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世紀転換期のドイツにおける技術者
による原価計算の一考察
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年〉の原価計算:序
中 馬 道 靖 *
I はじめに H 世紀転換期のドイツ経済と企業経営者(技術者)の活躍 E メッサーシュミット (A Messerschmitt)の「 般的原価計算」 l メッサーシュミットの文献の概観 2“メッサーシコミットの一般的原価計算 W おわりに I はじめに 今日,管理会計はその目的適合性を喪失したといわれ,とくに原価計算は大きな問 (1) 題に直面しているといわれている。その真偽はここで論じる対象ではないが,理論と 実務との議離が主張され,理論上の管理会計技法が実務では使用されていないとか,*
春川大学商業短期大学部講師 (1) 管理会計の「目的適合性の喪失」に関して,さまざまな研究が行われているが,理論と実務 の議席~v土実務と研究者との交渉が不十分であったことから生じていると考えられる。 管理会計の「目的適合性の喪失J をJohnson,H T & R S Kaplan [1987]は,センセー ショナノレに発表し,世界的に影響を及ぼした。その後, Bromwich, M. & A Bhimani [1989]は,これに対して,変化は認めるものの,管理会計が危機に直面しているとは解してい ない。また,このような管理会計の動向をふまえて, Scapens, R W. [2nd, 1991]が,管理会 計の全体像をレビューしている。Johnson, H T & R S Kaplan, Relevance Los.t, Havard Business School Press, 1987
Bromwich, M & A Bhimani, Evolution nゅtRevolution, The Chartered Institute of
-388- 杏川大学経済論議 1080 使用された場合に悪影響を及ぼすものであるとか論じられている。このような議論の 中で,欧米や日本ではケース・スタディなど実務と理論との接近を試みる研究が盛ん に行われている。そこでは,企業環境・製造環境の変化と管理会計との相互作用が分 析され,とくに実際の企業・製造現場の実務を分析し理論的構築を試みることや,新 たな管理会計手法を理論的根拠をもとに創り出し,試したりしている。このような 中,一つの特徴として,研究者以上に企業における製造担当の管理者をはじめとする 実務家,技術者の発言・反応が重要視されていることを挙げることができる。 ところで,これまでの原価計算史を概観すると,これと同じく実務家,とくに技術 (2) 者が原価の計算に大きな影響を文献・論文等を通して与えていた時代がある。それは ドイツにおいては, 19世紀中葉から 20世紀初頭にかけてであり,しかも特に社会的な 原価計算の向上に努め,その普及の牽引者となったのは世紀転換期の技術者であった (3) と考えられる。 ドイツ経営経済学が商科大学設立(ライブチッヒ, 1898年)をその出 (4) 発点とするのとは画して, 19世紀中葉以降の,特に世紀転換期の企業経営者,技術者 (5) の活躍は,ドイツ原価計算史の分析において見逃せないものであろう。 本稿は, 19世紀中葉から 20世紀初頭までの歴史的過程を検証するための研究ノート Scapens, R W , Management Accounting A R即 時W of Recent Developments, MacmillanP Ltd, 2nd ed, 1991 (石川純治監訳 岡野浩・中馬道筋ー共訳『管理会計の回願 と展望],白桃議房, 1992年。〉 (2) アメリカ管理会計の発達史における技術者の役割については次の文献が特に参考になろ う。辻厚生『管理会計発達史論~,有斐閣,初版 1971年,改訂増補版 1988年。 (3) ドイアにおいて技術者がどれほど企業予算の普及に影響を及ぼしたかを知るひとつとし て,ローマンの「ドイツにおける経済計画思考の主導者が,主として技術者グ〉レープであっ たことは重要である」という叙述がある。
Lohmann, M, Der Wirts.chafts.plan des.Betriebs.und der Unternehmung, Ver1ags -buchhandlung Leopold Weiss, Ber1in, 1928 S 21 (4) 19世紀中葉におけるドイクの原価計算の一例として,鉱山監督官であったゴットシヤルタ (Gottschalk, CG) のものが挙げられよう。彼の業績については,次の論文を参照された 中馬道靖 119世紀中葉におけるドイY工業会計の一考察ーC
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Gottschalkの事前損益計算 ーJW経営研究』第40巻第 5・6合併号, 1990年。および,同 119世紀中葉におけるドイツ工 業原価計算への取り組みー C G Gottschalkによる原価の把握ー JW香川大学経済論叢』第63 巻第 4号, 1991年。 (5) 世紀転換期において,アメリカの科学的管理運動のヨーロッパへの影響とその担い手でも あった技術者の活躍はドイツにおいても見逃すことができないと考える。 ドイツにおけるア メリカの科学的管理運動の影響を見る上で,特にF Wテーラーの業績がどのようにドイツ1081 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算の一考察 -389-で あ り , と く に19世 紀 中 葉 か ら 世 紀 転 換 期 に か け て 技 術 者 と し て , さ ら に 経 営 者 と し (6) て 活 躍 し た メ ッ サ ー シ コ ミ ッ ト (A Messerschmitt) の 原 価 計 算 全 体 を 考 察 す る た め の 足 掛 か り と な る も の で あ る 。 な お , 本 稿 で 考 察 の 対 象 に な る の は , 次 の 文 献 で あ る。 A Messerschmitt, (Ingenieur, Direktor a.0..in Darmstadt) (技術者,ダルムシコ タットの退職した経営者〕
