フランスにおける労働運動の
高揚 と団結権 論 の新展 開 :
1995年大 闘争 と労働組合の
代表権 能の位相
大 和 国 敢 太 < 目 次 > は じめ に (1)1995年 大 闘争 お よび1997年 「左 翼」政権登場 の歴 史的意義 と労働 組合 の課 題 :「複合 的危機 」 におけ る,労 働 組合 の代 表権 能 の再 生 と試練① 1995年大闘争の背景 :「
複合的危機」における労働運動の高揚
(a)「 国境 を超 えた危機 」:欧 州統合 ・「経 済の世 界化 」 との矛盾 (1)欧 州 統合 と労働 問題 はD 「 経済の世界化」 と団結権 (b)経 済的危機 (C)政 治的危機 (d)労 働組合運動の危機 :労働組合 の制度化の もとでの代表権能の動揺 (C)1995年大闘争の歴史的意義 と今 日的課題性② 1997年総選挙における 「
左翼」政権の登場の意義 と労働組合の課題
(a)欧 州レベルの意義
(b)1981年 の再 来 :「労働 組合 と政権 」 ドラマ第二幕 修)1995年 大 闘争 の展 開 と意義① 展 開過程の特徴
② 社 会保障改革問題 と労働組合
(a)制 度改革の理念をめ ぐる問題
(b)社 会保 障制度 と 「労働 組合 の制度化 」 僧)労 働 組合 の代 表権 能 をめ ぐる動 向 と課題
① 「労働組合の制度化」政策の動向
② 公 務員部門における労働組合の代表性問題
③ 労 働組合組織の再編と代表性問題
(a)SUDの 登 場 と代 表性 問題 (b)FN問 題 (C)労 働 審判所選挙 問題 (d)CGT大 会 (創立100周年 ) は じaめに 本稿 は,フ ランスにおけ る団結権論 の今 日的課題 の核 心 であ る 「労働 組合 の 代 表権 能 」 問題 の新 展 開 につ いて検 討 す る。筆 者 は,従 来 か ら,「労働 組合 の 制 度化 の も とでの労働 組合 (運動 )の 危機 と労働 組合 の代 表権 能 の動揺 」 とい 1 ) う視点か ら,現 代 フランスの団結権論 を分析 して きたが,こ こで改めて, この 問題 を取 りあげ るのは,1995年 末の大 闘争 を契機 として,「労働組合 の代表権 能」 をめ ぐって,新 たな問題性が出来 したことを重視す るか らである。1995年 は,労 働監督官制度創設そ して労働総 同盟設立100周年 であ り,企 業委員会制 度創立50年とい う歴史的画期 を亥Jむ年 とい う意味で,一 つの転機 であったが, それ以上 に,労 働組合の存在価値 と代表権能に関 して,深 刻 な問題状況に直面 していた。 その意味では,1995年 末大闘争の意義 は,「社会保障改革問題」の 枠 内に押 し止め られ るこ とはで きないのである。 さらに,1997年 6月 に,社 会党主導の 「左翼」政権が登場 したことによって, 「政党 と労働組合」 との関係 をめ ぐる問題が,再 び問われ ようとしていること は,「労働組合 の代表権能」問題 に無視 で きない影響 を及ぼす こ とが予見 され る。 1)大 和 国 (1995)245頁 。OWADA(1996)p.1.フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開i1995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 113
このように,1995年末の大聞争か ら1997年 「
左翼」政権登場 といった政治的
社会的事件 を背後に据えて,フ ランスにおける団結権論の焦眉の課題 を,「労
働組合の代表権能」問題の新展開 (再生 と試練)を 通 じて,分 析する。
まず,1995年大闘争 と1997年 「
左翼」政権登場 という歴史的事件における,
労働組合にとっての意義 と課題 を明らかにし,かかる一連の事態の進展を,「『
複
合的危機』における労働組合の代表権能の再生 と試練」 と措定する視″
点を検証
2 ) す る。 ( 1 ) 1 9 9 5 年大闘争 および1997年 「左翼」政権登場の歴史的意義 と労働組合の 課題 : 「複合的危機」 における,労 働組合の代表権能の再生 と試練① 1995年大闘争の背景 :「
複合的危機」における労働運動の高揚
ここでは,1995年 大 闘争 の意義 を,「 『複合 的危機 』におけ る労働運動 の高揚」 と位 置づ け,こ の大 闘争 の背景 であ り,同 時 に,そ れ を誘 引 した要 因 を 「四つ の複合 的危機 (「国境 を超 えた危機 」。経 済的危機 ・政治的危機 ・労働 組合 運動 の危機)」 として素描 す る。 (a)「 国境 を超 えた危機 」:欧 州統合 。「経 済の世 界化」 との矛盾 (i)欧 州 統合 と労働 問題 欧州統一労働 法典 の制定 を放棄 し,社 会政策 を第二義化 したマー ス トリヒ ト 条約 制定 以 降進展 して い る,通 貨統合 に象徴 され る経済的統合や 市場 原理 を最 優 先 させ る欧州統合政策 と,社 会政策 ・雇用 問題 を重視 す る社会 的正義 (公正) の理念 と政 策 との矛盾 が激 し くな って い るこ とが,「国境 を超 えた危機」 とし て,顕 在化 して い る。 それ は,経 済的欧州 (Europe 6conomique et mon6taire) に対抗 す る社会 的欧州 (Europe social)の理 念 の 中に,集 約 されてい る。た とえば,1997年 6月 のアムステル ダム での欧州連合 首脳会議 に向け, 4月 に タンジー ルか らの 出発 を皮切 りに組織 され た 「失業,雇 用不安,社 会 的分 断
2 ) 時 事 的問題 の事実経過 につ いては, 新 聞記事等に よったが, 個 々 の出所 の明示 は省略 した。
に反対す る欧州行進」は,「資本の欧州 ではな く,福 祉 の社会的欧州」 を要求 し,「資本の国際化 に対抗 し,運 動 を国際化 しよう。」 と呼びかけた。 この運動 の組織者会議 (2月 )で は,欧 州通貨統合 の基準が,「各国政府 によって不平 等 を進め る反社会 的措置の正 当化 に利用 されてい る」 こ とを批判 し,「マー ス トリヒ ト条約の 自由主義の欧州 ではな く,連 帯の欧州,貧 困や大量失業 とは相 容 れない市民の 自由,平 等,民 主の欧州 を望 む」 と指摘 していたのである。 ま た,ア ムステルダム音脳会議 に対抗 して開催 された市民団体 による 「対抗サ ミ ッ ト」の声明 も,欧 州通貨統合参加基準達成のための政策が,各 国で,社 会福 祉 の削減 を進めてい るこ とを批判 し,「財政的な基準の上 に築かれ る欧州 でな く,社 会的な基準 を高め ることを基礎 とす るもう一つの欧州」の建設 を求めた のであった。 しか し,こ の ような 「社会的欧州」 を要求す る運動の広が りを無視す るかの ように,ア ムステルダム条約 は,マ ー ス トリヒ ト条約の路線 を継承 して,通 貨 統合優先の途 を選択 したのであったが,こ こでは,「国境 を超 えた危機」 とし て,欧 州統合が労働者の利益 と権利 を犠牲にす ることに対す る,労 働運動の対 応が問われ るのである。特 に,欧 州次元での労働組合の連合組織 としての欧州 労連 (CES)の 果 たすべ き役割が重視 され るべ きであろ うが,CGTか らの加 盟 申請の一貫 した拒否問題 に見 られ るその 「代表権能」の普遍″性につ いて間わ れてい る。 位〕 「 経済の世界化」 と団結権 「経 済の世 界化」におけ る労働 問題 は,ILOや WTOが 問題 関心 を寄せ て きたが,こ こでは,よ り直載 に,「経済の世 界化」が団結権 の理念 とその基盤 を侵害す るものであることを指摘 しなければならない。国際 自由労運の年次報 告 は,世 界貿易の発展お よび,世 界市場 を確保す るために多国籍企業 と投資や 有利 な契約 を獲得 したい国の間での競争 は,世 界で,労 働組合権 の侵害 を増大 させ てい るこ とに警鐘 を鳴 らしている。そ して,「経済の世界化 に人間の顔 を 与 える」ための戦略 を確立す るこ とに努力 し,「経済的 ・財政的正 当性の優越 〕
に反対する。」ことを強調 しているのである。
