cAMP-CRP制
御 系 の
sodAプ
ロ モ ー タ ー 活 性 に 与 え る 影 響
武部 聡,東
恵実,吉 田 恵,吉 田 あや
Effect
of cAMP-CRP
regulation
on sodA promoter
activity
So Takebe,
Megumi
Azuma,
Megumi
Yoshida
and Aya Yoshida
1.は じ め に 酸 素 分 子 か ら水 分 子 ま で の還 元 過 程 で生 じる 中 間 体 は 活 性 酸 素 と総 称 され,概 して 反 応 性 が 高 い た め, 細 胞 に 対 し強 い 毒 性 を もつ1も 活 性 酸 素 は,紫 外 線, 電 離 放 射 線 の照 射 や 化 学 発 ガ ン剤 な ど の環 境 要 因 に よ って 生 成 す る ば か りで な く,好 気 性 生 物 の 通 常 の 酸 素 利 用 の 過 程 で も細 胞 内 に生 じて い る。 した が っ て,酸 素 毒 性 に 対 す る防 御 は好 気 的 条 件 下 で 生 育 す る生 物 に と って 必 須 の機 構 であ り,酸 素 ス トレス 適 応 応 答 は 原 核 生 物 か ら高 等 真 核 生 物 ま で 普 遍 的 に 見 られ る 現 象 で あ る。 酸 素 の 一 電 子 還 元 に よ っ て生 じ る活 性 酸 素 は ス ー パ ー オ キ シ ド と呼 ば れ ,こ の消去 酵 素 と して スー パ ー オ キ シ ド ジ ス ム タ ー ゼ(SOD)が 知 ら れ て い る2)。SODは,酸 素 に さ ら され る環 境 に あ る生 物 の ほ とん ど全 て が も っ て い る こ とか ら,好 気 的 環 境 下 で 生 育 す る た め に 必 須 の 酵 素 と考 え られ て い る3)。 大 腸 菌 にこは,マ ンガ ン を もつMn-SOD4)と 鉄 を も つFe-SOD5)の2種 類 のSODが 存 在 して お り,そ れ ぞ れ の 遺 伝 子sodA(Mn・SOD)6,7)と 1/i(Fe-SOD)8・9)も 単 離 さ れ て い る。2つ の 酵 素 の 役 割 の 違 い は は っ き り して い な い が,Fe-SODが 常 に 一 定 の レベ ル で 合 成 さ れ て い る の に 対 し,Mn-SODは 嫌 気 的 条 件 下 で は 合 成 さ れ ず 酸 素 存 在 下 で 誘 導 さ れ10,11),パ ラ コ ー トな ど の ス ー パ ー オ キ シ ド増 産 剤 に よ っ て 誘 導 は さ ら に 増 強 さ れ る12)た め,酸 素 ス トレス 適 応 応 答 の 一 環 を 担 う酵 素 の一 つ に な って 京都女 子大学 家政 学部食 物栄養学 科栄養 学第二研 究 室 い る。 Mn-SODの 発 現 制 御 は 転 写 段 階 に お い て 行 わ れ る ほ か,翻 訳 後 に も金 属 依 存 的 に 行 わ れ る13,14)0転 写 段 階 に お け る調 節 は,SoxRSを 含 む6種 類 の 転 写 制 御 因 子 が 関 与 して お り,そ れ ら の 作 用 部 位 は sodAの プ ロ モ ー タ ー領 域 に 位 置 し て い る15)。 Sox RSは 酸 素 ス トレス 適 応 応 答 の制 御 因 子 の 一 つ で, ス ー パ ー オ キ シ ドに よ って誘 導 され る遺 伝 子 の 発 現 を 転 写 段 階 で 調 節 し て い る16・17)。SoxRSは 細 胞 内 の ス ー パ ー オ キ シ ド濃 度 の 上 昇 に よ り活 性 化 さ れ18),sodAに 対 して は 転 写 活 性 を 上 昇 さ せ る は た ら き を もつ 。 cAMP-CRPは 大 腸 菌 に お け る 糖 代 謝 系 遺 伝 子 の 転 写 制 御 因 子 で あ り,糖 利 用 に 関 与 す る遺 伝 子 の 多 くが こ の 制 御 下 に あ る19)。