Die Kalkulation im Maschinenwesen, nebest Anteilung zu bestimmung der allgemeinen wie stezialisierten Akkord-Gedinge und der Wahl der M aterialien, so -wie Anhang von Akkord-Verzeichnissen und Preisen maschineller Gegenstande,
に紹介されたかをみると,11907年に初めて「テイラー・システム」が専門雑誌に紹介さ れ,議論された。アーへン工科大学のヴァリッタス (Wallichs)は, 1908年,ドイツの技師に 工具鋼および金属の切削作業に関するテイラーの研究を知らせた。テイラーの「経営管理Jは 1909差別乙,また「科学的管理」は1913年にドイツ語に翻訳された。すでにアメリカにおいてそ うであったように, ドイツにおいてもまず技術者が経営組織問題に取り組んだ。 ドイツ技師 協会(VDI,Verein Deutscher Ingenieur)は,すでに 1912年にライプチクヒにおいて経営経済 に関する会議を開催し,そこにおいてテイラーシステムを取り上げ,普及させた。」とある。
Spitzley, H. ,Wissensζhaftliche Betriebsfuhrung, REF A“Methodenlehre und Neuorien
-tierung der Arbeits仰 ssenschsft,Koln, 1980S 62 (高橋俊夫監訳『科学的管理と労働の
ヒューマニズム化』雄松堂出版, 1987年, 79頁。)
なお,ドイY技師協会は, 1856年創立され, 1946年に再建される。 VDI雑 誌 (Zeitschrift des VDO を発行。
(6) Messerschmitt, A, Die Kalkulation im Mas.chinenwesen, nebest Anteilung zu bestimmung der allgemeinen wie spezialisierten Akkord-Gedinge und der Wahl der M aterialien, sowie Anhang von Akkord-Verzeic hnissen und Preisen masc hineller Gegen -stande, S. 164Zweite durchgesehene und erweiterte Auflage, Druck und Verlag von G D Badeker, Essen, 1903. (初版1882年) 他のメッサーシュミットの文献としては,次のものがある。 Messerschmitt, A (hrsg) (Ingenieur in Dortmund), Die Calculation der Eisenconstructionen,肌sbesondere der Brucken, Dampf・-仰d Locomotivkessel, wie der Gerustbauten und der !ngenieur in seinem Betriebe nebst Bestimmung aller einschlagingen Accordgedinge erlautert durch vielfache Bei.spielle u Zeichnungen von Geru叫 autenNeudruck der Ausgabe, Essen, 1884 (Nihon-Shoseki/JP -N '90) (メッサーシュミット(編集,ドルトムントの技術者)W鉄構造物の原価計算:特に橋,蒸 気ボイラー,蒸気機関といった骨格建築と工業技術者の原価計算,並びに,骨格建築のさま ざまな例示や挿し絵によるすべての関連する出来高給契約の決定の解説~) この文献から, 1884年頃はメッサーシュミッ}がドノレトムントで技術者として従事してい たことがわかる。この文献の考察は稿を改めることとする。
-390ー 香川大学経済論叢 1082
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164Zweite durchgesehene und erweiterte Auflage,Druck und Verlag von G D Badeker, Essen, 1903
(~機械工業における原価計算:一般的・専門的請負給および材料の選択を決定す ること,さらに機械製品の請負表と価格に関する付録っき』増補第2版〕 この文献は, 1882年に初版が出版され, 1902年に出版された第二版である。本書の 初版はまだ入手できていない。しかし,次の第二版の序文の叙述から初版と第二版が 余り大きな相違がないことが窺われよう。メッサーシュミットの第二版の序文によれ ば,
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機械装置における次の資料を使用するために重要なことと,その安定やその検 査規則に関する表,さらに査定や見積もりのために最も必要とされる機械による製造 (7) 物の価格に関する表が,新しく付け加えられた」と述べており,全体的には初版での 考えがより確信されたようにも書かれている。 また,メッサーシュミット自身に目を向けると,彼は技術者であり,経営者であっ た。初版の序文よれば,ここで、示された「出来高給すべては,実務や経験から転用さ れただけでなく,著者によって37年間使用し試されているlとあることから, 1845年 から37年間,その文献で示した原価計算を使用し試したこととなる。 1I.世紀転換期のドイツ経済と企業経営者(技術者〕の活躍 上述したように初版と第二版との違いは,あまり無いように思われる。しかしなが ら,明らかに初版と違うであろうと考えられることがひとつ,メ vサーシコミットの 第二版の序文の記述に存在する。それは,初版には無い社会経済的影響を受けた叙述 である。すなわち,メッサーシュミットの第二版の序文をみると,r
