十 二 縁 起 の 成 立 ・ ( 上 野 ) 一 二 六
十
二
縁
起
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成
立
上
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十 二 縁 起 と 比 較 し て 各 支 の 配 列 の 順 序 は 同 じ で 支 の 数 の 少 な い 系 列 は、 十 一 支、 十 支、 九 支、 八 支 及 び 愛 に な じ ま る 五 支 と 受 に は じ ま つ て 生 に 終 る 五 支 の 六 種 の 系 列 が あ る。 十 二 縁 起 は 断 常 二 見 に 封 し て 縁 起 的 再 生 を 読 く も の で あ る ( 大 二、 雑 三 〇 〇 訓 湿 46 )。. 上 の 六 種 の 系 列 の 中 で 正 し く 縁 起 的 再 生 を 説 く も の は 受 愛 執 有 生 の 系 列 で あ る か ら、 十 二 縁 起 の 中 核 は こ の 五 支 縁 起 で あ る。 愛 は 欲 愛 有 愛 無 有 愛 で 無 有 は 死 後 断 滅、 欲 は 欲 望 肯 定、 有 は 人 我 常 住 で、 断 見 常, 見 の 説 く 人 生 の 究 極 的 理 想 を 得 ん と の 欲 求 で あ り、 執 は 欲 執 見 執 戒 取 我 取 で 断 見 常 見 の 理 論 と 實 践 規 範 の 堅 執 で あ り、 有 は そ の 身 口 意 に 於 け る 實 行 で 再 生 の 直 接 の 原 因 で あ る。 一 説 に よ る と 有 は 未 來 の 存 在 で あ る と す る。 も し そ う で あ れ ば 生 は 未 來 の 存 在 の 開 始 で あ る か ら、 有 が 生 の 縁 で あ る と の 關 係 は 理 解 し 難 二い。 有 を 註 し て、 縁 レ リ ノ ス ル モ ノ ナ リ 取 故 有 レ 有、 能 招 二 當 來 有 ↓ 鰯 生、 是 名 レ 有 ( 大 二 ・ 雑 三 七 二 ) と あ る。 こ れ は 未 來 の 有 を 生 ず る 業 因 で あ る か ら 有 と 名 つ く 意 で あ る。 鰯 生 と は 有 を 思 と な す も の で あ る。 故 に 有 を 三 有 と す る 註 も 三 有 を 生 ず る 因 の 意 味 で あ る。 断 常 二 見 の 愛 執 有 を 生 の 因 と す る の は、 常 見 者 も 解 脱 し 得 ず に 再 生 し、 断 見 者 も 死 後 に 断 滅 せ ず 再 生 す と し て こ の 二 見 の 誤 り な る こ と を 示 し、 縁 起 的 再 生 を 眞 理 と し て 示 す も の で あ る。 受 は 快 苦 で、 断 常 二 見 を 喜 ぶ 心 で あ る。 こ の 喜 に よ つ て 愛 が 生 ず る。 然 し 再 生 の 因 は 愛 執 有 で 受 は 愛 の 生 起 の 説 明 で あ る か ら、 こ れ を 愛 に は じ ま る 五 支 縁 起 に 比 較 す れ ば 受 は 後 の 添 加 で あ る こ と を 推 し う る。 生 に 死 が 添 加 さ れ た の は 生 と は 存 在 し な か つ た 人 間 が 新 た に 存 在 を 得 る こ と、 死 と は 存 在 し て お つ た 人 間 が 存 在 を 失 う こ と で あ る か ら、 生 と 死 を あ げ る の は 存 在 す る も の は 何 か と 問 う も の で あ る。 常 見 の 我、 断 見 の 四 大 は そ の 答 え で あ る。 生 に 縁 つ て 死 あ り と は、 断 常 二 見 を 否 定 し て 生 と 死 と の 相 互 に 縁 と な る 構 造 に よ つ て 存 在 の 問 題 に 答 う る も の で あ る。 鰯 は 主 観 と 客 観 の 接 緩 の 媒 介 者 で あ る。 即 ち 受 愛 執 有 が 封 象 に 接 燭 し う る の は、 燭 に よ る 事 を 示 す。 根 境 識 が 和 合 し て 燭 生 じ 燭 に よ つ て 受 の 生 ず る 事 は 六 入 読 に よ る 心 心 所 生 起 過 程 の 固 定 し た 型 で あ る か ら、 燭 は こ の 型 を 豫 想 し で 圭 客 接 燭 の 可 能 の 問 題 に 答 う る も の で あ る。 