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開i1995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 115 他 方,フ ランスの経済社会評議会 は,「世界経済下の,労 働 に対する人間の 基本的権利」 と題す る見解 を発表 した (1996年3月 )。そこでは,「ょり広範な 流通 と世界化 は,労 働 に対す る人権の発展 と調和 しなければならないが,市 場 の 自由な活動は,社 会進歩の方向に向かっていないとの認識にたって」,「基本 的社会権 の基盤は,発 展水準や社会文化的な伝統 とは無関係に,す べての国に よって承認 され ることができる。」 として,「世界における社会的条件 を調和す るこ とではな く,基 本的 な社会的権利の尊重 を保障す ることが課題 である。」 ふ遣告比贋う¥丁 蓄蒼ア 発化 と基本的社会的規範の間の関係 を強化する。」 こと この ように,欧 州次元あるいは国際次元での 「危機」が,労 働組合の存在理 由 と代表権能 を問い直す状況 を示 している。 (b)経 済的危機 国際的な動向 と軌 を一に して, さらに,欧 州 自由市場創出 。国際競争力強化 を大義名分 に,フ ランス経済政策の基本的路線は,規 制緩和 ・民営化の方向を 辿 りなが ら,社 会保障部 門の赤字解消策 を探 った。 しか し,こ うした 「経済的 危機」打開策が,フ ランス的制度や理念 との関係で,根 本的な位置づけを与え られなかったことが,更 なる 「制度的危機」 を招いたのであった。今回の社会 保 障制度 「改革」 では,合 理的な根拠の希薄な数字合わせが先行 し,そ れが, フランス的 自主管理型の社会保障制度 を変容 させ る必然性 を内包 していたこと に,特 に政府側 は無 自覚 であった。後述のように, 自主管理型社会保障制度は, 労働組合の制度化の理念 と政策に とって,核 たる地位 を占めてお り,財 政面を 通 じた社会保障制度の 「国家化」は,労 働組合の制度化 と相容れないものであ った。他方,公 企業の 「民営化」は,企 業形態 を変更するに とどまらず,当 然 3)1995年 に,労 働組合活動 を理由に,359人 の労働組合員が殺害 され,5,000人以上が逮捕 され,約 7,000人が解雇 された。Liaisons sOciales,N°12201 du 21juin 1996,p.3et N°12203 du 25juin 1996,p.3.
4)Liaisons sOciales,Doctlnlents,N°35/96 du ler avril 1996.
5 ) 国 鉄 ( S N C F ) 当 局 は,当 初,蒸 気機関車時代の機関士の停年 を延長するといった時代 錯誤的 な説明 をしていた。
の こ となが ら,労 使 関係 に重大 な影響 を及ぼ し,労 働 組合 の地位 お よび役割 そ して労働 者 の処 遇 の変動 (しか も,重 要 な こ とは,そ の こ とを明確 に しない ま ま)を 避 けが たい もの とす る性格 を有 していた。 こ うして,「経済的危機」の内容 のみな らずその打開策が,労 働組合 の存立 基盤その もの を直撃す ることにな り,そ こに,今 回の大闘争において,労 働組 合 の役割 と比重が大 き くならざるをえない要 因があ り,そ の性格 を特徴づ け る こ とになったのである。 (C)政 治的危機 1995年 5月 の シラク大統領 の登場以降,「政治 と社会 の乖離」が指摘 されて い る。「右」へ投錨 した保守主導の 「フランス政治」 と,左 翼の運動が広が り, 「左」に傾斜す る 「フランス社会」の相反的な二極化 を意味す る。そこでは, 政党の代表性 と労働組合の代表性の相克が見 られ るとともに,労 働組合の 「政 治的役割」が増大す る。 そこか ら,一 部 で1968年の再来 を予期 させ た今 回の大 闘争の性格 をめ ぐって,「政治的回答か社会的交渉か」の問題提起がなされ,「政 0 治 闘争 ではない」 との評イ面が生 まれ るの で あ る。 1997年6月 の 「左翼」政権登場 は,呆 た して,こ の 「政治的危機」 を解消す るのか,そ して,労 働組合 に対 して, どの ような課題 を与えることになるのか, 新 たな問題 である。 (d)労 働組合運動 の危機 :労働組合 の制度化 の もとでの代表権能の動揺 フランス労働運動は,こ の10年来,1988年 の看護婦闘争や1993年のエー ル ・ フランス争議 とい う労働運動史に名 を刻 まれ るべ き大闘争 を経験 して きたが, いずれ も,「労働組合不在の運動」であった。「労働組合の制度化の もとでの代 表権能の動揺」の例証 とされて きた。他方,看 護婦や運航・客室乗務員 といっ 6 ) 「 今 回の罷業は, 政 治的ではない。 それ を開始 したのは, P C で はない し, そ れ を継続 させ たのは, P S で はないか らである。政府 を倒す こ とも, 多 数派 を転覆す るこ とも問題 になっていないか らであ る。実際には, 大 統領選挙以降, 強 ま りこそすれ緩和 されていな い, 危 機 の閉塞状況への抗議 である。」( A l a i n D U H A M E L , L e M o n d e d u 5 d ёc e m b r e 1 9 9 5 , p . 1 5 . )
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開11995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 117 た職 能 的利 益 を擁 護 す る組 織体 (調整 委 員 会 や 職 種 別 労働 組合 )の 運 動 と,伝 統 的 な総 同盟 加 盟 方 式 の 「代 表 的 労 働 組 合 」 組 織 の代 表 権 能 との 間 の車L礫 も無 の 視 で きな くな って いた。最近 の職種 的利益 の強調傾 向は,労 働 組合員 の利益擁 護 の路 線 を重視 し,「一般 利益 の擁護 」 を旗 印 とす る伝 統 的 な労働 運動 の論理 との鯉解 を来 たす ものにな ってい る。 この よ うな労働 運動 と労働 組合 をめ ぐる 状 況 の 中で,労 働 組合 の組織 的力量 と動員 力の低 下 が共通 の認識 にな っていた だけ に,1995年 の大 闘争 の評4面と教 訓 に注 目され る ところであ る。 ( e ) 1 9 9 5 年 大 闘争 の歴 史的意義 と今 日的課題性 この ような 「複合的危機」に包囲 されなが らの1995年の労働運動の高揚は, その量的な規模 に注 目す るだけではな く,そ の質的な評イ面,そ の歴史的意義 を 付与 されなければな らない。本稿 では,「労働組合 の代表権能の復権 と動揺」 として位置づけ,そ の制度 。政策 ・運動の面での動向について,後 述す るが, ここでは,1995年 の大闘争 を通 じて浮 き彫 りにされた団結権論の諸様相 を簡単 にふれ る。 まず,従 来の 「労働組合 の制度化」論は, ミ リタンティスム と背反的な志向 性 を与 え られたが,今 回の大衆的運動 は,「 ミリタンティスムの制度化」 とい う位置づ け を与 えるこ とに よ り,「労働組合 の制度化」の中に ミリタンティス ム を組み込む論理 を生み出 している。 また,労 働運動の理念 をめ ぐって,「異 議 申し立て路線」 と 「社会改革路線」 とい う対極的な立場が先鋭化 したことも 重要 であろ う。 その背景 には,前 述の職種 的利益 の問題 に も通 じるが,「階級 的同一性」に立脚す るか,あ るいは 「職業的同一性」 を重視す るのか とい う選 択肢 を突 きつけ られているのである。 他方,大 衆的運動は,組 合民主主義に関わる問題 を押 し出す ことになった。 た とえば,争 議の決定過程 におけ る 「秘密投票」,争 議終結 ・労働再開に関す 7)パ イロッ トや客室乗務員の職種別労働組合 は,エ ール ・フランスに支部 を設立 している CGT,FO,CFDTな どの総 同盟加盟 の労働組合 との競合関係 に直面 してい る。「職種別 労働組合 の信頼性 その ものが,問 い直 されている」 (パイロッ ト労働組合議長)。Le Monde du 29 novembre 1995,p.19.