残念ながら価格の 暴落によって工場全体の衰退と倒産のきっかけがしばしば与えられるが,このことを より理解し,より根本的に認識することによって,価格の暴務が防止され阻まれるの である。このことを通して,これ(メッサーシコミットが示した本書の提言一訳者) (9) は,実務において十分に刺激を与え貢献するだろう。」と述べられている。価格の暴落 による危機が原価計算を必要とし,原価計釘の採用により危機から解放される。しか (7) Messerschmitt, A. a a 0, S. 3 (8) ebenda (9) ebenda1083 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算uの一考察 -391ー しながら,価格の暴落を十分に分析し原価計算を考案しなければ,有用な原価計算は ないということであり,メッサーシュミットの原価計算の有用性を証明するもののひ とつが,価格の暴落であったといえよう。このようなメッサーシュミ vトの記述か ら,当然ではあるが,メ γサーシコミットが当時の社会経済の影響を,特に価格の変 動の影響を強く受けていたことがわかる。したがって,当時の社会経済の経過および 動向を理解することが,メッサーシコミットの原価計算を研究することに必要不可欠 であるといえよう。本節においては, 19世紀後半の社会経済史を考察し,その特徴を 明らかにし,メッサーシコミットに与えたであろう影響を探ることとする。 まず, 19世紀中葉から世紀転換期のドイツ経済の変遷をクラパム(J H Clapham) (10) とモッテク (H Mottek) らの文献を通してみることとする。 クラパムによれば, 19世紀中葉から 20世紀初頭にかけて総人口が増加するCl871年 約4100万人→ 1910年約6,500万人)ともに,都市人口も同じく農村人口に比べて増加 した(農村人口:都市人口=1871年64:36→1910年40: 60) と述べている。これは, 産業化と都市化の傾向が急速に進んだことを示しており,近代的製造業の発展の基盤 が整えられることを意味している。さらに産業中でもメッサーシュミットの従事した 機械工業についてみると,鉄鋼業の発展に基礎づけられ,
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粗鉄と粗鋼の巨大な生産 高の基礎の上に無限の多様性をもっ冶金工業の体系が建設され, 20世紀にドイツの輸 出が大幅に超過しなかった範障は鉄や鋼製品あるいは鉄や鋼からおもに成る製品の中 (11) にはほとんどなかったjほどであった。また,当時の機械工業の一企業当たりの従業 員数をみると, 1882年において小企業は5人以下であり,中企業は 6人から 50人で, 大企業は50人以上を雇用しており,大企業全体 066,500人 ) よ り も 中 小 企 業 全 体(10) Clapham,
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H, Economic Development of France & Germany 1815-1914, Cambridge University Press, 1921(林 達監訳『フランス・ドイジの経済発展 1815-1914 上・下~,学文社, 1974年。〉
Mottek, H, Becker. W. u A Schrりter,Wirtschaftsg.eschichte Deutschlands Ein Grundri.β Band
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Von der zeit der Bismarc. k.schen Reichsgrundung 1871bis zur Niederlage des.fas.ζhis.ti.schen deutschen !mperialis.抑 制 1945, 2 Auflage, VEBDeutscher Verlag der Wissenschaften. Berlin, 1975. (大島隆雄@加藤房雄・田村栄子訳『ド イツ経済史 ピスマルク時代からナチス期まで(1871-1945年H,大月番庖, 1989年。〉 (11)Clapham,
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H, op. cit, p 285 (前掲訳書324賞。〉-392- 香川大学経済論議 1084 089,500人)での従業員が多数であった。これに比べて 1907年 で は 中 小 企 業 (231,500人)と大企業 (788,800人〉との従業員数の関係は大きく逆転し,企業の平 均的従業員数が大きく増加するとともに,大企業が中小企業に比べて優位な地位を確 保するにいたった。さらにカルテルが世紀転換期に確立された。その目的は価格の安 定と製品の格付けが主なものであり,この背景に19世紀後半からの関税の廃止と実施 の繰り返し,経済恐慌の影響があるのはいうまでもない。 また,モッテクらによれば, 19世紀末期から20世紀初頭にかけるドイツ経済史をさ らに詳しく分析している。 1871年のドイツ帝国の建設が, ドイツ資本主義の一層の発 展を促進し,とくに,貨幣と度量衡の統一,居住地の選択権が確保されたことは大き な要因となったと述べている。そして,もっとも大きな特徴は,この19世紀末から世 紀転換期の時期の大きな経済史における波が生じたことである。それは「創業者時 代jと言われる株式会社設立のブームとなった1870年代初めの景気上昇の波と,その 後の1873年の創業者恐慌という下降の波である。まず, 1創業者時代jからみよう。 創業者時代のひとつの特徴は,生産数量の増大と,生産物価格の上昇が挙げられる。 