cAMP-CRP欠 損 変 異 株 は 好 気 的 条 件 下 に お い て も 増 殖 で き る の で, cAMP-CRP制 御 系 の 酸 素 ス トレ ス適 応 応 答 へ の 直 接 の 関 与 は 考 え られ て い な い 。 しか し な が ら,糖 代 謝 の 過 程 に は 多 くの 酸 化 還 元 反 応 が 含 まれ て お り, 好 気 的 条 件 下 に お け る糖 代 謝 に よ り細 胞 内 の 活 性 酸 素 濃 度 が 上 昇 す る と予 想 で き る た め,cAMP-CRP 制 御 系 が 間 接 的 にsodAの 転 写 活 性 に 影 響 を 与 え る 可 能 性 が あ る 。 そ こで,好 気 的 また は 嫌 気 的 条 件 下 に お け るsodAの プ ロ モ ー タ ー 活 性 とcAMP-CRP 制 御 系 の 関 係 を 検 討 した 。 五. 実 験 材 料 ・方 法 1.菌 株 お よ び ベ ク タ ー 本 研 究 に 用 い た 大 腸 菌 は,表1に あ げ て あ る 。 MC1061は,プ ラ ス ミ ドDNAの 調 製 と β一ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 活 性 の 測 定 に 用 い,TP2010とTP2139は
- 38- 食物学会誌・第50号 表
1
菌株 Genotype Source Strains MC1061 hsdR mcrB araLl139Ll(araABC必u)7679 Ll/acX74 galU galK rstL thi M.]. Casadaban TP2010 TP2139 xylLlりαargHLl/acX74 recA ilv srl::・Tn
lO xyl ilvA argH Ll/acX74 Llcゆ A. Danchin A. Danchins
-
ガラクトシダーゼ活性の測定に用いた。 プロモーター検索用ベクタ-pMS437Cは,プロ モーター領域を欠いた lacZをもち,その転写方向 に対して上流に制限酵素BamHIの切断部位がーカ 所だけ存在する。この部位を利用して外来プロモー ターを lacZの転写方向と同じ向きに挿入すると, プロモーター活性を /acZ産物である舟ガラクトシ ダーゼの酵素活性から求めることができる。本研究 で用いたsodAのプロモーターDNA断片は,大腸 菌染色体の整列クローンライブラリーである“小原 パンク勺0)より調製した。2
.
試薬・酵素類 培 地 用 試 薬 Bactotryptoneとyeastextractは DIFCO社製を用いた。 adenosine3', 5'-monophos -phate (cAMP)はSIGMA社製を用いた。 methyl viologen trihydrate (PQ) , 0・nitrophenyl-s・D-galac -topyranoside (ONPG), ampici
1
1
in,および,その 他試薬はナカライテスク社製を用いた。制限酵素な ど遺伝子操作用酵素類は東洋紡社製を用いた。 3. 培養方法 大腸菌の培養には, 2xYT培地21)を用いた。プ ラスミドをもっ大腸菌の培養には培地にampici
1
1
in を終濃度50μg/mlになるように加えて用いた。培 地10mlにpMS437Cまたはその誘導体をもっ大腸 菌の一晩培養液を1/100量加え, 37'tで2時間嫌気 的に静置した。その後,この液1mlを培地9mlに 植菌して好気的または嫌気的に370 Cで振量培養し, 一定時間ごとに培養液のサンプリングを行い舟ガ ラクトシダーゼ活性の測定に用いた。 嫌気培養は,あらかじめ5分間窒素ガスを吹き込 んだ培地を密閉できる50ml容チューブに入れ,窒 素ガスを充填した状態で、行った。また,誘導剤は培 養開始時に,パラコートは40μM,cAMPはlmM になるように添加した。 4.s
-
ガラク卜シダーゼ活性の測定s
-
ガラクトシダーゼ活性の測定は, ].H. Miller の方法22)に若干の変更を加えて行った23Lm
.
