支援マニュアル 平成30年3月
N
o.
17
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
障 害 者 職 業 総 合 セ ン タ ー 職 業 セ ン タ ー
支援マニュアル 平成30年3月N
o.
17
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
障 害 者 職 業 総 合 セ ン タ ー 職 業 セ ン タ ー
ジョブデザイン・サポートプログラム
ワーク基礎力形成支援
気分障害等の精神疾患で休職中の方のための
は じ め に
障 害 者 職 業 総 合 セ ン タ ー 職 業 セ ン タ ー に お い て は 、 気 分 障 害 等 の 精 神 疾 患 に よ り 休 職 中 の 方 々 の 職 場 へ の 再 適 応 を 支 援 し 、 離 職 の 防 止 と 雇 用 の 安 定 を 図 る た め 「 精 神 障 害 者 職 場 再 適 応 支 援 プ ロ グ ラ ム( J D S P:Job Design Support Program、以 下「 J D S P 」と い う 。)」 を 実 施 し 、 ス ト レ ス 対 処 、 ア ン ガ ー コ ン ト ロ ー ル 、 対 人 技 能 、 作 業 遂 行 に 係 る 復 職 に 向 け て 必 要 と な る 各 種 ス キ ル の 付 与 に 取 り 組 ん で き て い ま す 。 こ う し た 中 に あ っ て 、 気 分 障 害 等 を 有 す る 休 職 者 が 復 帰 後 に 職 場 へ の 適 応 と 継 続 を 実 現 す る た め に は 、 職 業 上 の 課 題 に 気 づ き 、 自 分 自 身 の キ ャ リ ア を 振 り 返 り な が ら 、 復 職 後 の 働 き 方 を 見 つ め 直 す こ と が 有 効 で は な い か と の 考 え の 下 、平 成 23 年 度 か ら ワ ー ク 基 礎 力 を 形 成 す る た め の 支 援 技 法 の 開 発 に 取 り 組 ん で き ま し た 。 本 マ ニ ュ ア ル は 、 気 分 障 害 等 の 精 神 疾 患 に よ る 休 職 者 の 方 々 の 復 職 支 援 現 場 に お い て 活 用 し て い た だ く た め に 、 支 援 の 目 的 、 内 容 、 実 施 に 係 る 留 意 点 に 加 え 、 支 援 者 向 け の 参 考 情 報 、「 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 」に お け る キ ャ リ ア 講 座 の グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 場 面 の 映 像( D V D )、使 用 す る 配 付 資 料 な ど の デ ー タ( C D - R O M )を 盛 り 込 み 、わ か り や す く 、 活 用 し や す く ま と め て い ま す 。 本 マ ニ ュ ア ル が 、職 業 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン サ ー ビ ス の 質 的 向 上 の 一 助 と な れ ば 幸 い で す 。 な お 、 本 支 援 技 法 の 開 発 に あ た り 、 医 療 法 人 社 団 弘 冨 会 神 田 東 ク リ ニ ッ ク M P S セ ン タ ー 長 大 庭 さ よ 先 生 か ら 産 業 精 神 保 健 の 専 門 的 知 見 に 基 づ き ご 助 言 を 賜 り ま し た こ と 、 深 く 感 謝 申 し 上 げ ま す 。 平 成 30 年 3 月 独 立 行 政 法 人 高 齢 ・ 障 害 ・ 求 職 者 雇 用 支 援 機 構 障 害 者 職 業 総 合 セ ン タ ー 職 業 セ ン タ ー 職 業 セ ン タ ー 長 春 日 利 信
目次
第1章 「ワーク基礎力形成支援」の開発 ··· 1
1 開発の目的 ··· 1 2 ワーク基礎力形成支援 ··· 3 3 ワーク基礎力形成支援の効果 ··· 4第2章 ワーク基礎力形成支援の内容 ··· 5
1 目的と構成 ··· 5 2 オリエンテーションの実施方法 ··· 6 3 キャリア講習の実施方法 ··· 18 4 個別ワークの実施方法 ··· 62第3章 ワーク基礎力形成支援の実施に係る留意点 ··· 98
1 「思考の癖」の気づき ··· 98 2 グループディスカッションの進行方法 ··· 98 3 他の支援技法との連動 ··· 100 4 発達障害の特性を有する受講者への対応 ··· 101 支援スタッフへの「ワーク基礎力形成支援」を実施するときのワンポイント情報 ···103
付属CD-ROM、DVDの内容一覧 ··· 107
第 1 章 「 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 」 の 開 発
1 開 発 の 目 的
職 業 セ ン タ ー に お い て は 、 J D S P に よ り 、 職 場 復 帰 を 目 指 す 気 分 障 害 等 に よ る 休 職 者 が 職 場 適 応 能 力 の 向 上 や 職 務 再 設 計 に よ る キ ャ リ ア を 形 成 す る た め の 支 援 技 法 と と も に 、 雇 用 す る 事 業 主 が 労 働 環 境 整 備 を 推 進 す る た め の 支 援 技 法 の 開 発 を 行 い 、 地 域 障 害 者 職 業 セ ン タ ー で 行 わ れ て い る リ ワ ー ク 支 援 等 に 資 す る た め に 、 そ の 成 果 を 伝 達 ・ 普 及 し て い ま す 。 J D S P で は 、プ ロ グ ラ ム 受 講 者( 以 下「 受 講 者 」と い う 。)の 障 害 特 性 に 応 じ た 個 別 カ リ キ ュ ラ ム を 設 定 し 、 ロ ー ル プ レ イ 、 グ ル ー プ ワ ー ク 、 作 業 、 個 別 相 談 と い っ た 方 法 を 用 い な が ら 、 受 講 者 の 活 動 性 、 ス ト レ ス 対 処 、 集 団 適 応 、 職 務 遂 行 、 環 境 適 応 と い っ た 各 種 ス キ ル の 習 得 の た め の 支 援 を 行 っ て い ま す 。 当 該 支 援 に お け る 過 程 で 、 初 め て の 就 職 で 同 僚 と の 能 力 の 違 い を 感 じ て 自 信 を 失 い 休 職 に 至 っ た 受 講 者 や 復 職 と 休 職 を 繰 り 返 し 将 来 へ の 不 安 を 募 ら せ て い る 受 講 者 へ の 対 応 が 必 要 と な っ て き ま し た 。こ の よ う な 受 講 者 に 対 し て 、「 自 ら の 経 験 か ら 得 た 強 み の 見 つ め 直 し 」 や 「 職 場 復 帰 後 の 働 き 方 の 整 理 」 と い っ た 、 キ ャ リ ア に 係 る 振 り 返 り を 行 っ た と こ ろ 、 そ の 他 の 課 題 を 有 す る 受 講 者 に お い て も 、 自 己 理 解 や 職 場 で 求 め ら れ る 働 き 方 に 関 す る 理 解 が す す み 、 復 職 後 職 場 に 適 応 し 、 そ の 状 態 の 継 続 に 有 用 で あ る こ と が 認 め ら れ ま し た 。 こ う し た こ と か ら 、 ① 自 ら の 価 値 観 な ど の 自 己 理 解 の 深 化 ② 職 場 や 社 会 生 活 で 担 う 役 割 の 正 確 な 理 解 な ど を「 ワ ー ク 基 礎 力 」と 定 義 し 、平 成 23 年 度 か ら そ の 習 得 と 向 上 を 図 る た め の 「 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 」 技 法 の 開 発 を 行 っ て き ま し た 。 こ の ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 は 、 現 在 J D S P の ロ ジ ッ ク モ デ ル ( プ ロ グ ラ ム の 目 的 を 達 成 す る ま で の 論 理 的 な 因 果 関 係 に 関 す る 図 式 ) に お い て 図 1 に 示 す 位 置 づ け と な っ て い ま す 。知識・情報の習 得 •支援スタッフ の説明と講座 資料からキャ リアに係る知 識・情報を得 る。 ワークシートの 作成 •自らの思考・ 感情を言語化 して、自らの 特徴を明確化 する。 ワークシートの 発表 •自らの思考・ 感情を発表し て、自らの特 徴を再認識す る。 他者の感想を聞 く •他の受講者と ディスカッシ ョンを行い新 たな気づきを 得る。 他者の発表を聞 く •他の受講者の 発表を聴いて 様々な考え方 や知識を得る。
2 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援
ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 は 、 キ ャ リ ア に 係 る 自 ら の 価 値 観 や 、 職 場 や 社 会 生 活 場 面 で 求 め ら れ る 役 割 と そ れ に 対 処 す る 力 に 関 す る 意 識 を 促 進 さ せ る 支 援 で す 。 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 に お い て 目 標 と す る 事 項 は 表 1 の と お り で す 。 表 1 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 の 目 標 と す る 事 項 ① 自 分 自 身 の キ ャ リ ア を 見 つ め 直 し 、 今 の 自 分 自 身 を 作 り 上 げ た 過 程 を 整 理 す る こ と ② 自 分 自 身 の 強 み と 課 題 に 気 づ き 、 自 己 理 解 を 深 め る こ と ③ 周 囲 か ら 期 待 さ れ て い る 役 割 を 正 確 に 理 解 す る こ と ④ 自 分 が 望 む 働 き 方 と 周 囲 が 期 待 す る 役 割 の バ ラ ン ス を 理 解 す る こ と ⑤ 職 場 復 帰 後 の 働 き 方 の イ メ ー ジ を 作 り 、 実 現 す る た め の 対 策 を 検 討 す る こ と ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 は 、「 キ ャ リ ア 講 習 」 と 「 個 別 ワ ー ク 」 で 構 成 し て い ま す 。 キ ャ リ ア 講 習 は 、 全 4 回 の 「 キ ャ リ ア 講 座 」 で 成 り 立 っ て い ま す 。 各 講 座 の 流 れ は 図 2 の と お り で す 。 各 講 座 の 実 施 後 は 、 受 講 者 に 対 し て 個 別 相 談 を 行 い ま す 。 個 別 相 談 で は 、 受 講 者 が 各 講 座 の 内 容 を 正 確 に 理 解 で き て い る か 、 何 か 疑 問 を 感 じ て い る 部 分 は な い か 、 グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で 発 表 で き な か っ た 内 容 は な い か な ど を 確 認 し ま す 。 そ の 個 別 相 談 に お い て 、 受 講 者 が ワ ー ク 基 礎 力 を 習 得 す る た め に は 「 チ ー ム ワ ー ク を 大 切 に す る 理 由 」 な ど 働 く こ と に 関 す る 基 本 的 な 知 識 を 得 る 必 要 が あ る と 判 断 し た 場 合 、 個 別 ワ ー ク を 実 施 し ま す 。 個 別 ワ ー ク は 、 3 種 類 の 資 料 「 働 く こ と 」「 働 く た め の モ チ ベ ー シ ョ ン 」「 働 く と き に 悩 む こ と 」( P 6 ) を 用 い て 行 い ま す 。 個 別 ワ ー ク の 流 れ は 図 3 の と お り で す 。 図 2 キ ャ リ ア 講 座 の 流 れ目的の確認 • 個別ワークの内容 と目的を確認。 知識・情報の習得 • 3種類の資料から 必要な知識を得る。 ワークシートの作成 • 自らの思考・感情 を言語化する。 ワークシートの発表 • 自らの思考・感想 を表現する。 支援スタッフとディ スカッション • 支援スタッフとの 会話から新たな気 づきを得る。 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 の 特 徴 は 表 2 の と お り で す 。 表 2 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 の 特 徴 ① 受 講 者 は 、ワ ー ク シ ー ト を 作 成 す る こ と に よ り 、キ ャ リ ア に 関 す る 自 ら の 思 考 や 認 識 を 整 理 し 明 確 化 す る 機 会 と な る 。 ② 受 講 者 は 、受 講 者 同 士 の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で 自 ら の 経 験 を 語 る こ と に よ り 、自 分 自 身 を 客 観 的 に 振 り 返 り 表 現 す る 機 会 と な る 。 ③ 受 講 者 は 、 受 講 者 同 士 の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で 他 者 の 経 験 や 意 見 を 聴 く こ と に よ り 、 様 々 な 考 え 方 や 知 識 ・ 情 報 を 得 る 機 会 と な る 。 ④ 支 援 者 は 、受 講 者 の 行 動 観 察 や 発 表 内 容 か ら 、受 講 者 の 認 知 の 特 徴 や 価 値 観 な ど を 確 認 し 、 職 場 適 応 を 図 る た め の 具 体 的 な 課 題 を 把 握 す る 機 会 と な る 。
3 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 の 効 果
受 講 者 の ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 に つ い て の 感 想 ・ 意 見 か ら 、 当 該 支 援 の 効 果 は 、 次 の 事 項 に ま と め ら れ ま す 。 表 3 ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 の 効 果 支 援 効 果 受 講 者 の 感 想 ・ 意 見 思 考 や 感 情 の 整 理 将 来 に 関 し て 迷 路 に は ま っ て い た 印 象 を 持 っ て い た が 、職 場 復 帰 後 の プ ラ ン を 書 き 出 す こ と や 他 の 受 講 者 か ら の 助 言 で 整 理 が で き た 。 思 考 や 感 情 の 幅 の 拡 大 グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で 思 っ て も い な い 角 度 か ら 質 問 さ れ た こ と で 、 自 分 で は 気 づ か な か っ た 強 み や 価 値 観 に 気 づ く こ と が で き た 。 他 の 受 講 者 の 発 表 か ら 、い ろ い ろ な 考 え 方 が あ り 、人 に よ っ て 感 じ 方 が 違 う こ と を 知 っ た 。 自 信 の 回 復 成 功 体 験 を 見 つ け る こ と が で き た 。成 功 体 験 が 自 信 に つ な が る こ と を 知 っ た 。 以 前 得 意 だ っ た こ と を ヒ ン ト に し て 、自 分 自 身 に ア ピ ー ル で き る こ と が あ る と 知 る こ と が で き た 。 役 割 理 解 図 に 書 き 出 す こ と で 自 分 と 周 囲 と の 関 係 を イ メ ー ジ し や す く な っ た 。 自 分 自 身 が 担 う 役 割 に つ い て バ ラ ン ス の 悪 さ を 視 覚 的 に 確 認 す る こ と で 改 善 点 が 明 確 に な っ た 。漠 然 と ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス の 見 直 し が 必 要 と し か 考 え て い な か っ た の が 、力 を 抜 く 役 割 、力 を 入 れ る 役 割 な ど 具 体 的 な イ メ ー ジ を 抱 く こ と が で き た 。 図 3 個 別 ワ ー ク の 流 れ第2章 ワーク基礎力形成支援の内容
1 目的と構成
(1) 目的
ワーク 基礎 力形成 支援 では 、受 講 者が自 分自 身の価 値観 や職場 で求 められ る役 割を振 り返 り ます。その 内容を 、グ ループ ディ スカッ ショ ンにお いて 自らの 言葉 で表現 する ことに より 、自 己理解 を深 め、他者の 発言を 聴く ことで 自分 とは異 なる 価値観 や考 え方を 理解 し、職場復 帰 後 のキャ リア や働き 方を 考える こと を目的 とし た支援 です 。(2) 構成