具体的には, 11869年から1873年までの聞に,工業原料の価格は40%,建材価格は50% (12) 以上,そして,銑鉄価格は90%,高くなった」と述べている。また急激な労働力需 要のために,労働力不足の増大が引き起こされた。そして,価格変動と投機運動に対 して, 1873年に「創業者恐慌」が引き起こった。それは,取引所の瓦落として現れ, この恐慌により拡大傾向への反動が現れた。とりわけ,価格の低落が機械工業に大き (13) な影響(銑鉄の消費が1879年は1873年に比して, 51..5%にまで落ち込む)を与えるこ ととなる。この暴落ともいえる価格の低務は,生産財工業における売上の激しい落ち (14) 込みと結びつき,卸売物価指数では1913年を100とした場合に, 145から 69に下落した。 このような中,この恐慌が経営者の意識に及ぼした影響をみる必要があろう。当時 の「企業家に与えた影響をみるには,価格,売上高そして利潤に重点をおかねばなら (15) ない」のである。具体的には,価格の下落と売上の落ち込みのために,費用を徹底的 (12) Mottek, H, Becker, W. u A Schroter, a a 0, S.. 159(前掲訳書132頁。〉 (13) ebenda, S 162(前掲訳書135頁。〕 (14) ebenda, S. 163(前掲訳書136頁。〉 (15) ebenda, S 164(前掲訳書137-138頁。〕
1085 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算の 考察 -393ー に削減することが必要となったのである。これは生産の拡大による削減とは違って, 生産の縮小の中で生産労働の能率の上昇と固定費削減によって達成されねばならな かったのである。そのため生産労働能率の上昇が計られ,それは労働者の熟練と技術 (16) 革新が起因しである程度達成された。しかしながら,生産の縮減が最も甚だしかった 鋳造業と機械製造業では,生産性の向上は他の部門に比べて最低であったとしている。 また生産性の向上は,労働者の失業を招くとともに実質賃金の低下をももたらした。 モッテクらは, I数量的変動の観点からも,また売上高および雇用の観点からも, 1873年中葉から1879年中葉までの時期が, この恐慌を自由競争の資本主義におけ る最も激しい恐慌と,それどころか.1929-32年の恐慌を除けば,ドイツ資本主義全史 (17) における最も激しい恐慌であった」と論じている。その後,アメリカの経済発展によ る需要からドイツ経済が上昇傾向となったが, 1883年には景。気の停滞期がはじまり, 卸売物価の低港と売上高の現象が特徴として生じた。その後1895年 ま で 「 創 業 者 恐 慌」からの「大不況」の延長線上にあり, 1895年以降,世紀転換期に二年ほどの恐慌 が生じるが,銀行資本と緊密に絡み合って産業資本は発展することとなる。 このような経済変動の中,メッサーシュミットがどのような原価計算を展開したか をみることにしよう。 阻h メッサーシコミット (AMesserschmitt)の「一般的原価計算」 1 メッサーシa ミvトの文献の概観 メvサーシュミットの業績がこれまでどのように評価されてきたかをみると,ド、ル ン (G Dorn)は, Iとりわけ,メッサーシコミットは,その給付計算的方法の助けで もって期間利益が確定されうることを指摘している。彼はその場合の期聞を月次,四 半期,一年と解している。れれれれい短期間,すなわち月次損益の算定は,メッサーシュ ミットによって述べられているように, しかし,メッサーシュミッ Tが「月次貸 (16)モッテクらは.
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パイネ。イノレゼダー製鉄業では, 1874年から1879年に至る時期に,トン当 り生産費は47%.そして,固定費用は54%51き下げられた。 アウグスブ〉レグ、の南ドイツ 最 大 の 紡 績 工 場 で は .1875年から1880年の問には, 22.6%に達する生産性向上を記録し た。」と引用している。 ebenda.S. 164(前掲訳書138頁。〉 (17) ebenda. S. 168(前掲訳ID140頁。)-394一 香川大学経済論叢 1086 借対照表jを認めているという優位性は,給付計算的期間計算の発展のために画期的 (18) なものとみることができる」ととくに評価している。また,パリッカ (K Palicka) は,とくに,次のような点を挙げている。メッサーシュミ vトは「多くの機械工場に おける実践的な経験にもとづいて,彼は操業度の原価計算への影響を考えている。つ まり,彼は「経営尺度 (Betriebsmas)
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を考案したのである。それは総生産賃金と間 接的に計算される原価との関係を示すが,事後計算でのみ利用されうるものであった。 しかしともかく,彼は当時の先端を走っていたといえる。というのは,実務では長い 間,総原価の補償のために材料+賃金にX%
の累積的配賦額でもって計算していたか (19) らである」と。さらに,r
操業度の原価構成への影響や計算される間接費率への作用 は,文献では19世紀の最後の10年に初めて現れ,しかもメ vサーシュミットが詳細に 扱っているJ
が,しかしながら,r
次の時代には原価と操業度との相互関係の問題は, 再び完全に無視されてしまった。そして, 40年後にようやくその点にふさわしい注目 がむけれた」として,その先見性を評価するとともに後の時代と断絶したものと解し ている。また,シzーンフェルド (H-M.W Schoenfeld)は,r
変動費に対する「周定 費」という用語は, 1882年にメッサーシュミットによりはじめて用いられた。彼は, (22) この原価の生産物への配賦比率について詳述したJ
