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ポリウレタンの改質 : 第2報 各種ビニルモノマーの添加効果

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Academic year: 2021

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(1)

ポ リ ウ レ タ ン の 改 質

2

報 各 種 ピ ニ ル モ ノ マ ー の 添 加 効 果*

1

岡 本 弘

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2

稲 垣 慎 二

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尾之内千夫

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山田英介料

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アミン司エポキシ共触媒系を用いてポリプロピレングリコ-)レとトルエンー2,4ージイソシアナートから ワンショット的にポリウレタンを合成する際に,ピニルモノマー(酢酸ピニル,アクリロニトリル,スチレ ン,メタクリJレ酸メチル)を添加し,その効果を検討した. ピニルモノマー添加試料の静的引張り強度は一般に無添加のものに比べて高値を示す.また,応力緩和時 間もかなり長くなる傾向が認められる.しかし,添加量には最適値が存在し,ほぼ 5~8叩t%であって, 10ωt %以上では逆に物性的に劣るようになる. 変性したポリウレタンを溶媒で抽出した結果,相当するポリ7ーは抽出されないととから,ピニルモノマ ーは単にホモポリマーの形でポリウレタン中に介在しているのではなく,一次結合的に架橋lζ寄与して存在 ていると考えられる. 93 1 . 緒 言 ポリウレタンは近年その特性から非常に注目を集めて いる工業材料の一つであるが,その欠点のーっとして高 温特性に劣ることがあげられる.乙の理由はポリウレタ ンの宅事形態が二次結合であるためである. 前報ではグリコーJレ成分の検討を行い,高分子グリコ ールと低分子グリコールをブレンドして使用し,アミン ーエポキシ共触媒系でイソシアナートの三量化反応を介 在させたポリウレタンを合成して乙の欠点をある程度改 良した. リウレタンを合成する際ζ イソシアナートの三量化ととl もに,ピニJレモノマーを添加する乙とによって一次結合 の割合を増加させ,ポリウレタンを改良しようとするも のである.ピニJレモノマーとしては,スチレン,アクリ ロニトリル,酢酸ビニJレ,メタクリJレ酸メチJレを用い た.乙れらのピニlレモノマーの添加によって,ポリウレ タンの高温特性,静的引張り特性lζ大巾な改良が認めら れたので報告する. 電子吸引性基を有するビニJレモノマーはアニオン系触 媒の存在lとより,イソシアナートと共重合を行うことが 知られており,Jまた,イソシアナートーアミン共触媒系 で

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ピニJレモノマーが重合反応を行うととが著者らの研 究で明らかになっている. 本報ではこの事実を基礎にして,ワンショット法でポ 本1本報を〔合成ゴムの改質(第2報) )とする. 第1報は,愛知工大研報,

5

, 77 (1970) •

*

2

応用化学教室 2. 実 験 トJレエン -2,4ージイソシアナート (TDI) ,ポリプロ ピレングリコール (PPG,分子量700), トリエチレンジ アミン (TEDA), およびエポキシ樹脂は前報と同様 に精製して用いた.酢酸ピニル (VAc) , スチレン (5 t),アクリロニトリル (AN),メタクリjレ酸メチJレ (MMA) ,は常法適り精製した.

(2)

94 岡 本 弘 稲垣慎二 尾之内千夫 山田英介 PPG,7991とエポキシ樹脂,52mgとTEDA,104mgを溶解 したものにTDI,359 1ζ所定量のビニルモノマーを混 合させた溶液を添加し,十分にかきまぜた後,真空デシ ケーター中で完全に脱胞を行った.これをシリコン樹脂 をぬったガラス製モールド中に流しこみ, ζのモーjレド を空気乾燥器に入れ, 70'Cで2時間加熱闘化させてポリ ウレタン試料を合成したa 引張り特性は島津製作所製テン、ンロンを用いて常温 で,また,応力緩和特性は応用電気研究所製の自動記録 式応力緩和測定機を用いて空気中で所定の温度で10%ひ ずみをかけて測定した.

3

.

結果と考察 ピニノレモノマーを添加したワンショット法ポリウレタ ンの静的引張り特性を表1にまとめて示す,ピニノレモノ マー添加量は PPGIζ対する重量%を示す. ビ ニ ノ レ モ 吾 妻

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3 5 A N 8 10 3 5 S t 8 10 コントローノレ 77.5 72 42.5 81 77.5 67.5 82 76 83.0 70 乙の結果,いずれのどニルモノマーを添加したポリウ レタンもコントロールに比べて,引接り強度が高くな り,とくにMl¥1AとStでは顕著にその効果が現われてい る.一方A Nは効果があまり期待できないが,とれは表 21乙示したように相溶性パラメーター (SP値)が他のモ ノマーとポリウレタンで比較的近接しているのに対して , A Nの場合にはかなり雛れているためであろうと思わ れる. 表

2

各ポリマーのSP値

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9.571 95113.55 9.03 10.0 また,ビニノレモノマーの添加量には適当量が存在する ようで,ほぼ5へ8%1ζピークが見られる. 応力緩和は空気中80'C,100'C, 120'C,で各試料につ いて測定し,例として St添加試料の応力緩和曲線を図 1に示した.また椛軸の[(t)/[(o)が1/σになる時間,す なわち応力緩和時間をまとめて表31ζ示した. 表

3

ピニノレモ} 7ー添加ポリウレタン の応力緩和時間 ト ル 一 分 別1 1 1 1 一 回 一 ン 一 十 組 2 一 2

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(3)

ポ リ ウ レ タ ン の 改 質 95 て,溶媒による抽出を実施した.すなわち,ポリウレタ ンを細片としてソックスレー抽出器に入れ,アセトンあ るいはジメチノレホルムアミドで48時間抽山を行い,抽出 率を求めるとともに,抽出物の赤外分光光度法による同 定を行った.結果を表 4にまとめて示した. 表

4

ピニJレモノマー添加試料の抽出試験

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1o 7.09 0 . 7 6 I 抽出量はピニjレモノマーの添加量によってさほど変化 しないことやコントロールと比較しても大差ないこと, また抽出物は赤外吸収スペクトJレの所見では低分子量の ポリエーテノレウレタンであることから考えて,単にホモ ポリマーの形で介在しているのではないことがわかる. 結局先に予測したように,これらモノ7ーとTDIの共重 合反応,または,イソシアナート基からビニルモノマー の重合反応がウレタン化反応と競合して起っていると考 えられる.その結果,一次結合の割合が増加し,熱的挙 動の向上を促していると思われる. (昭和46年10月18日,中部化学関係、学協会支部 連合秋季大会発表) 文 献 1) 岡本弘,稲垣慎二, 日本ゴム協会誌,

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4

.

, 942 (1971). 2) H. Okamoto. et a!, Japan Patent., 7146/63 (1963). H. Okamoto, et a!, Ch巴m.Abst.,

6

4

, 16009 (1966)司 R.A. Godfrey, et a! J.Po!ymer Sci.

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7

2387 (1969). 3) 岡本弘,稲垣慎二,尾之内千夫, 日化24年会講演予稿集,

4

, 2169 (1971)。 岡本弘,稲垣慎二,尾之内千夫, 愛知工大研報,

6

, 101 (971). 4) 高分子学会編,単量体合成法,共立出版 (1961).

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