る 「全 員投票」 の問題 であ る。 今 回の大 闘争 を通 じて,争 議 は,基 本 的 に は,「交渉 を開始 す るため の手段 」 と位 置づ け られ た こ とは,そ の後,争 議規制や交渉制度 に関す る立法構 想 ・政 策提起 に運 な った。 また,争 議行為 は,「 異議 申 し立 ての権 利」 として,「表現 の 自由」 の カテ ゴ リー の 中で捉 え られ る傾 向にあ ったが,こ れは,フ ランスに 8 )
おける団結権の生成における 「
表現の自由」の契機の重要性を再認識させた。
このように,団 結権論に関わ り,多 様な論点 も派生 したが,本 稿では,「労
働 働 組合 の代 表権 能 の再 生 (復権 )と 試練 (動揺)」 の動 向 として,検 証す る。② 1997年総選挙における 「
左翼」政権の登場の意義と労働組合の課題
(a)欧 州 レベ ルの意義 先 に述べ た 「政 治 と社 会 の乖離 」 は,1997年 6月 の国民議会選挙 での社会党 の大勝 と,社 会 党主導 の 「左翼 」政権 の誕生 に よって,新 たな様相 を示 してい るが,労 働 組合 に も新 たな試練 を投 げかけ た。 フ ランスにおけ る 「左 翼」政権登場 に先立 って,イ ギ リスでは,労 働 党 が政 権 に復 帰 した。 その結果,欧 州連合 の15カ国の うち, ド イツ とスペ インを除 く 13カ国 で,社 会 民主主義政党乃至左 派政党 が政権 に参加す るこ とになった。 ジ ャー ナ リズム の一部 に は,こ うした現象 を,欧 州統一 の過程 での市場経済万能 論や マ ネ タ リズム に反撥 す る 「欧州左 裏 」 の攻勢 と捉 え,積 極 的 な評価 を与 え る潮 流 もあ る。 しか し,そ の後 開催 され た第 3回 欧州社会 民主党大会 (1997.6, 8)争 議権の理念である 「社会的人間 として存在する自由」については,大 和田 (1995)128 頁参照。 9)本 稿の中で 「規制緩和 ・民営化路線 と団結権」問題 を扱 う予定だったが、紙幅上、その 主たる項 目のみを列挙 してお く。 ① エ ール ・フランス民営化問題 と労働問題 (a)企 業形態の変更 と労働者 ・労働組合の地位 (b)非 公務貝化 と罷業規制 (1963年法の適用問題) ② 労 働法制再編 と労働法理論 (労働法の 「危機」、弾力化 ・柔軟化 と労働法典の 「掃除」 による労使 自治の 「復権」論 と交渉制度の見直 し) ③ 公 役務論 (継続性論 ・最少業務確保論)と 罷業権規制立法 ・企業内労働組合活動規制フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開:1995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 119 マ ル モ)で は,イ ギ リスの政策 に変更が な く,他 国 との食い違 いが改めて確 認 され た。現状 では,「欧州左翼」 が一 つ の改革 的 な潮 流 として存在感 を持 つ に は至 って ないが,労 働 組合 と政権 との関係 につ いての今後の動 向に注 目され る。 (b)1981年 の再 来 :「労働 組合 と政権 」 ドラマ第二幕 特 に,フ ランスでは,1981年 樹 立 の ミッテ ラン政権 の もとで,「労働 組合 の 危機 」 が加 速度 的 に進行 し,「左 翼」政権 の も とでの労働 組合 の あ り方 につ い て,深 刻 な反省 を迫 った。 当時,労 働 組合組織 は,「左翼」政権 に対 して,「武 装 解 除」 して しまい,「待 機 主義」 に陥 った こ とが,そ の原 因の最 た る もの で あ った。
そのような 「
教訓」 もあって,1997年の選挙後の状況は,1981年の時よりも,
緊張感が漂 ってお り,「社会的圧力」の継続が呼びかけられた り,あ るいは (国
民議会選挙の二回投票制に次 ぐ)「社会的第二回戦 (3e tour social)」
という表
現での,政 府に対する公約実現のための運動強化が図られている。
いずれにせ よ,「左翼」政権のもとにおける 「労働組合 と政党 ・政権の関係」
をめ ぐる問題が,改 めて間われることにな り,「労働組合の代表権能」の再生
の方向に向か うのか,あ るいは 「三度 目は茶番」 となることはないのか,今 後
の動向に注目されよう。
(2)1995年大闘争の展開と意義
① 展 開過程の特徴
<1995年大闘争の展開 > 9月 20日 1996年 度予算法案,閣 議 で決定。各種租税 ・保険料負担の増大。 10月10日 1990年 以来の,公 務員の総罷業,大 規模 に実施。 10月16日 保 健大 臣,入 院費用 日額 を55フランか ら70フランヘの引 き上げ発表。 10)1980年代初頭 もてはや された 「地中海社会主義」における労働組合の課題性が再び間わ れている。その点で,ノ タCFDT書 記長は 「欧州連合加盟国の大部分において左翼が権 力の座 についていることが 『より社会的なヨーロッパの保障』であると信 じることは,重 大な誤 りであろう。」 (Liaisons sOciales,N°12438 du ll juin 1997,p.3.)と,教 訓を生か そ うとする。10月25日 運 転労働者,国 家一国鉄 「計画契約」案に反対 し,罷 業に入 る。大学への1200万 フランの臨時予算 を要求 して 2週 間罷業に入 っている学生に 占拠 されているルー ア ン学区 を,警 察排除。 11月15日 首 相,社 会保 障改革 (ジュペ案)発 表 :社 会 的負債 返済税 (RDS)が ,13年 間, 0,5%で 創設 され る。退職者 も課税 され,失 業者は,最 低賃金 を超 える分 は補償 され るが,疾 病保 険料 は, 2年 間で,1,4%か ら3,8%へ 増加。 11月17日 教 育相,大 学 に対す る追加 的 な 1億 5000万フランお よび200ポス トの即時の実現 を表明。 国鉄 当局 ・政府 は,国 家 と企業の間の 「計画契約」 を提 出。 11月19日 大 蔵大臣,所 得税 を負担す る賃労働者に対す る20%の 減税が廃止 され ることを言 明 (12月5日 ,首 相 は拒否)。 11月21日 全 国統一行動 日。10万人以上の学生 ・高校生がデモ。 11月24日 FOを 除 いた公務 員連盟 の統一行動。CGTの 職際的罷業が,国 鉄 で大規模 に展 開 し,交 通関係 は,全 国的に麻痺状態。歴 史的争議が始 まる。 11月28日 1947年 の分裂 以来初 め て,CGTお よび FOの 書記長が並 んでデ モ。罷業 がパ リ 交通公 団に広が る。FOの 呼 びかけ た罷業 で,汽 車 は全面的に運行 中止。 11月30日 国 鉄 ・パ リ交通公団で,麻 痺が全面的になる。郵便お よび電気・ガスが罷業に加 わ る。16万人がデモ。学生全 国統一行動。 12月 1日 パ リを中心に,交 通機関の全面ス トップ状態。郵便 も遅滞気味。 12月 3日 大 学への最終案が要求 に部分的に満足与 える。CGT大 会始 まる。 12月 5日 CGTの 呼 びかけに よる,全 国統一行動。罷業が,学 校教育で始 ま り,数 十万が デモ。政府は,パ リ市内の代替交通手段 も確保 しなが ら,持 久戦の構 え。首相の 国民へ の呼 びかけ。政府側 と,CGT・ FO側 の我慢 くらべ の様相。