結 果
1. PsodA-lacZ融合遺伝子の構築 大腸菌の遺伝子発現は転写と翻訳を連続的に行う ことが可能なため,発現制御を転写段階で行う遺伝 子が多く,このような遺伝子では発現量とプロモー ター活性はよい相関をもつことになる。 sodAも転 写調節を受ける遺伝子で,現在までに明らかとなっ ている制御因子の作用部位はプロモーター領域に存 在 し て い る15)。 そ こ で,sodAプ ロ モ ー タ ー (P sodA)を/acZ構造遺伝子と連結し,プロモーター 活性の変動を /acZの発現量,すなわち舟ガラクト シダーゼ活性の変化からとらえることのできる融合 遺伝子PsodA-/acZの構築を行った。 sodAは大腸菌染色体上88分に位置しており,こ の領域は染色体ライブラリー“小原パンク"では A4B6が相当する。 A4B6DNAを制限酵素 EcoRIと BamHIで消化すると sodAを含む4.9kbpのDNA 断片が生じ, 4.9kbp断片を Sau3AIで消化すると sodAのプロモーター領域を含む496bp断片が得ら れる。この496bp断片を pMS437CのBamHI部位 に挿入し,融合遺伝子 PsodA-lacZをもっプラスミ ドpMS-Psod496を構築した(図 1)。このプラスミ ドを /acZを欠失した大腸菌に導入すれば,s
-
ガラ クトシダーゼ活性から sodAのプロモーター活性を 求めることができる。2
.
好気的および嫌気的条件下における PsodA活性
融合遺伝子 PsodA-/acZの大腸菌内での発現誘導 を調べるため, pMS-Psod496を/acZ欠損株である MC1061に導入し,好気または嫌気培養におけるか ガラクトシダーゼ活性を測定した(図2
)。好気培 養では舟ガラクトシダーゼ活性は培養時間に依存 して上昇したが,嫌気培養では活性値に変化が見ら れなかった。この結果から ,PsodA -lacZは好気的 培養によって誘導されたことがわかった。 また,いずれの培養条件下でもパラコート添加とBamHI
pMS437C
1
0
.
3
kb
"
K
o
h
a
r
a
bank"λ4B6
E
c
o
R
I
-
B
a
m
H
I
fragment (
4
.
9
k
b
)
sodA
PsodA
→S
PsodA
fragment (496 b
)
P
s
o
d
A
→p
M
S
-
P
s
o
d
4
9
6
図1 pMS-Psod496
の構築。P
s
o
d
A
はs
o
d
A
のプロモーター領域,矢印はその転写方向を表す。amp
,アンピシリン耐性遺伝子 ;rhaT
,ラムノーストランスポーター遺伝子。B
,BamHI; E
,E
c
o
R
I
;
S
,Sau3AI
無添加のものとの聞にs
-
ガラクトシダーゼ活性の 有意な差は見られなかった。パラコートは溶存酸素 を還元してスーパーオキシドを生成する試薬である ので,嫌気培養では還元できる酸素が存在しなかっ たことになる。一方,好気培養で活性値に変化がな かったのは,通常の酸素利用によって菌体内に生じ たスーパーオキシドによりP
s
o
d
A
-
l
a
c
Z
が十分に誘 導されていたためと考えられる。3
.
cAMP-CRP
欠損株を用いたPsodA
活性の 測定cAMP-CRP
は大腸菌における糖代謝系遺伝子の 転写制御因子であり,糖利用に関与する多くの遺伝- 40
2
5
0
0
.