ことから先駆的なものとして評価 している。それでは,このように評価されているメッサーシュミットの原価計算とは どのようなものであろうか。 まず¥はじめにメッサーシコミットの第二版の目次からみることとしよう。 p a l a -i i l a i l -(18) Dorn, G, Die Entwicklung der industriellen Kostenrechnung in Deuts.chland, Duncker & Humblot, Berlin, 1961SS 26-27(平林喜博訳『ドイア原価計算の発展』同文舘, 1967 年〉 (19) Palicka, K, Betriebsbuchhaltung und industrielle Selbstkostenrechnung in Deutschland im 19.lahrhundert, DSS Handels=Hochschule Leipzig, 1938SS 35-36(平林喜博 119世 紀ドイツ工業原価計算ーパリッカ著B9世紀ドイツの経営簿記と工業原価計算』一九三八年 抄訳-J ~経営研究』第35巻第 5 号, 1985年, 143頁。〕 (20)ebenda S 52(前掲抄訳153頁。) (21)ebenda S.56(22) Schoenfeld, H-M W, Cost Terminology and Cost Theory A Study of its Development and Present State in Central Europe, The Board of Trustees of University of l11inois, 1974.p 47.(平林喜博・深山明共訳『原価と原価理論ードイツ語圏における発展と
1087 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算の一考察 【目次】 l 序および第二版の序 2 一般的原価計算 (allgemein-Kalkulation) 3 価値の決定 CWert-Bestimmungen) 形 式 I・形式E・形式E 4ド償却と利子 (Amortisationund Verzinsung) 5 模型の作成 (Modelltischlerei) 6 買値の決定 COffert-Bestimmungen) 7 誤差の限界とその影響 (Fehler-Grenzenund deren Einflus) 8れ特別原価計算 (Separet-Kalkulation) 9. 償還 (Ruckblick) 10 貸借対照表 (Bilanz) 11 経 営 (Betrieb) 12 貸借対照表等式 (Bilanzgleiche) 13 商業簿記 (kaufmannischenBucher) 付録 A 契約による出来高給 (Vertragsm邑sigeAkkorde) -395-親方 (Meister)出来高給契約。指物師 (Tischler-)契約・徒弟 (Lehrlimgs-) 契約
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わ労働の出来高給 (Arbeits-Akkorde) a) 旋盤・削り・打つ・フライス盤・ドリル・機械工労働と組み立て・鍛冶 ・ネジ切り・のこぎり b) 焼き入れ加工・金属加工 c)モデル作製者の出来高給 原価計算と即座の見積もり(raschemVoranschlange)に対する出来高給表c
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材料の安定性と検査規定D
リ機械装置の材料: 鋳鉄一鍛(錬〕鉄ー溶鉄と溶鋼一見本鋼鋳物一鋳鋼一金属鋳造z
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-396- 香川大学経済論議 1088 E叶機械による製品 (maschinell巴rGegenst邑nde) の市場価格 F 平面,立体の算定 G.メートル法の度量単位と重量単位 では,メッサーシュミットは原価計算の必要性についてどのように考えていたので あろうか。 メッサーシュミットの考える原価計算とは,請負給 (Lohngedinge) を確定するた めのものであり,作業機械自体の性質,その大きさ,補助工具さらにその取扱いと いった知識と経験が原価計算の前提となる。したがって実務に携わる技術者による原 価計算は,控えめではあるが,商業簿記による情報よりも優れていると考えているよ うである。商業簿記の助けなしに,月次・労賃期間・年次決算で,工場(Etablisse -ment)の損益も彼の原価計算。で表すことができると述べ,その手法を長年使うことに よって,少なくても近似計算 (appl'OximativeRechnung) の場合,商業簿記に比べて 際だって正確な結果を出すことができると述べている。この手法の一つの大きな長所 は,人がどのように働き,経営 (dasGeschaft)はどのように進行することができるの か,いつも自問自答 (sichsagen kann) できることにあるとしている。それに引き換 え,商業簿記は,全体を見通し,個々の経営の完了の過程をより長い計算期間の後に 初めて閲覧することができるだけで,しかもそれを行うには,余りに遅すぎるため に,概して役に立たたないとしている。すなわち,原価情報は本来そのときどきに必 要であり,時聞を逸してはほとんど有用性を失うものといえよう。メ vサーシzミッ トもつぎで述べるが,製品の原価見積もりを一つの目的としているが,その見積もり は即時的に必要となるからであろう。メッサーシコミットは,原価計算を次の順で区 分して説明しようとしている。 [機械による製造物の一般的原価計算と特別原価計算 ll. 一般的な機械による出来高(請負〕給 (p.394より〉これら以外にも次のような文献でも考察されている。Wettstein, F G, Die Entwicklung der Kostenrechnung und ihre Aussagefahigkeit in bezug auf die betriebliche Preisbildung, DSS Zurich, Juris Druck+ Verlag Zurich, 1977