12月 7日 CGT・ FO・ FEN・ FSUの 呼びかけに よ り,約 100万人が ジュペ案 に反対 し全 国 統一行動,学 生の統一行動 も催 される。政府は交渉 自体は拒否 しているが,調 停 官 を任命 し,話 し合 いの糸 口を探 る。 12月 9日 労 働大臣 と,労 働組合側 の協議 とい う形式の交渉が開始 され る。国鉄 では,調 停 官が任命 され話 し合 いが始 まる。CGT大 会が終 わ り,動 きが 出て きた。 12月10日 首 相の会見があ り,交 渉 を行 うこ と,社 会保障改革実施に関す るオル ドナ ンスの 施行延期,特 別退職制度検討 の特別委員会 の停 止,国 鉄 「計画契約」署名延期 な どを表明,明 日,労 働組合側 との トップ会談 を行 うことを受諾。 山場 を迎 える。 12月11日 政 労交渉が,CGTを 皮切 りに始 まる。使用者側 の 2団 体 を含め 8団 体 が,首 相 との交渉 に 「招待」 され たが,労 働組合側 に, 5大 中央組 織 とともに,UNSA が含 まれ る。 夕方,首 相 は,雇 用 ・労働条件 問題全般 に関わ る「社会サ ミッ ト」の設置 と来週 か らの そ こでの交渉 の開始 を言明。CGT・ CFDTは ,評 価 しつつ も, きび しい 姿勢 を崩 さない。 12月12日 全 国統一行動,全 国で200万人規模 の参加。 ヴィアネ CGT書 記長 もブ ロンデル FO書 記長 も強気 になる。エール ・フランスの前例 があ るので,安 易 に妥協策 を 出せ ない。政府 は,国 鉄 問題 では,完 全 に譲歩 したが,労 働 者側 の運動 の 「質」
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開 i1995年大聞争と労働組合の代表権能の位相 121 に気づ くのが遅す ぎた。 12月14日 罷 業の方は,今 朝, メ トロの 7番 線の ゴブランと終点近 くの区問動 く。国鉄 も, ヴァランス,ナ ンシー な どで,労 働再開の決議がなされている。 ブロンデル書記 長 は,ノ エル を平穏 に過 ごしたいので,21日 の トップ交渉 を直ちに行 うように主 張。 ヴィアネ書記長の方 は,「要求の拡大」 を言明。CNPFは , ト ップ交渉 を, 1月 15日に延期 を主張。 12月15日 北 部 など,一 部の汽車が動 き出す。 リ ー ル ・ロワ ッシィ間の TGVが 再 開。 メ ト ロ も, 1・ 4・ 7号 線が運転。INFOは ,組 合幹部は,土 曜 日の統一行動 日以降, 大規模 な動員 は困難 と考 えていると伝 える。大勢は,労 働再開に向か う。 ル ・マ ンの全員集会 では,労 働再 開 を決めた後,当 局側に鍵の束 を渡す (車両 占 拠戦術)。国鉄総裁辞任 が引 き金 となる。明 日,パ リー リヨン間 6往 復 運行予定。 全面正常化 には, 1週 間かか るようだ。 12月18日 鉄 道は,マ ルセイユや トゥルー ズなど南部 で罷業が続いているが,全 国的に,労 働再 開。 しか し,TGVや 幹線 は,50%位 の運行。パ リ地域 は,全 面正常化 まで, 運賃無料。 12月21日 政 労使 トップ交渉。パ リ地域 メ トロ ・バ ス ・RER,無 料運行 (22日まで)。 1 9 9 5 年 大 闘 争 の 展 開 過 程 を ま とめ た もの は ,上 記 の とお りで あ る。 運 動 の 課 題 に つ い て は , 次 項 で ふ れ , 運 動 の 主 体 に 関 す る 問 題 に つ い て み て お く。 一時期,大 学生の教育要求に関する運動 も合流するが,1968年 のような重要 な比重 を占めなかった。 その意味では,労 働運動の枠 内での運動であ り,国 鉄 労働者特に運転関係部 門の労働者が,運 動の主たる担い手 とな り,そ れに,郵 使,電 気 。ガスなど,公 共企業部 門の労働者が参加 した。規模 と質の面で,1968 年 に比類す るもの と評イ面されなが ら,実 質的には,公 共企業部 門の労働者の運 動の高揚であったが,で は, この部 門において,こ のような運動が生 まれ る条 件 は何 であったのか,間 われ ることになる。 今一つの特徴 は,前 述 したように,労 働組合 の果 た した役割についてである。 それは,二 重の意味があ り,一 方では,闘 争の組織化 と展開過程,さ らに終結 の局面において,労 働組合組織, と りわけ,中 央総同盟組織が主導性 を発揮 し, 積極的な役割 を呆 た し,伝 統的な闘争類型における労働組合の存在意義 を再確 11)Glrard ADAM(1996)は ,「労働組合 の制度化」 「制度化」の恩 恵による運動 (その枠 内での動員力)と NOT(1996),p.1l et suiv. が最 も進んだ公共企業部門における, して分析する。 V.,Jean_Marie PER―
認 させ た こ とであ る。 これ は,CGTと FOに 与 え られ るべ き評価 であ る。 他 方,CFDTは ,今 回の大 闘争 に お い て,対 照 的 な立場 を採 った。政 府 の 社会保 障改革 に賛成 の立場 を明 らか にす るだけ ではな く,政 府 との協調路線 に よる 「政 策実現」 とい う労働 運動路線 を明確 に し,労 働 運動 の二極化 が顕在化 したの で あ った。CFDTの 問題 提 起 の根 底 に は,労 働 組合 と政 党 との関係, その相 互 の代 表性 をめ ぐる相 克 とい った問題 が横 たわ って い るが,1988年 (第 41回大会 )以 来 の CFDTの 路 線転換 の帰結 で もあ る。 この立場 は,「労働 組合 の制度化 」 の 中の新 たな動 向 として捉 え るこ とが で きるが,同 時 に,反 対派の 脱退 。新 組 織 (SUD)の 設立 と して,「労働 組合 の代 表性 」 問題 に新 たな論議 を投 げか け るこ とに もな った。
② 社 会保障改革問題と労働組合
(a)制 度 改革 の理 念 をめ ぐる問題 今 回問題 とな った社 会保 障改革 の発端 は,医 療保 険の 「赤字」対策 であ り, その具体 化 が,国 民 に負担増 を強 い る もの であ ったか らこそ,歴 史的 な運動 に よる反撃 を呼 び起 こ したのだが, こ こでは,議 会 に よる社会保 障財政 の統制 間 題 に着 目す る。 それ は,フ ランスの社会保 障制度 の理 念 に関 わ り,そ こにおけ る労働 組合 の地位 と役 割 に とって も重要 な問題 で もあ る。 フ ランスの社会保 障 制 度 の伝 統 的 な理 念 は, 自主管理 であ り,そ の管理運営 に労働 組合 が参加 す る こ とが,「労働 組合 の制 度化 」 の核 をなす要素 とな って いたか らであ る。 フ ラ ンスの社会保 障制度 は,ア メ リカ的 な私保 険 中心 の民営制度 で もな く,イ ギ リ ス的 な国営制度 で もない,労 使 の 自主管理制 度 であ り,国 家 は,直 接介入 しな い仕組 み であ る。 ところが,社 会保 障財政 の均衡 を監視 す るため の議会 の権 限は,こ の よ うな 12)ノ タ書記長は,「労働組合組織は,政 府の同盟者 としてあるいは敵対者 として登場す る 任務 を有 しているのではない。 それは,政 党の役割 であ り,労 働組合 の役割 ではない。」 と述べ る (La Croix,N°34264 du 21 novembre 1995,pp.4 et 5.)。他方,社 会党 は,今 回 の運動 は,労 働組合 と政府の間の問題だ として,発 言 を自制 した。フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開11995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 123 フ ラ ンス的 な理 念 と制 度 に重 大 な影 響 を及 ぼ さ ざ る をえ なか っ た し, そ の こ と が,労 働組合の参加制度 とい う形での 「労働組合 の制度化」 を済 し崩 し的に変 質 させ る恐れが あった。 