ワ ー ク 基 礎 力 形 成 支 援 は 、 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン と 全 4 回 の 講 座 か ら な る 「 キ ャ リ ア 講 習 」、 受 講 者 の 課 題 に 応 じ て 実 施 す る 「 個 別 ワ ー ク 」 で 構 成 し ま す ( 表 4 、 5 )。 個 別 ワ ー ク は 、 3 種類の 資料 の中か ら受 講者の 課題 に応じ て必 要なも のを 選択し て実 施しま す。 表4 オリエンテーションとキャリア講習 講 座 名 等 内 容 ・目 的 ワークシート オリエンテーション キャリアを考 える意 義 について確 認 する。 ① 「自分の経験を振り返ろう」 ② 「ライフライン」 キ ャ リ ア 講 習 1 価 値 観 を確 認 してみよう 自分の生き方・働き方に関する価値 観 を確 認 する。 ① 「キャリア・アンカー自己評価」 ② 「価値観を確認してみよう」 2 成 功 体 験 を振 り返 ろう 成功体験を通 じて自分自 身 の価値 に気 づく。 スキルや物 事 への対 処 の仕 方 を確 認 し、自 信 の回 復 を図 る。 ① 「成功体験を思い出そう」 ② 「成功体験を振り返ろう」 3 役 割 について振 り返 ろう 自 分 を取 り巻 く人 たちから期 待 され ている役 割 を振 り返 る。 復 職 後 に期 待 されている様 々な役 割 を棚 卸 しする。 期待されている役割から生じるストレ スへの対 策 を検 討 する。 ① 「役割ネットワーク」 ② 「役割の棚卸しリスト」 4 今 後 の働 き方 について考 えよう 自 分 自 身 の人 生 における役 割 を振 り返 る。 復 職 後 に重 きを置 きたいと思 ってい る役 割 について確 認 する。 今後の働き方を整理する。 ① 「ライフロール」 ② 「今後の働き方の整理シート」表5 個別ワークで使用する資料の構成 資 料 名 内 容 ワークシート 働 くこと 働くときに求められるものを確認する。 「基 礎 的 ・汎 用 的 能 力 振 り返 りシート」 働 くためのモチベーション 「モチベーション」とは何か理解する。 ワーク・モチベーションとは何 かを理 解 する。 自 分 自 身 のワーク・モチベーションを 整 理 する。 「ワーク・モチベーション整 理 シート」 働 くときに悩 むこと 働くときに悩むことの事例を参考に、自 分 自 身 で悩 んでいることを振 り返 り、対 応 策 を検 討 する。 「働くときに悩むこと」 「働くときに悩むこと 対処 方 法 の検 討 」
2 オリエンテーションの実施方法
(1)内容
オリエ ンテ ーショ ンを 、第 1回の 講座開 始前 に基本 的に は個別 に実 施し 、講座 への参 加 意 思 の確認 を行 います 。た だし 、事前 に受講 の意 思が明 確に なって いる 場合に は複 数名同 時に 実 施 するこ とも 可能で す。 オリエ ンテ ーショ ンで は、レジ ュ メを用 いて キャリ ア講 習の受 講に より休 職中 にキャ リア に ついて 見つ め直す 意義 を予め 伝え ます 。レジ ュメの 各ペ ージに は、説明用 原稿 を用意 して い ま すが 、説明 用原稿 を全 て読み 上げ る必要 はあ りませ ん。受講者 の理 解度や グル ープの 様子 に 合 わせて 省略 しても 進行 できる 内容 となっ てい ます。 説明用 原稿 とは別 に【 支援ス タッ フへの ワン ポイン ト情 報】に は、講座の 内容 に関連 する 情 報を記 載し ていま す。支援ス タッ フは、事前 に目を 通し ておき 、受 講者の 理解 度に応 じて 補 足 説明を しま す。 事 前 準 備 と し て 、 ワ ー ク シ ー ト ① 「 自 分 自 身 の 経 験 を 振 り 返 ろ う 」、 ワ ー ク シ ー ト ② 「 ラ イ フライ ン」の作成 を通 じ過去 を振 り返る こと を促し ます 。これ によ り、講 座内 での各 種ワ ー ク シート の記 入がス ムー ズに進 み、グルー プデ ィスカ ッシ ョンの 内容 がより 深ま る効果 が期 待 で きます 。ワ ークシ ート は第1 回の 講座ま でに 作成し 、受 講の際 には 毎回持 参す ること を指 示 し ます。 また、次の 参加ル ール の説明 に併 せて、グル ープデ ィス カッシ ョン におい て自 らの思 考・感 情を語 る目 的や効 果を 伝え、 積極 的に発 言す ること を促 します 。1
2
(2)概要とレジュメ
【概要】
目的 ・ キャリアにつ いて基本 的な情報を確 認する ・ なぜキャリア について 見つめ直すの か、その 意義を確認す る 準備 ・ レジュメ「オ リエンテ ーション キ ャリア講 習」(P7~13) ・ ワークシート ①「自分 の経験を振り 返ろう」( P14) ・ ワークシート ②「ライ フライン」(P16) 講座の流れ ・ キャリアにつ いて説明 ・ キャリア講習 について 説明 ・ ライフライン (ホーム ワーク)につ いて説明【レジュメ】
これからキャ リアに関 する講習が始 まり ます。 講習に参加す る前にキ ャリアについ て基本的 な 情報を確認し ましょう 。 まず、なぜキ ャリアに ついて見つめ 直す のか、その意 義を確認 しましょう。 参加のルール プライバシー保護を意識し、講座中に知り得た情報を外部に伝搬しない。 自己開示する範囲は自分で決めてよい。 他のメンバーが発言している間は、それを妨げることなく傾聴を心がける。 他者の発言を否定せず、互いに支え合う気持ちで発言する。 意見を求められても、答えられない時はパスをしてもよい。3
4
キャリアとい う言葉の 語源は馬車と 同 じで、人がたど る行路や その足跡、経歴 、 遍歴という意 味があり ます。 現在、日本に おいてキ ャリアという 用語は職 務や 職 種と 同 じ意 味 合 いで 使 われ る こと が 多 く、 昇進 や 昇格 と いう 意 味 を含 め るこ と があ り ま す。 これからのグ ループミ ーティングで は、キャ リアという言 葉を生き 方も含めた広 い意味で 捉 えて進めてい きます。 これまで自分 はどのよ う に働いてきた のか、ど のような人生 を歩みた い のか自分自身 に問いか けていきます 。 キャリアには「自分 軸 」「環 境軸」「時間 軸 」の3つの 軸があり ま す。この3 つの軸は 相 互 に影響し合っ ています 。環境を変 えること 、時間の流れが 進むこと で自分自身が 変化する こと があります。ま た自分 自身が変化す ることで 環境が変化す ること、「過去」や「未来」に 対す る時間に関す る感覚が 変化すること が考えら れます。 休職中の今、 キャリア を見つめ直す 意 味は何でしょ うか。 皆さんは、休 職したこ とで自分に対 する自信 を失ってしま ったり、 会社に迷惑を かけて申 し 訳ないと考え て自分を 責めてしまう ことはあ り ませんか? こうした考え は、休職 中の方の多く に見られ るもので、不 安や葛藤 の元となりま す。 これらの不安 や葛藤へ の対処策を整 理するた めには、自分 の病気に ついて理解を 深め、認 知 行動療法やス トレス対 処方法を学ぶ と同時に 、これまで のキャリア を振り返り 、今後のキ ャ リ アについて検 討するこ とが有効です 。5
ここで、キャ リアを考 える際に参考 に なる、転機( トランジ ション)とい う考 え方を紹介し ます。転 機とは、「個 人が特に 大 きく変化する 時」のこ とです。 転機には「予 測してい た転機」「予 測してい なかった転機 」「期待 していたもの が起こら な かった転機」 の3つの タイプがあり ます。休 職 は、多くの人 にとって 予測していな かった転 機 であり、個々 の役割、 人間関係、日 常生活、 自 分や世の中に 対する考 え方に大きな 影響を与 え るものです。 転機への対処 として、「状況」「自分自 身」「周囲の援 助」「 戦略 」の4つの リソースを 吟 味し、対処に 活用でき るリソースと 脆弱なリ ソースを明ら かにする ことが重要で す。 転機そのもの はコント ロールできな いもので すが、自分 の資源を 有 効に用いるこ とで転機 の 扱い方をコン トロール することがで きます。 【支援スタッフへのワンポイント情報】 ~4つのリソースの詳細~ 状況:何が転機をもたらし、どのくらい長く続く転機なのか、自分でコントロールでき る部分はどこか 自分自身:社会的地位、性別、健康状態、物の見方(楽観主義、価値観等) 周囲の援助:周囲からの援助を誰からどれくらい受けられるか 戦略:幅広い戦略を使っているか、必要に応じて転機を変化させる行動をとっているか6
これは、休職 から復職 への転機のプ ロ セスを示して います。 転機は、「何 かが終わ る時期」「混 乱や苦悩 の時期」「新 しい始ま りの時期」の 3つの段 階 で展開します 。 「何かが終わ る時期」 は、これまで の関係や 役割から離れ る時期で す。当初は、 自分がメ ン タル不調に陥 ったこと や、休職せざ るを得な い ことを受け入 れられな かった人もい ると思い ま す。これを受け入 れられ るようになっ て初めて、 休職の本来の 目的であ る「仕事を休 んで休養 をとる」こと ができる ようになりま す。 「混乱や苦悩 の時期」は、一時的な喪 失状態 に耐える段階 です。こ の時期に「休職 原因」「 こ れまで困難に どう対処 してきたか 」「これ ま での人生の節 目にどの ような意思決 定をして きた か」「人生にお いて大 事にしている 価値観は 何か」「自分が 本当に やりたいこと は何か」につ いて考えてお くことで 、次の段 階である「新 しい始まりの 時期 」に 移行していく ことがで きま す。 「新しい始ま りの時期 」は、新しく生まれ変 わって船出で きる段階 です。この時期は、混 乱 や苦悩の時期 で検討し たことを元に 、これ ま でのアイデン ティティ とこれからの アイデン ティ ティを統合し 、新しい 船出に向けて 自信を取 り戻し、復 職に向けた 具体的な準備 を進めて い く ことになりま す。 キャリアを考 える時に 、大きな転 機であれば あるほど途方 にくれた り、宙ぶら りんな感覚 に なったりする ことがあ ると思います が、新 た な始まりに向 けてしっ かりと気持ち の準備を する ことが重要で す。7
