示唆され. じていたことが予想される。. た。今後は,フォローアップ調査により,本研究で開発.  従来の介護予防は,機能回復トレーニングに偏りがち. した教育介入がフレイルの発生・進行の抑制につながる. であり,事業終了後も活動的な状態を維持するための取. か否かを明確にする必要がある。. り組みが不十分であったことが問題点とされている. 40). 。. また,事業の内容充実に財政的な限界があることから, フレイルの「予防」を目的とした場合には,専門家が常. 利益相反  開示すべき利益相反はない。. 駐しての運動療法や,栄養補助サプリメントの付与は必 ずしも現実的でない。本研究では,参加者が受動的な機. 謝辞:本研究の実施にあたり,対象者募集にご協力いた. 能回復トレーニングに終始するのではなく,個人の健康. だきました射水市役所地域福祉課,小杉南地域包括支援. 行動に対する積極性・主体性を高める工夫を重視し,フ. センターの関係各位,測定にご協力いただきました小林. レイルの精神心理的側面からのアプローチを行った結. 記念病院の大矢敏久氏,富山県リハビリテーション病. 果,ライフスタイル変容による身体機能改善効果が得ら. 院・こども支援センターの福元裕人氏,富山市角川介護. れることが明らかとなった。特別な器具や専門的技術が. 予防センターの沖直哉氏,真生会富山病院の秋濃ゆか. なくても実施可能な,費用対効果に優れるプログラムと. 氏,中島真弓氏,ならびに対象者としてご参加いただき. して実装・汎用化が可能であり,健康教育による介護予. ました皆様に深謝いたします。. 防の新しい形を提案するものである。.  本研究は,公益財団法人明治安田厚生事業団の研究助.  本研究の限界として,フォローアップ調査の結果がな. 成のもとに行われた。. く,フレイルの発生・進行予防効果が十分検証されてい ないことが挙げられる。フレイルの発生・進行を追跡調 査するとともに,ライフスタイル変容の持続効果につい ても検証することが今後の課題といえる。また,有意な 差はないものの,介入群で介入前におけるプレフレイル の割合が高く,フレイル尺度への介入効果の結果に影響 を及ぼしている可能性があり,層化ブロックランダム割. 文  献 1)荒井秀典:フレイルの意義.日老医誌.2014; 51: 497‒501. 2)Fried LP, Tangen CM, et al.: Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001; 56: M146‒M156. 3)Makizako H, Shimada H, et al.: Impact of physical frailty on disability in community-dwelling older adults: a.

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