ここに,CGTや FOの 中央組織が,社 会保 障の 「国 家化」 を批判 しなが ら,最 も懸念 を抱いた問題があった。 (b)社 会保障制度 と 「労働組合 の制度化」 「自主管理型」社会保障制度が,「労働組合の制度化」 と結合 しなが ら,「労 使共 同」によって運営 され る場合 には,国 家 との関係 において,「自立 (自律)」 が機能 し,そ こに 「連帯」の基盤が形成 されて きた。 ここでは,「階級闘争的 な対決型労働組合運動」は,「労働組合 の制度化」の中に吸収 されていた。 し か し,国 家が,財 政面での統制 を梃子に,「 自主管理型」社会保障制度の中に 介入 して くると,「 自立」の条件が脅か され るこ とにな り,労 働組合 と国家 と の緊張関係が生 じざるをえず,「階級闘争的な対決型労働組合運動」の存在理 由が高 まって くる。 この こ とを,端 的に示 したのが,FO内 におけ る 「社会保 障金庫」議長立候補問題 の推移 である。 FOは ,1967年 以来,「全 国医療保 険金庫 (CNAM)」 の議長職 を 占め,全 国129の地域金庫 につ いて も,79金 庫 で議長 となっていた。 ところが,今 回の 社会保障改革反対 闘争 を経 て,1996年 7月 の改選 を前に,FO内 部 で,政 府の 社会保障改革に反対す る立場か ら,議 長職 を継続できるものではな く,再 立候 補すべ きではない との意見が強力に主張 された。 しか も,今 回の社会保障改革 に賛成 した CFDTが ,そ の議長職 を獲得す る意図 を明 らかにす るとい う状況 の 中で,FOは ,議 長職 の立候補 を断念せ ざるをえな くなった。結局,「労使 協調」の継続 を確認 した使用者団体 (CNPF)お よび三労働組合 中央組織 (CFDT ・CFE‐CGC・ CFTC)の 間の合意によ り,医 療保 険 も含めた社会保障諸機構 の議長職が配分 された。 以上 の経過 は,FO内 部 での,「階級闘争的 な対決型労働組合運動」 を過大 に誇張 して指導理念 とす る特定の派閥勢力の伸張の結果 もたらされた側面 も否 定 で きないが,そ のような潮流は,従 来は,社 会保障制度における 「労働組合 の制度化」の枠の中に収 まることができたに も拘 らず,今 回の社会保障改革の
方 向性 とは もはや相容 れ な くな った ところに,1995年 大 闘争 におけ る労働 組合 の積極 的役 割 の発揮 とその存在 意義 の増大 の根底 的 な要 因 を見 るこ とが で きる。 同時 に,「制 度 型労働 組合 運動 」 と 「対決 型労働 組合 運動」 との関係 が,明 確 に な り,二 極 的 に位 置づ け られ るこ とに なった こ とは,果 た して,社 会保 障の 分 野 に特有 な もの として限定 され るべ きなのか,あ るいは,一 般化 されてい く のか,そ して,そ こにおいて,職 種 的利益擁護 の運動 の相対 的 な比重が高 まっ て い るこ とを視 野 に入れ るこ ととも併せ て,今 後 引 き続 き検 討 され なければ な らないで あ ろ う。 (3)労 働組合の代表権能 をめ ぐる動向 と課題 本節では,1995年 大闘争 を経て,1997年 の 「左翼」政権の登場 とい う社会経 済情勢のなかで問題 となった 「労働組合の代表権能」 をめ ぐる動向 と課題 をと りあげ る。 ① 「 労働組合 の制度化」政策の動 向 近年,「労働組合 の代表権能」に加 え られている重大 な制約の一事例 として, 「全員投票」問題があるが,そ の系譜に属す るもの として,「国民投票」に関 す る憲法改正 (1995年8月 4日 )が 挙 げ られ る。「国民投票」の対象範囲 を拡 大す るとして,「国の経済あるいは社会政策お よびそれに寄与す る公役務 に関 す る改革」法案が追加 された。審議の過程 では,「雇用,労 働法 ・社会保 障 ・ 健康政策の全般的方針」が対象 に入 るとされたが,「公役務 におけ る罷業権」 問題 は,排 除されていた。いずれにせ よ,労 働者の基本的な権利や労働条件の あ り方の決定において,労 働組合の 「頭越 し」に,国 民の 「支持」 を取 り付け る手法 は,「労働組合 の制度化」政策の中で,微 妙 な問題″点をは らんでいる。 関連 して,企 業 レベ ルの 「従業員の全員投票」については,下 記の1996年11月 12日法に関す る労働省指針が,一 般化傾 向に歯止め を掛け ようとしている。 13)「DS不 在 の企業 におけ る集 団交渉の促進 につ いての労働省 (労働 関係局)指 針」は, /
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開:1995年大聞争と労働組合の代表権能の位相 125 この1996年11月12日法 は,「 団体 交渉 の促 進」 を 目的 に した もの で,企 業 内 労働 組合代 表 (DS)不 在 の企業 にお け る交渉 に関す る1995年10月31日 の全 国 協約 を立法化 した条 項 を含 ん でい るが,「労働 組合 の交渉独 占を危 う くし,平 等 の原則 を破棄 す る」 として,憲 法院 に提 訴 もされていたが,企 業 内での 「労 働 組合 の代 表権 能」 の低 下 が著 しいだけに,全 般 的 な 「労働組合 の制度化」政 策 の,企 業 レベ ル での適用 の 困難 な状 況 を物語 る もので もあ る。 他 に,公 務 員 の分 野 での労働 組合 の代 表性 に関す る1996年平月16日法があ る が,次 項 でふれ る。 15) 判夕Jの動向では,労 働組合の定義,労 働組合 の代表性についての判決に注 目 され るとともに,企 業 内労働組合支部の認定に関 して,判 断が分かれなが らも, 独 自的組織性 を緩やかに認め る傾 向にある。 ヽいかな る法律条項 も,従 業員代表者のいない企業 におけ る全員投票の方法 を活用す ること を,法 律 によ り限定的に定め られている分野 (利益参加 ・退職手当)を 除いて,認 めてい なしヽとfる 。 Liaisons sociales,L亀豪slatiOn sociale,N°761l du 17 fttrier 1997,p.2.もっ とも,ル ノー ・ヴィルヴォル ドエ場 の閉鎖問題が,結 局 「従業員の全員投票」で決着 をみ たこ とは,こ の 「手法」が今後活用 され る傾 向 を示唆 している。 14)1995年 10月31日協約 は,「企業 内労働組合支部が存在 しているか いないかで,賃 労働者 お よび企業 間に生 じる不平等 を是正す る」 として,一 定 の条件 の もとで,DS(企 業 内労 働組合代表)のいない企業内におけ る集団協定の交渉 と締結 を可能 とす る。破毀院は,1995 年 1月 25日の二判決において,DSを 持つ法定要件 を充 たさない企業 においては,代 表的 労働組合 か ら委任 を受けた賃労働者が,真 正 に,交 渉 をし,企 業協定 を締結す ることがで きる と判決 を下 していたが,全 国協定 では,DSを 持 たない企業 において,将 来の企業協 定 とな りうる条項について,使 用者は,以 下 と交渉す るこ とがで きると定めた。 一一複数の代表的労働組合組織か ら,特 定の交渉について明示的に委任 を受けた企業の一 あ るいは複数の賃労働者 (被選 出役職 の有無 を問わず) 一一労働組合か ら任命 されたのではない,従 業員の代表者 (DPiCE)こ の場合 には,法 的に集団協定の下位 にあ り,分 野別協定 によ り限定的に定義 された特定の問題 に関す るも のであ る。 Liaisons sOciales,Lttislation sociale,N°7354 du 9 novembre 1995.