六 入 説 は 人 我 が 封 象 に 封 し て 三 業 を 起 す と い う 常 見 と 四 大 の 集 散 の 過 程 が 三 業 で あ る と い う 断 見 を 否 定 し て、 六 入 と 封 象 と の 縁 起 關 係 に よ つ て 封 象 に 封、 し て 三 業 の 生 起 す る 事 を 説 明 す る も の で あ る。 六 入 支 の 添 加 は 六 入 読 の 縁 起 系 列 へ の 結 合 で あ る。 名 色 と 識 が 六 入 説 の 根 境 識 触 受 の 心 心 所 生 起 過 程 の 内 の も の で な い こ と は 識 名 色 六 入 触 の 順 序 と 名 色 な る 名 目 に よ つ て 明 ら か で あ る。 五 纏 の 各 纏 の 集 を あ げ 識 の 集 ど し て 名 色 を あ げ て お る ( 大 二 ・ 雑 五 九 訓 廻 56 )。 こ の 経 の 所 説 に よ つ て 名 色 と 識 の 關 係 は 理 解 す べ き で あ る。 触 と 六 入 は 六 入 読 に よ つ て 主 観 客 観 の 接 触 の 機 構 を 示 し た。 名 色 と 識 は 五 蔽 説 に よ つ て 認 識 自 騰 の 内 面 的 構 造 を 示 す、 即 ち こ の 二 支 が 相 互 に 縁 と な る 事 に 縁 つ て 主 観 客 観 の 關 係 を 解 繹 す る も の で あ る ( 拙 稿 印 佛 研 十 ノ 一 )。 触 六 入、 名 色 識 と 吹 第 =す る 四 支 は 二 種 の 異 な る 教 理 盤 系 の 結 合 と し て 解 す べ き で あ る 事 は、 十 支 縁 起 の 外 に 十 支 縁 起 の 識 名 色 六 入 の 三 支 が 根 境 識 一594一と い う 順 序 と 名 目 に 攣 つ て お る 十 ケ の 支 数 を 有 す る 系 列 が あ る 事 が 識 す る。 こ の 系 列 は 六 入 説 の 立 場 で 作 ら れ た も の で あ る。 然 し こ の 系 列 は 重 覗 さ れ ず、 九 支 縁 起 十 支 縁 起 及 び 十 二 縁 起 が 重 覗 さ れ る の は 名 色 と 識 の 二 支 の 有 無 に よ る か ら 隅 て の 二 支 は 六 入 読 と は 異 な る も の で あ る。 識 名 色 は 認 識 の 説 明 で あ る と 共 に 五 纏 読 を 縁 起 系 列 に 結 合 す る。 五 纏 説 は 人 間 の 心 転身 を、 圭 宰 性 を も つ 我 と そ の 支 配 を う け る 我 所 の 關 係 と 見 る 常 見、 身 を 四 大 の 和 合 と し て 心 は そ の 作 用 と 見 る 断 見 を 共 に 否 定 し て、 心 欲 し て 身 を な す 心 身 の 關 係 を 五 纏 と し て 説 明 す る も の で あ る。 縁 起 的 再 生 説 は 人 間 存 在 を 縁 起 的 意 味 に 於 い て 永 遠 性 を 有 す と 読 く も の で あ り、 六 入 読 は 圭 観 と 客 観 の 關 係、 五 纏 説 は 心 身 の 關 係 の 説 明 で み る か ら、 こ の 三 教 理 の 結 合 は 人 聞 存 在 を 時 間 ( 生 死 ) と 永 遠、 圭 観 と 客 観、 心 と 身 と い う 三 つ の 観 黙 よ り 追 求 し、 こ れ を 縁 起 な る 共 通 の 基 盤 の 上 で 解 繹 す る も の で あ る。 識 よ り 有 ま で の 八 支 は 前 世 で 因 で あ り、 生 死 の 二 支 は 後 世 で 果 で あ る。 さ れ ば 時 間 は 前 世 後 世 と し て 考 え ら れ る。 因 果 關 係 も 輩 に 因 と 果 と し て 示 さ れ て お る。 さ れ ば 生 死 が 無 限 に 連 績 す る こ と の 理 由 は 説 明 さ れ て な い。 こ の 生 死 の 連 績 の 無 限 性 を 説 明 す る 爲 め に 行 支 が 加 え ら れ た。 