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<シンポジウム6>神経難病および医療ネットワークオーバービュー

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Academic year: 2021

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49:867

<シンポジウム 6>神経難病および医療ネットワーク

オーバービュー

座長

国立病院機構宮城病院 国立病院機構刀根山病院

木村

神野

(臨床神経,49:867, 2009) この 10 数年間程,難病医療体制整備が進められ,専門医の 難病に対する視点が大きく変わった時はなかったであろう. 平成 7 年頃には,筋萎縮性側索硬化症など重度難病患者がレ スパイトをふくめた入院療養を拒否された事例,人工呼吸器 を装着して生きる決心をしても呼吸器装着を拒否あるいは制 限された事例が注目された.当時,国会では超党派議員によっ て難病対策が議論され,マスコミを通じて大きな社会問題に まで発展した. 今日,神経内科専門医は病院や大学での業務に加えて,それ ぞれの地域社会で一人ひとりの難病者と家族を支援する役割 を担うことが当たり前になってきた.これ程多くの専門医が 難病に関心を寄せ,積極的に関与できる環境に変わってきた ことに時の流れを感じる.平成 10 年を境にして厚生労働省の 難病対策と厚生科学研究事業特定疾患調査研究,難治性疾患 克服研究事業での政策提言が相乗し,各都道府県単位の難病 対策が開始された.地域医療機関を連携した難病医療ネット ワークが構築され,入院調整のための難病医療専門員が配置 されて成果をあげている.都道府県で必要な難病医療を当該 都道府県で現有する医療機関の総力によって充足する仕組み が働き出している.必要とする医療情報が公開され,医療・福 祉施策に対する要請に応えられ,自ら自立するための支援要 請に対応できる相談支援業務の仕組みが確立してきた.神経 難病相談支援に医療面から支援しようとする難病相談支援ド クターも現在 600 名になっている.どんな重度の難病でも,重 度障害と社会的不利益があっても,それぞれ自分の意思に よって生きざまを選択でき,家族と一緒に社会の中で自律し た生活ができる時代に変革してきていることを感じる. シンポジウムでは,国横断的な,都道府県単位の難病医療 ネットワーク,難病情報公開・情報共有,難病患者に対する自 立・自律支援,在宅療養環境・社会整備の経緯とあり方につ いてさまざまな切り口から議論が展開された.重症難病患者 入院施設確保事業,生活の質の向上,自立支援,難病相談支援 センター事業,災害時対策,在宅療養環境整備,医療機器開発 研究に尽力された今井尚志,荻野美恵子,中島孝,法化図陽一 の 4 先生からはそれぞれの事業の意義と成果について総括が なされ,今後の難病克服戦略について重要な提言がなされた. シンポジウムに参加した専門医は難病医療政策を理解し,課 題を把握するだけではなく,難病に対して自ら何ができるか を問う良い機会になったものと考えられる. (受付日:2009 年 5 月 21 日)

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