15)「労働法典第 L411-2条 に よれば,同 一の職業,類 似の職業 あるいは関連す る職業 に従 事す る者が,労 働組合 を自由に設立す るこ とがで きる。規約に 『その労働 の種類あるいは 産業分 野 を問わず,す べ ての賃労働者』が加入す ることがで きると定めている結社 (asso― ciation)は,労 働組合 とみなされえない。」(Soc.,8 octobre 1996,Liaisons sOciales,Juris‐ prudence,N°7540 du 28 octobre 1996,p.2.)
② 公 務員部 門におけ る労働組合 の代表性 問題 FENの 分裂 に端 を発 す る公務 員部 門の労働 組合 の代 表性 認定 問題 は, UNSAの 代表性認定 (1994年),1995年 1月 10日デ クレによる国家公務員制度 審議会委員選 出基準の改正 を具体化 したが,問題″点が残 っていた。一つは,FSU の代表性認定問題 である。FSUは ,基 本的に教員の 「職種別労働組合」であ るために,「職際的」 とい う性格 を否認 され,「代表的労働組合」の資格 を認め られなか った こ とであ る。 しか も,FSUが ,国 家公務員分 野の諸機構 におけ る労働組合 の議席数確定 の基準 とな る国家公務員労使合 同委員会選挙 (1996 年)で ,最 大の得票率 を獲得す るに至 り,不 合理性が ます ます明確 になって き た。 この問題 は,既 存の労働組合の代表制度への新規参入の困難性 を物語 ると ともに,フ ランスの労働組合組織の伝統的組織構造が,連 盟的組織による 「職 際的」横 断組織 を原則 としてお り,「職種別労働組合」は,副 次的な位 置づ け しか与 えられてこなかったことが,矛 盾 を増幅 させ たのである。1995年デ クレ 16)「原審が,(全 国的労働組合 中央組織に加盟 していない)労 働組合 の組合員数の少ないこ とは,十 分 な活動 と規模 に よ り補 われ るものではない と考 え,こ の労働組合 は,企 業 内で 代表的 ではない と決定 したこ とは,正 当であ る。」(Soc.,25juin 1996,Liaisons sociales,Jぃ risprudence,N°7492 du 9juillet 1996,p.2.)「企業 内におけ る労働組合活動,十 分 な数の 組合員 (その組合 費が使用者 に対す る労働組合 の独立性 を確保す ることを可能 とす る)の 存在 を摘示 した原審 は,こ の労働組合 が,当 該企業 内で代表的であ る と決定す るこ とがで きる。」(Soc。,8janvier 1997,Liaisons sociales,JuriSprudence,トド7590 du 17janvier 1997, p.2.)な お,FOは ,DS任 命 の ため の法定数 (50名)を 廃 止 して,企 業 内におけ る労働 組合 の存在の強化 お よび,単 一従業員代表制度 を創設 した1993年12月20日法の規定の廃止
を要求 してい る (Liaisons sociales,N°12452 du lerjuillet 1997,p.3.)。
17)「賃金交渉が,労 働法典 (第L13227条 以下)を 適用 して行 われた とい う事実,労 働組 合が企業委員会選挙 に候補者 を推薦 した とい う事実,任 命 された DSが 他 の労働 組合員 を 引 き継 いだ事実,こ れ らの状況全体 か ら,こ の労働組合 の少 な くとも 2名 の組合員の存在 を推定す るこ とがで き,労 働組合支部 の存在 は,推 測 され るこ とがで きる。」(Crim.,5 dO, cembre 1995,Liaisons sociales,」uriSprudence,N° 7417 du 19 fttrier 1996,p.2.)「代表的 労働 組合 が,労 働 法典 (第 L412-11条 )に よって,少 な くとも50人の賃労働 者 を雇用す る企業 において DSを 任命す る場合 には,労 働組合支部 の存在 は,そ の任命の事実 のみに よって,立 証 され る。」 (Soc.,27 mai 1997,Liaisons sociales,N°12431 du 2juin 1997,p。1 et JuriSprudence,N°7683 du 9juin 1997,p.1.)この判決は,「企業 内への労働組合組織の 定着 に とっての前進」 として,労 働組合組織か ら歓迎 された。
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開!1995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 127 が,「職際的」組織 を優遇 した うえで,「職種別」組織にも議席配分 を可能 とす る基準 を設けたが,FSUの 組織的力量の増大 は,「職種別」組織 を,「代表的 労働組合」か ら排除す る 「代表性原則」 自体 の修正 を迫 ることになった。 他方,CFDTの 路線問題 に も絡んで,後 述の SUD`などの独立系の労働組合 組織の新規設立が相次 ぎ,「労働組合 の細分化」傾 向が現われたことに関連 し て,問 題が派生 した。 フランスの労働組合法制 は, も ともと,「複数主義」の 理念 を原則に していることによって,あ らゆる労働組合 に対す る 「平等主義」 を要請す るが,「代表的労働組合」制度 (「労働組合 の代表性」の認定)は ,「労 働組合の制度化」政策 とも相侯 って,一 部の労働組合組織にのみ,労 働協約締 結権や公的機 関での議席獲得 な どの特権 を享受 させ て きたのであった。「複数 主義」が もた らしうる 「労働組合 の細分化」現象 と,「代表的労働組合」制度 を調和 させ る試みが,企 業委員会や従業員代表の選挙 におけ る,(第 一 回投票 には,「代表的労働組合」にのみ候補者推薦 を認め る)二 回投票制 であった。 かか る状況において,FSUの 訴 えを受 けた コンセ イユ ・デ タは,労 使合 同 委員会選挙 での得票結果に基づ きなが ら,FSUを ,「最 も代表的 な,賃 労働者 の職業的組織」 と認め,そ の 「代 表性」 を承認 した (1996年1月 31日)。この 結果,職 種別労働組合 を不利に扱 う1995年デ クレによる議席配分原則や社会経 済評議会か らの FSUの 排除 をもた らす国家公務員部 門の労働組合 の代表制度 の抜本的改革が必要 とされたのであった。 こうして,1996年 12月16日法が,企 業委員会や従業員代表の選挙制度に倣 って,二 回投票制 を導入す ることになっ た。 また,「代表性」の認定について も,「職際性」要件 を放棄 し,直 近の労使 合 同委員会選挙 での得票率 に基づ くもの とした。 18)第 一回投票に推薦候補者を提出できる「代表的労働組合」の代表性基準は,①(国家・地方・ 病院の)各公務員制度審議会に少な くとも1議席 を有す る,②直近の労使合同委員会選挙で 10%,各 公務員部門で 2%の 得票率 を獲得する,で あ り,こ の基準を満たす労働組合連合 体に加盟す る労働組合組織および労働法典の基準にしたがって,代 表性 を立証する労働組 合組織は,代 表″性を認定 される。Loi N°96 1093 du 16 dёcembre 1996,J.0.du 17 dlcem― bre 1996,p.18512 et D6cret N°97-40 du 20janvier 1997,J.0.du 21janvier 1997,p.1035.