i
ヨ
ミ
E
Z
2
α
)
(
)
l
MCI061
主
3
p
,
1
5
∞
500
AU AU30
t
i
m
e
(
m
i
n
)
図2
好気または嫌気培養によるP
s
o
d
A
-
l
a
c
Z
融合 遺伝子の発現誘導。 pMS-Psod496を MC 1061(
j
j
l
a
c
)
に導入して好気または嫌気培養 を行い,一定時間ごとに培養液を一部とり かガラクトシダーゼ活性を測定した。横軸は 培養時間を表し,パラコートの添加は培養 開始と同時に行った。0
,好気培養,_,好気培養+パラコート 添加;ム,嫌気培養,.,嫌気培養+パラ コート添加6
0
6
α
)
(
)
~
I
T
P2
010
(
L
1l
a
c
,
L
1
cya)
ロ
口
、
_
,
b
主
4
側
υ
団ω
∞
何 方 的 0 9・9 (.) 伺 ~ bO CQ.。
30
t
i
m
e
(
m
i
n
)
食物学会誌・第5
0
号 子の発現がこの因子の調節を受けている。 cAMP-CRP制御系の欠損株は糖代謝が制限されているた め,酸素利用も減少することになる。つまり,好気 培養を行っても菌体内での活性酸素の発生を低く抑 えることができると考えられる。 TP2010はcAMP合成酵素アデニレートシクラー ゼの遺伝子りGの欠失変異株, TP2139はcAMP受 容タンパク質CRPの遺伝子c
r
ρ
の欠失変異株で, ともにcAMP-CRP制御系をもたない。これらの大 腸菌に pMS-Psod496を導入し,好気および嫌気培 養における舟ガラクトシダーゼ活性の変動を調べ た(図3)。どちらの菌株を宿主として用いた場合 も,好気的条件下において培養時間に依存した酵素 活性値の上昇が見られた。このことから,P
s
o
d
A
-l
a
c
Z
はcAMP-CRP欠損株を宿主として用いても 好気培養で誘導されることがわかった。嫌気培養で はどちらの菌株を用いても誘導されなかった。 好気培養で,培地にパラコートを添加したもので は無添加のものに比べて高い活性値を示した(図3
)。嫌気培養では添加と無添加で活性値に差が見 られなかったことから,好気培養において活性値が 高くなったのはパラコート添加により培地中に生じ たスーパーオキシドがP
s
o
d
A
-
l
a
c
Z
を誘導したため1
∞
∞
TP21
3
9
(
L
1
/
a
c
,
L
1
c
r
p
)
6
0
30
t
i
m
e
(
m
i
n
)
60
図3 cAMP-CRP欠損変異株におけるP
s
o
d
A
-
l
a
c
Z
融合遺伝子の発現誘導。 pMS-Psod496をTP2010(jjりα) またはTP2139(Jcゆ)に導入し,培養条件およびパラコート添加による舟ガラクトシダーゼ活性の変 化を調べた。横軸は培養時間を表し,パラコートの添加は培養開始と同時に行った。 企,好気培養:_,好気培養+パラコート添加; ム,嫌気培養;口,嫌気培養+パラコート添加J
ε
固E 2
m
5
∞
)QE
主
p
,
?
m
。
30
60
。
t
i
m
e
(
m
i
n
)
図4 cAMP-CRP
欠 損 変 異 株 内 で の PsodA-lacZ 融合遺伝子の発現誘導に対するcAMP
添加 の効果。pMS-Psod496
をTP2010はり
a)ま たはTP2139
(Jcrp)に導入し,好気培養に おけるcAMP
添加の効果を調べた。0
,
TP2010;
,
_
TP20
1O+cAMP
添加; ム,TP2139;
企,TP2139+cAMP
添加 である。 次に,cAMP-CRP
制御系を回復させることによ りPsodA必cZの誘導がどのように変化するかを調 べた(図4)0 TP2010
はJcyaのためcAMP
を合成 できないが,培地中にcAMP
を添加すると菌体内 に取り込みcAMP-CRP
系が回復する。一方,TP
2139
はJ
c
ゅ の た めcAMP
を添加しでもcAMP-CRP
系は回復しない。培地にcAMP
を添加して好 気培養を行ったところ.TP2010
を宿主としたもの ではcAMP
無添加のものに比べ高い活性値を示し たが,TP2139
では活性値に有意な差は見られなか った。したがって,TP2010
でcAMP
添加により舟 ガラクトシダーゼ活性が高くなったのはcAMP-CRP
系が回復したためで、あり,この結果より糖代 謝系遺伝子の調節因子であるcAMP-CRP
欠損株で は好気培養でも PsodA-lacZの誘導が不完全に起こ ると考えられる。N
.