8
うつ病による 休職者は 、2つの意味 で キャリアに関 わる問題 があると言わ れて います。うつ 病の原因 としてのキャ リアの問 題 と、復職後の キャリア の問題です。 職業生活を送 る上では 、役割に変化 が生じた 際に、負担が かかりや すく、うつ病 を発症し や すくなると言 われてい ます。全てを 同じよう に こなそうとす るのでは なく、変化に 応じて役 割 のバランスを 考えるこ とが大切にな ります。 復職後に安定 して働く ためには、自 分が病気 を発症した要 因の一つ にキャリアの 問題があ ったかどうか という点 と、どうい った仕事 に どの ように戻るの か、今後 どのような働 き方をす ればうつ病を 再発しな いか、とい ったキャリ ア プ ランを考える 点の双方 を整理してお く必要が あります。 キャリア講習 の内容や 進め方につい て 説明します。 【支援スタッ フへのワ ンポイント情 報】 ~マッチングの問題とライフキャリアの問題の詳細~ マッチングの問題:「不本意な配置転換により自分には向いていない職務についた」 「今の職務では自分の能力を発揮できない」といった、個人特性と仕 事特性のミスマッチから生じる問題 ライフキャリアの問題:時間の経過により、「管理職に昇進する」「後輩の指導をする 立場になる」といった職場における役割の変化や、「子供が生ま れた」「親の介護が必要になった」といった家庭における役割の9
10
キャリア講習 は全4回 の講座で構成 し ています。 第1回と第2 回は自分 自身について 振り返り ます。第3回 と第4回 は自分を取り 巻く周囲 と の関係を振り 返ります 。そして最後 にまとめ を 行います。 キャリアの振 り返りに は、自己理解 と 環境理解が必 要です。キャリア講習 では、 これまでの自 分自身や 自分を取り巻 く環境を 振 り返ることで 自己理解 と環境理解を 進めてい き ます。 グループのな かで自分 の考え方を発 表し他の 受講者に聞い てもらう ことは、他の 受講者の 考 え方や自分が 経験した ことがない環 境を知る き っかけになる でしょう 。 他の人に自分 自身の内 面を話すこと は不安や 抵抗がある人 がいるか もしれません 。しかし 、グループ の中で話し 合うことが自 分自身の キ ャ リア理解にも つながり ます。もち ろん話せる 範囲でかまい ません。グループでの ディスカ ッ シ ョンではお互 いに高め あうために協 力し合い ましょう。11
講習を受講す る前の準 備として、ワ ー クシートの「 自分の経 験を振り返ろ う」 と「ライフラ イン」を 書いてみまし ょう。 (資料を読み 上げ) (ワークシー ト①、② の配付) 作成したもの は、講座 でワークシー トを作成 する際の参考 になりま すので毎回持 って来て 下 さい。オリエンテーション
ワークシート①「自分の経験を振り返ろう」
今の自分ができあがるまでに、どのような経験をしてきたのか、過去の自分の記憶をたどってみましょう。 自分にとって良い部分、嫌な部分も含めて振り返ってみましょう。 生まれた時から現在に至るまでの重要だと思われる出来事、転機だったと思われる出来事を書き出します。 (1 年ごとでも、○年~○年と区切る、幼年期・少年期・青年期などの大まかな時系列で区切るなど書きやすい方法を 選んで下さい。) 年 自分の 年齢 エピソード 当時の身の周りの状況オリエンテーション
ワークシート①「自分の経験を振り返ろう」
年 月 日 氏名 今の自分ができあがるまでに、どのような経験をしてきたのか、過去の自分の記憶をたどってみましょう。 自分にとって良い部分、嫌な部分も含めて振り返ってみましょう。 生まれた時から現在に至るまでの重要だと思われる出来事、転機だったと思われる出来事を書き出します。 (1 年ごとでも、○年~○年と区切る、幼年期・少年期・青年期などの大まかな時系列で区切るなど書きやすい方法を 選んで下さい。) 年 自分の 年齢 エピソード 当時の身の周りの状況 小4 高2 高3 大学 入 社 1 年 3 ~ 5 年 10 17 18 19~22 22 23 25 ~ 27 頃 読書感想文で優秀賞をもらった 先輩から「生徒会長を引き継いでくれ」と言われた。 あまり気乗りしなかったが立候補したところ、選ばれ た。 第一希望の大学に合格できなかった。地元を離れたく ないと思っていたが隣県の大学に進学した。 ここは自分の居場所ではないという思いを持ってい たが、それなりに楽しかった。様々なバイトを経験で きたことが楽しかった。 同じゼミの友人は就職先が決まらない中、2社から内 定をもらった。 企画を希望していたが営業に配属された。 希望していた企画に異動になった。異動は嬉しかった が、「癖のある上司」が居ることを聞いて気持ちが落 ち込んだ。 自分よりも友人の方が 熱心に選挙活動をして いた。 親しい友人と違う大学 に通うことになった。 周囲は就職が決まらず 「どこでもいい」とい う雰囲気があった。 同期はほぼ希望通りの 部 署 に 配 属 さ れ て い た。 先輩から「目をつけら れると虐められるよ。 皆嫌っている人だ」と 教えられた。記入例
+
-
現在
ワークシート②ラ
イ
フ
ラ
イ
ン
自分にとってポジティブな出来事はその程度に応じてプ
ラ
ス
の領域(上半分。上に行けば行く
ほどポジティブ)に、ネガティブな出来事はマイナスの領域(下半分。下に行けば行くほどネガ
テ
ィ
ブ
)
に
プロ
ット
し
て
下
さ
い
。
プ
ロ
ッ
ト
し
た
出
来
事
に
対
す
る
コ
メ
ン
ト
を
記
入
し
て
下
さ
い
。
年齢現在
ラ
イ
ン
1 5 2 0 2 5 3 0 受験失敗 生徒会長に選ば れる 内 定 2 つ 現部署異動 上司と喧嘩 眠 れ な い 休職自分にとってポジティブな出来事はその程度に応じてプ
ラ
ス
の領域(上半分。上に行けば行く
ほどポジティブ)に、ネガティブな出来事はマイナスの領域(下半分。下に行けば行くほどネガ
テ
ィ
ブ
)
に
プロ
ット
し
て
下
さ
い
。
プ
ロ
ッ
ト
し
た
出
来
事
に
対
す
る
コ
メ
ン
ト
を
記
入
し
て
下
さ
い
。
記
入
例
3 キ ャ リ ア 講 習 の 実 施 方 法
( 1 ) 対 象 者
次 の 要 件 を 満 た す 受 講 者 を 対 象 と し ま す 。 受 講 者 の 要 件 ・ 週 3 日 以 上 、 安 定 し た 通 所 が 可 能 で あ る 。 ・ グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に お い て 、 ア サ ー シ ョ ン を 意 識 し た 発 言 が で き る 。 ・ 休 職 前 の キ ャ リ ア に つ い て 振 り 返 り 、 自 分 の 言 葉 で 語 る こ と が 可 能 で あ る 。( 2 ) 時 間 ・ 回 数
1 回 120 分 ( 10 分 の 休 憩 を 含 む )、 週 1 回 、 全 4 回 で 行 い ま す 。 グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン の 中 で 他 者 の 意 見 や 考 え に 触 れ る こ と が 重 要 な た め 、 余 裕 を 持 っ た 時 間 を 確 保 し ま す 。 講 座 の 実 施 に 際 し て 十 分 な 時 間 が 確 保 で き な い 場 合 に は 、 数 回 に 分 け て 実 施 し ま す 。 そ の 際 は 、 内 容 に 連 続 性 を 持 た せ る た め に 、 で き る だ け 間 隔 を 空 け な い 日 を 設 定 し ま す 。 ま た 、 講 座 の 時 間 内 に ワ ー ク シ ー ト を 記 入 す る こ と は 、 支 援 ス タ ッ フ が そ の 場 で 疑 問 点 を フ ォ ロ ー で き る 、 記 入 し た 際 の 感 覚 が 鮮 明 な ま ま グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に 臨 め る 、 周 囲 の 受 講 者 の 記 入 内 容 を 参 考 に で き る と い っ た 効 果 が 期 待 で き ま す 。 そ の た め 、 各 講 座 に は ワ ー ク シ ー ト の 記 入 時 間 を 設 け 、 ホ ー ム ワ ー ク と す る こ と は 極 力 避 け ま す 。( 3 ) メ ン バ ー 構 成
