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レーザー誘起ブレイクダウン分光によるコンクリート含有塩分計測―塩素濃度測定の感度評価―

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. レーザー誘起ブレイクダウン分光によるコンクリート含有塩分計測 −塩素濃度測定の感度評価− 背 景 コンクリート構造物の耐荷性能は、外部から浸入する塩化物イオンを原因とする鉄筋の腐食により低下する ため、塩素(Cl)濃度の定量測定は構造物の寿命を知る上で重要である。Cl 濃度は従来、構造物から抜き取っ たサンプルの化学分析によって測定されているが、測定に長時間を要することから、現場で Cl 濃度が計測可 能な測定技術の開発が望まれている。レーザー誘起ブレイクダウン分光(Laser Induced Breakdown Spectroscopy : LIBS)は、レーザー光を測定対象物に集光することによりプラズマを発生させ、そのプラズ マからの発光を分光することにより、測定対象物に含有されている元素の種類および濃度を測定する技術であ り、現場において遠隔かつリアルタイムでの計測が可能である。. 目 的 塩分含有コンクリート試験体を微粒子化してプレスしたサンプルを用い、LIBS によるコンクリート含有 Cl 濃度計測の測定感度を明らかにする。. 主な成果 シングルパルスおよびダブルパルスレーザー光* 1 を用いた LIBS により、プレスサンプルからの Cl 発光を計 測し、以下の結果を得た(図 1、2)。 1.受光遅延時間制御による測定感度の向上 レーザー照射と受光の遅延時間を制御することにより、レーザー照射直後の白色光ノイズを低減し、Cl 発光(波長 837.59nm)の測定感度を向上した。これにより、Cl 濃度が 0.18kg/m3 においても Cl 発光強度を S/N 比 2 以上で測定することに成功した。この結果より、本測定技術は鉄筋の腐食が開始するとされるコン クリート中の Cl濃度 0.6kg/m3 * 2 を検出可能である(図 3)。 2.定量計測の可能性とダブルパルスによる発光強度の増加 Cl 濃度と Cl 発光強度の間に線形の関係が得られた。これにより、コンクリート含有 Cl 濃度の定量計測の 可能性が示された。また、ダブルパルス計測において、二つのレーザー光の照射遅延時間を制御することに より、Cl発光強度を 2 倍に増加させることに成功した(図 4)。. 今後の展開 コンクリートの試験体を用いて、LIBSによるコンクリート含有塩分計測の実用性を明らかにする。 主担当者 関連報告書. 電力技術研究所 高エネルギー領域 上席研究員 藤井 隆 「レーザー誘起ブレイクダウン分光によるコンクリート含有塩分計測─プレスサンプルを用 いた Cl濃度測定の感度評価─」電力中央研究所報告: H07012(2008 年 7 月). * 1 :今回の実験では、Nd:YAGレーザーの第2 高調波(波長 532nm)を用いた。 * 2 :日本建築学会において、「鉄筋位置におけるコンクリート中の塩化物イオン量が 0.6kg/m3 を超えたとき、鉄筋は 腐食し始めるものとする」と定められている。. 128.

(2) 9.電力施設建設・保全 バンドパスフィルター プレスサンプル. 光ファイバー. ICCDカメラ. コンク リート コンクリート プレス サンプル プレスサンプル. 発光 分光器. パソコン 回転ホルダー. プラズマ. レンズ. Heガス. レーザー光 タイミングコントローラ. レンズ 移動ステージ. レーザー1. レーザー2. 図1 LIBS計測実験系. 図2 プレスサンプル上のプラズマ生成. サンプルにレーザー光を照射した際に生成されるプラズマ中の Cl 発光を測定する。シングルパル ス計測ではレーザー 1 のみ、ダブルパルス計測ではレーザー 1 とレーザー 2 を用いる。レーザー 1 でプラズマを生成し、レーザー 2 でプラズマ中の原子やイオンを再励起または再加熱する。. 17000 17000. 5000. Cl: 837.59nm. 4000. 発光強度. 強度(相対値). 強度( 強度 (相対値). 16000 16000. 5.40 15000 15000. 1.04. 14000 14000. ●:シングルパルス ●: ■: :ダブルパルス. 4500. 3500 3000 2500 2000 1500. 13000 13000. 0.18 0.18. 1000 500. 12000 12000 836. 0 837. 838. 839. 0. 波長(nm) (nm ). 1. 2. 3. 4. 5. 6. 3. Cl含有量(kg/m ). 図4 Cl 発光強度のCl 濃度依存性. 図3 Cl発光スペクトルのCl 濃度依存性. 9. シングルパルス計測における 500 ショット積算 および 5 点移動平均。図中の数字は Cl 濃度 。 (kg/m3). シングルパルス計測、ダブルパルス計測の双方 において線形の関係が確認された。. 129.

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