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液状化解析におけるV&V (Verification and Validation) の対応状況についての事例分析

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Academic year: 2021

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液状化解析における V&V(Verification and Validation)

の対応状況についての事例分析

一井康二

* 1. 研 究 の 目 的 と 方 法 種々の解析プログラムの実務への適用に関して,検証と妥当性確認:V&V(Verification and Validation)を適切に行うことがもとめられ,非線形な現象と対象とした場合の方法論等が検討さ れている.そこで,非線形問題の典型である液状化解析において,解析プログラム FLIP を事例分析 の対象として,これまでのプログラムの適用性確認の現状を V&V の観点から再整理し,今後の適用 性の確認方法の高度化・標準化を検討する. 2. 液 状 化 解 析 プ ロ グ ラ ム F L I P に お け る V & V 事 例 a) 検証(Verification)と妥当性確認(Validation)の体系 土木学会地震工学委員会では,「地盤・構造物の非線形地震応答解析法の妥当性確認/検証方法の 体系化に関する研究小委員会」を組織して,検証と妥当性確認:V&V(Verification and Validation) の方法を議論している. そこでの議論では,材料特性モデルの V&V と,応答解析モデルの V&V を分けて議論することを想 定している.すなわち,要素を対象とした材料特性モデルの V&V を終えて,はじめて全体系の議論 である応答解析モデルの V&V に至る. また,応答解析モデルの V&V は,基本的に地盤・構造モデルを対象とするが,線形の問題と非線 形の問題では難易度が異なるため,これを分けて考えることを基本としている. したがって,図 1 に示すように,検証と妥当性確認の2種類に対し,要素レベル・全体系の線形 応答・全体系の非線形応答の3段階が存在し,6つのカテゴリーに分類される.しかし,一方では, それぞれのカテゴリーに実際に実現可能なプロセスが存在するか,また,実際にそのプロセスが必 要なのか,について議論が行われている. そして,これまでに実施されてきた V&V の努力をこの体系に基づいて見直してみることで,今後 の課題を明らかにする. 検証(Verification) 妥当性確認(Validation) 要素モデル (材料特性)

全体系モデル (線形モデル)

全体系モデル (非線形モデル)

図1 想定される地震応答解析プログラムの V&V の体系 b)FLIP の 検証(Verification)と妥当性確認(Validation)の事例の整理 FLIP の V&V 事例のいくつかについて,図 1 の6つのカテゴリーに分類した.検討結果を図 2 に示 す. *関西大学社会安全学部・教授

(2)

①要素レベルの検証 ・要素シミュレーション(単調載荷など) ・分布力作用下のはり ・非線形要素応答 ・板曲げ要素の固有値解析 ・節点集中力下のはり ・履歴特性 ・トリリニアモデルの軸力依存性 ・杭周辺摩擦用非線形ばね ②要素レベルの妥当性確認 ・要素試験結果との比較 ・Kα効果 ③全体系の検証(線形) ・内圧を受ける中空円筒 (ただし,動的解析ではない) ・流体要素による動水圧評価 ・定常浸透流解析 ・定常加振応答解析 ・地震荷重をうける建屋・地盤連成系 ④全体系の妥当性確認(線形) ⑤全体系の検証(非線形) ・コンパイル方法の変更による動作確認 ・既存機能の動作確認 ⑥全体系の妥当性確認(非線形) ・各種の被災事例との比較 ・実験結果との比較 ・解析結果のばらつき検討 ・初期状態の確認 図 2 FLIP における V&V 事例の分類 3. 考 察 各種の要素を導入するたびに,その検証が行われるため,要素レベルの検証例は数多い.また,数 は少ないものの理論解や既往のプログラムとの比較により,線形レベルでは全体系の検証も実施さ れる.しかし,非線形挙動になると,比較対象として用いることのできるプログラムは同じモデル を用いた過去のバージョンのプログラムだけであり,検証は動作確認として過去のバージョンとの 整合性が確認されるにとどまる. 一方,妥当性の確認については,要素レベルでは,妥当性が担保されるように解析パラメータが 決まる手順となる.したがって,どの程度の妥当性の確認を要求するかについての判断は分かれる ものの,可能な範囲で妥当性が確認できるようにパラメータを定めているであろうと推察される. しかし,全体系の妥当性の確認については,例えば線形レベルの応答についての妥当性の確認プ ロセスは実施されていない.これは,対象とする問題が基本的に非線形の問題であって,線形の解 析を実施するのは妥当性確認ではなく検証として実施されているからではないかと考えられる.す なわち,比較対象として被災事例や無被災事例,実験結果を利用する場合は本質的に非線形の解析 とならざるを得ない.線形の解析については,理論解等との比較であるから,妥当性確認ではなく 検証の部類に含まれると考えられる. 4. 謝 辞 本検討は土木学会地震工学委員会「地盤・構造物の非線形地震応答解析法の妥当性確認/検証方法 の体系化に関する研究小委員会」の議論を参考にさせて頂きました.ここに記して謝意を表します.

参照

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