全 4 回 の 講 座 は 、 受 講 者 2 ~10 名 程 度 の ク ロ ー ズ ド ・ グ ル ー プ で 実 施 し ま す 。( 4 ) 小 グ ル ー プ の 構 成
グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン は 、 毎 回 同 じ メ ン バ ー で 構 成 し た 2 ~ 5 名 の 小 グ ル ー プ で 行 い ま す 。 こ の グ ル ー プ の 規 模 は 、 親 密 な 雰 囲 気 で 気 兼 ね な く 自 己 開 示 が で き 、 相 手 の 話 に 触 発 さ れ て 新 た な 考 え が 浮 か び 、 相 互 作 用 が 期 待 で き る と い わ れ て い ま す 。 な お 、 グ ル ー プ サ イ ズ は 、 小 さ い 方 が よ り 自 己 開 示 が し や す い と 言 わ れ て い ま す 。1 ) グ ル ー プ 分 け の 基 準 は 、 受 講 者 が あ る 程 度 同 じ 量 の 発 言 が で き る こ と と し ま す 。 受 講 者 の 状 況 に よ っ て は 、 年 齢 、 経 験 、 性 別 、 職 種 等 に 偏 り が あ っ て も 構 い ま せ ん 。 例 え ば 、 経 験 の 少 な い 若 年 休 職 者 に と っ て 、自 分 と は 異 な る 年 齢 や 職 業 の 受 講 者 の 発 言 を 聞 く こ と は 、 視 野 を 広 げ 、 他 者 の 多 様 性 を 受 け 入 れ る き っ か け に も な り ま す 。 普 段 の 様 子 を 考 慮 し 、 特 定 の 受 講 者 の 発 言 に 偏 ら な い こ と を 優 先 し て グ ル ー プ 分 け を 行 い ま す 。( 5 ) 講 座 の 進 め 方
支 援 ス タ ッ フ 1 名 が 講 座 の 進 行 を 担 当 し 、 受 講 者 の 人 数 に 応 じ て 複 数 の 支 援 ス タ ッ フ が サ ポ ー ト し ま す 。 グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 複 数 の 小 グ ル ー プ に 分 け て 実 施 す る 場 合 に は 、 各 グ ル ー プ に 支 援 ス タ ッ フ を 配 置 し 、 進 行 を サ ポ ー ト す る こ と が 望 ま し い で す 。 支 援 ス タ ッ フ は 、 事 前 に 講 座 の 流 れ や 留 意 点 を 確 認 し て お き ま す 。 進 行 に 当 た っ て 、 レジ ュ メ を 説 明 す る 時 間 は 最 小 限 に 留 め 、 ワ ー ク シ ー ト の 作 成 と グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 中 心 に 進 行 し ま す 。 な お 、 レ ジ ュ メ と 説 明 用 原 稿 と は 別 に 、 ≪ 進 行 の ポ イ ン ト ≫ と ≪ 作 成 の ポ イ ン ト ≫ が 書 か れ て い ま す 。 ≪ 進 行 の ポ イ ン ト ≫ に は 、 支 援 ス タ ッ フ が グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 進 行 す る 際 の ポ イ ン ト を 、 ≪ 作 成 の ポ イ ン ト ≫ に は 、 ワ ー ク シ ー ト 作 成 の 際 の ポ イ ン ト を 記 載 し て い ま す 。【 支 援 ス タ ッ フ へ の ワ ン ポ イ ン ト 情 報 】と 併 せ て 、支 援 ス タ ッ フ が 事 前 に 目 を 通 し て お く こ と で 、 進 行 が ス ム ー ズ に な り 、 グ ル ー プ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で の 討 議 が 深 ま る 効 果 が 期 待 さ れ ま す 。 【 引 用 ・ 参 考 文 献 】 1 ) 堀 公 俊 ・ 加 藤 彰 :「 ワ ー ク シ ョ ッ プ ・ デ ザ イ ン 」 日 本 経 済 新 聞 出 版 社 (2008)
1
(6)キャリア講座の概要とレジュメ
ア 価値観を確認してみよう
【概要】
【レジュメ】
これか らキ ャリア につ いての 講習 の第 1回目 「価 値観を 確認 してみ よう 」を始 めます 。 目的 ・ 自分の 生き 方・働 き方 に関す る価 値観を 確認 する。 ・ 様々な 価値 観があ るこ とを知 る。 準備 ・ レジュ メ「 価値観 を確 認して みよ う」(P20~ 28) ・ ワーク シー ト①「 キャ リア・ アン カー自 己評 価」(P30~ 31) ・ ワーク シー ト②「 価値 観を確 認し てみよ う」(P32~33) 講座の 流れ ・ 目的と 進め 方の説 明 ・ 自分の 仕事 につい て紹 介 ・ 価 値 観 の 説 明 ・ ワ ー ク シ ー ト ① 、 ② の 記 入 ( 30 分 ) ・ ワ ー ク シ ー ト ① 、 ② に 関 す る 話 合 い ・ ま と め ・ 感 想2
3
今回の 目的 と流れ は、 ここに 記載 のと おりで す。 これか ら全 4回実 施す るキャ リア 講習 は、グ ルー プでの 話し 合いが 中心 になり ます。 そこ で、今 後の 話し合 いを スムー ズに 行 なうた めに お互い のこ とを知 る時 間をつ くり た いと思 いま す。 まずは お互 いの仕 事に ついて 話し て下さ い。 どんな 仕事 をして いる のか、 どん な職場 で働 いてい るの か、仕 事を してい て一 番楽し いこ と や嬉し いこ とは何 か、 やりが いは 何か、 仕事 を してい て一 番大変 なこ とや苦 労す ること は何 か などを 話し て下さ い。 話した くな いこと を無 理やり 話す 必要は あり ません 、そ れぞれ 自分 が 話せる 範囲 で話し て下 さい。 ≪進行 のポ イント 「自 分の仕 事を 表現し よう 」≫ ①興味や関心がどこにあるか ②やる気(モチベーション)の種がどこにあるか ③仕事 に対する考え方に特徴はあるか、以上3点を意識しながら受講者の話を聴いていきます。 自分の仕事についての紹介は、一人目の話した内容が二人目以降に影響します。一人目 を支援 スタ ッフが 行う ことで 受講 者が話 す内 容をイ メー ジしや すく なりま す。 自分の経験を語ることに躊躇する人や自信がない人に対しては、二人組で、ゆっくりと 進 行 し ま す 。 一 人 が 話 し 手 、 一 人 が 聞 き 手 に な っ て 、 交 互 に イ ン タ ビ ュ ー す る 形 式 で 進 めてい きま す。 他の受講者に自分自身の内面を話すことに不安や抵抗がある受講者に対しては、他の受 講 者 に 対 し て 話 す こ と に よ っ て 気 づ き を 得 る こ と が 、 キ ャ リ ア の 理 解 に つ な が る こ と を4
5
それで は「 価値観 につ いて」 確認 しま しょう 。 同じ出 来事 を経験 して も、よ い経 験だ ったと 認識 するの か、 あまり よい 経験で はなか った と認識 する のかは 、そ の人の 価値 観 によっ て異 なりま す。 自分自 身は 何を大 切に したい と考 えてい るの か、自 らの 価値観 を確 認し自 己理 解を深 めま し ょう。 【支援スタッフへのワンポイント情報】 ~キャリアを考えるときに大切なこと~ キャリアを考える際には、自己理解と自分自身を取り巻く環境への理解が必要です。自己理 解 や 環 境 へ の 理 解 を 進 め る 過 程 で は 、 グ ル ー プ や ペ ア で ワ ー ク を 行 な い 、 自 分 自 身 に 関 す る ことや 感想 ・考え を表 現し他 者と 共有す るこ とで、 視野 を広げ るこ とが可 能と なりま す。 その際に、多様性の受容(ダイバーシティ&インクルージョン)という考え方(異なる属性 や 多 様 な 価 値 観 を 受 け 入 れ 、 自 己 と 他 者 の 違 い を 認 識 し つ つ 相 手 を 尊 重 す る ) が 重 要 に な り ます。6
7
8
自分自 身の 価値観 を理 解する 目的 は3 つです 。 (資料 を読 み上げ ) キャリ アに は、外 的キ ャリア と内 的キ ャリア の2 つの視 点が ありま す。 外的キ ャリ アは、 学歴 ・仕事 ・給 料など 、他 人がわ かる 具体的 なも のです 。 内的キ ャリ アは、 仕事 観・や りが い・人 生・ 興味と いっ た自分 の価 値観の こと を指し ます 。 みなさ んは これま での 働き方 を振 り返っ てみ たとき 、ど ちらを 重視 してき たで しょう か。 同じ職 場で 同じよ うに 仕事を して いても 、楽 しそう に充 実感を 感じ ながら 働い ている 人が い れば、 機会 さえあ れば やめた いと 感じな がら 働いて いる 人もい るで しょう 。こ の違い は、 そ の人が 仕事 及び環 境に 対して 意味 や意義 を感 じてい るか いない か、 感じら れる か感じ られ な いかの 違い です。 与え られた 仕事 の中で 自分 なりの 働く 意味を もつ ことは 、一 見、ス トレ ス フルと 思え る職場 の中 でもそ の状 況を乗 り越 えてい く力 になり ます 。 内的キ ャリ アを満 たす 視点が 3つ あり ます。 (資料 を読 み上げ )9
