Title
Syntheses, Structures and Properties of Paddlewheel-Type
Dirhodium Complexes( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
楊, 志勇
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第145号
Issue Date
2001-03-24
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1866
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名 (本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月 日 専 攻 学位論 文題 目 楊 志 勇(YANG ZHIYONG)(中国) 博 士(工学) 甲 第 145 号 平成13年 3 月24日 物質工学専攻
Syntheses,Structuresand Properties of PaddleYheeトType Dirhodiutn Complexes (水車型ロジウム複核錯体の合成、構造ならびに性質) 学位論文審査委員 (主査) 教 授 川 村 尚 (副査) 教 授 矢 野 紳 一 教 授 橋 場 稔 助教授 海 老 原 昌 弘
論文内容の-要旨
遷移金属原子間結合に関わる電子はイオン化や分極が容易な柔軟であり、それを反映 して、、触媒作用や磁性などの機能の発現が期待される。ロジウム原子間に化学結合を持 つロジウム複核錯体は多数報告されているが、ロジウム原子間結合の相互作用をめざし た研究の報告は極めて少ない。本研究は、いわゆる水車型構造をもつロジウム複核錯体 をハライド架橋により集合化を試み、集合化による新しい機能発現を目指した研究の結 果を纏めたものであり、全7章から成っている。 第1章は、遷移金属原子間に化学結合を持つ多核錯体に関する従来の知見を概括し、 本申請者の研究の背景を述べた序章である。 第2章は、種々のカルポン酸アニオンで架橋したロジウム複核錯体とトリアルキルク ロロシランの反応により、一連の塩素架橋 ロジウム四核錯体が得られる;とを見出し、 その反応条件、生成物の構造と化学的ならびに物理化学的性質を明らかにしたものであ る。まず、得られた塩素架橋ロジウム四核錯体の幾何構造をⅩ線構造解析により、この 錯体が2つのロジウム複核単位を四つの塩化物イオンで架橋したケージ構造を持つこと を報告している。この構造は従来知られていなかった全く新しい骨格構造である。電子 スペクトルの比較検討に基づき、結晶内でみられた構造が溶液内でも保持されているこ と、軸位配位子が溶媒分子と置換しやすいこと等も見出している。また、ヒドロキシビ リジンアニオンで架橋した塩素架橋ロジウム四核錯体が得られることも見出し、トリア ルキルクロロシランを用いて塩素架橋ロジウム四核構造を合成する反応が広い応用範囲 を持つことを示している。 第3章は、第2章で得られた塩素架橋ロジウム四核錯体と種々のタイプの配位子との 反応を調べた結果を纏めた章である。ビリジンなどの単座配位子との反応では四核骨格 を保って軸位配位子の置換体が得られることを報告すると共に、四核錯体の結合距離な-58-らびに酸化電位に対して、軸位配位子のα供与性が大きな影響を及ぼすことを見出して いる。また、1,8・ナフチリジン等の1,3・二座配位子との反応では、二座配位子が架橋塩 化物イオンと置換して架橋したロジウム複核錯体が高収率で生成することを見出し、混 合架橋配位子をもつロジウム複核錯体合成に有用であることを提案している。さらに、 ヒドロキシビリジンナトリウム塩などの陰イオン性二座配位子との反応では、±座配位 子が三つ導入された種々の配向異性体が生成することを報告している。 第4章では、第2章で得られた新規塩素架橋 ロジウム四核錯体が水に対して大きな溶
解度を持つことに注目し、この錯体を水溶液中でのオレフィン類の水素化触媒として応
用する可能性を検討した結果を報告している。四核錯体を触媒として、アクー」ル酸やア クリルアミドなどの水溶性オレフィンが、水溶液中で常温常圧の水素雰囲気下で容易に 水素化されることを見出している。また、反応速度解析結果に基づき、この水素化触媒 反応がロジウムヒドリド錯体中間体を経由して進むとの反応機構を提案している。 第5章は、アセトアミデート架橋ロジウム複核錯体力チオンラジカルとハライドイオ ンとの反応により、ハライド架橋ロジウム複核錯体のジグザグー次元鎖から成る結晶が得られることを新たに見出しこその生成物の反応条件依存性、幾何構造、ならびに磁性
を調べた結果を纏めたものである。高い反応温度では結晶水を含まない一次元鎖錯体結 晶が生成し、低温では結晶水を含む結晶が生成することを見出し、生成物の温度依存性 を熱力学的反応制御として説明している。これらの錯体結晶の磁性が、一次元ハイゼン ベルグモデルに従うこと、.隣疲の磁性サイト間の相互作用が反磁性的であり、架橋ハラ イドが重くなるに連れて相互作用の大きさが小さくなることを報告している。 第6章は、アセトアミデート架橋ロジウム複核錯体力チオンラジカルを四塩化白金酸 アニオンや四塩化パラジウム酸アニオンにより架橋されたジグザグー次元鎖構造から成 る結晶が生成することを見出し、その結晶構造を明らかにしている。 第7章は、第2牽から第6章までの研究の結果を概括し纏めたもので、ハライドイオ ンがロジウム複核ユニットの連結に有効であ.ることを指摘すると共に、これら錯体の反 応や磁性において架橋ハライドイオンが重要な役割を演じていることを指摘している。論文審査結果の要旨
遷移金属原子間結合に関わる電子はイオン化や分極が容易で柔軟であり、それを反映 して、触媒作用や磁性などの機能の発現が期待される。ロジウム原子間結合を持つロジ ウム複核錯体は多数報告されているが、ロジウム原子間結合の相互作用をめざした研究 の報告は極めて少ない。本研究は、いわゆる水草型構造をもつロジウム複核錯体をハラ イド架橋により集合化を試み、新しい機能発現を目指した研究の結果をまとめたものである。個々の成果は以下のとおりである。
種々のカルポン酸アニオンで架橋したロジウム複核錯体とトリアルキルクロロシラン の反応により、一連の塩素架橋ロジウム四核錯体が得られることを見出している。得ら れた四核錯体の構造が、2つのロジウム複核単位を4つの塩化物イオンで架橋したケー ジ構造であることをⅩ線構造解析により明らかにしている。電子スペクトルの比較検討-59-等に基づき、結晶内でみられた構造が溶液内でも保持されていること、軸位配位子が溶 媒分子と置換しやすいこと等も見出している。また、ヒドロキシビリジンアニオンで架 橋したロジウム四核錯体が得られることも見出し、トリアルキルクロロシランを用し?た 塩素架橋ロジウム四核錯体合成反応が広い応用範囲を持つことを示している。 塩素架橋ロジウム四核錯体とビリジンなどの単座配位子との反応では四核骨格を保っ て軸位配位子の置換体が得られることを報告すると共に、四核錯体の結合距離ならびに 酸化電位に対して、軸位配位子の口供与性が大きな影響を及ぼすことを見出している。 また、1,8・ナフチリジン等の1,3・二座配位子との反応では、二座配位子が架橋塩化物イ オンと置換して架橋したロジウム複核錯体が高収率で生成することを見出し、混合架橋 配位子をもつロジウム複核錯体合成に有用であることを提案している。 塩素架橋ロジウム四核錯体を触媒として、アクリル酸やアクリルアミドなどの水溶性 オレフィンが、水溶液中で常温常圧の水素雰囲気下で容易に水素化されることを見出し