③ 労 働組合組織の再編 と代表性 問題 これ まで もふれて きたが,既 存の 「代表的労働組合」に属 しない新 しい労働 組合組織が登場す るとともに,そ の代表性の認定や労働組合性の承認 をめ ぐっ て,問 題が噴出す るこ とになる。その典型的事例 を,SUD問 題 とFN問 題 に み る。 (a)SUDの 登場 と代表性問題 CFDTの 路線変更 に反対 して,脱 退 した労働 組合組織や 活動家が 中心とな って,SUDを 設立 し,1995年 大闘争 を通 じて,影 響 力 を広げてい く。 また, 職業選挙 に も候補者 を出 し,一 定の影響力 を確保す る。 それに伴 って,そ の代 表性の認定 をめ ぐる紛争が,続 出す るこ とになる。特 に,国 鉄においては,全 国的 なレベ ルでの代表性 の承認 は実現す るに至 っていないが,地 方 レベルでは, 広範囲にわたつて,SUDの 代表性が認め られてい る。SUDは ,運 動 の蓄積 と 職業選挙 での実績の確保 を背景 に してい るが,既 存の 「代表的労働組合」の既 得権や既成の陣地 を脅かす ところまでは行 っていない とい う事情 もあ り,SUD の代表性問題 は,基 本的には,新 規 に設立 された労働組合の参入の可否の枠 内 で処理 され ることが予想 され るのである。 (b)FN問 題 他方,FNに よる 「労働組合」組織化 問題 は,フ ランスにおけ る労働組合 の 理念に まで遡 る重大 な問題 をは らんでい る。極右政党 FNの 支持者が 「労働 組合」 を設立す るが,名 称 に 「FN」 を挿入す るな ど,「FNの 労働組合」 とし ての性格 を公然 とさせ て きた。 そのため,他 の労働組合のみならず,当 局側か らも,こ の 自称 「労働組合」が,労 働法典 による 「労働組合」 としての資格 を 否認 され るべ きだ との主張が強 まった。 リヨン交通局の事例 では, リヨン大容 裁判所 は,「政党 であ る FNの 社会 問題 に介入す る とい う公然たる意図があっ て も,そ の労働組合の明 らかにされた 目的が構成員の物質的および精神的利益 の保護 である限 り,そ の支持者の労働組合 を結成す る自由 を妨 げるこ とはでき ない。」 として,「FN一 TCL」 の労働組合 としての資格 を否認するための当局 の申し立て を却下 した。 しか し,パ リ交通公団の事例 では,ナ ンテール大審裁
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開11995年大聞争と労働組合の代表権能の位相 129 判 所 は, 「F N ― R A T P 」 に対 して,「 労 働 組 合 の 資格 を,い か な る状 況 に お い て も, ど の よ うな表現手段 に よって も,主 張す るこ とを」禁 止す る と判示 した の であ った。その後 に続 いた司法判 断 も,FNの 名称 を冠 した 自称 「労働組合 」 に対 しては,そ の 「労働組合 」 としての資格 を否認 し,そ の企業 内におけ るビ ラ配布 な どを,企 業 内労働 組合 活動権 の保護 に値 しない として禁 止 したの であ った。 この FNの 「労働 組合 」組織化 をめ ぐる問題 は,そ の根底 には,「労働 組合 」 (「労働 組合権 」)と 「政 党 」 (「結社 の 自由」)と の間の微 妙 で唆 味 な関係 (両 者 の浸透 ,峻 別 と競合 )や ,「労働 組合 の 自由」原則 の も とでの労働 法典 に よ る限定 的 な 「労働 組合 資格 」 (届出主義 )の 矛盾 的性格 とい う一般 的課題性 が 横 た わ って い る と と もに,FNの 掲 げ る政 治綱 領 が,「労働 組合 の代 表性」 の 資格 要件 に抵触す る可能性 が大 きい とい う特殊 的 な事 情 を無視 で きない。す な わ ち,労 働 法典 (第 L133-2条 )は ,「労働 組合 の代 表性」 を認定す る判 断基 準 に,「 占領 中の愛 国的態度」 を明記 して い るか らで あ る。FNの フ ァ シス ト 礼 賛 とい う政 治綱領 は,か か る 「労働 組合 の代 表性」 の制度 自体 と両立 しえな いか らこそ,使 用者側 か らも,FN「 労働 組合」の正 当性 に疑義 が挟 まれ る と い え よ う。 ここでは,労 働法典 におけ る 「労働組合」の問題 として,判 断基準 とな るべ き明確 な理 念 と条文 が存 したか ら,FNに よ る 「労働 組合権 」 の借 取 の拒否 は容 易 であ った。 しか し,次 の労働 審判所選 挙 問題 では,FNの 「結社 の 自由」 の 「正 当性」 が問題 とな る。 (C)労 働 審判所選挙 問題 1997年12月に予定 され てい る労働 審判所選挙 を控 え,候 補者推薦資格 をめ ぐ って,労 働 組合側 と政府 の論争が巻 き起 こった。
19)Liaisons sociales,N°12254 du 13 septembre 1996,p.4.