10
11
内的キ ャリ アを満 たす 3つの 視点 が重 なる部 分が 適職で あり 、重な る部 分が大 きくな るこ とが「 キャ リアの 理想 」であ ると 考 えられ てい ます。 仕事の 価値 観を考 える ときに 、自 分自 身の「 キャ リア・ アン カー」 が参 考にな ります 。キ ャリア ・ア ンカー とは 、どん なに 難 しい選 択を 迫られ たと きでも 放棄 するこ との な い、自 己概 念のこ とで す。 アンカ ーと は、直 訳す ると船 をつ なぎと める 「錨( いか り)」 を示 します 。キ ャリア ・ア ン カーは 、個 人を長 期的 につな ぎと める職 業生 活 の拠り 所を 意味し ます 。 キャリ ア・ アンカ ーに は8つ のパ ター ンがあ りま す。詳 細は ワーク シー トを見 て下さ い。 誰でも この 8つの アン カーの それ ぞれに 、あ る程度 の関 心をも って います 。そ のなか に、 ど うして もこ れだけ はあ きらめ たく ないと 思う 、 きわだ って 重要な 領域 が皆さ ん自 身のキ ャリ ア・ア ンカ ーです 。12
13
これか らワ ークシ ート の作成 を行 いま す。 まず、 ワー クシー ト① でキャ リア ・アン カー 自己評 価を 行いま す。 解説を 読ん で自分 自身 の 価値観 に当 てはま るか どうか 、点 数をつ けて 下 さい。 続いて ワー クシー ト② を記入 しま す。キ ャリ ア・ア ンカ ーの自 己評 価を見 なが ら自分 の価 値 観につ いて 気づい たこ とを記 入し て下さ い。 ワーク シー ト①、 ②に ついて 話し 合い ます。 (資料 を読 み上げ ) ≪進行 のポ イント 「話 し合っ てみ ましょ う」 ≫ 支援スタッフは、自分とは異なる価値観の発表者に共感を示さない受講者に対して、他 者の価 値観 を知る こと の大切 さを 伝えま す。 ・ 他 者 の 価 値 観 と 自 分 の 価 値 観 を 比 較 す る こ と で 、 自 分 の 価 値 観 が よ り 明 確 に な る こ と。 ・ 職 場 で 折 り 合 わ な い 人 が い た 場 合 に 相 手 と は 価 値 観 が 異 な る と い う 視 点 をも つ こ とが 可能と なる こと。 自分の価値観と実際の生活や職業生活にギャップが生じている場合、ストレスが発生す る こ と が あ り ま す 。 支 援 ス タ ッ フ は 、 今 後 の 働 き 方 や キ ャ リ ア を 考 え る こ と が 、 ス ト レ スの対 応方 法の検 討に なるこ とを 説明し ます 。14
キャリ ア・ アンカ ーに ついて 補足 しま す。 「生活 様式 を大事 にし たいが 仕事 が忙し くて 点を高 くつ けるこ とが できな い」 という よう な 項目は あり ません か。 その理 由を 振り返 るこ と でキャ リア に対す る不 満感の 原因 が見つ かる か もしれ ませ ん。 また、 キャ リア・ アン カーが しぼ れない と感 じた人 はい ません か? そのよ うな 場合に は、 ま ず自分 にと って最 も重 要だと 思う アンカ ーを 決 め、直 面す るかも しれ ない状 況を イメー ジし ます。 様々 な状況 を自 分がど のよ うに感 じる の かを明 らか にして いき ながら アン カーを しぼ ってい きま す。 その他 に、 自分が 選ん だアン カー と同じ 価値 観をも って いる人 から 、実際 に行 ってい る仕 事内容 や環 境など 、詳 しく聞 いて みると いう 方法も あり ます。 【 支 援 ス タ ッ フ へ の ワ ン ポ イ ン ト 情 報 】 ~ キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー に つ い て ~ 8つのキャリア・アンカーは、それぞれ特定の職業と結びついているものではありません。多くの 職 業 が 、 8 つ の キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー を 満 た す 条 件 を 有 し て い ま す 。 つ ま り 、 同 じ 職 業 に 従 事 し て い て も 、 働 き 方 を 工 夫 す る こ と で 、 自 分 が 大 切 に し て い る キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー を 満 た す こ と が 可 能 と な り ま す 。 受講者からよくある質問 ・ 2 つ 以 上 の キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー を も つ こ と は で き る の か → キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー と は 、 難 し い 選 択 を 迫 ら れ た 場 合 、 ど う し て も あ き ら め ら れ な い こ と と 定 義 さ れ て い ま す 。 こ の 定 義 で は 一 つ の キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー し か 認 め ら れ な い こ と を 意 味 し て い ま す 。 そ の 人 の パ ー ソ ナ リ テ ィ の 最 上 位 に 位 置 づ け ら れ る 才 能 、 価 値 観 、 動 機 の セ ッ ト が キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー で す 。 し か し 実 際 に キ ャ リ ア を 歩 む 状 況 で は 、 た っ た 一 つ の セ ッ ト で な く 、 幾 つ も の 才 能 、 動 機 、 価 値 観 の セ ッ ト が 必 要 と さ れ る 場 合 が あ り ま す1 )。 こ の よ う な 場 合 は 必 ず し も 一 つ だ け を 選 択 す る 必 要 は あ り ま せ ん 。 ・ キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー は 変 わ っ て い く の か → キ ャ リ ア ・ ア ン カ ー が 変 わ る か ど う か と い う こ と に 関 し て は 、 今 の と こ ろ 十 分 な 実 証 が 得 ら れ て い ま せ ん が 、 あ る 部 分 に お い て は 変 わ る と 言 え ま す 。 人 は 年 齢 や 成 功 を 重 ね る に つ れ 、 自 律 性 が 増 し て い く も の で す 。 成 功 を 重 ね る に つ れ 、 よ り 自 由 を 求 め る よ う に な り 、 も っ と 自 由 な 仕 事 を 作 り 出 す こ と が あ る た め で す 。 【 引 用 ・ 参 考 文 献 】 1 ) エ ド ガ ー H . シ ャ イ ン : 「 キ ャ リ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト 変 わ り 続 け る 仕 事 と キ ャ リ ア 」 白 桃 書 房 (2015)15
16