1089 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算の一考察
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..特別な出来高(請負)給 W“原価計算のような迅速な見積もり (Voranschlage)のために,一覧表による単 純で実務的な原則に基づいて,すべての機械による仕事類の出来高給を発見す ること ただ,本稿ではなかでもメッサーシコミットの「一般的原価計算」について論じる こととしたい。前述の目次の項EI2 から7。までが,一般原価計算であり,それ以 降の項目に関しては稿を改めることとする。 メッサーシコミットは一般原価計算と特別原価計算とを分ける必要性を強調する。 なぜならば,機械工業の場合,一般的な製品の場合と特別な製品の場合では仕事の費 用,とくに賃金における支出が,一般的なものに比べてはるかに大きくなるからであ る。一般製品は,よく訓練された労働力とそのことから生じる最も少ない賃金支出で もって,最も目的にあった機械により,さらに大量生産によって生産されるからで, それだけ付帯費用 (Nebenkosten)も少なく生じるからである。したがって,二者の 原価計算は別々に考察する必要がある。次節で,一般的原価計算を考察するのである が,メッサーシュミットはつぎのような命題を設定する。「同じ賃金支出であれば,同 (23) じ百分率の付帯費用を伴う」という命題である。後で明かとなるが,このことにより すべての労働賃金(操業度〉とともに変動する付帝費用が,平均値ではあるけれど も,賃金に対する百分率比で表すことが可能となるのである。それでは,メッサー シコミットの一般的原価計算をみることとしよう。 2 メッサーシコミットの一般的原価計算 (DieAllgemeine Kalkulation) (24) まず,メッサーシュミットは,r
計算対象の原価価額を決定するために」次のように (25) 原価項目を設定している。 1) 原材料の価値 (Rohmaterialien-W ert) 仕事での運搬費用,関税,諸経費などから無償の仕事までも含めて,原価計算の (23)Messerschmitt, A, a a. 0, S. 5 (24)ebenda S. 7 (25)ebendaS5 5-8.-398ー 呑川大学経済論議 1090 最初の要素である。 2) 労働賃金 (Arbeitslohne) 直接製品の製造にかかわるような機械工・鍛冶職人・旋盤工・平削り工・ドリル 工・フライス盤工・組立工などに支払われる生産的な賃金。 3) 経費 (Unkosten) 鋼・ハンマー・やすり,ベルト・動力ベル人暖房器具・照明器具,作業室の燃 料・鍛冶用の石炭・砥石・ハンマーの柄,工場機械や用具の修理すべて,童会料・ 清掃用の鋼綿(毛布〉の消耗。 さらに恒常的ではなく,工場の操業度の上下に即して上下する材料や賃金すべて。 4) 材料の損失 (Materialverlust) 原材料を加工することや,鍛冶・ドリル・旋擦などを通して生じる減損。その価 値は,未加工状態の重量に対して,1..5"-'50%の額となり,各々の場合に応じて判 断する。この材料損失は個々の (jedes)原価計算目的のために特に決定され,考 慮に入れなければならない。たとえば, 鍛冶の場合,賠焼残浮や減損 普通 15 - 20% 回転軸やベルト車の旋盤の場合 15 - 20% クラッチや同様な重量品の旋盤の場合 5 - 10% 大きく重量のある鍛造品の加工の場合 30 - 50% 旋盤や組み合わせによる金属板製作の減損
1
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5- 6% 組み立てられた機械による製品の減損 5 - 10% 5) 経営費 (Betriebskosten) 蒸気機関関連の費用,石炭・水・ボイラーマンの賃金といった費用,製造機械・蒸 気機関の維持や建物の維持や修理といった費用,一般的な照明の費用,事務所・倉 (26) 庫"潤滑油・税金山郵送料といった費用,倉庫係や守衛への賃金支出や場所経費も。 6) 自給,補助労働賃金 (Tagelohne,Hilfsarbeiter-Lohne) (26)メッサーシュミットによれば,この経営費は,恒常的に存在する支出すべて,または全く 無くなりはしない支出である。材料や賃金に関するおおよそすべての支出で, 3)の経費とは 対照的に恒常的または比較的恒常的なもの。従ってそのときどきの生産設の多い少ないとは ほぼ独立している。さらに,転轍係や軌道維持に対する支出も場合によっては入れられる。一
ι 1091 世紀転換期のドイツにおける技術者による原価計算の一考察 -399-工場自体で直接行われるものと,工場外での運送,荷下ろし・荷積みの場合も考 慮に入れて計算する。 7) 恒常的原価 (Kostantkosten) 大きな工場のように共同で働かない場合の給与や親方賃金や,借り入れ資本の利 子や割引損失・賃貸料などからなる。 (27) 8) 指物作業費 (Tischlereikosten) 新しいモデ町ルの生産のための賃金や,既製のものの維持・変更・修理のための賃 金も入る。木材・用具・器具の消耗に対する支出も同じく入る。 メッサーシコミットは上記の原価項目の中でも,特に労働賃金を原価計算の精確性 を確保する重要な項目とみている。原価計算を行うものが,市場との密接な関係を もっているか,設備と工場の一般的な状態によって,市場と所与の関係に比してどの 程度(偶然的であるが〕適当な製造と計算が行うことができるのかを知る必要がある と述べる。特定の製造物の場合,より完墜に近づけられた機械と労働器具が生じうる 賃金支出の相違は重要である。価格提示の引き渡しの場合,市場に対して,上記の関 係が全く考慮に入れなければならない。そして,この関係に基づいて作成された原価 計算方法は,メッサーシュミットによれば鏡となり,この「鏡だけを渡せばよく,そ れによって人はその行為を長り,その損益を前もって」知ることができるのである。 