行 を 過 去 の 因 と す る こ と に よ つ て 時 間 は 過 去 現 在 未 來 と な り、 現 在 は 過 去 の 果 で あ る と 共 に 未 來 へ の 因 で あ る と い う 二 重 性 格 を 持 つ も の と な る。 こ の 現 在 の 二 重 性 格 に よ り 時 間 は 過 現 未 と い う 構 造 を 持 つ て 無 限 に 連 績 す る。 又 時 間 の 内 容 を な す 因 果 も 現 在 の 因 は、 未 來 に 向 つ て は 因 で あ る と 共 に 過 去 に 向 つ て は 果 で あ る と い う 一、 一重 性 格 を 持 ち 因 果 の 系 列 は 無 限 に 連 績 す る。 即 ち 十 二 縁 起 の 各 支 は そ れ ぞ れ 因 に し て 果 と い う 二 重 性 格 を 持 ち 生 死 の 因 果 は 無 限 に 連 績 す る。 常 見 は 生 死 の 無 限 性 を 人 我 の 超 時 間 性 に 本 け 断 見 は 萬 物 生 滅 の 無 限 連 績 を 四 大 の 時 間 的 無 限 性 に 本 け た ひ 行 支 の 添 加 は 縁 起 の 立 場 で 生 死 の 無 限 性 を 読 明 す る も の で あ る。 行 な る 名 目 は 名 色 識 が 五 纏 説 で あ る か ら 行 纏 を あ げ た も の で あ る。 行 は 未 來 世 の 五 纏 を 爲 作 す る も の で あ る。 何 故 に 無 明 支 を 立 て た か。 一 説 に よ る と 無 明 は 十 二 縁 起 の 基 本 で 無 明 に 縁 は な い と 云 う。 然 し 縁 起 読 は 縁 を 有 し 無 い も の } 般 を 否 定 す る。 帥 ち 無 明 を 基 本 と し て 他 の 十 一 支 が 導 き 出 さ れ る 如 き 關 係 は な い。 十 二 の 支 は 因 に し て 果 で あ る か ら 無 明 も 因 に し て 果 で あ る 無 明 は 十 二 縁 起 な る 教 理 を 知 ら ざ る こ と で あ る。 十 二 縁 起 は 断 常 二 見 を 爾 端 と す る 中 道 で あ る か ら 十 二 縁 起 の 不 知 と は 断 常 二 見 で あ る。 無 明 に は じ ま る 十 二 の 縁 起 は 断 常 二 見 の 生 死 説 の 否 定 で あ り、 無 明 の 滅 に は じ ま る 十 二 の 縁 起 の 滅 印 ち 生 死 の 因 果 よ り の 解 脱 は 断 常 二 見 の 解 腕 観 の 否 定 で あ る。 常 見 は 生 死 の 因 果 の 外 に 人 我 を 立 て 人 我 の 謹 悟 に よ つ て 因 果 を 解 脱 し 得 る と し た。 断 見 は 人 我 を 否 定 し 從 つ て 生 死 の 因 果 の 解 脆 を 否 定 し た。 無 因 論 は 因 果 自 艦 を 論 理 的 に 思 惟 し 得 な い 事 を 論 誰 し 因 果 の 解 脆 不 解 腕 を 説 く 事 の 無 意 義 を 論 じ た。 縁 起 読 は こ れ に 封 し 因 果 を 因 と 果 が 相 互 に 縁 と な る と い う 特 殊 の 論 理 的 構 造 に 於 い て 捉 え 因 果 の 成 立 し 得 る 事 を 論 じ、 因 果 の 二 契 機 と し て 因 果 性 と 超 因 果 性 を 立 て、 こ の 爾 者 が 異 な る が 一 で あ る 事 の 謹 得 に よ つ て 解 脆 し 得 る と し た ( 拙 稿 印 佛 研 五 ノ 一 )。 こ の 讃 悟 が 縁 起 を 知 る 事 で あ り、 無 明 の 滅 で あ り、 断 常 見 の 否 定 で あ る。 さ れ ば 無 明 支 は 解 腕 の 本 質 を 無 明 の 否 定 と し て 規 定 す る も の で あ る。 こ れ が 無 明 を 支 と し て 立 て た 理 由 で あ る。 十 二 縁 起 は 縁 起 系 列 読 に 六 入 説、 五 纏 説 を 結 合 し、 再 生 の 因 果 の 構 造 を 中 心 に 存 在 の 本 質、 圭 観 と 客 観 の 關 係、 時 間 の 構 造、 解 脱 の 本 質 を 課 題 と し て、 こ れ を 縁 起 説 に よ つ て 解 繹 し た 綜 合 的 教 理 組 織 で あ る。 十 二 縁 起 の 成 立 ( 上 野 ) 二 一 七