今日の 講座 のまと めで す。 働く上 では 、自分 が大 切にす る価 値観 を確認 する ことが 大切 です。 ま た自 分 自 身 の価 値 観 は しっ か り も ちつ つ も 、 状況に よっ て柔軟 に対 応する こと も大切 です 。 組織の 中で 働く上 で、 上司や 同僚 は自分 とは 異なる 、そ れぞれ の価 値観を もっ ており 、そ れ に基づ いて 行動し てい ること を知 ると、 相手 に 対して スム ーズに 関係 を構築 しよ うとい う気 持 ちにな りま す。 今日の グル ープデ ィス カッシ ョン の内容 を参 考に、 自分 が大切 にし ている 価値 観以外 にも 目を向 けて みまし ょう 。 (資料 を読 み上げ ) 【支援 スタ ッフへ のワ ンポイ ント 情報】 ~キャ リア ・アン カー に関す るセ ルフ・ アセ スメン ト~ 自分自身のキャリア・アンカーを知り、動機や価値観がキャリア選択とどのように結びつく のか考えるために 、下記の参考文献に掲載されている『セルフ・アセスメント』の質問項目 に答える方法があります。 【 参 考 文 献 】 エ ド ガ ー H . シ ャ イ ン : 「 キ ャ リ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト 変 わ り 続 け る 仕 事 と キ ャ リ ア 」 白 桃 書 房 ( 2015) 【支援 スタ ッフへ のワ ンポイ ント 情報】 ~キャ リア ・アン カー に関す るセ ルフ・ アセ スメン ト~ 自分自身のキャリア・アンカーを知り、動機や価値観がキャリア選択とどのように結びつく のか考えるために、下記の参考文献に掲載されている『セルフ・アセスメント』の質問項目 に答える方法があります。 【 参 考 文 献 】 エ ド ガ ー H . シ ャ イ ン : 「 キ ャ リ ア ・ マ ネ ジ メ ン ト 変 わ り 続 け る 仕 事 と キ ャ リ ア 」 白 桃 書 房 ( 2015)【支援スタッフへのワンポイント情報】 ~伝統的キャリアと現代的キャリア~ キャリアの考え方は、21世紀に入り、伝統的キャリアから現代的キャリアへと 変化が見られています。 伝統的キャリアの代表に、特定の組織で生涯を通じて長期的、安定的に形成さ れる組織内キャリア(organization career)があります。伝統的キャリアでは 雇用の保障や安定、組織での昇進が重視されていました。 それが1980年代後半以降の経済停滞、経済のグローバル化や技術の変化、少子 高齢化に伴う労働力供給構造の変化などを背景に、長期継続雇用をベースにして 会社が従業員のキャリア開発を支援するシステムが揺らぎました。従業員個人が 自分自身のキャリアを自律的に展開し、開発することが必要であると強調される ようになってきたのです。そこではキャリアの自己管理が一層重要になり、キャ リアにおける優先順位の見直し、所属する組織に対する忠誠心の再考、主体的で 継続的なスキルの開発や人的ネットワークの構築などが個人に求められるように なりました。 伝統的キャリアと現代的キャリアの特徴 伝 統 的 キ ャ リ ア の 特 徴 現 代 的 キ ャ リ ア の 特 徴 境 界 に 制 約 さ れ た キ ャ リ ア 様 々 な 境 界 を 超 え る キ ャ リ ア キ ャ リ ア の 主 導 権 を も つ の は 組 織 キ ャ リ ア の 主 導 権 を も つ の は 個 人 組 織 の 価 値 観 を 重 視 個 人 の 価 値 観 を 重 視 組 織 内 の 階 層 を 重 視 人 的 ネ ッ ト ワ ー ク を 重 視 変 化 や 移 動 が 小 さ い 変 化 や 移 動 が 大 き い 組 織 コ ミ ッ ト メ ン ト を 重 視 専 門 的 コ ミ ッ ト メ ン ト を 重 視 組 織 と の 関 係 的 契 約 組 織 と の 取 引 的 契 約 雇 用 の 保 障 ( 組 織 内 キ ャ リ ア 発 達 ) を 重 視 就 業 可 能 性 ( 労 働 市 場 に お け る 価 値 ) の 向 上 を 重 視 (柏木(2016)2 )よ り引用) 【引用 ・参 考文献 】 2)柏 木仁 :「キ ャリ ア論研 究」 文眞堂 (2016)
価値観を確認してみよう
ワークシート①
「キャリア・アンカー自己評価」
各キャリア・アンカーに関して今の自分自身の価値観に当てはまるものを 10 点満点で評価して下さい。 「1」このキャリア・アンカーは私に全く当てはまらない ~ 「10」このキャリア・アンカーは私に非常に当てはまる 記 号 キャリア・アンカー の種類 解説 10 点 満点 評価 A 専門・職能別能力 (Technical/ Functional Competence) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、自分の専門領域において自分 のスキルを活かすことや、スキルを常に高いレベルに向上し続けることができる機 会。 ※このアンカーの人の特徴 ○周りの人がいつも専門家としてのアドバイスを求めてくるくらい専門領域に精通している 人でありたいと思う。 ○仕事で自分の持つスキルや才能を活かせたときに一番満足できる。 ○自分の才能を発揮し、専門家(エキスパート)であることを自覚して満足を覚え る。 B 経営管理能力 (General Managerial Competence) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、組織の中で高い地位につき、 部門を越えて人々の努力を統合し、担当ユニットの成果に責任を持つことのできる 機会。 ※このアンカーの人の特徴 ○仕事で一つの活動に向けて多くの人をまとめあげられたときに一番満足できる。 ○組織全体の方針を決定し、自分の努力によって組織の成果を左右してみたいという願 望を持っており、重い責任のある仕事、皆をまとめるような統合的な仕事を好む。 C 自律・独立 (Autonomy/ Independence) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、自分の仕事を自分なりに定義 する機会。 ※このアンカーの人の特徴 ○自分なりの方法やスケジュールで仕事ができるキャリアを望む。 ○自分の仕事を自分で決めることができるような自律と自由があるときに成功を実感でき る。 ○きめ細かく管理されることには耐えられないと感じる。 ○規則や規範にとらわれず、自分のペース、自分の納得する仕事の標準を優先させ、 それらに照らしてものごとを進めることを好む。 全く当て はまらない 0 1 2 3 4 非常に 当てはまる あまり当てはまらない どちらとも やや当てはまる 言えない 5 6 7 8 9 10D 保障・安定 (Security/Stability) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、雇用の保障、職務や組織で の勤続。安全で確実と感じられ、将来の出来事を予測することができ、うまくいっ ていると知りつつゆったりとした気持ちで仕事ができることを望む。 ※このアンカーの人の特徴 ○経済面・雇用面での安定を感じるときに職業人生で一番満足できる。 ○雇用の安定を脅かすような業務配分をしてくる組織で長く働こうと思わない。 E 起業家的独創性 (Entrepreneurial Creativity) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、自分の能力と意志だけを頼り にリスクを負い障害を乗り越えながら、組織や企業を創造する機会。 ※このアンカーの人の特徴 ○自分で会社を興すための土台となりそうなアイデアがないか、いつもアンテナを張って 探している。 ○どこかの組織で高い地位を得るより、自分自身で事業を起こすことの方が重要だと感じ る。 ○新しい製品やサービスを開発したり、財務上の工夫で新しい組織をつくったり、 新しい事業を起こす欲求をもっている。 F 奉仕・社会貢献 (Service/Dedication to a Cause) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、何らかのかたちで世の中をよ り良くすること、環境問題を解決すること、人々に調和をもたらすこと、誰かを助 けること、人々により安全をもたらすこと、新製品を通じて病気を治すことといっ た、何か価値のあるものを実現できる仕事をする機会。 ※このアンカーの人の特徴 ○世の中をよりよくするために自分の得意なことを活かせるかどうかが、自分のキャリアを 決めるときの指針となる。 ○自分の得意なことを活かして他の人の役に立てたときに一番満足できる。 G 純粋な挑戦 (Pure Challenge) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、解決不可能と思われるような 問題を解決することや、強敵に打ち勝つこと、困難な障害を乗り越えることなどに 取り組む機会。 ※このアンカーの人の特徴 ○解決困難な問題に取り組むことが管理職としての高い地位を得ることよりも重要だと感 じる。 ○いつまでも困難な問題の解決に向けて挑戦し続けることができることを望む。 ○競争の機会がないところでは士気を低下させる。 H 生活様式 (Lifestyle) どうしてもあきらめたくないと思っているものは、個人的なニーズ、家族のニー ズ、キャリアのニーズを柔軟に統合すること。 ※このアンカーの人の特徴 ○自分の要件、家族の要件、キャリア上の要件のバランスを取ることができたときに良い 人生を送っていると思える。 ○自分の関心と家族の問題を妨げないような仕事の機会を求める。 ○自分の時間の都合に合わせた働き方が選択できることを望む。 年 月 日 氏名
価値観を確認してみよう
ワークシート②「価値観を確認してみよう」
1.質問に答えてください。
あなたの願望やキャリア上の目標は 何ですか?現在のあなたの長期的 な目標は何ですか? あなたはこれまでの経験から自分は 何が得意だと感じていますか?他の 人から評価されることは何ですか? あなたが仕事や組織を選択する場 合、その基準となる最も重要なもの は何ですか?2.キャリア・アンカー自己評価を転記し、下記の質問に答えましょう。
自己評価
1位
( 点)
2位
( 点)
3位
( 点)
8位
( 点)
☆上記のキャリア・アンカーに高く点数をつけた理由・背景は何ですか?