考 察
大腸菌は通性嫌気性菌なので,酸素を利用しなく ても発酵によりエネルギーを獲得して生育すること ができる。酸素が存在する時はこれを利用してエネ ルギー産生を行うが,その酸化還元反応の過程で スーパーオキシドなどの活性酸素が生成する。した がって,好気培養では菌体内で発生した活性酸素の 消去のために酸素ストレス適応応答がはたらくと考 えられる。pMS-Psod496
を大腸菌MC1061
に導入 して好気培養すると PsodA-lacZの発現が誘導され たのは,この酸素ストレス適応応答がはたらいたた めであり,嫌気培養ではこの誘導は観察されなかっ た。また,パラコート添加によりスーパーオキシド 濃度を上昇させても PsodA-lacZの発現には効果を 示さなかったことから,PsodA-lacZは通常の酸素 利用により十分に発現誘導されていたことになる。 この強い誘導の理由としては,PsodA-lacZをプラ スミドに組み込んだことによるコピー数の増加と, 融合遺伝子のため産物によるフィードパック阻害の 回 避 が 考 え ら れ る 。 ま た,sodAの発現制御にはsoxRS
以外に少なくとも5
種類以上の転写調節因 子が存在することがわかっており15),これらの因子 が関与している可能性もある。 糖代謝系遺伝子の調節因子であるcAMP-CRP
の 欠損変異株TP2010(
J
りα) とTP2139
(Jcゆ)を宿 主として用いると,好気培養でも PsodA-lacZの発 現は低く抑えられ,パラコート添加の効果を観察す ることができた。これらの変異株は糖代謝に際し大 きな制限を受けているため,好気培養における活性 酸素の生成が低く抑えられ,PsodA必cZの発現が 不十分に誘導されたと考えられる。しかしながら,cAMP-CRP
制御下には熱ショックタンパク質など 糖代謝系以外の遺伝子もあり,sodAの転写制御機 構も複雑であることから,cAMP-CRP
が間接的に sodAの転写制御を行っている可能性もある。また, 染色体上の sodAの上流にはラムノーストランス ポ ー タ ー の 遺 伝 子rhaT
が 逆 向 き に 存 在 し て お り24),そのcAMP-CRP
結合部位がsodAとのちょ うど中間に位置していることから,sodAの発現にcAMP-CRP
が直接関与している可能性も考えられ る。 スーパーオキシドで誘導される遺伝子の単離や解 析には,Mud (Ap
lac)ファージを用いた方法が知 られており,いくつかの新しい遺伝子が単離されて いる25.2九 し か し こ の 方 法 は 染 色 体 上 の 遺 伝 子 内 にlacZを挿入するため,遺伝子本来の機能を失わ せることがあり,好気的条件下での生育に必須な遺 伝子の単離はできないなどの欠点がある。本研究で は,プラスミドベクターに目的遺伝子のプロモー ターを乗せているため,宿主大腸菌の遺伝子構成に は影響を与えなし、。したがって,この方法を用いれ- 42-ば好気的条件下での必須遺伝子の単離が行える。ま た,宿主にcAMP-CRP変異株を用いれば誘導物質 の濃度に依存したプロモーター活性の変化を検出で きるため,本実験系の酸素ストレス誘導遺伝子の単 離および解析への応用が期待で、きる。
v
.
要
約
酸素ストレス適応応答を構成する遺伝子の一つで ある sodAのプロモーターと lacZとの融合遺伝子 PsodA必cZを作成し,大腸菌内に導入して好気ま たは嫌気培養における酸素ストレスの有無を舟ガ ラクトシダーゼ活性の変動から検討した。 PsodA -lacZは好気培養によって強く発現誘導されたが嫌 気培養では誘導されず,酸素ストレスは通常の酸素 利用によっても生じていることがわかった。また, 糖代謝系遺伝子制御因子である cAMP-CRPの欠損 株を用いて PsodA-lacZの発現を調べたところ,好 気培養条件下でも PsodA-lacZの誘導は不十分であ ったが,パラコートの添加やcAMP-CRP制御系の 回復により誘導は強くなった。これらの結果より, 酸素ストレスは好気的条件下における糖代謝の過程 で生じ,その過程にはcAMP-CRP制御下にある遺 伝子の関与が示唆された。参 考 文 献
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a
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