このように労働賃金を中心に原価計算が構築されるのである。 以上のように原価項目が決定したつぎに,具体的な原価数値を出すために,メ γ サ ー シ ュ ミ ッ ト は , ま ず ¥ 「 ど の よ う な も の が 対 象 物 の 製 造 の 前 提 と な っ て い るか,それをすでに個々でどのように取り扱っているかをさぐり,価値を定めなけれ (29) ばならない。原価数値算出のために商業簿記から次の計算書が作成されJ,次のよう (27)鋳造製造 (Gieβerei-Betrieben)の場合,前のモデルの維持や修理に応じた額や,他の鋳物 製造と結びついた指物原価を生産された鋳物製品@l, OOOkgM1 ~M7. 33の聞で,平均値と して出す。同様なものもここでは同じ方法で利用される。同様な期間の賃金と経費の総額か ら差し引き,全く同様に鋳物製品の一部をなす重量を決定し,霊長全体からこれを差し引 き,割算によって鋳造された商品の@l, OOOkgの原価を決定する。 (28) ebenda S 5 (29) ebenda S 8-400-
香川│大学経済論議 な金額を年額として仮定すると述べる。 図式1(12カ月間の経営の支出)(M: Markの略〕 1,原材料費 (RohmateriaO 原価計算に対して,現在支配的な価格だけが決定的なものとなる。n
"労務費 (Arbeits-l凸hnen)m
,経費 (Unkosten)N
,材料損失 (Material-verlust)M93
,0
0
0
M25
,8
4
6
この材料損失は1,5"-'50%まで変動する。 Vわ経営費 (Betriebs-kosten) VI, 日給 (Tagelohn) W 恒常的なもの (Konstanten) W 指物作業費 (Tischlerei-kosten)M23
, 400 品1
1
6
,9
6
0
M18
,6
0
0
M7,3
3
鋳物製品1,0
0
0
k
g
当り 1092 上述の商業簿記から取り出された数値から原価計算公式を導き出すために,なお若 干の検討と区分が必要であるとメッサーシュミットは述べる。それは,次の三つのこ とであり,メッサーシzミットの原価計算の特徴となっている。 品〕経費の百分率による価値,項目Eで賃金とともに上下するもの,よって経費 の%で表されるもの。 b)組み立て賃金支出の区分,組み立て工や手工業者,さらに組み立てに費やされ た日給費用,項目E
で同様に設定し,我々の企業以外で消費され,我々の企業の 工場内部と全く関係を持たないようなもの。また,その賃金支出の区分,項目皿 で挙げられた経費の一部をもはや発生させないものや,項目Vの経営費と全く完 全に関係を持たないもの。 c) 経営尺度,それによって,図式Iの項目VとVIIで、述べられた恒常的な原価のそ のつどの価値を,経営の大きさ CBetriebsumfang)に対して現在支配的な経営の 進行状況 CGeschaftslage)を考慮に入れて明確に表現する。 まず,上記の b)のように賃金をその行われる場所によって分類する。それが図式 E日(}由ω 官掛目針世府選見)て41R投与が待合苛旅行i円が回明言肌↓羽一δ│品川鴻 図式 II 02 カ月間の経営の支出) I 原材料費 E 労務費 II a 労務費 E 経費 W 材料損失 V 経営費 VI 日給 VIa 日給 W 恒常的なもの 明指物作業費 工場内 工場外で= 工場と 1. 5~15% M23 ,400 工場と 会社外 M18 ,600 鋳物 1 ,OOOKg 組み立て 組み立て の問 作業場 組み立て 当り M7.33 M78 ,OOO M6 ,OOO M16 ,916 M9 ,OOO M84 ,OOO M25 , 846 (出所: Messerschmitt , A., a. a. 0. , S. 1 1.) 彊指物作業費 製品 lOOOkg 当り M7.33 モデルの変更 や維持として 図式
m
(1年間 02 カ月)の金額) 経営費 &w
恒常的なもの 経営尺度 (Be 廿肥 bsmas) II 皿 N V VI ~w
~n
~ WO 月間生産労務費の% M7000 6250 5500 4750 4000 3500 V II & lla 労務費 工場と組み立て の生産労働 M84 , 000 lhqー (出所: Messerschmitt , A ., a. a. 0. , S. 19.)-402ー 香川大学経済論叢
1
0
9
4
である。 まだ,これから原価計算公式を導き出すのは不可能である。まず, c)の経営尺度に 対する価値を導きだし,次にa)の生産賃金とともに上下する経費の百分比率を確定す ることが必要である。その経営尺度を,操業度別に示したのが,次の表である。経営 尺度が次のように6つの操業度段階で算定されている。 月当りの賃金 「経営尺度J 1.最も高い操業度 M7,000。
.
5
0
2良好な (gute)操業度6
,2
5
0
。
.
.
5
6
3
.
中度の操業度5
,5
0
0
0
.
6
3
4
.
低度の操業度4
,7
5
0
自
。
7
3
5
.
悪、い (Schlechte<->gute)操業度4
,0
0
0
0
.
.
8
7
6
.
最も悪い操業度3
,5
0
0
1.0
0
(出所:Messerschmitt, A, a a.. 0, 8.16) この経営尺度は,まず,v
経営費とW恒常的なものとをたし,その額を労務費で割 ることにより求められる。すなわち,(
2
3
,400+18
,6
0
0
)
/
8
4
,0
0
0
=
0
.
5
となる。このよ うにして,各操業度に応じて,月次で経営尺度を算定するのである。この経営尺度と 経費の百分比化を終えたのが図式聞である。これにより,労働賃金(操業度)と連動 して変化する項目を含めて百分比化された。 また,この経営尺度には自己資本または他人資本の利子,減価償却または利益は全 く含まれていない。よって,次のようにその場合は設定される。 例えば,自己資本M460
,0
0
0
他人資本M500
,0
0
0
(利子率5
%)の場合, 他人資本利子M25
,0
0
0
(
図式阻のクラスV.