これまでの職業生活を振り返ってみて、キャリア・アンカーと結びつくような経験はありますか?
具体的に書いてください。
○( )について
○( )について
○( )について
3.自分の価値観について気づいたことを記入してみましょう。
1
2
イ 成功体験を振り返ろう
【概要】
目的 ・ 成 功 体 験 を 振 り 返 り 、 自 分 が 獲 得 し て い て 、 今 後 の キ ャ リ ア に 活 かせる スキ ルや強 みを 知る。 準備 ・ レジュ メ「 成功体 験を 振り返 ろう 」(P34~39) ・ ワーク シー ト①「 成功 体験を 思い 出そう 」(P40) ・ ワーク シー ト②「 成功 体験を 振り 返ろう 」(P41) ・ 参考資 料「 私の物 事へ の対処 の仕 方・強 みリ スト」(P42) 講座の 流れ ・ 目的と 進め 方の説 明 ・ 成 功 体 験 を 振 り 返 る 意 義 の 説 明 ・ ワ ー ク シ ー ト ① 、 ② の 記 入 ( 30 分 ) ・ ワ ー ク シ ー ト ① 、 ② に 関 す る 話 合 い ・ まとめ ・感 想【レジュメ】
キャリ アに ついて の講 習の第 2回 目 「成功 体験 を振り 返ろ う」を 始め ます。 今回の 目的 と流れ は、 ここに 記載 のと おりで す。3
4
自分自 身の 強みを 認識 するこ とは 難し いこと です 。むし ろ自 分の至 らな いとこ ろに注 意を 向けが ちで す。もし 何 か得意 なこ と があっ たり 成功体 験を もって いて も、それ は 他 の誰に でも できる 簡単 なこと に違 いない と思 いがち です 。そのた め 自らの 過去 の経験 を振 り 返って も成 功体験 を限 定的に 考え てしま うこ とがあ りま す。 どのよ うな ことを 成し 遂げて きた のか、う ま くでき たと 思える 経験 は何か を振 り返る こと で、私 たち は自信 を高 め、積 極的 な行動 をと ること がで きるよ うに なって きま す。 成功体 験と 言われ ても 、「失 敗ば かり で成功 した 経験な んて ない」 とい う方が いるか もし れませ ん。 けれど 、今 皆さん が身 につけ てい る能力 の多 くは、 子ど ものと きか らこれ まで 、いろ いろ な 体験を して 、成功 しな がら身 につ けたも のと 言 えます 。 自分が 軽々 とやれ てい ること であ っても 、価 値を見 い出 せるこ とは たくさ んあ ります 。「 た いした こと じゃな い」 と決め つけ ずに思 い返 し て下さ い。5
6
逆に、失敗 体験は どん なこと を指 すので しょう か。それは「 で きなか った 自分を 感 じる体 験」 という こと です。 できな かっ たこと に注 目して しま うと、 自信 を失っ てし まいま す。 また、 でき なかっ たこ とに注 目し てしま うと 「でき たこ と」を 見落 として しま うこと があ り ます。 例えば 、試 験を受 けた ことを 考え てみま しょ う。前 回、 試験を 受け たとき の得 点は50点、 今 回の得 点は 70点だ った としま す。できな かっ たこと に注 目して いる ときは 、「100点で はな い 、 まだダ メだ 」と感 じま す。し かし 、「20点も 得点が アッ プした 」と いう見 方も できま す。 20 点分は 前回 よりア ップ してい るの ですか ら、その部 分は 成果 、成功 体験と 捉え ること がで き る 訳です 。 成功体 験を 考える にあ たって は 、外から の評 価や一 般的 な捉え 方に 縛られ る必 要はあ りま せ ん。自 分の 経験の 中で 、部分 的に でもで きた と思え る部 分があ れば 、ぜひ それ を成功 体験 と 捉 えてみ まし ょう。 (ワー クシ ート① 、②、参考資 料の 配付) では、これ から成 功体 験を振 り返 ってい きまし ょう 。 あなた はこ れまで にど のよう なこ とを成 し遂 げまし たか ?今ま でに うまく でき たと思 える 経 験なら どん なこと でも よいの です 。様々 な分 野 での成 功体 験をワ ーク シート ①に 自由に 書い て いきま しょ う。7
8
9
成功体 験が 思いつ かな いとい う方 はこ こにあ る例 を参考 にし て下さ い。 次に、ワー クシー ト① で書い た成 功体験 の中か らエ ピソー ド を 2 つ 選 ん で 下 さ い 。 その体 験に 関する 詳し い内容 をワ ークシ ート ② に書い て下 さい。 書くと きに は4つ のポ イント をお さえて 下さ い。 あなたは具体的に何をしたのか 成功への要因は何だったのか。自分自身の 行動の 特徴 、性格 、強 み、知 識、 人脈な ど 結果はどうなったのか その体験がその後に与えた影響 記入し た こ と や 気 づ い た こ と に つ い て 、 発表し 合い ましょ う。 発表を 聞い ている 皆さ んは、 発表 者が見 過ご してい る強 みやス キル はない か、 気づき を出 し 合いま しょ う。 自分自 身の 強みや スキ ルを知 って おくと 、キ ャリア プラ ンを考 えや すくな りま す。 また、 確認 された 成功 体験は 、今 後の興 味や 価値観 、自 分自身 の特 性を考 えて いく際 に役 に 立ちま す。10
11
≪進行 のポ イント 「成 功体験 を話 し合っ てみ よう」 ≫ 成功体験の発表は、成功の大きさに関係なくプラスの感情を感じることができます。発表 者が 、気 持 ちよく 話せ ること が大 切です 。支 援スタ ッフ は、発表 者 が話し やす い雰囲 気を 作りま す。 話合いでは、発表者が気づいていない強みやスキルを出し合います。受講者同士から意見 が出に くい 場合は 、支 援スタ ッフ が意見 を出 します 。 成功体 験は 自分自 身の 価値観 を振 り返 ること にも 役立ち ます 。キャ リア・アン カ ーに影 響し たと思 われ る成功 体験 はあり まし た か? 働く上 で拠 り所と なる 価値観 を作 り上げ た経 験を整 理す ること は、 今後の 働き 方の方 向を 考 えると きに ヒント にな ります 。 今日の 講座 のまと めで す。 成功体 験か ら、自 分自 身の興 味や 強み を知り 、価 値観へ の影 響を考 える ことが でき ま す。 今回見 つか った成 功体 験、強 み、 価値観 を職 場復帰 後に どのよ うに 活かす のか 確認す るこ と が大切 です 。12
第1回 目の 講座で は働 く上で の拠 り所 となる 価値 観につ いて 、第 2回目 では成 功 体験の 振り 返りか ら強 みを確 認し ました 。ど ち らも自 分自 身の振 り返 りです 。 次回か らは 、周囲 から 求めら れる 役割に つい て考え てい きます 。 キャリ アに ついて 考え るとき に、 過去を 振り 返り、 現在 の自分 自身 につい てよ く知る こと が 大切で す。 そして 、同 時に、 自分 以外の 周囲 の 環境に つい て目を 向け ていく こと も大切 にな り ます。 皆さん は、職場で 、家 庭で、地域 生活で 、い ろいろ なと ころで たく さんの 人と 関わり な が ら 生活を して います 。 次回か らは 自分自 身か ら少し 視野 を広げ て、周囲の 人達 に目を 向け て、その人 達から ど の よ うな役 割を 求めら れて いるの かを 考えて いき ましょ う。成功体験を振り返ろう ワークシート①
「成功体験を思い出そう」
経験を振り返り、うまくできたと思うことや、達成できたと思うことを自由に書いてみましょう。 <仕事> <学校生活・自己啓発> <家庭・人間関係> <趣味・スポーツ・社会参加> <その他> 出典:N.E.アムンドソン・G.R.ポーネル:「キャリア・パスウェイ」ナカニシヤ出版(2005)から一部変更の上抜粋成功体験を振り返ろう ワークシート②