20)Liaisons sociales,N°12193 du 12juin 1996,p.4.労働組合組織 は,こ の判決 を,「排外主 義 に対 して加 え られ た厳 しい失敗。政党 と労働組合 との間の混同の拒否」 (CFDT),「 偽 労働組合 の移入 とい う FNの 企みに対す る重要 なかつ積極的 な反応」 (CGT)と 高 く評価
五大労働 組合 中央組 織 が,労 働 審 判所選挙 の立候 補 者名 簿 の提 出 を,「全 国 段 階 で代 表的 な労働 組合 組織 だけ に」認め るよ うに,首 相 に共 同書簡 を提 出 し, その ため の立法制 定 を要 求 した こ とか ら,政 治 問題化 した。現行 法 では,労 働 審判所選挙 の候 補 者推 薦名 簿 の提 出 を,特 に限定 す るこ とな く,す べ ての組織 に認め てい るため,こ れ ら 「代 表 的」労働 組合 組 織 は,FNが ,審 判所選 挙 に 候補 者推薦名 簿 を提 出す るこ とに よ り (結果的 に,FN所 属 の労働 審 判 員 を当 選 させ るこ とに よ り),労 働 運動 の分 野 で,「 市民権 」 を獲得 す るこ とを恐れ た の であ った。 その ため に,フ ランスの労働 組合 法制 が,「代 表 的労働 組合 」制 度 に立脚 して い るこ とを指摘 し,公 務 員分 野 で も,前 述 の とお り,1996年 法 に よ り,こ の制度 が導入 され た こ とを強調す るの であ った。 また,FN側 が労働 者選 挙 区 と使 用者選挙 区の両方 に候補 者 を推薦す るこ とも,そ の「労働 組合 性 」 を疑 わ しめ る論 拠 とした。 これ に対 して,政 府側 は,そ の よ うな立法 は,違 憲 であ る とい う指摘 を した。 労働 審判 員 は,「判事 」 であ り,「主権 は,人 民 (全体 )に 属 し,人 民の いか な る部分 もその行使 を委 ね られ ない」 のであ るか ら,そ の選挙 の推薦 資格 を,特 定 の 団体 に限定 で きな い と した。 また,労 働 大 臣 は,「FN名 簿 に対 抗 す る最 も有効 な手段 は,代 表的労働 組合 組織 自身が,優 越的 な地位 にあ る使命 を有 し て い るこ とを示 す こ とであ る。」 と反論 した。 他 方,UNSA,SUD,CSLな どの (全国段 階 で の)「代 表 的」労働 組 合 の 認定 を受 けて い ない他 の労働 組合 組 織 も反撥 し,「労働 組合 の代 表性 の枠 内の 問題 では な く,判 事 の選 挙 の問題 で あ る。労働 組合 中央組織 を過保 護 しす ぎる こ とは,FNと 戦 う最 良の方法 では ない。」 と批判 したのであ った。 ここでは,FNの 「結社 の 自由」 の側 面 と,そ の 「労働 組合権 」 の問題 が交 錯 す るフ ランス的状 況 が象徴 的 に浮 き彫 りに され て い る。労働 法典解釈 の次元 では,五 大労働 組合 中央組織 に よる労働 審判所推薦 資格 の独 占の主張 は,説 得 力 に欠 け るが,そ こに伏在 していた,「組合複数 主義」 (憲法 に よる 「結社 の 自 由」 あ るいは 「労働 組合 の 自由」)に おけ る 「代 表 的労働 組合制 度」 (労働 法典 に よる 「労働 組合 権 」 の制約 )の 正 当性 とい う問題 が,労 働 運動 の再 編 の動 き
フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開:1995年大聞争と労働組合の代表権能の位相 131 が進むにつれ,今 日的な課題 となって表面化 しているとみることができよう。 (d)CGT大 会 (創立100周年) 労働運動の主体 に関わ る事項につ いては,失 業者組織 (AC!)の 運動の進展 や退職者組織の登場 に よるその 「(法的)公 認」問題が一層先鋭化 して きたが, ここでは,CGT大 会 (第45回)を 取 りあげる。 冒頭ふれたように,1995年 は,CGT創 立100周年 としてフランス労働運動史 上 の歴史的な画期 で もあ り,そ れに合 わせ て予定 された CGT大 会は歴史的意 義 に満 ち,脚 光 を浴 びるべ きものであったが,大 闘争の最中に開催 されたため, その陰に隠れた印象は否めない。 そ うした話題性 とは別に,今 回の大会は,「開 かれた,透 明性のある労働組合活動 を発展 させ ることを目的に,社 会に適合 し,
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必要 が あ る。 目的条項 の全 面的 な改訂 では特 に 「生産 ・流通手段 の社会化」の 概 念 の放棄 に論議 が集 中 したが,そ の他 の規約 内容 では,新 しい組織形態 と課 題 に応 え るため に,「連盟 問組織」,労 働組合支部や失業者の位 置づ けの明確化 が特 記 され よ う。 なお,「労働 組合」 と 「政 党」の関係 をめ ぐる問題 に関連 し て,1996年 末 に開催 され た フランス共産党大会 (第29回)で,史 上始め て,CGT 幹部 が,「労働 組合 の責任 に属 す るこ とと政 治 的責任 に属 す るこ ととの間の必 要 な区別 をよ り明確 な形 で実行 す るの にふ さわ しい時機 がや って きた。」 とし て,共 産 党全 国事務 局員 に就任 しなか った事実 は,特 筆すべ き「事件」であった。21)Compte rendu du 45e congrёs(1996)p.208.今大会 で関心 を呼んだ話題 は,規 約修正問 題,世 界労連脱退問題,組 合員数問題 (公表数 で CFDTに 音位 を譲 り,「最大」組合組織 の座 を明け渡 した)で あった。 22)か か る危機意識は,大 会前に全組合員に配布 された討議呼びかけ文書 (「CGTは ,皆 さ んの意見 を必要 としている。」)に よ く表われている (このような文書の配布 自体が初めて の試み であった)。 23)「生産 ・流通手段 の社会化」の概念の放棄は,賛 成 :62,15%,反 対 i30,05%,菜 権 :7,35 %で 採択 され,新 規約 は,賛 成 !65,89%,反 対 :24,07%,葉 権 :10,04%で あった。 な お,別 稿 (労働法律句報1997年12月号)に おいて,新 規約の紹介 を予定 している。
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フランスにおける労働運動の高揚と団結権論の新展開 11995年大闘争と労働組合の代表権能の位相 133
Le droit syndical a l'lpreuve du IIlouvement social
en France
Kanta OWADA
Nous traitons les problёmes du drOit syndical a l'6preuve du rnOu‐ vement social de novembre et dё cembre 1995 en France.Nous ana_ lysons les orientations et port6es des repr6sentativit6s des syndicats dans les conionctures sociales.
(1) Des grandes significations du mouvement social en 1995 et de la rentrOe de la gauche au gouvernement en 1997:1'actualitё des repr6sentativitOs des syndicats sous quatre ondes des crises ① Le rnouvement social en 1995 et quatre ondes des crises
(a) La crise dans les circonstances internationales (1) Iメunification d'Europe et la politique sociale (11) La globalisation d'6conoIIlie et le droit syndical (b) La crise ёcononllque
(C) La crise politique:le d6couplage entre la politique et la so‐ ci6tё
(d) La crise des rnouvements syndicaux
(e) La signification historique du rnouvement social en 1995 ② La prOb16matique de la rentrё e de la gauche au gouverne‐
ment etla tache du syndicat
(a) L'Europe social etla gauche d'Europe
(b) La seconde victoire depuis 1981:la politique et le syndicat (2) Le dOroulement du mouvement social en 1995 et sa caractё ris‐
tique
② La r6forrne de la s6curitO sociale etle syndicat (a) L'idёe de la r6forme du systёme
(b) Le systё me de la s6curitё sociale et l'institutionnalisation des syndicats
(3) Les courants sur les repr6sentativitOs des syndicats et ses analyses
① La politique del'institutionnalisation des syndicats
C) Les reprlsentativitOs des syndicats dans la fonction publique
() La recomposition syndicale et les reprOsentativit6s des syndi‐cats
(a) L'6mergence de la SUD et sa reprOsentativit0 (b) Le problё me du FN
(C) Iメ61ection du consell des prud'honlFneS (d) Le congrё s dela CGT