V
I
I
でこの利子により経営尺度は上がる)5%
の利益M23
,0
0
0
,10%
の利益M46
,0
0
0
,15%
の利益M69
,0
0
0
となる。 また, 阻の操業度の場合には次のように,下記の表から,経営尺度・減価償 操業度段階 E 国 N V W 年間総割当 月間割当 月間賃金7
0
0
0
6
2
5
0
5
5
0
0
4
7
5
0
4
0
0
0
3
5
0
0
経営尺度0
.
8
0
090 L02 L18 L40 L60
M67,0005
,5
8
3
減価償却0
.
.
4
2
“
。
4
8 0
.
.
5
4
063 0
.
.
7
5
。
.
.
8
5
3
6
,0
0
0
3
,0
0
0
残余財産5
%
0
.
.
2
7
0
.
3
0
0
.
.
3
4
0
.
.
4
0
“
。
4
7
。
.
.
5
4
2
3
,0
0
0
,19
1
6
の利子1
0
% 0
.
5
4
0
.
6
1
。
.
.
6
9
。
.
.
8
0 0
.
.
9
5
L09
4
6
,0
0
0
3
,8
3
3
1
5
%
0
.
8
2
0
.
9
2
1.0
4
1.2
1
1.4
3
1.6
4
6
9
,0
0
0
5
,7
5
0
(出所:Messerschmitt, A, a a. 0, 822)1095 世紀転換期のトイツにおける技術者による原価計
i
草の一考察 -403ー 却・利益の年額が計算される。 経営尺度 :生産労貨のI内02倍の額 (5,500x
1
.
02=5, 610 5,610x
12=67,320) 減価償却 :生産賃金の0..54倍の額 (5,500x
0.. 54=2, 970 2,970x
12=35,640) 10%の利益:生産賃金の 069倍の額 (5,500X0.. 69=3, 795 3,795x
12=45,540) このようなデータと算式をもとにして,図式皿の原価構成で製品の原価計算が行わ (30) れる。具体的な製品として挙げられているものは,直径130皿 の ピ ス ト ン ・ ブ ラ ジャーの蒸気ポンプ,同じく直径500皿の鉱山ポソプ, 180皿の広さの鉄道用給水柱, (31) 350Ztr用鋳造クレーン,大量の鋳造・鉄部品の加工である。そして,それぞれの原価 計算を,利子を入れた場合と入れない場合に分け,入れた方の原価計算を「自己指し 値J
(Eigen-Offerte) とし,入れない方を「市場指し値J
(Markt-Offerte)として比較 している。このとき,両者の経営尺度と償却の比率がそれぞれ異なり,それ以外の原 価数値は同じである。「自己指し値」の計算比率は平均的数値であり,r
市場指し値」 の比率は最高操業度の数値である。ここでいう「自己指し値J
と「市場指し値J
が, 何を意味しているのか,研究中である。ここでの指し値の差が,生産能率につながる かなどの可能性を採りたい。 以上,一般的原価計算を考察した。もう少し例示を引用し,さらなる理解が必要で あろう。また,今後この原価数値がどのように,月次損益に結び付けられるのか,ま た,特別原価計算との比較を行う必要があり,それをしたのちに全体的な評価を行う べきだと考えている。 N.おわりに メッサーシュミットの原価計算,特に一般的原価計算について考察した。すでに述 べたようにメッサーシュミットは,機械工業での原価計算の構築を心がけ,それを実 行した実務経験から,叙述している。それゆえに,特にメッサーシュミットが注意し ていたことのひとつに,市場と生産現場,そして原価計算者(経営者・技術者など〕 (30) ebenda.. SS 28-33 (31)Ztr =Zentner 約50kg)-404- 香川大学経済論議 1096 との密接な関係が挙げられる。 これなくして,メッサーシコミ vトの原価計算の有用 性はなかったといえよう。メッサーシコミット自身も,次のように述べている。 「われわれの提示した例は,たいへん多くの商業的な考察と技術的な考察とが結び 付けられている。それはさまざまな処理の許容尺度に関してと,その記述と価値の査 定の検討においてである。次のときにだけ絶対に正しいものとなる。 :対象物が,一 般的な原価計算方法の作成と相応するような一般的な処理を受けない限り,平均比率 による価格提示 (Offert-Abgabe)は,誤りであり有害となる。この原理から,われわ れの考察が同様な方法で生じたように,われわれはそのようなまたは類似の例外に対 (32) して,特別原価計算をわれわれの価格提示の設定のために創り出す必要がある。」 メッサーショミットは,次に一般的なものからはず、れた例外物のために,特別原価計 算を構築する。 ここで取り上げたメッサーシコミットの一般的原価計算においても,まだ考察が不 十分で多くの課題が残っている。それらは,また稿を改めて言及するとともに,さら にメッサーシコミットの原価計算論全体について論究することとする。 (32)ebenda S 39 (最後に,若くして亡くなられた岡田純一先生の御冥福を心より御祈りいたします。)